JP2006314060A - 画像処理装置及びノイズ検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カメラにとって固定的な位置に現れるノイズを除去することができる画像処理装置及びノイズ検出方法を提供する。
【解決手段】 カメラで撮像した画像を用いて、カメラで撮像された物体を検出するに際して、カメラで撮像された画像に所定の画像処理を施して、当該画像に含まれる画像領域ごとにノイズ度合いを判定し、ノイズ度合いが所定のしきい値以上である画像領域を検出する(ステップS3,4)。そして、当該画像領域におけるノイズ検出回数を加算し(ステップS5)、ノイズ検出回数が所定値以上である画像領域が、当該画像内位置における信頼性が低いノイズであると判定する(ステップS6)。そしてステップS1〜S6を時間的に連続して撮像された複数の画像のそれぞれについて行う。これにより、ステップS7において、複数の画像に亘って計数されたノイズ検出回数が所定値を超えた画像領域であるノイズの画像内位置を検出することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば車両に搭載されたカメラによって撮像された画像に含まれるノイズを除去する画像処理装置及びノイズ検出方法に関する。
従来より、赤外線カメラで撮像した赤外画像に含まれるノイズを除去する技術としては、下記の特許文献1に記載された技術が知られている。
この特許文献1によれば、監視装置における画像認識精度を向上させるために赤外画像に含まれるノイズを除去して、簡易な赤外線カメラや安価な構成の赤外線カメラを使用できるようにしている。具体的には、赤外線カメラが撮像した映像処理において、カメラ視野内の温度分布を示す赤外画像を所定時間ごとに取得して、当該所定時間ごとの赤外画像間で差分演算を行い、所定以上の時間的な温度変化を示す画素をノイズとして判定し、当該ノイズの画素位置での検出結果を判定から除外している。
特開平5−20558号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術では、時間的な画素値の変化を観測することに基づいた差分演算によってノイズの判定を行っているため、時間的に画素値が変化しない固定的なノイズを判定できないという問題がある。
また、特許文献1に記載された技術では、建物に取り付けた定置型の監視カメラを用いて、移動物体を検出することを前提としているため、例えば車載カメラのように赤外線カメラが動く場合には撮像する物体も常に移動していることになる。したがって、特許文献1に記載されたように時間的な画素値の変化からノイズを判定する技術は、車載カメラで撮像した映像のノイズを除去することができない。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、カメラにとって固定的な位置に現れるノイズを除去することができる画像処理装置及びノイズ検出方法を提供することを目的とする。
本発明は、撮像手段で撮像した画像を用いて、前記撮像手段で撮像された物体を検出するに際して、撮像手段で撮像された画像に所定の画像処理を施して、当該画像に含まれる画像領域ごとにノイズ度合いを判定し、ノイズ度合いが所定のしきい値以上である画像領域を検出し、当該画像領域におけるノイズ検出回数を加算し、ノイズ検出回数が所定値以上である画像領域が、当該画像内位置における信頼性が低いノイズであると判定する処理を、時間的に連続して撮像された複数の画像のそれぞれについて行う。これにより、複数の画像に亘って計数されたノイズ検出回数が所定値を超えた画像領域であるノイズの画像内位置を検出することができる。
本発明によれば、複数の画像に亘って計数されたノイズ検出回数が所定値を超えた画像領域であるノイズの画像内位置を検出するので、撮像手段にとって固定的な位置に現れるノイズを検出して、当該ノイズに対して除去等の処理を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明は、例えば図1に示すように、遠赤外線カメラ10(撮像手段)によって撮像された熱画像である赤外画像を用いて、周囲の人物等の障害物を検出する処理や、当該障害物の種類を識別する処理等を行う画像処理装置20に適用される。この画像処理装置20は、図2にノイズ検出処理の内容を示すように、障害物検出時や、障害物の画像認識時に、可能な限り精度の高い障害物検出、画像認識を行うために、当該障害物検出処理又は画像認識処理の前に、ノイズ検出処理、ノイズ除去処理を行うものである。
なお、以下では、遠赤外線カメラ10及び画像処理装置20が車両に搭載され、自車両1の進行方向である前方が撮像範囲とされた場合について説明しているが、これに限らず、カメラによって画像を撮像して、当該画像に含まれるノイズを除去するものであれば、あらゆる用途に適用可能である。
遠赤外線カメラ10は、例えば車両のインストルメントパネルや、室内ミラー付近に設けられ、車両の前方を撮像範囲としており、検出対象又は認識対象とする物体位置が撮像される位置・姿勢で取り付けられている。この遠赤外線カメラ10は、物体の温度値が高い部分ほど、高い輝度値となる赤外画像データを生成して、画像処理装置20に出力する。したがって、赤外画像データの画素値(輝度値)は、車両前方に存在する物体の温度に相当する値となる。
なお、図1(a)は、自車両1を側方から見た場合の遠赤外線カメラ10の光軸を示し、図1(b)は、自車両1を上方から見た場合の遠赤外線カメラ10の光軸及び基準座標系を示している。この座標系は、横軸をX、縦軸をYとし、左上画素を原点として画像内の画素位置を示す座標を求めることが可能となっている。
図3,図4は、道路に存在する人物を検出対象とし、路上歩行者を撮像するよう取り付けられたカメラの設置とそのカメラから撮像される画像を示す一例であり、通常のCCDやCMOSのカメラを用いた場合に撮像される輝度画像(図3(b)、図4(b))と、遠赤外線カメラ10を用いた場合に撮像される赤外画像(図3(c)、図4(c))を示している。
