JP2006317171A - 傾斜センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】傾斜センサにおいて、振動や慣性力などの外力に影響されることなく被検出対象物の正確な傾斜状態を検出することを可能にする。
【解決手段】傾斜センサは、中空状のハウジング10を備えている。ハウジング10は、発光ダイオード12を備える蓋部11、コリメートレンズ14を備えるレンズホルダ13、遮光球18を受ける球受部15、およびフォトディテクタ20を備えるセンサホルダ19から構成されている。球受部15は、光透過性を有する材料からなり、その内底面15cが球面形状に形成されている。レンズホルダ13、コリメートレンズ14および球受部15によって囲まれた空間は収容部16として形成されている。この収容部16内に、光透過性および所定の粘性を有する粘性液体17および発光ダイオード12の光を遮る遮光球18が封入されている。
【選択図】 図1
【解決手段】傾斜センサは、中空状のハウジング10を備えている。ハウジング10は、発光ダイオード12を備える蓋部11、コリメートレンズ14を備えるレンズホルダ13、遮光球18を受ける球受部15、およびフォトディテクタ20を備えるセンサホルダ19から構成されている。球受部15は、光透過性を有する材料からなり、その内底面15cが球面形状に形成されている。レンズホルダ13、コリメートレンズ14および球受部15によって囲まれた空間は収容部16として形成されている。この収容部16内に、光透過性および所定の粘性を有する粘性液体17および発光ダイオード12の光を遮る遮光球18が封入されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、産業用ロボットなどの被検出対象物に装備されて、同被検出対象物の水平面に対する傾斜状態を検出する傾斜センサに関する。
従来から、産業用ロボットなどの被検出対象物に装備されて、同被検出対象物の水平面に対する傾斜角度および傾斜方向などの傾斜状態を検出する傾斜センサはよく知られている。例えば、下記特許文献1に記載の傾斜センサにおいては、筒状に形成されたハウジングの上部に発光手段であるLEDが設けられているとともに、同LEDに対向してハウジングの底部に受光手段である4つのフォトディテクタが同一円周上に略等間隔に配置されている。これらLEDとフォトディテクタとの間には、底部がフォトディテクタ側に張り出した球面形状の収容部が光透過性を有する材料により形成され、同収容部内に光透過性を有する液体(純水)が所定量(凸レンズ形状が形成できる量)だけ封入されている。この収容部内に封入された液体は、LEDから出射された光をフォトディテクタが配置された面上に集光する。
特開平10−185557号公報
この傾斜センサにおいては、同傾斜センサの傾斜状態に応じて収容部内に封入されている液体の位置が前記球面形状に沿って変化するため、同液体によって集光される光のフォトディテクタ上の位置も変化する。すなわち、傾斜センサが水平状態にある場合には、収容部内の液体が球面形状に形成された底部の略中央部に位置するため、同液体によって集光される光の位置も、4つのフォトディテクタが配置された略中央部となる。一方、傾斜センサが傾斜している場合には、傾斜状態に応じて収容部内の液体の位置が変化するため、同液体によって集光される光の位置も、液体の変位に応じて4つのフォトディテクタ上を変化する。この場合、各フォトディテクタからは、それぞれの受光量に応じた検出信号が出力される。すなわち、各フォトディテクタから出力される検出信号は、傾斜センサの傾斜状態に対応している。したがって、この検出信号に基づいて傾斜センサおよび傾斜センサが設置される被検出対象物の傾斜状態を検出することができる。
しかしながら、このような傾斜センサにおいては、収容部内に封入される液体(純水)の粘性が小さいため、被検出対象物の振動などの周波数成分の高い外力や急激な加速・減速による慣性力などの外力によって収容部内の液体の位置が容易に変化する。このため、傾斜センサが水平状態であってもフォトディテクタで受光される光の受光量が変化し、被検出対象物の正確な傾斜状態を検出できないという問題があった。
