JP2006314113A - 電子カメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】撮影画像を伝送しSIMが必要な公衆電話回線でセキュリティ性を確保したデータ通信を行い得ると共に多機能な電子カメラを提供する。
【解決手段】光学映像を電気的映像信号に変換する電子カメラ31であり公衆電話回線によるデータ通信を行う第1の通信手段55と、周辺情報機器との間でシリアル伝送を行うシリアル通信手段10と、撮像手段による映像信号を記憶する画像記憶手段52と、各種処理を実行させる操作手段7と、操作手段の操作内容及び操作結果を表示する表示手段8と、回線加入者情報が格納されたカード形状媒体9を挿入する装填部6Bと、映像信号の送信用信号処理と受信信号を記録用信号又は再生用信号に処理する送受信信号処理手段54と、第1の通信手段又はシリアル通信手段に接続された第2の通信手段でデータ通信を行った後に回線利用情報を取得し同回線利用情報をカード形状媒体に書き込む利用情報記録手段とを備える。
【選択図】図17

Description

この発明は、電子カメラ、詳しくは公衆電話回線を利用してデータ通信を行なうことができる電子カメラに関するものである。
近年、移動可能な情報通信機器として自動車電話、携帯電話等が世界的に広く普及しており、音声、データ通信等の幅広いサービスが行なわれている。このような移動情報通信機器の方式としては、欧州各国をはじめアジア等世界数十ヵ国において、デジタル方式を採用したGSM(Global System for Mobile Communications)方式が一般的に実用化されている。
このGSM方式の特徴の一つとして、電話番号、識別ID等の回線加入者識別情報をSIM(Subscriber Identification Module;ICカード、ICプラグ等の回線加入者情報カード)によって管理する点が挙げられる。
このSIMによって番号管理を行なうことによって、個々の携帯電話装置と回線加入者識別情報とを物理的に分離させることができる。したがって、無駄な電話番号を流布させずに済むという有用性がある。
このSIMは、GSM方式が世界的に広まっている現在、既に1000万枚のカードが発行されており、将来に向けてGSM方式が拡大するのに伴ってSIM自体の需要も拡がり、その発行枚数はさらに増加するものと予想されている。
一方、日本国内では、移動情報通信機器と電話番号を物理的に分離することは、セキュリティ性の面から規制されていたため、SIMのような番号管理を行なう方式を実用化することは不可能であった。
しかし現在では、ICカードのセキュリティ管理への取り組みが進んでおり、回線加入者識別情報をSIMのようにICカード化させた場合にも、高いセキュリティ性を保障できるまでになっている。
これを受けて、近年、日本でもSIMが実用化できるようになり、例えば回線加入者情報カードとしてのSIMを公衆電話回線等に利用する等、種々の検討がなされている。
他方、近年においては、PHSカード等のように携帯電話機能を有するPCカードタイプの電話機(以下、PCカード型電話機という。)等が種々実用化されており、このようなPCカード型電話機を利用してデータ伝送等の通信を行なうことのできる情報通信機器についても、種々実用化されている。
また、撮影光学系によって結像された被写体光をCCD等の撮像手段によって電気的な映像信号に変換して出力し、この出力された映像信号を記録媒体に電気的に記録するようにしたデジタル電子スチルカメラ(以下、電子カメラという。)が、近年、一般的に実用化されている。
さらに、このような電子カメラにおいて、PCカード等を装着するための装着部を設け、この装着部に上述のPCカード型電話機等を装着することによって、画像データ等の映像信号のデータ通信を可能にしたものが、種々提案され実用化されている。
ところが、上述のPCカード型電話機自体にはダイヤルボタン等が配設されていないので、単体では電話機としての機能を有しているものではない。つまり、このPCカード型電話機は、上述のような情報通信機器、電子カメラ等に装着されて、これらの情報機器によって制御されることで、データ伝送等の通信を行なうことができるものである。
したがって、このようなPCカード型電話機にSIMを組み込むことは無意味なことであり、また製造コストの上昇につながることにもなる。よって、SIMによる電話番号管理が行なわれるようになった場合には、上記PCカード型電話機を装着した情報通信機器、電子カメラ等によって、SIMを必要とする公衆電話回線を利用するデータ伝送等の通信は、行なうことができないという問題がある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、内蔵される通信手段またはシリアル通信手段によって接続される通信手段によってデータ伝送等の通信を行なうことができ、SIMを必要とする公衆電話回線を利用する場合にも、容易にデータ伝送等の通信を行なうことができる電子カメラを提供するにある。
また、SIMを使用する場合には、確実なセキュリティ性を保障すると共に、課金情報等の回線利用情報を容易に取得し、これを表示させる機能等を有することで、より多機能な電子カメラを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明による電子カメラは、撮影光学系により結像される光学的映像を撮像手段により電気的映像信号に変換する電子カメラであって、公衆電話回線を利用してデータ通信を行なう第1の通信手段と、周辺情報機器との間でシリアル伝送を行なうシリアル通信手段と、上記撮像手段によって得られた映像信号を記憶する画像記憶手段と、上記電子カメラに対して各種の処理を実行せしめる操作手段と、上記操作手段による操作内容および操作結果を表示する表示手段と、回線加入者情報が格納されたカード形状の媒体を挿入する装填部と、映像信号を送信するのに適した形態の信号に処理すると共に、受信した信号を記録または再生するのに適した形態の信号に処理する送受信信号処理手段と、上記第1の通信手段または上記シリアル通信手段に接続された第2の通信手段によってデータ通信を行なった後に、回線利用情報を取得して、この回線利用情報を上記カード形状媒体に書き込む利用情報記録手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、内蔵される通信手段またはシリアル通信手段によって接続される通信手段によってデータ伝送等の通信を行なうことができ、SIMを必要とする公衆電話回線を利用する場合にも、容易にデータ伝送等の通信を行ない得る電子カメラを提供することができる。
また、SIMを使用する場合には、確実なセキュリティ性を保障すると共に、課金情報等の回線利用情報を容易に取得し、これを表示させる機能等を有することで、より多機能な電子カメラを提供することができる。
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の情報通信機器全体を示すブロック構成図である。
この第1の実施形態の情報通信機器21は、制御回路を形成するCPU1によって全体の制御がなされる。このCPU1には、ROM3、RAM4、PCカードインターフェースI/F5等がシステムバス2を介して電気的に接続されている。
上記ROM3には、CPU1によって各種制御動作を行なうための制御プログラムが格納されており、RAM4には、各種データが一時的に格納されるようになっている。
上記PCカードI/F5には、カード形状の通信機器(第1の通信機器,第1の通信手段)や、カード形状の記憶媒体等のPCカード22を挿脱自在に装着する装着部であるPCカードソケット6Aが接続されている。
上記PCカード22としては、例えば通信(電話)機能を有する電話カード(第1の通信機器;第1の通信手段)、記憶装置としての機能を有するATA(AT Atatchment)カード等が挙げられる。
これらのPCカード22をPCカードソケット6Aに装着することによって、この情報通信機器21とPCカード22とが電気的に接続されるようになっている。
なお、CPU1とPCカード22との間の各種データの受け渡しは、CPU1によって制御される上記PCカードI/F5を介して行なわれるようになっている。
また、上記CPU1には、操作手段でありテンキー等の操作部材からなるキー入力部7と、表示手段であり液晶ディスプレイ(以下、LCDという。)等からなる表示部(LCD)8が、それぞれ制御線によって電気的に接続されている。
これにより、操作者は、キー入力部7を操作することによって、上記CPU1に対して各種の操作命令の信号を入力し、この入力信号が制御線によってCPU1へ伝達されるようになっている。そして、CPU1は、この操作命令を受けて、各対応した制御を行ない、その結果が制御線を介して表示部8に表示されるようになっており、これによって、操作者は、自己の入力した操作命令の結果を確認することができるようになっている。
また、上記CPU1には、制御線によって回線加入者情報カード(以下、SIMという。)9が挿脱自在に装填される装填部であるSIMソケット6Bが接続されている。上記SIM9は、回線加入者情報等が格納されたカード形状からなる媒体である。
そして、上記SIMソケット6BにSIM9が装着された状態において、CPU1は、SIM9からの各種データの読み出し制御、およびSIM9への各種データの書き込み制御を行なうようになっている。
さらに、上記CPU1には、シリアル信号線14を介して周辺情報機器との間でシリアル伝送を行なうシリアル通信手段であるシリアルI/F10が接続されており、このシリアルI/F10には、シリアルケーブル15によって各種の周辺情報機器、即ち外部情報機器16(例えば携帯電話装置(第2の通信機器,第2の通信手段)、携帯型端末装置(ノート型パーソナルコンピュータ)、電子カメラ等)が電気的に接続されるようになっている。これにより、この情報通信機器21と外部情報機器16(周辺情報機器)との間における各種データの受け渡しは、上記シリアルI/F10およびシリアルケーブル15を介して行なわれるようになっている。
このように構成された情報通信機器21において行なわれるデータ通信動作を、以下に簡単に説明する。
例えばPCカード22としてPCカード型電話機(第1の通信機器)が装着され、外部情報機器16として携帯型端末装置(以下、PCという。)または電子カメラ等が接続された場合には、上記CPU1は、PC、電子カメラ(16)からデータファイル、画像データファイル等をシリアルケーブル15、シリアルI/F10を介して受け取ると共に、PCカードI/F5を制御して、上記データファイル等をPCカード型電話機(22)へ出力する。これによって、上記データファイル等は、通信相手先へ伝送される。
また、通信相手先よりPCカード型電話機(22)に伝送されてきたデータファイル、画像データファイル等は、CPU1がPCカードI/F5を制御して、これを受け取り、シリアルI/F10、シリアルケーブル15を介してPC、電子カメラ(16)へと出力する。これを受けて上記PC、電子カメラ等の外部情報機器16は、上記データファイル等を自己に内蔵されている記憶装置に記録する。このようにして、上記情報通信機器21は、通信相手先とのデータ通信を行なう。
一方、上記外部情報機器16として携帯型電話機がシリアルケーブル15によって接続され、PCカード22としてATAカード等の記憶媒体がPCカードソケット6Aに装着された場合には、CPU1は、PCカードI/F5を制御することにより、記憶媒体(22)に記録されているデータファイル、画像データファイル等を読み出して、シリアルI/F10、シリアルケーブル15を介して携帯型電話機(16)へ出力する。これによって、上記データファイル等は、通信相手先へ伝送される。
また、通信相手先から携帯型電話機(16)に伝送されてきたデータファイル、画像データファイル等は、CPU1の制御によりシリアルI/F10、シリアルケーブル15を介してCPU1に入力される。そして、CPU1は、PCカードI/F5を制御して、上記データファイル等を記憶媒体(22)へと出力し、記憶媒体(22)は、これを格納する。このようにして、この情報通信機器21は、通信相手先とのデータ通信を行なう。
図2は、この第1の実施形態の情報通信機器21の外観形状を示す概略斜視図である。
