JP2006301337A - 吸遮音構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】100Hz以上〜1kHz未満の低周波数及び1kHz以上の高周波数の双方の音波に対して高い遮音性能を発揮する吸遮音構造体、これを用いた自動車用吸遮音構造体、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】中空室を有する樹脂製板状体を備え、該中空室内に該中空室内で可動な粒子を内包する吸遮音構造体。遮音構造体を用いた自動車用吸遮音構造体。 中空室を有する樹脂製板状体を備え、該中空室内に該中空室内で可動な粒子を内包し、該中空室の内面から突出した柱状体を有する吸遮音構造体の製造方法である。樹脂製基板に、その内面から突出した柱状体を有する凹部を成形して樹脂製板状物を得る(1)工程、樹脂製板状物の凹部内に粒子を収容して粒子入り樹脂製板状物を得る(2)工程、粒子入り樹脂製板状物の凹部を封止する(3)工程、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸遮音構造体及びその製造方法に係り、更に詳細には、100Hz以上〜1kHz未満の低周波数及び1kHz以上の高周波数の双方の音波に対して高い遮音性能を示す吸遮音構造体、特に自動車に用いると好適な自動車用吸遮音構造体、及びその製造方法に関する。
近年、自動車の高品質・高性能化、更には都市環境意識の高まりに伴い、車室内の静粛性や車外騒音においては要求が厳しくなってきている。車両に用いられる吸遮音部材としては、フードインシュレータ、ダッシュインシュレータ、ヘッドライニング、フロアインシュレータ等があるが、厳しくなる要求に答えるため、パーセルボード、トランクトリム、エンジンカバーにいたるまで拡張されてきている。
従来の吸遮音材の考え方としては、1kHz以上の高周波数の音波に対しては吸遮音材の吸音率を向上させることにより、また100Hz以上〜1kHz未満の低周波数の音波に対しては共振点のバネ定数を低減させることにより、全体としての遮音性を設計してきた。
また、従来の車両に用いられている吸遮音材は、安価で且つ軽量であることが要求されるため、一般的に使用されるものは、繊維フェルトやロックウール、ガラスウール等の無機質系繊維、ウレタンやポリフェニレンオキサイド/ポリスチレン−アロイ材等の発泡体、ダンボールなどを単独で又は組み合わせて構成されるものであった。
このような吸遮音材は、高周波数の音波に対する吸音性能は優れているが、低周波数の音波に対して遮音性能を向上させるためにバネ定数を下げようとすると、熱時剛性、しっかり感、踏み心地などの実用性能との両立が難しくなり、100Hz以上〜1kHz未満の低周波数の音波に対して遮音性能を確保するためには、専ら重量を増すことにより、解決を図っているのが現状であり、燃費や排ガス規制の観点から要求される車両重量低減化に逆行する形となっていた。
そこで、このような問題を解決するために、ポリエステル繊維の不織布を用いた吸遮音材が開発されている(特許文献1〜3参照。)。
一方で、固体伝播で伝わる100Hz以上〜1kHz未満の低周波側振動エネルギーが車室内へ侵入することを防止するために、車体構造骨格の剛性を向上させたり、更に性能が不足する場合には、メルシート等のパネル補強材を一体化させて鋼板パネル剛性を向上させることや、所望の周波数に対応したマスダンパーを設定することにより性能を確保することが一般的に実施されている。
特開平5−181486号公報 特開平6−170997号公報 特開平7−223478号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の吸遮音材においては、低周波数の音波に対する遮音性能については、バネ定数の低減と実用性能との両立という点で未だ不十分であった。
また、上述のような低周波側振動エネルギーの対策方法では、車体パネル補強による重量の増大が著しく、また、車体補強においては、部品のレイアウト、生産工程上の自由度の問題もあり、重量、コストの両面に問題があった。
