JP2006305040A - フットボールシューズのアッパー構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 キックの種類に応じて十分なボールスピードを確保でき、適切なボールコントロールを行うことができるフットボールシューズのアッパー構造を提供する。
【解決手段】 フットボールシューズのアッパー構造において、シューズ1の前足部を覆うアッパー部材Uを設け、アッパー部材Uの表層部をインステップキック領域U、インサイドキック領域Uおよびインフロントキック領域Uに分ける。これらの領域のうちの少なくとも一つの領域に樹脂コーティング層を形成し、またはEVAを挿入する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フットボールシューズ、とりわけサッカーシューズに好適のアッパー(甲被)構造に関し、詳細には、キックの種類に応じて十分なボールスピードを確保でき、適切なボールコントロールを行うことができるアッパー構造に関する。
従来のシューズのアッパー構造として、たとえば実開昭59−86103号公報には、アッパーの一部または全体に複数のポリウレタン製突条部を形成したものが示されており、また登録実用新案第3050667号公報には、アッパーのインフロントおよびアウトフロントに溝付ゴムを取り付けたものが示されている。
上記各公報に示されたものはいずれも、ボールコントロールを向上させる観点から、アッパーの一部または全体にボールの滑りを抑えるための部材が付加されている。
しかしながら、上記従来のシューズにおいては、種々のキックに適切に対応するようには構成されておらず、またボールスピードを向上させる観点からの改良はなされていない。
実開昭59−86103号公報(第1図および第2図参照) 登録実用新案第3050667号公報(図1参照)
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、キックの種類に応じて十分なボールスピードを確保でき、適切なボールコントロールを行うことができるアッパー構造を提供しようとしている。
本願発明に係る発明者らは、まず、サッカーにおいて代表的なキックであるインステップキック、インサイドキックおよびインフロントキックの際に、シューズのアッパーのどの領域がボールと接触しているかを科学的に検証することから開発をスタートさせた。
一流のサッカー選手10人を集め、それぞれの足の表面の内甲側部および第1趾から第5趾の各足趾に沿ってセンサを貼り付け、その上から靴下を履いた状態でボールをキックしてもらい、キックの種類に応じて足のどの位置にどれだけの圧力が作用しているかを検証した。
図3は、インステップキック時の各選手の圧力分布の平均値を、図4は、インサイドキック時の各選手の圧力分布の平均値を、図5は、インフロントキック時の各選手の圧力分布の平均値をそれぞれ示している。なお、各図において、(a)は圧力分布を上方から見た平面図であり、(b)は圧力分布を内甲側から見た側面図である。また、等圧線の色の濃い部分ほど圧力が高いことを示している。
図3より、インステップキック時に圧力の高い領域は、平面視において着用者の足の第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨中央部にかけての領域を覆う領域であって、側面視において第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨中央部にかけての領域の主に上側部分を覆う領域である。また、図4より、インサイドキック時に圧力の高い領域は、平面視において第1趾基節骨骨底部から第1趾中足骨をへて内側楔状骨骨頭部にかけての領域の主に内甲側部分を覆うとともに、側面視において第1趾基節骨骨底部から第1趾中足骨をへて内側楔状骨にかけての領域を覆う領域である。さらに、図5より、インフロントキック時に圧力の高い領域は、平面視において第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨をへて内側楔状骨骨頭部にかけての領域を覆うとともに、側面視において第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨をへて内側楔状骨にかけての領域を覆う領域である。
その一方、一般に、インステップキックは、主にシュートの際に用いられるキックであって、ボールを速くしかも遠くに蹴りたい場合に使用される。また、インサイドキックは、主にパスやPK(ペナルティキック)の際に用いられるキックであって、ボールを正確に(したがって遅く)しかも近くに蹴りたい場合に使用される。さらに、インフロントキックは、正確性とある程度のボール速度を要求されるキックであって、主にフリーキックやパスの際に用いられるキックである。
これらのキックを、キック後に要求されるボール速度の観点から分類すると、キック後に最も速いボール速度を要求されるのは、インステップキックであり、これにインフロントキックが続き、インサイドキックの場合が最もボール速度が遅い。また、ボールコントロールの観点から分類すると、ボールとの接触時間が最も長く、ボールに対して高いトラクション性(つまりグリップ性)を要求されるのは、足を捻ってボールに当て足をボール表面に沿って滑らせるようにしてキックを行うインフロントキックであり、足を真っ直ぐボールに当てるインサイドキックは、ボールとの接触時間が最も短く、ボールに対するトラクション性が最も低い。また、インステップキックは、これらキックの中間のトラクション性を要求される。
