JP2006307856A - ステータブレード、該ブレードを備えるターボ機械、及び該ブレードを修復する方法 - Google Patents

Abstract

【課題】プレートの損耗を低減し、定期的な保守作業の間の間隔を増大させる。
【解決手段】本発明は、ターボ機械ケーシングに収容され、かつエアロフォイル１２と、プレートと、ピボット１４とを備える、可変設定式ステータブレードに関係し、可変設定式ステータブレードは、ディスクを有するプラットフォームを備え、ディスクは、一方の面でプレートにはめ込まれ、他方の面でケーシングの壁を押し付け、はめ込まれたプラットフォームは、ピボットの軸に対して回転することが妨げられ、可変設定式ステータブレードはさらに、プレート上に作られた突合せ表面と相互作用するディスクに固定して取り付けられた、少なくとも１個の回転止めタブ２２を備えることを特徴とする。本発明は、ブレードプレートの損耗を低減し、結果として生じるシステムの機能性の損失を阻止することを可能にする。本発明は、損耗したブレードを修復する手段をさらに提供する。
【選択図】図４

Description

本発明は、ターボ機械の分野に係わり、特に可変設定式ステータブレードに関する。

ガスタービンエンジン圧縮機の可変設定式ステータブレードのような連接システムは、互いに相対的に運動する部品を備える。図１及び図２は、機械のケーシング３内で回転するように搭載された、可変設定式ステータブレード１を概略的に示す。ブレードは、エアロフォイル１２、プレート１３、及びピボット１４を形成する軸部を備える。ピボット１４は、種々のベアリングを介して、ケーシング３に作られた穴または径方向オリフィスに収容される。ベアリングのうちの一つは、直接的に、または焼嵌めされたバンド１４’を介して、ピボット１４を形成する軸部と摺動接触するブッシュ４からなる。ケーシングの壁に作られたフェイシングの底において、ケーシングに固定して取り付けられたブッシュ４は、環状ボス４’を介してプレート１３と接触する。ブッシュに対してプレート１３の反対側の面は、ガスの流れによってスイープされる。ワッシャ１５は、ブレードをそのハウジングに保持する。図示されない部材によってそれ自体が作動されるレバー１６は、エアロフォイルをスイープする空気流に対して要求される位置にブレードを配置するために、軸部の軸ＸＸ周りのブレードの回転を制御する。この相対運動は、接触表面の、ここでは、軸部及びプレートとブッシュとの摺動から生じる。エンジンが作動されるとき、注意すべき点は、部品に加えられる応力が、接触表面を損耗にさらし、損耗は、システムの機能性の損失を引き起こすことがあるである。

以下に示される組立体の場合、注意すべき点は、損耗が、環状ボス４’でプレートに起こることである。損耗ゾーンは、溝の形となることにより始まり、次に、それはプレート全体に広がる。図３は、このようにして損耗したブレードを示す。プレート１３は、１３’において窪みが付けられることがわかる。

現在のところ、これらのブレードを修復するための満足できる解決策はない。

本出願人は、簡単に適用することができる修復の解決策を完成させる目的を設定した。

本発明の解決策は、部品が損耗することを防止するため、使用される前に、新しいブレードに適用することも可能である。この解決策は、したがって、プレートの損耗を低減し、かつ定期的な保守作業の間の間隔を増大させることも可能にするであろう。

本発明によれば、ターボ機械ケーシングに収容され、かつエアロフォイルと、プレートと、ピボットとを備える、可変設定式ステータブレードが提供され、この可変設定式ステータブレードは、プレートにはめ込まれ、かつケーシングの壁を押し付けるプラットフォームを備え、はめ込まれたプラットフォームが、ピボットの軸に対して回転することを妨げられ、プラットフォームが、プレートの側面に作られた突合せ（マッチング）表面と相互作用する少なくとも１個の回転止めタブを備えることを特徴とする。

たとえば、タブは、平坦な表面部を備え、この平坦な表面部は、ピボットの軸に対して平行であるかまたは傾斜し、プレートの突合せ表面と相互作用する。

別の特徴によれば、ブレードは、プレートとプラットフォームとの間に作られたピボットの軸に対して、プラットフォームをセンタリングするセンタリング手段を備える。特に、センタリング手段は、プラットフォームの内面に作られた環状段差と相互作用する、プレートの周囲に機械加工された環状段差からなる。プレートとケーシングのフェイシングとの間の間隔が許容するならば、センタリング手段は、プレートの縁と相互作用するプラットフォームの周囲にカラーによっても形成されることができる。これらの二つの手段は、例として示され、その他の手段が可能である。