本発明は、このような従来技術の有する100Hz以上〜1kHz未満の低周波数の音波に対する遮音対策と1kHz以上の高周波数の音波に対する遮音対策とを別々に行うことによる重量やコスト面の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、100Hz以上〜1kHz未満の低周波数及び1kHz以上の高周波数の双方の音波に対して高い遮音性能を発揮する吸遮音構造体、これを用いた自動車用吸遮音構造体、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、樹脂製板状体に設けた中空室に、その中空室内で可動な粒子を内包させることなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の吸遮音構造体は、中空室を有する樹脂製板状体を備え、該中空室内に該中空室内で可動な粒子を内包するものである。
また、その好適形態はかかる中空室の内面から突出した柱状体を有するものである。
更に、本発明の自動車用吸遮音構造体は、上記本発明の吸遮音構造体を用いたものである。
更にまた、本発明の吸遮音構造体の製造方法は、上記本発明の吸遮音構造体のうち、中空室の内面から突出した柱状体を有する吸遮音構造体を製造する方法であって、下記の工程(1)〜(3)を含む。
(1)樹脂製基板に、その内面から突出した柱状体を有する凹部を成形して樹脂製板状物を得る工程
(2)上記樹脂製板状物の凹部内に粒子を収容して粒子入り樹脂製板状物を得る工程
(3)上記粒子入り樹脂製板状物の凹部を封止する工程
本発明によれば、樹脂製板状体に設けた中空室に、その中空室内で可動な粒子を内包させることなどとしたため、100Hz以上〜1kHz未満の低周波数及び1kHz以上の高周波数の双方の音波に対して高い遮音性能を発揮する吸遮音構造体、これを用いた自動車用吸遮音構造体、及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の吸遮音構造体について詳細に説明する。
上述の如く、本発明の吸遮音構造体は、中空室を有する樹脂製板状体を備え、該中空室内に該中空室内で可動な粒子を内包するものである。
このような構成とすることにより、内包された粒子が中空室の内面と衝突するため、1kHz以上の高周波数の音波に対する遮音性能を損なうことなく、100Hz以上〜1kHz未満の低周波数の音波に対する遮音性能を向上させることができる。
また、多数の中空室を設けることにより、遮音性能をより向上させることができる。更に、かかる中空室は内包する粒子が個別に存在すれば中空室同士が部分的に連通されていてもよい。
更にまた、詳しくは後述するが用いる粒子や樹脂製板状体の材質や形態を適宜選択することにより軽量化、低コスト化を図ることができる。
なお、本発明の吸遮音構造体は、制振機能についても優れた性能を発揮することができる。
また、本発明の吸遮音構造体においては、中空室の内面から突出した柱状体を有することが望ましい。
中空室の内面に成形された柱状体が、内包された粒子と衝突によって変形することにより、1kHz以上の高周波数の音波に対する遮音性能を損なうことなく、100Hz以上〜1kHz未満の低周波数の音波に対する遮音性能をより向上させることができる。
なお、かかる柱状体は、内面の全体に亘って突出させる必要はなく、一部に突出させてもよい。また、かかる柱状体の形状については、特に限定されるものではないが、粒子が接触する柱状体に角部が存在すると、粒子との衝突に不均衡が生じ、かかる不均衡が新たな振動源となり遮音性能が低下するおそれがあるため、角部がないことが好ましい。
更に、本発明の吸遮音構造体においては、中空室の形状が円柱状又は球状であることが望ましい。
上述したように、粒子が接触する内面に角部が存在すると、粒子との衝突に不均衡が生じ、かかる不均衡が新たな振動源となり遮音性能が低下するおそれがある。
なお、本発明の吸遮音構造体において、中空室の形状が円柱状の場合には、その大きさは代表的には直径:10μm〜10mm、高さ(長さ):10μm〜10mm程度であり、また、球状の場合には、その大きさは、代表的には直径:500nm〜10mm程度であるが、これに限定されるものではない。
また、本発明の吸遮音構造体において、中空室の形状が円柱状の場合の一形態として、その円柱状中空室の内面における頂面及び底面から該円柱の軸方向に沿って突出した複数の柱状体を有し、これら柱状体が上記頂面又は底面においてその中心部からほぼ均一に分布しているものを挙げることができる。
更に、本発明の吸遮音構造体において、中空室の形状が球状の場合の一形態として、その球状中空室の内面からある直径方向に突出した複数の柱状体を有し、これら柱状体が上記内面と上記直径との交点を中心としてほぼ均一に分布しているものを挙げることができる。