本願発明は、このような検証結果からなされたものであり、フットボールシューズのアッパー表面をキックの種類に応じて複数の領域に分けるとともに、各領域がそれぞれ要求される機能を適切に発揮できるようにすることを意図している。
本願の請求項1の発明に係るフットボールシューズのアッパー構造は、シューズの前足部を覆うアッパー部材を有しており、アッパー部材の表層部をインステップキック領域、インサイドキック領域およびインフロントキック領域に分けるとともに、これらの領域のうちの少なくとも一つの領域にコーティング層を形成しまたは粘弾性素材を挿入している。
この場合には、インステップキック領域にエネルギ反発率の高い高反発性樹脂のコーティング層を形成することにより、最も速いボール速度を要求されるインステップキックの際に確実にボール速度の速いボールを蹴り出すことができる。またインフロントキック領域に厚みの厚いコーティング層を形成しまたは粘弾性素材を挿入することにより、高いトラクション性を要求されるインフロントキックの際にボールとの接触時間を長くすることができ、これにより、ボールに対するトラクション性を向上でき、ボールコントロールを向上できる。なお、アッパー部材の表面にコーティング層を形成した場合には、当該領域の耐久性を向上できる。また、アッパー部材の内部に粘弾性素材を挿入した場合には、当該領域のクッション性を向上でき、とくに足の発育が不十分なジュニアに好適のアッパー構造を実現できる。
請求項2の発明では、コーティング層が樹脂またはラバー素材から構成されている。この場合、樹脂は、高反発性のものに限らず、低反発性つまりエネルギ吸収タイプのものでもよい。
請求項3の発明においては、インステップキック領域、インフロントキック領域およびインサイドキック領域に形成されるコーティング層の厚みをそれぞれt,t,tとするとき、t>t>tとなっている。
請求項3の発明は、キック後のボール速度を優先したパターンを示している。各領域のコーティング層の厚みを上記順序に設定したのは、以下の理由による。
エネルギ吸収タイプの樹脂Aおよび高反発性タイプの樹脂Bという2種類の樹脂を用意し、それぞれについてアッパー部材へのコーティング層の厚みを1〜5mmまで1mm刻みで変化させていった場合において、キック後のボール速度およびキック時のボール接触時間についてシミュレーション試験を行った結果を図6に示す。同図に示すように、いずれのタイプの樹脂コーティング層においても、コーティング層の厚みが増すほど、キック後のボール速度が増加していることが分かる。
そこで、このようなシミュレーション試験結果を踏まえ、キック後に最も速いボール速度を要求されるインステップキック領域のコーティング層の厚みを最も厚くするとともに、キック後のボール速度が最も遅くて足りるインサイドキック領域のコーティング層の厚みを最も薄くし、インフロントキック領域のコーティング層の厚みをこれらの中間の厚みとしたのである。なお、インフロントキック領域にある程度の厚みのコーティング層を確保することは、ボール接触時間をある程度長く保つ必要があるインフロントキック領域の目的にも寄与することになる。
請求項4の発明においては、インステップキック領域のコーティング層の厚みが5mm以下、インフロントキック領域のコーティング層の厚みが4mm以下、インサイドキック領域のコーティング層の厚みが2mm以下となっている。
各領域におけるコーティング層の厚みの上限をこのように設定したのは、以下の理由による。
アッパー部材のインステップキック領域、インフロントキック領域およびインサイドキック領域の各領域のコーティング層の厚みを0.5,1,2,3,4,5,6,7mmと変化させた場合において、9人のサッカー選手に実際にシューズを履いてキックを行ってもらい、そのときに選手が主にシューズの屈曲性の観点から違和感を感じたかどうかの官能試験を行った。その結果を図7に示す。
図7から分かるように、インステップキック領域のコーティング層厚みついては、コーティング層厚みが6mm以上になると、9人すべての選手が違和感を感じており、このため、インステップキック領域のコーティング層厚みの上限を5mmとした。また、インフロントキック領域のコーティング層厚みについては、コーティング層厚みが5mm以上になると、9人すべての選手が違和感を感じており、このため、インフロントキック領域のコーティング層厚みの上限を4mmとした。さらに、インサイドキック領域のコーティング層厚みについては、コーティング層厚みが3mm以上になると、9人すべての選手が違和感を感じており、このため、インサイドキック領域のコーティング層厚みの上限を2mmとした。
請求項5の発明においては、インステップキック領域、インフロントキック領域およびインサイドキック領域に形成されるコーティング層の厚みをそれぞれt,t,tとするとき、t>t>tとなっている。
請求項5の発明は、キック時にボールコントロールを優先したパターンを示している。各領域のコーティング層の厚みを上記順序に設定したのは、以下の理由による。
図6のシミュレーション試験結果から分かるように、いずれのタイプの樹脂コーティング層においても、コーティング層の厚みが増すほど、キック時のボール接触時間が増加する傾向にある。
