JP2006301853A - ミラーリングシステム、並びに、そのプログラムおよび記録媒体 - Google Patents

ミラーリングシステム、並びに、そのプログラムおよび記録媒体 Download PDF

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啓太 吉川
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Abstract

【課題】 比較的簡単に多重化できるにも拘わらず、より信頼性の高いミラーリングシステムを実現する。
【解決手段】 コンピュータ1は、ファイルシステムへの書き込み指示に基づいてハードディスクドライブにおける書き込みアドレスを特定するファイルシステムドライバ34と、それよりも下層の物理層に配されたIDEドライバ41とを備えており、当該IDEドライバ41は、書き込みアドレスへの書き込み指示を受け取ると、当該書き込みアドレスへデータへの書き込みを、複数のハードディスクドライブ21a・21bへ指示する。さらに、IDEドライバ41は、自己診断指示を受け付けた場合、上記複数のハードディスクドライブ21a・21bのそれぞれへ自己診断を指示すると共に、それぞれからの自己診断結果を、それぞれ別個に通知するように監視スレッド42へ指示する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、比較的簡単に多重化できるにも拘わらず、より信頼性の高いミラーリングシステム、並びに、そのプログラムおよび記録媒体に関するものである。
従来から、重要なデータを格納する場合、複数のディスクドライブへ同じデータを書き込むミラーリングシステムが使用されている。当該ミラーリングシステムでは、あるディスクドライブが破損して、当該ディスクドライブに書き込まれたデータが消失したとしても、他のディスクドライブには、同じ内容のデータが残っているので、当該ディスクドライブを参照すれば、データの消失を防止できる。
ここで、ミラーリングシステムをハードウェア回路によって実現すると、コンピュータやディスクシステムに、新たな回路を追加する必要があり、実現に要する費用が高価になりがちである。
したがって、従来から、コンピュータのプログラムによって、ミラーリングシステムを構築することが提案されている。例えば、後述の特許文献1に記載のミラーリングシステムでは、例えば、図12に示すように、I/Oマネージャ133からファイルシステムドライバ134への書き込み指示を監視するフィルタドライバ141が設けられており、当該フィルタドライバ141は、一方のハードディスク121aのファイルシステムへの書き込み指示を検出すると、当該書き込み指示とは別に、他方のハードディスク121bのファイルシステムへの書き込み指示もファイルシステムドライバ134へ送信する。この結果、ハードディスク121aのファイルシステムとハードディスク121bのファイルシステムとには、同じデータが書き込まれ、安価にミラーリングシステムを実現できる。
しかしながら、上記構成では、ミラーリングシステムを実現するための機能ブロックが、ファイルシステムドライバ134よりも上層に設けられているため、ミラーリング可能なファイルシステムの個数、ミラーリング可能な領域の配置や大きさが制限されるという問題を生ずる。
具体的には、上記フィルタドライバ141は、ファイルシステムドライバ134への書き込み指示を監視しているが、当該ファイルシステムドライバ134が受け取る書き込み指示は、例えば、ファイル名など、ファイルシステムを前提としたパラメータで与えられるため、ミラーリング可能なファイルシステムは、フィルタドライバ141が監視するファイルシステム1つに限定されてしまう。
さらに、一般に、オペレーティングシステム(OS)が格納される起動用のファイルシステムは、従来との互換性を保つために、データ格納用のファイルシステムに比べて、配置や容量などが制限されることが多く、OSとして、例えば、Windows NT(登録商標)を使用した場合、起動用のパーティションは、ディスクドライブ121a・121bの先頭の2Gバイト以内に配置することが要求される。したがって、上記ミラーリングシステムで、起動用のファイルシステムを多重化すると、多重化される記憶領域の配置や記憶容量が制限されてしまう。
また、後述の特許文献2では、フィルタドライバ141を設けて多重化する代わりに、ファイルシステムドライバ134の下層に設けられた物理層ドライバとしてのIDEドライバが多重化することによって、ハードディスクドライブ内のファイルシステム毎に多重化を行うドライバを設ける必要がなく、ハードディスクドライブ全体を一括して多重化可能なミラーリングシステムが記載されている。
特開2000−148401号公報(2000年5月30日公開) 特開2002−318776号公報(2002年10月31日公開)
しかしながら、上記特許文献2の構成では、比較的簡単に多重化できる一方で、OS(ファイルシステムドライバ)からは、複数のハードディスクドライブを1台のハードディスクドライブとして扱っているため、ファイルシステムドライバからは、S.M.A.R.T情報などのハードウェアの自己診断情報を取得することができないという問題を生じる。
ここで、上記自己診断機能を用いれば、ハードディスクドライブが正常に使用できなくなる前に、その前兆をとらえることができるので、例えば、故障前にハードディスクドライブを交換したり、故障しても直ぐにハードディスクドライブを交換できるように用意するなどの対応を取ることができ、システム全体の信頼性を向上できる。
特に、FA(Factory Automation)用途で使用されるコンピュータの場合は、OA用途で使用されるコンピュータなどと異なって、劣悪な環境で使用されることが多いため、故障が発生しやすく、より信頼性の高いシステムが切望されている。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的簡単に多重化できるにも拘わらず、より信頼性の高いミラーリングシステムを実現することにある。
