JP2006315596A - シートスライド装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で確実にがたつきを解消でき、円滑にスライド調節が行えるシートスライド装置を提供する。
【解決手段】固定側のロアレール2に対して上部に座席シートを装備するアッパーレール5をスライド可能に装着されるシートスライド装置1において、ロアレール2とアッパーレール5の間に転動自在に配置されて前記アッパーレール5をスライド自在に支持するローラ10は、芯金11の外周に筒状板ばね12を収縮可能に巻装して、前記アッパーレール5に押し上げ力を付勢してスライド案内する複数のボール8の配列を介してアッパーレール5のがたつきを解消させる。
【選択図】図3
【解決手段】固定側のロアレール2に対して上部に座席シートを装備するアッパーレール5をスライド可能に装着されるシートスライド装置1において、ロアレール2とアッパーレール5の間に転動自在に配置されて前記アッパーレール5をスライド自在に支持するローラ10は、芯金11の外周に筒状板ばね12を収縮可能に巻装して、前記アッパーレール5に押し上げ力を付勢してスライド案内する複数のボール8の配列を介してアッパーレール5のがたつきを解消させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両などの座席シートを前後スライド可能に支持するシートスライド装置に関するもので、スライド機能を維持して簡単な構成で使用時に生じるがたつきを防止できるシートスライド装置に関するものである。
車両などの座席シートを使用者の体形に応じて前後にスライドさせるためのシートスライド装置は、車体のフロアに固定されるロアレールに対して上部に座席シートを装備させるアッパーレールを転がり部材を介してスライド可能に組み付けた構成にされている。そして、このような構成のシートスライド装置は、一般に鋼板を曲げ加工してロアレールとしては断面逆ハット形に形成され、これに対するアッパーレールとしては前記ロアレールを上側から囲い込むようにされたリップ付きの偏平な溝形断面に形成され、両者を組合わせてロアレールの両側に形成される鍔部の下面側とアッパーレールの溝形部分から下側で内向きに屈曲形成されるリップ部の上側との間に、複数個の鋼球を適宜間隔で長手方向に配置し、さらにロアレールの中央長手方向に形成される溝部の上面とアッパーレールの対向する下面あるいは、ロアレールの鍔部上面とアッパーレールの対向する下面との間に、ローラを介装させて摺動容易な構成とされているものが知られている(例えば特許文献1など)。
このような構成のシートスライド装置にあっては、そのロアレールとアッパーレールとがともに鋼板を曲げ加工して形成されるものであるため、どうしても軸線方向における組み合わせの寸法差が僅かであるが発生する。その寸法差をなくするように加工精度を高めると、今度はスライド操作時に抵抗が大きくなって円滑にスライドさせることが困難になる。そのために、スライド操作を円滑に行えるようにするには、その加工誤差を許容することになり、結果的にがたつきが生じる。
前記特許文献1によって知られるシートスライド装置においては、スライド操作が容易に行えて組立にともなうがたつきや異音の発生を防止できる構成であることが記載されている。その対策として、ロアレールに形成された溝部に介装されるローラには、剛性のあるローラ本体の両端部にそれぞれ環状の弾性体を嵌着したものが用いられ、その環状の弾性体の変形でレールの寸法公差を吸収させるようにされている。しかしながら、このようにするには、ローラを両端部で段付構造にして、別途に環状の弾性体、この構成から見れば有機材料(例えばゴム)で形成したものを取付けて形成しなければならない。ここで使用されるローラは、ごく小さい寸法のものであることと一般的に頻繁にスライドさせるものではないことから、静止状態での負荷がその環状弾性体に常時作用することになって変形し易い。したがって、がたつきが解消されるとしてもスライド操作を行うときに抵抗が増大して円滑な動きができなくなるという問題がある。もちろん、部品点数が増すことと、加工に工費が嵩むので、コストアップになるという問題点もある。
