JP2006305040A - フットボールシューズのアッパー構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フットボールシューズのアッパー構造において、シューズ1の前足部を覆うアッパー部材Uを設け、アッパー部材Uの表層部をインステップキック領域UP、インサイドキック領域Udおよびインフロントキック領域Utに分ける。これらの領域のうちの少なくとも一つの領域に樹脂コーティング層を形成し、またはEVAを挿入する。
【選択図】 図2
Description
エネルギ吸収タイプの樹脂Aおよび高反発性タイプの樹脂Bという2種類の樹脂を用意し、それぞれについてアッパー部材へのコーティング層の厚みを1〜5mmまで1mm刻みで変化させていった場合において、キック後のボール速度およびキック時のボール接触時間についてシミュレーション試験を行った結果を図6に示す。同図に示すように、いずれのタイプの樹脂コーティング層においても、コーティング層の厚みが増すほど、キック後のボール速度が増加していることが分かる。
アッパー部材のインステップキック領域、インフロントキック領域およびインサイドキック領域の各領域のコーティング層の厚みを0.5,1,2,3,4,5,6,7mmと変化させた場合において、9人のサッカー選手に実際にシューズを履いてキックを行ってもらい、そのときに選手が主にシューズの屈曲性の観点から違和感を感じたかどうかの官能試験を行った。その結果を図7に示す。
図6のシミュレーション試験結果から分かるように、いずれのタイプの樹脂コーティング層においても、コーティング層の厚みが増すほど、キック時のボール接触時間が増加する傾向にある。
粘弾性素材として、たとえばEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)を用意し、EVAの厚みを1〜5mmまで1mm刻みで変化させてアッパー部材に挿入した場合において、キック後のボール速度およびキック時のボール接触時間についてシミュレーション試験を行った結果を図8に示す。同図に示すように、EVAの厚みが増すほど、キック時のボール接触時間はほぼ増加する傾向にあることが分かる。
アッパー部材のインステップキック領域、インフロントキック領域およびインサイドキック領域の各領域における粘弾性素材の厚みを0.5,1,2,3,4,5,6,7mmと変化させた場合において、9人のサッカー選手に実際にシューズを履いてキックを行ってもらい、そのときに選手が主にシューズの屈曲性の観点から違和感を感じたかどうかの官能試験を行った。その結果を図9に示す。
図1は、本発明の一実施例によるサッカーシューズの側面図である。同図に示すように、サッカーシューズ1は、下面に複数のスタッドScが設けられたソールSと、その上に固着されたアッパーUとから主として構成されている。
第1の実施例では、インステップキック領域Up、インフロントキック領域Ut、インサイドキック領域Udに形成されるコーティング層の厚みをそれぞれtp,tt,tdとするとき、tp>tt>tdとなっている。
図6を用いてすでに説明したように、エネルギ吸収タイプのウレタン樹脂Aおよび高反発性タイプのウレタン樹脂Bという2種類の樹脂を用意し、それぞれについてアッパーUへのコーティング層の厚みを1〜5mmまで1mm刻みで変化させていった場合において、キック後のボール速度およびキック時のボール接触時間についてシミュレーション試験を行うと、いずれのタイプの樹脂コーティング層においても、コーティング層の厚みが増すほど、キック後のボール速度が増加する傾向にあることが分かった。
図7を用いてすでに説明したように、アッパーUのインステップキック領域Up、インフロントキック領域Utおよびインサイドキック領域Udの各コーティング層の厚みをそれぞれ0.5,1,2,3,4,5,6,7mmと変化させた場合において、9人のサッカー選手に実際にシューズを履いてキックを行ってもらい、そのときに選手が主にシューズの屈曲性の観点から違和感を感じたかどうかの官能試験を行った。
第2の実施例では、インステップキック領域Up、インフロントキック領域Ut、インサイドキック領域Udに形成されるコーティング層の厚みをそれぞれtp,tt,tdとするとき、tt>tp>tdとなっている。
図6のシミュレーション試験結果を用いてすでに説明したように、いずれのタイプの樹脂コーティング層においても、コーティング層の厚みが増すほど、キック時のボール接触時間が増加している。
図7を用いてすでに説明したように、官能試験の結果からは、インステップキック領域Upのコーティング層厚みtpの上限は5mmであり、インフロントキック領域Utのコーティング層厚みttの上限は4mmであり、インサイドキック領域Udのコーティング層厚みtdのコーティング層厚みtdの上限を2mmであるが、本実施例では、ボール速度よりもボールコントロールを優先しているため、最も高いボールコントロールを要求されるインフロントキック領域Utのコーティング層厚みttをインステップキック領域Upのコーティング層厚みtpよりも厚くしたのである。
このようにして、適切なボールコントロールを行うことができるようになる。
第3の実施例は、前記第1および第2の実施例と異なり、各領域に粘弾性素材(たとえばEVA)を挿入している。インステップキック領域Up、インフロントキック領域Utおよびインサイドキック領域Udに挿入される粘弾性素材の厚みをそれぞれtp’,tt’,td’とするとき、tt’ >tp’>td’となっている。
図8を用いてすでに説明したように、粘弾性素材としてEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)を用意し、EVAの厚みを1〜5mmまで1mm刻みで変化させてアッパーUに挿入した場合において、キック後のボール速度およびキック時のボール接触時間についてシミュレーション試験を行うと、EVAの厚みが増すほど、キック後のボール速度は減少する一方、キック時のボール接触時間は増加する傾向にあることが分かった。
図9を用いてすでに説明したように、アッパーUのインステップキック領域Up、インフロントキック領域Utおよびインサイドキック領域Udの各EVAの厚みをそれぞれ0.5,1,2,3,4,5,6,7mmと変化させた場合において、9人のサッカー選手に実際にシューズを履いてキックを行ってもらい、そのときに選手が主にシューズの屈曲性の観点から違和感を感じたかどうかの官能試験を行った。
このようにして、適切なボールコントロールを行うことができるようになる。
第4の実施例では、図1および図10に示すように、アッパーUの表面の内甲側領域から足甲領域にかけて、実質的に幅方向に延びる複数の溝Mが形成されている。これらの溝Mは、アッパーUの表層部へのコーティング層の形成または粘弾性素材の挿入により、シューズの屈曲が妨げられないようにするためのものである。
U: アッパー
Up: インステップキック領域