本発明は前記問題に対処するためなされたもので、その目的は、振動や慣性力などの外力が加わる環境においても、被検出対象物の正確な傾斜状態を検出することができる傾斜センサを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、内部が中空状に形成されたハウジングと、ハウジングに組み付けられて同ハウジング内に光を出射する発光手段と、発光手段に対向するようにハウジングに組み付けられて、発光手段から出射された光を受光して受光状態に応じた検出信号を出力する受光手段と、ハウジング内であって発光手段と受光手段との間に形成され、光透過性および粘性を有する液体を封入するとともに、発光手段から出射された光を受光手段に透過させる収容部と、収容部内に収容されてハウジングの傾斜に応じて変位する移動体とを備えたことにある。
この場合、前記移動体を、前記液体の比重より大きい比重の材料で構成し、収容部における受光手段側の底面の形状を同受光手段側に窪んだ球面形状に形成するとよい。また、これに代えて、前記移動体を、液体の比重より大きい比重の材料で構成するとともに、同移動体を収容部における発光手段側の上面から鉛直方向に吊り下げるようにしてもよい。また、これらに代えて、前記移動体を、液体の比重より小さい比重の材料で構成し、収容部における発光手段側の上面の形状を同発光手段側に窪んだ球面形状に形成してもよい。
これらの場合、前記移動体は、発光手段から出射された光の一部を遮光するようにするとよい。また、前記発光手段と前記移動体との間にコリメートレンズを配置するとよい。さらに、前記移動体を、球体にするとよい。
このように構成した本発明の特徴によれば、傾斜センサの傾斜に応じて変位する移動体が収容される収容部内に、光透過性および粘性を有する液体を封入している。このため、被検出対象物からの振動など周波数成分の高い外力や急激な加速・減速による慣性力などの外力が傾斜センサに加わる場合には、これらの外力を収容部内の液体が吸収し早期に減衰させる。これにより、同外力による収容部内の移動体の変位を抑えることができる。このため、受光手段から出力される検出信号の変化も抑えることができる。この結果、傾斜センサに加わる振動や急激な加速・減速による慣性力などの外力に影響されることなく、受光手段から出力される検出信号に基づいて傾斜センサ、すなわち被検出対象物の傾斜状態を正確に計算することができる。
以下、本発明に係る傾斜センサの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る傾斜センサの構造を示す縦断面図である。この傾斜センサは、外形が略円柱状に形成されるとともに、その内部が中空状に形成されたハウジング10を備えている。ハウジング10は、蓋部11、レンズホルダ13、球受部15およびセンサホルダ19から構成されている。
蓋部11は、絶縁性を有する樹脂材により構成されており、上面を閉塞するとともに下面を開放した円筒状に形成されている。蓋部11の上面中央部には、同上面を上下方向に貫通する取付孔11aが設けられている。取付孔11aには、蓋部11の内部側に発光部を位置させた状態で所定の波長の光を出射する発光ダイオード12が取り付けられている。この蓋部11の下面には、レンズホルダ13が固着されている。
レンズホルダ13は、前記蓋部11と同様に絶縁性を有する樹脂材により構成されており、外径および内径がそれぞれ異なる段付きの円筒状に形成されている。すなわち、レンズホルダ13の外形は、蓋部11の外径と同一の外径に形成された第1外径部13aと同第1外径部13aより小さい外径に形成された第2外径部13bとから構成されている。この第1外径部13aの上面に前記蓋部11の下面が固着されている。また、レンズホルダ13の内側は、前記蓋部11の内径と同一の内径に形成された第1内径部13cと、同第1内径部13cより小さい内径に形成された第2内径部13dとから構成されている。第1内径部13cには、同第1内径部13cの内径に対応した外径に形成されたコリメートレンズ14が発光ダイオード12に対向させて嵌め込まれている。コリメートレンズ14は、発光ダイオード12から出射された光を平行光束に変換する光学素子である。また、このコリメートレンズ14は、後述する収容部の上蓋としての機能も有する。このレンズホルダ13の第2外径部13bは、球受部15に嵌め込まれている。