本発明に係るミラーリングシステムは、上記課題を解決するために、ファイルシステムへの書き込み指示に基づいて記録媒体における書き込みアドレスを特定するファイルシステムドライバよりも下層の物理層に配された物理層ドライバを備え、当該物理層ドライバは、書き込みアドレスへの書き込み指示を受け取ると、当該書き込みアドレスへデータへの書き込みを、複数の記録装置へ指示するミラーリングシステムにおいて、上記複数の記録装置による自己診断結果を通知する通知手段を備え、上記物理層ドライバは、上記自己診断指示を受け付けた場合、上記複数の記録装置のそれぞれへ自己診断を指示すると共に、上記各記録装置からの自己診断結果を、それぞれ別個に通知するように上記通知手段へ指示することを特徴としている。
当該構成では、ファイルシステムへの書き込み指示を監視して複数のディスク装置へ同じデータを書き込む従来技術と異なり、ドライバが物理層に設けられており、当該物理層ドライバは、書き込み指示を、書き込みアドレスで受け取る。この結果、上記従来技術とは異なり、記録媒体内のファイルシステム毎に多重化を行うドライバを設ける必要がなく、記録装置全体を一括して多重化できる。したがって、比較的簡単に記録装置を多重化できる。
また、ファイルシステムドライバからは、1つの記録装置であると見なされているにも拘わらず、上記物理層ドライバは、上記自己診断指示を受け付けた場合、上記複数の記録装置のそれぞれへ自己診断を指示すると共に、上記各記録装置からの自己診断結果を、それぞれ別個に通知するように上記通知手段へ指示する。したがって、ファイルシステムドライバからは、1つの記録装置であると見なされているにも拘わらず、複数の記録装置、それぞれの自己診断結果を通知できる。この結果、それぞれの自己診断結果をユーザに通知でき、より早い時点で、例えば、壊れそうな記録装置を交換するなどの対処を促すことができる。したがって、ミラーリングシステムの信頼性を向上できる。
これらの結果、比較的簡単に多重化できるにも拘わらず、より信頼性の高いミラーリングシステムを実現できる。
また、上記構成に加えて、上記物理層ドライバは、上記各記録装置が正常にミラーリングしているか否かも監視して、監視結果も上記通知手段へ通知すると共に、上記通知手段は、上記各記録装置からの自己診断結果と同時に監視結果も表示してもよい。
当該構成では、上記通知手段は、各記録装置からの自己診断結果と同時に監視結果も表示するので、ユーザは、これらの情報を一度に把握できる。この結果、より早期の対応が可能なミラーリングシステムを実現できる。
さらに、上記構成に加えて、上記通知手段は、上記各記録装置が正常にミラーリングしていない場合、正常にミラーリングしていない記録装置の自己診断結果の表示を抑制してもよい。
ここで、上記構成では、各記録装置からの自己診断結果と同時に監視結果も表示しているので、、正常にミラーリングしていない記録装置の自己診断結果の表示も表示すると、記録装置が正常に動作しているにも拘わらず、正常にミラーリングしていない場合は、正常である旨の表示と異常である旨の表示とが混在し、ユーザの誤解を招く虞れがある。
これに対して、上記構成では、正常にミラーリングしていない記録装置の自己診断結果の表示を抑制するので、上記不具合の発生を防止でき、より的確にユーザに情報を提示できる。
また、上記構成に加えて、上記物理層ドライバは、自己診断の指示がより遅くなるように、上記各記録装置に対する、上記自己診断の指示と書き込みの指示との順序を変更してもよい。
当該構成では、自己診断の指示よりも書き込みの指示が優先して処理されるので、優先しない場合よりも、書き込み速度を向上させることができる。なお、自己診断結果は、比較的緩やかに変化するので、書き込みの指示を優先させても、何ら支障なく、自己診断結果を取得できる。
一方、本発明に係るプログラムは、上記ミラーリングシステムの物理層ドライバおよび通知手段として、コンピュータを動作させるプログラムであり、本発明に係る記録媒体には、当該プログラムが記録されている。
これらのプログラムがコンピュータによって実行されると、当該コンピュータは、上記ミラーリングシステムとして動作する。したがって、上記ミラーリングシステムと同様に、比較的簡単に多重化できるにも拘わらず、より信頼性の高いミラーリングシステムを実現できる。
上記構成によれば、ミラーリング処理する物理層ドライバが、上記自己診断指示を受け付けた場合、複数の記録装置のそれぞれへ自己診断を指示すると共に、上記各記録装置からの自己診断結果を、それぞれ別個に通知するように通知手段へ指示するので、比較的簡単に多重化できるにも拘わらず、より信頼性の高いミラーリングシステムを実現できる。したがって、FA用途のコンピュータをはじめとして、高い信頼性が要求される用途のミラーリングシステムとして広く好適に使用できる。
本発明の一実施形態について図1ないし図11に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、本実施形態に係るコンピュータは、複数のHDD(Hard Disk Drive )などの記録装置をミラーリングすることによって、通常は、OS(Operating System)が、これらの記憶装置を、1台の記録装置として認識しているにも拘わらず、それぞれのハードウェアの診断情報については、ユーザに別個に通知可能なコンピュータであって、例えば、制御システムのHMI(Human Machine Interface )としてのパネルコンピュータなどとして好適に用いられている。
