JP2006317480A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クリーニングブレードに捲れが発生する危険を回避しつつ、クリーニングブレードと像担持体との間の異物を除去するクリーニングが行える画像形成装置を提供する。
【解決手段】 被転写媒体6に転写するためにトナー画像が形成される像担持体5と、像担持体5に先端部を当接させて残留するトナー17を掻き落とすクリーニングブレード115とを有する画像形成装置において、像担持体5には、被転写媒体6に転写しないパッチ画像16がトナー17によって形成され、像担持体5は、パッチ画像16がクリーニングブレード15に到達したときに、逆方向に回転してから再び順方向に回転する。
【選択図】図2

Description

本発明はトナーにより画像を形成する画像形成装置に関する。
記録紙などの被転写媒体上にトナーにより画像を形成する複写機やプリンタなどの画像形成装置は、像担持体上に一時的にトナーによる画像を形成して、像担持体から被転写媒体に画像を転写する。像担持体表面には、トナーの一部が被転写媒体に転写できずに残ることがある。このため、像担持体には、移動方向斜め前方からクリーニングブレードが押し当てられ、残留するトナーが掻き落とされる。
図12は、特許文献1に記載されている従来の画像形成装置の運転の流れを示す。ステップS21では、温度などの条件を印刷可能な条件に維持しておき、データが入力されると、入力されたデータに基づいて像担持体上にトナー画像を形成し、像担持体から被転写媒体にトナー画像を転写する印刷処理を行う。このとき、図13に示すように、像担持体31には、通常のトナー32だけでなく、画像形成装置内で形成される噴煙トナーの凝集物や回転部材の摩耗粉、被転写媒体の紙粉などの異物33も付着することがあり、これらの異物33もクリーニングブレード34で掻き落とされる。しかしながら、そのような異物33は、ときとして、図14に示すように、クリーニングブレード34と像担持体31との間に挟み込まれてしまう場合がある。すると、クリーニングブレード34と像担持体31との間に部分的な隙間が発生して該隙間をトナー32が通り抜け、像担持体31の移動方向に筋状にトナー32が残ってしまう。像担持体31表面から掻き落とすことができなかったトナー32の筋は、次の被転写媒体に転写されることになり、印刷の汚れとして認識される。
そこで、従来の画像形成装置では、印刷処理が終了すると、ステップS22において像担持体31を逆回転させる。図15に示すように、像担持体31を逆方向に移動させることで、クリーニングブレード34と像担持体31との間に挟み込まれた異物33およびトナー32をクリーニングブレード34と像担持体31との間から離脱させることができ、ステップS23で像担持体31を再び順方向に回転して、図16に示すように、クリーニングブレード34を像担持体31に密接させるクリーニングを行う。ステップS24において運転終了の指示が確認されなければ、再びステップS21に進んで次のデータの入力を待ち、印刷処理を行う。
しかしながら、通常、クリーニングブレード34と像担持体31との間には、微粒子(主にトナーの添加物)による静止層35が形成されており(図13参照)、この静止層35は、トナー32がクリーニングブレード34を通過しないように像担持体31からトナー32を掻き落とすと共に、クリーニングブレード34と像担持体31の間の摩擦力を低減する機能を果たしている。図16に示すように、静止層35を形成する微粒子も除去された場合、クリーニングブレード34と像担持体31との間の摩擦力が増大する。
一方、クリーニングブレード34は、その材料特性のために、温度が高くなると反発弾性が高くなる。クリーニングブレード34は、反発弾性が高いときに像担持体との間の摩擦力が増大すると、図17に示すように、その先端が像担持体31の移動方向に引きずられて大きく変形する捲れが発生する。捲れが発生すると、クリーニングブレード34は、トナー32を掻き落とす機能を果たすことができず、また、クリーニングブレード34が損傷して交換が必要になることもある。
このような捲れを防止するために、特許文献2に記載されている画像形成装置は、クリーニングブレードの反発弾性が高くなる高温時には、像担持体を逆方向に移動させないようにしている。
しかしながら、特許文献2の画像形成装置は、連続運転時には、クリーニングブレードの温度が上昇するので、像担持体を逆方向に移動させて異物を除去することができないという問題がある。
特開平9−211924号公報 特開2000−305440号公報