このようにほぼ均一に柱状体を分布させること、即ちほぼ均一に柱状体を配置することによっても、1kHz以上の高周波数の音波に対する遮音性能を損なうことなく、100Hz以上〜1kHz未満の低周波数の音波に対する遮音性能をより向上させることができる。
また、典型的には上記円柱の軸方向に沿う方向や直径方向と、樹脂製板状体の厚み方向とが一致するものを挙げることができる。このような構成にすると、生産性などの観点から望ましい。詳細については後述する。
ここで、かかる柱状体を中空室の内面に成形する際の配置について図面を用いて説明する。なお、柱状体が配置される中空室の形状は円柱状を想定しているが、球状の場合もこの配置に準ずる。
図1〜8は、本発明の吸遮音構造体における柱状体の平面的な配置例1〜8を示す説明図である。
図1〜4に示すように、柱状体14が、その配置点を直線で結んだときに多角形や正多角形となるように配置されている。即ち、図1〜4は多角形となるように配置したものであり、図1及び図3は正多角形となるように配置したものである。
このように柱状体を配置すると、即ちほぼ均一に柱状体が分布していると、柱状体と粒子との衝突に不均衡が生じ難くなる。このような観点から正多角形となるように配置することがより望ましい。また、均一性という観点からは、正三角形や正四角形となるように配置することが特に望ましい。
また、図5〜8に示すように、図1〜4に示す如く、多角形となるように柱状体14を配置し、更にその重心に柱状体14を配置することもできる。
また、本発明の吸遮音構造体においては、柱状体が、直径100nm〜100μmであり、且つアスペクト比(長さ/直径)が2〜8であることが好ましい。
直径が100nm未満の柱状体は、その形状を直線状に成形すること、例えば上述したように、中空室の形状が円柱状や球状である場合にそれぞれが円柱の軸方向や球の中心を通る一の直線の方向に沿うように成形することが難しい。一方で柱状体の直径が100μmを超えると柔軟性が不十分であり、粒子との衝突により十分な変形が起こらず柱状体に期待される効果を奏さない可能性がある。
更には、アスペクト比が2未満の場合には、粒子の衝突による柱状体の変形が小さくなり、良好な反発係数が得られず、アスペクト比が8を超えると粒子の衝突により柱状体が塑性変形してしまうためである。
なお、かかる柱状体の長さは、必ずしも一定である必要はなく、適宜設定可能である。但し、中空室内面から突出している柱状体の先端は該内面の他の部分と接することはなく、例えば、円柱状中空室の頂面と底面とに接続している柱状体は除かれる。
更に、本発明の吸遮音構造体においては、内包される粒子が、柱状体に囲まれた空間に侵入しないことが望ましい。
ここで「柱状体に囲まれた空間」とは、図1〜8においては、柱状体14同士の間のことであり、図9及び10においては、柱状体14同士の側面間のことである。
粒子がかかる空間に侵入する場合、例えばかかる空間よりも粒子径が大きい場合には、(a)柱状体の側面間に挟まる、(b)柱状体と粒子の衝突が起こり難い、など配置される柱状体が奏する効果が発揮され難くなるおそれがある。
また、本発明の吸遮音構造体においては、用いる粒子の粒子径が10μm〜5mmであることが好ましく、50μm〜1mmであることがより好ましい。なお、内包させる粒子数は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。
粒子径が10μm未満の場合には、粒子同士の凝集が起こり易くなり、球体として機能し難くなる。また、粒子径が5mmを超えると、吸遮音材としての製品厚みが大きくなりすぎる。
更に、用いる粒子の材質としては、粘弾性体であることが望ましい。
具体的には、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、シリコーンゴム(Si)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、フッ素ゴム(FPM)、ノルボルネンゴム、2成分共重合エチレン・プロピレンゴム(EPM)、3成分共重合エチレン・プロピレンゴム(EPDM)などのゴム類、またはこれらのゴム類に添加剤を混入して圧電、焦電性能を持たせたもの(例えば、商品名:ダイポルギー、CGI社製)、更にはウレタン系ゲル(例えば、商品名:アルゴゲル、旭ゴム加工製)、シリコーン系ゲル(例えば、商品名:αゲル、βゲル、θゲル、GELTEC社製)等のゲル類などを好適例として挙げることができる。