別の特徴によれば、ベアリングを形成する環状の焼嵌めされたバンドを備えるピボット、はめ込まれたプラットフォームは、プラットフォームがピボットに沿って、及びピボット／焼嵌めされたバンドの組立体に沿って進むことを可能にするために、十分に広い中央開口部を有する。

別の特徴によれば、ケーシングと接触するプラットフォームの表面は、適切な表面のアータフィス（工夫）、すなわち硬度を有する。特に表面は、炭化タングステンまたはその他の等価なタイプのコーティング、１個以上のセクタの形態であるアルミナもしくはジルコニアタイプの蝋付けされたセラミック、または、アルミナタイプの焼嵌めされたセラミックを備えるか、或いは、表面は、ショットブラスト、ローラバニシング、もしくはその他のタイプの表面処理をされるか、或いは、プラットフォームの材料は、プラットフォーム／ブッシュ損耗を最小限に抑えるためにその良好な摩擦特性のため選ばれた、ネジ部品に使用される合金（たとえば、冷間圧延ニッケルベース合金）、もしくは、ベアリングに使用される合金（たとえば、超硬鋼）である。

次に本発明の種々の実施形態が、添付図面を参照して説明される。

ステータブレードが概略的に示される。ステータブレードは、連続的にガスによってスイープされるエアロフォイル１２と、ガスの流れを囲むケーシング壁の連続性を提供するプレート１３と、軸周りにブレードが回転させられるピボット１４とを備える。ブレードは、本実施形態によれば、ピボットのベアリングを形成する焼嵌めされたバンドをさらに備える。本発明に従って、図４から図６の実施形態によれば、プラットフォーム２０は、ピボット軸の方へ向けられたプレートの面に取り付けられる。プラットフォーム２０は、第１のディスク形状部２１を備え、この第１のディスク形状部２１の外径が、ここではプレート１３の外径と一致する。このディスクは、回転止めタブと呼ばれる２個のタブ２２を介して、エアロフォイルの側で延び、２個のタブ２２は、ピボットの軸ＸＸに対して平行もしくは傾斜した、プラットフォーム１３の側面に機械加工された平坦部１３１及び１３２のような２個の突合せ表面と相互作用する。ディスク２１は、それが、焼嵌めされたバンド１４’を越えてピボットに沿って進むことを可能にするため、十分な径をもつ中央開口部を備えることがわかる。

はめ込まれたプラットフォーム２０は、ブッシュ４の摩擦によって発生される損耗からプレート１３を保護する簡単かつ有効な手段を構成する。ブレードが所定の位置にあるとき、ブッシュ４のボス４’は、プレートを直接的に押圧するのではなく、プラットフォームを押圧する。プラットフォームは、表面１３１及び１３２を押圧する、ディスク２１に対して垂直または傾斜した２個のタブ２２によって、回転を阻止される。それは、焼嵌めされたバンドをピボット１４から取り外すことを必要とせずに、ピボット１４に沿ってそれを滑らせることによっても取り付けられることができる。

この解決策の一つの利点は、プレートを覆わない間に、プレートに対して、ピボットの根元に位置するゾーンの表面状態の目視検査を可能にすることである。このゾーンはクラックの場所であり、容易に点検されるべきである。

図７及び図８は、環状段差１３”がプレート上に機械加工された解決策の変形を示す。この段差の輪郭は、プラットフォーム２０’にくり抜かれた輪郭と一致する。この段差の役目は、ブレードの軸に対してプラットフォームをセンタリングすることである。

図９、図１０、及び図１１による変形は、前の図の実施形態と同じように、ディスク形状平坦部２２１と２個のタブ２２２とを備えるプラットフォーム２２０を示す。この組立体は、カラー２２３によって取り囲まれ、このカラー２２３は、プレートの外径を覆うことにより、プラットフォームのセンタリングと、ケーシングのフェイシングと接触する場合におけるプレートの縁の保護の両方を保証する。この解決策は、プレートのハウジングを形成するケーシングのフェイシングと、ステータのプレートとの間の隙間が十分であるならば、考慮されるべきである。

プラットフォームは、ステータブレードが、それ自体でケーシングから取り外されるときに備え付けられる。プラットフォームは、プレート上に簡単に設置されることができるが、一変形によれば、軸方向の固定化が望ましいとき、プレート上の回転止めタブによってプラットフォームを焼嵌めする対策がなされる。

回転止めタブのハウジングを形成する平坦部、またはセンタリング手段が機械加工されるとき、鋭いコーナーは避けられるべきである。面取りされた、すなわち丸みを付けられたコーナーが、クラックの開始を阻止するために、好ましくは採用される。