球受部15は、光を透過させる光透過性の樹脂材により構成されており、上面を開放するとともに下面を閉塞した有底円筒状に形成されている。この球受部15の外形は、蓋部11およびレンズホルダ13の第1外径部13aと同一の外径に形成されている。球受部15の内側には、上面側の内径がレンズホルダ13の第2外径部13bの外径に対応した内径の第1内径部15aが形成されており、同第1内径部15aに前記レンズホルダ13の第2外径部13bが嵌め込まれている。球受部15の内側における第1内径部15aの下方には、レンズホルダ13の第2内径部13dと同一の内径の第2内径部15bが形成されている。また、球受部15の内底面15cは、中央部を窪ませて球面形状に形成されている。
レンズホルダ13の第2内径部13d、コリメートレンズ14、球受部15の第2内径部15bおよび内底面15cによって囲まれた空間は収容部16を構成している。収容部16は、同収容部16内に封入される液体が漏出しないように液密的に形成されている。収容部16内には、粘性液体17および遮光球18が封入されている。粘性液体17は、光透過性および所定の粘度を有する油性の液体であり、発光ダイオード12から出射された光を透過させるとともに、傾斜センサに加わる振動などの周波数成分の高い外力や急激な加速・減速などによる慣性力などの外力を吸収する機能を有する。したがって、粘性液体17の粘度は、傾斜センサに加わるこれらの外力に対応している。遮光球18は、粘性液体17より比重の大きい材料、具体的には金属材料にて構成された球体であり、発光ダイオード12から出射される光を遮る機能を有する。この遮光球18は、収容部16の内底面15cにおける最下部に沈んだ状態で配置され、傾斜センサの傾斜状態に応じて内底面15c上を転がりながら変位する移動体である。
球受部15の下面は、下方に向けて環状に突出しており、第1内径部15aの内径と同一の内径の第3内径部15dが形成されている。第3内径部15dには、センサホルダ19が嵌め込まれている。センサホルダ19は、蓋部11およびレンズホルダ13と同様に絶縁性を有する樹脂材により構成されており、蓋部11、レンズホルダ13の第1外径部13aおよび球受部15の外径と同一の外径の円盤状に形成されている。センサホルダ19の上面には、球受部15の第3内径部15dの内径に対応した外径で環状に突出した突出部19aが形成されており、同突出部19aが球受部15の第3内径部15dに嵌め込まれている。突出部19aの内側における上面には、フォトディテクタ20が固着している。
フォトディテクタ20は、分割線で区切られた4つの同一正方形状の受光素子からなる4分割受光素子によって構成されており、各受光素子は受光量に比例した検出信号A,B,C,Dをそれぞれ受光信号として出力する。具体的には、発光ダイオード12から出射された光を受光して各受光素子の各受光量に応じた検出信号A〜Dが出力される。この検出信号A〜Dは、各受光素子から下方に延びる端子20aを介して、図示しない傾斜状態検出回路に出力され、同傾斜状態検出回路によって傾斜センサの傾斜角および傾斜方向からなる傾斜状態の検出に用いられる。
このように構成された傾斜センサの組み付けについて、図2を用いて説明しておく。まず、作業者は、レンズホルダ13の第2外径部13bの外周面または球受部15の第1内径部15aの内周面に接着剤を塗布した後、レンズホルダ13の第2外径部13bを球受部15の第1内径部15aに嵌め込んで固着する。次に、作業者は、遮光球18を球受部15の内底面15c上に配置するとともに粘性液体17を収容部16内に注入した後、コリメートレンズ12をレンズホルダ13の第1内径部13cに嵌め込んで粘性液体17および遮光球18を収容部16内に封入する。この場合、空気などの気体が収容部16内に侵入しないとともに、粘性液体17が収容部16内から漏出しないように収容部16内は密閉される。