この情報通信機器21の上面には、上記表示部8を形成するLCD8aと、操作パネル部が設けられている。この操作パネル部には、上記操作手段であるキー入力部7を形成する各群のキー、すなわち、
・「A〜Z」のアルファベットおよび「−(ハイフン)」の各キーが一群に配列されたアルファベットキー17、
・「0〜9」の数字キー、「,(カンマ)」および「.(ポイント)」の各キーが一群に配列されたテンキー19、
・操作命令の入力完了を指示するスタート(START)キー18、
・特定の操作命令を指示するための複数個の各キーが一群として配列されたファンクションキー20、
等が配置されている。
なお、図2では、上記アルファベットキー17の配列の一例として、いわゆるQWERTY配列を示している。また、ファンクションキー20の一例として、
・課金情報等の回線利用情報の表示を指示する「$(ダラー)」キー20a、
・パスワード設定モードにモード切り換えの指示を行なう「PASS(パス)」キー20b、
・通信モードを開始するための指示を行なう「TEL(テレ)」キー20c、
を示している。
一方、側壁面には、上記シリアルI/F10のコネクタ部10Aと、上記SIMソケット6Bがそれぞれ設けられている。上記コネクタ部10Aには、上記シリアルケーブル15の一端側のコネクタ15Aが接続され、このケーブル15の他端側に外部情報機器16が接続されている。そして、上記SIMソケット6Bには、SIM9が装着されている。
また、他の側壁面には、上記PCカードソケット6Aが設けられており、このPCカードソケット6AにPCカード22としてのPCカード型電話機が装着されている。
そして、操作者は、必要に応じて上記各種のキー(17,18,19,20)を操作することにより、この情報通信機器21およびPCカード型電話機(22)と外部情報機器16との間でデータ通信を行なうことができるようになっている。
このように構成された上記第1の実施形態の情報通信機器21によって行なわれる通信時の動作のうち第1の通信モードについて、図3のフローチャートによって、以下に説明する。
なお、ここでは、図2に示すように、上記PCカードソケット6Aには、PCカード22としてPCカード型電話機が装着され、上記シリアルI/F10には、外部情報機器16として携帯型端末装置、電子カメラ等が接続されているものとする。
上記情報通信機器21は、電源が供給されている状態で、かつ通信モードに設定されていない状態では、CPU1によって常に着信信号の監視が行なわれるようになっている。ここで着信信号とは、他の情報機器(通信相手先)から、この情報通信機器21に装着されているPCカード型電話機(22)に対して行なわれる通信要求信号を示している。つまり、通信相手先より電話回線を介して通信要求がなされる(電話をかける)ことによって、この情報通信機器21のPCカード型電話機(22)に着信信号が入力されると、このPCカード型電話機(22)は、CPU1に対して、例えば「RING」、「CALL」等の文字列信号を送信するようになっており、CPU1は、この文字列信号を受け取る(検出する)ことによって、通信要求があったかどうかがわかるようになっている。
まず、ステップS1において、CPU1によって着信信号の検出が行なわれる。ここで、着信信号が検出された場合には、ステップS5の処理に進む。また、着信信号が検出されなかった場合には、通信を開始できる状態であると判断されて、他の情報機器に対して発信を行なう第1の通信モード入る。そして、次のステップS2の処理に進む。
ステップS2において、操作者が上記テンキー19を操作することによって電話番号入力が行なわれた後、ステップS3において、上記ファンクションキー20のうちTELキー20cが押されると、この情報通信機器21が通信を開始する(発信する)旨の指示命令信号がCPU1に入力されて、次のステップS4の処理に進む。
ステップS4において、CPU1は、上述のステップS3の通信開始指示命令を受けて、PCカードI/F5を制御し、PCカードソケット6Aに装着されているPCカード型電話機(22)へ入力された電話番号情報と発信命令を送信する。これを受けて、PCカード型電話機(22)は、発信動作、すなわち電話をかける動作を行なって、次のステップS5の処理に進む。
ステップS5において、通信相手先との接続に成功したかどうかの判断がなされる。ここで、PCカード型電話機(22)から「connect」等の文字列信号がCPU1に送信された場合には、CPU1は、通信相手先との接続が成功したと判断して、次のステップS6の処理に進む一方、PCカード型電話機(22)から「fail」等の文字列信号がCPU1に送信された場合には、CPU1は、通信相手先との接続に失敗したと判断して、一連のシーケンスを終了する(エンド)。
上述のステップS5において、接続が成功したと判断されて、ステップS6の処理に進むと、このステップS6において、通信相手先との間でデータ通信が行なわれる。ここで行なわれるデータ通信は、外部情報機器16に記録されているデータファイル等を通信相手先にデータ伝送したり、通信相手先から伝送されてくるデータファイル等を受信して、外部情報機器16の記憶装置に記録する等の動作である。
そして、データ通信が終了すると、次のステップS7の処理に進み、このステップS7において、通信相手先との接続状態が切断される。つまり、通信可能状態から通信不可能状態に切り換えられる。ここでは、例えば操作者が通信接続中にTELキー20cを押すことによって、CPU1に対して通信切断信号を送り、この信号を受けたCPU1がPCカードI/F5を制御して、PCカード型電話機(22)によって通信切断が行なわれるか、または、通信相手先によって、同様の通信切断動作がなされる。そして、次のステップS8の処理に進む。
ステップS8において、CPU1は、直前に行なった通信利用料金に関する課金情報等の回線利用情報を取得する。この課金情報等は、通信切断直後に、回線網全体を管理する管理会社(例えば電話局等)から各種情報が伝送されるといったサービスがある場合に、これを受信することによって取得するものである。
この場合においては、上述のステップS7における回線切断動作後の状態は、通信相手先との接続状態が切断されただけの状態であって、上記回線網管理会社との間の接続状態は保持されている。そして、この回線切断動作直後の時間を利用して、回線網管理会社より各種情報を取得することができるようになっており、上記回線網管理会社からの情報伝送が終了すると、回線網管理会社との接続状態も切断されて、このPCカード型電話機(22)と回線網との接続状態は、完全に切断された状態となる。
また、上記課金情報等の取得は、上述の手段のほかに、所望のときに上記回線網管理会社等の課金情報等を管理するセンターの特定の電話番号に電話をかけることによって、所望の情報を取得することができるサービスがあれば、これを利用するという手段もある。
すなわち、通信相手先との通信が終了して回線切断動作が行なわれた後に、この情報通信機器21のCPU1が上記特定の電話番号に自動運転による接続動作(いわゆるオートダイアル、オートログイン)を行なって、直前の通信利用料金に関する課金情報等を取得する。この場合には、通信相手先との通信を終了した後に行なわれる回線切断動作によって、このPCカード型電話機(22)と回線網との接続状態を完全に切断された状態とし、この情報通信機器21を、通信状態から完全に解放された状態に置く必要がある。
そして、次のステップS9の処理に進み、このステップS9において、CPU1は、取得した課金情報等の回線利用情報に基づいて、例えば日付情報、利用時間情報、相手先電話番号情報、課金情報(利用料金情報)等の明細情報を作成し、これをSIM9に記録した後、次のステップS10の処理に進み、このステップS10において、上記明細情報をLCD8aに表示して、この一連のシーケンスを終了する(エンド)。ここで、CPU1は、取得した回線利用情報をSIM9に書き込み記録する書き込み手段であり利用情報記録手段としての役目をしている。
なお、上述のステップS10において、LCD8aに表示される明細情報の表示形態の一例を表1に示す。
Figure 2006314113
ところで、上記回線加入者情報カード(SIM)9を使用するに際して、そのセキュリティ性を保障するためには、各カード毎に固有のパスワードを設定することが考えられる。このパスワードは、SIM9の製造者によって設定され、利用者側では容易に書換えることができないようにされている必要がある。そして、このパスワードは、SIM9を正規に購入した場合に、その購入者のみに限って知らせるようにする等の厳密な機密保持が行なわれるものである。
このように厳密に管理されたSIM9を、上記情報通信機器21に装着して使用する場合には、予め情報通信機器21側で各SIM9に対応するパスワードの設定登録を行なって、通信を行なう際の通信モードのシーケンス中で、装着されたSIM9のパスワードが情報通信機器21に登録されたパスワードと一致するかどうか、すなわちパスワードチェックを行なうシーケンスを加えておけば、SIM9のパスワードを知らない第三者が、例えばSIM9を不法に入手した場合に、これを容易に使用することができない。したがって、セキュリティ性を向上させることができることとなる。
そこで、この第1の実施形態の情報通信機器21においては、図4のフローチャートに示すパスワード設定モードを用意すると共に、このパスワード設定モードで設定されたパスワードと装着されたSIM9のパスワードとが一致するかどうかを確認する、パスワードチェックのシーケンスを加えた第2の通信モードが用意されている。
すなわち、この情報通信機器21において、パスワードの設定を行なうには、通信モード以外の状態にあるときに、PASSキー20bを押すことによって、パスワード設定モードに切り換えることができるようになっている。
上述したように、この情報通信機器21は、電源が供給されている状態で、かつ通信モードに設定されていない状態では、CPU1によって常に着信信号の監視が行なわれているが、これと同時に、モード切り換え信号の監視も常に行なわれている。
すなわち、この情報通信機器21に電源が供給され、通信モード以外の状態にあるときに、CPU1は、ステップS11において、PASSキー20bが押されたかどうかの監視を行なっている。ここで、操作者がPASSキー20bを押すことによってパスワード設定モードへの切り換えを行なった場合には、その入力信号がCPU1によって検出される。これにより、次のステップS12の処理以降のパスワード設定モードに移行する。
一方、PASSキー20bが押されなければ、パスワード設定モードに移行することなく通常の動作シーケンス、すなわち通信モード以外の状態が維持され、CPU1は、着信信号等の監視を続ける。
上述のステップS11において、PASSキー20bが押され、ステップS12以降のパスワード設定モードに移行すると、このステップS12において、操作者は、アルファベットキー17およびテンキー19を操作して、SIM9に設定されているパスワードを入力する。すると、このパスワード入力信号を受けて、CPU1は、次のステップS13において、パスワードの設定を行なう。これによって、上述のステップS12で入力されたパスワードに対応するSIM9を、この情報通信機器21で使用できるようになる。そして、パスワード設定モードに移行する直前の状態に復帰する。
なお、上述のステップS13で設定されたパスワード情報は、参照データとしてRAM4等に保持されるようになっており、この情報通信機器21によって通信動作が行なわれる際のパスワードチェックのシーケンスにおいて、随時参照されることとなる。この場合において、RAM4は、操作者が操作手段であるキー入力部7のうちアルファベットキー17やテンキー19を操作して入力した文字列をパスワードとして記憶するパスワード記憶手段の役目をしている。
次に、上記第1の実施形態の情報通信機器21によって行なわれる通信時の動作のうち、パスワードチェックのシーケンスが付加された第2の通信モードを、図5のフローチャートによって、以下に説明する。
まず、ステップS21において、操作者は、テンキー19を操作することにより電話番号入力を行ない、続けて次のステップS22において、TELキー20cを押すことによって、この情報通信機器21から通信を開始する(電話をかける)旨の指示命令をCPU1に入力し、次のステップS23の処理に進む。
