JP2006304270A - 復号化装置、逆量子化方法及びこれらのプログラム - Google Patents

復号化装置、逆量子化方法及びこれらのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 より適切な復号化処理を行う復号化装置を提供する。
【解決手段】 復号化装置2は、逆量子化値Rの頻度分布を、元データの変換係数Tの頻度分布にできるだけ近づけることによって、できるだけ元データに近い復号データを生成する。例えば、JPEG方式の標準技術では、逆量子化値が既定の一点にのみ分布させている。しかしながら、本復号化装置2は、量子化インデクス値の頻度分布に基づいて、元の変換係数の頻度分布を推定し、推定された変換係数の頻度分布に基づいて、逆量子化値を補正する。
【選択図】図3

Description

本発明は、符号化処理により生成された符号データを復号化する復号化装置に関する。特に、本発明は、データの量子化を伴う符号化処理により生成された符号データを、逆量子化を行うことにより復号化する復号化装置に関する。
例えば、非特許文献1は、JPEG標準を開示し、非特許文献2は、JPEG2000標準を開示する。
また、非特許文献3は、変換係数の頻度分布を合わせることによって、よく似たテクスチャを持つ画像を合成する手法を開示する。
また、特許文献1は、符号化時に予め実際の振幅値と量子化値との間の補正値を求めておき、復号時にその補正値を用いて補正する方法を開示する。
ITU−T勧告 T.81 ITU−T勧告 T.800 D. Heeger and J. Bergen, "Pyramid based texture analysis/synthesis," Computer Graphics, pp. 229-238, SIGGRAPH 95, 1995. 特開平7−248797号公報
本発明は、上述した背景からなされたものであり、符号データをより適切に復号化する復号化装置を提供することを目的とする。
[復号化装置]
上記目的を達成するために、本発明にかかる復号化装置は、量子化インデクス値の頻度分布を生成する分布生成手段と、前記分布生成手段により生成された量子化インデクスの頻度分布に基づいて、それぞれの量子化インデクス値に対応する逆量子化値を補正する補正手段とを有する。
好適には、前記分布生成手段により生成された頻度分布に基づいて、量子化インデクスの確率密度関数の期待値を算出する期待値算出手段をさらに有し、前記補正手段は、前記期待値算出手段により算出された期待値に基づいて、逆量子化値を補正する。
好適には、前記期待値算出手段は、前記分布生成手段により生成された頻度分布の少なくとも一部を近似する一次関数を用いて、前記確率密度関数を生成する。
好適には、前記期待値算出手段は、少なくとも、それぞれの量子化インデクスに対応する量子化区間の境界で、連続な関数となるように、前記頻度分布を折れ線で近似する。
好適には、前記期待値算出手段は、互いに隣接する2つの量子化インデクス値の頻度値を結ぶ一次関数を用いて、前記確率密度関数の少なくとも一部を生成する。
好適には、前記期待値算出手段は、注目量子化インデクス値について確率密度関数を決定する場合に、この注目量子化インデクス値の頻度値と、この注目量子化インデクス値と隣接する量子化インデクス値の頻度値との比、及び、前記注目量子化インデクス値の頻度値と前記隣接する量子化インデクス値の頻度値との差分に応じて、頻度分布を近似する一次関数を決定する。
好適には、前記期待値算出手段は、注目量子化インデクス値について確率密度関数を決定する場合に、この注目量子化インデクス値と、この注目量子化インデクス値に対応する量子化区間の中央値とを用いて、前記頻度分布を近似する一次関数を決定する。
好適には、前記期待値算出手段は、注目量子化インデクス値について確率密度関数を決定する場合に、この注目量子化インデクス値の頻度値をh(q)とし、この注目量子化インデクス値の両隣の量子化インデクス値の頻度値をh(q−1)及びh(q+1)としたときに、中心の値をh(q)*h(q)/{1/(h(q)+h(q-1))+1/(h(q)+h(q+1))}とし、この中心の値を用いて、前記頻度分布を近似する一次関数を決定する。
好適には、前記期待値算出手段は、既定のパラメータで形状が決定される分布関数であって、前記分布生成手段により生成された頻度分布を近似する分布関数を生成し、生成された分布関数を用いて、前記確率密度関数を生成する。
好適には、前記期待値算出手段は、量子化インデクス値の絶対値が既定値以下となる量子化区間について、前記分布関数を用いて前記確率密度関数を生成し、量子化インデクス値の絶対値が既定値よりも大きくなる量子化区間について、前記分布生成手段により生成された頻度分布を少なくとも1つの直線で近似する関数を用いて、前記確率密度関数を生成する。
好適には、前記期待値算出手段は、前記分布関数を用いて生成される確率密度関数と、前記直線で近似する関数を用いて生成される確率密度関数とを互いに連続に接続する。
好適には、前記期待値算出手段は、前記分布生成手段により生成された頻度分布との面積差が既定値以下となるような分布関数を生成する。
好適には、前記期待値算出手段は、前記分布生成手段により生成された頻度分布に基づいて、量子化インデクスの標準偏差を算出し、算出された標準偏差に基づいて、前記分布関数を生成する。
好適には、前記分布生成手段は、量子化インデクス値の頻度分布を示す標準偏差σを算出し、前記補正手段は、前記分布生成手段により算出された標準偏差σと、量子化区間の幅Dと、以下の2式:
Figure 2006304270
Figure 2006304270
とを用いて、補正値rを算出する。
好適には、前記分布生成手段により生成された頻度分布に基づいて、量子化インデクスの確率密度関数の期待値を量子化区間毎に算出する期待値算出手段をさらに有し、前記補正手段は、前記期待値算出手段により算出された量子化区間毎の期待値に基づいて、量子化区間毎の個別補正値を算出し、算出された個別補正値と、それぞれの量子化区間に対応する量子化インデクスの数とに基づいて、適用すべき補正値を決定する。
好適には、前記量子化インデクスは、変換符号化処理で生成される変換係数の種類に対応付けられており、前記分布生成手段は、変換係数の種類毎に、量子化インデクス値の頻度分布を生成し、前記分布生成手段により生成された頻度分布に基づいて、量子化インデクスの確率密度関数の期待値を、変換係数の種類毎に算出する期待値算出手段をさらに有し、前記補正手段は、前記期待値算出手段により算出された期待値に基づいて、変換係数の種類毎の個別補正値を算出し、算出された個別補正値と、それぞれの量子化区間に対応する量子化インデクスの数とに基づいて、適用すべき補正値を決定する。
好適には、前記分布生成手段により生成された頻度分布に基づいて、量子化インデクスの確率密度関数の期待値を量子化区間毎に算出する期待値算出手段をさらに有し、前記補正手段は、前記期待値算出手段により算出された量子化区間毎の期待値に基づいて、量子化区間毎の補正値を算出し、前記補正手段により算出された補正値のうち、逆量子化すべき量子化インデクスの量子化区間が一致する補正値を適用して、逆量子化値を算出する逆量子化値算出手段をさらに有する。
