JP2006300989A - 平版印刷版材料及びそれを用いた印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の目的は、機上現像性、可視画性、耐刷性に優れた印刷版材料及びそれを用いた印刷方法を提供することである。
【解決手段】 プラスチック支持体上に親水性層及び画像形成層を有する平版印刷版材料において、該画像形成層が飽和炭化水素ワックスを含有し、該飽和炭化水素ワックスの融点が110〜125℃であり、かつ溶融粘度が1〜30mPa・sであることを特徴とする平版印刷版材料。
【選択図】 なし
【解決手段】 プラスチック支持体上に親水性層及び画像形成層を有する平版印刷版材料において、該画像形成層が飽和炭化水素ワックスを含有し、該飽和炭化水素ワックスの融点が110〜125℃であり、かつ溶融粘度が1〜30mPa・sであることを特徴とする平版印刷版材料。
【選択図】 なし
Description
本発明はいわゆるコンピュータートゥプレート(computer−to−plate:以下において、CTPという。)システムに用いられる平版印刷版材料に関し、特に、プラスチックを支持体とする平版印刷版材料及びそれを用いた印刷方法に関する。
近年、印刷データのデジタル化に伴い、画像データを直接印刷版に記録するコンピューター・トゥー・プレート(CTP)が普及してきた。一般に、CTPに使用される印刷版材料は、従来のPS版と同様にアルミ支持体を使用するタイプとフィルム基材上に印刷版としての各種機能層を設けたフレキシブルタイプがある。
近年、商業印刷分野においては、印刷の少量多品種化の傾向が進み、市場では高品質で、かつ低価格な印刷版材料への要望が強まってきている。従来のフレキシブルタイプの印刷版材料としては、例えば、特開平5−66564号公報に開示されるようなフィルム基材上に銀塩拡散転写方式の感光層を設けたもの、あるいは特開平8−507727号、同6−186750号、同6−199064号、同7−314934号、同10−58636号、同10−244773号の各公報に開示されるようなフィルム基材上に親水性層と親油性層とをいずれかの層を表層として積層し、表層をレーザー露光でアブレーションさせて印刷版を形成するように構成されたもの、あるいは特開2001−96710号公報に開示されるようなフィルム基材上に親水性層と熱溶融性画像形成層を設け、レーザー露光により親水性層あるいは画像形成層を画像様に発熱させることで画像形成層を親水性層上に溶融固着させるもの等が挙げられる。
一方、印刷用の画像形成方法として、環境適性等の観点より画像データ書き込み(画像様露光)後の印刷版を直接オフセット印刷機で印刷することにより湿し水で非画像部の画像形成層のみ膨潤、溶解して印刷初期の印刷紙(損紙)上に転写除去する所謂印刷機上で現像を行う方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。これらの機上現像可能な印刷版材料は、鮮鋭なドット形状、高精細な画像が得られ、又露光後の現像プロセスを必要とせず、環境適性にも優れている。
しかしながら、これらの上記印刷版材料は、親水性層、画像形成層自身の膜強度が弱いため、初期インキ着肉性が劣化したり、耐刷性が不充分であるといった問題があった。これらの課題に対し、親水性層や画像形成層に水溶性樹脂や熱可塑性樹脂を添加し改善がなされている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、特に裏移り防止などの為にパウダーを使用した印刷のような場合には十分でなく、上記の問題を改善した印刷版の開発が強く要望されている。
また、サーマルプロセスレスプレートにおいては、画像記録後の可視画性(以下、露光可視画性ともいう。)が、重要な特性の一つとして挙げられる。露光可視画性の付与には、例えば、赤外線吸収色素の露光退色を利用したものが挙げられる(例えば、特許文献4参照。)。しかし、このような色素を画像形成層に添加した場合、未露光部と露光部との色差を大きくして露光可視画性を向上させることは、即ち未露光部の着色濃度を上げることになり、未露光部の機上現像時の印刷機汚染が問題となる。このように、従来の技術では、プロセスレスプレートに十分な耐刷性及び露光可視画性を付与することが非常に困難であった。
特開平9−123387号公報
特開平9−123388号公報
特開2000−238451号公報
特開平11−240270号公報
従って、本発明の目的は、機上現像性、可視画性、耐刷性に優れた印刷版材料及びそれを用いた印刷方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
(請求項1)
プラスチック支持体上に親水性層及び画像形成層を有する平版印刷版材料において、該画像形成層が飽和炭化水素ワックスを含有し、該飽和炭化水素ワックスの融点が110〜125℃であり、かつ溶融粘度が1〜30mPa・sであることを特徴とする平版印刷版材料。
プラスチック支持体上に親水性層及び画像形成層を有する平版印刷版材料において、該画像形成層が飽和炭化水素ワックスを含有し、該飽和炭化水素ワックスの融点が110〜125℃であり、かつ溶融粘度が1〜30mPa・sであることを特徴とする平版印刷版材料。
(請求項2)
前記飽和炭化水素ワックスの分子量が900〜1200であることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版材料。
前記飽和炭化水素ワックスの分子量が900〜1200であることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版材料。
(請求項3)
前記画像形成層がカルナウバワックスを含有し、該カルナウバワックスの融点が70〜100℃で、かつ溶融粘度が1〜30mPa・sであることを特徴とする請求項1または2に記載の平版印刷版材料。
前記画像形成層がカルナウバワックスを含有し、該カルナウバワックスの融点が70〜100℃で、かつ溶融粘度が1〜30mPa・sであることを特徴とする請求項1または2に記載の平版印刷版材料。
(請求項4)
前記親水性層が光熱変換剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の平版印刷版材料。
前記親水性層が光熱変換剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の平版印刷版材料。