画像処理装置20で入力する画像は、図3(a)にカメラと自車両1前方に存在する人物との位置関係を横から見た様子を示すように、図3(b)に示すような輝度画像、図3(c)に示すような環境温度及び障害物温度に応じた画素値の赤外画像となる。赤外画像を例に挙げて説明すると、撮像された人物が、赤外画像内Y方向における座標ydに現れる。この場合、画像処理装置20は、遠赤外線カメラ10の取り付け高さH、カメラレンズ10aの位置と撮像面10bの位置との距離である焦点距離fが既知であるので、座標ydと遠赤外線カメラ10の取付高さH、焦点距離fとから、遠赤外線カメラ10から人物までの距離を求めることができる。
また、画像処理装置20で入力する画像は、図4(a)にカメラと自車両1前方に存在する人物との位置関係を上から見た様子を示すように、図4(b)に示すような輝度画像、図4(c)に示すような環境温度及び障害物温度に応じた画素値の赤外画像となる。この場合、画像処理装置20は、人物がカメラレンズ10aからの前方距離zに存在し、光軸からの距離がXSである位置の点Pは、図4(c)に示すように赤外画像上における座標xcとして現れる。
画像処理装置20は、図2に示すようなステップS1〜ステップS8に示すようなノイズ検出処理を行うための構成として、遠赤外線カメラ10からの赤外画像データを入力する入力I/F、画像メモリ、及び後述の各種処理の内容を記述したプログラム、当該プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等からなる。
すなわち、この画像処理装置20は、ステップS1で遠赤外線カメラ10からの赤外画像データを入力する入力I/F、ステップS2において赤外画像データを記憶する画像メモリ、ステップS3において赤外画像のノイズを判定し、当該ノイズ度合いを判定するノイズ判定部、ステップS5において赤外画像の一部分を示す画像領域ごとにノイズ検出回数をカウントしてノイズ判定用メモリに記憶させる計数部、ノイズ判定用メモリの内容を参照してノイズ位置・ノイズ領域を判定するノイズ位置・ノイズ領域判定部、当該ノイズ位置・ノイズ領域判定部による判定結果を図示しない障害物の物体検出処理又は画像認識処理などに出力する出力I/Fを備える。
このような画像処理装置20は、先ず入力I/Fにより、遠赤外線カメラ10からの赤外画像データを入力すると(ステップS1)、当該赤外画像データを画像メモリに保存する(ステップS2)。このとき、遠赤外線カメラ10を車両の所定位置に設置し、画像メモリに図3(c)、図4(c)に示したような赤外画像を所定の分解能で保存し、後段の処理で使用できるようにする。また、この赤外画像データは、所定時間ごとに生成されて画像メモリに記憶させることになるが、新たな赤外画像が撮像された場合には画像メモリの内容を書き換えることになる。
次のステップS3におけるノイズ判定処理では、ステップS2で記憶させた赤外画像に対して所定の処理を施して、赤外画像を構成する各画素がノイズであるかどうかを判定して、各画素についてのノイズ可能性を判定する。このとき、画像処理装置20は、図5(a)に示すような赤外画像が画像メモリに入力された場合に、当該赤外画像内略中央部分に出現したノイズのノイズ可能性を判定するために、例えば図5(b)、図5(d)に示すような縦3画素×横3画素程度のノイズを検出しやすいフィルタを使用する。ここで、画像処理装置20は、赤外画像内に出現するノイズの典型形状を示す小画像として予め作成されており、赤外画像に出現するノイズの種類ごとに一又は複数のフィルタを用意しておく。本例では、赤外画像に出現する矩形状に連続したノイズを検出するために、図5(b)に示すような4種の矩形ノイズ検出用フィルタを用意しておき、更に、赤外画像に出現する孤立したノイズを検出するために、図5(d)に示すような2種の孤立点ノイズ検出用フィルタを用意している。そして、画像処理装置20は、赤外画像の全体に亘って、各縦3画素×横3画素領域とフィルタとの一致度を求める処理を行う。
この一致度を求める処理は、例えば、縦3画素×横3画素のフィルタと、赤外画像上の縦3画素×横3画素部分の画素値との差分を算出する処理や、フィルタと赤外画像との類似度を求めて正規化する正規化相関処理が挙げられる。画像処理装置20は、例えば差分を算出する処理において、ある画像領域とフィルタとの差分が所定の値より小さい場合には、当該画像領域の一致度が高いと判定する。また、画像処理装置20は、正規化相関処理において、ある画像領域とフィルタとの相関値が1(最大値)に近い所定値より大きい場合には、当該画像領域の一致度が高いと判定する。なお、差分演算処理や正規化相関処理に限らず、画像によって適した一致度の算出手法がある場合は当該手法を適用してもよい。
また、このノイズ判定処理において、孤立点としてのノイズを検出する場合には、孤立点ノイズ検出用フィルタを使用し、矩形状のノイズを検出する場合には、矩形ノイズ検出用フィルタを使用しても良い。すなわち、ノイズ検出用フィルタの選択は、後段の物体検出処理又は画像認識処理で問題となる可能性があるノイズによって行われる。
次のステップS4におけるノイズ度合い判定処理は、ステップS3におけるノイズ判定処理で求めた一致度である判定結果が、ある所定のしきい値以上であるか否かを判定してノイズ度合い判定する処理である。このノイズ度合い判定処理は、ノイズ判定用メモリに格納されているカウンタ値(ノイズ検出回数)を加算すべきかどうかを基準としたしきい値を設けておき、当該所定のしきい値と一致度との比較により、一致度が高いほどノイズ度合いが高いものと判定する。
例えばステップS3において差分演算処理を行った場合には、フィルタとの差分がしきい値よりも小さく一致度が高い画像領域をノイズ度合いが高いものと判定する。また、ステップS3において正規化相関処理を行った場合には、フィルタとの相関値がしきい値よりも高く一致度が高い画像領域をノイズ度合いが高いものと判定する。ここで、差分演算処理に対するしきい値、正規化相関処理に対するしきい値は、経験的な値で設定すれば良く、また、第2実施形態以降で後述するが、入力した赤外画像を用いた物体認識処理や物体検出処理で検出対象としたい特徴を持つノイズを発見できるようにすることを基準として設定されていてもよい。
