JP2006309013A - ホログラムデータ生成装置、方法およびプログラム、ならびにホログラムデータ生成システムおよびホログラム表示システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ホログラムデータ生成装置20Aは、被写体の多視点画像に関する多視点画像データに基づいて、ホログラム形成面における多視点画像から放射される物体光の複素振幅分布を拡散させる物体光分布拡散部21Aと、物体光分布拡散部21Aによって拡散された物体光の複素振幅分布に基づいて、ホログラムデータを生成するホログラムデータ生成部22と、を備えている。
【選択図】 図2
Description
(1) 光学的な記録材料(写真乾板など)にホログラムを形成し、照明光(レーザ光)を照射して再生像(静止画像)を表示する。
(2) 電子表示装置(液晶表示装置など)にホログラムを表示し、照明光(レーザ光)を照射して再生像(静止画像または動画像)を表示する。
ここで、(2)の技術を採用した場合には、仮想的なホログラム形成面の位置によっては、ホログラム形成面の一部の微小領域にホログラム情報が集中してしまうことがある。かかる場合において、電子表示装置の階調(ダイナミックレンジ)および分解能(画素間隔)が十分ではない場合には、照明光の大部分が再生像の発生に貢献することなくホログラム透過光となってしまい、利用者が再生像を観測できないおそれがある。この現象は、位相が揃った平行光で多視点画像を照明し、多視点画像に対応したレンズアレイの後側焦平面にホログラム形成面を設定した場合に顕著に現れる。
このように構成されたホログラムデータ生成装置では、ホログラム形成面における物体光の分布を拡散して、ホログラム形成面の一部の微小領域にホログラム情報が集中してしまうことを防ぐことができる。
請求項5に記載のホログラムデータ生成システムは、利用者の視線の二次元方向への移動に対応可能なホログラムを形成可能なホログラムデータを得ることができる。
請求項6に記載のホログラムデータ生成システムは、構成の簡素化が可能である。
(第一の実施形態)
まず、図1および図2を参照して、本発明の第一の実施形態に係るホログラム作成システムについて説明する。図1は、ホログラム作成システムを示す模式図である。図2は、ホログラム作成システムを示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の第一の実施形態に係るホログラム作成システム1Aは、自然光NL下で被写体POの多視点画像を、多視点画像取得部11を介して撮像し、その再生像RIを動画像として表示するシステムである。図1および図2に示すように、ホログラム作成システム1Aは、被写体POの多視点画像に関する多視点画像データを取得する多視点画像データ取得装置10と、多視点画像データに基づいてホログラムデータを生成するホログラムデータ生成装置20Aと、ホログラムデータに基づいてホログラムを表示するホログラム表示装置40と、ホログラムに照明光ILを照射する照明光発生装置50と、を備えている。ホログラムデータ生成装置20Aによって生成されたホログラムデータは、蓄積伝送部30を介してホログラム表示装置40に出力される。ここで、ホログラムデータ生成システム2Aは、多視点画像データ取得装置10と、ホログラムデータ生成装置20Aと、を備えている。また、ホログラム表示システム3Aは、ホログラムデータ生成装置20Aと、ホログラム表示装置40と、を備えている。
多視点画像データ取得装置10は、IP(Integral Photography:インテグラル・フォトグラフィ)撮像装置であり、多視点画像取得部11と、多視点画像データ生成部12と、を備えている。
多視点画像取得部11は、被写体POの多視点画像を取得するレンズアレイである。本実施形態における多視点画像取得部11としては、凸レンズをアレイ状に整列した凸レンズアレイまたは凸レンズと同等の働きをするグラスファイバーレンズをアレイ状に整列したグラスファイバーレンズアレイが使用可能であり、ここでは、図6(a)に示す二次元レンズアレイ11Cが使用されている(詳細は後記する)。多視点画像は、被写体POの複数の要素画像から構成されている。要素画像のそれぞれは、異なる視点位置から撮像されている。
多視点画像データ生成部12は、多視点画像取得部11によって取得された多視点画像を撮像するテレビジョンカメラであり、多視点画像を数値データ化することによって、多視点画像データを生成する。