前記問題点に鑑みて、本発明は、クリーニングブレードに捲れが発生する危険を回避しつつ、クリーニングブレードと像担持体との間の異物を除去するクリーニングが行える画像形成装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様の画像形成装置は、被転写媒体に転写するためにトナー画像が形成される像担持体と、前記像担持体に先端部を当接させて残留するトナーを掻き落とすクリーニングブレードとを有し、前記像担持体には、前記被転写媒体に転写されないパッチ画像がトナーによって形成され、前記像担持体は、前記パッチ画像が前記クリーニングブレードに到達したときに、逆方向に回転してから再び順方向に回転するものとする。
この構成によれば、像担持体を逆回転してクリーニングブレードと像担持体との間に挟み込まれた異物を除去したときに、像担持体の上流側にパッチ画像を形成していたトナーが付着し、像担持体を順方向に回転したとき、パッチ画像を形成していたトナーがクリーニングブレードと像担持体との間に即座に静止層を形成する。これによって、クリーニングブレードと像担持体との間の摩擦を低減して、クリーニングブレードの捲れを防止できる。
また、本発明の第2の態様の画像形成装置は、被転写媒体に転写するためにトナー画像が形成される像担持体と、前記像担持体に先端部を当接させて残留するトナーを掻き落とすクリーニングブレードとを有し、前記像担持体には、前記被転写媒体に転写されないパッチ画像がトナーによって形成され、前記クリーニングブレードは、前記パッチ画像が前記クリーニングブレードに到達したときに、前記像担持体より速い速度で前記像担持体の移動方向に移動してから逆方向に移動して元の位置に復帰するものとする。
この構成によれば、クリーニングブレードを移動してクリーニングブレードと像担持体との間に挟み込まれた異物を除去したときに、像担持体の上流側にパッチ画像を形成していたトナーが付着し、このトナーがクリーニングブレードと像担持体との間に静止層を形成する。これによって、クリーニングブレードと像担持体との間の摩擦を低減して、クリーニングブレードの捲れを防止できる。
また、本発明の第3の態様の画像形成装置は、被転写媒体に転写するためにトナー画像が形成される像担持体と、前記像担持体に先端部を当接させて残留するトナーを掻き落とすクリーニングブレードとを有し、前記像担持体には、前記被転写媒体に転写されないパッチ画像がトナーによって形成され、前記クリーニングブレードは、前記像担持体から離間した後、前記パッチ画像上に着接するように前記像担持体に圧接するものとする。
この構成によれば、クリーニングブレードを像担持体から離間してクリーニングブレードと像担持体との間に挟み込まれた異物を除去し、クリーニングブレードを再び像担持体に当接したとき、パッチ画像を形成するトナーがクリーニングブレードと像担持体との間に静止層を即座に形成する。これによって、クリーニングブレードと像担持体との間の摩擦を低減して、クリーニングブレードの捲れを防止できる。
また、本発明の第1から第3の態様の画像形成装置は、温度検出手段を有し、前記温度検出手段が検出した温度に応じて前記パッチ画像を形成するトナーの量を制御してもよい。
この構成によれば、クリーニングブレードの反発弾性が高くなる高温時には、パッチ画像を形成するトナーの量が多くなるように調整できる。これによって、クリーニングブレードと像担持体との間に挟み込まれた異物を除去した後に、高温時ほど多くのトナーで静止層を形成することでクリーニングブレードと像担持体との間の摩擦を低減する効果を高め、クリーニングブレードの捲れを防止できる。
また、本発明の第1から第3の態様の画像形成装置において、前記パッチ画像は、長さが前記クリーニングブレードの幅と等しく、前記像担持体の回転方向に直交する帯状の画像であってもよい。
この構成によれば、クリーニングブレードと像担持体との間に挟み込まれた異物を除去する際に、クリーニングブレードの全幅にわたり、均一にトナーを供給して、ムラなく静止層を形成することができる。これによって、クリーニングブレードの捲れを確実に防止できる。
また、本発明の第1から第3の態様の画像形成装置において、前記パッチ画像は、カブリによって形成するトナー画像であってもよい。
この構成によれば、感光体と現像ユニットとのバイアス電圧を変えてカブリを発生させることで、クリーニングブレードの異物除去時に静止層を形成させるためのパッチ画像を形成できる。このため、パッチ画像の画像データを用意しなくても静止層を形成することができ、クリーニングブレードの捲れを防止できる。