次のステップS5におけるノイズ判定用メモリ加算処理は、ステップS4においてノイズ度合いが高いと判定された画像領域と対応するノイズ判定用メモリのカウンタ値であるノイズ検出回数をインクリメントする。このノイズ判定用メモリは、画像メモリ内に保存されている赤外画像のうちノイズ可能性が高いと判定された画像内位置を画素単位でカウントアップするためのメモリである。
このノイズ判定用メモリは、ステップS2で赤外画像を記憶させる画像メモリと同じ解像度のメモリを用意する。例えば、縦320画素×横240画素の赤外画像を入力する場合、ノイズ判定用メモリを縦320画素×横240画素の配列構造のものとする。このノイズ判定用メモリは、まずは、遠赤外線カメラ10の立ち上げ時やカウントを開始する時点において、全ての内容がクリアされ、全ての画素に対応する位置の値が「0」とされる。その後、ステップS5においてノイズと判定された赤外画像の画素に対応する位置の画素の値がカウントアップされる。
なお、画素単位ではなく、所定の画像領域ごとにノイズ位置を特定させる場合には、このノイズ判定用メモリとして、赤外画像と同じ分解能ではなく、縦方向又は横方向の1辺が半分などに対応する大きさであっても良い。その場合、カウントアップのノイズ判定用メモリ内の位置は、画像メモリの1辺の画素数とノイズ判定用メモリ1辺のスケーリングにより対応する位置となる。例えば、ノイズ判定用メモリの1辺を、赤外画像の解像度の半分の大きさとし、画素の位置(100、100)がノイズと判定された場合、ノイズ判定用メモリの位置(50、50)=(100/2、100/2)をカウントアップすればよい。
具体的には、図5(b)に示す矩形ノイズ検出用フィルタを使用して図5(a)に示す赤外画像に対してノイズ判定処理を行うことにより、図5(c)に示すようなノイズを検出でき、図5(d)に示す孤立点ノイズ検出用フィルタを使用して図5(a)に示す赤外画像に対してノイズ判定処理を行うことにより、図5(e)に示すようなノイズを検出できる。この図5(c)、図5(e)では、ノイズ度合い判定処理において、ノイズ判定処理で求めた一致度がしきい値より高いと判定された画素を白画素で表している。
このように赤外画像からノイズを検知する処理において、ノイズ判定処理は、図6に示すように、XY座標系における赤外画像に対して、図7(a)で示す矩形ノイズ検出用フィルタを使用し、図6(a)に示す赤外画像の中心画素位置(xA、yA)とした領域Aと矩形ノイズ検出用フィルタとを比較した場合、図7(b)のように一致度が低くなる。また、図6(a)に示す赤外画像の中心画素位置(xB、yB)とした領域Bと矩形ノイズ検出用フィルタを比較した場合、図7(c)に示すように一致度が高くなる。なお、図6においては、説明の簡単のため赤外画像及びノイズ判定用メモリを粗い画像で示している。
そして、ノイズ判定処理において、赤外画像の全画素について中心画素位置をずらしながら矩形ノイズ検出用フィルタとの比較を行って一致度を求めて、ノイズ度合い判定処理において、しきい値との比較を行う。このようにノイズ判定処理、ノイズ度合い判定処理を行うことにより、図7に示す1種類の矩形ノイズ検出用フィルタで一致度が高いと判定された画素(xB、yB)のみでノイズと判定できた場合には、図6(b)に示すように、赤外画像(xB、yB)に対応するノイズ判定用メモリのカウンタ値をカウントアップする。一方、画素(xA、yA)では一致度が低いと判定されているので、当該画素(xA、yA)に対応した図6(b)のノイズ判定用メモリのカウンタ値はそのままにしておく。
このノイズ判定処理及びノイズ度合い判定処理は、図5(b)に示した4種の矩形ノイズ検出用フィルタのそれぞれについて行い、何れかの矩形ノイズ検出用フィルタによって求められた一致度がしきい値よりも高いと判定された場合に、当該一致度が求められた赤外画像の中心画素に対応したノイズ判定用メモリのカウンタ値をカウントアップすると、図5(c)に示すように、ノイズ位置を示すノイズ判定用メモリのカウンタ値を設定することができる。また、ノイズ判定処理及びノイズ度合い判定処理は、図5(d)に示した2種の孤立点ノイズ検出用フィルタのそれぞれについて行い、何れかの孤立点ノイズ検出用フィルタによって求められた一致度がしきい値よりも高いと判定された場合に、当該一致度が求められた赤外画像の中心画素に対応したノイズ判定用メモリのカウンタ値をカウントアップすると、図5(e)に示すように、ノイズ位置を示すノイズ判定用メモリのカウンタ値を設定することができる。
更に、ノイズ判定処理及びノイズ度合い判定処理において、矩形ノイズ検出用フィルタ及び孤立点ノイズ検出用フィルタの両方によってノイズを検出して、アンド処理によって両方のノイズが検出された位置のみのノイズ判定用メモリのカウンタ値をカウントアップしても良い。すなわち、図5(c)のようなノイズ判定用メモリのカウント値と、図5(e)のようなノイズ判定用メモリのカウント値とを足し合わせたカウンタ値をノイズ判定用メモリの内容としても良い。
このようにステップS6において、ノイズ判定用メモリの各画素のカウンタ値がインクリメントされ、画像処理装置20は、ステップS7において、ステップS6で更新されたノイズ判定用メモリの内容から、後段の物体検出処理や画像認識処理で使用される画素データとしての信頼性が低いノイズ位置又はノイズ領域を判定する。
このノイズ位置・ノイズ領域判定処理は、上述のステップS1〜ステップS6の処理が複数回に亘って行われた後に行われる。すなわち、所定時間ごとに連続して遠赤外線カメラ10で撮像された赤外画像ごとにステップS1〜ステップS6の処理を行って、ノイズ判定用メモリのカウンタ値を複数回に亘って更新し、当該ノイズ判定用メモリを参照してノイズ位置・ノイズ領域判定処理が開始される。
そして、1回目にステップS1〜ステップS6の処理で図8(a)に示すような結果が得られ、複数回に亘ってステップS1〜ステップS6の処理が行われて、図8(b)に示すように、最もカウンタ値が高いノイズ判定用メモリ内の画素の輝度値が最も高く、カウンタ値が低くなるほどノイズ判定用メモリ内の画素の輝度値を低くした結果を得ることができる。ここで、図8(b)は、最もカウンタの値が高い値を最高輝度値として輝度を正規化表示した画像である。例えば、カウンタ値の最高値が8であれば、カウンタ値が4の位置の輝度値を最高輝度値の半分とし、カウンタ値が2の位置の輝度値を最高輝度値の4分の1とする。