ホログラムデータ生成装置20Aは、物体光分布拡散部21Aと、ホログラムデータ生成部22と、を備えている。図3は、ホログラムデータ生成装置によるホログラムデータ生成の原理を説明するための模式図である。図3に示された光学系は、仮想的な光学系であり、ホログラムデータ生成装置20Aが行う演算を説明するためのものである。以下、図3を参照して、ホログラムデータの生成について説明する。
この仮想的な光学系は、多視点画像取得部11(図1参照)によって取得された多視点画像に相当する多視点画像面101と、多視点画像取得部11と同じ焦点距離及び配置を有するレンズアレイ102と、後記する光変調器42(図1参照)に相当するホログラム形成面103と、を備えている。ホログラム形成面103には、参照光RLが照射されている。
多視点画像面101の要素画像(多視点画像を構成する一の画像)101aは、位相が揃った平行光であるコヒーレント光CLによって照明されており、透過したコヒーレント光CLが物体光OLとなる。また、多視点画像面101の出射側には、物体光OLの位相を変調させる仮想的な物体光拡散手段105が設けられている。
多視点画像面101とレンズアレイ102との距離は、レンズアレイ102の凸レンズ102aの焦点距離fに等しく、レンズアレイ102とホログラム形成面103との距離も、焦点距離fに等しい。すなわち、ホログラム形成面103は、レンズアレイ後側焦平面104上に配置されている。なお、便宜上、多視点画像面101側を前側、ホログラム形成面103側を後側としている。
最終的なホログラムデータは、多視点画像面101における要素画像101aごとの算出結果を重ね合わせることによって得られるので、以下、要素画像101aに関する演算について説明する。
物体光位相変調部21aは、仮想的な光学系において、多視点画像データに基づく物体光OLの位相を変調させることによって、ホログラム形成面103における物体光OLを拡散する。すなわち、物体光位相変調部21aは、要素画像101a上における物体光OLの複素振幅分布F0に基づいて、物体光拡散手段105によって変調された物体光OLの複素振幅分布F1を算出する。複素振幅分布F0と複素振幅分布F1との関係は、式(1)によって表される。
rand(x0,y0)の一例を、式(2)に示す。
図1および図2に戻り、ホログラム作成システム1Aの説明を続ける。図1に示すように、ホログラム表示装置40は、ホログラムデータに基づいて、被写体POのホログラムを表示する電子表示装置である。図1および図2に示すように、ホログラム表示装置40は、光変調器駆動部41と、光変調器42と、を備えている。
照明光発生装置50は、ホログラムに照明光ILを照射する装置であり、レーザ光源駆動部51と、レーザ光源52と、を備えている。レーザ光源駆動部51は、レーザ光源を駆動する装置である。レーザ光源52は、参照光RLと同等なレーザ光である照明光ILを発生し、光変調器42に照射する装置である。ホログラムデータによって光変調器42上にホログラムが表現され、かつ、光変調器42に照明光ILが照射されることによって、被写体POの再生像RIが表示される。すなわち、再生像表示装置は、ホログラム表示装置40と、照明光発生装置50と、を備えている。また、再生像表示システムは、ホログラムデータ生成装置20Aと、再生像表示装置と、を備えている。
続いて、本発明の第一の実施形態に係るホログラム作成システム1Aを使用したホログラム作成方法について説明する。まず、多視点画像データ取得装置10が、被写体POの多視点画像データを取得する。続いて、物体光位相変調部21aが、多視点画像データに基づく物体光OLの複素振幅分布F0を利用して、物体光拡散手段105によって位相が変調された物体光OLの複素振幅分布F1を算出する(物体光分布拡散ステップ)。続いて、レンズアレイ後側焦平面複素振幅分布算出部21bが、複素振幅分布F1を利用して、レンズアレイ102の後側焦平面104における複素振幅分布F2を算出する。続いて、ホログラムデータ生成部22が、複素振幅分布F2を利用して、ホログラム形成面103における物体光OLと参照光RLとのホログラム(干渉縞)に関するホログラムデータを生成する(ホログラムデータ生成ステップ)。続いて、光変調器駆動部41がホログラムデータに基づいて光変調器42を駆動してホログラムを表示させるとともに、レーザ光源駆動部51がレーザ光源52を駆動して光変調器42に照明光ILを照射させることによって、再生像RIが表示される。