好適には、前記量子化インデクスは、変換符号化処理で生成される変換係数の種類に対応付けられており、前記分布生成手段は、変換係数の種類毎に、量子化インデクス値の頻度分布を生成し、前記分布生成手段により生成された頻度分布に基づいて、量子化インデクスの確率密度関数の期待値を、変換係数の種類毎に算出する期待値算出手段をさらに有し、前記補正手段は、前記期待値算出手段により算出された期待値に基づいて、変換係数の種類毎の補正値を算出し、前記補正手段により算出された補正値のうち、逆量子化すべき量子化インデクスと変換係数の種類が一致する補正値を適用して、逆量子化値を算出する逆量子化値算出手段をさらに有する。
好適には、前記分布生成手段は、量子化インデクスのヒストグラムを作成し、前記期待値算出手段は、前記分布生成手段により生成されたヒストグラムに基づいて、互いに隣接する量子化区間の境界位置の頻度値を算出し、算出された境界位置の頻度値を用いて、前記確率密度関数を生成し、前記互いに隣接する量子化区間の境界位置の頻度値は、これらの量子化区間の頻度値に関して対称となるように算出される。
好適には、前記期待値算出手段は、互いに隣り合う2つの量子化区間の頻度値をh(q)及びh(q−1)とした場合に、既定の関数F()を用いて、これらの量子化区間の境界位置の頻度値として、h(q)及びh(q−1)の間をF(h(q)):F(h(q−1))に内分する値を算出する。
好適には、前記期待値算出手段は、前記関数F()として、F(x)=x(nは定数)として表すことのできる関数を用いる。
好適には、前記期待値算出手段は、連続する3つの量子化区間のうち、2番目の量子化区間の中間位置の確率密度関数値Iを算出する場合に、1番目の量子化区間と2番目の量子化区間との境界位置の確率密度関数値Aと、2番目の量子化区間と3番目の量子化区間との境界位置の隔離密度関数値Bと、2番目の量子化区間の頻度値H(q)と、以下の式:
I=2×H(q)−(A+B)/2
とを用いて、確率密度関数値Iを算出する。
好適には、前記期待値算出手段は、算出された確率密度関数値が負の値となった場合に、この確率密度関数値を0として、期待値を算出する。
[逆量子化方法]
また、本発明にかかる逆量子化方法は、量子化インデクス値の頻度分布を生成し、生成された量子化インデクスの頻度分布に基づいて、それぞれの量子化インデクス値に対応する逆量子化値を補正する。
[プログラム]
また、本発明にかかるプログラムは、量子化インデクス値の頻度分布を生成するステップと、生成された量子化インデクスの頻度分布に基づいて、それぞれの量子化インデクス値に対応する逆量子化値を補正するステップとをコンピュータに実行させる。
本発明の復号化装置によれば、符号データをより適切に復号化することができる。
まず、本発明の理解を助けるために、その背景及び概略を説明する。
画像データ及び音声データなどは、データ量が膨大であるため、圧縮してデータ量を削減して保持、伝送等を行うことが一般的である。例えば、カラー原稿や写真を画像スキャナで電子化した場合に生成される多値画像データ、あるいは、ディジタルカメラで風景等の写真を撮った場合に生成される多値画像データは、JPEG、あるいは、JPEG2000等の非可逆符号化方式で圧縮することにより、より小さなデータ量とすることができる。
これらの非可逆符号化を行った場合、符号化歪が発生することが問題となっている。特に、JPEG方式を適用する場合には、復号化された画像(復号画像)のDCTブロック境界に発生するブロック歪(符号化歪)が問題となっている。
まず、非可逆符号化の符号化歪がどのようなメカニズムで発生するかを説明する。
図1は、JPEG方式及びJPEG2000方式などの変換符号化方式の概略を説明する図であり、図1(A)は、符号化処理の概略を示し、図1(B)は、復号化処理の概略を示す。
図2は、変換符号化方式における量子化処理を説明する図である。なお、図2に示された変換係数T(c,i,j)及び量子化インデクスQ(c,i,j)は、変数c,i,jの関数である。また、変数cは、変換係数の種類を示すインデクスであり、例えば、8×8ブロックを用いたDCT変換であれば、64種類(8×8)存在する変換係数のいずれかを示す値(1〜64の整数など)であり、ウェーブレット変換であれば、1HH成分、1LH成分、1HL成分、2HH成分、2LH成分、2HL成分、・・・、NLLL成分のいずれかを示す値である。また、変数i,jは、各変換係数の位置を示す変数であり、例えば、DCT変換であれば、上からi番目、左からj番目のブロックのc番目の変換係数がT(c,i,j)と表され、ウェーブレット変換であれば、c番目の変換係数の、上からi番目、左からj番目のデータがT(c,i,j)と表される。
図1(A)に示すように、変換符号化方式の符号化処理では、入力画像Gに対して離散コサイン変換又はウェーブレット変換などの変換処理が施されて、入力画像Gの変換係数Tが生成され、この変換係数Tは、さらに量子化されて、量子化インデクスQとなる。量子化インデクスQは、エントロピ符号化(可逆符号化)されて、圧縮符号Fとなる。
ここで、量子化インデクスとは、量子化値を識別するための情報である。また、量子化値とは、一定の範囲(量子化区間)にある数値群が縮退する値であり、図2に例示するように、量子化区間「A−2」〜「A2」それぞれを代表する離散的な値(本例では、「−2×D(c)」〜「2×D(c)」)である。
このように生成された符号データ(圧縮符号F)は、図1(B)に示すように、エントロピ復号されて、量子化インデクスQとなる。この量子化インデクスQは、符号化時の量子化インデクスQと同じものである。
さらに、量子化インデクスQは、逆量子化され、変換係数(すなわち、逆量子化値)Rとなり、この変換係数Rが逆変換され、復号画像Hが生成される。
ここで、逆量子化値とは、量子化インデクス又は量子化値に基づいて生成され、復号データの復号化に用いられる値であり、例えば、JPEG方式又はJPEG2000方式の変換係数(量子化インデクスに対応付けられた変換係数)である。
以上のプロセスにおいて、符号化歪が発生するのは、量子化を行う時である。元画像の変換係数Tと、量子化インデクスQとの精度を比較すると、一般に変換係数Tの精度が量子化インデクスQよりも高い。そのため、量子化インデクスQを用いて再現した変換係数Rは、もともとの変換係数Tとは異なったものとなる。これが符号化歪の原因である。
次に、図2を参照して、量子化及び逆量子化をより詳細に説明する。
量子化は、各変換係数c毎に用意された量子化ステップ幅D(c)を用いて行う。量子化ステップ幅Dは、変換係数の種類cの関数である。例えば、JPEG方式であれば、量子化時に、以下の式で量子化インデクスQを算出する。
Q(c,i,j)=round(T(c,i,j)/D(c))
ここでround()は、入力値に最も近い整数を出力する関数である。
また、逆量子化時には、以下の式で逆量子化値Rを算出する。
R(c,i,j)=Q(c,i,j)×D(c)
あるいは、JPEG2000方式であれば、以下の式(数1)により、量子化インデクスQ及び逆量子化値Rを算出する。
Q(c,i,j)=sign(T(c,i,j))×floor(|T(c,i,j)|/D(c))
Q(c,i,j)>0である場合に、R(c,i,j)=(Q(c,i,j)+r)×D(c)
Q(c,i,j)<0である場合に、R(c,i,j)=(Q(c,i,j)-r)×D(c)
Q(c,i,j)=0である場合に、R(c,i,j)=0
・・・(数1)
ここで、sign()は、正負の符号を出力する関数、floorは、小数点以下を0とする関数、||は、絶対値を示す記号である。
また、rは、0から1までの範囲にある数値であり、典型的にはr=0.5を用いる。ただし、JPEG2000方式では、下位ビットを符号化しない場合があるが、ここでは、最下位ビットまで全て符号化する場合を具体例として説明する。
