JP2006316037A - 抗菌防腐シートおよび抗菌防腐方法 - Google Patents
抗菌防腐シートおよび抗菌防腐方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】一重項酸素の殺菌作用を利用して細菌・バクテリア類の繁殖を抑制し、また、死体の腐食を防止する方法を提供する。
【解決手段】光の吸収により三重項励起状態となりうる有機色素および/またはフラーレン類をシートの表面に付着した抗菌防腐シート、好ましくは該シートの少なくとも一部に炭素繊維を含む抗菌防腐シート、およびこのシートにより生物体を覆う抗菌防腐方法。前記有機色素の例としてローズベンガル、メチレンブルー、チオニン、エリトロシン、エオシンY、フルオレッセイン、プロフラビン、フルオレン、ローダミンB、テトラフェニルポルフィン、クロロフィル類、クロロフィリン、ヘモグロビン類、ヘミンおよびこれらの誘導体が例示される。
【選択図】なし
【解決手段】光の吸収により三重項励起状態となりうる有機色素および/またはフラーレン類をシートの表面に付着した抗菌防腐シート、好ましくは該シートの少なくとも一部に炭素繊維を含む抗菌防腐シート、およびこのシートにより生物体を覆う抗菌防腐方法。前記有機色素の例としてローズベンガル、メチレンブルー、チオニン、エリトロシン、エオシンY、フルオレッセイン、プロフラビン、フルオレン、ローダミンB、テトラフェニルポルフィン、クロロフィル類、クロロフィリン、ヘモグロビン類、ヘミンおよびこれらの誘導体が例示される。
【選択図】なし
Description
本発明は菌類・バクテリヤ類の繁殖を抑制し、あるいはこれらを死滅せしめることにより長期間にわたり生物体の腐食を防止するシート、およびそれを用いた抗菌防腐方法に関し、特に一重項酸素の化学作用を利用した抗菌防腐シートおよび抗菌防腐方法に関する。
従来、生物体の腐食を防止するには紫外線によりオゾンを発生させて、その雰囲気下に生物体を置くことにより、該生物体の外部から微生物が侵入するのを防止する方法や、アルコールやホルマリン等の殺菌力のある液体中に保管する方法があった。しかしながらこれらの方法は例えば死体を保存しようとする場合、効果が不充分であったり、大量の化学薬品に多額の費用を要する欠点があった。
微生物を手軽に死滅させる方法として、本発明者等は光の吸収により三重項励起状態になりうる有機色素に光を照射して一重項酸素を発生せしめ、該一重項酸素を微生物と接触せしめることにより該微生物を死滅させる方法を発明した。(例えば特許文献1参照)しかしながら、一重項酸素は大気中での寿命が極めて短く、その応用分野が限られていた。
特開平10−249364号公報
微生物を手軽に死滅させる方法として、本発明者等は光の吸収により三重項励起状態になりうる有機色素に光を照射して一重項酸素を発生せしめ、該一重項酸素を微生物と接触せしめることにより該微生物を死滅させる方法を発明した。(例えば特許文献1参照)しかしながら、一重項酸素は大気中での寿命が極めて短く、その応用分野が限られていた。
本発明は、生物体の傷口に細菌が繁殖することを抑制したり、床ずれの悪化を抑制したり、死体の腐食を防止したり遅らせたりする方法として、光の吸収により三重項励起状態になりうる有機色素および/またはフラーレン類をシート、より好ましくは少なくともその一部に炭素繊維を含むシート、の表面に付着せしめ、このシートで生物体を覆うことにより、極めて簡単に抗菌防腐効果が得られることを見出したものである。
本発明は、光の吸収により三重項励起状態となりうる有機色素および/またはフラーレン類をシートの表面に付着した抗菌防腐シート、好ましくは該シートの少なくとも一部に炭素繊維を含む抗菌防腐シートであり、より好ましくは該有機色素がローズベンガル、メチレンブルー、チオニン、エリトロシン、エオシンY、フルオレッセイン、プロフラビン、フルオレン、ローダミンB、テトラフェニルポルフィリン、クロロフィル類、クロロフィリン、ヘモグロビン類、ヘミン、およびこれらの誘導体よりなる群の少なくとも一つを含む抗菌防腐シートである。更に、該抗菌防腐シート上に光源、好ましくは発光ダイオード、を設置した抗菌防腐シートでもある。また本発明は、光の吸収により三重項励起状態となりうる有機色素および/またはフラーレン類をシートの表面に付着したシート、好ましくは該シートの少なくとも一部に炭素繊維を含むシートにより、生物体を覆う抗菌防腐方法であり、より好ましくは該有機色素がローズベンガル、メチレンブルー、チオニン、エリトロシン、エオシンY、フルオレッセイン、プロフラビン、フルオレン、ローダミンB、テトラフェニルポルフィリン、クロロフィル類、クロロフィリン、ヘモグロビン類、ヘミン、およびこれらの誘導体よりなる群の少なくとも一つを含む抗菌防腐方法である。更に前記の方法において、該シート上に設置した光源、好ましくは発光ダイオード、を用いて光を照射する抗菌防腐方法でもある。
