JP2006315527A - パネル構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パネル構造の変形を効果的に抑制することを可能としたパネル構造を提供する。
【解決手段】 平板状のパネル本体1上には、第1の粘弾性層2により、金属箔からなる平面状の規制部材3が取り付けられている。規制部材3上には第2の粘弾性層4を介して剛性部材5が取り付けられている。この剛性部材5は、平板状の金属箔を所定の間隔で折り返すことで、その断面は、コの字状またはS字状の状態が連続して繰り返すことでビード部50が形成されている。ビード部50の側壁には所定の間隔で孔51が設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】 平板状のパネル本体1上には、第1の粘弾性層2により、金属箔からなる平面状の規制部材3が取り付けられている。規制部材3上には第2の粘弾性層4を介して剛性部材5が取り付けられている。この剛性部材5は、平板状の金属箔を所定の間隔で折り返すことで、その断面は、コの字状またはS字状の状態が連続して繰り返すことでビード部50が形成されている。ビード部50の側壁には所定の間隔で孔51が設けられている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車の車室の床等に用いられるパネル構造に関する。
自動車の車室の床を形成するフロアパネルの構造として特許文献1に開示されたような構造が知られている。このフロアパネル構造は、予めビード部が形成された複数のフロアパネルを接合してフロア構造を形成するものであり、ビードを有する補強部材とフロアパネルとをビードを有していない部分で接合するものである。
特開平10−24865号公報
ところで、このようにビード部が予め形成されたフロアパネルにおいては、フロア構造の形成時や、その後の後工程において、外力によってビード部が変形してしまう可能性がある。一方、補強用のビード部を後付する場合においても、この後付け時や、その後の後工程において、外力によってビード部が変形してしまう可能性は残る。
そこで本発明は、パネル構造の変形を効果的に抑制することを可能としたパネル構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るパネル構造は、断面コの字形のビード部を有する所定板厚の金属板からなる剛性部材と、この剛性部材のビード部の変形を規制する規制手段と、剛性部材と規制部材を対象物に取り付ける第1の粘弾性層と、を備えていることを特徴とする。本発明によれば、この規制手段が剛性部材の変形を規制する。そして、対象物へ剛性部材が剛性を付与して対象物の変形を抑制するとともに、第1の粘弾性層が剪断変形を起こして制振を行う。
この第1の粘弾性層は、規制手段の一方の面に取り付けられ、規制手段の他方の面には、第2の粘弾性層を介して剛性部材が取り付けられているとよい。あるいは、第1の粘弾性層は、剛性部材に直接取り付けられ、規制手段は、第1の粘弾性層とは反対側で剛性部材に取り付けられていてもよい。前者の場合には、剛性部材と対象物との間に規制手段が配置され、後者の場合には、規制手段と対象物の間に剛性部材が配置されることになる。後者の場合は、規制手段と剛性部材との間に第2の粘弾性層が配置されているとよい。これは、テープであってもよい。
剛性部材は、断面コの字形のビード部を複数備えているとよい。配置するビード部の数、間隔等を調整することで、付与する剛性の調整が可能である。
この所定板厚の金属板には、金属箔を含み、また、金属箔を所定枚数重ね合わせて形成されているものも含む。ここで、金属箔を粘弾性層により、積層させていると剪断変形時に粘弾性層が振動を吸収する効果があり、特に好ましい。
規制手段は、板材であってもよく、また、ビード部が形成する空間内に充填された、例えば、発泡材であってもよい。これらの規制手段を設けることで、剛性部材の変形を規制する。
粘弾性層が接着剤であると、対象物への剛性部材、規制手段の取り付けが容易になる。
剛性部材内部に挿入された吸音材を備えていると、振動抑制による騒音抑制のほかに、騒音自体を吸収して騒音を抑制する効果が得られる。剛性部材のビード部に複数の孔を配置し、特に、孔の間隔を、吸音しようとする音の波長の略4分の1に設定すると、吸音性能が向上する。