(請求項5)
前記画像形成層が機上現像を可能とする機能を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の平版印刷版材料。
前記画像形成層が機上現像を可能とする機能を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の平版印刷版材料。
(請求項6)
請求項1〜5のいずれか1項に記載の平版印刷版材料がロール状であることを特徴とする平版印刷版材料。
請求項1〜5のいずれか1項に記載の平版印刷版材料がロール状であることを特徴とする平版印刷版材料。
(請求項7)
請求項1〜6のいずれか1項に記載の平版印刷版材料にサーマルヘッドまたはサーマルレーザーを用いて画像を形成した後に、平版印刷機上で湿し水または湿し水と印刷インクにより現像を行い、印刷することを特徴とする印刷方法。
請求項1〜6のいずれか1項に記載の平版印刷版材料にサーマルヘッドまたはサーマルレーザーを用いて画像を形成した後に、平版印刷機上で湿し水または湿し水と印刷インクにより現像を行い、印刷することを特徴とする印刷方法。
本発明の上記構成により、画像形成層の膜強度を向上させ、良好な可視画性を得られ、パウダーを使用した耐刷性に優れた印刷版材料及びそれを用いた印刷方法を提供することができる。
本発明においては、画像形成層が飽和炭化水素ワックスを含有し、該飽和炭化水素ワックスの融点が110〜125℃であり、かつ溶融粘度が1〜30mPa・sであることを特徴とする。当該画像形成層には、下記するように、ワックス等の熱溶融粒子やラテックス等の熱融着粒子が主成分として含有しているため、ワックスの中でも粒子硬度が高い飽和炭化水素ワックスを含有することで、当該層の膜強度を向上させることができる。また飽和炭化水素ワックスは、カルナウバワックスと屈折率差があるため、カルナウバワックス混合すると、未露光部と露光部との色差を大きくでき露光可視画性を向上させることができる。上記効果によって、機上現像性およびパウダーを使用した場合の耐刷性及び可視画性を同時に向上させることができる。
以下、本発明の構成要素について順次説明する。
(飽和炭化水素ワックス及びカルナウバワックス)
本発明で使用される飽和炭化水素ワックスとは、原油中から減圧蒸留により留出油成分として、直鎖状の融点の高い成分を高純度に分離したもので、直鎖比率が80%以上、好ましくは90%以上のものである。このように分離されたワックスの融点は110〜125℃、溶融粘度1〜30mPa・sの範囲にあり、分子量は900〜1200の範囲の成分が80%以上であることが好ましく、更に好ましくは90%以上である。
本発明で使用される飽和炭化水素ワックスとは、原油中から減圧蒸留により留出油成分として、直鎖状の融点の高い成分を高純度に分離したもので、直鎖比率が80%以上、好ましくは90%以上のものである。このように分離されたワックスの融点は110〜125℃、溶融粘度1〜30mPa・sの範囲にあり、分子量は900〜1200の範囲の成分が80%以上であることが好ましく、更に好ましくは90%以上である。
直鎖状比率が高いために、溶融粘度が比較的低いが、溶融し塗膜になった場合の硬度は高いために耐刷性が良好である。したがって、上記範囲以外の融点、溶融粘度の場合には露光時に完全に溶融しなかったり、反対に露光時に画像形成層が変形してしまい、耐刷性が劣化し、好ましくない。
本発明では融点が70〜100℃で、溶融粘度1〜30mPa・sのカルナウバワックス(carunauba wax)と混合することが好ましい。カルナウバワックスと混合することにより、屈折率差が生じ、可視画性が良化する。カルナウバワックスの融点、溶融粘度が上記範囲外の場合、飽和炭化水素ワックス同様、露光時に完全に溶融しなかったり、反対に露光時にカルナウバワックスと飽和炭化水素ワックスとが混合しなくなり、耐刷性及び可視画性が劣化し、好ましくない。
カルナウバワックスと飽和炭化水素ワックスの比率は5/1〜1/5であることが好ましいが、特に好ましくは3/1〜1/1である。この範囲外であると、露光時にカルナウバワックスと飽和炭化水素ワックスとが混合しなくなり、耐刷性及び可視画性が劣化し、好ましくない。
(画像形成層)
本発明に係る画像形成層は、ポリオレフィンワックス以外に、以下に示す熱溶融性微粒子および/または熱融着性微粒子、更にその他の素材を含有することができる。
本発明に係る画像形成層は、ポリオレフィンワックス以外に、以下に示す熱溶融性微粒子および/または熱融着性微粒子、更にその他の素材を含有することができる。
ここで、熱溶融性微粒子とは、熱可塑性素材の中でも特に溶融した際の粘度が低く、一般的にワックスとして分類される素材で形成された微粒子が好ましい。物性としては、軟化点40℃以上120℃以下、融点60℃以上150℃以下であることが好ましく、軟化点40℃以上100℃以下、融点60℃以上120℃以下であることが更に好ましい。融点が60℃未満では保存性が問題であり、融点が300℃よりも高い場合はインク着肉感度が低下する。
使用可能な素材としては、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、脂肪酸系ワックス等が挙げられる。これらは分子量800から10000程度のものである。又、乳化しやすくするためにこれらのワックスを酸化し、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アルデヒド基、ペルオキシド基などの極性基を導入することもできる。更には、軟化点を下げたり作業性を向上させるためにこれらのワックスにステアロアミド、リノレンアミド、ラウリルアミド、ミリステルアミド、硬化牛脂肪酸アミド、パルミトアミド、オレイン酸アミド、米糖脂肪酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド又はこれらの脂肪酸アミドのメチロール化物、メチレンビスステラロアミド、エチレンビスステラロアミドなどを添加することも可能である。又、クマロン−インデン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、アイオノマー、これらの樹脂の共重合体も使用することができる。これらの中でもポリエチレン、マイクロクリスタリン、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸の何れかを含有することが好ましい。