また、本発明の第1から第3の態様の画像形成装置において、前記像担持体は、トナー画像を形成した部材から一時的にトナー画像を転写され、転写されたトナー画像を被転写媒体に転写する中間転写体であってもよい。
この構成によれば、中間転写体に残留するトナーを掻き落とすクリーニングブレードを頻繁にクリーニングすることができるので、異物によって印刷の汚れが発生しやすい中間転写体のクリーニング状態を常に良好に維持できる。
また、本発明によれば、被転写媒体に転写するためにトナー画像が形成される像担持体と、前記像担持体に先端部を当接させて残留するトナーを掻き落とすクリーニングブレードとの間に挟み込まれた異物を除去するクリーニングブレードのクリーニング方法は、前記像担持体に、前記被転写媒体に転写しないトナーによるパッチ画像を形成し、前記パッチ画像が前記クリーニングブレードに到達したときに、前記像担持体を逆方向に回転してから、前記像担持体を再び順方向に回転する方法とする。
この方法によれば、像担持体を逆回転してクリーニングブレードと像担持体との間に挟み込まれた異物を除去したときに、像担持体の上流側にパッチ画像を形成していたトナーが付着し、像担持体を順方向に回転したとき、パッチ画像を形成していたトナーがクリーニングブレードと像担持体との間に即座に静止層を形成する。これによって、クリーニングブレードと像担持体との間の摩擦を低減して、クリーニングブレードの捲れを防止できる。
以上のように、本発明によれば、クリーニングブレードと像担持体との間の異物を除去するクリーニングの際に、パッチ画像によりクリーニングブレードと像担持体との間に静止層を即座に形成させて摩擦を低減する。これによって、クリーニングブレードの反発弾性が高いときに異物除去を行っても、クリーニングブレードに捲れが発生せず、像担持体上のトナーをクリーニングブレードによって完全に掻き落として、印刷状態を良好に保つことができる。
これより、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明の第1実施形態の画像形成装置の構成を示す。本実施形態の画像形成装置は、4つの感光体1,2,3,4に、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー画像が形成され、感光体1,2,3,4に形成されたトナー画像が像担持体である転写ベルト5に転写され、転写ベルト5からトナー画像が記録紙6に転写される。つまり、感光体1,2,3,4から見ると転写ベルト5は被転写媒体であり、転写ベルト5から見ると記録紙6は被転写媒体である。また、転写ベルト5は、一時的にトナー画像が転写され、他の被転写媒体に転写する中間転写体である。転写ベルト5は、モータで駆動される駆動ローラ7と、駆動ローラ7から離間する方向に付勢された対向ローラ8とに掛け渡され、矢印方向に回動させられる。各感光体1,2,3,4は、それぞれ、1次転写ローラ9,10,11,12との間に転写ベルト5を挟み込んで、転写ベルト5に圧接することでその表面に形成されたトナー画像を1次転写ローラ9,10,11,12による静電力で転写ベルト5に転写することができる。そして、2次転写ローラ13が、駆動ローラ7との間に転写ベルト5と記録紙6とを互いに圧接するように挟み込むことで、転写ベルト5に感光体1,2,3,4から転写されたトナー画像を2次転写ローラ13の静電力によって記録紙6に転写する。トナー画像が転写された記録紙6は、定着器14で加熱され、トナー画像が定着される。転写ベルト5上のトナー画像は、記録紙6に完全に転写されず、一部が転写ベルト5上に残留することがある。転写ベルト5上に残留するトナーは、一端が転写ベルト5の回転方向に対向するように圧接されるクリーニングブレード15によって掻き落とされるようになっている。
転写ベルト5は、例えば、カーボンを分散することによって表面抵抗を1×10から1×1012Ω/□に調整したポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂からなっている。代案として、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂およびナイロン系樹脂などの樹脂、或いは、シリコンゴム、ウレタンゴムなどの弾性材料に導電粉体を分散して抵抗を調整した材料を用いてもよい。
駆動ローラ7、対向ローラ8、1次転写ローラ9,10,11,12および2次転写ローラ13は、例えば、アルミや鉄などの金属製のローラ、または、金属製の芯材の外周面を、導電粉体を分散することで抵抗値を1×10Ω・cm以下に調整したEPDM、NBR,ウレタンゴムまたはシリコンゴムなどの弾性材料で被覆したローラが用いられる。