ステップS23において、CPU1は、上記通信開始指示命令を受けて、SIM9に設定されているパスワード情報と、上述のパスワード設定モード(図4参照)において予め設定登録されたパスワードとを読み出して、両者の比較、すなわちパスワードチェックを行なう。この場合において、CPU1は、SIM9(カード形状の媒体)をSIMソケット6B(装填部)に装填して公衆電話回線を利用したデータ通信を行なうのに際して、SIM9に設定されている固有のパスワード情報と予めキー入力部7のうちアルファベットキー17やテンキー19(操作手段)によってRAM4(パスワード記憶手段)に記憶されたパスワード情報とを比較するパスワードチェック手段の役目をしている。
ここで、両者のパスワードが一致した場合には、次のステップS24の処理に進み、両者のパスワードが一致しない場合には、この第2の通信モードを終了して通常の待機状態に戻る。
上述のステップS23におけるパスワードチェックの結果、SIM9側と情報通信機器21側の設定パスワードが一致して、ステップS24の処理に進むと、このステップS24において、CPU1は、上述のステップS22における通信開始指示命令に基づいて、PCカードI/F5を制御し、PCカードソケット6Aに装着されているPCカード型電話機(22)へステップS21で入力された電話番号情報および発信命令を送信する。これによって、PCカード型電話機(22)は発信動作を実行する。そして、次のステップS25の処理に進む。
ステップS25において、通信相手先との接続に成功したかどうかの判断がなされる。ここで、PCカード型電話機(22)から「connect」等の文字列信号がCPU1に送信された場合には、CPU1は、通信相手先との接続が成功したと判断して、次のステップS26の処理に進む一方、PCカード型電話機(22)から「fail」等の文字列信号がCPU1に送信された場合には、CPU1は、通信相手先との接続に失敗したと判断して、一連のシーケンスを終了する(エンド)。
上述のステップS25において、接続が成功したと判断されて、ステップS26の処理に進むと、このステップS26において、通信相手先との間で各種データの伝送等(データ通信)が行なわれる。そして、このデータ通信が終了すると、回線切断動作が行なわれる。なお、この回線切断動作以降の処理は、図3に示すステップS7以降の処理と全く同様である。
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、情報通信機器21側にSIMソケット6Bを設け、このSIMソケット6Bに、SIM9を挿脱自在に配設するようにしたので、SIMソケット6にSIM9を装着することによって、SIM9を必要とする公衆電話回線を利用してのデータ伝送等の通信を容易に行なうことができる。
また、SIM9に設定されているパスワードに対応するパスワードを、予め設定登録するパスワード設定モードと、SIM9側の設定パスワードと情報通信機器21側に設定登録されたパスワードの比較(パスワードチェック)を行なうようにした第2の通信モードを設けたので、第三者が不法に入手したSIM9を容易に使用することができないようにして、セキュリティ性を向上させることができる。
なお、上述の第1の通信モードの動作シーケンス中、ステップS10(図3参照)において、上記LCD8aに表示される明細情報の表示形態(表1参照)については、これに限らず別の表示形態によってもよい。以下に、明細情報の表示形態についての他の例を説明する。
図6は、上記第1の実施形態の情報通信機器21の変形例を示す要部概略斜視図である。この変形例における情報通信機器21Aでは、操作パネル部に配設されるキー操作部7の一部として、カーソル移動キー25を加えて配置するようにしている。なお、他の構成部材については、上述の第1の実施形態と同様であるものとし、その説明は省略する。
上記カーソル移動キー25は、情報通信機器21Aの上面、一端側の操作パネル部の表示部8(LCD8a)の近傍に配置された三角形状の4つのキー群からなるものである。そして、この4つのキーは、それぞれ三角形状の各頂点が外側に向けて配置されて、4つのキー全体で菱型形状が形成されるように配設されている。
なお、上記カーソル移動キー25を形成する4つのキーは、三角形状の頂点が上方向を指向する上移動キー25aと、三角形状の頂点が下方向を指向する下移動キー25bと、三角形状の頂点が左方向を指向する左移動キー25cと、三角形状の頂点が右方向を指向する右移動キー25dである。
このように構成された情報通信機器21Aにおいて行なわれる通信動作は、上述の第1の実施形態と同様である(図3参照)が、ステップS10において行なわれる明細情報等の表示形態が異なる。
すなわち、上述の第1の実施形態における明細情報等の表示形態は、表1に示すように、直前に行なわれた通信に関する各情報等のみをLCD8aに表示するようにしたものであるが、この変形例においては、SIM9に記録された通信に関する履歴をすべて表示できるようにしている。
上記SIM9には、通信を行なう都度、取得された課金情報等に基づいて作成された明細情報が全て記録されるようになっている。この明細情報は、ファンクションキー20のうちの$キー20aを押すことによってLCD8aに表示することができるようになっている。
したがって、操作者は、上記$キー20aを押すことによって、課金情報表示信号の表示命令をCPU1に伝達し、これを受けてCPU1は、SIM9に記録されている課金情報等の全ての明細情報を読み出して、LCD8aに表示するようになっている。このとき、LCD8aに表示される明細情報の表示形態は、表1と略同様のものであり、図6に示すように、LCD8aの左側のA欄には日付情報を、B欄には上記A欄における通信時の利用時間情報を、C欄にはこのときの相手先電話番号情報を、D欄にはこのときの課金情報(利用料金情報)を、それぞれ表示するようになっている。
ここで、SIM9に記録されている明細情報の件数が多いために、LCD8aに全ての明細情報を同時に表示できない場合に、操作者は、上記カーソル移動キー25のうち上移動キー25aまたは下移動キー25bを操作することによって、画面に表示された情報を上下方向にスクロールさせることができるようになっており、これによって、表示範囲を変更し所望の明細情報を表示させることができることとなる。
このように構成することによって上記変形例においては、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができると共に、カーソル移動キー25を加えて配設し、SIM9に記録されている通信に関する課金情報等の明細情報の全てをLCD8a上に表示するようにしたので、いつでも所望のときに、明細情報等の通信履歴を参照することが容易にできる。
次に、本発明の第2の実施形態について、以下に説明する。なお、この第2の実施形態では、情報通信機器を通信機能を有する電子カメラとした場合を例示している。
図7は、この第2の実施形態の電子カメラの構成を示すブロック構成図である。
この第2の実施形態の電子カメラ31は、制御回路等によって形成される制御回路部と、被写体像の撮影および撮影によって得られた画像データ(映像信号)の記録等に関する構成部材により形成されたカメラ部等によって構成されている。
上記制御回路部は、上述の第1の実施形態の情報通信機器(21)と略同様の構成からなり、この電子カメラ31全体の制御を行なうCPU1と、このCPU1が各種制御動作を行なう制御プログラムが格納されているROM3と、各種データを一時的に格納するRAM4と、PCカード22を装着するPCカードソケット6Aと、このPCカードソケット6Aに接続され、上記PCカード22をCPU1の制御に基づいて制御するPCカードI/F5と、操作手段であるキー入力部7と、表示手段でありLCD等からなる表示部8と、SIM9を着脱自在に装着するSIMソケット6Bと、シリアル信号線14によって接続され、他の外部情報機器16との間で行なわれるデータ伝送を制御するシリアルI/F10等によって構成されている。
また、この電子カメラ31のカメラ部は、コントロール回路部37によって制御されるようになっており、撮影光学系48によって結像された光学的映像を電気的映像信号に変換して出力する固体撮像素子等によって形成される撮像手段(以下、CCDと略記する。)32と、このCCD32から出力される電気的映像信号のプロセス処理を行なうプロセス処理部33と、このプロセス処理された映像信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/D変換器34と、映像信号が伝達される映像バス51と、映像信号の一画面分ずつのデータを一時的に記憶するフレームメモリ36と、デジタルの映像信号をアナログ信号に変換するD/A変換器35と、外部の表示装置(例えばCRTディスプレイ等。図示せず。)に対してスルーアウトビデオ信号として出力する映像信号出力手段であるビデオ信号出力端子39と、デジタル映像信号の圧縮/伸長処理を行なう圧縮伸長回路部(以下、圧伸回路部という。)38と、撮影された映像信号(デジタル)を記録するフラッシュメモリ29等によって構成されている。
そして、上記制御回路部と上記カメラ部とは、システムバス2によって接続されており、各種信号が制御回路部とカメラ部との間で互いに伝達されるようになっている。
図8は、この第2の実施形態の電子カメラ31の外観形状を示す概略斜視図である。
この電子カメラ31の上面には、表示部8を形成するLCD8aが設けられており、このLCD8a近傍には、上記操作手段であるキー入力部7に相当する各種の操作キー、すなわち、撮影開始信号または通信開始信号を発生させる映像記録指示手段であり通信指示手段でもある映像トリガーキー40と、特定の操作命令を指示するファンクションキー41と、モード切り換えを指示するMODEキー42と、各種キーによって入力した文字等を決定するENTERキー43と、入力するための文字等を選択する文字選択キー44と、LCD8aに表示される情報の表示範囲を変更する4つの三角形状のキーからなるカーソル移動キー25等が配置されている。
なお、上記カーソル移動キー25を形成する4つのキーは、三角形状の頂点が上方向を指向する上移動キー25aと、三角形状の頂点が下方向を指向する下移動キー25bと、三角形状の頂点が左方向を指向する左移動キー25cと、三角形状の頂点が右方向を指向する右移動キー25dの4つのキー群によって形成されており、上記LCD8aの近傍において、三角形状の各頂点が外側に向くように配置されている。
一方、この電子カメラ31の一側面には、上記PCカードソケット6AおよびSIMソケット6Bが配設されており、この両ソケット6A,6Bには、それぞれPCカード22としてのPCカード型電話機、SIM9が装着されている。
また、この電子カメラ31の前面には、撮影レンズ等によって形成される撮影光学系48が配設されており、カメラ本体内の撮影光学系48の後方には、上記CCD32等(図8では図示せず。図7参照。)が配設されている。
そして、この電子カメラ31では、操作者が上記MODEキー42を押すことによって所望の動作モードを選択することができるようになっている。この動作モードは、「記録モード」、「再生モード」、「伝送モード」の各モードが用意されていて、MODEキー42を押す毎に、順次切り換えることができるようになっている。
このように構成された上記第2の実施形態の電子カメラの各動作モードにおける動作を、以下に簡単に説明する。
まず、記録モードでは、撮影光学系48により結像された光学的映像がCCD32によって電気的映像信号に変換されて出力され、この映像信号(アナログ)は、プロセス処理部33を経てA/D変換器34に入力され、これによりデジタル化される。このデジタル化された映像信号は、映像バス51を介してフレームメモリ36へ一時的に記憶されると同時に、D/A変換器35に出力され、これによりアナログ信号化された後、ビデオ信号出力端子39を経て外部表示装置(図示せず)へ出力されて、連続的な映像として表示されることとなる。