更にまた、本発明の吸遮音構造体において、樹脂製板状体は所定の構造を成形できればその材質については特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。
また、厚みは代表的には10μm〜10mm程度であるがこれに限定されるものではない。更に、その形態についても特に限定されることなく、例えばバルクや発泡体などの形態のものを単独で又は適宜組合わせて用いることができるが、軽量化、低コスト化又は更なる吸遮音性能向上の観点から発泡体を採用することが望ましい。
かかる熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、それらの共重合体、ポリアミド、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、アラミドなどが好適に使用できる。
また、本発明の吸遮音構造体においては、表面に表皮材を付加してもよく、例えば表面の片面若しくは両面にカーペット表皮や不織布、雑フェルト、ゴムシートなどの表皮材を付加することができる。
表皮材を付加して一体化する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば熱融着や接着、機械的締結又は針打ちなどによる一体化を挙げることができる。
なお、このような表皮材を有する吸遮音構造体を製造するに当たっては、一体化した後に加熱後プレス成形してもよく、別々に成形した後に一体化してもよい。
次に、本発明の自動車用吸遮音構造体について詳細に説明する。
上述の如く、本発明の自動車用吸遮音構造体は、上記本発明の吸遮音構造体を用いたものである。自動車用吸遮音構造体は、例えばダッシュ・インシュレータ、ヘッドライニング、フロアインシュレータ、パーセル・ボード、カーペット、フードインシュレータ、トランクトリム、ピーラートリム、エンジンカバー、アンダーカバー、シート又はシートカバー、及びこれらの任意の組み合わせに係る部位に適用することができる。
適用させる部位に応じて、樹脂製板状体の形態や材質、中空室の形態、粒子の形態や材質、表皮材の形態や材質などを適宜変形することができる。
なお、自動車用吸遮音構造体としては、厚みを10μm〜10mm程度とすることが望ましい。
次に、本発明の吸遮音構造体の製造方法について詳細に説明する。
上述の如く、本発明の吸遮音構造体の製造方法は、上記本発明の吸遮音構造体のうち、中空室の内面から突出した柱状体を有する吸遮音構造体を製造する方法であって、下記の工程(1)〜(3)を含む。
(1)樹脂製基板に、その内面から突出した柱状体を有する凹部を成形して樹脂製板状物を得る工程
(2)上記樹脂製板状物の凹部内に粒子を収容して粒子入り樹脂製板状物を得る工程
(3)上記粒子入り樹脂製板状物の凹部を封止する工程
このような工程を経ることにより、所望の吸遮音構造体を効率よく生産することができ、軽量化、低コスト化を図ることができる。
また、樹脂製板状体の所望の位置に中空室を設けることが可能となり、更にその中空室内に粒子を確実に収容させることができるため、かかる吸遮音構造体の遮音性能の均質化を図ることができる。
また、本発明の吸遮音構造体の製造方法における(1)工程においては、特に限定されるものではないが、例えば転写法、プレス成形又は射出成形及びこれらの任意の組合わせに係る成形方法を用いることができる。
なお、(1)工程における凹部の成形と柱状体の成形は、所望の構造が得られれば特に成形する順序は限定されるものではなく、ほぼ同時に行うことが効率的に生産できるという観点から望ましい。
また、本発明の吸遮音構造体の製造方法における(3)工程において、凹部を封止する際には、内包させる粒子が中空室から零れなければ特に限定されるものではないが、(2)工程で得られる粒子入り樹脂製板状物と、(1)工程で得られる樹脂製板状物との凹部を相対させ、位置決めして封止することが望ましい。
例えば凹部形状を円柱状や半球状とし、かかる凹部を相対させ、位置決めして封止することにより、上述したような所定の柱状体を有する円柱状や球状の中空室を樹脂製板状体内に設けることができる。
図9は、粒子入り樹脂製板状物の円柱状凹部の断面形状を示す模式的説明図である。同図に示すように、粒子入り樹脂製板状物10の円柱状凹部12aには内面から突出した柱状体14が配置されており、凹部12a内には粒子20が収容されている。