以下では、ハードウェアの診断情報の通知処理について説明する前に、コンピュータ(ミラーリングシステム)全体の構成と、通常の読み書き処理について説明する。すなわち、図2に示すように、当該コンピュータ1は、コンピュータ1全体を統括制御するCPU(Central Processing Unit )11と、例えば、ROM(Read Only Memory)やFEEPROM(Flash Electrically Erasable and Programmable ROM)などの不揮発性メモリからなり、CPU11が起動時に実行される起動プログラムおよびCPU11の周辺回路を制御するための制御プログラムが格納されたBIOS−ROM(Basic Input / Output System -ROM)12と、上記制御プログラムによって起動時に参照されるパラメータを格納すると共に、バッテリバックアップされたCMOS−RAM(Complementary MOS-RAM)13と、例えば、DRAM(Dynamic Randam Acess Memory )などによって構成され、上記CPU11が作業用の領域などとして使用するメインメモリ14とを備えている。また、コンピュータ1には、ハードディスクドライブなどの記録装置と接続するためのIDE−インターフェース(IF)回路15と、例えば、表示装置や入力装置あるいは通信回路など、IDE(Intergrated Device Electoronics )以外の規格で、周辺機器と接続するためのインターフェース(IF)回路16とが設けられている。上記各部材11〜16は、CPU11に直結可能な内部バスや、例えば、PCI(Peripheral Component Interconnect )バスなど、ブリッジ回路を介して内部バスに接続される外部バスなどによって、互いに接続されており、上記CPU11は、メモリ12〜14を参照しながら、各IF回路15・16を制御できる。
さらに、本実施形態に係るコンピュータ1では、上記IDE−IF回路15に、2台のハードディスクドライブ21aおよび21bが接続されており、後述するIDEドライバ41によって、両ハードディスクドライブ21a・21bへ同じデータを書き込む。これにより、ハードディスクドライブ21a・21bの一方は、他方のミラーディスクとなり、ミラーリングシステムが実現される。
ここで、上記両ハードディスクドライブ21a・21bが特許請求の範囲に記載の記録装置に対応する。なお、両ハードディスクドライブ21a・21bには、同じデータが書き込まれるので、以降では、特定のハードディスクドライブ21aの記憶領域A1aのように、どちらのハードディスクドライブ側であるかを特定する必要がある場合は、特定するための英小文字(a/b)を末尾に付して参照し、どちらであるかが重要ではない場合には、ハードディスクドライブ21のように、英小文字を付さずに参照する。
本実施形態では、例えば、図3に示すように、上記ハードディスクドライブ21が2つのパーティションに分けられており、ハードディスクドライブ21の記憶領域には、図3に示すように、OSや後述するIDEドライバ41のプログラムが格納されるパーティション(例えば、Cドライブ)に対応する記憶領域A1と、他のプログラムやデータなどが格納されるパーティション(例えば、Dドライブ)に対応する記憶領域A2と、制御用の領域A0とが設けられている。当該制御用の領域A0には、上記各記憶領域A1・A2の配置を記憶するための基本パーティション領域A11や起動時に参照されるマスターブートレコード(MBR)が格納される領域A12などが含まれている。
なお、上記IDEドライバ41や後述する監視スレッド42あるいはOSのプログラムは、例えば、CD−ROMなどの種々の記録媒体の配布、あるいは、通信によって配布され、上記ハードディスクドライブ21に予めインストールされている。
ここで、上記ハードディスクドライブ21a(21b)が接続されるIDE−IF回路15は、例えば、CD−ROMドライブなどのデバイスを接続するために、製造当初からコンピュータ1に搭載されている標準のインターフェース回路であり、予め、コンピュータ1と一体に形成されている。また、当該IDE−IF回路15を制御して、ハードディスクドライブ(21aや21b)にアクセスするためのプログラムも、BIOS−ROM12に当初から格納されている。さらに、IDE−IF回路15には、マスターブートレコードやOSなどを格納する起動用の媒体として、少なくとも1台のハードディスクドライブが接続されている。また、データの保存用の記録媒体として、起動用の媒体になるハードディスクドライブとは別のハードディスクドライブが接続されていることも多い。
一方、本実施形態では、後述するIDEドライバ41が上記IDE−IF回路15を制御してミラーリングすると共に、ミラーリングに関係しないCD−ROMドライブなどのデバイスにもアクセスする。また、上述のように、ミラーリングシステムを構成するハードディスクドライブ21a(21b)には、マスターブートレコードやOSなどが格納されており、後述するように、障害の有無に拘らず、これらのディスクから起動できる。
したがって、コンピュータ1に既存のIDE−IF回路15およびハードディスクドライブを流用して、ミラーリングシステムを構築できる。具体的には、ミラーリングされていない複数のハードディスクドライブが上記IDE−IF回路15に接続されている状態で、当該コンピュータ1に上記IDEドライバ41を実現するためのドライバプログラムをインストールする。なお、これに伴い、両ハードディスクドライブ21a・21bの内容が同一になるように、一方のデータが他方に複写される。
この結果、ハードディスクドライブが1台の場合にのみ、さらに1台のハードディスクドライブを追加するだけで、殆どハードウェアを付加することなく、ミラーリングシステムを構成できる。これにより、ハードウェアを追加する場合に比べて、システムの構築コストを大幅に削減できる。なお、ハードディスクドライブが複数接続されている場合は、何らハードウェアを付加する必要がなく、さらに構築コストを削減できる。
一方、上記CMOS−RAM13には、起動用媒体を特定するためのパラメータを格納する記憶領域M1が設けられており、BIOS−ROM12内の起動プログラムを実行するCPU11は、当該パラメータを参照して、コンピュータ1が起動する際にアクセス可能な媒体(起動用媒体)のうち、今回の起動時に参照する媒体を特定し、当該媒体から起動する。