JPEG2000方式では、式(1)で示した補正値rを適切に設定すれば、より歪の小さな復号画像を得ることができる。このように、JPEG2000方式では、逆量子化値を量子化範囲の中心以外の値とすることで復号画質を向上させることができる。
また、JPEG方式でも、同様の補正値rを導入することにより、復号画像の画質を向上させることができる。具体的には、以下の式(数2)を用いて、逆量子化値を算出する。
Q(c,i,j)>0である場合に、R(c,i,j)=(Q(c,i,j)+r-0.5)×D(c)
Q(c,i,j)<0である場合に、R(c,i,j)=(Q(c,i,j)-r+0.5)×D(c)
Q(c,i,j)=0である場合に、R(c,i,j)=0
・・・(数2)
このように、適切な補正値rを用いて、逆量子化値を算出することにより、より再現性の高い復号化処理が可能となる。
次に、適切な補正値rの算出方法が問題となる。
図2は、変換符号化処理における量子化及び逆量子化を説明する図である。
図2に示すように、数直線x軸上に、変換係数T(元データ)が分布する。JPEG方式では、数直線xは、図2(A)に示されるように、A0、A1、…、A-1、A-2、…の領域(量子化区間)に分割される。
変換係数Tが、量子化区間A0の領域に存在している場合には、この変換係数Tに対応する量子化インデクスQは、0となる。同様に、変換係数Tが量子化区間Aqの領域に存在している場合には、この変換係数Tに対応する量子化インデクスQは、qとなる。
また、JPEG2000方式では、図2(B)に示すように、変換係数Tが量子化区間Aqの領域に存在している場合には、この変換係数Tに対応する量子化インデクスQは、qとなる。
また、この量子化インデクスを逆量子化する場合には、図2(B)に示された逆量子化値を取る。
ここで、問題を単純化するために、量子化インデクスQがq値となる量子化区間Aq内のみに関して考察する。変換係数Tは、量子化区間Aq内に存在しているとする。
この場合に、図2(C)に示されるように、量子化区間領域Aqは、d1≦x<d2の範囲であるとする。このとき、d1≦T<d2である。
ここで、量子化区間Aqにおける変換係数Tの出現確率を示す確率密度関数fT(x)を考える。確率密度関数fT(x)は、d1≦x<d2の範囲で定義されており、値xの生起確率を示す。
また、確率密度関数fT(x)を量子化区間d1≦x<d2の全範囲で積分すると、その積分値が1となるように定義されている。
このような確率密度関数fT(x)が存在しているとき、量子化前の変換係数T(元データ)と、逆量子化値Rとの自乗誤差を最小とするような逆量子化値は、「Vector Quantization and Signal Compression, Kluwer Academic Publishers, 177〜178ページ」によれば、以下の式(数3)により算出される逆量子化値Rである。
Figure 2006304270
上記の式(数3)により算出された値Rを、式(数1)あるいは式(数2)式に代入することで、自乗誤差を最小とする補正値rを決定することができる。
すなわち、元々の変換係数Tの確率密度関数を推定できればよい。
そこで、本実施形態における復号化装置2は、量子化インデクスQ(c,i,j)に基づいて、変換係数T(c,i,j)の確率密度を推定し、推定された確率密度に基づいて補正値rを決定する。
図3は、変換係数Tの頻度分布を例示する図である。
一般に、DCT係数あるいはウェーブレット変換係数は、図3(A)に例示されるような、ラプラス分布あるいは一般化ガウス分布をすると考えられている。このような分布をする確率変数を量子化するとき、量子化範囲は、図3(A)に示されるように分割される。このような場合、各量子化範囲内の確率密度は、図3(B)、(C)及び(D)に例示されるような形状を持つ。
本復号化装置2は、量子化インデクスQ(c,i,j)の頻度分布(例えば、ヒストグラム)を作成し、作成されたヒストグラムを用いて、変換係数Tの分布を推定する。
[実施形態]
以下、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態では、JPEG2000方式により符号化された符号データを復号化する場合を具体例として説明する。なお、本実施形態で説明する復号化処理は、概略において、ITU-T勧告T.800に記載されているものと同様であるが、本発明にかかる逆量子化処理を適用する点で異なる。
[ハードウェア構成]
まず、本実施形態における復号化装置2のハードウェア構成を説明する。
図4は、本発明にかかる逆量子化方法が適応される復号化装置2のハードウェア構成を、制御装置20を中心に例示する図である。
図4に例示するように、復号化装置2は、CPU202及びメモリ204などを含む制御装置20、通信装置22、HDD・CD装置などの記録装置24、並びに、LCD表示装置あるいはCRT表示装置及びキーボード・タッチパネルなどを含むユーザインターフェース装置(UI装置)26から構成される。
復号化装置2は、例えば、復号化プログラム5(後述)がインストールされた汎用コンピュータであり、通信装置22又は記録装置24などを介して符号データを取得し、取得された符号データを復号化して出力する。
[復号化プログラム]
図5は、制御装置20(図4)により実行され、本発明にかかる逆量子化方法を実現する復号化プログラム5の機能構成を例示する図である。
図5に例示するように、復号化プログラム5は、エントロピ復号部40、逆量子化部50及び逆変換部60を有する。
また、逆量子化部50は、ヒストグラム取得部500、確率密度関数推定部510、補正値推定部540及び逆量子化値出力部550を有し、確率密度関数推定部510は、折れ線近似部520及び関数推定部530を含む。
復号化プログラム5において、エントロピ復号部40は、入力された符号データを、エントロピ復号化して、逆量子化部50に出力する。
本例のエントロピ復号部40は、入力された符号データを復号化して、量子化インデクスQを生成し、生成された量子化インデクスを逆量子化部50に出力する。
逆量子化部50は、エントロピ復号部40から入力された量子化インデスクに基づいて、逆量子化値を生成し、生成された逆量子化値を逆変換部60に出力する。
逆変換部60は、逆量子化部50から入力された逆量子化値に基づいて、逆変換処理を行い、復号画像を生成する。
逆量子化部50において、ヒストグラム取得部500は、エントロピ復号部40から入力された量子化インデクスQ(c,i,j)に基づいて、各量子化インデクス値qに対するヒストグラムh(q)を取得する。
より具体的には、ヒストグラム取得部500は、入力された量子化インデクスQ(c,i,j)について、全てのc,i,jの組み合わせで各量子化インデクス値qとなる個数を計測して、量子化マトリクス値がqとなる量子化インデクスQの個数をh(q)とする。
折れ線近似部520は、ヒストグラム取得部500により取得されたヒストグラム(頻度分布)を折れ線で近似して、折れ線関数を作成する。すなわち、折れ線近似部520は、ヒストグラム取得部500により取得されたヒストグラムを用いて、変換係数Tの確率密度関数を近似する。以降は、変換係数Tそのものの確率密度関数ではなく、変換係数Tを量子化ステップ幅D(c)で正規化した値であるT(c,i,j)/D(c)の確率密度関数を考える。
なお、例えば、折れ線近似部520は、
f(x)=h(q)(ただし、x≦1かつq≦x<q+1、あるいは、x≦-1かつq-1<x≦qのとき)
f(x)=h(0)(ただし、-1<x<1のとき)