そこで、このようなシミュレーション試験結果を踏まえ、キック時に最も長いボール接触時間を要求されるインフロントキック領域のコーティング層の厚みを最も厚くするとともに、キック時のボール接触時間が最も短くて足りるインサイドキック領域のコーティング層の厚みを最も薄くし、インステップキック領域のコーティング層の厚みをこれらの中間の厚みとしたのである。なお、インステップキック領域に中間の厚みのコーティング層を形成することは、ボール速度をある程度速く保つ必要があるインステップキック領域の目的にも寄与することになる。
請求項6の発明においては、インステップキック領域のコーティング層の厚みが3mm以下、インフロントキック領域のコーティング層の厚みが4mm以下、インサイドキック領域のコーティング層の厚みが2mm以下となっている。
請求項7の発明においては、インステップキック領域、インフロントキック領域およびインサイドキック領域に挿入される粘弾性素材の厚みをそれぞれt’,t’,t’とするとき、t’ >t’>t’となっている。
各領域における粘弾性素材の厚みを上記順序に設定したのは、以下の理由による。
粘弾性素材として、たとえばEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)を用意し、EVAの厚みを1〜5mmまで1mm刻みで変化させてアッパー部材に挿入した場合において、キック後のボール速度およびキック時のボール接触時間についてシミュレーション試験を行った結果を図8に示す。同図に示すように、EVAの厚みが増すほど、キック時のボール接触時間はほぼ増加する傾向にあることが分かる。
そこで、このようなシミュレーション試験結果を踏まえ、キック時に最も長いボール接触時間を要求されるインフロントキック領域の厚みを最も厚くするとともに、キック時にボール接触時間が最も短くて足りるインサイドキック領域の粘弾性素材の厚みを最も薄くし、インステップキック領域の粘弾性素材の厚みをこれらの中間の厚みとしたのである。
請求項8の発明においては、インステップキック領域の粘弾性素材の厚みが5mm以下、インフロントキック領域の粘弾性素材の厚みが6mm以下、インサイドキック領域の粘弾性素材の厚みが3mm以下となっている。
各領域における粘弾性素材の厚みの上限をこのように設定したのは、以下の理由による。
アッパー部材のインステップキック領域、インフロントキック領域およびインサイドキック領域の各領域における粘弾性素材の厚みを0.5,1,2,3,4,5,6,7mmと変化させた場合において、9人のサッカー選手に実際にシューズを履いてキックを行ってもらい、そのときに選手が主にシューズの屈曲性の観点から違和感を感じたかどうかの官能試験を行った。その結果を図9に示す。
図9から分かるように、インステップキック領域の粘弾性素材厚みついては、粘弾性素材厚みが6mm以上になると、9人すべての選手が違和感を感じており、このため、インステップキック領域の粘弾性素材厚みの上限を5mmとした。また、インフロントキック領域の粘弾性素材厚みついては、粘弾性素材厚みが7mm以上になると、9人すべての選手が違和感を感じており、このため、インフロントキック領域の粘弾性素材厚みの上限を6mmとした。さらに、インサイドキック領域の粘弾性素材厚みついては、粘弾性素材厚みが4mm以上になると、9人すべての選手が違和感を感じており、このため、インサイドキック領域の粘弾性素材厚みの上限を3mmとした。
請求項9の発明においては、前記いずれかの領域の少なくとも一部において、コーティング層または粘弾性素材がテーパ状の厚みを有しており、当該テーパ状の厚みを有している領域とその隣の領域との境界部位において、各領域のコーティング層または粘弾性素材の厚みが等しくなっている。
請求項10の発明では、インステップキック領域が、平面視において着用者の足の第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨中央部にかけての領域を覆うとともに、側面視において第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨中央部にかけての領域の主に上側部分を覆う領域である。また、インサイドキック領域は、平面視において第1趾基節骨骨底部から第1趾中足骨をへて内側楔状骨骨頭部にかけての領域の主に内甲側部分を覆うとともに、側面視において第1趾基節骨骨底部から第1趾中足骨をへて内側楔状骨にかけての領域を覆う領域である。インフロントキック領域は、平面視において第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨をへて内側楔状骨骨頭部にかけての領域を覆うとともに、側面視において第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨をへて内側楔状骨にかけての領域を覆う領域である。
請求項10の発明は、図3ないし図5を用いて説明したように、一流のサッカー選手に実際にキックを行ってもらってそのときに足に作用する圧力の高い領域を検証することによって、構築されている。
請求項11の発明では、アッパー部材の表面の内甲側領域から足甲領域にかけて、実質的に幅方向に延びる複数の溝が形成されており、これらの溝のうちの一つが足の中足趾節関節に対応する位置に配置され、当該溝の前側および後側の溝が、足甲側にいくにしたがい当該溝に徐々に接近する方向に配設されており、各溝が全体として扇状に配設されている。