別の特徴によれば、はめ込まれたプラットフォームは、接触ゾーンの寿命を延長するための表面のアータフィスを有する。

一実施形態によれば、炭化タングステンタイプのコーティングが、ブッシュと接触する表面に加えられる。プラットフォームは、たとえば、Ｚ６ＮＣＴ２５のような合金であり、表面が、合金ＷＣ／１７％ＣｏのＨＶＯＦ溶射によって形成される。反対側のブッシュは、炭化タングステンで覆われたＺ１２ＣＮＤＶ１２のような鉄ベースの合金である。

別の実施形態によれば、硬度は、たとえば、Ｚ６ＮＣＴ２５ベース合金に施される、超音波ショットブラストまたはローラバニシングのような、適切な表面処理によって高められる。慣らし運転を促進し接触の損耗を防ぐためラッカーが、加えられるのが有利である。この場合、たとえば、合金Ｚ１２ＣＮＤＶ１２は、金属ケーシングブッシュの反対側で使用される。

別の実施形態によれば、図１２及び図１３に示されるように、ワッシャ３２５の１個以上のセクタにおいて、好ましくはアルミナタイプのセラミック素子が、プラットフォーム３２０の表面に蝋付けされる。図示された実施形態によれば、セラミックワッシャは、鉄ベース、ニッケルベース、または、コバルトベースの合金でもよい、たとえば、Ｚ６ＮＣＴ２５のようなプラットフォームへ、３個のセクタにおいて蝋付けされる。このとき、Ｚ１２ＣＮＤＶ１２から作られたケーシングブッシュが使用される。

本実施形態の変形（図示されず）によれば、セラミック、すなわちジルコニアまたはアルミナは、Ｆｅベース、Ｎｉベース、Ｃｏベース、または、Ｔｉベースの金属合金、たとえば、Ｚ６ＮＣＴ２５で作られたプラットフォームへ焼嵌めされたワッシャの形をしている。この場合、突合せ形状は、焼嵌めによってワッシャを収容するために、プレートの表面で機械加工される。

別の解決策は、プレートおよび焼嵌めされるワッシャの両方を取り囲む固定カラーを付加することである。プレートに向かい合うケーシングに備え付けられたブッシュは、このとき、金属、鉄ベース、ニッケルベース、またはコバルトベースの金属、たとえば、Ｚ１２ＣＮＤＶ１２で作られるのが有利である。

最終的な解決策は、ネジ部品に使用される合金タイプ（たとえば、冷間圧延ニッケルベース合金）、もしくはベアリングに使用される合金タイプ（たとえば、超硬鋼）の材料から、プラットフォームを機械加工することである。これらの材料は、その良好な摩擦特性のため選ばれ、したがって、プラットフォーム／ブッシュ損耗を最小限に抑えることが可能である。

次に、本発明による保護解決策を得られなかったステータブレードを修復する方法を説明する。このケースは、損傷したプレートの接触表面を再構成することを含む。

図１４は、損耗ゾーン１３’を有するステータブレードの一部分を示す。最初に、プレートを平坦にするため十分な厚さ１３Ｅを取り除くために、プレート１３の平面に平行な方向で機械加工が行われる。プレートの縁は、平坦部を形成し、かつ回転止めタブの設置を可能にするため、部分１３Ｐを取り除くように同様に機械加工される。この平坦部１３１または１３２は、ブレードのエアロフォイルと合わされない。好ましくは、２個の平坦部は、互いに平行に機械加工される。

このように機械加工されたプレートは、次に、本発明によるプラットフォームに取り付けられる。プラットフォームのディスクは、プレートの機械加工によって切り取られた環状空間を占領し、２個の回転止めタブが、製作された平坦部に沿って摺動させられる。このようにはめ込まれたブレードは、次にケーシングに再び設置される。

最も激しく損耗したブレードの場合、損耗が、計画された再加工ゾーンより深いならば、ブレードの寿命が危険にさらされていないという条件で、プラットフォームを追加することによる修理が、それでもなお可能であり続ける。プラットフォームは、このとき、完全には除去されなかった損耗ゾーンを覆う。