とすると、T(c,i,j)/D(c)の確率密度関数を、f(x)/∫f(x)で近似してもよいが、このままでは階段状の不連続な確率密度関数であるため、実際の変換係数Tの確率密度とは異なると考えられる。そのため、本例の折れ線近似部520は、連続かつより妥当と考えられる確率密度関数を推定する。
本例の折れ線近似部520は、ヒストグラムh(q)から、連続する3つの量子化インデクス値qに対応するヒストグラム値h(q-1),h(q),h(q+1)を抽出し、抽出されたヒストグラム値h(q-1),h(q),h(q+1)を用いて、折れ線関数を作成する。
より具体的には、折れ線近似部520は、|q|>0の各qに対して、それに隣接するヒストグラム値h(q-1),h(q),h(q+1)を抽出する。
ここで、量子化インデクス値がqとなるx=T(c,i,j)/D(c)の範囲(すなわち、量子化インデクスqの量子化範囲)を
q>0のとき、M1(q)≦x<M2(q)、
q<0のとき、M1(q)<x≦M2(q)
とし、M1(q)とM2(q)の中点をM(q)とする。
なお、JPEG2000方式の場合は、
q=0のとき、M(q)=0、M1(q)=-1、M2(q)=1
q>0のとき、M(q)=1.5×q、M1(q)=q、M2(q)=q+1
q<0のとき、M(q)=1.5×q、M1(q)=q-1、M2(q)=q
となる。
折れ線近似部520は、ヒストグラムで表された確率密度関数を、M1(q)からM2(q)までの範囲で折れ線近似する。
具体的には、座標(M(q-1),h(q-1))と座標(M(q),h(q))を結ぶ線分Aと、座標(M(q+1),h(q+1))と座標(M(q),h(q))を結ぶ線分Bとを考え、折れ線近似部520は、この二つの線分A,Bに相当する関数を用いて、M1(q)からM2(q)までの範囲を折れ線近似する。この折れ線近似関数を、Fq(x)と定義する。
これは、例えば、図6に示されるように、ヒストグラム値h(q-1),h(q),h(q+1)があった場合、各ヒストグラム値を結ぶ線分で確率密度を推定していることになる。
関数推定部530は、折れ線近似部520により作成された折れ線関数に基づいて、量子化インデクス値qに対応する部分確率密度関数fq(x)を生成する。
より具体的には、関数推定部530は、折れ線近似部520により生成された折れ線近似関数Fq(x)を、部分確率密度関数fq(x)に変換する。
ここで、量子化インデクス値qに対する部分確率密度関数fq(x)を、以下のように定義する。
上記線分Aと線分Bとで定義された確率密度関数Fq(x)は、M1(q)からM2(q)までの範囲で定義されている。ここで、M1(q)からM2(q)までの範囲を0から1までの範囲に変換できれば、0から1までの範囲をそのまま式(1)あるいは式(2)のr値に対応させることができる。このようにM1(q)からM2(q)までの範囲を0から1までの範囲に変換したものを、部分確率密度関数fq(x)とする。なお、式(1)あるいは式(2)に対応するため、q値が正の時と、q値が負の時では、逆の対応を取る。すなわち、部分確率密度関数fq(x)は、以下のように定義される。
q>0の時、M1→0、M2→1の対応を取る。
fq(x)=Fq{(M2(q)-M1(q))x+M1(q)}
q<0の時、M1→1、M2→0の対応を取る。
fq(x)=Fq{(M1(q)-M2(q))x+M2(q)}
関数推定部530は、上記の変換式により、部分確率密度関数fq(x)を得る。
補正値推定部540は、関数推定部530により生成された部分確率密度関数fq(x)を用いて、各量子化インデクス(各量子化区間)に対応する補正値rを算出する。
本例の補正値推定部540は、以下の式(数4)で演算を行い、補正値rを算出する。
Figure 2006304270
すなわち、補正値推定部540は、全ての部分確率密度関数fq(x)をxが0〜1の範囲で全て加算して正規化することによって得られた確率密度関数を用いて、xの期待値を算出し、算出された期待値を補正値rとする。
逆量子化値出力部550は、補正値推定部540により算出された補正値rを用いて、適用すべき逆量子化値を算出し、算出された逆量子化値を逆変換部60に出力する。
本例の逆量子化値出力部550は、上記の式(数1)又は式(数2)に、補正値rを代入して、適用すべき逆量子化値を算出する。
以上説明したように、本実施形態における復号化装置2は、量子化インデクスのヒストグラムを折れ近似することにより、部分確率密度関数fq(x)を生成し、生成された確率密度関数fq(x)を用いて補正値rを算出する。
[変形例1]
上記実施形態では、ヒストグラム値をそのまま結ぶことにより、変換係数の確率密度関数を推定した。このような推定は、簡易であることが利点であるが、次に示すような問題もある。
まず、前提として、ヒストグラム値をそのまま階段状にして近似した確率密度推定関数の各量子化範囲内の面積と、推定後の確率密度関数の各量子化範囲内の面積が等しいことが良い推定方式であるとする。
改善すべき点は以下である。
(1)上記実施形態における折れ線近似では、図7(A)に例示する斜線部の面積分が加わるため、もともとの階段状の確率密度関数近似の面積よりも大きくなってしまう。これを、避けるためには、x=M(q)のときのFq(x)の値を、h(q)よりも小さくすればよいが、隣接ヒストグラム値h(q-1)とh(q)の値との差分が大きく、かつ、h(q)の値が小さいときは、補正に限界がある。
(2)隣接ヒストグラム値h(q-1)、h(q)、h(q+1)が単調増加あるいは単調減少では無い場合、図7(B)に例示する斜線部の面積分だけ引かれるため、もともとの階段状の確率密度関数近似の面積よりも小さくなってしまう。逆に、ヒストグラム値h(q-1)、h(q)、h(q+1)が谷形状の場合は、面積が大きくなってしまう。
そこで、第1の変形例では、上記実施形態よりも若干複雑ではあるが、これらの問題を解消する以下に示す折れ線近似を行うものである。
なお、本変形例における復号化プログラム5の構成は、上記実施形態のもの(図5)と実質的に同一であるが、折れ線近似部520の動作のみが異なる。
以下、折れ線近似部520の動作を説明する。
本変形例の折れ線近似部520は、次の2点を実施する。
(第1点)量子化範囲の境界M1(q)とM2(q)における推定値Fq(M1(q))、Fq(M2(q))を、補正が可能な値にする。ここで、本変形例における補正とは、階段状の確率密度関数と、推定後の確率密度関数との面積を量子化範囲内でできるだけ等しくすることをいう。
(第2点)量子化範囲内のある点xにおける推定値Fq(x)を、できるだけ面積が変化しないように規定する。
具体的な折れ線近似方法を以下に示す。
(1)まず、折れ線近似部520は、図8(A)に例示するように、量子化範囲の境界M1(q)における推定値Fq(M1(q))を、Fq(M1(q))=h(q)とh(q-1)の間(すなわち、線分AB)をh(q):h(q-1)に内分する点として規定する。
具体的には、折れ線近似部520は、以下の演算により、推定値Fq(M1(q))を算出する。
Fq(M1(q))=2×h(q)×h(q-1)/(h(q)+h(q-1))
同様に、折れ線近似部520は、量子化範囲の境界M2(q)における推定値Fq(M2(q))(すなわち、Fq(M2(q))=h(q)とh(q+1)の間をh(q):h(q+1)に内分する点)を、以下の演算により、算出する。
Fq(M2(q))=2×h(q)×h(q+1)/(h(q)+h(q+1))
このようにすることによって、
h(q-1)>h(q)のとき、Fq(M1(q))-h(q)<h(q)とできる。
あるいは、
h(q+1)>h(q)のとき、Fq(M2(q))-h(q)<h(q)とできる。