図8(a)から分かるように、1回のみステップS1〜ステップS6の処理を行った結果は、偶発的に発生したノイズや実際の物体位置にてカウントアップされている。これに対し、遠赤外線カメラ10位置と物体位置とが相対的に移動したり、ランダムノイズである場合には、当該ノイズに相当するカウンタ値が毎回のステップS1〜ステップS6ではカウントアップされないので、予め設定したステップS1〜ステップS6の実行回数と比較して低いカウンタ値となる。
一方、遠赤外線カメラ10特有のノイズの現われやすい位置や低感度になっているなどの固定ノイズや、原因がはっきりしているノイズは、周期的又は毎回にノイズとなって赤外画像に出現する。このようなノイズが現れる画素は、ステップS1〜ステップS6の毎回の処理でノイズ判定用メモリのカウンタ値がカウントアップされるため、図8(b)の赤外画像の略中心にあらわれる3点のノイズのように輝度値が周囲の物体等に比べて高くなる。
したがって、ステップS7においては、ステップS1〜ステップS6の処理を複数回実行された後のノイズ判定用メモリを参照して、ノイズ判定用メモリのうち、所定のしきい値よりも高いカウンタ値(輝度値)となっているノイズ判定用メモリ内位置を求めることにより、固定ノイズの赤外画像内位置を求める。具体的には、図8(b)において、特にカウンタ値が高くなっているために輝度値が高くなっている座標(xNA、yNA)、(xNB、yNB)、(xNC、yNC)の3点がノイズ位置として検出できる。ここで、カウンタ値と比較される所定のしきい値は、ステップS1〜ステップS6の実行回数に対して所定の割合以上で現れる固定ノイズのみが検出できる値であり、ステップS1〜ステップS6の実行回数との兼ね合い、経験値によって予め設定される。
また、図8(c)に示すように、ノイズ判定用メモリのカウンタ値が高くなっている位置が1点ごとに離散しておらず、複数の領域に集中してノイズが検出された場合、このステップS7においては、複数のノイズが集中した領域を特定しても良い。このようにノイズ領域を特定するために、例えば、しきい値以上のカウンタ値となったノイズ間の距離が数画素レベルの所定距離内であるものをグループ化し、当該グループ化したノイズのうち最小x座標、最大x座標、最小y座標、最大y座標を求める。そして、当該最小x座標、最大x座標、最小y座標、最大y座標を頂点する四角形領域を、ノイズ領域として特定することによって、図8(d)に示すように、2個のノイズ領域を特定できる。また、ステップS7において、例えば、四角形でノイズ領域を赤外画像上で定義する場合には、各四角形の始点座標((xNA、yNA)又は(xNB、yNB))と、その縦幅、横幅((xwNA、ywNA)、(xwNB、ywNB))を示す情報を作成する。
そして、このステップS7で判定されたノイズの座標データ又はノイズ領域を示す領域データは、ステップS8において、図示しない物体検出装置や画像認識装置に送信される。
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した画像処理装置20によれば、遠赤外線カメラ10で撮像された赤外画像と矩形ノイズ検出用フィルタや孤立点ノイズ検出用フィルタとの一致度を検出する所定の画像処理を行ってノイズ度合いを判定して、ノイズ度合いがしきい値以上である画像内位置のノイズ判定用メモリのカウンタ値をカウントアップする処理を複数回に亘って実行する。これにより、赤外画像において固定的に出現するノイズ位置のカウンタ値のみを高くする結果を得ることができる。換言すれば、遠赤外線カメラ10と相対的な位置が連続的に変化する物体が出現する画素のカウンタ値よりも、固定的に出現するノイズ位置のカウンタ値を高くできる。
したがって、この画像処理装置20によれば、他のカウンタ値よりもカウンタ値が高い赤外画像内の位置の画素データには信頼性がないことを判定できる。これにより、カメラにとって固定的な位置に現れるノイズを除去させて、後段の物体検出装置や画像認識装置で処理を行わせることができる。
例えばカメラとして遠赤外線カメラ10や、CCDカメラ、CMOSカメラ等のカメラなどを使用し、カメラが引き起こす電気ノイズやレンズに付着した汚れなどの固有の原因で起こるノイズを含む画像を撮像した場合に、正確な値ではない画素データを含む画像が撮像された場合であっても、当該不正確な値の画素データの位置を単純な構成かつ演算量の少ない処理で、画像を入力しながら判定することが可能となる。
また、ノイズ判定を行うために、ノイズ判定処理と当該処理結果を記憶するノイズ判定用メモリという単純な構成且つ単純な演算によってノイズ位置及びノイズ領域を判定できる。ここで、物体検出処理又は画像認識処理を行う画像処理装置20は、通常、物体検出処理又は画像認識処理を行うための構成として、ノイズ判定に近い演算システムを備えている場合が多く、これを利用して、単純なノイズの演算及びノイズ判定用メモリを追加するのみでノイズ判定を実現できる。したがって、物体検出処理又は画像認識処理に対して新たな装置を追加することなく、更には物体検出処理又は画像認識処理の演算時間が増えるということなく、ノイズに対してロバストな処理が可能となる。
更に、この画像処理装置20によれば、ノイズ判定処理において、矩形ノイズ検出用フィルタを使用した矩形ノイズを検出する処理、又は、孤立点ノイズ検出用フィルタを使用した孤立点を検出する処理を選択的に行うことができるので、例えば、物体検出処理又は画像認識処理でテクスチャ解析など細かな模様を解析することを目的としている場合、細かな孤立点ノイズは大きな影響を及ぼすので孤立点ノイズ検出用フィルタを使用できる。逆に、矩形の点の組み合わせに基づいた物体検出処理を行う場合には、矩形の形状を成すノイズは影響を及ぼすので、矩形ノイズ検出用フィルタを使用したノイズ検出処理を行うことができる。これにより、後段の物体検出処理又は画像認識処理に応じた手法でノイズ判定を変更することができ、後段の物体検出処理又は画像認識処理におけるの画像認識、物体検出率を向上させることができる。
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る画像処理装置20について説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