クリーニングブレード15は、例えば、ポリウレタンエラストマーのような軟質樹脂弾性体からなる。
現像材として使用するトナーは、例えば、粒径7μm以下、好ましくは4.5μm以上で6.5μm以下の重合トナーが用いられる。また、粉砕トナーを用いてもよい。
感光体1,2,3,4の現像方式は、例えば、一成分現像方式が採用されるが、二成分現像方式であってもよい。
次に、図2に、本実施形態の画像形成装置の運転の流れを示し、その動作を説明する。
本実施形態では、ステップS1において、各部の温度などの条件を印刷可能な条件に維持しておき、データが入力されると、感光体1,2,3,4に入力されたデータに基づいてトナー画像を形成し、転写ベルト5に転写し、転写ベルト5から記録紙6にトナー画像を転写して、定着器14で定着させる印刷処理を行う。このとき、転写ベルト5は、図1の矢印方向に順回転する。
画像形成装置は、印刷処理が終了すると、ステップS2に進み、図3に示すように、感光体4によって転写ベルト5上に黒色のトナーでパッチ画像を形成する。パッチ画像16は、トナーで形成した幅Wがクリーニングブレード15の長さに等しく、転写ベルト5の回転方向に直交する帯状の画像である。
パッチ画像16を形成すると、ステップS3において、パッチ画像16がクリーニングブレード15に到達するまで転写ベルト5を回転させる。このときの様子を図4および図5に示す。図4に示すように、印刷処理を行った後のクリーニングブレード15と転写ベルト5との間には、トナー17の微粒子による静止層18が形成されている。この静止層18は、クリーニングブレード15と転写ベルト5との隙間を封止してトナー17が下流に搬送されないようにすると同時に、クリーニングブレード15と転写ベルト5との摩擦を低減している。また、クリーニングブレード15と転写ベルト5との間には、トナー17だけでなく異物19が挟み込まれている。異物19は、クリーニングブレード15の先端と転写ベルト5との間に隙間を発生させてトナー17を通過させてしまう可能性がある。また、パッチ画像16は、転写ベルト5上に形成したトナー17の層であり、転写ベルト5の回転に伴って、クリーニングブレード15まで搬送される。パッチ画像16を形成するトナー17は、クリーニングブレード15で転写ベルト5から掻き落とされるが、図5に示すように、一時的に、クリーニングブレード15の先端部に多量のトナー17の堆積を生成する。
このまま転写ベルト5の回転を続けると、トナー17の多くは振動などによって振るい落とされる。しかし、本実施形態においては、ステップS3において、図5に示すようにパッチ画像16がクリーニングブレード15の圧接部に到達して掻き取られる瞬間を待って、ステップS4で、転写ベルト5を逆回転する。すると、図6に示すように、クリーニングブレード15と転写ベルト5との間のトナー17および異物19が除去され、クリーニングブレード15がクリーニングされる。このとき、パッチ画像16によって形成されたクリーニングブレード15の先端部のトナー17の堆積は、一部が転写ベルト5の上流側に付着する。
続いて、ステップS5において、転写ベルト5を順方向に回転すると、図7に示すように、転写ベルト5に付着しているパッチ画像16を形成していたトナー17が、クリーニングブレード15の先端と転写ベルト5との間に静止層18を即座に形成する。これにより、たとえ、クリーニングブレード15の反発弾性が高い高温時に、ステップS2からステップS5のクリーニング操作を行っても、クリーニングブレード15と転写ベルト5との間の摩擦が低減されるので、クリーニングブレード15の先端を転写ベルト5の移動方向に引っ張り込む捲れを発生させない。
ステップS5で、静止層18を形成してから、ステップS6において、運転終了の指示がされているか否かを確認し、運転終了の指示がない場合は、ステップS1に戻り、印刷データの入力を待つ。
本実施形態において、ステップS4の転写ベルト5の逆回転は、パッチ画像16の前縁部のトナー17がクリーニングブレード15によって掻き落とされてから、パッチ画像16が全てクリーニングブレード15によって掻き落とされた直後までの間で、クリーニングブレード15の先端にトナー17が多量に付着しているときに行う必要がある。