そして、上記映像トリガーキー40が押されることにより、撮影開始信号が発せられると、まず、フレームメモリ36に記憶されているデジタル映像信号が、映像バス51を介して圧伸回路部38へ出力されて圧縮処理が施される。この圧縮処理が施された映像信号(デジタル画像データ)は、システムバス2を介してフラッシュメモリ29へ記憶される。
また、上記撮影され圧縮処理された映像信号(デジタル画像データ)は、フラッシュメモリ29に記憶させるほかに、外部の記憶媒体に記録することもできるようになっている。この場合には、PCカードソケット6Aに、PCカード22として、記憶媒体カードを装着した状態で、キー入力部7を操作して、CPU1に対してPCカード22への記録動作を行なう旨の指示を与える。CPU1は、この指示命令を受けてPCカードI/F5を制御して、このPCカードI/F5を介して、上記映像信号をPCカード(記憶媒体カード)22に記録する。
一方、再生モードでは、CPU1は、上記フラッシュメモリ29またはPCカード22に記録されている映像信号(デジタル画像データ)を読み出し、システムバス2を介して圧伸回路部38へ出力する。この圧伸回路部38によって映像信号が伸長処理されて、非圧縮状態の映像信号(デジタル)へ復元される。そして、この映像信号は、映像バス51を介してフレームメモリ36へ一時的に記憶される。このフレームメモリ36に一時的に記憶された映像信号は、D/A変換器35によって繰り返し読み出されて順次アナログ信号に変換され、再生画像としてビデオ信号出力端子39から外部表示装置へ出力され、これにより再生される。
なお、上述した記録モードおよび再生モードは、CPU1がシステムバス2を介してコントロール回路部37の設定を行なうと共に、この設定された動作モードに基づいて、上記コントロール回路部37が各種の指示命令を発することで各種の動作がなされるようになっている。すなわちコントロール回路部37は、CPU1からの指示命令に基づいて、それぞれ制御線によって接続されているA/D変換器34、D/A変換器35、フレームメモリ36、圧縮伸長回路部38およびPCカードI/F5等を制御している。
図9は、この第2の実施形態の電子カメラ31の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS31〜S33において、動作モードの判定が行なわれる。つまり、CPU1は、操作者によってMODEキー42が押されることにより発生するMODEキー42からの入力信号を検出することによって、選択された動作モードを判定する。
ステップS31において、記録モードが選択されたかどうかの判断がなされる。ここで、記録モードが選択されたと判断されると、記録モードのシーケンスに移行し、記録モードが選択されなかった場合には、次のステップS32の処理に進む。
ステップS32において、再生モードが選択されたかどうかの判断がなされる。ここで、再生モードが選択されたと判断されると、再生モードのシーケンスに移行し、再生モードが選択されなかった場合には、次のステップS33の処理に進む。
ステップS33において、伝送モードが選択されたかどうかの判断がなされる。ここで、伝送モードが選択されなかった場合には、上記MODEキー42は操作されていないと判断されて、動作モード判定シーケンス(ステップS31〜S33)の初期状態に戻り、操作者によって、いずれかの動作モードの選択がなされるまで、同様の処理が繰り返される。一方、伝送モードが選択されたと判断されると、次のステップS34の処理に進む。
ステップS34以降の処理は、伝送モードのシーケンスである。この伝送モードでは、まず、ステップS34において、CPU1は、PCカード型電話機(22)が着信信号、例えば「RING」、「CALL」等の文字列信号を受信したかどうかの監視を行なう。ここで、着信信号が検出された場合には、ステップS38の処理に進み、着信信号が検出されない場合には、次のステップS35の処理に進む。
ステップS35において、操作者は、上記文字選択キー44およびENTERキー43を操作することによって、電話番号の入力を行なう。この電話番号入力操作が終了した後、次のステップS36の処理に進む。なお、ここで行なわれる電話番号入力操作の具体例については、後述する図11、図12によって説明する。
ステップS36において、操作者は、映像トリガーキー40を押すことによって、通信を開始する(電話をかける)旨の指示命令をCPU1に入力し、これを受けてCPU1は、次のステップS37において、PCカードI/F5を制御して、PCカードソケット6Aに装着されているPCカード型電話機(22)に対して、ステップS35で入力された電話番号情報および発信命令を送信する。これによって、PCカード型電話機(22)は発信動作を実行する。そして、次のステップS38の処理に進む。
ステップS38において、通信相手先との接続に成功したかどうかの判断がなされる。ここで、PCカード型電話機(22)から「connect」等の文字列信号がCPU1に送信された場合には、CPU1は、通信相手先との接続が成功したと判断して、次のステップS39の処理に進み、このステップS39において、通信相手先との間でデータ通信が行なわれる。
つまり、ここで、CPU1は、PCカードソケット6A(装着部)に装着されたPCカード型電話機(22;カード形状の通信機器)によって公衆電話回線を利用して画像データの通信を行なうデータ通信手段として機能する。なお、当該CPU1は、シリアルケーブル15を介してシリアルI/F10(シリアル通信手段)に接続された外部情報機器によって公衆電話回線を利用して画像データの通信を行なう場合にも同様にデータ通信手段として機能する。
このデータ通信は、フラッシュメモリ29に記録された画像データ等を通信相手先へ伝送したり、通信相手先から伝送されてくる画像データ等をフラッシュメモリ29へ記録する等の動作であり、このデータ通信が終了すると、次のステップS40の処理に進む。
一方、上述のステップS38において、PCカード型電話機(22)から「fail」等の文字列信号がCPU1に送信された場合には、CPU1は、通信相手先との接続に失敗したと判断して、上述のステップS31の処理に戻り、以降のシーケンスを繰り返す。
ステップS40において、通信相手先との接続状態が、PCカード型電話機(22)または通信相手先によって切断され、続けて次のステップS41において、直前に行なった通信利用料金に関する課金情報等を取得し、次のステップS42の処理に進む。
ステップS42において、CPU1は、上述のステップS41で取得した課金情報等に基づいて、例えば日付情報、利用時間情報、相手先電話番号情報、課金情報(利用料金情報)等の明細情報を作成し、これをSIM9に記録した後、次のステップS43の処理に進み、このステップS43において、上記明細情報をLCD8aに表示する。その後、上述のステップS31の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
なお、上述のステップS43において、LCD8aに表示される明細情報の表示形態の一例を表2に示す。
Figure 2006314113
図10は、この第2の実施形態の電子カメラ31の一部を示す要部上面図であって、LCD8aおよび各操作キーを図示している。この図10によって、上述のステップS43の課金情報表示モードのシーケンスにおける明細情報の他の表示形態を説明する。
課金情報表示モードは、操作者によってファンクションキー41が操作されることによって開始される。すなわち、ファンクションキー41からの入力信号(課金情報表示命令)がCPU1に伝達されると、これを受けてCPU1は、SIM9に記録されていた明細情報等の全ての通信履歴情報を読み出して、LCD8a上に表示する。この一連の動作モードが課金情報表示モードである。
上記SIM9に記録された明細情報の件数が多いために、LCD8aに全ての明細情報を同時に表示できない場合には、操作者は、上記カーソル移動キー25のうち上移動キー25aまたは下移動キー25bを操作することによって、画面に表示された情報を上下方向にスクロールさせて表示範囲を変更し、所望の明細情報を表示させることができるようになっている。なお、図10では、LCD8a上の表示を簡略化して図示している。
ところで、上述の伝送モードの動作シーケンス中のステップS35において行なわれる電話番号入力操作の手順を説明する。
図11、図12は、この第2の実施形態の電子カメラ31の一部を示す要部上面図である。
この電子カメラ31における伝送モードにおいて、電話番号を入力する場合には、まず、操作者は文字選択キー44を操作する。この文字選択キー44は、一回押す毎に、1〜9までの数字をLCD8aの所定の位置(図11、図12では、LCD8aの右下に位置する領域E)に、順次表示させることができるようになっている。このとき、LCD8aの領域Eに表示される数字は、未確定であることを示すために点滅している状態にある。
操作者は、文字選択キー44を押して、所望の数字をLCD8aに表示させた後、ENTERキー43を押すことによって、その数字を確定する。すると、LCD8aの他の所定位置(LCD8aの左下に位置する領域F)に確定された数字が点灯表示される。なお、図12に示す状態は、4桁目まで入力を行ない、4桁分の番号を確定させた後の状態を示している。
このようにして、操作者は、LCD8aの領域Fに電話番号の全桁を表示させて所望の電話番号を設定する。そして、最後に映像トリガーキー40を押して(図9のステップS36参照)、電話番号情報および発信命令をPCカード型電話機(22)に送信する。これにより、電話番号入力操作が完了する。
図13は、上述の伝送モードに、課金情報表示モード、パスワード設定モード等のサブモードを加えた場合のフローチャートであって、伝送モードの動作をより詳細に示したものである。
まず、ステップS51〜S53において、動作モードの判定が行なわれるが、これは、上述の図9に示す動作シーケンス中、ステップS31〜S33の動作と全く同様である。したがって、ここでは、動作モード判定シーケンスについての説明を省略する。
図13のステップS53において、伝送モードが選択されたと判断されて、次のステップS54の処理に進むと、このステップS54において、CPU1は、PCカード型電話機(22)が着信信号、例えば「RING」、「CALL」等の文字列信号を受信したかどうかの監視を行なう。ここで、着信信号が検出された場合には、後述する第2の伝送モードにおけるステップS65(符合B。図16参照)の処理に進む一方、着信信号が検出されない場合には、次のステップS55の処理に進む。
ステップS55において、CPU1は、文字選択キー44が操作者によって操作されたかどうかの確認を行なう。ここで、文字選択キー44からの入力信号が検出された場合、すなわち操作者により電話番号入力操作が行なわれた場合には、第2のデータ伝送モード(図16参照)に移行する。
一方、このステップS55において、文字選択キー44からの入力信号が検出されない場合には、次のステップS56の処理に進む。
ステップS56において、CPU1は、ファンクションキー41が操作者によって操作されたかどうかの確認を行なう。ここで、ファンクションキー41からの入力信号が検出された場合には、課金情報表示モード(図10の説明参照)に移行し、この課金情報表示モードの処理を実行した後、ステップS57において、再度ファンクションキー41が操作者によって操作されたかどうかの確認が行なわれる。ここで、ファンクションキー41からの入力信号が再度検出されると、パスワード設定モードに移行し、このパスワード設定モードを終了すると、上述のステップS51の処理に戻り、以降の処理が繰り返される。
一方、上述のステップS56およびステップS57において、ファンクションキー41からの入力信号が共に検出されず、例えばMODEキー42等からの入力信号が検出された場合等には、上述のステップS51の処理に戻り、以降の処理が繰り返される。
図14、図15は、この第2の実施形態の電子カメラ31の一部を示す要部上面図であって、LCD8aおよび各操作キーを図示している。この図14、図15によって、上述のステップS57のパスワード設定モードのシーケンスにおける設定操作の手順を説明する。