圧縮機ケーシングに備え付けられた、エンジンの軸に平行な断面で見られる可変設定式ステータブレードの一部分を、概略的に示す図である。 プレートとケーシングブッシュとの間の接触のゾーンの拡大図である。 損耗の跡と共にステータブレードだけを示す図である。 発明のプラットフォームがはめ込まれた、ステータブレードを概略的に示す正面図である。 発明のプラットフォームがはめ込まれた、ステータブレードを概略的に示す側面図である。 発明のプラットフォームがはめ込まれた、ステータブレードを概略的に示す平面図である。 ブレードのプレートにはめ込まれたプラットフォームの変形実施形態を示す正面図である。 ブレードのプレートにはめ込まれたプラットフォームの変形実施形態を示す側面図である。 別の変形実施形態によるプラットフォームがはめ込まれた、ステータブレードを示す正面図である。 別の変形実施形態によるプラットフォームがはめ込まれた、ステータブレードを示す側面図である。 別の変形実施形態によるプラットフォームがはめ込まれた、ステータブレードを示す平面図である。 本発明の別の変形実施形態によるプラットフォームがはめ込まれた、ステータブレードの側面図である。 本発明の別の変形実施形態によるプラットフォームがはめ込まれた、ステータブレードの平面図である。 修復前の可変設定式ステータブレードの部分図である。

符号の説明

１ 可変設定式ステータブレード
３ ケーシング
４ ブッシュ
４’ 環状ボス
１２ エアロフォイル
１３ プレート
１３’ 損耗ゾーン
１３” 環状段差
１４ ピボット
１４’ バンド
１５、３２５ ワッシャ
１６ レバー
２０、２２０、３２０ プラットフォーム
２１ 第１のディスク形状部
２２、２２２ タブ
１３１、１３２ 平坦部
２２１ ディスク形状平坦部
２２３ カラー

Claims (10)

1. ターボ機械ケーシングに収容され、かつエアロフォイル（１２）と、プレート（１３）と、ピボット（１４）とを備える、可変設定式ステータブレードであって、
   前記可変設定式ステータブレードが、一方の面でプレートにはめ込まれ、他方の面でケーシングの壁（４）を押圧するディスク（２１）を有するプラットフォーム（２０）を備え、はめ込まれたプラットフォーム（２０）が、ピボット（１４）の軸に対する回転を妨げられ、前記可変設定式ステータブレードがさらに、ディスク（２１）に固定して取り付けられた少なくとも１個の回転止めタブ（２２）を備え、該回転止めタブ（２２）が、プレート（１３）に作られた突合せ表面（１３１、１３２）と相互作用することを特徴とする、可変設定式ステータブレード。
2. 回転止めタブ（２２）が、平坦な表面部を備え、該平坦な表面部が、ディスクの平面に対して突出し、ピボット（１４）の軸に平行であり、プレート（１３）の表面（１３１、１３２）と相互作用する、請求項１に記載のブレード。
3. ピボット（１４）の軸に対してプラットフォーム（２０）をセンタリングするセンタリング手段が、プレート（１３）とプラットフォーム（２０）との間に作られる、請求項１または２に記載のブレード。
4. センタリング手段が、プラットフォーム（１２０）の内面に作られた環状段差と相互作用するプレート（１３）の周囲に機械加工された環状段差（１３”）からなる、請求項３に記載のブレード。
5. センタリング手段が、プレートの縁と相互作用するプラットフォームの周囲のカラー（２２３）によって形成される、請求項４に記載のブレード。
6. ピボットが、ベアリングを形成する環状の焼嵌めされたバンド（１４’）を備え、プラットフォーム（２０）のディスク（２１）が、プラットフォームがピボットに沿って進むことを可能にするため十分に広い中央開口部を有する、請求項１から５のいずれか一項に記載のブレード。
7. ケーシングと接触するプラットフォームの表面が、ケーシングとの接触ゾーンの寿命を延長するため表面のアータフィスを有する、請求項１から６のいずれか一項に記載のブレード。
8. 前記アータフィスが、炭化タングステンもしくはその他の等価なタイプのコーティングであるか、ショットブラスト、ローラバニシングもしくはその他のタイプの表面処理であるか、１個以上のセクタの形式をしたアルミナタイプの蝋付けされたセラミックであるか、アルミナタイプの焼嵌めされたセラミックであるか、または、冷間圧延ニッケルベースの合金などのネジ部品に使用される合金、もしくは超硬鋼などのベアリングに使用される合金で作られる、請求項７に記載のブレード。
9. ケーシング内で旋回するブレードからなる少なくとも１個のステータ段を備え、前記ブレードが、ケーシングのフェイシングに備え付けられたブッシュ（４）と相互作用する、請求項１から８のいずれか一項に記載のプラットフォームが設けられる、ターボ機械。
10. プレート（１３）が、はめ込まれたブッシュ（４）との摩擦によって生じた損耗（１３’）を有する、ステータブレードを修復する方法であって、
    プレートの損耗部分を機械加工し、次に、請求項１から８のいずれか一項に記載のブレードを得るために、機械加工された場所へプラットフォームをはめ込む、方法。

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