この場合には、アッパー部材表面の内甲側領域から足甲領域にかけて複数の溝を形成したので、アッパー部材表層部にコーティング層が形成されたりまたは粘弾性素材が挿入されたりした場合でも、足の屈曲動作が阻害されるのを防止できる。しかも、この場合には、複数の溝が、足の中足趾節関節に対応する位置に配置された溝を含むとともに、扇状に配設されているので、足の屈曲をよりスムーズに行えるようになる。
以上のように本発明によれば、アッパー部材の表層部をインステップキック領域、インサイドキック領域およびインフロントキック領域に分け、これらの領域のうちの少なくとも一つの領域にコーティング層を形成しまたは粘弾性素材を挿入するようにしたので、キックの種類に応じて十分なボールスピードを確保でき、適切なボールコントロールを行うことができるようになる。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例によるサッカーシューズの側面図である。同図に示すように、サッカーシューズ1は、下面に複数のスタッドSが設けられたソールSと、その上に固着されたアッパーUとから主として構成されている。
図2に示すように、アッパーUは、インステップキック領域U、インサイドキック領域Uおよびインフロントキック領域Uを有している。これらの領域は、図3ないし図5を用いてすでに説明したように、一流のサッカー選手10人にそれぞれインステップキック、インサイドキックおよびインフロントキックを行ってもらい、各キックの際にボールとの接触圧力が高いアッパー領域を科学的に検証した結果に基づいて求められたものである。
インステップキック領域Uは、インステップキック時に圧力の高い領域であって、図3(a)の圧力分布図より、平面視においては、着用者の足の第1趾基節骨PPの骨頭部近傍位置から第1趾中足骨Mの中央部にかけての領域を覆うとともに、同図(b)の圧力分布図より、側面視においては、第1趾基節骨PPの骨頭部近傍位置から第1趾中足骨Mの中央部にかけての領域の主に上側部分を覆う領域である。
インサイドキック領域Uは、インサイドキック時に圧力の高い領域であって、当該領域は、図4(a)の圧力分布図より、平面視においては、第1趾基節骨PPの骨底部から第1趾中足骨Mをへて内側楔状骨CBの骨頭部にかけての領域の主に内甲側部分を覆うとともに、同図(b)の圧力分布図より、側面視においては、第1趾基節骨PPの骨底部から第1趾中足骨Mをへて内側楔状骨CBにかけての領域を覆う領域であるが、本実施例では、インサイドキック領域Uとして、平面視および側面視のいずれの場合においても、とくに第1趾中足骨Mの中央部から後側部分の領域に着目することとした(図2参照)。
インフロントキック領域Uは、インフロントキック時に圧力の高い領域であって、図5(a)の圧力分布図より、平面視においては、第1趾基節骨PPの骨頭部近傍位置から第1趾中足骨Mをへて内側楔状骨CBの骨頭部にかけての領域を覆うとともに、同図(b)の圧力分布図より、側面視においては、第1趾基節骨PPの骨頭部近傍位置から第1趾中足骨Mをへて内側楔状骨CBにかけての領域を覆う領域である。
ここで、図3ないし図5から分かるように、インステップキック領域Uは、平面視において、その一部がインフロントキック領域Uに包含されるとともに、インフロントキック領域Uを越えて第2趾近傍まで延在している。また、インステップキック領域Uは、側面視において、インフロントキック領域Uにほぼ包含されており、言い換えれば、インステップキック領域Uは、側面視において、その全体がインフロントキック領域Uの前側部分および上側部分とオーバラップしている。インサイドキック領域Uは、平面視において、インフロントキック領域Uにほぼ包含されており、言い換えれば、インサイドキック領域Uは、平面視において、その全体がインフロントキック領域Uの内甲側部分とオーバラップしている。さらに、インサイドキック領域Uは、側面視において、インフロントキック領域Uの若干後側に位置している。
このように、各領域が互いにオーバラップする部分を有しているので、図2に示すアッパー構造の場合には、側面視において、インステップキック領域Uは、着用者の足の第1趾基節骨PPの骨頭部近傍位置から第1趾中足骨Mの中央部にかけての領域を覆う領域とし、インフロントキック領域Uは、第1趾基節骨PPの骨頭部近傍位置から第1趾中足骨Mをへて内側楔状骨CBの骨頭部にかけての領域を覆う領域とし、インサイドキック領域Uは、第1趾中足骨Mの中央部から内側楔状骨CBの骨頭部にかけての領域を覆う領域としている。
また、平面視においては、インステップキック領域Uは、図3(a)の圧力分布図に基づいて、第1趾基節骨PPの骨頭部近傍位置から第1趾中足骨Mの中央部にかけての領域の主に上側部分を覆う領域し、インフロントキック領域Uは、図5(a)の圧力分布図に基づいて、第1趾基節骨PPの骨頭部近傍位置から第1趾中足骨Mをへて内側楔状骨CBにかけての領域を覆う領域とし、インサイドキック領域Uは、図4(a)の圧力分布図に基づいて、第1趾基節骨PPの骨底部から第1趾中足骨Mをへて内側楔状骨CBの骨頭部にかけての領域の主に内甲側部分を覆う領域としている。
本発明では、これらインステップキック領域U、インサイドキック領域U、インフロントキック領域Uのうちの少なくとも一つの領域に、例えば樹脂のコーティング層を形成しており、または粘弾性素材を挿入している。以下、本発明の代表的な実施例について説明する。