なお、起動用媒体は、当該媒体を参照して、コンピュータ1が起動できれば、例えば、ハードディスクドライブやフロッピーディスクあるいはCD−ROMなどの記録媒体であってもよいし、例えば、LANなどの通信媒体であってもよいが、本実施形態では、ハードディスクドライブ21から起動するために、ハードディスクドライブ21aまたは21bの一方(例えば、21a)を示すパラメータが上記記憶領域M1に格納されている。
上記構成において、図4に示すステップ1(以下では、S1のように略称する)にて、例えば、電源スイッチを押すなどして、コンピュータ1の起動が指示されると、S2〜S4において、CPU11は、BIOS−ROM12から起動プログラムを読み出して実行する。
より詳細には、S2において、CPU11は、メインメモリ14や各IF回路15・16にアクセスするなどして、コンピュータ1の各周辺回路が正常に動作しているかをチェックしたり、所定パラメータを各周辺回路へ設定したりして、予め定められた手順で、ハードウェアを初期化する。
さらに、S3において、CPU11は、CMOS−RAM13の記憶領域M1を参照し、次に動作するプログラム(OS)を読み取る媒体を特定する。ここで、上述したように、本実施形態では、当該記憶領域M1にハードディスクドライブ21aを示すパラメータが格納されている。したがって、CPU11は、S4において、BIOS−ROM12の起動プログラムに基づき、ハードディスクドライブ21aからOSを実現するためのプログラムをメインメモリ14に読み出して実行する。
ここで、後述するように、本実施形態に係るハードディスクドライブ21a・21bは、互いに同一のデータが格納されている。したがって、例えば、レベル0や3、5のRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks )システムのように、あるハードディスクドライブが破損しても他のハードディスクドライブの内容で当該ハードディスクドライブの内容を復帰できるように複数のハードディスクドライブへ冗長化してデータを格納する際、単体に記憶する場合と異なるデータ構造でデータを格納するシステムとは異なり、本実施形態に係るハードディスクドライブ21a・21bは、一方だけを見ると、多重化しないハードディスクドライブに格納されるデータ構造と同じである。したがって、データが多重化されているにも拘らず、単体のハードディスクドライブへアクセスするためのプログラムが、上記BIOS−ROM12に格納されていれば、CPU11は、何ら支障なく、ハードディスクドライブ21a(21b)に格納されたOSやIDEドライバ41のプログラムを読み出すことができる。
上記S4において、OSやIDEドライバ41のプログラムが読み出され、S5において、CPU11が、これらのプログラムの実行を開始すると、コンピュータ1には、図1に示す各機能ブロック31〜35・41・42が形成される。なお、これらのブロックを実現するためのプログラムは、例えば、CD−ROMなどの記録媒体から読み出してインストールしたり、インターネットなどの通信路から受信してインストールしたりして、予めハードディスクドライブ21に格納されている。
上記API処理部31は、予め定められたAPI(Application Programming Interface )で、アプリケーション32からの指示を受け取り、必要に応じて、より下層(ハードウェア側)の機能ブロックへ指示して、例えば、仮想メモリ上のメモリ領域やCPU時間など、コンピュータ1の資源の割り当て、入出力処理など、指示に応じた処理を行うことができる。
また、上記API処理部31の下層には、I/Oマネージャ33が形成され、上記APIのうち、入出力処理を処理できる。なお、入出力に関連する各ブロック34・35・41(後述)間の通信は、当該I/Oマネージャ33を介して行われる。
さらに、I/Oマネージャ33の下層には、ファイルシステムドライバ34が設けられており、例えば、ファイル名による入出力指示など、ファイルシステムによって抽象化された指示を受け取り、例えば、ハードディスクドライブ21における論理アドレスなど、記録媒体の記憶領域のうち、アクセスすべき記憶領域を決定する。一方、ファイルシステムドライバ34の下層には、バスドライバ35が設けられており、例えば、PCIバスに接続された各回路を制御する際に共通した処理を行うことができる。
また、本実施形態では、バスドライバ35の下層には、特許請求の範囲に記載の物理層ドライバとして、両ハードディスクドライブ21a・21bをミラーリングさせるためのIDEドライバ41が形成されている。当該IDEドライバ41は、上記論理アドレスで指定された領域への書き込み指示を受け取ると、ハードディスクドライブ21a・21bの双方に対して、当該論理アドレスへの書き込み指示を発行できる。なお、本実施形態では、ハードディスクドライブ21a・21bを直接制御する物理層に設けられたIDEドライバ41が、書き込みを多重化してミラーリングしているので、IDEドライバ41より上層のファイルシステムドライバ34およびバスドライバ35は、両ハードディスクドライブ21a・21bを1つのハードディスクドライブとして認識している。
加えて、本実施形態では、アプリケーション32の1つとして、監視スレッド(通知手段)42が形成されており、監視スレッド42は、IDEドライバ41から、あるハードディスクドライブ21(例えば、21a)への書き込みに失敗したことが通知されると、例えば、画面表示などによって、コンピュータ1のユーザへ異常発生を報知して、異常が発生したハードディスクドライブ(21a)の交換を促すことができる。さらに、監視スレッド42は、ユーザの操作などによって、ハードディスクドライブ(21a)が正常な部品に交換されたことを通知されると、例えば、ハードディスクドライブ21の全体を読み出し、同一の内容を書き込むように指示するなどして、異常が発生していないハードディスクドライブ(例えば、21b)の内容を、当該ハードディスクドライブ21aへ複写できる。これにより、両ハードディスクドライブ21a・21bは、再度、互いにミラーリングされた状態になる。
上記構成では、図5に示すS11において、アプリケーション32などがAPI処理部31へファイルシステムへの書き込みを指示すると、ファイルシステムドライバ34は、S12においてI/Oマネージャ33を介して当該指示を受け取り、ファイルシステムへの書き込み指示を、論理アドレスへの書き込み指示に変換する。