続いて、図1、図4および図5を参照して、本発明の第二の実施形態に係るホログラム作成システムについて、第一の実施形態に係るホログラム作成システム1Aとの相違点を中心に説明する。図4は、ホログラム作成システムを示すブロック図である。図5は、ホログラムデータ生成装置によるホログラムデータ生成の原理を説明するための模式図である。図5に示された光学系は、仮想的な光学系であり、ホログラムデータ生成装置20Bが行う演算を説明するためのものである。
図4に示すように、ホログラムデータ生成装置20Bは、物体光分布拡散部21Aに代えて、物体光分布拡散部21Bを備えている。この物体光分布拡散部21Bは、レンズアレイ後側焦平面複素振幅分布算出部21bと、ホログラム形成面複素振幅分布算出部21cと、を備えている。
続いて、本発明の第二の実施形態に係るホログラム作成システム1Bを使用したホログラム作成方法について説明する。まず、多視点画像データ取得装置10が、被写体POの多視点画像データを取得する。続いて、レンズアレイ後側焦平面複素振幅分布算出部21bが、複素振幅分布F0を利用して、レンズアレイ後側焦平面104における複素振幅分布F3を算出する。続いて、ホログラム形成面複素振幅分布算出部21cが、複素振幅分布F3を利用して、物体光拡散手段106によって拡散された物体光OLの複素振幅分布F4を算出する(物体光分布拡散ステップ)。続いて、ホログラムデータ生成部22が、複素振幅分布F4を利用して、ホログラム形成面103における物体光OLと参照光RLとのホログラム(干渉縞)に関するホログラムデータを生成する(ホログラムデータ生成ステップ)。続いて、光変調器駆動部41がホログラムデータに基づいて光変調器42を駆動してホログラムを表示させるとともに、レーザ光源駆動部51がレーザ光源52を駆動して光変調器42に照明光ILを照射させることによって、再生像RIが表示される。
続いて、本発明の多視点画像取得部11の例について説明する。図6は、多視点画像取得部の例を示す模式図である。
図6(a)の多視点画像取得部は、第一の実施形態に係る多視点画像取得部11と同一であり、水平(x)、鉛直(y)方向の二次元方向にアレイ状に配置された複数の凸レンズ11C1から構成された二次元レンズアレイ11Cである。多視点画像取得部11として二次元レンズアレイ11Cを使用することにより、多視点画像データ取得装置10は、二次元方向に異なる視点位置から撮像された複数の画像からなる多視点画像に関する多視点画像データを取得する。したがって、水平、鉛直方向に立体感を有する再生像RIが得られる。
例えば、液晶以外を用いた光変調器42として、電圧印加に伴う静電気力により透明基板に挟まれた流体(液体または気体)中で着色または白濁した微粒子(顔料など)が移動または回転し、光の吸収状態が変化する電気泳動方式およびトナー方式を適用した光変調器であっても良い。また、透明電極からの電流注入により電解溶液中の金属(銀など)のイオン化・析出が制御され、外光の吸収状態を変化させる電気析出方式を適用した光変調器であっても良い。さらには、極めて微細で電荷を帯びやすく電界で移動する性質を有する樹脂製の粉流体を表示媒体とする電気粉流体方式を適用した光変調器であっても良い。
また、ホログラムデータ生成装置は、コンピュータを用いて実現した装置であっても良く、また、専用の計算処理装置であっても良い。
2A,2B ホログラムデータ生成システム
3A,3B ホログラム表示システム
10 多視点画像データ取得装置
20A,20B ホログラムデータ生成装置
21A,21B 物体光分布拡散部
21a 物体光位相変調部
21b レンズアレイ後側焦平面複素振幅分布算出部
21c ホログラム形成面複素振幅分布算出部
22 ホログラムデータ生成部
40 ホログラム表示装置
Claims (9)
- 被写体の多視点画像に関する多視点画像データに基づいて前記被写体のホログラムデータを生成するホログラムデータ生成装置であって、
前記多視点画像データに基づいて、ホログラム形成面における前記多視点画像から放射される物体光の複素振幅分布を拡散させる物体光分布拡散部と、
前記物体光分布拡散部によって拡散された物体光の複素振幅分布に基づいて、前記ホログラムデータを生成するホログラムデータ生成部と、
を備えていることを特徴とするホログラムデータ生成装置。 - 前記物体光分布拡散部は、
前記物体光の位相を変調させる物体光位相変調部と、