熱溶融性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。平均粒径が0.1μmよりも小さい場合、熱溶融性微粒子を含有する層の塗布液を後述する多孔質な親水性層上に塗布した際に、熱溶融性微粒子が親水性層の細孔中に入り込んだり、親水性層表面の微細な凹凸の隙間に入り込んだりしやすくなり、機上現像が不十分になって、地汚れの懸念が生じる。熱溶融性微粒子の平均粒径が10μmよりも大きい場合には、解像度が低下する。
又、熱溶融性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
層中の熱溶融性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
一方、本発明に係る熱融着性微粒子としては、熱可塑性疎水性高分子重合体微粒子を使用することもできる。該熱可塑性疎水性高分子重合体粒子の軟化温度に特定の上限はないが、温度は高分子重合体微粒子の分解温度より低いことが好ましい。高分子重合体の質量平均分子量(Mw)は10、000〜1、000、000の範囲であることが好ましい。
高分子重合体微粒子を構成する高分子重合体の具体例としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−ブタジエン共重合体等のジエン(共)重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の合成ゴム類、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、メチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体、メチルアクリレート−(N−メチロールアクリルアミド)共重合体、ポリアクリロニトリル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル(共)重合体、酢酸ビニル−(2−エチルヘキシルアクリレート)共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等及びそれらの共重合体が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸(共)重合体、ビニルエステル(共)重合体、ポリスチレン、合成ゴム類が好ましく用いられる。
高分子重合体微粒子は乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、気相重合法等、公知の何れの方法で重合された高分子重合体からなるものでもよい。溶液重合法又は気相重合法で重合された高分子重合体を微粒子化する方法としては、高分子重合体の有機溶媒に溶解液を不活性ガス中に噴霧、乾燥して微粒子化する方法、高分子重合体を水に非混和性の有機溶媒に溶解し、この溶液を水又は水性媒体に分散、有機溶媒を留去して微粒子化する方法等が挙げられる。又、何れの方法においても、必要に応じ重合あるいは微粒子化の際に分散剤、安定剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の界面活性剤やポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を用いてもよい。
又、熱可塑性微粒子は水に分散可能であることが好ましく、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。平均粒径が0.01μmよりも小さい場合、熱溶融性微粒子を含有する層の塗布液を後述する多孔質な親水性層上に塗布した際に、熱溶融性微粒子が親水性層の細孔中に入り込んだり、親水性層表面の微細な凹凸の隙間に入り込んだりしやすくなり、機上現像が不十分になって、地汚れの懸念が生じる。熱溶融性微粒子の平均粒径が10μmよりも大きい場合には、解像度が低下する。
又、熱可塑性微粒子は内部と表層との組成が連続的に変化していたり、もしくは異なる素材で被覆されていてもよい。被覆方法は公知のマイクロカプセル形成方法、ゾルゲル法等が使用できる。
層中の熱可塑性微粒子の含有量としては、層全体の1〜90質量%が好ましく、5〜80質量%がさらに好ましい。
本発明の熱溶融性およびまたは熱融着性微粒子を含有する画像形成機能層にはさらに水溶性素材を含有することができる。水溶性素材を含有することにより、印刷機上で湿し水やインクを用いて未露光部の画像形成機能層を除去する際に、その除去性を向上させることができる。
水溶性素材としては、親水性層に含有可能な素材として挙げた水溶性樹脂を用いることもできる。本発明の画像形成機能層で使用できる水溶性樹脂は、親水性の天然高分子及び合成高分子から選ばれる。本発明に好ましく用いられる水溶性樹脂の具体例としては、天然高分子では、アラビアガム、水溶性大豆多糖類、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ、メチルセルローズ等)、その変性体、ホワイトデキストリン、プルラン、酵素分解エーテル化デキストリン等、合成高分子では、ポリビニルアルコール(好ましくは鹸化度70モル%以上のもの)、ポリアクリル酸、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリアクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリメタクリル酸、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ビニルアルコール/アクリル酸共重合体及びそのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリアクリルアミド、その共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、その共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合体、そのアルカリ金属塩またはアミン塩等を挙げることができる。また、目的に応じて、これらを二種以上混合して用いることもできる。しかし、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