一方、IDEドライバ41は、S13において、上記ファイルシステムドライバ34から、I/Oマネージャ33、バスドライバ35およびI/Oマネージャ33を介して、論理アドレスへの書き込み指示を受け取ると、ハードディスクドライブ21a・21bの双方に対して、当該論理アドレスへの書き込み指示を発行する。これにより、両ハードディスクドライブ21a・21bには、同じデータが同じデータ構造で書き込まれる。
さらに、IDEドライバ41は、S14において、例えば、各ハードディスクドライブ21a・21bからの応答などに基づいて、書き込みに成功したか否かを判定し、書き込みに成功した場合、API処理部31へ正常書き込みを報告するなどして、書き込み処理を終了する。
ここで、上記IDEドライバ41は、書き込み指示を、論理アドレスで受け取る。この結果、図12に示す従来技術のように、ファイルシステムドライバ134の上層にファイルシステムドライバ134への書き込み指示を監視するフィルタドライバ141を設け、IDEドライバ135が、ファイルシステムドライバ134からハードディスクドライブ121aへの書き込み指示と、ハードディスクドライブ121bへの書き込み指示とを受け付ける構成とは異なって、ハードディスクドライブ21a(21b)の各パーティション毎に、フィルタドライバ151を設ける必要がなく、ハードディスクドライブ21a(21b)全体を一括してミラーリングできる。
加えて、OSとして、Windows NT(登録商標)を使用した場合、起動用のパーティションは、従来との互換性を保つために、ハードディスクドライブ21の先頭の2Gバイト以内に配置することが要求されるため、上記従来の構成では、起動パーティションをミラーリングしようとすると、ミラーリングするパーティションの配置や記憶容量が制限されてしまう。
ところが、本実施形態に係るIDEドライバ41は、図2に示すIDE−IF回路15を直接制御する物理層に設けられており、書き込み指示を論理アドレスで受け取るため、ハードディスクドライブ21を一括してミラーリングできる。したがって、上記パーティションの配置や記憶容量に制限されることなく、ミラーリングできる。
また、上記従来の構成では、フィルタドライバ151が、ファイルシステムドライバ134への書き込み指示を監視し、ハードディスクドライブ121aのファイルシステムへの書き込みを検出した場合、ハードディスクドライブ121bのファイルシステムにも書き込むように、ファイルシステムドライバ134へ指示する。これに対して、本実施形態では、IDEドライバ41が論理アドレスへの書き込み指示を受け取って、ハードディスクドライブ21a・21bへの書き込み指示へ多重化する。
この結果、上記従来の構成に比べて、書き込み指示が多重化されてから、実際に書き込むまでの処理量を削減でき、多重化された書き込み指示の処理に必要な演算量および時間を削減できる。これにより、ソフトウェアで多重化を行っているにも拘らず、従来よりも、ミラーリングのための処理中に、例えば、ページング処理など、メインメモリ14のデータをハードディスクドライブ21a・21bへ退避させる処理が発生する可能性を大幅に低減でき、確実にデータをミラーリングできる。
また、上記S14の判定において、両ハードディスクドライブ21a・21bの一方(例えば、21a)に、書き込み失敗が検出された場合(YES の場合)、上記IDEドライバ41は、ハードディスクドライブ21aが破損したと判定し、I/Oマネージャ33やAPI処理部31などを介して、監視スレッド42へ異常発生を通知する。さらに、監視スレッド42は、例えば、表示などによって、ユーザへ異常の発生を報告し、破損したハードディスクドライブ21aの交換を促す。
さらに、異常が発生した場合、IDEドライバ41は、S22において、以降の起動に支障をきたすか否かを判定すると共に、支障をきたす場合、CMOS−RAM13の記憶領域M1を書き換えて起動用媒体を変更する。ここで、上述の例では、記憶領域M1には、異常が発生したハードディスクドライブ21aからの起動を示すパラメータが格納されており、次回の起動に支障をきたす。この場合、IDEドライバ41は、当該パラメータを正常なハードディスクドライブ21bを示すように書き換える。
この状態で、OSが一度終了し、再び起動する場合、コンピュータ1のCPU11は、図4に示すS1〜S5の処理を行う。ここで、上記パラメータが変更されず、異常なハードディスクドライブ21aからの起動を示している場合、S3およびS4において、異常なハードディスクドライブ21aからOSやIDEドライバ41のプログラムが読み出されてしまい、CPU11が誤動作する虞れがある。
ところが、本実施形態に係るコンピュータ1では、図5に示すS22において、IDEドライバ41がパラメータを正常なハードディスクドライブ21bに書き換えるので、S3およびS4において、OSやIDEドライバ41のプログラムは、正常なハードディスクドライブ21bから読み出される。この結果、ハードディスクドライブ21aが破損しても正常に起動できる。
ところで、上記の説明では、IDEドライバ41がCMOS−RAM13のパラメータを変更して、異常発生後の起動に支障がないように、起動用媒体を変更したが、IDEドライバ41が監視スレッド42へ指示して、パラメータを変更してもよい。いずれの場合であっても、IDEドライバ41によって、パラメータが変更されれば、同様の効果が得られる。
また、別の起動用媒体の変更方法として、BIOS−ROM12の起動プログラムを実行するCPU11が、予め定められた複数の起動用媒体について、予め定められた順番で起動可能か否かを判定し、起動可能であれば、当該媒体から起動する構成の場合、IDEドライバ41は、上記CPU11によって、異常が発生したハードディスクドライブ21(例えば、21a)が起動不能と判断されるように、当該ハードディスクドライブ21aの領域のうち、MBRが記憶される領域A12aへ、例えば、予め定められたデータ列などを書き込んでもよい。