前記物体光位相変調部によって位相が変調された物体光に基づいて、前記多視点画像に対応するレンズアレイの後側焦平面における、位相が変調された物体光の複素振幅分布を算出するレンズアレイ後側焦平面複素振幅分布算出部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のホログラムデータ生成装置。 - 前記物体光分布拡散部は、
前記多視点画像データに基づいて、前記多視点画像に対応するレンズアレイの後側焦平面における、前記物体光の複素振幅分布を算出するレンズアレイ後側焦平面複素振幅分布算出部と、
前記レンズアレイ後側焦平面複素振幅分布算出部の算出結果に基づいて、前記後側焦平面とは異なる位置のホログラム形成面における前記物体光の複素振幅分布を算出するホログラム形成面複素振幅分布算出部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のホログラムデータ生成装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のホログラムデータ生成装置と、
被写体の多視点画像に関する多視点画像データを生成し、前記ホログラムデータ生成装置に出力する多視点画像データ取得装置と、
を備えていることを特徴とするホログラムデータ生成システム。 - 前記多視点画像データ取得装置は、二次元方向に異なる視点位置から撮像された複数の画像からなる多視点画像に関する多視点画像データを取得することを特徴とする請求項4に記載のホログラムデータ生成システム。
- 前記多視点画像データ取得装置は、一次元方向に異なる視点位置から撮像された複数の画像からなる多視点画像に関する多視点画像データを取得することを特徴とする請求項4に記載のホログラムデータ生成システム。
- 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のホログラムデータ生成装置と、
前記ホログラムデータに基づいて、前記被写体のホログラムを表示するホログラム表示装置と、
を備えていることを特徴とするホログラム表示システム。 - 被写体の多視点画像に関する多視点画像データに基づいて前記被写体のホログラムデータを生成するホログラムデータ生成方法であって、
前記多視点画像データに基づいて、ホログラム形成面における前記多視点画像から放射される物体光の複素振幅分布を拡散させる物体光分布拡散ステップと、
前記物体光分布拡散ステップにおいて拡散された物体光の複素振幅分布に基づいて、前記ホログラムデータを生成するホログラムデータ生成ステップと、
を含むことを特徴とするホログラムデータ生成方法。 - 被写体の多視点画像に関する多視点画像データに基づいて前記被写体のホログラムデータを生成するためにコンピュータを、
前記多視点画像データに基づいて、ホログラム形成面における前記多視点画像から放射される物体光の複素振幅分布を拡散させる物体光分布拡散部、
前記物体光分布拡散部によって拡散された物体光の複素振幅分布に基づいて、前記ホログラムデータを生成するホログラムデータ生成部、
として機能させることを特徴とするホログラムデータ生成プログラム。
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JP2005133534A JP2006309013A (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | ホログラムデータ生成装置、方法およびプログラム、ならびにホログラムデータ生成システムおよびホログラム表示システム |
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JP2015036799A (ja) * | 2013-08-15 | 2015-02-23 | 国立大学法人北海道大学 | 複素振幅画像再生装置および複素振幅画像再生方法、ならびに、散乱位相画像生成装置および散乱位相画像生成方法 |
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2005
- 2005-04-28 JP JP2005133534A patent/JP2006309013A/ja active Pending
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