次に、作業者は、フォトディテクタ20をセンサホルダ19の突出部19aの内側の上面上に固着する。この場合、フォトディテクタ20は、4つの端子20aがセンサホルダ19の下面から突出した状態で取り付けられる。また、フォトディテクタ20の各受光素子の受光面は、センサホルダ19の下面と平行に取り付けられる。そして、作業者は、フォトディテクタ20が取り付けられたセンサホルダ19の突出部19aの外周面または球受部15の第3内径部15dの内周面に接着剤を塗布した後、センサホルダ19の突出部19aを球受部15の第3内径部15dに嵌め込んで固着する。この場合、球受部15の球面状に形成された内底面15cの中心部とフォトディテクタ20の中心部が同軸上に位置するようにセンサホルダ19が球受部15に固着される。
次に、作業者は、発光ダイオード12の発光部を蓋部11の内側に位置させて蓋部11の取付孔11aに嵌め込んで取り付ける。そして、蓋部11の下面またはレンズホルダ13の上面に接着剤を塗布した後、蓋部11の下面をレンズホルダ13の上面に押し付けて固着する。これにより、図1に示すように、発光ダイオード12、コリメートレンズ14、収容部16の内底面15cおよびフォトディテクタ20は各中心軸が同軸上に配置されて傾斜センサが一体的に組み付けられる。なお、この傾斜センサの組み付け過程は、一例を示すに過ぎず、各過程は適宜変更して行われてもよい。また、このように組み付けられた傾斜センサの遮光球16は、通常、すなわち図1に示すように、センサホルダ19の下面を下向きにした水平状態にある場合には、球受部15の内底面15cの中心部(最下部)に位置した状態となる。
このように構成された傾斜センサを使用するに際しては、傾斜センサは、傾斜状態の検出対象となる被検出対象物の所定の設置位置に取り付けられる。具体的には、産業用ロボット(図示せず)の所定の設置位置にセンサホルダ19の下面を下向きにした水平状態で取り付けられる。また、傾斜センサの発光ダイオード12の各端子は、所定の制御装置(図示せず)に接続され、その作動が制御される。また、フォトディテクタ20の各端子も傾斜状態検出回路(図示せず)に接続される。
この傾斜センサは、産業用ロボットの始動に応じて作動が制御される。すなわち、産業用ロボットが始動した場合、傾斜センサの発光ダイオード12は前記制御装置に制御されて光の出射を開始する。発光ダイオード12から出射した光は、コリメートレンズ14によって平行光束に変換された後、収容部16内に導かれる。収容部16に導かれた光は、光透過性を有する粘性液体17を透過して球受部15の内底面15cを介してフォトディテクタ20に導かれる。この場合、内底面15c上には遮光球18が存在するため、遮光球18の位置に対応してフォトディテクタ20上に光が到達しない領域、すなわち影が形成される。
例えば、傾斜センサが水平状態である場合には、フォトディテクタ20の略中央部に遮光球18による影が形成される。フォトディテクタ20は、4つの各受光素子の各受光量に応じた検出信号A〜Dを傾斜状態検出回路に出力する。傾斜状態検出回路は、同各検出信号A〜Dに基づいて傾斜センサの傾斜状態を計算する。
このような傾斜センサの作動状態において、産業用ロボットが傾斜、すなわち傾斜センサが傾斜した場合には、収容部16内の遮光球18は、傾斜センサの傾斜角度および傾斜方向に応じて内底面15c上を転がって変位する。この場合、遮光球18は、粘性液体17の有する粘性に抗しながら内底面15c上を変位するとともに、同遮光球18の変位に応じてフォトディテクタ20上に形成される影の位置も変位する。このため、フォトディテクタ20の各受光素子からは、各受光素子における各受光量の変化に対応した各検出信号A〜Dが出力される。そして、傾斜状態検出回路は、同出力された各検出信号A〜Dに基づいて傾斜センサの傾斜状態を計算する。