層中の水溶性樹脂の含有量としては、層全体の1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がさらに好ましい。
(親水性層)
本発明の印刷版材料の親水性層に用いられる素材は下記のような物が挙げられる。
本発明の印刷版材料の親水性層に用いられる素材は下記のような物が挙げられる。
親水性マトリックスを形成する素材としては金属酸化物が好ましく、更に好ましくは金属酸化物微粒子を含むことが好ましい。例えば、コロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他の金属酸化物のゾルが挙げられ、金属酸化物の形態としては、球状、羽毛状その他のいずれの形態でもよく、平均粒径としては3〜100nmであることがこのましく、平均粒径が異なる数種の金属酸化物微粒子を併用することもできる。また、粒子表面に表面処理がなされていてもよい。
上記金属酸化物粒子はその造膜性を利用して結合剤としての使用が可能である。有機の結合剤を用いるよりも親水性の低下が少なく、親水性層への使用に適している。
本発明には、上記の中でも特にコロイダルシリカが好ましく使用できる。コロイダルシリカは比較的低温の乾燥条件であっても造膜性が高いという利点が有り、良好な強度を得ることが出来る。
上記コロイダルシリカとしては、後述するネックレス状コロイダルシリカ、平均粒径20nm以下の微粒子コロイダルシリカを含む事が好ましく、さらに、コロイダルシリカはコロイド溶液としてアルカリ性を呈することが好ましい。
本発明に用いられるネックレス状コロイダルシリカとは1次粒子径がnmのオーダーである球形シリカの水分散径の総称である。なお、本発明に用いられるネックレス状コロイダルシリカとは1次粒子径が10〜50nmの球形コロイダルシリカが50〜400nmの長さに結合した「パールネックレス状」のコロイダルシリカを意味する。また、パールネックレス状(すなわち真珠ネックレス状)とは、コロイダルシリカのシリカ粒子が連なって結合した状態のイメージが真珠ネックレスのような形状をしていることを意味する。
ネックレス状コロイダルシリカを構成するシリカ粒子同士の結合は、シリカ粒子表面に存在する−SiOH基が脱水結合した−Si−O−Si−と推定される。
ネックレス状のコロイダルシリカとしては具体的には日産化学工業(株)性の「スノーテックス PS」シリーズなどが挙げられる。製品名としては、「スノーテックス PS−S(連結した状態の平均粒子径は110nm程度)」、「スノーテックス PS−M(連結した状態の平均粒子系は120nm程度)」及び「スノーテックス PS−L(連結した状態の平均粒子径は170nm程度)」があり、これらにそれぞれ対応する酸性の製品が「スノーテックス PS−S−O」、「スノーテックス PS−M−O」および「スノーテックス PS−L−O」である。
ネックレス状コロイダルシリカを添加することにより、層の多孔性を確保しつつ、強度を維持することが可能となり、親水性層マトリックスの多孔質化材として好ましく使用できる。このなかでもアルカリ性である「スノーテックス PS−S」、「スノーテックス PS−M」及び「スノーテックス PS−L」を用いると、親水性層の強度が向上し、また印刷枚数が多い場合でも地汚れの発生が抑制され、特に好ましい。
また、コロイダルシリカは粒子系が小さいほど結合力が強くなることが知られており、本発明には平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリカを用いることが好ましく3〜15nmであることが更に好ましい。又、前述のようにコロイダルシリカの中ではアルカリ性の物が地汚れ発生を抑制する効果が高いため、アルカリ性のコロイダルシリカを使用することが特に好ましい。
平均粒径がこの範囲にあるアルカリ性のコロイダルシリカ日産化学製の「スノーテックス 20(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス 30(粒子系10〜20nm)」、「スノーテックス 40(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス N(粒子径10〜20nm)」、「スノーテックス S(粒子径8〜11nm)」、「スノーテックス XS(粒子径4〜6nm)」が挙げられる。
平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリカは前述のネックレス状コロイダルシリカと併用することで、層の多孔質性維持しながら、強度をさらに向上させることが可能となり、特に好ましい。
平均粒径が20nm以下であるコロイダルシリカ/ネックレス状コロイダルシリカの比率は95/5〜5/95が好ましく、70/30〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が更に好ましい。
本発明に係る親水性層マトリックスの多孔質化材として粒径が、1μm未満の多孔質金属酸化物粒子を含有することが出来る。多孔質金属酸化物粒子としては、後述する多孔質シリカまたは多孔質アルミノシリケート粒子もしくはゼオライト粒子を好ましく用いることが出来る。多孔質シリカ粒子は、一般に、湿式法または乾式法により製造される。湿式法ではケイ酸塩水溶液を中和して得られるゲルを乾燥、粉砕するか、中和して析出した沈降物を粉砕することで得ることが出来る。乾式法では四塩化ケイ素を水素と酸素とともに燃焼し、シリカを析出することで得られる。これらの粒子は、製造条件の調整により、多孔性や粒径を制御することが可能である。多孔質シリカ粒子としては、湿式法のゲルから得られるものがとくに好ましい。
多孔質アルミノシリケート粒子は例えば特開平10−71764号に記載されている方法により製造される。即ちアルミニウムアルコキシドとケイ素アルコキシドを主成分として加水分解法により合成された非晶質な複合体粒子である。粒子中のアルミナとシリカの比率は1:4〜4:1の範囲で合成することが可能である。又、製造時にその他の金属アルコキシドを添加して3成分系以上の複合体粒子として製造したものも本発明に使用できる。これらの複合体粒子も製造条件の調整により多孔性や粒径を制御することが可能である。
粒子の多孔性としては細孔容積で0.5ml/g以上であることが好ましく、0.8ml/g以上であることがより好ましく、1.0〜2.5ml/g以下であることが更に好ましい。