また、図10は、粒子入り樹脂製板状物の半球状凹部の断面形状を示す模式的説明図である。同図(b)に示すように、粒子入り樹脂製板状物10の半球状凹部12bには内面から突出した柱状体14が配置されており、凹部12b内には粒子20が収容されている。
以下、本発明を若干の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリプロピレン製基板(厚み:3mm)に円柱状凹部(直径300μm、深さ:160μm)とその凹部内面における底面に柱状体(直径:200nm、アスペクト比8)を図1に示すように射出成形により形成して板状物を得た。
板状物の円柱状凹部に粒子(NBRゴム製、直径150μm)を入れ、ポリプロピレン製の板材(厚み:3mm)を熱融着させて凹部を封止して、本例の吸遮音構造体を得た。
(実施例2)
図2に示すように柱状体(直径:200nm、アスペクト比8)を射出成形した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の吸遮音構造体を得た。
(実施例3)
図3に示すように柱状体(直径:200nm、アスペクト比8)を射出成形した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の吸遮音構造体を得た。
(実施例4)
図4に示すように柱状体(直径:200nm、アスペクト比8)を射出成形した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の吸遮音構造体を得た。
(実施例5)
図5に示すように柱状体(直径:200nm、アスペクト比8)を射出成形した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の吸遮音構造体を得た。
(実施例6)
図6に示すように柱状体(直径:200nm、アスペクト比8)を射出成形した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の吸遮音構造体を得た。
(実施例7)
図7に示すように柱状体(直径:200nm、アスペクト比8)を射出成形した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の吸遮音構造体を得た。
(実施例8)
図8に示すように柱状体(直径:200nm、アスペクト比8)を射出成形した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の吸遮音構造体を得た。
(実施例9)
ポリプロピレン製基板(厚み:3mm)に円柱状凹部(直径500μm、深さ:350μm)とその凹部内面における底面に柱状体(直径:200nm、アスペクト比2)を図1に示すように射出成形により形成して板状物を得た。
板状物の円柱状凹部に粒子(NBRゴム製、直径300μm)を入れ、ポリプロピレン製の板材(厚み:3mm)を熱融着させて凹部を封止して、本例の吸遮音構造体を得た。
(実施例10)
ポリプロピレン製基板(厚み:3mm)に円柱状凹部(直径2mm、深さ:1.5mm)とその凹部内面における底面に柱状体(直径:1μm、アスペクト比2)を図1に示すように射出成形により形成して板状物を得た。
板状物の円柱状凹部に粒子(NBRゴム製、直径1mm)を入れ、ポリプロピレン製の板材(厚み:3mm)を熱融着させて凹部を封止して、本例の吸遮音構造体を得た。
(実施例11)
ポリプロピレン製基板(厚み:3mm)に円柱状凹部(直径300μm、深さ:160μm)を図1に示すように射出成形により形成して板状物を得た。
板状物の円柱状凹部に粒子(NBRゴム製、直径150μm)を入れ、ポリプロピレン製の板材(厚み:3mm)を熱融着させて凹部を封止して、本例の吸遮音構造体を得た。
上記各例の仕様を表1に示す。
Figure 2006301337
[性能評価]
(遮音測定)
JIS A1416「実験室における音響透過損失の測定方法」に従って測定を行った。測定には簡易残響箱を使用した。得られた結果を表1に併記する。
なお、結果は、同目付け重量(g/m)、同厚みの中空室のないサンプルを0dB基準とし、遮音性能差(透過損失差)で表示した。また、測定周波数(1/3オクターブバンド周波数)は、100Hz、630Hz、1000Hz、1600Hzとした。