よって、Fq(M(q))の値を小さく設定することができるため、図7に例示するような斜線部が十分に補正可能となる。
(2)次に、折れ線近似部520は、量子化範囲M1(q)〜M2(q)の間を4つに分割する。すなわち、量子化範囲M1(q)〜M2(q)の間を1:3に内分する点(すなわち、図8(B)に例示する点C)を、M3(q)とし、3:1に内分する点(すなわち、図8(B)に例示する点D)をM4(q)とする。
M3(q)=M1(q)+(1/4)×(M2(q)-M1(q))
M4(q)=M1(q)+(3/4)×(M2(q)-M1(q))
である。ここで、
Fq(M3(q))=h(q)、Fq(M4(q))=h(q)
とする。
(3)次に、折れ線近似部520は、h(q-1),h(q),h(q+1)が単調増加あるいは単調減少ではないとき、上記で示した4点を用いて折れ線近似する。すなわち、図8(B)に例示するように、
点A:座標(M1(q),2×h(q)×h(q-1)/(h(q)+h(q-1))
点B:座標(M2(q),2×h(q)×h(q+1)/(h(q)+h(q+1))
点C:座標(M3(q),h(q))
点D:座標(M4(q),h(q))
点E:直線ACと直線BDの交点
とすると、折れ線近似は、線分AE及び線分BEで表す。
h(q-1),h(q),h(q+1)が単調増加あるいは単調減少のとき、点Fの座標(M(q),h(q))として、折れ線近似は、線分AF及び線分BFで表す。
すなわち、折れ線近似部520は、h(q-1),h(q),h(q+1)が単調増加あるいは単調減少である場合に、直線ACと直線BDが量子化範囲内で交点を持つとは限らないため、場合分けが必要となる。
以上のように折れ線近似することによって、階段状の確率密度関数と、推定後の確率密度関数との面積を量子化範囲内でより等しくすることができる。
[変形例2]
上記第1の変形例では、直線ACと直線BDの交点を求める負荷が大きい。また、h(q-1),h(q),h(q+1)が単調増加あるいは単調減少かどうかの場合分けも負荷となる。
そこで、第2の変形例では、交点を求めずに、直線ACと直線BDそれぞれの、x=M(q)のときの値の平均値を用いて折れ線近似する。すなわち、
点A:座標(M1(q),2×h(q)×h(q-1)/(h(q)+h(q-1))
点B:座標(M2(q),2×h(q)×h(q+1)/(h(q)+h(q+1))
点G:座標(M(q),h(q)+{h(q)-2×h(q)×h(q-1)/(h(q)+h(q-1))})
とする。
すなわち、点Gを座標(M(q),2×h(q)2/(h(q)+h(q-1)))とし、同様に、点Hを座標(M(q),2×h(q)2/(h(q)+h(q+1)))とし、さらに、点Iを線分GHの中点とする。
この点Iの座標は、(M(q),h(q)2{1/(h(q)+h(q-1))+1/(h(q)+h(q+1))}となる。
このように点を定義したとき、本変形例における折れ線近似部520は、線分AI及び線分BIに相当する関数を用いて折れ線近似する。
図9(A)は、ヒストグラムh(q-1),h(q),h(q+1)が山型の形状を示す場合に相当し、図9(B)は、ヒストグラムh(q-1),h(q),h(q+1)が単調増加の形状を示す場合に相当する。
いずれの場合も、折れ線近似部520は、以下のように、各点を定義して、線分AI及び線分BIに相当する関数で折れ線近似する。
点A:座標(M1(q),2×h(q)×h(q-1)/(h(q)+h(q-1))
点B:座標(M2(q),2×h(q)×h(q+1)/(h(q)+h(q+1))
点I:座標(M(q),h(q)2{1/(h(q)+h(q-1))+1/(h(q)+h(q+1))}
なお、本変形例を場合分けして適用してもよい。
すなわち、折れ線近似部520は、ヒストグラムh(q-1),h(q),h(q+1)が単調増加あるいは単調減少ではないとき、図9に例示したように、点Gと点Hとの中点Iを導入して、線分AI及び線分BIに相当する関数で折れ線近似し、ヒストグラムh(q-1),h(q),h(q+1)が単調増加または単調減少であるとき、点F(すなわち、座標(M(q),h(q)))を導入して、線分AF及び線分BFに相当する関数で折れ線近似してもよい。
また、本変形例では、図9に例示するように、点Gと点Hとの中点Iを用いて、連続となるような確率密度関数としたが、必ずしも連続にしなくてもよい。
例えば、折れ線近似部520は、図9に例示する線分AG及び線分BHに相当する関数で折れ線近似を行ってもよい。すなわち、関数fq(x)は、以下のように定義される。
fq(x)=線分AG(ただし、M1(q)≦x<M(q))
fq(x)=線分BH(ただし、M(q)≦x<M2(q))
また、折れ線近似部520は、h(q-1),h(q),h(q+1)が単調増加あるいは単調減少ではないとき、
fq(x)=線分AG(ただし、M1(q)≦x<M(q))
fq(x)=線分BH(ただし、M(q)≦x<M2(q))
を用いて、不連続な折れ線近似を行い、h(q-1),h(q),h(q+1)が単調増加又は単調減少であるとき、点Fを座標(M(q),h(q))として、線分AF及び線分BFに相当する関数で折れ線近似してもよい。
なお、上記変形例2は、以下のように一般化できる。
点Aは、h(q)とh(q-1)の間をh(q)n :h(q-1)n に内分する点とする。すなわち、
点A:座標(M1(q), 2×h(q)n×h(q-1)n/(h(q)n+h(q-1)n))
同様に、点Bは、h(q)とh(q+1)の間をh(q)n : h(q+1)n に内分する点とする。すなわち、
点B:座標(M2(q), 2×h(q)n×h(q+1)n/(h(q)n+h(q+1)n))
また、点Iの座標は、以下とする。
点I:座標(M(q), 2×h(q)−(Pa+Pb)/2)
ただし、
Pa=2×h(q)n×h(q-1)n/(h(q)n+h(q-1)n)
Pb=2×h(q)n×h(q+1)n/(h(q)n+h(q+1)n)
上記nの値は実数であり、図9を参照して説明した上記変形例2は、n=1の場合に相当する。
また、折れ線近似部520は、所定の関数F()を用いて、ヒストグラムの境界に位置する点(点A及び点B)を算出し、算出された点を用いて折れ線近似してもよい。すなわち、上記では、点Aは、h(q)とh(q-1)の間をh(q)n : h(q-1)n に内分する点としたが、所定の関数F()を用いて、点Aは、h(q)とh(q-1)の間をF(h(q)):F(h(q-1))に内分する点としてもよい。このような点Aを採用する理由は、確率密度関数を連続にしたいからである。そして、このように様々な形状の関数F()を用いて、点を決めることにより確率密度関数を連続にすることが可能である。
さらに、上記では、点Aは、h(q)とh(q-1)の間をF(h(q)):F(h(q-1))に内分する点としたが、確率密度関数を連続にするためには、点Aの位置を、h(q)及びh(q-1)を入力として、h(q)とh(q-1)とを交換しても同じ値になるような関数値とすればよい。すなわち、互いに隣接するヒストグラムの境界における値(点A又は点Bの値)が、これらのヒストグラムの頻度値h(q)及びh(q-1)に関して対称となることが望ましい。
次に、確率密度関数であるため、その関数の値域は、正または0であることが望まれる。そのため、折れ線近似部520は、I<0であるときには、I=0とする例外処理を行う。
ただし、F(x)=xn 、かつ、n?1の場合には、I≧0となるため、上記例外処理(I=0とする処理)は必要ない。
[変形例3]