<第1の実施例>
第1の実施例では、インステップキック領域U、インフロントキック領域U、インサイドキック領域Uに形成されるコーティング層の厚みをそれぞれt,t,tとするとき、t>t>tとなっている。
この第1の実施例は、キック後のボール速度を優先したパターンを示している。各領域のコーティング層の厚みを上記順序に設定したのは、以下の理由による。
図6を用いてすでに説明したように、エネルギ吸収タイプのウレタン樹脂Aおよび高反発性タイプのウレタン樹脂Bという2種類の樹脂を用意し、それぞれについてアッパーUへのコーティング層の厚みを1〜5mmまで1mm刻みで変化させていった場合において、キック後のボール速度およびキック時のボール接触時間についてシミュレーション試験を行うと、いずれのタイプの樹脂コーティング層においても、コーティング層の厚みが増すほど、キック後のボール速度が増加する傾向にあることが分かった。
第1の実施例では、このようなシミュレーション試験結果を踏まえ、インステップキック領域U、インフロントキック領域Uおよびインサイドキック領域Uに、エネルギ吸収タイプまたは高反発性タイプの樹脂コーティング層をそれぞれ形成した。この場合において、まず、キック後に最も速いボール速度を要求されるインステップキック領域Uのコーティング層の厚みtを最も厚くし、次に、キック後のボール速度が最も遅くて足りるインサイドキック領域U(ただし、インフロントキック領域Uとのオーバラップ部分を除く)のコーティング層の厚みtを最も薄くし、最後に、インフロントキック領域U(ただし、インステップキック領域Uとのオーバラップ部分を除く)のコーティング層の厚みtをこれらの中間の厚みとしたのである。なお、インフロントキック領域にある程度の厚みのコーティング層を確保することは、ボール接触時間をある程度長く保つ必要があるインフロントキック領域の目的にも寄与することになる。
具体的には、各コーティング層の厚みは、インステップキック領域Uの厚みtが5mm以下、インフロントキック領域U(ただし、インステップキック領域Uとのオーバラップ部分を除く)の厚みtが4mm以下、インサイドキック領域U(ただし、インフロントキック領域Uとのオーバラップ部分を除く)の厚みtが2mm以下に設定されている。
各領域におけるコーティング層の厚みの上限をこのように設定したのは、以下の理由による。
図7を用いてすでに説明したように、アッパーUのインステップキック領域U、インフロントキック領域Uおよびインサイドキック領域Uの各コーティング層の厚みをそれぞれ0.5,1,2,3,4,5,6,7mmと変化させた場合において、9人のサッカー選手に実際にシューズを履いてキックを行ってもらい、そのときに選手が主にシューズの屈曲性の観点から違和感を感じたかどうかの官能試験を行った。
このような官能試験の結果、インステップキック領域Uのコーティング層厚みtについては、コーティング層厚みtが6mm以上になると、9人すべての選手が違和感を感じており、このため、インステップキック領域Uのコーティング層厚みtの上限を5mmとした。また、インフロントキック領域Uのコーティング層厚みtについては、コーティング層厚みtが5mm以上になると、9人すべての選手が違和感を感じており、このため、インフロントキック領域Uのコーティング層厚みtの上限を4mmとした。さらに、インサイドキック領域Uのコーティング層厚みtについては、コーティング層厚みtが3mm以上になると、9人すべての選手が違和感を感じており、このため、インサイドキック領域Uのコーティング層厚みtの上限を2mmとした。
官能試験の結果から求められた各コーティング層の厚みの上限値と、上述した各コーティング層の厚みが満たすべき大小関係とから、各コーティング層の厚みは、たとえばt=5,t=4,t=2に設定されている。
この場合には、インステップキック領域Uのコーティング層厚みtを最も厚くしたので、最も速いボール速度を要求されるインステップキックの際に確実にボール速度の速いボールを蹴り出すことができるようになる。また、この場合には、インステップキック領域Uのコーティング層厚みtを厚くすることで、インステップキック領域Uを包含する大部分のインフロントキック領域Uのコーティング層厚みも厚くなるので、高いトラクション性を要求されるインフロントキックの際にボールとの接触時間をある程度長くすることができ、これにより、ボールに対するトラクション性を向上でき、ボールコントロールを向上できる。
また、この場合には、インサイドキック領域Uのコーティング層厚みtを最も薄くしたので、インサイドキックの際には、他の領域に比べてキック後のボール速度を最も遅くすることができる。
このようにして、キックの種類に応じて十分なボールスピードを確保でき、適切なボールコントロールをある程度確保できるようになる。
<第2の実施例>
第2の実施例では、インステップキック領域U、インフロントキック領域U、インサイドキック領域Uに形成されるコーティング層の厚みをそれぞれt,t,tとするとき、t>t>tとなっている。
この第2の実施例は、キック時のボールコントロールを優先したパターンを示している。各領域のコーティング層の厚みを上記順序に設定したのは、以下の理由による。
図6のシミュレーション試験結果を用いてすでに説明したように、いずれのタイプの樹脂コーティング層においても、コーティング層の厚みが増すほど、キック時のボール接触時間が増加している。