即ち本発明は、光の吸収により三重項励起状態となりうる有機色素および/またはフラーレン類をシートの表面に付着した抗菌防腐シート、好ましくは該シートの少なくとも一部に炭素繊維を含むシートで生物体を覆うことにより、該生物体の腐敗が著しく抑制されることを見出したことに基くものであり、この効果は、従来水系内において微生物に対する殺菌作用が確認されていた一重項酸素が、気相中でも微生物の繁殖を抑制あるいは防止する効果が有ることに起因するものと思われる。
一重項酸素は活性酸素の一種で、極めて不安定な物質であり、強力な酸化作用がある。しかしながらその寿命が、水中では半減期で3.3×10−6秒、空気中では10−3秒と極めて短いため、担体に固定化された有機色素から離れた場所での残留毒性の心配は無くなる。即ち担体に固定された有機色素の表面から水中で数センチメートル以内、空気中では数十センチメートル以内の範囲でのみ強力な酸化作用が発生し、それより離れた場所では普通の酸素に戻る。有機色素は担体に担持されているから、有機色素が環境中に流出することは無く、環境汚染の心配が無い。即ち有機色素を担体に固定化することによって始めて有機色素と被処理気体との分離が容易となり、一重項酸素を抗菌および生物体の防腐用として実用化することが可能になったのである。
本発明で用いる有機色素としては紫外線、可視光線、又は近赤外光線を吸収して三重項励起状態となりうるものであれば良く、必ずしも可視光領域に吸収が有る必要は無く、紫外領域のみ、あるいは近赤外領域のみで吸収のあるものでも良い。本発明で好適に用いられる有機色素としては、例えば、メチレンブルー、チオニン、ローズベンガル、エリトロシン、エオシンY、フルオレッセイン、プロフラビン、フルオレノン、ローダミンB、テトラフェニルポルフィリン、クロロフィル(葉緑素)類、クロロフィリン、ヘモグロビン類、ヘミン、等の有機色素およびその誘導体がある。また、フラーレン類としては、C60やC70を好適に用いることができる。
照射する光は使用する有機色素を励起できる波長の光を含めば良く、その光源としては、太陽光、水銀灯(高圧および低圧)、ナトリウム灯(高圧および低圧)、白熱電灯、蛍光灯、LED、タングステン−ハロゲン灯、キセノン灯、等を用いることができる。特に太陽光を用いれば、ランニングコストを殆ど必要としない。また、これらの光源をシートの表面に配置すれば効果的に一重項酸素を発生させることがで、更に光源としてLEDを使用すれば一層少ない電力で所定の効果が得られる。
有機色素を固定化する担体としてのシートとしては、処理する気体と光に対して安定な材料からできており、さらに処理する気体との接触面積が広いことが望ましく、例えば、セルロース、羊毛、ポリエステル樹脂、炭素繊維、ガラス繊維等の有機質または無機質のシートまたは織布等を用いることができる。この内、特に炭素繊維はそれ自体に既に若干の抗菌作用が有り、その表面に更に本発明の光の吸収により三重項励起状態となりうる有機色素を表面に付着せしめることにより、一層強力な抗菌防腐効果が得られる。
本発明により生物体の腐敗を防止するには、該生物体全体を本発明のシートにより完全に覆い、外気が直接該生物体にあたることによって細菌が大気から供給されることを避けるのが好ましく、より好ましくは多層に覆うことが望ましい。
ローズベンガル500mgをメタノール30mlに溶かし、この溶液を20cm×40cmの炭素繊維のシートに噴霧して染み込ませ、乾燥させてローズベンガルを炭素繊維の表面に付着させた。このシートの全面に30個の白色LEDを配置し抗菌防腐シートとした。試験用ラットの死体を上記の抗菌防腐シートで三重に包みLEDを直流電源に接続して点灯し、平均気温摂氏20度の室内に放置した。比較用に別の試験用ラットの死体を外気に直接ふれた状態で同じ温度の室内に放置した。比較用のラットは3日後腐敗臭がしたが、本発明の抗菌防腐シートで包んだラットは5日後でも腐敗臭はしなかった。
Claims (10)
- 光の吸収により三重項励起状態となりうる有機色素および/またはフラーレン類をシートの表面に付着したことを特徴とする抗菌防腐シート。