上記実施形態では、確率密度関数を折れ線近似で行ったが、第3の変形例では、曲線で確率密度関数を近似する。
図10は、第3の変形例における復号化プログラム52を例示する図である。なお、本図に示された各構成のうち、図5に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図10に例示するように、本変形例の復号化プログラム52は、図5に示された復号化プログラム5の折れ線近似部520を、パラメータ推定部560に置換した構成をとる。
パラメータ推定部560は、ヒストグラム取得部500により取得されたヒストグラムh(q)に基づいて、変換係数Tの分布を曲線で近似する。
本例のパラメータ推定部560は、量子化インデクスのヒストグラムに基づいて、変換係数Tの分布をラプラス分布で推定する。
まずラプラス分布の式は、以下で表すことができる。
Figure 2006304270
ラプラス分布の形状を推定するためには、パラメータ推定部560が上式のσを推定すればよい。
まず、パラメータ推定部560は、以下の式(数6)を用いて、ヒストグラムh(q)から、確率密度関数fhc(x)を算出する。
Figure 2006304270
ただし、この場合に、q=0は、-1<x<1に対応する。また、q=1,2,…は、q≦x<q+1に対応し、q=-1,-2,…は、q-1<x≦qに対応する。
このとき、図11に例示されるように、ラプラス関数L(x)とヒストグラムfhc(x)の違いができるだけ小さくなるようなσを求めればよい。
上記の「違いができるだけ小さくなる」ことを評価する関数として、以下の誤差関数Err(σ)を定義する。
Figure 2006304270
この誤差関数Errは、各量子化インデクス値q毎に求めた確率密度関数の面積の差分の絶対値を加算したものである。誤差関数Err(σ)の値が小さいほど、fhc(x)とL(x)は似ているといえる。パラメータ推定部560は、上記Err(σ)を最小にするようなσを、数値計算を行って求めればよい。
あるいは、パラメータ推定部560は、σの値を多く用意しておき、そのうちで上記Err関数が最も小さくなるσを採用すればよい。
あるいは、パラメータ推定部560は、単純に変換係数種類cごとに、量子化インデクスQ(c,i,j)の標準偏差を計算して、σを求めてもよい。
なお、本変形例では、ラプラス分布を用いる形態を具体例として説明したが、これに限定されるものではなく、パラメータを入力すると形状が決定できる関数であれば何でもよい。パラメータ数がN個ある場合には、多次元の最小化を行う数値演算を行えばよい。
例えば、パラメータ推定部560は、以下に示す一般化ガウス分布GG(x)を用いて、ヒストグラムを近似してもよい。
Figure 2006304270
なお、上記式中のΓ()は、ガンマ関数である。この分布は、パラメータα、βにより、形状が決定する。例えば、パラメータ推定部560は、上記誤差関数Errをガンマ関数GG(x)に適用して(すなわち、上記式(数7)のラプラス関数L(x)をガンマ関数GG(x)に変えて)、Errを最小化するパラメータα、βを求めればよい。
関数推定部530の説明を行う。
ここで、パラメータ推定部560により算出された確率密度関数が、LL(x)であるとする。
関数推定部530は、Fq(x)=LL(x)として以下の式により、部分確率密度関数fq()を求めればよい。
q>0の時、M1→0、M2→1の対応を取る。
fq(x)=Fq{(M2(q)-M1(q))x+M1(q)}
q<0の時、M1→1、M2→0の対応を取る。
fq(x)=Fq{(M1(q)-M2(q))x+M2(q)}
[変形例4]
上記変形例3では、予めパラメータ化された分布関数を仮定して、パラメータを推定すれば、曲線で構成された、より緻密な確率密度関数を推定することができる。ところが、問題は、上記のように予め仮定した分布関数が、実際の変換係数分布と一致するとは限らない点である。例えば、前記ラプラス分布あるいは一般化ガウス分布は、|x|に対して単調減少するが、実際の分布は単調減少するとは限らない。
そこで、第4の変形例では、折れ線近似と、分布関数を用いた曲線近似とを併用する。より具体的には、信号数(量子化インデクスの出現頻度)の多い|q|が、比較的値の小さな領域に対しては、比較的パラメータ化された分布関数近似を適用する。逆に、|q|が比較的大きな領域に対しては、パラメータ化された分布関数による近似が当てはまらない可能性があるため、|q|が比較的大きな領域では、確率密度の変化が比較的小さいので折れ線近似を適用する。
図12は、第4の変形例における復号化プログラム54の構成を示す図である。なお、本図に示された各構成のうち、図5又は図10に示された構成と実質的に同一のものには、同一の符号が付されている。
図12に例示するように、本変形例における復号化プログラム54は、図5に示された構成に、パラメータ推定部560を追加した構成をとる。
折れ線近似部520は、正の整数の閾値TH1を用意する。典型的にはTH1=1、あるいは、TH1=2等の値となる。
また、パラメータ推定部560により推定された確率密度関数がLL(x)であるとする。
折れ線近似部520は、|q|>TH1である場合に、上記実施形態又は上記変形例で示した折れ線近似を行い、Fq(x)を求める。
また、折れ線近似部520は、|q|=TH1である場合に、左右の点を規定する。すなわち、q=THのときに、折れ線近似部520は、左の点の値Fq(M1(q))を、パラメータ推定部560により求められた関数の代入値LL(M1(q))とし、右の点Fq(M2(q))を、パラメータ推定部560により求められた関数の代入値=LL(M2(q))とする。
上記実施形態又は上記変形例で示したように、折れ線近似部520は、3点(あるいは4点)を結ぶ線分を用いて折れ線近似を行う。上記で示されていない他の点については、折れ線近似部520は、上記実施形態又は上記変形例で示したものと同じ点を取って、折れ線近似を行う。
関数推定部530は、|q|≦TH1である場合に、折れ線近似部520により求められたFq(x)を、上記実施形態と同様の方法により部分密度関数fq()に変換し、|q|<TH1である場合に、変形例3と同様の方法により、部分密度関数fq()を求める。
[その他の変形例]
上記実施形態及び上記変形例では、各変換係数種類c及び量子化インデクス値qに対して統一されたr値を求める例を示した。ところが、r値は、各量子化インデクスqに対して別々の値をとってもよい。例えば、rをqの関数として、r(q)とすることができる。
この場合、補正値推定部540は、以下の式により、量子化インデクス値q毎に補正値r(q)を求めることができる。
Figure 2006304270
このとき、逆量子化値出力部550は、量子化インデクス値qに対応する補正値r(q)を用いて、逆量子化値を算出する。
同様に、r値は、変換係数種類cに対して別々の値をとってもよい。例えば、rをcの関数として、r(c)とすることができる。
この場合、ヒストグラム取得部500は、ヒストグラム値h(q)を、変換係数種類c毎に算出し、hc(q)とすればよい。
また、上記実施形態のh(q)を全てhc(q)と読み替えて、かつ、全ての処理を変換係数種類ごとに行えばよい。
その結果、部分確率密度関数fq(x)も、変換係数種類c毎に算出することになる。変換係数種類cに対応する部分確率密度関数をfcq(x)とする。
この場合、補正値推定部540は、変換係数種類c毎にr(c)を求めることができる。
このとき、逆量子化値出力部550は、変換係数種類cに対応するr(c)を用いて、逆量子化値を算出する。