第2の実施例では、このようなシミュレーション試験結果を踏まえ、インステップキック領域U、インフロントキック領域Uおよびインサイドキック領域Uに、エネルギ吸収タイプまたは高反発性タイプの樹脂コーティング層をそれぞれ形成した。この場合において、まず、キック時に最も長いボール接触時間を要求されるインフロントキック領域Uのコーティング層の厚みtを最も厚くし、次に、キック時のボール接触時間が最も短くて足りるインサイドキック領域U(ただし、インフロントキック領域Uとのオーバラップ部分を除く)のコーティング層tの厚みを最も薄くし、最後に、インステップキック領域U(ただし、インフロントキック領域Uとのオーバラップ部分を除く)をこれらの中間の厚みとしたのである。なお、インステップキック領域Uにある程度の厚みのコーティング層を確保することは、ボール速度を速くする必要があるインステップキック領域の目的にも寄与することになる。
具体的には、各コーティング層の厚みは、インステップキック領域Uが3mm以下、インフロントキック領域Uが4mm以下、インサイドキック領域Uが2mm以下に設定されている。
各領域におけるコーティング層の厚みの上限をこのように設定したのは、以下の理由による。
図7を用いてすでに説明したように、官能試験の結果からは、インステップキック領域Uのコーティング層厚みtの上限は5mmであり、インフロントキック領域Uのコーティング層厚みtの上限は4mmであり、インサイドキック領域Uのコーティング層厚みtのコーティング層厚みtの上限を2mmであるが、本実施例では、ボール速度よりもボールコントロールを優先しているため、最も高いボールコントロールを要求されるインフロントキック領域Uのコーティング層厚みtをインステップキック領域Uのコーティング層厚みtよりも厚くしたのである。
官能試験の結果およびボールコントロール性の観点から求められた各コーティング層の厚みの上限値と、上述した各コーティング層の厚みが満たすべき大小関係とから、各コーティング層の厚みは、たとえばt=3,t=4,t=2に設定されている。
この場合には、インフロントキック領域Uのコーティング層厚みtを最も厚くしたので、高いトラクション性を要求されるインフロントキックの際にボールとの接触時間を長くすることができ、これにより、ボールに対するトラクション性を向上でき、ボールコントロールを向上できる。
また、この場合には、インサイドキック領域Uのコーティング層厚みtを最も薄くしたので、インサイドキックの際には、他の領域に比べてキック時のボール接触時間を最も短くすることができる。また、インステップキック領域Uのコーティング層厚みtについても厚くインステップキックの際にある程度のボール速度を確保することができる。
このようにして、適切なボールコントロールを行うことができるようになる。
<第3の実施例>
第3の実施例は、前記第1および第2の実施例と異なり、各領域に粘弾性素材(たとえばEVA)を挿入している。インステップキック領域U、インフロントキック領域Uおよびインサイドキック領域Uに挿入される粘弾性素材の厚みをそれぞれt’,t’,t’とするとき、t’ >t’>t’となっている。
この第3の実施例は、キック時のボールコントロールを優先したパターンを示している。各領域のコーティング層の厚みを上記順序に設定したのは、以下の理由による。
図8を用いてすでに説明したように、粘弾性素材としてEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)を用意し、EVAの厚みを1〜5mmまで1mm刻みで変化させてアッパーUに挿入した場合において、キック後のボール速度およびキック時のボール接触時間についてシミュレーション試験を行うと、EVAの厚みが増すほど、キック後のボール速度は減少する一方、キック時のボール接触時間は増加する傾向にあることが分かった。
第3の実施例では、このようなシミュレーション試験結果を踏まえ、インステップキック領域U、インフロントキック領域Uおよびインサイドキック領域UにEVAをそれぞれ挿入した。この場合において、まず、キック時に最も長いボール接触時間を要求されるインフロントキック領域UにおけるEVAの厚みを最も厚くし、次に、キック時にボール接触時間が最も短くて足りるインサイドキック領域U(ただし、インフロントキック領域Uとのオーバラップ部分を除く)におけるEVAの厚みを最も薄くし、最後に、インステップキック領域U(ただし、インフロントキック領域Uとのオーバラップ部分を除く)におけるEVAの厚みをこれらの中間の厚みとしたのである。
具体的には、EVAの厚みは、インステップキック領域Uが5mm以下、インフロントキック領域Uが6mm以下、インサイドキック領域Uが3mm以下に設定されている。
各領域におけるEVAの厚みの上限をこのように設定したのは、以下の理由による。
図9を用いてすでに説明したように、アッパーUのインステップキック領域U、インフロントキック領域Uおよびインサイドキック領域Uの各EVAの厚みをそれぞれ0.5,1,2,3,4,5,6,7mmと変化させた場合において、9人のサッカー選手に実際にシューズを履いてキックを行ってもらい、そのときに選手が主にシューズの屈曲性の観点から違和感を感じたかどうかの官能試験を行った。