Ud: インサイドキック領域
Ut: インフロントキック領域
tp,td,tt: 厚み
M: 溝
Claims (11)
- フットボールシューズのアッパー構造において、
シューズの前足部を覆うアッパー部材を有し、
前記アッパー部材の表層部をインステップキック領域、インサイドキック領域およびインフロントキック領域に分けるとともに、これらの領域のうちの少なくとも一つの領域にコーティング層を形成しまたは粘弾性素材を挿入している、
ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。 - 請求項1において、
前記コーティング層が樹脂またはラバー素材のコーティング層である、
ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。 - 請求項1において、
前記インステップキック領域、前記インフロントキック領域および前記インサイドキック領域に形成されるコーティング層の厚みをそれぞれtp,tt,tdとするとき、tp>tt>tdとなっている、
ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。 - 請求項3において、
前記コーティング層の厚みは、前記インステップキック領域が5mm以下、前記インフロントキック領域が4mm以下、前記インサイドキック領域が2mm以下となっている、
ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。 - 請求項1において、
前記インステップキック領域、前記インフロントキック領域および前記インサイドキック領域に形成されるコーティング層の厚みをそれぞれtp,tt,tdとするとき、tt>tp>tdとなっている、
ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。 - 請求項5において、
前記コーティング層の厚みは、前記インステップキック領域が3mm以下、前記インフロントキック領域が4mm以下、前記インサイドキック領域が2mm以下となっている、
ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。 - 請求項1において、
前記インステップキック領域、前記インフロントキック領域および前記インサイドキック領域に挿入される粘弾性素材の厚みをそれぞれtp’,tt’,td’とするとき、tt’ >tp’>td’となっている、
ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。 - 請求項7において、
前記粘弾性素材の厚みは、前記インステップキック領域が5mm以下、前記インフロントキック領域が6mm以下、前記インサイドキック領域が3mm以下となっている、
ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。 - 請求項3、5または7において、
前記いずれかの領域の少なくとも一部において前記コーティング層または前記粘弾性素材がテーパ状の厚みを有しており、当該テーパ状の厚みを有している領域とその隣の領域との境界部位において、各領域の前記コーティング層または前記粘弾性素材の厚みが等しくなっている、
ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。 - 請求項1において、
前記インステップキック領域が、平面視において着用者の足の第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨中央部にかけての領域を覆うとともに、側面視において第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨中央部にかけての領域の主に上側部分を覆う領域であり、
前記インサイドキック領域が、平面視において第1趾基節骨骨底部から第1趾中足骨をへて内側楔状骨骨頭部にかけての領域の主に内甲側部分を覆うとともに、側面視において第1趾基節骨骨底部から第1趾中足骨をへて内側楔状骨にかけての領域を覆う領域であり、
前記インフロントキック領域が、平面視において第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨をへて内側楔状骨骨頭部にかけての領域を覆うとともに、側面視において第1趾基節骨骨頭部近傍位置から第1趾中足骨をへて内側楔状骨にかけての領域を覆う領域である、
ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。 - 請求項1において、
前記アッパー部材の表面の内甲側領域から足甲領域にかけて、実質的に幅方向に延びる複数の溝が形成されており、これらの溝のうちの一つは足の中足趾節関節に対応する位置に配置されており、当該溝の前側および後側に配置された溝は、足甲側にいくにしたがい当該溝に徐々に接近する方向に配設されており、各溝が全体として扇状に配設されている、
ことを特徴とするフットボールシューズのアッパー構造。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP4820109B2 JP4820109B2 (ja) | 2011-11-24 |
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JP2005130835A Active JP4820109B2 (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | フットボールシューズのアッパー構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9038288B2 (en) | 2011-09-26 | 2015-05-26 | Nike, Inc. | Athletic footwear with ball control portions |
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JPS5986103U (ja) * | 1982-12-01 | 1984-06-11 | 株式会社アシックス | ボ−ル等の把持アタツチメントを備えた甲被を有する運動靴 |
JPH038147A (ja) * | 1989-06-05 | 1991-01-16 | Hitachi Ltd | 光デイスク |
JPH09140402A (ja) * | 1995-11-21 | 1997-06-03 | Okamoto Ind Inc | サッカーシューズ |
-
2005
- 2005-04-28 JP JP2005130835A patent/JP4820109B2/ja active Active
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