パスワード設定モードにおいて、操作者がパスワードの設定を行なう際には、まず、文字選択キー44を操作する。この文字選択キー44は、一回押す毎に、1〜9までの数字およびアルファベットa〜zまでの英文字等をLCD8aの所定の位置(図14、図15では、LCD8aの右下に位置する領域E)に、順次表示させることができるようになっている。このとき、LCD8aの領域Eに表示される数字または英文字等は、未確定であることを示すために点滅している状態にある。
操作者は、文字選択キー44を押して、所望の数字、英文字をLCD8aの領域Eに表示させた後、ENTERキー43を押して、入力する文字を確定する。ENTERキー43が押されると、LCD8aの他の所定位置(LCd8aの左下に位置する領域F)には、確定された数字、英文字が点灯状態で表示される。図15に示す状態は、4桁の入力文字が確定された状態を示している。なお、ここではパスワードの設定画面であるから機密性が要求されることとなる。したがって、セキュリティ性が考慮される必要がある。そこで、入力された具体的な数字、英文字をLCD8a上に直接表示させることなく、入力桁数に応じた数の代替文字である「*」を表示するようにしている。
このようにして、操作者は、文字選択キー44およびENTERキー43とを操作して、LCD8aの領域FにSIM9の設定パスワードに対応するパスワードを全桁入力し設定する。そして、最後に映像トリガーキー40を押すことで、入力されたパスワードの文字信号がRAM4等に記憶される。これにより、パスワード設定登録動作が完了する。
図16は、上述の図13における第2のデータ伝送モードの動作を示すフローチャートである。なお、この第2のデータ伝送モードは、図9の伝送モードにおけるステップS35以降のシーケンスと略同様であるが、上述の第1の実施形態と同様にパスワードチェックのシーケンスが付加されている点が異なる。
この第2のデータ伝送モードに先立って、まず操作者は、パスワード設定モードで、図14、図15を用いて説明した手順により、パスワードの設定登録を行なっておく。
そして、上述の図13のステップS55において、文字選択キー44が操作されて、電話番号入力操作がなされると同時に、第2のデータ伝送モードに移行する。ここで行なわれる電話番号入力操作(ステップS61)は、図11、図12を用いて説明した手順による。そして、映像トリガーキー40が押されると(ステップS62)、これを受けてCPU1は、ステップS63において、パスワードチェックを行なう。ここで、SIM9のパスワードと予め登録されたパスワードが一致した場合には、次のステップS64の処理に進み、このステップS64において、CPU1は、入力された電話番号情報と発信命令とを、PCカードI/F5を介してPCカード型電話機(22)に伝達する。これにより、PCカード型電話機(22)は発信動作を行なう。そして、次のステップS65の処理に進む。
一方、上述のステップS63におけるパスワードチェックの結果、一致しなかった場合には、図13のステップS51の処理に戻り、以降の処理が繰り返される。
ステップS65において、通信相手先との接続に成功したかどうかの判断がなされる。ここで、PCカード型電話機(22)から「connect」等の文字列信号がCPU1に送信されて、接続が成功したと判断されると、次のステップS66の処理に進み、このステップS66において、通信相手先との間でデータ通信が行なわれる。そして、このステップS66〜S70までの処理は、図9のステップS39〜S43までの処理と全く同様である。
一方、上述のステップS65において、PCカード型電話機(22)から「fail」等の文字列信号がCPU1に送信されて、接続に失敗したと判断されると、上述のステップS51の処理に戻り、以降のシーケンスを繰り返す。
ステップS70において、LCD8aへの表示がなされると、この第2のデータ伝送モードのシーケンスを終了し、上述のステップS51の処理に戻り、以降の処理が繰り返される。
以上説明したように上記第2の実施形態によれば、撮影した画像データ等を通信相手先に伝送することができる電子カメラにおいても、上述の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
図17は、本発明の第3の実施形態の電子カメラを示すブロック構成図である。この第3の実施形態は、上述の第2の実施形態と基本的に同様の構成からなるものであるが、この第3の実施形態では、上述の第2の実施形態に、さらに記録媒体部52、主電源53、送受信信号処理回路部54、RF部55等を加えて配設した点が異なる。
つまり、この第3の実施形態の電子カメラ31は、PCカード型電話機(22)に代えて、RF部55を内蔵することによって、この電子カメラ31単体で、公衆電話回線用電波を利用した通信を行なうことができるようにしたものである。したがって、この第3の実施形態では、上述の第2の実施形態と同様の構成部材については同じ符合を付してその説明を省略し、異なる構成部材についてのみ、以下に説明する。
上記記録媒体部52は、CCD32(撮像手段)によって得られた映像信号を記憶する画像記憶手段である。この記録媒体部52は、CPU1との間でシステムバス2を介して接続されており、CPU1によって制御されるようになっている。これと同時に、制御線によってコントロール回路部37にも接続されており、画像データ等の記録、再生動作を行なう際には、上記記録媒体部52は、コントロール回路部37によって制御されるようになっている。
なお、上記記録媒体部52としては、例えばフレキシブルディスク装置、光ディスク装置、ハードディスク装置等の記憶装置が採用可能である。
一方、この電子カメラ31の通信動作は、送受信信号処理手段である上記送受信信号処理回路部54を介してCPU1によって制御され公衆電話回線を利用してデータ通信を行なう通信手段であるRF部55によって行なわれる。このRF部55は、アンテナ等の通信に関する部材および回路によって形成されており、このRF部55によって送受信される画像データ等の映像信号は、送受信信号処理回路部54によって、その信号処理が行なわれるようになっている。 上記送受信信号処理回路部54は、システムバス2を介してCPU1に接続されており、このCPU1によって制御されるようになっている。そして、この送受信信号処理回路部54は、アナログ信号線によって上記RF部55が接続されている。
また、上記送受信信号処理回路部54は、主電源53と電源コントロール線71によって接続されており、主電源53は、上記送受信信号処理回路部54により例えばオンオフ制御等の制御がなされるようになっている。
この第3の実施形態の電子カメラ31においては、上述の第2の実施形態(図7参照)と同様に、カメラ部が設けられている。このカメラ部の撮影光学系48により結像された被写体像が撮像手段であるCCD32によって映像信号として光電変換され、この映像信号は、プロセス処理部33を介してA/D変換器34に出力され、このA/D変換器34でデジタル信号に変換された後、映像バス51を介して圧伸回路部38に出力され、ここで圧縮処理が施された映像信号(デジタル画像データ)は、システムバス2を介してCPU1に入力されるようになっている。そして、この映像信号は、CPU1からシステムバス2を介して上記送受信信号処理回路部54に対して出力されるようになっている。
上記送受信信号処理回路部54は、このCPU1から出力される映像信号(デジタル)に対して誤り訂正、D/A変換等の送信信号処理を施して、上記RF部55へアナログデータ信号として出力するようになっていると共に、上記RF部55によって受信され、上記送受信信号処理回路部54に入力されるアナログ信号のうち、通信相手先より送信された画像データ等の映像信号(アナログ)に対しては、A/D変換、誤り訂正の復号等の受信信号処理を施して、CPU1にデジタルデータ信号として出力するようになっている。
上述のように、上記RF部55によって受信される各種のアナログ信号は、送受信信号処理回路部54に入力されることとなるが、ここで、RF部55により受信されるアナログ信号は、公衆電話回線用電波信号である。RF部55は、このアナログ信号に対して直交復調処理等を施して、これを上記送受信信号処理回路部54へアナログデータ信号として出力すると同時に、上記送受信信号処理回路部54から出力され、このRF部55に入力されるアナログデータ信号に対しては、直交変調処理等を施すようになっている。これにより、この電子カメラ31によって通信を行なう際の画像データ等の映像信号は、公衆電話回線用電波信号として出力されるようになっている。
そして、上記RF部55によって受信され、上記送受信信号処理回路部54に伝達された信号が着信信号である場合には、上記送受信信号処理回路部54は、「RING」、「CALL」等の文字列信号をCPU1に出力するようになっており、これを受けてCPU1は、この着信信号を示す文字列等を表示部(LCD)8(表示手段)に表示するようになっている。
なお、RF部55が着信信号を受信したときに、この電子カメラ31の主電源53がオフ状態である場合には、上記送受信信号処理回路部54は、上記着信信号を受けて、電源コントロール線71によって接続されている主電源53をオン状態に切り換えてデータ通信を開始可能な状態とする機能、いわゆる着信ウェイクアップ(WakeUp)機能を備えている。したがって、この電子カメラ31は、主電源53がオフ状態にある場合にも、CPU1による着信信号の監視を常に行なうようにしたモード(以下、着信ウェイクアップモードという)を有している。
さらに、上記送受信信号処理回路部54は、CPU1の制御によって、回線接続処理を行なうようになっている。この回線接続処理は、通信動作時において、通信相手先との接続が成功した旨の信号をRF部55が受信し、その信号が上記送受信信号処理回路部54に伝達されたときに、この送受信信号処理回路部54は、「connect」等の文字列信号をCPU1へ出力し、また通信相手先との接続に失敗した旨の信号をRF部55が受信し、その信号が上記送受信信号処理回路部54に伝達されると、この送受信信号処理回路部54は、「fail」等の文字列信号をCPU1へ出力するようになっている。
次に、図18は、この第3の実施形態の電子カメラ31における電源制御系に関するブロック構成図である。
この電子カメラ31の電源制御系の構成は、この電子カメラ31全体へ電力を供給する主電源53と、この電子カメラ31の一部の回路に対して補助電源線によって常に電力を供給している補助電源57とによって構成されている。
上記補助電源57には、送受信信号処理回路部54、RF部55およびキー入力部7(操作手段)が接続されている。
主電源53と上記送受信信号処理回路部54は、OR素子69を介して、電源コントロール線71によって接続されている。また、主電源53とキー入力部7の主電源スイッチである電源キー(POWERキー58;後述する図19参照)は、OR素子69を介して、電源スイッチ信号線70によって接続されていると共に、上記電源キー(58)は、CPU1にも電源スイッチ信号線70によって接続されている。
上述したように、この電子カメラ31が着信ウェイクアップモードに設定されているとき(このとき、主電源53はオフ状態にある)には、上記RF部55が着信信号を受信すると、これを受けて上記送受信信号処理回路部54が、電源コントロール線71をアクティブ状態にするようになっている。これによって、上記OR素子69は、主電源53に対し電源オン信号を出力するようになっている。
また、キー入力部7の電源キー(58)が、操作者によって押されることにより電源スイッチ信号線70がアクティブとなり、これにより上記OR素子69から主電源53に対して電源オン信号が出力されるようになっている。
このようにして上記主電源53は、上記OR素子69からの出力信号によってオン、オフの制御がなされるようになっている。そして、主電源53がオン状態にされると、CPU1およびこの電子カメラ31のその他の全ての回路が主電源線を介して電力の供給を受けるようになっている。
なお、上述の着信ウェイクアップモードに設定されている場合に、着信信号によって主電源53がオン状態となった場合に、その動作としては、図16に示す第2の伝送モードのステップS65以降の処理と同様のシーケンスで動作するようになっている。
また、この第3の実施形態の電子カメラ31では、図19の要部平面図に示すように、キー入力部7として電源キー58およびスリープキー59が、上述の第2の実施形態のキー入力部7に加えて設けられている。