細孔容積は塗膜の保水性と密接に関連しており、細孔容積が大きいほど保水性が良好となって印刷時に汚れにくく、水量ラチチュードも広くなるが、2.5ml/gよりも大きくなると粒子自体が非常に脆くなるため塗膜の耐久性が低下する。細孔容積が0.5ml/g未満の場合には、印刷性能がやや不十分となる場合がある。
本発明の多孔質化材としては、ゼオライトも使用できる。ゼオライトは結晶性のアルミノケイ酸塩であり、細孔径が0.3〜1nmの規則正しい三次元網目構造の空隙を有する多孔質体である。天然及び合成ゼオライトを合わせた一般式は、次のように表される。
(M1、M2 1/2)m(AlmSinO2(m+n))・xH2O
ここで、M1、M2は交換性のカチオンであって、M1はLi+、Na+、K+、Tl+、Me4N+(TMA)、Et4N+(TEA)、Pr4N+(TPA)、C7H15N2 +、C8H16N+等であり、M2はCa2+、Mg2+、Ba2+、Sr2+、C8H18N2 2+等である。又、n≧mであり、m/nの値つまりはAl/Si比率は1以下となる。Al/Si比率が高いほど交換性カチオンの量が多く含まれるため極性が高く、従って親水性も高い。好ましいAl/Si比率は0.4〜1.0であり、更に好ましくは0.8〜1.0である。xは整数を表す。
(M1、M2 1/2)m(AlmSinO2(m+n))・xH2O
ここで、M1、M2は交換性のカチオンであって、M1はLi+、Na+、K+、Tl+、Me4N+(TMA)、Et4N+(TEA)、Pr4N+(TPA)、C7H15N2 +、C8H16N+等であり、M2はCa2+、Mg2+、Ba2+、Sr2+、C8H18N2 2+等である。又、n≧mであり、m/nの値つまりはAl/Si比率は1以下となる。Al/Si比率が高いほど交換性カチオンの量が多く含まれるため極性が高く、従って親水性も高い。好ましいAl/Si比率は0.4〜1.0であり、更に好ましくは0.8〜1.0である。xは整数を表す。
本発明で使用するゼオライト粒子としては、Al/Si比率が安定しており、又粒径分布も比較的シャープである合成ゼオライトが好ましく、例えばゼオライトA:Na12(Al12Si12O48)・27H2O;Al/Si比率1.0、ゼオライトX:Na86(Al86Si106O384)・264H2O;Al/Si比率0.811、ゼオライトY:Na56(Al56Si136O384)・250H2O;Al/Si比率0.412等が挙げられる。
Al/Si比率が0.4〜1.0である親水性の高い多孔質粒子を含有することで親水性層自体の親水性も大きく向上し、印刷時に汚れにくく、水量ラチチュードも広くなる。又、指紋跡の汚れも大きく改善される。Al/Si比率が0.4未満では親水性が不充分であり、上記性能の改善効果が小さくなる。
また、本発明の印刷版材料の親水性層マトリクスは層状粘土鉱物粒子を含有することができる。該層状鉱物粒子としては、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サボナイト等)、バーミキュライト、マイカ(雲母)、クロライトといった粘土鉱物及び、ハイドロタルサイト、層状ポリケイ酸塩(カネマイト、マカタイト、アイアライト、マガディアイト、ケニヤアイト等)等が挙げられる。中でも、単位層(ユニットレイヤー)の電荷密度が高いほど極性が高く、親水性も高いと考えられる。好ましい電荷密度としては0.25以上、更に好ましくは0.6以上である。このような電荷密度を有する層状鉱物としては、スメクタイト(電荷密度0.25〜0.6;陰電荷)、バーミキュライト(電荷密度0.6〜0.9;陰電荷)等が挙げられる。特に、合成フッ素雲母は粒径等安定した品質のものを入手することができ好ましい。又、合成フッ素雲母の中でも、膨潤性であるものが好ましく、自由膨潤であるものが更に好ましい。
また、上記の層状鉱物のインターカレーション化合物(ピラードクリスタル等)や、イオン交換処理を施したもの、表面処理(シランカップリング処理、有機バインダとの複合化処理等)を施したものも使用することができる。
平板状層状鉱物粒子のサイズとしては、層中に含有されている状態で(膨潤工程、分散剥離工程を経た場合も含めて)、平均粒径(粒子の最大長)が1μm未満であり、平均アスペクト比が50以上であることが好ましい。粒子サイズが上記範囲にある場合、薄層状粒子の特徴である平面方向の連続性及び柔軟性が塗膜に付与され、クラックが入りにくく乾燥状態で強靭な塗膜とすることができる。また、粒子物を多く含有する塗布液においては、層状粘土鉱物の増粘効果によって、粒子物の沈降を抑制することができる。粒子径が上記範囲より大きくなると、塗膜に不均一性が生じて、局所的に強度が弱くなる場合がある。また、アスペクト比が上記範囲以下である場合、添加量に対する平板状の粒子数が少なくなり、増粘性が不充分となり、粒子物の沈降を抑制する効果が低減する。
層状鉱物粒子の含有量としては、層全体の0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。特に、膨潤性合成フッ素雲母やスメクタイトは少量の添加でも効果が見られるため好ましい。層状鉱物粒子は、塗布液に粉体で添加してもよいが、簡便な調液方法(メディア分散等の分散工程を必要としない)でも良好な分散度を得るために、層状鉱物粒子を単独で水に膨潤させたゲルを作製した後、塗布液に添加することが好ましい。
本発明においては、性能をそこなわない程度に、以下の素材を使用することができる。
ケイ酸塩水溶液も使用することができる。ケイ酸Na、ケイ酸K、ケイ酸Liといったアルカリ金属ケイ酸塩が好ましく、そのSiO2/M2O比率はケイ酸塩を添加した際の塗布液全体のpHが13を超えない範囲となるように選択することが無機粒子の溶解を防止する上で好ましい。
また、金属アルコキシドを用いた、いわゆるゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーも使用することができる。ゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーの形成については、例えば「ゾル−ゲル法の応用」(作花済夫著/アグネ承風社発行)に記載されているか、または、本書に引用されている文献に記載されている公知の方法を使用することができる。