このような官能試験の結果、インステップキック領域UのEVA厚みt’については、EVA厚みtが6mm以上になると、9人すべての選手が違和感を感じており、このため、インステップキック領域UのEVA厚みt’の上限を5mmとした。また、インフロントキック領域UのEVA厚みt’については、EVA厚みt’が7mm以上になると、9人すべての選手が違和感を感じており、このため、インフロントキック領域UのEVA厚みt’の上限を6mmとした。さらに、インサイドキック領域UのEVA厚みt’については、EVA厚みt’が4mm以上になると、9人すべての選手が違和感を感じており、このため、インサイドキック領域UのEVA厚みt’の上限を3mmとした。
官能試験の結果から求められた各EVA厚みの上限値と、上述したEVA厚みが満たすべき大小関係とから、各EVA厚みは、たとえばt’=4,t’=5,t’=3に設定されている。
この場合には、インフロントキック領域UのEVA厚みt’を最も厚くしたので、高いトラクション性を要求されるインフロントキックの際にボールとの接触時間を長くすることができ、これにより、ボールに対するトラクション性を向上でき、ボールコントロールを向上できる。
また、この場合には、インサイドキック領域UのEVA厚みt’を最も薄くしたので、インサイドキックの際には、他の領域に比べてキック時のボール接触時間を最も短くすることができる。さらに、インステップキック領域UのEVA厚みt’を中間の厚みとしたので、インステップキックの際にある程度のボール接触時間を確保することができる。
このようにして、適切なボールコントロールを行うことができるようになる。
<第4の実施例>
第4の実施例では、図1および図10に示すように、アッパーUの表面の内甲側領域から足甲領域にかけて、実質的に幅方向に延びる複数の溝Mが形成されている。これらの溝Mは、アッパーUの表層部へのコーティング層の形成または粘弾性素材の挿入により、シューズの屈曲が妨げられないようにするためのものである。
これらの溝のうち、中間に配置された溝Mは、足の中足趾節関節に対応する位置に配置されており、溝Mの前側および後側に配置された溝M,Mは、足甲側にいくにしたがい溝Mに徐々に接近する方向に配設されており、各溝が全体として扇状に配設されている。各溝の配設位置は、選手に実際にシューズを履いてもらって前後方向にダッシュをした際のアッパー前足部の屈曲の様子を高速度カメラで撮影することにより、求められる。
なお、前記第1および第2の実施例では、コーティング層として、ウレタン樹脂を例にとって説明したが、本発明は、他の樹脂やラバー素材からなるコーティング層にも適用可能である。
また、前記第3の実施例では、粘弾性素材として、EVAを例にとって説明したが、本発明は、粘弾性を有するその他の素材にも適用可能である。
前記各実施例では、コーティング層またはEVA層をそれぞれ単独で用いた例を示したが、本発明は、たとえばインステップキック領域にコーティング層を形成しかつインフロントキック領域にEVA層を形成するというように、コーティング層およびEVA層を組み合わせて用いる場合にも適用可能である。
前記各実施例においては、各領域におけるコーティング層またはEVA層の厚みが異なる場合を例にとって説明したが、本発明の適用はこれには限定されない。いずれかの領域の少なくとも一部において、コーティング層またはEVA層がテーパ状の厚みを有していてもよく、この場合には、当該テーパ状の厚みを有している領域とその隣の領域との境界部位において、各領域のコーティング層またはEVA層の厚みが等しくなる。
前記各実施例において、アッパー表層部のいずれかの領域にコーティング層を形成した場合には、当該領域の耐久性を向上でき、また、アッパー表層部の内部に粘弾性素材を挿入した場合には、当該領域のクッション性を向上でき、とくに足の発育が不十分なジュニアに好適のアッパー構造を実現できる。
前記各実施例では、サッカーシューズを例にとって説明したが、本発明は、ラグビーシューズやアメリカンフットボールシューズにも適用可能である。
本発明によるアッパー構造が適用されたサッカーシューズの側面図である。 前記サッカーシューズ(図1)においてアッパー表層部を仕切る各領域を説明するための図である。 インステップキック時の圧力分布図であって、(a)は圧力分布を上方から見た平面図であり、(b)は圧力分布を内甲側から見た側面図である。 インサイドキック時の圧力分布図であって、(a)は圧力分布を上方から見た平面図であり、(b)は圧力分布を内甲側から見た側面図である。 インフロントキック時の圧力分布図であって、(a)は圧力分布を上方から見た平面図であり、(b)は圧力分布を内甲側から見た側面図である。 樹脂コーティング層の厚みと、ボール速度またはボール接触時間との関係を示すグラフである。 各領域のコーティング層厚みを変えた場合の官能試験結果を示す図である。 EVAの厚みとボール速度またはボール接触時間との関係を示すグラフである。 各領域の粘弾性素材の厚みを変えた場合の官能試験結果を示す図である。 本発明によるアッパー構造を構成する複数の溝が形成されたサッカーシューズを示しており、(a)はサッカーシューズの平面図、(b)は側面図である。
符号の説明
1: サッカーシューズ

U: アッパー
: インステップキック領域
: インサイドキック領域
: インフロントキック領域

,t,t: 厚み

M: 溝

Claims (11)

  1. フットボールシューズのアッパー構造において、