また、建設機械における座席シートを支持するのに用いられるシートスライド装置では、振動や衝撃など大きな負荷が作用するので、シートスライド装置も一般自動車と較べて頑丈な構造となる。それに伴いスライド部分での寸法公差をやや大きくしてシートの位置調節が円滑に行える構造とされる。そのためスライド部でのがたつきの発生が避けられない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、部品点数を少なくて簡単な構造で確実にがたつきを解消でき、円滑にスライド調節が行えるシートスライド装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明によるシートスライド装置は、
固定側のロアレールに対して上部に座席シートを装備するアッパーレールをスライド可能に装着されるシートスライド装置において、ロアレールとアッパーレールの間に転動自在に配置されて前記アッパーレールをスライド自在に支持するローラは、円柱体の外周に板ばねを収縮可能に巻装して、前記アッパーレールに押し上げ力を付勢して配置されることを特徴とするものである。
固定側のロアレールに対して上部に座席シートを装備するアッパーレールをスライド可能に装着されるシートスライド装置において、ロアレールとアッパーレールの間に転動自在に配置されて前記アッパーレールをスライド自在に支持するローラは、円柱体の外周に板ばねを収縮可能に巻装して、前記アッパーレールに押し上げ力を付勢して配置されることを特徴とするものである。
本発明においては、固定側のロアレールとその上側に配される可動側のアッパーレールとの組合わせ構造の内部で、固定側の溝状部分に配されるローラを円柱体に巻装された板ばねが径方向に伸縮できるものを用い、組立時にこのローラの円柱体に巻装された板ばねを圧縮させておくことにより、その蓄勢力を径方向に作用させて、アッパーレールがスライドするとき転動案内する複数のボールとの接触状態を定常に保たせる機能を発揮させ、ロアレールに対するアッパーレールのがたつきをなくすることができる。本発明によれば、簡単な構造で無理なくがたつきを解消することができ、座席シートを前後にスライドさせて位置調節をする操作が円滑にできるという効果を奏する。しかも、座席シート側からの負荷を受けてスライド操作時における移動を容易にするローラが、金属製の板ばねを伸縮可能な円筒状に形成されたもので円柱体に被嵌した構造にされているので、大きな負荷が作用しても円柱体が心金の働きをして長期の使用によっても異常に変形することがなく、常時むりなく転動できてがたつきのないスライド支持機能を維持することができる。なお、部品点数が少なくて構造簡単であるから、コストアップすることもない。
次に、本発明によるシートスライド装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には本実施形態のシートスライド装置の一部を破断して表わす全体斜視図が、図2には側面図が、図3には図2のA−A視拡大断面図が、図4には中央縦断面図が、図5には図3のB−B視断面図が、図6にはローラの構成を表わす拡大斜視図が、それぞれ示されている。
本実施形態のシートスライド装置1は、建設機械車両における運転室の座席シート(図示せず)を、前後方向にスライド可能に支持するのに用いられるものであり、座席シート下部の左右に一対配設されている。なお、左右対称に配置されるので、説明の都合上その片方のものについて記載する。
このシートスライド装置1は、車体のフロアに固着される固定側のロアレール2と、上部に座席シートを装備されるアッパーレール5と、ロアレール2およびアッパーレール5に取付けられて所要位置で固定できるようにされたラッチ機構20とで構成されている。なお、前記ラッチ機構20は、本発明に直接関与しないので図示するに留め詳細な説明は省略する。図中符号21は、ラッチ機構20の位置決めプレート、22は位置決め選択プレート、23はヒンジピン、24はコイルバネ、25は補強プレートでヒンジを形成保持している。
前記ロアレール2は、所要長さ寸法で、図3に示されるように、所要肉厚の鋼板を断面逆ハット形に屈曲形成され、中央部に溝部3が形成されてその両側のフランジ部分2a,2aの下面から外側面がスライドガイドを形成するボール8の案内面4,4となるように円弧面に形成されている。
前記アッパーレール5は、前記ロアレール2を上側から囲い込むようにした断面偏平な溝形で、両側に縦向きに形成されるフランジ部5a,5aの下端をそれぞれ内向きリップ状5b,5bに屈曲形成されており、そのリップ状部分5b,5bの屈曲部内側を前記ボール8の案内面6,6となるように円弧面に形成されている。そして上面5cにはラッチ機構20のヒンジを形成するとともに補強する補強プレート25が取付けられ、また座席シートを取付けるボルト28が上向きに直立して設けられている。