また、水溶性樹脂を含有してもよい。水溶性樹脂としては、多糖類、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、ビニル系重合体ラテックス、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げられるが、本発明に用いられる水溶性樹脂としては、多糖類を用いることが好ましい。
多糖類としては、デンプン類、セルロース類、ポリウロン酸、プルランなどが使用可能であるが、特にメチルセルロース塩、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース塩等のセルロース誘導体が好ましく、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩やアンモニウム塩がより好ましい。これは、親水性層に多糖類を含有させることにより、親水性層の表面形状を好ましい状態形成する効果が得られるためである。
親水性層の表面は、PS版のアルミ砂目のように0.1〜20μmピッチの凹凸構造を有することが好ましく、この凹凸により保水性や画像部の保持性が向上する。このような凹凸構造は、親水性層マトリクスに適切な粒径のフィラーを適切な量含有させて形成することも可能であるが、親水性層の塗布液に前述のアルカリ性コロイダルシリカと前述の水溶性多糖類とを含有させ、親水性層を塗布、乾燥させる際に相分離を生じさせて形成することがより良好な印刷適性を有する構造を得ることができ、好ましい。凹凸構造の形態(ピッチ及び表面粗さなど)はアルカリ性コロイダルシリカの種類及び添加量、水溶性多糖類の種類及び添加量、その他添加材の種類及び添加量、塗布液の固形分濃度、ウエット膜厚、乾燥条件等で適宜コントロールすることが可能である。
本発明で、親水性マトリクスに添加される水溶性樹脂は、少なくともその一部が水溶性の状態のまま、水に溶出可能な状態で存在することが好ましい。水溶性の素材であっても、架橋剤等によって架橋し、水に不溶の状態になると、その親水性は低下して印刷適性を劣化させる懸念があるためである。
また、さらにカチオン性樹脂を含有しても良く、カチオン性樹脂としては、ポリエチレンアミン、ポリプロピレンポリアミン等のようなポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等が挙げられる。カチオン性樹脂は微粒子状の形態で添加しても良い。これは、例えば特開平6−161101号に記載のカチオン性マイクロゲルが挙げられる。
また、本発明に係る親水性層の塗布液には、塗布性改善等の目的で水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、又はF系等の界面活性剤を使用することができるが、特にSi元素を含む界面活性剤を使用することが印刷汚れを生じる懸念がなく、好ましい。該界面活性剤の含有量は親水性層全体(塗布液としては固形分)の0.01〜3質量%が好ましく、0.03〜1質量%が更に好ましい。
また、本発明に係る親水性層はリン酸塩を含むことができる。本発明では親水性層の塗布液がアルカリ性であることが好ましいため、リン酸塩としてはリン酸三ナトリウムやリン酸水素二ナトリウムとして添加することが好ましい。リン酸塩を添加することで、印刷時の網の目開きを改善する効果が得られる。リン酸塩の添加量としては、水和物を除いた有効量として、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%が更に好ましい。また、後述する光熱変換素材を含有することもできる。光熱変換素材としては、粒子状素材の場合は粒径が1μm未満であることが好ましい。
本発明に係る親水性層は、粒径が1μ以上の無機粒子もしくは無機素材で被覆された粒子を含有することが好ましい。
多孔質、無孔質、有機樹脂粒子、無機微粒子を問わず用いても良く、無機フィラーとしてはシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、カーボンブラック、グラファイト、TiO2、BaSO4、ZnS、MgCO3、CaCO3、ZnO、CaO、WS2、MoS2、MgO、SnO2、Al2O3、α−Fe2O3、α−FeOOH、SiC、CeO2、BN、SiN、MoC、BC、WC、チタンカーバイド、コランダム、人造ダイアモンド、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、トリボリ、ケイソウ土、ドロマイト等、有機フィラーとしては、ポリエチレン微粒子、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等を挙げることが出来る。
また、無機被服フィラーとしては、たとえば、PMMAやポリスチレン、メラミンといった有機粒子の芯剤を芯剤粒子よりも中継の小さな無機粒子で被覆した粒子が挙げられる。無機粒子の粒径としては芯材粒子の1/10〜1/100程度であることが好ましい。また、無機粒子としては、同様にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど公知の金属酸化物粒子を用いることができる。被覆方法としては、種々の公知の方法を用いることができるが、ハイブリダイザのような空気中で芯材粒子と被覆材粒子とを高速に衝突させて芯材粒子表面に被覆材粒子を食い込ませて固定、被覆する乾式の被覆方法を好ましく用いることができる。
また、有機粒子の芯材を金属メッキした粒子も用いることができる。このような粒子としては、例えば、樹脂粒子に金メッキを施した積水化学工業社製の「ミクロパールAU」等が挙げられる。
本発明に係る親水性層においては、特に、塗布液中での沈降を抑制するためには多孔質シリカ粒子、多孔質アルミノシリケート粒子等の多孔質無機フィラー、多孔質無機被服フィラーを用いるのがよい。
粒径は1〜12μmが好ましく、1.5〜8μmがより好ましく、2〜6μmがさらに好ましい。粒径が12μmを超えると、画像形成の解像度の低下や、ブランケット汚れの劣化が生じる懸念がある。粒径が1μm以上の粒子の添加量としては、親水性層全体の1〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。
親水性層全体としては、有機樹脂やカーボンブラック等の炭素を含有する素材の含有比率が低いことが親水性を向上させるために好ましく、これらの素材の合計が9質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましい。