本発明のパネル構造によれば、剛性部材の変形を規制する規制手段を設けているため、剛性部材が所望の形状・性能を維持することができ、パネル構造の変形を効果的に抑制することができる。また、このパネル構造を有する車両の製造工程において、剛性部材をパネルに取り付けてパネル構造を製造する段階や、本パネル構造を取り扱う段階においてもパネル構造の変形が抑制されるため、作業性の向上と製品歩留りの向上といった効果が得られる。剛性部材、規制手段は、対象物に粘弾性層を介して取り付けられているため、対象物に応力が付与されて変形しようとする際に粘弾性層が剪断変形することにより、その応力を吸収し、変形を抑制し、発生する振動を減衰させる効果が向上する。剛性部材と規制手段の間にも粘弾性層を有すると、さらに、この制振効果が向上して好ましい。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明に係るパネル構造の第1の実施形態を示す斜視図である。平板状のパネル本体1上には、第1の粘弾性層2により、金属箔からなる平面状の規制部材3が取り付けられている。規制部材3上には第2の粘弾性層4を介して剛性部材5が取り付けられている。この剛性部材5は、平板状の金属箔を所定の間隔で折り返すことで、その断面は、コの字状またはS字状の状態が連続して繰り返す形状となっている。以下、剛性部材5のパネル本体1から突出した部分をビード部50と称する。ビード部50の側壁には所定の間隔で孔51が設けられている。
ここで、ビード部50の幅、高さ、間隔はいずれも1センチ程度である。規制部材3と剛性部材5は、いずれもアルミニウム、銅、ステンレスやその他の金属または合金からなる金属箔であり、厚さは0.1〜0.2mmであって、単層または何層かを粘着テープ等によって貼り合わせたものである。重ね合わせる層数、各層の厚みは、重ね合わせた後の規制部材3、剛性部材5の剛性が所望の剛性となるよう適宜選択される。また、金属箔に代えて所定の厚さの金属板を用いてもよい。
孔51の直径は、3〜5mm程度であり、各孔51の間隔は、吸音目標となる音の波長の約4分の1に設定されている。孔51の間隔を15cm程度とすると、従来困難であった200Hz程度の周波数の音を吸音する効果が得られる。ここで、孔51の間隔を一律ではなく、場所によって間隔を異ならせると、低周波から高周波まで幅広い周波数範囲において吸音性能を向上させる効果が得られる。
本実施形態のパネル構造によれば、規制部材3により剛性部材5が図中左右方向に引き延ばされたり、逆に同方向に圧縮される変形を効果的に抑制することができるため、剛性部材5は所望の形状を維持できる。特に、規制部材3を剛性部材5に取り付けた後に、パネル本体1への取り付けを行えばパネル本体1への取り付けの際に、剛性部材5が変形し、取り付けに失敗してしまうようなことがなく、施工性が大いに向上する。
このパネル構造においては、パネル本体1に規制部材3と剛性部材5により、剛性が付与されているため、同じ応力が付与された場合でも、変形が抑制される。さらに、応力が付与された場合に、パネル本体1と規制部材3間の粘弾性層2、規制部材3と剛性部材5間の粘弾性層4がそれぞれ剪断変形することで、変形時のエネルギーを吸収する。このため、パネル本体1が振動した場合に、この振動エネルギーを吸収して、振動を減衰させ、振動騒音の内部への侵入を抑える効果が得られる。規制部材3、剛性部材5の少なくとも一方が粘着テープのような粘弾性層によって積層されている場合には、その層間の粘弾性層においても剪断変形が生ずるため、減衰効果が向上する。
図1においては、粘弾性層4は、剛性部材5の規制部材3側の表面全体に取り付けられているが、例えば、粘弾性層4を規制部材3の表面全体を覆うように形成し、その上に剛性部材5を取り付けてもよいし、規制部材3と剛性部材5の両者に接触する部分のみに設けてもよい。
図2は、本発明に係るパネル構造の第2の実施形態を示す斜視図である。この実施形態は、基本構造は、図1に示される第1の実施形態と同様であって、ビード部50と規制部材3が形成する空間内に第2の規制部材として発泡材6が充填されている点を特徴とする。なお、図2には、第1の実施形態に存在する孔51を図示していないが、孔51を有する形態とすることも可能である。この発泡材6は、例えば硬質発泡ウレタン、発泡スチロール等である。
本実施形態では、発泡材6が内側に存在するためにビード部50の剛性が向上し、その変形をより効果的に抑制することができる。特に、ビード部50に上下方向から加わる力やビード部50の一部を潰そうとする力に対する剛性が向上するため、施工性が向上するとともに、使用時の損傷も抑制できる。
図3は、本発明に係るパネル構造の第3の実施形態を示す斜視図である。この実施形態も、基本構造は、図1に示される第1の実施形態と同様である。ここでは、第2の実施形態において発泡材6が充填されているビード部50と規制部材3が形成する空間内に吸音材7が充填されている点が相違する。この吸音材7は、ビード部50と規制部材3が形成する空間全体に配置されていてもよいが、空間のうち孔51の周囲のみに配置してもよい。吸音材7としては、スポンジ状や繊維状の各種の吸音材を用いることができる。
本実施形態では、孔51からビード部50と規制部材3に挟まれた空間内へと侵入した音を吸音材7によって吸収することで、効果的に吸音を行うことができる。このため、遮音性が向上する。