この場合、図6に示すように、CPU11は、図4のS1およびS2と同様に、起動が指示されると、周辺回路を初期化する。さらに、S3に代えて設けられたS31において、CPU11は、予め定められた順番で、各起動用媒体が起動可能か否かを判定して、OSやIDEドライバ41のプログラムを読み出すための媒体を決定する。
ここで、起動の可否を判定する順番として、ハードディスクドライブ21a・21bが設定されている場合、ハードディスクドライブ21a・21bの双方が正常に動作している間は、CPU11は、ハードディスクドライブ21aから起動する。ところが、ハードディスクドライブ21aに異常が発生すると、IDEドライバ41がハードディスクドライブ21aのMBR用の領域A12aを書き換えて起動不能にする。したがって、CPU11は、最初に、ハードディスクドライブ21aからの起動ができないと判定し、続いて、ハードディスクドライブ21bからの起動を試みる。この結果、ハードディスクドライブ21aが破損しても、何ら支障なく、正常に起動できる。
また、図6に示す構成の場合、IDEドライバ41は、ハードディスクドライブ21を書き換えて起動用媒体を切り換えているので、図4に示す場合と異なり、CMOS−RAM13において、起動用媒体を示すパラメータを格納する領域M1のアドレス位置を把握する必要がない。したがって、領域M1が異なる機種間で、IDEドライバ41を共用できる。
ところで、本実施形態に係るコンピュータ1は、上記のように、ハードディスクドライブ21a・21bをミラーリングすることによって、通常の読み書き時には、OS(Operating System)が、これらの記憶装置を、1台の記録装置として認識しているにも拘わらず、それぞれのハードウェアの診断情報については、ユーザに別個に通知できる。
具体的には、本実施形態に係るハードディスクドライブ21a・21bも、自己診断機能を有しており、予め定められた自己診断コマンドを受け付けると、ハードウェアを自己診断して、その結果をIDEドライバ41に返すことができる。
本実施形態では、ハードディスクドライブ21a・21bは、上記自己診断機能として、S.M.A.R.T(Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology)規格に従った機能を有しており、各機能が正常に動作しているか否かだけではなく、記録装置の周囲環境の測定結果、および、記録装置の状態を返すことができる。自己診断結果の一例としては、再配置されたセクタの数や、読み取りエラーが発生が発生した回数、データの転送速度、あるいは、温度などが挙げられる。
一方、本実施形態に係る監視スレッド42は、上述したように、ミラーリングの状態を監視したり、異常が発生したハードディスクドライブ(例えば、21b)を交換した後、正常なハードディスクドライブ(21a)の内容を当該ハードディスクドライブ21bに複写するように、IDEドライバ41へ指示するだけではなく、予め定められた周期で、例えば、通常のデータ読み書き時と同様にAPI処理部31などを介して指示したり、あるいは、IDEドライバ41へ直接指示したりして、IDEドライバ41へ上記自己診断コマンドをハードディスクドライブ21a・21bへ送信させることができる。
一方、IDEドライバ41は、各ハードディスクドライブ21a・21bのそれぞれから自己診断結果を受け取ると、通常の読み書き時とは異なって、監視スレッド42へ、それぞれの自己診断結果を通知して、それぞれの自己診断結果をユーザに通知させることができる。この結果、ユーザは、各ハードディスクドライブ21a・21bが破損する際の予兆を把握でき、より早い時点で、例えば、壊れそうなハードディスクドライブ21a・21bを交換できる。したがって、通常は、OSが各ハードディスクドライブ21a・21bを1台のハードディスクドライブとして認識しているにも拘わらず、より信頼性の高いミラーリングシステムを構築できる。
特に、当該コンピュータ1がFA用途に使用されている場合、すなわち、制御システムのHMIとして用いられ、当該制御システムの制御対象としてのターゲットシステム近傍に配置されている場合、コンピュータ1の周囲の環境は、例えば、高温多湿な環境など、通常のOA用途の場合よりも劣悪な環境であることが多い。また、他の用途よりも稼動時間が長いことも多い。これらの結果、ハードディスクドライブ21a・21bが壊れる可能性が高く、例えば、通常であれば、2万時間は故障しないハードディスクドライブであっても、1月程で破損してしまうことも珍しくない。したがって、より信頼性の高いシステムが切望されている。したがって、上記コンピュータ1は、FA用途のコンピュータとして特に好適に利用できる。
さらに、監視スレッド42は、それぞれの自己診断結果を受け取ると、例えば、図7に示すように、ミラーリングの状態を示すウィンドウと同じウィンドウに、各ハードディスクドライブ21a・21bの自己診断結果をそれぞれ表示するなどして、ミラーリングの状態と自己診断結果とを同時に表示できる。このように、ミラーリングの状態と自己診断結果とを同時に表示しているので、ユーザは、当該画面を見るだけで、双方を迅速に把握でき、的確な対応を取ることができる。
また、監視スレッド42は、自己診断結果に基づいて、ハードディスクドライブ21a・21bのいずれかに異常が発生した、あるいは、発生する可能性が高いと判断した場合は、例えば、音、上記ウィンドウの表示、電源ランプの点灯状態の変更(色の変化や点滅など)、エラーメッセージの表示、あるいは、入出力回路によって、外部の機器へ通知するなど、予め定められた通知方法で、ユーザに異常発生を通知できる。したがって、ユーザが当該ウィンドウを開いていなかったとしても、ユーザに異常発生を通知できる。また、監視スレッド42は、例えば、自己診断結果の履歴を予め定められた記録媒体に予め定められた形式(例えば、CSV形式など)で格納してもよい。