- 請求項1において、該シートの少なくとも一部に炭素繊維を含む抗菌防腐シート。
- 請求項1または請求項2において、該有機色素がローズベンガル、メチレンブルー、チオニン、エリトロシン、エオシンY、フルオレッセイン、プロフラビン、フルオレン、ローダミンB、テトラフェニルポルフィリン、クロロフィル類、クロロフィリン、ヘモグロビン類、ヘミン、およびこれらの誘導体よりなる群の少なくとも一つを含む抗菌防腐シート。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、該抗菌防腐シート上に光源を設置した抗菌防腐シート。
- 請求項4において、該光源が発光ダイオードである抗菌防腐シート。
- 光の吸収により三重項励起状態となりうる有機色素および/またはフラーレン類を表面に付着したシートにより、生物体を覆うことを特徴とする抗菌防腐方法。
- 請求項6において、該シートの少なくとも一部に炭素繊維を含む抗菌防腐方法。
- 請求項6または請求項7において、該有機色素がローズベンガル、メチレンブルー、チオニン、エリトロシン、エオシンY、フルオレッセイン、プロフラビン、フルオレン、ローダミンB、テトラフェニルポルフィリン、クロロフィル類、クロロフィリン、ヘモグロビン類、ヘミン、およびこれらの誘導体よりなる群の少なくとも一つを含む抗菌防腐方法。
- 請求項6ないし請求項8のいずれかにおいて、該シート上に設置した光源により光を照射する抗菌防腐方法。
- 請求項9において、該光源が発光ダイオードである抗菌防腐方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005170085A JP2006316037A (ja) | 2005-05-14 | 2005-05-14 | 抗菌防腐シートおよび抗菌防腐方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005170085A JP2006316037A (ja) | 2005-05-14 | 2005-05-14 | 抗菌防腐シートおよび抗菌防腐方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006316037A true JP2006316037A (ja) | 2006-11-24 |
Family
ID=37537020
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005170085A Pending JP2006316037A (ja) | 2005-05-14 | 2005-05-14 | 抗菌防腐シートおよび抗菌防腐方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2006316037A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ITBA20120029A1 (it) * | 2012-05-08 | 2013-11-09 | Chia-Chun Tien | Materiale antisettico con un'elevata capacita' di assorbimento di olio essenziale |
PL421947A1 (pl) * | 2017-06-19 | 2019-01-02 | Barbara Wojtasik | Sposób oceny korozji biologicznej struktur porowatych, w tym betonu, w szczególności betonu hydrotechnicznego |
-
2005
- 2005-05-14 JP JP2005170085A patent/JP2006316037A/ja active Pending
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ITBA20120029A1 (it) * | 2012-05-08 | 2013-11-09 | Chia-Chun Tien | Materiale antisettico con un'elevata capacita' di assorbimento di olio essenziale |
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