上記電源キー58は、操作者の押圧操作によって電源スイッチ信号線70をアクティブとして、主電源53がオン状態となるようにする操作キーである。また、上記主電源53がオン状態であるときに、操作者が電源キー58を押すと、この入力信号を受けて電源スイッチ信号線70が非アクティブとなって、主電源53がオフ状態となるようになっている。
上記スリープキー59は、着信ウェイクアップモードを設定するための操作キーである。このスリープキー59は、この電子カメラ31が伝送モードにあるときに、操作者によって押されると、その入力信号がCPU1に入力され、これを受けてCPU1は、上記送受信信号処理回路部54を制御して着信ウェイクアップモードを設定するようになっている。この状態で、操作者によって、さらに電源キー58が押されて電源オフ状態にされると、CPU1は、着信信号の監視を開始し、上記送受信信号処理回路部54は、RF部55からの着信信号の待機状態となる。
そして、RF部55が着信信号を受信した場合には、上述したように、主電源53は、自動的にオン状態となって、以降の伝送モードの処理(図16のステップS65以降の処理)を実行するようになっている。また、上記第3の実施形態において設けられた記録媒体部52は、PCカードまたはフラッシュメモリであっても構わない。
このように構成された上記第3の実施形態においては、この電子カメラ31にRF部55を内蔵したことにより、単体で公衆電話回線用電波を利用したデータ通信を行なうことのできる電子カメラを得ることができる。
図20は、本発明の第4の実施形態の電子カメラを示すブロック構成図である。この第4の実施形態は、上述の第1、第2の実施形態と基本的に同様の構成からなるものであるが、この第4の実施形態では、音声信号処理部60、音声メモリ61、スピーカ出力部62、マイク入力部63、音声ライン入力端子64、音声ライン出力端子65等を加えて配設し、電子カメラとして画像データ等の映像信号の他に、音声信号をも記録、再生することができるようにしたものである。
すなわち、送受信信号処理回路部54には、音声信号に対して各種の処理を施す音声信号処理部60が音声信号線によって接続されており、この音声信号処理部60には、作業メモリとしての音声メモリ61が、同様に音声信号線によって接続されている。
また、上記音声信号処理部60には、音声信号を外部より入力するための音声入力部であるマイク入力部63および音声ライン入力端子64と、この音声信号処理部60によって信号処理が施された音声信号を出力する音声出力部であるスピーカ出力部62および音声ライン出力端子65が接続されている。
上記音声信号処理部60には、通信相手先より伝送され、RF部55に受信され、さらに送受信信号処理回路部54に入力された音声信号を含むデータ信号のうちの音声信号のみが、送受信信号処理回路部54から入力される。この音声信号は符号化された信号であるので、この音声信号処理部60によって復号化され、この復号化された音声信号は、アナログ信号に変換されるようになっている。そして、この音声信号(アナログ)は、上記スピーカ出力部62または音声ライン出力端子65より外部に出力されるようになっている。
また、上記音声信号処理部60には、上記マイク入力部63または音声ライン入力端子64から音声信号を直接入力することができるようになっている。ここで入力される音声信号は、アナログ信号であるので音声信号処理部60によって、記録媒体部52に記録するに際して最適な形態となるように信号処理が施されるようになっている。
つまり、上記マイク入力部63、音声ライン入力端子64等によって、音声信号処理部60に入力された音声信号は、この音声信号処理部60において、デジタル信号に変換されると共に符号化される。この符合化された音声信号は、上記送受信信号処理回路部54へ出力され、システムバス2を介して上記記録媒体部52に出力され、これに記憶されるようになっている。
なお、上記音声信号処理部60において、音声信号の処理が行なわれる際には、音声メモリ61が作業メモリとして使用されるようになっており、音声信号処理が効率良く行なわれるようになっている。
また、この第4の実施形態の電子カメラ31では、図21の要部平面図に示すように、キー入力部7として音声記録指示手段である音声トリガーキー66が、上述の第3の実施形態にさらに加えて設けられている。この音声トリガーキー66は、この電子カメラ31によって音声信号の記録または再生等を行なう際に操作する操作キーである。
次に、この第4の実施形態の電子カメラの動作を、図22〜図25のフローチャートによって、以下に説明する。なお、この第4の実施形態の電子カメラ31では、通常の「記録モード」、「再生モード」、「伝送モード」に加えて、音声信号を利用した「テレビ電話モード」を有しており、操作者がMODEキー42を順次押すことによって、所望の動作モードを選択するようになっている。
図22は、この電子カメラにおける動作モードを検出する検出シーケンスを示すフローチャートである。
まず、ステップS71〜S74において、動作モードの判定を行なう。つまり、操作者がMODEキー42によって選択した動作モードに対応するMODEキー42からの入力信号を検出する。
ステップS71において、記録モードが選択されたかどうかの判断がなされる。ここで、記録モードが選択されたと判断されると、記録モードのシーケンスに移行し、記録モードが選択されなかった場合には、次のステップS72の処理に進む。
ステップS72において、再生モードが選択されたかどうかの判断がなされる。ここで、再生モードが選択されたと判断されると、再生モードのシーケンスに移行し、再生モードが選択されなかった場合には、次のステップS73の処理に進む。
ステップS73において、伝送モードが選択されたかどうかの判断がなされる。ここで、伝送モードが選択されたと判断されると、データ伝送モードのシーケンスに移行し、伝送モードが選択されなかった場合には、次のステップS74の処理に進む。
ステップS74において、テレビ電話モードが選択されたかどうかの判断がなされる。ここで、テレビ電話モードが選択されたと判断されると、テレビ電話モードに移行し、テレビ電話モードが選択されなかった場合には、上記MODEキー42は操作されていないと判断されて、動作モード判定シーケンスの初期状態に戻り、操作者によって、いずれかの動作モードの選択がなされるまで、ステップS71以降の処理が繰り返される。
図23は、この電子カメラにおけるデータ伝送モードのフローチャートである。
まず、ステップS75において、CPU1は、RF部55が着信信号、すなわち「RING」、「CALL」等の文字列信号を送受信信号処理回路部54から
受信したかどうかの監視を行なう。ここで、着信信号が検出された場合には、第2のデータ伝送モード(図16のフローチャートと同様)に移行し、着信信号が検出されない場合には、次のステップS76の処理に進む。
ステップS76において、文字選択キー44からの入力信号の検出を行なう。ここで、操作者によって文字選択キー44が操作されて(電話番号入力操作が行なわれて)、この文字選択キー44からの入力信号が検出された場合にも、第2のデータ伝送モード(図16参照)に移行し、文字選択キー44からの入力信号が検出さない場合、すなわち、文字選択キー44の操作がなされていない場合には、次のステップS77の処理に進む。
ステップS77において、ファンクションキー41からの入力信号の検出を行なう。ここで、操作者によってファンクションキー41が操作されて、このファンクションキー41からの入力信号が検出された場合には、課金情報表示モード(図10の説明参照)に移行する。
また、上述のステップS77において、ファンクションキー41からの入力信号が検出さない場合、すなわち、ファンクションキー41の操作がなされていない場合には、上述のステップS71の処理に戻り(図22の符合D)、以降の処理が繰り返される。
上記課金情報表示モードが終了すると、次のステップS78に進み、このステップS78において、再度ファンクションキー41が操作されたかどうかの確認が行なわれる。ここで、ファンクションキー41からの入力信号が検出されると、パスワード設定モード(図14、図15の説明参照)に移行し、このパスワード設定モードを終了した後、上述のステップS71の処理に戻り(図22の符合D)、以降の処理が繰り返される。
また、ファンクションキー41からの入力信号が検出されない場合には、すぐに、上述のステップS71の処理に戻り(図22の符合D)、以降の処理が繰り返される。
図24は、この電子カメラにおける記録モードのフローチャートである。
まず、ステップS81において、CPU1は、映像トリガーキー40からの入力信号の検出を行なう。ここで、映像トリガーキー40からの入力信号が検出された場合には、操作者によって映像トリガーキー40が操作されたと判断されて、ステップS85の処理に進み、ステップS85において、映像信号(静止画像)の記録動作が行なわれた後、上述のステップS71の処理に戻り(図22の符合D)、以降の処理が繰り返される。
上述のステップS81において、映像トリガーキー40からの入力信号が検出されない場合には、操作者によって映像トリガーキー40が操作されていないと判断されて、次のステップS82の処理に進む。
ステップS82において、CPU1は、音声トリガーキー66からの入力信号の検出を行なう。ここで、音声トリガーキー66からの入力信号が検出された場合には、操作者によって音声トリガーキー66が操作されたと判断されて、次のステップS86の処理に進む。
ステップS86において、音声信号の集音動作が開始される。まず、上記音声トリガーキー66からの入力信号を受けてCPU1は、送受信信号処理回路部54へ集音命令を送る。これを受けて送受信信号処理回路部54は、音声信号処理部60を制御し、マイク入力部63または音声ライン入力端子64によって集音動作が行なわれ、集音された音声信号は、音声信号処理部60に入力される。この音声信号処理部60は、上述したように、入力された音声信号をデジタル信号に変換すると共に符号化する。そして、この符号化された音声信号(デジタル)は、送受信信号処理回路部54に出力され、これを介してCPU1へと出力され、さらに、CPU1は、この音声信号をシステムバス2を介してRAM4へ出力し、ここに一時的な記憶が行なわれる。
この集音動作中において、CPU1は、音声トリガーキー66からの入力信号を監視しており(ステップS87)、上述のステップS82における音声トリガーキー66の入力信号以後は、再度音声トリガーキー66が操作されて入力信号が検出された場合、または所定の時間が経過する(タイムアウトが判定されるステップS88)まで続けられる。
そして、ステップS87における音声トリガーキー66の入力信号が検出されると集音動作は終了し、次のステップS89へ進む。また、上述のステップS87において、音声トリガーキー66の入力信号が検出されず、ステップS88に進み、ここで所定時間が経過して、タイムアウトであると判定されると、集音動作が終了し、同様に次のステップS89へ進む。
ステップS89において、CPU1は、上述の集音動作中にRAM4に一時的に記憶された音声信号(デジタル)を読み出し、システムバス2を介して記録媒体部52へ出力し、音声データファイルとして書き込みを行なう。そして、上述のステップS71の処理に戻り(図22の符合D)、以降の処理が繰り返される。
一方、上述のステップS82において、音声トリガーキー66からの入力信号が検出されない場合には、操作者によって音声トリガーキー66が操作されていないと判断されて、次のステップS83の処理に進む。
ステップS83において、CPU1は、ファンクションキー41からの入力信号の検出を行なう。ここで、ファンクションキー41からの入力信号が検出された場合には、次のステップS84の処理に進み、ファンクションキー41からの入力信号が検出されない場合には、上述のステップS71の処理に戻り(図22の符合D)、以降の処理が繰り返される。
ステップS84において、操作者は、音声タイムアウト時間の設定を行なうことができる。この音声タイムアウト時間の設定は、文字選択キー44およびENTERキー43を利用して行なわれる。その設定手順は、上述の電話番号入力操作(図10、図11参照)と同様である。