一例として、ハードディスクドライブ21a・21bは、高温化では、比較的高い頻度で故障しやすい。また、完全に読み出せなくなる前には、エラー訂正可能な範囲でのエラーが発生していることが多い。したがって、上記監視スレッド42は、周期的に取得される自己診断結果のうち、温度の情報に基づいて、各ハードディスクドライブ21a・21bが予め定められた温度を超えている期間を算出し、当該期間が予め定められた値を超えたときに異常が発生する可能性が高いと判断できる。また、監視スレッド42は、自己診断結果のうち、ECCによって回復できなかったエラーの回数、再割り当てされたセクタ数、予め定められた回数のシーク中に発生したエラーの数、予め定められた回数のスピンアップでのリトライ数、予め定められたセクタをDMA転送する際に発生したCRCエラーの数、あるいは、それらの組み合わせが、予め定められた条件(例えば、閾値を超えたことなど)を満たしているか否かを判定し、満たしている場合に、異常が発生する可能性が高いと判断してもよい。
また、上記IDEドライバ41は、例えば、自己診断コマンドの送信タイミングを通常よりも遅らせるなどして、当該自己診断コマンドよりも、通常の読み書きコマンドを優先し、自己診断コマンドがより遅くなるように、上記各ハードディスクドライブ21a・21bに対する、上記自己診断コマンドと書き読み書きコマンドとの順序を変更できる。一例として、IDEドライバ41は、I/Oマネージャ33や監視スレッド42などからの指示を順次書き込むFIFO(First In First Out)バッファに、読み書きコマンドよりも先に自己診断コマンドが書き込まれたとしても、後に書き込まれた読み書きコマンドを先にハードディスクドライブ21a・21bへ送信し、その処理が終了した後に、自己診断コマンドをハードディスクドライブ21a・21bへ送信できる。これにより、監視スレッド42は、通常の読み書き速度を低下させることなく、自己診断結果を取得できる。
なお、自己診断コマンドの処理よりも読み書きコマンドの処理の方が優先されているため、自己診断コマンドの処理が遅れる可能性がある。ところが、ハードディスクドライブ21a・21bの自己診断結果は、急激に変化したとしても、例えば、1分程度の比較的長い周期で取得できれば充分である。したがって、読み書きコマンドの処理を優先しても、何ら支障なく、自己診断結果を取得できる。
さらに、監視スレッド42は、例えば、ハードディスクドライブ21a・21bの一方(例えば、21b)に、正常なハードディスクドライブ21aの内容が未だ書き込まれていない場合など、ミラーリングシステムが構築されていない状態(縮退運転状態)には、例えば、IDEドライバ41からの自己診断結果のうち、正常ではない方のハードディスクドライブ21bの自己診断結果を無視したり、正常ではない方のハードディスクドライブ21bへの自己診断コマンドの発行指示自体を中止したりして、例えば、図8に示すように、正常ではないハードディスクドライブ21bの自己診断結果の表示を中止する。
ここで、例えば、図9に示す比較例のように、ミラーリングシステムが縮退運転状態になっているため、ミラーリングシステムの状態としては、一方のハードディスクドライブ(例えば、21bのSlave Disk)が”Broken”と表示されているにも拘わらず、当該ハードディスクドライブ21bの自己診断結果が”No Error”と表示されてしまう。このように、一見すると、矛盾しているような表示が行われるため、当該ハードディスクドライブ21bが正常動作しているか否かが、ユーザにとって分かり難くなる虞れがある。
ところが、本実施形態に係る監視スレッド42は、ミラーリングシステムが縮退運転状態の場合には、正常ではないハードディスクドライブ21bの自己診断結果の表示を中止するので、上記不具合を回避できる。
以下では、異常の判定基準が閾値との比較であり、自己診断機能が有効か否かと、閾値と、判定対象とする自己診断情報の種類(SMART Attributeなど)とを示す設定情報が予め定められた記憶領域(例えばレジストリなど)に格納されている場合を例にして、自己診断動作について説明する。
すなわち、図10に示すように、監視スレッド42は、自己診断結果の取得タイミングになると、S41において、上記記憶領域の設定情報に基づいて、自己診断機能が有効か否かを判定する。有効な場合(S41においてYES の場合)、監視スレッド42は、S42における各種類の自己診断情報の取得動作と、S43におけるログの出力動作を、自己診断情報の取得対象となる記録装置(この場合は、ハードディスクドライブ21a・21b)のそれぞれについて繰り返す。なお、監視スレッド42は、上記S42における自己診断情報の取得動作を、上記設定情報において取得する旨設定されている種類毎に繰り返す。
さらに、監視スレッド42は、異常が発生した場合(上記S44において、YES )の場合、S45において、例えば、メッセージの表示など、上述した異常発生時の処理を行って、今回の自己診断結果の取得タイミングにおける処理を終了する。なお、監視スレッド42は、自己診断機能が無効に設定されている場合(上記S41において、NOの場合)も、今回の自己診断結果の取得タイミングにおける処理を終了する。
ここで、上記S42における各種類の自己診断情報の取得動作は、図11に示すように行われる。すなわち、監視スレッド42は、S51において、例えば、取得対象となる自己診断情報の取得を示す自己診断コマンドの送信を、上述したようにIDEドライバ41へ指示し、IDEドライバ41から、各ハードディスクドライブ21a・21bの自己診断結果を受け取るなどして、取得対象となる自己診断情報を取得する。
正常に取得できた場合(S52にてYES の場合)、監視スレッド42は、S53においって、上記設定情報のうち、当該自己診断情報に対応する閾値を取得する。正常に取得できた場合(S54にてYES の場合)、監視スレッド42は、S55において、当該閾値と取得した自己診断結果とを比較するなどして、異常の有無を判定し、異常が発生していなかった場合(S55にて、正常の場合)は、今回の種類の自己診断情報の取得処理を終了する。なお、本実施形態に係る監視スレッド42は、例えば、データがなかった場合など、閾値を取得できなかった場合(S54にてNOの場合)も、比較が指示されていないものと判断して、今回の種類の自己診断情報の取得処理を終了する。