また、傾斜センサの作動状態において、産業用ロボットの動作中における振動など周波数成分の高い外力や急激な加速・減速による慣性力などの外力が傾斜センサに加わる場合には、これらの外力を収容部16内の粘性液体17が吸収し早期に減衰させる。これにより、収容部16内の遮光球18が、これらの外力によって球受部15の内底面15c上を変位する量は大幅に抑えられる。このため、フォトディテクタ20から出力される各検出信号A〜Dの変化も大幅に減少する。この結果、傾斜状態検出回路は、傾斜センサに加わる振動や急激な加速・減速による慣性力などの外力に影響されることなく、フォトディテクタ20から出力される検出信号A〜Dに基づいて傾斜センサ、すなわち被検出対象である産業用ロボットの傾斜状態を正確に計算することができる。
なお、内底面15c上を転がって変位する遮光球18の変位のし易さは、粘性液体17の粘度の他に、内底面15cの球面の曲率、遮光球18の大きさおよび質量にも依存している。例えば、内底面15cの球面の曲率は、同曲率が小さい程、遮光球18は変位し易くなる。この場合、傾斜センサが検出できる傾斜角の精度(分解能)は向上するが、検出できる傾斜角の範囲は狭くなる。また、遮光球18の大きさおよび質量は、これらが大きい程、遮光球18は変位し難くなる。この場合、傾斜センサが検出できる傾斜角の変化の検出精度は低下するが、周波数成分の高い外力や慣性力などの外力による変位は少なくなる。したがって、内底面15cの球面の曲率、遮光球18の大きさおよび質量は、被検出対象物に必要とされる傾斜角の検出精度(分解能)、検出範囲、傾斜角の変化の検出精度および外力による変位の量に応じて適宜設定される。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態においては、球受部15の内底面15cを球面形状に形成し、遮光球18を収容部16内に沈めて構成したが、これに限定されるものではない。例えば、図3に示すように、球受部15の内底面15cの形状を平面状に形成するとともに、遮光球18をコリメートレンズ14の下面中央部から金属製のワイヤ21によって吊り下げるように構成してもよい。この場合、傾斜センサが水平状態にある場合には、遮光球18よる影はフォトディテクタ20上の略中央部に位置する。また、傾斜センサが傾斜した場合には、遮光球18は、粘性液体17の粘性およびワイヤ21の弾性に抗して変位し、フォトディテクタ20上に形成される影の位置も遮光球18の変位に応じて変位する。
また、傾斜センサに振動や急激な加速・減速による慣性力などの外力が加わる場合には、粘性液体17の粘性およびワイヤ21の弾性によって同外力が吸収され減衰されることにより、遮光球18が同外力によって変位する量は大幅に抑えられる。すなわち、前記外力に対する遮光球18の応答性は、粘性液体17の粘度およびワイヤ21のバネ定数によって規定される。このように構成した傾斜センサによっても、上記と同様の効果が期待できる。なお、上記変形例のように、遮光球18をコリメートレンズ12から吊り下げた場合には、遮光球18の形状は球体以外の形状、例えば立方体、直方体などの多面体であってもよい。
また、上記実施形態においては、遮光球18を粘性液体17の比重より大きい比重の材料で構成したが、遮光球18を粘性液体17の比重より小さい比重の材料で構成してもよい。この場合、図4に示すように、レンズホルダ13を光透過性の材料で構成するとともに、下面が閉塞した有底円筒状に形成する。そして、レンズホルダ13の下面13eをコリメートレンズ14側に窪んだ球面形状に形成する。これによれば、遮光球18は、粘性液体17より比重が小さいため、収容部16内の上部に浮いた状態となる。また、収容部16の上面、すなわちレンズホルダ13の下面13eが球面形状に形成されているため、遮光球18は、傾斜センサが水平状態において同下面13eの中央部に位置し、傾斜センサの傾斜状態に応じて同下面13eに沿って変位する。そして、傾斜センサに振動や急激な加速・減速による慣性力などの外力が加わる場合には、粘性液体17の粘性よって同外力が吸収され減衰されることにより、遮光球18が同外力によって変位する量は大幅に抑えられる。