(下層)
本発明に係る形態として、下層を設けてもよい。下層を設ける場合には、下層に用いる素材としては、親水性層と同様の素材を用いることができる。ただし、下層は多孔質であることの利点が少なく、また、より無孔質である方が塗膜強度が向上するといった理由から、親水性マトリクスの多孔質化材の含有量は親水性層よりも少ないことが好ましく、含有しないことがより好ましい。粒径が1μm以上の粒子の添加量としては、下層全体の1〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。
本発明に係る形態として、下層を設けてもよい。下層を設ける場合には、下層に用いる素材としては、親水性層と同様の素材を用いることができる。ただし、下層は多孔質であることの利点が少なく、また、より無孔質である方が塗膜強度が向上するといった理由から、親水性マトリクスの多孔質化材の含有量は親水性層よりも少ないことが好ましく、含有しないことがより好ましい。粒径が1μm以上の粒子の添加量としては、下層全体の1〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。
下層全体としても親水性層と同様に、有機樹脂やカーボンブラック等の炭素を含有する素材の含有比率が低いことが親水性を向上させるために好ましく、これらの素材の合計が9質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましい。
(光熱変換剤)
本発明に係る親水性層、下層、および画像形成層は下記の光熱変換素材を含有することで高感度を実現している。本発明においては、親水性層には下記金属酸化物を光熱変換素材として添加することができる。
本発明に係る親水性層、下層、および画像形成層は下記の光熱変換素材を含有することで高感度を実現している。本発明においては、親水性層には下記金属酸化物を光熱変換素材として添加することができる。
可視光域で黒色を呈している素材、または素材自体が導電性を有するか、半導体であるような素材を使用することができる。前者としては、黒色酸化鉄(Fe3O4)や、前述の二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物が挙げられる。後者とては、例えばSbをドープしたSnO2(ATO)、Snを添加したIn2O3(ITO)、TiO2、TiO2を還元したTiO(酸化窒化チタン、一般的にはチタンブラック)などが挙げられる。また、これらの金属酸化物で芯材(BaSO4、TiO2、9Al2O3・2B2O、K2O・nTiO2等)を被覆したものも使用することができる。これらの粒径は、0.5μm以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下である。これらの光熱変換素材のうち、二種以上の金属を含有する黒色複合金属酸化物がより好ましい素材として挙げられる。
具体的には、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sb、Ba、から選ばれる二種以上の金属からなる複合金属酸化物である。これらは、特開平8−27393号公報、特開平9−25126号公報、特開平9−237570号公報、特開平9−241529号公報、特開平10−231441号公報等に開示されている方法により製造することができる。
本発明に用いることができる複合金属酸化物としては、特にCu−Cr−Mn系またはCu−Fe−Mn系の複合金属酸化物であることが好ましい。Cu−Cr−Mn系の場合には、6価クロムの溶出を低減させるために、特開平8−273393号公報に開示されている処理を施すことが好ましい。これらの複合金属酸化物は添加量に対する着色、つまり、光熱変換効率が良好である。
これらの複合金属酸化物は平均1次粒子径が1μm以下であることが好ましく、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲にあることがより好ましい。平均1次粒子径が1μm以下とすることで、添加量に対する光熱変換能がより良好となり、平均1次粒子径が0.01〜0.5μmの範囲とすることで添加量に対する光熱変換能がより良好となる。
ただし、添加量に対する光熱変換能は、粒子の分散度にも大きく影響を受け、分散が良好であるほど良好となる。したがって、これらの複合金属酸化物粒子は、層の塗布液に添加する前に、別途公知の方法により分散して、分散液(ペースト)としておくことが好ましい。平均1次粒子径が0.01未満となると分散が困難となるため好ましくない。分散には適宜分散剤を使用することができる。分散剤の添加量は複合金属酸化物粒子に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
これらの複合金属酸化物の添加量としては、親水性層全固形分に対して20%以上、40%未満であり25%以上、39%未満がより好ましく、さらに好ましくは25%以上30%未満の範囲である。添加量が20%未満であると、十分な感度がでず、また40%以上であると、アブレートによるアブレーションカスが発生する。
また、本発明においては、親水性層、画像形成層には、下記赤外吸収染料を光熱変換素材として添加することができる。
一般的な赤外吸収色素であるシアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、特開昭64−33547号、特開平1−160683号、特開平1−280750号、特開平1−293342号、特開平2−2074号、特開平3−26593号、特開平3−30991号、特開平3−34891号、特開平3−36093号、特開平3−36094号、特開平3−36095号、特開平3−42281号、特開平3−97589号、特開平3−103476号公報等に記載の化合物が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの赤外吸収染料の添加量としては、画像形成層全固形分に対して0.1%以上10%未満であり0.3%以上7%未満がより好ましく、さらに好ましくは、0.5%以上6%未満の範囲である。添加量がこれを逸脱すると、上記同様に添加量が0.1%未満であると、十分な感度がでず、また10%以上であると、アブレートによるアブレーションカスが発生する。