このようにされたロアレール2とアッパーレール5とは、図5に示されるように、前記ロアレール2の両外側の案内面4,4とアッパーレール5の内側下部の両案内面6,6との間にボールリテナー7を介装して複数のボール8(鋼球)が挿入されている。ボールリテナー7は、ロアレール2とアッパーレール5との間で摺動し、アッパーレール5の両端部に取付けられた小ねじ9により抜け落ちないように組み付けられている。また、ロアレール2の溝部3内には、図4にて示されるように、軸線方向に所要の間隔で二箇所にローラ10,10が配置され、そのローラ10,10を一定位置に保つリテナー15が図3に示されるようにロアレール2の上面2b(両フランジ部2a,2aの上面)に支持されている。なお、前記リテナー15は、薄鋼板で形成されてローラ10を保持する箇所として離間した二個の方形の孔15a,15a有し、その孔15aの縁がちょうどローラ10の軸心を通る面に対応するように横断面の中央部を屈曲形成されて、ロアレール2の溝部3形成上部に嵌まる構造とされている。また、そのリテナー15の幅方向の両端縁は上向きにカールさせてねじれが生じない形状にされている。前記リテナー15は、ロアレール2とアッパーレール5との間を摺動し、ロアレール2に設けられた突起部30とアッパーレール5に設けられた突起部31により抜け落ちないように組み付けられている。
前記ローラ10は、図6に示されるように、円柱状の軸受鋼SUJ2より成る芯金11(本発明の「円柱体」に相当する)と、その外周に径方向へ拡縮可能に巻成されたばね鋼SUP6より成る筒状板ばね12とで構成されている。前記筒状板ばね12は、自然状態での外径Dが、ロアレール2とアッパーレール5とを組合わせてロアレール2の溝部3両外側における両案内面4と6および4と6に、それぞれ配される複数のボール8,8が正しく接触した状態で、ロアレール2の溝部3内底面からアッパーレール5の内天面までの距離Hよりやや大きい寸法となるように巻成されている。そして、この筒状板ばね12は、拡縮が均等に行えるように、接合端面12a,12bを斜めにして巻成されている。なお、芯金11は幅寸法B′が前記筒状板ばね12の幅寸法Bよりもやや広い寸法で、直径dを筒状板ばね12が最収縮する内径D0より僅かに小さい寸法とされている。こうしておくことにより、ローラ10として転動するときに筒状板ばね12がリテナー15によって拡縮を阻害されないようにして緊張力を確保できるようにされている。前記ローラ10の芯金11および筒状板ばね12の各材質についてはこれに限定されるものではない。
このように構成されるシートスライド装置1は、組立に際してロアレール2上のリテナー15を介して保持されるローラ10の直径Dが予め設定されているロアレール2とアッパーレール5との中央部での組立空間寸法H(内天面までの距離)よりもやや大きい寸法にされているが、アッパーレール5内に組立挿入されると、その寸法差(D−H)分ローラ10の筒状板ばね12が径方向に圧縮されて組み込まれることになる。
したがって、ロアレール2とアッパーレール5とは、組立てられると、ロアレール2側に位置する前記ローラ10,10の各筒状板ばね12が圧縮される分その蓄勢反力によってアッパーレール5を押し上げる(持上げられる)ことになる。アッパーレール5が持上げられると、その幅方向両側の案内面6,6によってロアレール2側の両案内面4,4との間に介在するボール8が積極的に挟持されて、上下左右へのがたつきが解消される。
前記ローラ10は、芯金11に巻装される筒状板ばね12が組立に際してその外径Dを前記組立空間寸法Hに合致される寸法まで圧縮される状態では、前述のようにその巻装時に両端部(接合端面12a,12b)が互いに斜めに切断形成されて、その両端部が所要の間隙を保って筒状に巻かれているので周方向に絞縮変位して円筒形が維持されている。したがって、その絞縮反力は周方向に作用してスライド時にも転動を妨げることなくアッパーレール5を押し上げる働きをして、ロアレール2との間で生じるがたつきを起こさないで円滑にスライドさせることができる。このスライド操作に際しては、従来同様に、ラッチ機構20における位置決めプレート21の爪部と位置決め選択プレート22の係止部との固定を解いて座席シートを前後方向にスライド(図2および図4に二点鎖線で示す)させ、好適な位置でラッチ機構20の位置決め選択プレート22を位置決めプレートの係止部に係合させて固定する。