これによっても、上記と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、遮光球18を金属製の球体で構成したが、これに限定されるものではない。遮光球18の材料は、粘性液体17の比重との相対的な関係で決定される。すなわち、遮光球18の材料は、粘性液体17の比重より大きい材料であればよく、固体に限らず液体であってもよい。液体により遮光球18を構成する場合には、粘性液体17と混ざり合わない液体とする。なお、図4に示す変形例においては、遮光球18の材料は、粘性液体17の比重より小さい材料であればよい。
また、上記実施形態および変形例においては、レンズホルダ13と球受部15とをそれぞれ別体にて構成したが、これに限定されるものではなく、レンズホルダ13と球受部15とを一体的に構成してもよい。これによっても、上記と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、発光ダイオード12から出射された光を受光する受光素子として、4分割フォトディテクタ20を用いたが、遮光球18による影の位置が特定できれば、これに限定されるものではない。例えば、多数の受光素子により構成され受光位置を表す検出信号を出力する2次元ポジションセンサ(PSD)を用いて構成するようにしてもよい。2次元ポジションセンサ(PSD)は、フォトダイオードの表面抵抗を利用した2次元の受光光量の重心を検出して、同重心位置を表す検出信号を出力する素子である。これによっても、上記と同様の効果が期待できる。
さらに、上記実施形態においては、傾斜センサを産業用ロボットに設置した例を用いて説明したが、これに限定されるものではない。被検出対象物として、例えば、産業用ロボット以外の産業用機械および装置や自動車などの車両などにも広く適用することができる。この場合においても上記と同様の効果が期待できる。
10…ハウジング、11…蓋部、12…発光ダイオード、13…レンズホルダ、14…コリメートレンズ、15…球受部、16…収容部、17…粘性液体、18…遮光球、19…センサホルダ、20…フォトディテクタ。
Claims (7)
- 内部が中空状に形成されたハウジングと、
前記ハウジングに組み付けられて同ハウジング内に光を出射する発光手段と、
前記発光手段に対向するように前記ハウジングに組み付けられて、前記発光手段から出射された光を受光して受光状態に応じた検出信号を出力する受光手段と、
前記ハウジング内であって前記発光手段と前記受光手段との間に形成され、光透過性および粘性を有する液体を封入するとともに、前記発光手段から出射された光を前記受光手段に透過させる収容部と、
前記収容部内に収容されて前記ハウジングの傾斜に応じて変位する移動体とを備えたことを特徴とする傾斜センサ。 - 請求項1に記載の傾斜センサにおいて、
前記移動体を、前記液体の比重より大きい比重の材料で構成し、
前記収容部における前記受光手段側の底面の形状を同受光手段側に窪んだ球面形状に形成した傾斜センサ。 - 請求項1に記載の傾斜センサにおいて、
前記移動体を、前記液体の比重より大きい比重の材料で構成するとともに、同移動体を前記収容部における前記発光手段側の上面から鉛直方向に吊り下げた傾斜センサ。 - 請求項1に記載の傾斜センサにおいて、
前記移動体を、前記液体の比重より小さい比重の材料で構成し、
前記収容部における前記発光手段側の上面の形状を同発光手段側に窪んだ球面形状に形成した傾斜センサ。 - 請求項1ないし4のうちのいずれか1つに記載の傾斜センサにおいて、
前記移動体は、前記発光手段から出射された光の一部を遮光する傾斜センサ。 - 請求項1ないし5のうちのいずれか1つに記載の傾斜センサにおいて、
前記発光手段と前記移動体との間にコリメートレンズを配置した傾斜センサ。 - 請求項1ないし6のうちのいずれか1つに記載の傾斜センサにおいて、
前記移動体は、球体である傾斜センサ。
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