逆に、転写ベルト5を逆回転させるタイミングが精密に制御されれば、図8に示すように、細い帯状(線状)のパッチ画像16’でもクリーニングブレード15の先端に十分な静止層18を形成することが可能である。また、クリーニングブレード15は、その形状や転写ベルト5に対する圧接力の作用位置などによって、部分的に捲れの発生しやすさが異なる場合がある。例えばクリーニングブレード15の端部に捲れが発生しやすい場合、クリーニングブレード15の端部に対応する位置にのみトナー17を付着させるようなパッチ画像を形成してもよい。
本実施形態では、クリーニングブレード15に対して転写ベルト5の回転方向に最も近い位置にある感光体4でパッチ画像16を形成しているが、他の感光体1,2,3でパッチ画像を形成してもよい。
また、ステップS4で転写ベルト5を逆方向に回転させる代わりに、クリーニングブレード15を、転写ベルト5の移動方向に転写ベルト5よりも速い速度で移動させてから、逆方向に移動させて元の位置に復帰させてもよい。このとき、転写ベルト5は、停止してもよいし、順方向に回転していてもよい。
ステップS1の印刷処理は、1つのデータを出力する毎に終了する処理でも、所定の数のデータを出力する毎に終了する処理でも、一定の時間が経過した時に終了する処理でも、或いは、他のいかなる単位の処理であってもよい。
次に、図9に、環境温度とクリーニングブレード15の反発弾性係数の関係を示す。図示するように、クリーニングブレード15は、環境温度が高いほど反発弾性係数が高くなる。また、クリーニングブレード15は、静止層18がない状態では、反発弾性係数が約64%以上になると転写ベルト5に引きずられて捲れを生じることが確認された。つまり、環境温度が、クリーニングブレード15の反発弾性係数が約64%以上になる40℃以上で捲れが発生することが分かった。
このため、前記実施形態において、環境温度が40℃未満の場合は、パッチ画像16を形成しないようにする制御を追加することで、トナーの消費を削減することができる。クリーニングブレード15の環境温度を直接測定できなくても、相関関係のある測定温度によって制御してもよい。
また、反発弾性係数が64%を僅かに越える程度では、完全な静止層18が形成されなくても、少量のトナー17によってクリーニングブレード15の捲れが発生しない程度にクリーニングブレード15と転写ベルト5との間の摩擦を低減することができる。このため、例えば、環境温度が40°のときは少量のトナー17で濃度の低いパッチ画像を形成し、環境温度が高いくなるほど、パッチ画像16の濃度を高くしてパッチ画像16を形成するトナー17の量を多くすればよい。また、パッチ画像16のパターンを変えることでトナー17の量を変えてもよい。
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。
図10は、第2実施形態の画像形成装置の構成を示す。本実施形態は、矢印方向に回転する感光体21と、感光体を帯電させる帯電ユニット22と、帯電した感光体22に部分的に光を照射して画像データ対応した静電潜像を形成する露光ユニット23と、感光体22の静電潜像に静電力によりトナーを付着させて現像する現像ユニット24と、記録紙などの被転写媒体を感光体21に圧接させて感光体21表面のトナー画像を静電力により被転写媒体に転写させる転写ローラ25と、被転写媒体に転写されずに感光体21の表面に残留するトナーをクリーニングブレード26で掻き落とすクリーナユニット27とからなっている。クリーナユニット27は、クリーニングブレード26を感光体21から離間させることもできるようになっている。
本実施形態の画像形成装置は、図11のフローシートに沿って運転される。ステップS11において、印刷処理が終了すると、ステップS12において感光体21にクリーニングブレード26の幅と等しい帯状のパッチ画像が形成される。ステップS13において、クリーナユニット27は、クリーニングブレード26を感光体21から離間させ、クリーニングブレード26先端の静止層と異物を除去する。ステップS14において、クリーナユニット27は、感光体21の回転によるパッチ画像の移動にタイミングを測り、ステップS15において、クリーニングブレード26をパッチ画像の上に着接するように感光体21に対して圧接する。
こうして、クリーニングブレード26はクリーニングされるが、感光体21に圧接するときに、パッチ画像を形成するトナーの微粒子が即座に静止層を形成するので、クリーニングブレード26と感光体21との摩擦が低減され、クリーニングブレード26の捲れの発生が防止される。
また、本実施形態において、パッチ画像は、感光体21表面の電位と現像ユニット24のバイアス電位との差(カブリマージン)を小さくすることで発生するカブリによって形成してもよい。通常運転時のカブリマージンが350Vである場合、例えば、カブリマージンを100Vにすることで、感光体21表面にカブリトナーが現像される。カブリマージンを制御して、パッチ画像の濃淡を変更してもよい。