また、長期間一定の状態に保たれることがあっても、ローラ10を構成する筒状板ばね12の弾性力と、内在する芯金11による保持力とで筒状を保ってこの筒状板ばね12が負荷により変形するのを防止し、安定性を維持できるのである。もちろん、建設機械のように、使用状態で大きな外力を受けることがあっても、あるいは高温多湿の良くない環境下で使用される場合に、金属製の部材で構成されているから、がたつきを防止する機構部への影響が少なく、使用寿命を短縮させることもない。
また、本実施形態によるスライド装置では、構造が至極簡単で多くの部品を必要としないから、製作コストを低減でき、機能性とともに経済性をも向上させ得るという利点がある。
1 シートスライド装置
2 ロアレール
3 ロアレールの溝部
4 ロアレールの案内面
5 アッパーレール
6 アッパーレールの案内面
7 ボールリテナー
8 ボール
10 ローラ
11 芯金
12 筒状板ばね
15 ローラのリテナー
2 ロアレール
3 ロアレールの溝部
4 ロアレールの案内面
5 アッパーレール
6 アッパーレールの案内面
7 ボールリテナー
8 ボール
10 ローラ
11 芯金
12 筒状板ばね
15 ローラのリテナー
Claims (1)
- 固定側のロアレールに対して上部に座席シートを装備するアッパーレールをスライド可能に装着されるシートスライド装置において、ロアレールとアッパーレールの間に転動自在に配置されて前記アッパーレールをスライド自在に支持するローラは、円柱体の外周に板ばねを収縮可能に巻装して、前記アッパーレールに押し上げ力を付勢して配置されることを特徴とするシートスライド装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005142157A JP2006315596A (ja) | 2005-05-16 | 2005-05-16 | シートスライド装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005142157A JP2006315596A (ja) | 2005-05-16 | 2005-05-16 | シートスライド装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006315596A true JP2006315596A (ja) | 2006-11-24 |
Family
ID=37536639
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005142157A Pending JP2006315596A (ja) | 2005-05-16 | 2005-05-16 | シートスライド装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006315596A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5957235U (ja) * | 1982-10-08 | 1984-04-14 | 株式会社大井製作所 | 自動車用シ−トスライド装置 |
JPS61177925U (ja) * | 1985-04-25 | 1986-11-06 | ||
JPH0219633U (ja) * | 1988-07-27 | 1990-02-08 |
-
2005
- 2005-05-16 JP JP2005142157A patent/JP2006315596A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5957235U (ja) * | 1982-10-08 | 1984-04-14 | 株式会社大井製作所 | 自動車用シ−トスライド装置 |
JPS61177925U (ja) * | 1985-04-25 | 1986-11-06 | ||
JPH0219633U (ja) * | 1988-07-27 | 1990-02-08 |
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