第2実施形態に係る画像処理装置20は、図9に示すように、ステップS7においてノイズ位置、ノイズ領域を判定した後のステップS11において、当該ノイズ位置、ノイズ領域を考慮した物体検出処理、画像認識処理を行い、ステップS12において当該処理結果を出力する処理を追加した点で、第1実施形態に係る画像処理装置20とは異なる。
画像処理装置20は、遠赤外線カメラ10から連続して、図10に示すように、時刻T+1、・・・、時刻T+nの赤外画像が入力された場合、ステップS1〜ステップS6の処理を複数回行い、更にステップS7の処理を行うことによって、図11(a)に示すように、3点の座標(xNA、yNA)、(xNB、yNB)、(xNC、yNC)でノイズ位置、又は、図11(b)に示すようにそれぞれ座標(xNA、yNA)、(xNB、yNB)を左上頂点とした2個のノイズ領域が検出できる。
これに対し、ステップS11においては、例えば人物を検出する物体検出処理又は画像認識処理を行う前に、ノイズを除去する前処理、又は、ノイズを無視して物体検出処理又は画像認識処理を行う設定とする。このノイズを除去する処理は、ノイズとして判定された画素を、当該画素の周囲の画素との平均値に置き換える処理等を施すことにより、図11(c)のように孤立点ノイズを除去できる。このようなノイズの除去処理は、図11(a)に示すように、孤立点ノイズ検出用フィルタを用いて検出されたノイズを除去するのに有効である。
その後、例えば赤外画像から人物を検出する場合には、人物らしい温度に対応した画素値を示す位置を2値化処理によって抽出して、所定の大きさ且つ体温に近い温度帯の画像領域をラベリング処理等で抽出する。
ここで、2値化処理においてノイズの画素値と人物温度に相当する画素値値とが同じ値を示す場合、ノイズと人物とが同じ物体として抽出されるという問題がおきやすい。さらに、遠赤外線カメラ10から遠方に存在して赤外画像内での大きさが小さい人物も検出対象とする場合には、2値化処理で抽出されたノイズを、人物全体をラベリングして検出した領域であると誤判定して、ノイズを人物と誤判定しやすくなるという問題がある。これに対し、上述した処理で判定された固定位置に出現するノイズに対して、物体検出処理や画像認識処理を行う前に予めノイズを除去する処理を行うことが可能なため、問題を防ぐために有効となる。
また、ノイズと人物とが略同位置に検出された場合には、ノイズが人物として誤検出されやすくなるため、人物の誤検出が多く発生する。また、2値化処理ではなく、例えば、頭部や肩のラインなどに現われやすい矩形や曲線を検出して人物の特徴となる点を検出する処理を物体検出処理又は画像認識処理の前処理とし、細かい矩形や細かな直線や曲線の線分の組み合わせに基づいて人物検出を行う場合、ノイズ領域では細かい矩形や直線、曲線の線分が多く検出されることが多いため、誤検出しやすいという問題がある。
これに対し、図11(b)に示すようなノイズ領域をステップS7で求めた場合には、ステップS11において、ノイズ領域と、ノイズ領域以外とで異なるしきい値を設定したり、異なる処理を行って、人物検出や画像認識を行う。
具体的には、ノイズ除去を行うため、画像処理装置20は、ノイズ領域内の各孤立点のノイズを除去するような孤立点の除去処理を行うようにする。若しくは、画像処理装置20は、人物検出を行う際に設定する人物相当の縦横比を有する矩形を設定したり、エッジ直線又はエッジ曲線の検出時のしきい値を限定する。例えばノイズ領域内においては、ノイズを検出しやすいエッジ強度を排除したり、矩形ノイズ検出用フィルタを使用した差分演算や正規化相関演算の値から排除した領域を物体検出対象又は画像認識対象とするなどの処理をして、ノイズ以外の値を示すエッジ強度や矩形領域を検出するようにしてもよい。これにより、図11(b)に示すように出現したノイズ領域に含まれる孤立点ノイズを除去して、図11(d)に示すような孤立点ノイズが少ない赤外画像とする。
また、このステップS11において、人物検出処理における形状判定手法を可変にしても良い。例えば図12に示すように、あるエッジや矩形が検出された際に、物体検出領域内では領域やエッジ点を補間するエッジ間距離を長くする一方で、物体検出領域外では矩形やエッジ点を補間する距離を短く設定するなどの処理を施してもよい。
更に、ステップS11において、物体検出処理又は画像認識処理においてノイズと判定された画素を無視する設定は、当該物体検出処理又は画像認識処理で行うエッジ検出や2値化処理等を、ノイズと判定された画素に対して行わないようにする。
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した第2実施形態に係る画像処理装置20によれば、ステップS7でノイズ位置、ノイズ領域を判定した後であって、物体検出処理又は画像認識処理を行う前にノイズを除去する処理又はノイズを無視させる処理を行うので、当該ノイズによる影響を除いた物体検出処理及び画像認識処理を行うことができる。特に、固有の低感度画素や不能画素を含む撮像素子を用いた場合や、遠赤外線カメラ10のレンズに付着物がある場合など、ノイズ位置が固定されている場合に、当該ノイズを検出物体として誤検出する等の問題を確実に回避することができる。
[第3実施形態]
つぎに、第3実施形態に係る画像処理装置20について説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一の符号、ステップ番号を付することによりその詳細な説明を省略する。
第3実施形態に係る画像処理装置20は、ノイズ判定用メモリのカウンタ値が極端に高い位置に対応した画素データを生成する撮像素子部分を、低感度画素であると判定することを特徴とするものである。
ここで、遠赤外線カメラ10の赤外線検出用の撮像素子や、CCD等の光量検出用の撮像素子は、低感度になっている場合、常に同じ画素値である等、正確な値を撮像できなくなっている。従って、当該画素で生成した画素データが正確な値を示しておらず、ノイズとなる。このことから、多くの赤外画像に対してステップS1〜ステップS6の処理を行うと、ランダムノイズなどに比べて極端に高いカウンタ値の画素位置がノイズ判定用メモリに現れる。