図4は、本発明に係るパネル構造の第4の実施形態を示す斜視図である。この実施形態では、剛性部材5は、パネル本体1上に粘弾性層2により直接貼り付けられている。そして、剛性部材5のビード部50の頂面、つまり、剛性部材5を挟んでパネル本体1と反対の側に、テープ状の規制部材8が接着されている。この規制部材8としては、アルミ箔の一方の面に粘着剤を塗布したアルミテープ等を用いることができる。図4には、第1の実施形態に存在する孔51を図示していないが、孔51を有する形態とすることも可能である。
本実施形態でも、規制部材8により、剛性部材5が図中左右方向に引き延ばされたり、逆に同方向に圧縮される変形を効果的に抑制することができるため、剛性部材5は所望の形状を維持できる。ここでは、規制部材8としてテープ状の部材を用いたが、第1の実施形態における規制部材3と同様に平板状の金属箔または積層した金属箔、金属板等を上面を覆うように貼り付けてもよい。また、第2、第3の実施形態のように、発泡材6や吸音材7をパネル本体1と剛性部材5が形成する空間内に配置してもよい。
1…パネル本体、2、4…粘弾性層、3、8…規制部材、5…剛性部材、6…発泡材、7…吸音材、50…ビード部、51…孔。
Claims (15)
- 断面コの字形のビード部を有する所定板厚の金属板からなる剛性部材と、
前記剛性部材のビード部の変形を規制する規制手段と、
前記剛性部材と規制部材を対象物に取り付ける第1の粘弾性層と、
を備えていることを特徴とするパネル構造。 - 前記第1の粘弾性層は、前記規制手段の一方の面に取り付けられ、前記規制手段の他方の面には、第2の粘弾性層を介して前記剛性部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のパネル構造。
- 前記第1の粘弾性層は、前記剛性部材に直接取り付けられ、前記規制手段は、前記第1の粘弾性層とは反対側で前記剛性部材に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のパネル構造。
- 前記規制手段と前記剛性部材との間に第2の粘弾性層が配置されていることを特徴とする請求項3記載のパネル構造。
- 前記規制手段は、前記剛性部材に貼り付けられたテープであることを特徴とする請求項4記載のパネル構造。
- 前記剛性部材は、断面コの字形のビード部を複数備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のパネル構造。
- 前記所定板厚の金属板は金属箔であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパネル構造。
- 前記所定板厚の金属板は、金属箔を所定枚数重ね合わせて形成されていることを特徴とする請求項7記載のパネル構造。
- 前記規制手段は、板材であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のパネル構造。
- 前記第1の粘弾性層は、接着剤であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のパネル構造。
- 前記規制手段は、前記ビード部が形成する空間内に充填されていることを特徴とする請求項1記載のパネル構造。
- 前記規制手段は、発泡材であることを特徴とする請求項11記載のパネル構造。
- 前記ビード部が形成する空間内に挿入された吸音材を備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のパネル構造。
- 前記剛性部材のビード部に複数の孔が配置されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のパネル構造。
- 前記孔の間隔は、吸音しようとする音の波長の略4分の1に設定されていることを特徴とする請求項14記載のパネル構造。
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FR2929916A1 (fr) * | 2008-04-11 | 2009-10-16 | Renault Sas | Plancher de vehicule automobile comportant un element de rattrapage de niveau forme par pliage d'un flan plat |
WO2019176789A1 (ja) * | 2018-03-13 | 2019-09-19 | 日本製鉄株式会社 | フロア構造 |
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2005
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