そして、音声タイムアウト時間の設定が終了した後は、上述のステップS71の処理に戻り(図22の符合D)、以降の処理が繰り返される。
なお、ここで設定される時間によって、上述のステップS88における集音動作のタイムアウトが判定されることとなる。また、このタイムアウト設定時間は、後述するテレビ電話モード実行時における音声データ伝送動作時にも利用されることとなる(図25のステップS97〜ステップS104参照)。
図25は、この電子カメラのテレビ電話モードのフローチャートである。
まず、ステップS90において、CPU1は、文字選択キー44からの入力信号の監視を行なう。ここで、文字選択キー44からの入力信号が検出されない場合には、次のステップS95の処理に進み、このステップS95において、RF部55からの着信信号の監視を行なう。ここで、着信信号が検出されなければ、上述のステップS74の処理に戻り(図22の符合E)、以降の処理が繰り返される。また、着信信号が検出された場合には、電話がかかってきていると判断されて、ステップS96の処理に進む。
一方、上述のステップS90において、文字選択キー44からの入力信号が検出され、操作者によって文字選択キー44が操作され、電話番号入力操作が行なわれていると判断されると、次のステップS91の処理に進む。
ステップS91において、操作者は、文字選択キー44およびENTERキー43によって電話番号入力操作が行なわれ、続けて次のステップS92において、映像トリガーキー40が押され、これにより、入力された電話番号と共に発信命令がCPU1に伝達される。
これを受けてCPU1は、ステップS93において、パスワードチェックが行なわれる。このパスワードチェックの結果、SIM9固有のパスワードと、この電子カメラ31に予め設定登録されているパスワードとが一致した場合には、次のステップS94に進み、上記両者のパスワードが一致しない場合には、上述のステップS71の処理に戻り(図22の符合D)、以降の処理が繰り返される。
ステップS94において、CPU1は、上述のステップS92で入力された電話番号情報と発信命令を送受信信号処理回路部54に伝達する。これにより、送受信信号処理回路部54は、RF部55を制御して発信動作を行なう。そして、次のステップS96の処理に進む。
ステップS96において、通信相手先との接続に成功したかどうかの判断がなされる。ここで、「fail」等の文字列信号が送受信信号処理回路部54からCPU1に送信された場合には、CPU1は、通信相手先との接続に失敗したと判断して、上述のステップS71の処理に戻り(図22の符合D)、以降の処理が繰り返される。
一方、上述のステップS96において、「connect」等の文字列信号が送受信信号処理回路部54からCPU1に送信された場合には、CPU1は、通信相手先との接続が成功したと判断して、次のステップS97の処理に進み、このステップS97において、通信相手先との間での音声信号のデータ伝送が可能な状態(通話状態)となって、音声データ伝送動作が行なわれる。
なお、ここで行なわれる音声データ伝送動作は、通常の電話における通話状態、つまり通信相手との会話による音声情報を電気的な音声信号に変換して、これを伝送する動作を示している。
すなわち、電話回線を介して通信相手先から送られてくる符号化された音声信号がRF部55により受信されて、送受信信号処理回路部54に入力され、さらに音声信号処理部60に入力される。この音声信号処理部60において、音声信号の復号化およびアナログ信号への変換処理が施され、スピーカ出力部62または音声ライン出力端子65より外部に出力される。
これと同時に、マイク入力部63または音声ライン入力端子64から入力される音声信号(アナログ)は、音声信号処理部60においてデジタル信号へ変換されると共に符合化されて、送受信信号処理回路部54へ出力され、RF部55によって通信相手先へ伝送される。
また、このステップS97における音声データ伝送(通話)状態では、撮影光学系48により連続的に結像される被写体像は、CCD32、プロセス処理部33、A/D変換器34を経て画像データの映像信号(デジタル)に変換されて、フレームメモリ36へ順次記憶されており、これと同時に、フレームメモリ36に記憶された映像信号は、D/A変換器35によって繰り返し読み出され、アナログ信号(ビデオ信号)に変換されて、ビデオ信号出力端子39から外部表示装置へ順次、出力されている。このときの映像信号の出力形態は、映像信号が順次、連続的に再生されるようにしたスルー画像出力となっている。
さらに、上述の音声データ伝送(通話)状態においては、CPU1によって映像トリガーキー40、音声トリガーキー66およびMODEキー42からの入力信号の監視が行なわれている(ステップS98,S100,S105)。
したがって、音声データ伝送(通話)動作中に、操作者が映像トリガーキー40を操作した場合には、ステップS99の処理に進み、映像信号のデータ伝送動作が割込まれる。
すなわち、上述のステップS98において、CPU1が映像トリガーキー40からの入力信号を検出すると、音声データ伝送およびビデオ信号出力端子39からの画像再生を中断する。これと同時に、フレームメモリ36に記憶されている映像信号のうち、映像トリガーキー40が操作された時点における所定の映像信号(静止画像)が、映像バス51を介して圧伸回路部38に出力され、ここで圧縮処理が施された後、システムバス2を介して送受信信号処理回路部54へ出力される。そして、この送受信信号処理回路部54は、RF部55を制御して上記所定の映像信号を通信相手先へ伝送する。この映像信号のデータ伝送が終了すると、上述のステップS97の処理に戻り、中断された音声データ伝送動作およびビデオ信号出力端子39からの画像再生が再開される。
また、上述のステップS97における音声データ伝送(通話)動作中に、操作者が、映像トリガーキー40を操作せず、音声トリガーキー66を操作した場合には、次のステップS101の処理に進む。
ステップS101において、CPU1は、送受信信号処理回路部54を制御して通話音声の集音動作を開始する。すなわち、RF部55によって受信される通信相手先からの符号化された音声信号は、送受信信号処理回路部54、システムバス2を介してCPU1へ出力され、CPU1は、この音声信号をRAM4へ順次格納する。同時に、マイク入力部63または音声ライン入力端子64から入力される音声信号も、音声信号処理部60、送受信信号処理回路部54、システムバス2を介してCPU1へ出力され、このCPU1は、上記音声信号をRAM4へ順次格納する。
なお、この集音動作中においてもCPU1は、音声トリガーキー66からの入力信号の監視を引き続き行なっていると共に、この集音動作の経過時間を監視している(ステップS102,S103)。
したがって、上記集音動作中に、音声トリガーキー66が操作者によって操作された場合、または設定された所定の時間が経過した(タイムアウトが判定された)場合には、次のステップS104の処理に進む。
なお、ここでタイムアウトの判定を行なう所定時間は、上述のステップS84(図24参照)において、操作者が設定するタイムアウト時間が利用される。
ステップS104において、CPU1は、RAM4に格納されている符合化された音声信号を読み出し、音声データファイルとして記録媒体部52に記録し、上述のステップS97の処理に戻り、以降の処理、すなわち音声データ伝送動作を繰り返す。
さらに、上述のステップS97における音声データ伝送(通話)動作中に、操作者が映像トリガーキー40も音声トリガーキー66も操作していない場合には、ステップS105において、MODEキー42からの入力信号の監視が行なわれる。ここで、CPU1によってMODEキー42からの入力信号が検出されない場合には、ステップS106の処理に進み、ステップS106において、CPU1は、送受信信号処理回路部54が通信相手先からの回線切断信号、例えば「NO CARRIER」等の文字列信号を受信したかどうかの監視を行なう。
ここで、回線切断信号が検出された場合、すなわちRF部55が通信相手先からの回線切断信号を受信し、この信号が送受信信号処理回路部54を介してCPU1に伝達されると、次のステップS108の処理に進む。一方、CPU1が回線切断信号を検出しなければ、上述のステップS97の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、上述のステップS105において、MODEキー42からの入力信号が検出された場合には、ステップS107の処理に進み、このステップS107において、CPU1は、送受信信号処理回路部54を制御して回線切断動作を行ない、次のステップS108の処理に進む。
ステップS108において、回線網から直前に行なった通信利用料金に関する課金情報等を取得し、この取得した課金情報等に基づいて、例えば日付情報、利用時間情報、相手先電話番号情報、課金情報(利用料金情報)等の明細情報を作成し、これをSIM9に記録する(ステップS109)。そして、この明細情報を表示部8に表示し(ステップS110)、上述のステップS71の処理に戻り(図22の符合D)、以降の処理が繰り返される。
なお、上述した通り、ステップS106で通信相手先からの回線切断信号を検出した場合において、ステップS108からS110までの処理を行なった後、上述のステップS71以降の処理が繰り返されることとなるが、このとき、操作者がMODEキー42の操作を行なわなければ、動作モードの変更はないので、再度テレビ電話モードに入ることとなる。したがって、操作者による文字選択キー44からの入力信号、または着信信号の待機状態となる。
以上説明したように上記第4の実施形態によれば、音声データを処理する機能をさらに付加したことにより、画像データと共に音声データをもデータ伝送することが容易に可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
[付記]
上記発明の実施形態により、以下のような構成の発明を得ることができる。
(1) 撮影光学系により結像される光学的映像を電気的映像信号に変換して出力する撮像手段と、この撮像手段によって得られた映像信号を外部表示手段に出力する映像信号出力手段と、カード形状の記憶媒体またはカード形状の第1の通信機器を装着する装着部と、周辺情報機器との間でシリアル伝送を行なうシリアル通信手段とを有し、上記装着部に装着されたカード形状の第1の通信機器または上記シリアル通信手段に接続された第2の通信機器によって公衆電話回線を利用したデータ通信を行なう電子カメラにおいて、
上記電子カメラに対して各種の処理を実行せしめる操作手段と、
上記操作手段による操作内容および操作結果を表示する表示手段と、
回線加入者情報が格納されたカード形状の媒体を挿入する装填部と、
を有し、
上記装着部に装着されたカード形状の第1の通信機器または上記シリアル通信手段に接続された第2の通信機器によってデータ通信を行なった後に、回線利用情報を取得して、この回線利用情報を上記カード形状媒体に書き込む電子カメラ。
(2) 付記1に記載の電子カメラにおいて、
上記回線利用情報は、少なくとも利用料金に関する課金情報および電話番号情報を含む電子カメラ。
(3) 付記1に記載の電子カメラにおいて、
上記操作手段は、回線利用情報の表示を行なわしめる操作キーを含み、この操作キーを操作することによって、回線利用情報を上記カード形状媒体から読み出し、上記表示手段に表示するようにした電子カメラ。
付記1、2、3によれば、装着部に装着されたカード形状の第1の通信機器またはシリアル通信手段に接続された第2の通信機器によってデータ通信を行なった後に、利用料金に関する課金情報および電話番号情報等の回線利用情報を取得して、この回線利用情報をカード形状媒体に書き込むようにしたので、所望のときに回線利用情報の表示を行なわしめる操作キーを操作することで、上記回線利用情報をカード形状媒体から読み出し、表示手段に表示することができる電子カメラを提供できる。
(4) 付記1に記載の電子カメラにおいて、
上記操作手段は、パスワードの設定入力を行なう操作キーを含み、上記カード形状媒体固有のパスワードに対応する文字列の登録を行なうことができるようにした電子カメラ。
(5) 付記4に記載の電子カメラにおいて、