これに対し、第3実施形態に係る画像処理装置20は、例えば50枚以上などの所定枚数の多くの赤外画像においてステップS1〜ステップS6の処理を繰り返した後、極端に高い値を示すカウンタ値がノイズ判定用メモリに現われた場合に、当該ノイズ判定用メモリに対応した赤外画像内位置を低感度画素又は不能画素として判定する。
この低感度画素又は不能画素と判定できるカウンタ値は、例えば処理枚数の80%以上においてノイズと判定されてカウントアップされた場合、又はカウンタ値のヒストグラムを取ったときに、極端に回数が高いピークが現れた場合によって決定される。ここで、ヒストグラムを取って低感度画素又は不能画素と判定できるカウンタ値を設定する場合には、例えば、カウンタ値の平均値がA、分散がσの場合、Aから3σ以上離れた数字でカウンタ値を示した位置などから判定する。
このように、低感度画素又は不能画素と判定された画素は、上述の第2実施形態で説明したように、当該画素を削除する処理が施され、又は、物体検出処理又は画像認識処理において処理対象としない無視する画素として設定される。
[第3実施形態の効果]
第3実施形態に係る画像処理装置20によれば、ノイズ判定用メモリのカウンタ値が極端に高い画素位置を低感度画素と判定するので、比較的安価又は使用時間が長い遠赤外線カメラ10や輝度画像用の撮像素子を用いて物体検出処理や画像認識処理を行う場合に、特定の画素が低感度画素又は不能画素となっても、当該画素の位置を判定することができる。したがって、この画像処理装置20によれば、低感度画素又は不能画素の影響によって出現したノイズを検出物体として誤判定するなどの問題を回避することができる。
[第4実施形態]
つぎに、第4実施形態に係る画像処理装置20について説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一の符号、ステップ番号を付することによりその詳細な説明を省略する。
第4実施形態に係る画像処理装置20は、孤立点としてのノイズではなく、ノイズが集中的に検出されるノイズ領域を検出した場合に、当該ノイズ領域とノイズ領域以外とで異なる画像処理又はしきい値を使用して物体検出処理又は画像認識処理を行うことを特徴とする。これにより、図9に示す処理において、ステップS7でノイズ領域が検出されると、次のステップS11においては、ノイズ可能性が高い領域を考慮した物体検出処理又は画像認識処理を行うことができる。
具体的には、図11(b)に示すように、赤外画像の略中央にノイズ領域が検出された場合には、当該ノイズ領域内の赤外画像に対する処理と、ノイズ領域以外の人物や側壁等を示す赤外画像に対する領域とのしきい値などを変更して処理を行うことができる。
このような第4実施形態に係る画像処理装置20によれば、物体検出処理又は画像認識処理において、ノイズ領域の有無を判定して、ノイズ領域が存在する場合には、当該ノイズ領域内ではノイズ領域外と比べてノイズ可能性が高いことを考慮した処理を施すことができる。
例えば、赤外画像内に低感度画素など存在すると、当該低感度画素の周囲もノイズが出やすくなるという現象があり、更には、電気ノイズがおきやすい場所とおきにくい部分がある程度特定できるカメラもある。このようなカメラを利用した場合の物体検出処理又は画像認識処理では、ノイズがおきやすい場所でのエッジが検出できる程度のしきい値を設定すると、ノイズの少ない場所でのコントラストの低いエッジを検出しにくくなり、一方で、ノイズの少ない場所でのエッジが検出できる程度のしきい値を設定とすると、ノイズの多い場所での誤検出が多くなるというトレードオフの関係がある。
これに対し、第4実施形態に係る画像処理装置20は、ステップS11において、ノイズ除去処理やエッジ検出などのしきい値をノイズの少ない場所と、ノイズの多い場所(ノイズ領域)と可変にできるため、それぞれで適したしきい値を設定可能となる。したがって、この画像処理装置20によれば、物体検出処理又は画像認識処理のロバスト性を向上できる。
[第5実施形態]
つぎに、第5実施形態に係る画像処理装置20について説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一の符号、ステップ番号を付することによりその詳細な説明を省略する。
第5実施形態に係る画像処理装置20は、矩形ノイズ検出用フィルタ、孤立点ノイズ検出用フィルタといったノイズ検出用フィルタの種類、大きさ、当該ノイズ検出用フィルタとの一致度のしきい値を、後段の物体検出処理又は画像認識処理の内容に応じて変更することを特徴とするものである。
ここで、画像上に出現するノイズが及ぼす物体検出処理又は画像認識処理への影響の度合いは、当該物体検出処理又は画像認識処理の対象によって様々となる。例えば、赤外画像内の直線を検出することを目的とした物体検出処理又は画像認識処理では、線分を形成するノイズが多く出現する場合は悪影響を及ぼすが、数の少ない矩形点や孤立点形状を成すノイズは大きな悪影響とはならない。また、あるしきい値以上の値を示す画素だけを2値化で抽出した後で物体検出を行う物体検出処理の場合、ノイズが黒画素(2値化で抽出されない画素)として現れるのであれば影響も小さいが、ノイズが白画素(2値化で検出対象の候補として抽出される画素)として検出される場合、当該白画素を検出対象物として誤検出するという影響が発生しやすい。
更に、ノイズが与える物体検出処理又は画像認識処理への影響は、当該物体検出処理における検出対象の大きさやコントラストにも関係する。例えば、検出対象が必ずあるコントラスト以上であると分かっている場合、そのコントラストより小さな値を示すノイズは影響を及ぼさない。また、ある長さ以上として検出された線分だけを利用した物体検出処理又は画像認識処理を行う場合は、小さな線分の形状を成すノイズは影響を及ぼすが、線より短い孤立点は大きな影響を及ぼさない。
このようなノイズが物体検出処理又は画像認識処理に与える影響から、ノイズ検出用フィルタの種類や大きさを、後段の物体検出処理又は画像認識処理に影響を及ぼす点や形状を検出するよう選択して、そのノイズ度合い判定時のしきい値も物体検出処理又は画像認識処理に応じて選択する。