表1より、本発明の吸遮音構造体は、100Hz以上〜1kHz未満の低周波数及び1kHz以上の高周波数の双方の音波に対して高い遮音性能を発揮することが分かる。
本発明の吸遮音構造体における柱状体の平面的な配置例1を示す説明図である。 本発明の吸遮音構造体における柱状体の平面的な配置例2を示す説明図である。 本発明の吸遮音構造体における柱状体の平面的な配置例3を示す説明図である。 本発明の吸遮音構造体における柱状体の平面的な配置例4を示す説明図である。 本発明の吸遮音構造体における柱状体の平面的な配置例5を示す説明図である。 本発明の吸遮音構造体における柱状体の平面的な配置例6を示す説明図である。 本発明の吸遮音構造体における柱状体の平面的な配置例7を示す説明図である。 本発明の吸遮音構造体における柱状体の平面的な配置例8を示す説明図である。 粒子入り樹脂製板状物の円柱状凹部の断面形状を示す模式的説明図である。 粒子入り樹脂製板状物の半球状凹部の断面形状を示す模式的説明図である。
符号の説明
10 粒子入り樹脂製板状物
12a 円柱状凹部
12b 半球状凹部
14 柱状体
20 粒子

Claims (14)

  1. 中空室を有する樹脂製板状体を備え、該中空室内に該中空室内で可動な粒子を内包することを特徴とする吸遮音構造体。
  2. 上記中空室の内面から突出した柱状体を有することを特徴とする請求項1に記載の吸遮音構造体。
  3. 上記中空室の形状が、円柱状又は球状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸遮音構造体。
  4. 上記円柱状中空室の内面における頂面及び底面から、該円柱の軸方向に突出した複数の柱状体を有し、これら柱状体が上記頂面又は底面においてその中心部からほぼ均一に分布していることを特徴とする請求項3に記載の吸遮音構造体。
  5. 上記球状中空室の内面からある特定の直径方向に突出した複数の柱状体を有し、これら柱状体が上記内面と上記直径との交点を中心としてほぼ均一に分布していることを特徴とする請求項3に記載の吸遮音構造体。
  6. 上記柱状体が、直径100nm〜100μmであり、且つアスペクト比が2〜8であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つの項に記載の吸遮音構造体。
  7. 上記粒子が、上記柱状体に囲まれた空間に侵入しないことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つの項に記載の吸遮音構造体。
  8. 上記粒子の粒子径が10μ〜5mmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の吸遮音構造体。
  9. 上記樹脂製板状体が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の吸遮音構造体。
  10. 表皮材を付加して成ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の吸遮音構造体。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つの項に記載の吸遮音構造体を用いたことを特徴とする自動車用吸遮音構造体。
  12. 請求項2〜10のいずれか1つの項に記載の吸遮音構造体を製造する方法であって、下記の工程(1)〜(3)
    (1)樹脂製基板に、その内面から突出した柱状体を有する凹部を成形して樹脂製板状物を得る工程、
    (2)上記樹脂製板状物の凹部内に粒子を収容して粒子入り樹脂製板状物を得る工程、
    (3)上記粒子入り樹脂製板状物の凹部を封止する工程、
    を含むことを特徴とする吸遮音構造体の製造方法。
  13. 上記(1)工程において、転写法、プレス成形及び射出成形から成る群より選ばれた少なくとも1つの成形方法を用いることを特徴とする請求項12に記載の吸遮音構造体の製造方法。
  14. 上記(3)工程において、上記(2)工程で得られる粒子入り樹脂製板状物と、上記(1)工程で得られる樹脂製板状物との凹部を相対させ、位置決めして封止することを特徴とする請求項12又は13に記載の吸遮音構造体の製造方法。
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