一方、自己診断情報が取得できなかった場合(上記S52にて、NOの場合)、あるいは、上記S55にて、異常発生が検出された場合、監視スレッド42は、S56において、例えば、メッセージの表示など、上述した異常発生時の処理と、イベントログの出力とを行う。
なお、上記では、監視スレッド42が自己診断コマンド生成を指示する周期、取得する自己診断情報の種類、あるいは、自己診断情報に基づく異常発生の有無の判断方法などが固定されている場合を例にして説明したが、これに限るものではない。例えば、監視スレッド42がユーザの指示を受け付け、それに基づいて、上記周期、種類、判断方法などの設定を変更したり、他のアプリケーションが監視スレッド42によって参照される設定情報(例えば、レジストリに格納される設定情報など)を変更したりして、これらの設定を変更してもよい。この場合は、よりユーザの要望に即して柔軟に設定を変更できるので、例えば、多少判断に誤りがあっても、より早い時点で異常発生の前兆を捉えたいユーザと、異常発生の前兆の捕捉時点が多少遅れたとしても、より確実な判断結果の提示を望むユーザとなど、種々のユーザの要望に応えることができる。
なお、上記では、記録媒体の一例として、IDEインターフェースで接続されるハードディスクドライブ21を例にして説明したが、これに限るものではない。例えば、SCSI( Small Computer System Interface)のように、他のインターフェースで接続されるハードディスクドライブであってもよい。また、書き込み可能な記録媒体であれば、ハードディスクドライブに限らず、任意の記録媒体を適用できる。ただし、ハードディスクドライブは、半導体とは異なり機械的に動作する箇所があるため、故障する可能性が高い。また、機械的に動作する箇所があるため、例えば、埃が多い場所など、周囲環境が劣悪な場所に配置されると、故障の発生率がさらに増大してしまう。一方、ハードディスクドライブは、記録容量と製造コストとのバランスがよく、大容量のデータを格納するのに適している。したがって、ハードディスクドライブを用いてミラーリングシステムを構築することで、大容量かつ安価で、しかも、データ消失を確実に防止できる。
上記構成によれば、ミラーリング処理する物理層ドライバが、上記自己診断指示を受け付けた場合、複数の記録装置のそれぞれへ自己診断を指示すると共に、上記各記録装置からの自己診断結果を、それぞれ別個に通知するように通知手段へ指示するので、比較的簡単に多重化できるにも拘わらず、より信頼性の高いミラーリングシステムを実現できる。したがって、FA用途のコンピュータをはじめとして、高い信頼性が要求される用途のミラーリングシステムとして広く好適に使用できる。
本発明の一実施形態を示すものであり、ミラーリングシステムを実現するコンピュータの要部構成を示す機能ブロック図である。 上記コンピュータのハードウェア構成の要部を示すブロック図である。 上記コンピュータにおいて、ハードディスクの記憶領域を示す説明図である。 上記コンピュータが起動する際の動作を示すフローチャートである。 上記コンピュータがハードディスクへ書き込む際の動作を示すフローチャートである。 上記コンピュータの変形例を示すものであり、コンピュータが起動する際の動作を示すフローチャートである。 上記コンピュータによって表示される自己診断結果を示す図面である。 上記コンピュータによって表示される自己診断結果を示すものであり、ミラーリングシステムが縮退運転している場合を示す図面である。 比較例を示すものであり、ミラーリングシステムが縮退運転している場合に自己診断結果を表示する画面を示す図面である。 上記実施形態に係るコンピュータによる自己診断結果取得動作を示すフローチャートである。 上記自己診断結果取得動作の詳細を示すフローチャートである。 従来技術を示すものであり、ミラーリングシステムを実現するコンピュータの要部構成を示す機能ブロック図である。
符号の説明
1 コンピュータ(ミラーリングシステム)
21a・21b ハードディスクドライブ(記録装置)
34 ファイルシステムドライバ
41 IDEドライバ(物理層ドライバ)
42 監視スレッド(通知手段)

Claims (6)

  1. ファイルシステムへの書き込み指示に基づいて記録媒体における書き込みアドレスを特定するファイルシステムドライバよりも下層の物理層に配された物理層ドライバを備え、当該物理層ドライバは、書き込みアドレスへの書き込み指示を受け取ると、当該書き込みアドレスへデータへの書き込みを、複数の記録装置へ指示するミラーリングシステムにおいて、
    上記複数の記録装置による自己診断結果を通知する通知手段を備え、
    上記物理層ドライバは、上記自己診断指示を受け付けた場合、上記複数の記録装置のそれぞれへ自己診断を指示すると共に、上記各記録装置からの自己診断結果を、それぞれ別個に通知するように上記通知手段へ指示することを特徴とするミラーリングシステム。
  2. 上記物理層ドライバは、上記各記録装置が正常にミラーリングしているか否かも監視して、監視結果も上記通知手段へ通知すると共に、
    上記通知手段は、上記各記録装置からの自己診断結果と同時に監視結果も表示することを特徴とする請求項1記載のミラーリングシステム。
  3. 上記通知手段は、上記各記録装置が正常にミラーリングしていない場合、正常にミラーリングしていない記録装置の自己診断結果の表示を抑制することを特徴とする請求項2記載のミラーリングシステム。
  4. 上記物理層ドライバは、自己診断の指示がより遅くなるように、上記各記録装置に対する、上記自己診断の指示と書き込みの指示との順序を変更することを特徴とする請求項1、2または3記載のミラーリングシステム。
  5. 請求項1、2また3記載の物理層ドライバおよび通知手段として、コンピュータを動作させるプログラム。
  6. 請求項5記載のプログラムが記録された記録媒体。
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