例えば、車両に搭載した外界認識等の環境が大きく変化すると共に、対象物の大きさも大きく変化することが多い場合には、入力画像の明るさや、対象物までの距離や、画像上における大きさなどにおいて、逐次ノイズ判定フィルタの種類、ノイズと判定する一致度に対するしきい値を可変にしてもよい。すなわち、画像処理装置20は、最新の物体検出処理又は画像認識処理で得られた物体までの距離や、物体のコントラストなどにあわせて、一致度に対するしきい値を調整する。
更に、物体検出処理として、上述したように赤外画像から人物を検出する場合には、例えば、人物相当の温度帯を2値化処理により抽出して人物を検出する処理のみならず、図8や図11に示すように、人物の輪郭には、外郭形状が直線的ではない箇所が多く存在するので、小さな矩形点として検出される点が多く存在する。例えば、この矩形点が密集していることから人物であることを判定するような物体検出処理では、矩形と判定できるノイズが赤外画像内に多く含まれると誤検出を起こしやすくなる。これに対し、画像処理装置20は、ノイズ判定フィルタとして、後段の物体検出処理又は画像認識処理に影響を及ぼす種類のノイズを検出可能なフィルタを選択する。例えば、赤外画像から人物を検出する場合に、矩形ノイズ検出用フィルタでノイズ判定を行い、ノイズと判定される矩形を予め除去しておくことで、正確な人物検出を行うことが可能となる。
以上詳細に説明したように、本発明を適用した画像処理装置20によれば、ノイズ判定処理で使用するノイズ検出用フィルタ及び一致度におけるしきい値を、後段の物体検出処理又は画像認識処理への影響に応じたものとすることができるので、当該物体検出処理又は画像認識処理で誤検出が発生するようなノイズを効率的に除去又は物体検出処理又は画像認識処理で使用することを無くすことができる。
例えば、後段の物体検出処理又は画像認識処理で比較的大きな面積を持つ物体の形状判定を行う場合と、小さな面積の物体の形状判定を行う場合とで異なるノイズ検出用フィルタを使用することができる。更に、物体検出処理又は画像認識処理の対象としてコントラストが高いものを対象としている場合にはコントラスト差の小さなノイズは大きな影響を及ぼさないが、逆にコントラストが不鮮明な物体を検出対象とした場合、コントラスト差が大きい点はノイズであると判定され除去されるべき点である可能性が高いので、当該コントラストのノイズを除去するノイズ検出用フィルタ及びしきい値を使用することができる。
[第6実施形態]
つぎに、第6実施形態に係る画像処理装置20について説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一の符号、ステップ番号を付することによりその詳細な説明を省略する。
第6実施形態に係る画像処理装置20は、ステップS1〜ステップS6の処理を複数回行い、ノイズ判定用メモリ内におけるカウンタ値によって求めたノイズ位置及びノイズ領域が、物体から出現したものか否かを判定することによって再度ノイズ判定を行うことを特徴とするものである。
通常、ノイズは不規則的且つ孤立点として発生し、逆に実際に存在する物体上の点は、図5(c)、(e)のノイズ判定用メモリの例で示すように、直線又は曲線の連続線として検出されることが多い。そこで、第6実施形態に係る画像処理装置20は、ノイズ判定用メモリ内においてノイズと判定された点が直線、曲線の連続線上に現れた場合に、当該直線状のノイズをノイズではないと判定する。
このとき、画像処理装置20は、ステップS1〜ステップS6の処理を行った後のステップS7において、ノイズ判定用メモリ上でカウンタ値が高いノイズを検知した後に、当該ノイズが直線又は曲線状の連続線で配列しているか否かを判定する。画像処理装置20は、例えばノイズ判定用メモリ内におけるハフ変換や輪郭追跡など一般的な連続線抽出処理を施せばよい。
例えば遠赤外線カメラ10で図13(a)に示す赤外画像を入力して、矩形ノイズ検出用フィルタを用いてノイズを抽出した結果、図13(b)に示すようなノイズが検出されたとする。これに対し、画像処理装置20は、ステップS7において、ノイズ判定用メモリ内のノイズ位置から、直線検出及び輪郭追跡を施すことにより、図13(b)内の直線で示すような線分を得ることができる。そして、画像処理装置20は、直線状に配列したノイズをノイズではないと判定して、直線状に配列していないノイズのみを残す。これにより、図13(c)に示すように、人物や側壁から抽出されたノイズを除去して、固定的に発生するノイズのみを抽出することができる。
また、この画像処理装置20によれば、直線又は曲線状に配列されているノイズのみを抽出するので、孤立点となって現れたノイズが消去されることを防止でき、確実にノイズを考慮した物体検出処理又は画像認識処理を行わせることができる。逆に、図13(d)に示すように、直線又は曲線状に配列されたノイズは、物体であるとの可能性が高く、当該情報を物体の候補点情報とすることもでき、物体検出処理又は画像認識処理の高速化にも寄与できる。
具体的には、ノイズを矩形や隣り合う画素とのコントラスト差がある点として検出し、当該ノイズが連続的に現われた場合に、逆に検出対象物体の輪郭を表すこととなる可能性が高いので、ノイズではないと判定することができる。これにより、ノイズ除去とエッジ検出の前処理が同じ処理で同時に計算でき、物体検出処理又は画像認識処理の高速化にも寄与できる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明を適用した画像処理装置を搭載した自車両の概略構成を示す図であって、(a)は側面図、(b)は上面図である。 本発明を適用した第1実施形態に係る画像処理装置によって、画像内のノイズ位置を判定する処理手順を説明するためのフローチャートである。 遠赤外線カメラと物体との位置関係を横から見た様子を示す図であって、(a)は原理図、(b)は輝度画像、(c)は赤外画像を示す図である。 遠赤外線カメラと物体との位置関係を上から見た様子を示す図であって、(a)は原理図、(b)は輝度画像、(c)は赤外画像を示す図である。 ノイズ検出用フィルタを使用してノイズ位置をノイズ判定用メモリでカウントアップすることを説明するための図であって、(a)は入力画像、(b)は矩形ノイズ検出用フィルタ、(c)は矩形ノイズ検出用フィルタを使用した時のノイズ判定用メモリ、(d)は孤立点ノイズ検出用フィルタ、(e)は孤立点ノイズ検出用フィルタを使用したときのノイズ判定用メモリを示す。 (a)の入力画像に、ノイズ検出用フィルタでノイズを検知した場合に、(b)のノイズ判定用メモリがカウントアップがされることを説明するための図である。 矩形ノイズ検出用フィルタと画像との一致度について説明するための図であり、(a)は矩形ノイズ検出用フィルタ、(b)は一致度が小さい様子、(c)は一致度が大きい様子を示す。 ノイズ検出処理を行った結果を説明するための図であり、(a)は1度のみノイズ検出を行った結果、(b)は複数回ノイズ検出を行った結果、(c)は複数回ノイズ検出を行った他の結果、(d)はノイズ領域を設定した結果を示す図である。 本発明を適用した第2実施形態に係る画像処理装置によって、画像内のノイズ位置を判定する処理手順を説明するためのフローチャートである。 連続して撮像される赤外画像を示す図である。 ノイズ除去処理を説明する図であり、(a)は孤立点ノイズが現れた赤外画像、(b)はノイズ領域が現れた赤外画像、(c)は孤立点ノイズが除去された赤外画像、(d)はノイズ領域のノイズが除去された赤外画像を示す。 ノイズ領域内とノイズ領域外とで物体判定するエッジ間距離を変更することを説明するための図である。 直線状又は曲線状に連続したノイズをノイズではないものと判定する処理を説明するための図であり、(a)は入力した赤外画像、(b)はノイズから直線検出と輪郭追跡を行った結果、(c)はノイズを抽出した結果、(d)は物体の候補線の検出結果である。
符号の説明
1 自車両
10 遠赤外線カメラ
20 画像処理装置

Claims (9)

  1. 撮像手段で撮像した画像を用いて、前記撮像手段で撮像された物体を検出する画像処理装置において、
    前記撮像手段で撮像された画像に所定の画像処理を施して、当該画像に含まれる画像領域ごとにノイズ度合いを判定し、当該ノイズ度合いが所定のしきい値以上であるかを判定するノイズ判定手段と、
    前記ノイズ度合いが所定のしきい値以上であると判定された画像領域におけるノイズ検出回数を加算する計数手段と、
    前記計数手段により計数されたノイズ検出回数が所定値以上である画像領域が、当該画像内位置において信頼性が低いノイズであると判定するノイズ位置判定手段とを備え、
    時間的に連続して撮像された複数の画像のそれぞれについて、前記ノイズ判定手段によりノイズ度合いを判定し、当該ノイズ度合いがしきい値以上である画像領域ごとにノイズ検出回数を前記計数手段により計数して、前記ノイズ位置判定手段は、前記複数の画像に亘って計数されたノイズ検出回数が所定値を超えた画像領域であるノイズの画像内位置を検出することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記ノイズ検出回数が所定値を超えた画像領域であるノイズを除去して、所定の物体検出処理を行わせるノイズ除去手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記ノイズ位置判定手段は、前記ノイズ検出回数が前記しきい値よりも高い画像領域を撮像した前記撮像手段の部位を低感度領域であると判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記ノイズ位置判定手段は、前記ノイズ検出回数が前記しきい値よりも高い画像領域を撮像した前記撮像手段の部位を低感度領域であると判定し、当該低感度領域で撮像された画像領域を、当該画像領域周囲の画像領域の平均値に設定する、又は、前記低感度領域で撮像された画像領域を物体検出処理で使用させない設定とすることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記ノイズ検出回数が所定値を超えた画像領域と、当該画像領域以外とで異なる物体検出処理を行う物体検出手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記ノイズ判定手段は、前記ノイズ位置判定手段により画像領域が検出された後に行われる物体検出処理に応じて、当該物体検出処理が影響を受けやすいノイズに対してノイズ度合いが高いものと判定するノイズ判定処理又は前記しきい値を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記ノイズ判定手段は、矩形状のノイズを検出する処理、又は、孤立点となっているノイズを検出する処理の何れか又は両方を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 前記ノイズ位置判定手段は、前記ノイズ検出回数が所定値を超えた画像領域であるノイズのうち、直線状又は曲線状に配列したノイズ群をノイズではないと判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 撮像手段で撮像した画像を用いて、前記撮像手段で撮像された物体を検出する画像処理装置のノイズ検出方法において、
    前記撮像手段で撮像された画像に所定の画像処理を施して、当該画像に含まれる画像領域ごとにノイズ度合いを判定するステップと、
    前記ノイズ度合いが所定のしきい値以上である画像領域を検出し、当該画像領域におけるノイズ検出回数を加算するステップと、
    前記撮像手段で撮像された画像に所定の画像処理を施して、当該画像に含まれる画像領域ごとにノイズ度合いを判定し、当該ノイズ度合いが所定のしきい値以上であるかを判定するステップと、
    前記ノイズ度合いが所定のしきい値以上であると判定された画像領域におけるノイズ検出回数を加算するステップと、
    前記ノイズ検出回数が所定値以上である画像領域が、当該画像内位置における信頼性が低いノイズであると判定するステップとを、時間的に連続して撮像された複数の画像のそれぞれについて繰り返して行った後に、
    前記複数の画像に亘って計数されたノイズ検出回数が所定値を超えた画像領域であるノイズの画像内位置を検出するステップとを有することを特徴とするノイズ検出方法。
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