本発明の第1実施形態の画像形成装置の概略図。 図1の画像形成装置の運転の流れ図。 図1の画像形成装置に形成されるパッチ画像の平面図。 図1の画像形成装置のパッチ画像が到達する直前のクリーニングブレード先端部の概略図。 図4の後、パッチ画像が到達した直後のクリーニングブレード先端部の概略図。 図5の後、転写ベルトを逆回転したときのクリーニングブレード先端部の概略図。 図6の後、転写ベルトを順方向に回転したときのクリーニングブレード先端部の概略図。 図3のパッチ画像の代案を示す平面図。 環境温度とクリーニングブレードの反発弾性係数の関係を示すグラフ。 本発明の第2実施形態の画像形成装置の概略図。 図10の画像形成装置の運転の流れ図。 従来の画像形成装置の運転の流れ図。 従来の画像形成装置のクリーニングブレード先端部の概略図。 従来の画像形成装置の異物を挟み込んだときのクリーニングブレード先端部の概略図。 従来の画像形成装置のクリーニング時のクリーニングブレード先端部の概略図。 従来の画像形成装置のクリーニング後のクリーニングブレード先端部の概略図。 従来の画像形成装置の捲れ発生時のクリーニングブレード先端部の概略図。
符号の説明
5 転写ベルト(中間転写体)
6 記録紙(被転写媒体)
15 クリーニングブレード
16 パッチ画像
17 トナー
18 静止層
19 異物
21 感光体(像担持体)
26 クリーニングブレード

Claims (8)

  1. 被転写媒体に転写するためにトナー画像が形成される像担持体と、
    前記像担持体に先端部を当接させて残留するトナーを掻き落とすクリーニングブレードとを有し、
    前記像担持体には、前記被転写媒体に転写されないパッチ画像がトナーによって形成され、
    前記像担持体は、前記パッチ画像が前記クリーニングブレードに到達したときに、逆方向に回転してから再び順方向に回転することを特徴とする画像形成装置。
  2. 被転写媒体に転写するためにトナー画像が形成される像担持体と、
    前記像担持体に先端部を当接させて残留するトナーを掻き落とすクリーニングブレードとを有し、
    前記像担持体には、前記被転写媒体に転写されないパッチ画像がトナーによって形成され、
    前記クリーニングブレードは、前記パッチ画像が前記クリーニングブレードに到達したときに、前記像担持体より速い速度で前記像担持体の移動方向に移動してから逆方向に移動して元の位置に復帰することを特徴とする画像形成装置。
  3. 被転写媒体に転写するためにトナー画像が形成される像担持体と、
    前記像担持体に先端部を当接させて残留するトナーを掻き落とすクリーニングブレードとを有し、
    前記像担持体には、前記被転写媒体に転写されないパッチ画像がトナーによって形成され、
    前記クリーニングブレードは、前記像担持体から離間した後、前記パッチ画像上に着接するように前記像担持体に圧接することを特徴とする画像形成装置。
  4. 温度検出手段を有し、
    前記温度検出手段が検出した温度に応じて前記パッチ画像を形成するトナーの量を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記パッチ画像は、長さが前記クリーニングブレードの幅と等しく、前記像担持体の回転方向に直交する帯状の画像であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記パッチ画像は、カブリによって形成するトナー画像であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記像担持体は、中間転写体であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 被転写媒体に転写するためにトナー画像が形成される像担持体と、前記像担持体に先端部を当接させて残留するトナーを掻き落とすクリーニングブレードとの間に挟み込まれた異物を除去するクリーニングブレードのクリーニング方法であって、
    前記像担持体に、前記被転写媒体に転写しないトナーによるパッチ画像を形成し、
    前記パッチ画像が前記クリーニングブレードに到達したときに、前記像担持体を逆方向に回転してから、前記像担持体を再び順方向に回転することを特徴とするクリーニングブレードのクリーニング方法。
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