    シューズの前足部を覆うアッパー部材を有し、
    前記アッパー部材の表層部をインステップキック領域、インサイドキック領域およびインフロントキック領域に分けるとともに、これらの領域のうちの少なくとも一つの領域にコーティング層を形成しまたは粘弾性素材を挿入している、
    ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。
  2. 請求項1において、
    前記コーティング層が樹脂またはラバー素材のコーティング層である、
    ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。
  3. 請求項1において、
    前記インステップキック領域、前記インフロントキック領域および前記インサイドキック領域に形成されるコーティング層の厚みをそれぞれt,t,tとするとき、t>t>tとなっている、
    ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。
  4. 請求項3において、
    前記コーティング層の厚みは、前記インステップキック領域が5mm以下、前記インフロントキック領域が4mm以下、前記インサイドキック領域が2mm以下となっている、
    ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。
  5. 請求項1において、
    前記インステップキック領域、前記インフロントキック領域および前記インサイドキック領域に形成されるコーティング層の厚みをそれぞれt,t,tとするとき、t>t>tとなっている、
    ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。
  6. 請求項5において、
    前記コーティング層の厚みは、前記インステップキック領域が3mm以下、前記インフロントキック領域が4mm以下、前記インサイドキック領域が2mm以下となっている、
    ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。
  7. 請求項1において、
    前記インステップキック領域、前記インフロントキック領域および前記インサイドキック領域に挿入される粘弾性素材の厚みをそれぞれt’,t’,t’とするとき、t’ >t’>t’となっている、
    ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。
  8. 請求項7において、
    前記粘弾性素材の厚みは、前記インステップキック領域が5mm以下、前記インフロントキック領域が6mm以下、前記インサイドキック領域が3mm以下となっている、
    ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。
  9. 請求項3、5または7において、
    前記いずれかの領域の少なくとも一部において前記コーティング層または前記粘弾性素材がテーパ状の厚みを有しており、当該テーパ状の厚みを有している領域とその隣の領域との境界部位において、各領域の前記コーティング層または前記粘弾性素材の厚みが等しくなっている、
    ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。
  10. 請求項1において、
    前記インステップキック領域が、平面視において着用者の足の第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨中央部にかけての領域を覆うとともに、側面視において第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨中央部にかけての領域の主に上側部分を覆う領域であり、
    前記インサイドキック領域が、平面視において第1趾基節骨骨底部から第1趾中足骨をへて内側楔状骨骨頭部にかけての領域の主に内甲側部分を覆うとともに、側面視において第1趾基節骨骨底部から第1趾中足骨をへて内側楔状骨にかけての領域を覆う領域であり、
    前記インフロントキック領域が、平面視において第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨をへて内側楔状骨骨頭部にかけての領域を覆うとともに、側面視において第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨をへて内側楔状骨にかけての領域を覆う領域である、
    ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。
  11. 請求項1において、
    前記アッパー部材の表面の内甲側領域から足甲領域にかけて、実質的に幅方向に延びる複数の溝が形成されており、これらの溝のうちの一つは足の中足趾節関節に対応する位置に配置されており、当該溝の前側および後側に配置された溝は、足甲側にいくにしたがい当該溝に徐々に接近する方向に配設されており、各溝が全体として扇状に配設されている、
    ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。
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