また、同様に、r値は、変換係数種類c及び量子化インデクス値qの組合せに対して別々の値をとってもよい。例えば、補正値rを変換係数種類c及び量子化インデクス値qの関数として、r(c,q)とすることができる。
この場合、ヒストグラム取得部500は、ヒストグラム値h(q)を、変換係数種類毎に算出し、hc(q)とすればよい。また、h(q)を全てhc(q)と読み替えて、かつ、全ての処理を変換係数ごとに行えばよい。
このとき、逆量子化値出力部550は、量子化インデクス値q及び変換係数種類cの組合せに対応するr(c,Q(c,i,j))を用いて、逆量子化値を算出する。
また、上記実施形態では、ヒストグラムを計測するときに、変換係数種類cに関わらず頻度数を計測し、最終的に部分確率密度関数の和を取って、r値を推定していた。
しかしながら、復号化プログラム5は、まず、各変換係数種類c、あるいは、量子化インデクス値q毎に推定したr値を用いて、重み付け平均を取って統一されたr値を求めるようにしてもよい。
ここで、変換係数種類c、かつ、量子化インデクスqとなる信号の個数をp(c,q)とし、量子化インデクス値がqとなる信号の個数をp(q)とし、変換係数種類cとなる信号の個数をp(c)とする。
この場合に、復号化プログラム5は、以下の式により、r、r(q)、あるいは、r(c)を算出する。
Figure 2006304270
また、上記実施形態では、Fq()を求めてから、fq()に変換していたが、復号化プログラム5は、最初に量子化範囲内のT(c,i,j)/D(c)の値を、0〜1に変換して、次に直接fq()を求めるようにしてももちろんよい。
また、上記実施形態では、JPEG2000方式に適用する形態を具体例として説明したが、上記実施形態で説明した逆量子化は、JPEG方式の逆量子化に用いることができる。
この場合、以下の変更を行えばよい。
すなわち、ヒストグラム取得部500は、f(x)=h(q)(ただし、x≦0.5かつq-0.5≦x<q+0.5、あるいは、x≦-0.5かつq-0.5<x≦q+0.5のとき)、f(x)=h(0)(ただし、-0.5<x<0.5のとき)として、ヒストグラム関数を定義し、折れ線近似部520は、M(q)=q、M1(q)=q-0.5、M2(q)=q+0.5として、折れ線近似を行う。
また、パラメータ推定部560は、q=0を、-0.5<x<0.5に対応させ、q=1,2,…を、q-0.5≦x<q+0.5に対応させ、q=-1,-2,…を、q-0.5<x≦q+0.5に対応させて、ヒストグラムh(q)を、確率密度関数fhc(x)に変換する。
なお、上記変形例3において、パラメータ推定部560が、単純に変換係数種類cごとに、量子化インデクスQ(c,i,j)の標準偏差を計算して、σを求める方法を説明する。
パラメータ推定部560は、以下の式により、部分確率密度関数fq(x)を求めることができる。
Figure 2006304270
ただし、量子化インデクスがqとなるxの範囲をd1(q)〜d2(q)としている。また、量子化インデクスqにおける値rを、r(q)とする。
ここで、
Figure 2006304270
とすると、r(q)は、以下のように表される。
Figure 2006304270
f(x)がラプラス分布の場合、上記r(q)は、qに依存しない(すなわち、σとDの比のみに依存する)定数となる。したがって、関数G(q)は、以下の式のように表される。
Figure 2006304270
ただし、
Figure 2006304270
および、q≠0、q=0を得る。
よって、パラメータ推定部560は、以下の式により補正値rを算出することができる。
Figure 2006304270
すなわち、パラメータ推定部560は、量子化インデクスQのヒストグラムから、その変換係数種類の標準偏差σを推定する。量子化インデクスから変換係数の標準偏差を推定する手法としては、特開2004-80741に示された手法などを用いればよい。
そして、パラメータ推定部560は、推定された標準偏差(すなわち、量子化インデクスの標準偏差)に基づいて、r値を算出する。
なお、r値は、符号化時に算出されてもよく、この場合には、実際の変換係数の標準偏差に基づいて上記式(14)及び式(15)によりr値を算出し、算出されたr値を符号データに埋め込む。復号化プログラム5は、符号データに埋め込まれたr値に基づいて、逆量子化することができる。
本変形例では、変換係数の標準偏差を求めるだけで、簡単にr値を求めることができるため好適である。
JPEG方式及びJPEG2000方式などの変換符号化方式の概略を説明する図であり、(A)は、符号化処理の概略を示し、(B)は、復号化処理の概略を示す。 変換符号化方式における量子化処理を説明する図である。 変換係数の分布を例示する図である。 本発明にかかる逆量子化方法が適応される復号化装置2のハードウェア構成を、制御装置20を中心に例示する図である。 制御装置20(図4)により実行され、本発明にかかる逆量子化方法を実現する復号化プログラム5の機能構成を例示する図である。 折れ線近似を例示する図である。 折れ線近似とヒストグラムとの面積差を例示する図である。 第1の変形例における折れ線近似を説明する図である。 第2の変形例における折れ線近似を説明する図である。 第2の復号化プログラム52の構成を例示する図である。 ラプラス分布(分布関数)を用いた近似を説明する図である。 第3の復号化プログラム54の構成を例示する図である。
符号の説明
2・・・復号化装置
5・・・復号化プログラム
40・・・エントロピ復号部
50・・・逆量子化部
500・・・逆量子化値推定部
520・・・分布推定部
540・・・期待値推定部
560・・・乱数発生部
580・・・補正部
582・・・分布情報特定部
584・・・期待値シフト部
586・・・期待値補正部
590・・・逆量子化値出力部
60・・・逆変換部

Claims (25)

  1. 量子化インデクス値の頻度分布を生成する分布生成手段と、
    前記分布生成手段により生成された量子化インデクスの頻度分布に基づいて、それぞれの量子化インデクス値に対応する逆量子化値を補正する補正手段と
    を有する復号化装置。
  2. 前記分布生成手段により生成された頻度分布に基づいて、量子化インデクスの確率密度関数の期待値を算出する期待値算出手段
    をさらに有し、
    前記補正手段は、前記期待値算出手段により算出された期待値に基づいて、逆量子化値を補正する
    請求項1に記載の復号化装置。
  3. 前記期待値算出手段は、前記分布生成手段により生成された頻度分布の少なくとも一部を近似する一次関数を用いて、前記確率密度関数を生成する
    請求項2に記載の復号化装置。
  4. 前記期待値算出手段は、少なくとも、それぞれの量子化インデクスに対応する量子化区間の境界で、連続な関数となるように、前記頻度分布を折れ線で近似する
    請求項3に記載の復号化装置。
  5. 前記期待値算出手段は、互いに隣接する2つの量子化インデクス値の頻度値を結ぶ一次関数を用いて、前記確率密度関数の少なくとも一部を生成する
    請求項3に記載の復号化装置。
  6. 前記期待値算出手段は、注目量子化インデクス値について確率密度関数を決定する場合に、この注目量子化インデクス値の頻度値と、この注目量子化インデクス値と隣接する量子化インデクス値の頻度値との比、及び、前記注目量子化インデクス値の頻度値と前記隣接する量子化インデクス値の頻度値との差分に応じて、頻度分布を近似する一次関数を決定する
    請求項3又は4に記載の復号化装置。