上記カード形状媒体を上記装填部に装填して公衆電話回線を利用したデータ通信を行なう際に、上記カード形状媒体に設定されている固有のパスワード情報と予め上記操作キーによって上記電子カメラに設定登録されたパスワード情報とを読み出して、この両パスワード情報についてパスワードチェックを行なうようにした電子カメラ。
付記4、5によれば、パスワードの設定入力を行なう操作キーにより、カード形状媒体固有のパスワードに対応する文字列の登録を行なうことができるようにし、カード形状媒体を装填部に装填して公衆電話回線を利用したデータ通信を行なう際に、カード形状媒体の固有のパスワードと、予め操作キーによって設定登録したパスワードについてパスワードチェックを行なうようにしたので、不法に入手したカード形状媒体の使用を防止し、セキュリティ性の向上に寄与する電子カメラを提供できる。
(6) 撮影光学系により結像される光学的映像を電気的映像信号に変換して出力する撮像手段と、この撮像手段によって得られた映像信号を外部表示手段に出力する映像信号出力手段と、公衆電話回線を利用してデータ通信を行なう第1の通信手段と、周辺情報機器との間でシリアル伝送を行なうシリアル通信手段とを有し、上記第1の通信手段または上記シリアル通信手段に接続された第2の通信手段によって公衆電話回線を利用したデータ通信を行なう電子カメラにおいて、
上記撮像手段によって得られた映像信号を記憶する記録媒体部と、
上記電子カメラに対して各種の処理を実行せしめる操作手段と、
上記操作手段による操作内容および操作結果を表示する表示手段と、
回線加入者情報が格納されたカード形状の媒体を挿入する装填部と、
映像信号を送信するに適した形態の信号に処理すると共に、受信した信号を記録または再生するに適した形態の信号に処理する送受信信号処理回路部と、
を有し、
上記第1の通信手段または上記シリアル通信手段に接続された第2の通信手段によってデータ通信を行なった後に、回線利用情報を取得して、この回線利用情報を上記カード形状媒体に書き込む電子カメラ。
付記6によれば、付記1、2、3と同様の効果を得ることができる。
(7) 付記6に記載の電子カメラにおいて、
主電源からの電力供給が断たれている状態にあっても、少なくとも上記送受信信号処理回路部および上記第1の通信手段に対して常に電力を供給する補助電源を、さらに具備し、
上記送受信信号処理回路部は、上記主電源のオンオフ制御を行なうものである電子カメラ。
(8) 付記7に記載の電子カメラにおいて、
上記主電源がオフ状態にあるときに、上記第1の通信手段によって着信信号が受信され、この着信信号が上記送受信信号処理回路部に伝達された場合には、上記送受信信号処理回路部は、主電源を制御してオン状態に切り換え、データ通信を開始可能な状態とする電子カメラ。
付記7、8によれば、主電源からの電力供給が断たれている状態にあっても、補助電源によって、少なくとも送受信信号処理回路部および第1の通信手段に対して常に電力を供給するようにし、送受信信号処理回路部によって主電源のオンオフ制御を行なうようにしたので、主電源がオフ状態にあるときに、第1の通信手段によって着信信号が受信され、この着信信号が送受信信号処理回路部に伝達された場合に、送受信信号処理回路部によって主電源を制御し、これをオン状態に切り換えて、データ通信を開始できる状態とする着信ウェイクアップモードを有する電子カメラを提供することができる。
(9) 撮影光学系により結像される光学的映像を電気的映像信号に変換して出力する撮像手段と、この撮像手段によって得られた映像信号を外部表示手段に出力する映像信号出力手段と、公衆電話回線を利用してデータ通信を行なう通信手段と、公衆電話回線を利用したデータ通信を行なう他の情報機器との間でシリアル伝送を行なうシリアル通信手段とを有し、上記通信手段または上記シリアル通信手段に接続された他の情報機器によって公衆電話回線を利用したデータ通信を行なう電子カメラにおいて、
上記撮像手段によって得られた映像信号を記憶する記録媒体部と、
上記電子カメラに対して各種の処理を実行せしめる操作手段と、
上記操作手段による操作内容および操作結果を表示する表示手段と、
回線加入者情報が格納されたカード形状の媒体を挿入する装填部と、
上記映像信号を送信するに適した形態の信号に処理すると共に、受信した信号を記録または再生するに適した形態の信号に処理する送受信信号処理回路部と、
音声信号を出力する音声出力手段と、
音声信号を入力する音声入力手段と、
上記送受信信号処理回路部に制御され、上記記録媒体部に記録されている音声信号を読み出して、この音声信号を上記音声出力手段から出力するに適した形態の信号に処理すると共に、上記音声入力手段によって入力された音声信号を記録または再生するに適した形態の信号に処理する音声信号処理部と、
を有し、
上記通信手段または上記シリアル通信手段に接続された他の情報機器によって画像データおよび音声データのデータ伝送を行なう電子カメラ。
付記9によれば、通信手段またはシリアル通信手段に接続された他の情報機器によって画像データおよび音声データのデータ伝送を行なうことのできる電子カメラを提供することができる。
(10) 付記9に記載の電子カメラにおいて、
上記操作手段は、映像記録指示手段を含み、記録モードで動作しているときに上記映像記録指示手段が操作されると、静止画像の映像信号が記録媒体に記録される一方、テレビ電話モードで動作しているときには、音声信号のデータ通信が行なわれ、このとき上記映像記録指示手段が操作されると、映像信号が送信されるようにした電子カメラ。
付記10によれば、映像記録指示手段を設けることによって、記録モードで動作しているときに映像記録指示手段を操作することで、静止画像の映像信号を記録媒体に記録でき、テレビ電話モードで動作しているときに、映像記録指示手段を操作することで、静止画像を送信することができる。
(11) 付記9に記載の電子カメラにおいて、
上記操作手段は、音声記録指示手段を含み、記録モードで動作しているときに上記音声記録指示手段が操作されると、上記音声入力手段から入力される音声信号が上記記録媒体に記録される一方、テレビ電話モードで動作しているときに上記音声記録指示手段が操作されると、通話に使われている送受信音声信号が記録媒体に記録されるようにした電子カメラ。
付記11によれば、音声記録指示手段を設けることによって、記録モードで動作しているときに音声記録指示手段を操作することで、音声入力手段から入力される音声信号を記録媒体に記録でき、テレビ電話モードで動作しているときに音声記録指示手段を操作することで、送受信音声信号を記録媒体に記録することができる。
(12) 付記9に記載の電子カメラにおいて、
上記通信手段または上記シリアル通信手段に接続された他の情報機器によってデータ通信を行なった後に、回線利用情報を取得して、この回線利用情報を上記カード形状媒体に書き込む電子カメラ。
(13) 付記12に記載の電子カメラにおいて、
上記回線利用情報は、少なくとも利用料金に関する課金情報および電話番号情報を含む電子カメラ。
付記12、13によれば、通信手段またはシリアル通信手段に接続された他の情報機器によってデータ通信を行なった後に、少なくとも利用料金に関する課金情報および電話番号情報等の回線利用情報を取得して、この回線利用情報をカード形状媒体に書き込むことのできる電子カメラを提供できる。
本発明の第1の実施形態の情報通信機器全体を示すブロック構成図。 図1の情報通信機器の外観形状を示す概略斜視図。 図1の情報通信機器における第1の通信モードを示すフローチャート。 図1の情報通信機器におけるパスワード設定モードを示すフローチャート。 図1の情報通信機器における第2の通信モードを示すフローチャート。 図1の情報通信機器の変形例を示す要部概略斜視図。 本発明の第2の実施形態の電子カメラを示すブロック構成図。 図7の電子カメラの外観形状を示す概略斜視図。 図7の電子カメラの動作を示すフローチャート。 図7の電子カメラの一部を示す要部上面図であって、課金情報表示モードにおける明細情報の他の表示形態を説明する図。 図7の電子カメラの一部を示す要部上面図であって、電話番号入力操作の具体例を説明する図。 図7の電子カメラの一部を示す要部上面図であって、電話番号入力操作の具体例を説明する図。 図7の電子カメラの伝送モードの動作をより詳細に示したフローチャート。 図7の電子カメラの一部を示す要部上面図であって、パスワード設定モードにおける設定操作の手順を説明する図。 図7の電子カメラの一部を示す要部上面図であって、パスワード設定モードにおける設定操作の手順を説明する図。 図7の電子カメラの第2のデータ伝送モードの動作を示すフローチャート。 本発明の第3の実施形態の電子カメラを示すブロック構成図。 図17の電子カメラにおける電源制御系に関するブロック構成図。 図17の電子カメラの要部平面図。 本発明の第4の実施形態の電子カメラを示すブロック構成図。 図20の電子カメラの要部平面図。 図20の電子カメラにおける動作モード検出シーケンスを示すフローチャート。 図20の電子カメラにおけるデータ伝送モードのフローチャート。 図20の電子カメラにおける記録モードのフローチャート。 図20の電子カメラのテレビ電話モードのフローチャート。
符号の説明
1……CPU
2……システムバス
3……ROM
4……RAM
5……PCカードI/F
6A……PCカードソケット(装着部)
6B……SIMソケット(装填部)
7……キー入力部(操作手段)
8……表示部(表示手段)
8a……LCD(表示手段)
9……SIM(回線加入者情報カード、カード形状媒体)
10……シリアルI/F(シリアル通信手段)
16……外部情報機器
21……情報通信機器
22……PCカード(カード形状の記憶媒体、カード形状の通信機器)
29……フラッシュメモリ
31……電子カメラ(情報通信機器)
32……CCD(撮像手段)
36……フレームメモリ
37……コントロール回路部
39……ビデオ信号出力端子(映像信号出力手段)
40……映像トリガーキー(映像記録指示手段、通信指示手段)
52……記録媒体部(記憶手段)
54……送受信信号処理回路部
55……RF部(通信手段)
60……音声信号処理部
61……音声メモリ
62……スピーカ出力部(音声出力部)
63……マイク入力部(音声入力部)
64……音声ライン入力端子(音声入力部)
65……音声ライン出力端子(音声出力部)
66……音声トリガーキー(音声記録指示手段)

Claims (3)

  1. 撮影光学系により結像される光学的映像を撮像手段により電気的映像信号に変換する電子カメラであって、
    公衆電話回線を利用してデータ通信を行なう第1の通信手段と、
    周辺情報機器との間でシリアル伝送を行なうシリアル通信手段と、
    上記撮像手段によって得られた映像信号を記憶する画像記憶手段と、
    上記電子カメラに対して各種の処理を実行せしめる操作手段と、
    上記操作手段による操作内容および操作結果を表示する表示手段と、
    回線加入者情報が格納されたカード形状の媒体を挿入する装填部と、
    映像信号を送信するのに適した形態の信号に処理すると共に、受信した信号を記録または再生するのに適した形態の信号に処理する送受信信号処理手段と、
    上記通信手段または上記シリアル通信手段に接続された第2の通信手段によってデータ通信を行なった後に、回線利用情報を取得して、この回線利用情報を上記カード形状媒体に書き込む利用情報記録手段と、
    を有することを特徴とする電子カメラ。
  2. 当該電子カメラの各部分に電力を供給する主電源と、
    上記主電源からの電力供給が断たれている状態にあっても、少なくとも上記送受信信号処理手段および上記第1の通信手段に対して常に電力を供給する補助電源を、さらに具備し、
    上記送受信信号処理手段は、上記主電源のオンオフ制御を行なうものであることを特徴とする請求項1に記載の電子カメラ。
  3. 上記主電源がオフ状態にあるときに、上記第1の通信手段によって着信信号が受信され、この着信信号が上記送受信信号処理手段に伝達された場合には、上記送受信信号処理手段は、主電源を制御してオン状態に切り換え、データ通信を開始可能な状態とすることを特徴とする請求項2に記載の電子カメラ。
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