  7. 前記期待値算出手段は、注目量子化インデクス値について確率密度関数を決定する場合に、この注目量子化インデクス値と、この注目量子化インデクス値に対応する量子化区間の中央値とを用いて、前記頻度分布を近似する一次関数を決定する
    請求項3〜6のいずれかに記載の復号化装置。
  8. 前記期待値算出手段は、注目量子化インデクス値について確率密度関数を決定する場合に、この注目量子化インデクス値の頻度値をh(q)とし、この注目量子化インデクス値の両隣の量子化インデクス値の頻度値をh(q−1)及びh(q+1)としたときに、中心の値をh(q)*h(q)/{1/(h(q)+h(q-1))+1/(h(q)+h(q+1))}とし、この中心の値を用いて、前記頻度分布を近似する一次関数を決定する
    請求項3〜6のいずれかに記載の復号化装置。
  9. 前記期待値算出手段は、既定のパラメータで形状が決定される分布関数であって、前記分布生成手段により生成された頻度分布を近似する分布関数を生成し、生成された分布関数を用いて、前記確率密度関数を生成する
    請求項2に記載の復号化装置。
  10. 前記期待値算出手段は、量子化インデクス値の絶対値が既定値以下となる量子化区間について、前記分布関数を用いて前記確率密度関数を生成し、量子化インデクス値の絶対値が既定値よりも大きくなる量子化区間について、前記分布生成手段により生成された頻度分布を少なくとも1つの直線で近似する関数を用いて、前記確率密度関数を生成する
    請求項9に記載の復号化装置。
  11. 前記期待値算出手段は、前記分布関数を用いて生成される確率密度関数と、前記直線で近似する関数を用いて生成される確率密度関数とを互いに連続に接続する
    請求項10に記載の復号化装置。
  12. 前記期待値算出手段は、前記分布生成手段により生成された頻度分布との面積差が既定値以下となるような分布関数を生成する
    請求項9に記載の復号化装置。
  13. 前記期待値算出手段は、前記分布生成手段により生成された頻度分布に基づいて、量子化インデクスの標準偏差を算出し、算出された標準偏差に基づいて、前記分布関数を生成する
    請求項9に記載の復号化装置。
  14. 前記分布生成手段は、量子化インデクス値の頻度分布を示す標準偏差σを算出し、
    前記補正手段は、前記分布生成手段により算出された標準偏差σと、量子化区間の幅Dと、以下の2式:
    Figure 2006304270
    Figure 2006304270
    とを用いて、補正値rを算出する
    請求項1に記載の復号化装置。
  15. 前記分布生成手段により生成された頻度分布に基づいて、量子化インデクスの確率密度関数の期待値を量子化区間毎に算出する期待値算出手段
    をさらに有し、
    前記補正手段は、前記期待値算出手段により算出された量子化区間毎の期待値に基づいて、量子化区間毎の個別補正値を算出し、算出された個別補正値と、それぞれの量子化区間に対応する量子化インデクスの数とに基づいて、適用すべき補正値を決定する
    請求項1に記載の復号化装置。
  16. 前記量子化インデクスは、変換符号化処理で生成される変換係数の種類に対応付けられており、
    前記分布生成手段は、変換係数の種類毎に、量子化インデクス値の頻度分布を生成し、
    前記分布生成手段により生成された頻度分布に基づいて、量子化インデクスの確率密度関数の期待値を、変換係数の種類毎に算出する期待値算出手段
    をさらに有し、
    前記補正手段は、前記期待値算出手段により算出された期待値に基づいて、変換係数の種類毎の個別補正値を算出し、算出された個別補正値と、それぞれの量子化区間に対応する量子化インデクスの数とに基づいて、適用すべき補正値を決定する
    請求項1に記載の復号化装置。
  17. 前記分布生成手段により生成された頻度分布に基づいて、量子化インデクスの確率密度関数の期待値を量子化区間毎に算出する期待値算出手段
    をさらに有し、
    前記補正手段は、前記期待値算出手段により算出された量子化区間毎の期待値に基づいて、量子化区間毎の補正値を算出し、
    前記補正手段により算出された補正値のうち、逆量子化すべき量子化インデクスの量子化区間が一致する補正値を適用して、逆量子化値を算出する逆量子化値算出手段
    をさらに有する
    請求項1に記載の復号化装置。
  18. 前記量子化インデクスは、変換符号化処理で生成される変換係数の種類に対応付けられており、
    前記分布生成手段は、変換係数の種類毎に、量子化インデクス値の頻度分布を生成し、
    前記分布生成手段により生成された頻度分布に基づいて、量子化インデクスの確率密度関数の期待値を、変換係数の種類毎に算出する期待値算出手段
    をさらに有し、
    前記補正手段は、前記期待値算出手段により算出された期待値に基づいて、変換係数の種類毎の補正値を算出し、
    前記補正手段により算出された補正値のうち、逆量子化すべき量子化インデクスと変換係数の種類が一致する補正値を適用して、逆量子化値を算出する逆量子化値算出手段
    をさらに有する
    請求項1に記載の復号化装置。
  19. 前記分布生成手段は、量子化インデクスのヒストグラムを作成し、
    前記期待値算出手段は、前記分布生成手段により生成されたヒストグラムに基づいて、互いに隣接する量子化区間の境界位置の頻度値を算出し、算出された境界位置の頻度値を用いて、前記確率密度関数を生成し、
    前記互いに隣接する量子化区間の境界位置の頻度値は、これらの量子化区間の頻度値に関して対称となるように算出される
    請求項2に記載の復号化装置。
  20. 前記期待値算出手段は、互いに隣り合う2つの量子化区間の頻度値をh(q)及びh(q−1)とした場合に、既定の関数F()を用いて、これらの量子化区間の境界位置の頻度値として、h(q)及びh(q−1)の間をF(h(q)):F(h(q−1))に内分する値を算出する
    請求項19に記載の復号化装置。
  21. 前記期待値算出手段は、前記関数F()として、F(x)=x(nは定数)として表すことのできる関数を用いる
    請求項20に記載の復号化装置。
  22. 前記期待値算出手段は、連続する3つの量子化区間のうち、2番目の量子化区間の中間位置の確率密度関数値Iを算出する場合に、1番目の量子化区間と2番目の量子化区間との境界位置の確率密度関数値Aと、2番目の量子化区間と3番目の量子化区間との境界位置の隔離密度関数値Bと、2番目の量子化区間の頻度値H(q)と、以下の式:
    I=2×H(q)−(A+B)/2
    とを用いて、確率密度関数値Iを算出する
    請求項2に記載の復号化装置。
  23. 前記期待値算出手段は、算出された確率密度関数値が負の値となった場合に、この確率密度関数値を0として、期待値を算出する
    請求項22に記載の復号化装置。
  24. 量子化インデクス値の頻度分布を生成し、
    生成された量子化インデクスの頻度分布に基づいて、それぞれの量子化インデクス値に対応する逆量子化値を補正する
    逆量子化方法。
  25. 量子化インデクス値の頻度分布を生成するステップと、
    生成された量子化インデクスの頻度分布に基づいて、それぞれの量子化インデクス値に対応する逆量子化値を補正するステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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