(裏塗り層)
本発明においては、取り扱い性及び保管時の物性変化防止のために、支持体の画像形成層の反対側に少なくとも1層の裏塗り層を有することが好ましい。裏塗り層としては、親水性結合剤を含有していることが好ましく、特に印刷版材料表面が疎水性であれば、特開2002−258469号公報の段落「0033〜0038」に記載されている水分散系樹脂(ポリマーラテックス)から得られたものでもよい。
本発明においては、取り扱い性及び保管時の物性変化防止のために、支持体の画像形成層の反対側に少なくとも1層の裏塗り層を有することが好ましい。裏塗り層としては、親水性結合剤を含有していることが好ましく、特に印刷版材料表面が疎水性であれば、特開2002−258469号公報の段落「0033〜0038」に記載されている水分散系樹脂(ポリマーラテックス)から得られたものでもよい。
親水性結合剤としては、親水性のものなら特に限定はされないが、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する樹脂であるポリビニルアルコール(PVA)、セルロース系樹脂(メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等)、キチン類、及びデンプン;エーテル結合を有する樹脂であるポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)及びポリビニルエーテル(PVE);アミド基又はアミド結合を有する樹脂であるポリアクリルアミド(PAAM)及びポリビニルピロリドン(PVP)等を挙げることができる。又、解離性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩及びゼラチン類;スルホン基を有するポリスチレンスルホン酸塩;アミノ基、イミノ基、第3アミン及び第4級アンモニウム塩を有するポリアリルアミン(PAA)、ポリエチレンイミン(PEI)、エポキシ化ポリアミド(EPAm)、ポリビニルピリジン及びゼラチン類を挙げることができる。
疎水性結合剤は、結合剤として疎水性のものなら特に限定されないが、例えばα,β−エチレン性不飽和化合物に由来するポリマー、例えばポリ塩化ビニル、後−塩素化ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと塩化ビニリデンのコポリマー、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、ポリ酢酸ビニル及び部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、出発材料としてポリビニルアルコールから作られ、繰り返しビニルアルコール単位の一部のみがアルデヒドと反応していることができるポリビニルアセタール、好ましくはポリビニルブチラール、アクリロニトリルとアクリルアミドのコポリマー、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン及びポリエチレン又はそれらの混合物等が挙げられる。
本発明においては、印刷機への取り付け易さ、及び、印刷中における印刷版の位置ズレによるカラー印刷での色ズレを防止するために、裏塗り層にはマット剤を含有することが好ましい。含有するマット剤は多孔質、無孔質、有機樹脂粒子、無機微粒子を問わず用いても良く、無機マット剤としてはシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、カーボンブラック、グラファイト、TiO2、BaSO4、ZnS、MgCO3、CaCO3、ZnO、CaO、WS2、MoS2、MgO、SnO2、Al2O3、α−Fe2O3、α−FeOOH、SiC、CeO2、BN、SiN、MoC、BC、WC、チタンカーバイド、コランダム、人造ダイアモンド、ザクロ石、ガーネット、ケイ石、トリボリ、ケイソウ土、ドロマイト等、有機マット剤としてはポリエチレン微粒子、フッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子等を挙げることが出来る。
また、無機被服マット剤としてはたとえばPMMAやポリスチレン、メラミンといった有機粒子の芯剤を芯剤粒子よりも中継の小さな無機粒子で被覆した粒子が挙げられる。無機粒子の粒径としては芯材粒子の1/10〜1/100程度であることが好ましい。また、無機粒子としては、同様にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなど公知の金属酸化物粒子を用いることができる。被覆方法としては、種々の公知の方法を用いることができるが、ハイブリダイザのような空気中で芯材粒子と被覆材粒子とを高速に衝突させて芯材粒子表面に被覆材粒子を食い込ませて固定、被覆する乾式の被覆方法を好ましく用いることができる。
本発明においては、マット剤であれば特に制限無く効果が発揮できるが、特にロール状に巻回された製品形態での場合、バックコーティング層のマット剤が、画像形成層へのキズを抑制するため、有機樹脂粒子を用いるのが好ましい。
なお、本発明に係るマット剤の平均粒径は電子顕微鏡を用い、投影面積から円相当軽を算出して求められる。粒径は1〜12μmが好ましく、1.5〜8μmがより好ましく、2〜7μmがさらに好ましい。粒径が12μmを超えると、画像形成層へのキズが生じやすくなり、逆に1μmの粒子では、版胴上で版浮きが発生してしまう。マット剤の添加量としては、バックコーティング層全体の0.2〜30質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
さらに、レーザー記録装置あるいはプロセスレス印刷機には、装置内部において印刷版の搬送を制御するためのセンサーを有しており、これらの制御を滞りなく行うために、本発明において、該構成層には、色素及び顔料を含有させることが好ましい。色素及び顔料としては、前述の光熱変換素材に用いられる赤外吸収色素及びカーボンブラック等の黒色顔料が好ましく用いられる。又、更に、該構成層には公知の界面活性剤を含有させることができる。
(支持体)
発明に係るプラスチックフィルム支持体の構成材料としては、プラスチックフィルムが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、セルロースエステル類等を挙げることができる。中でも印刷版材料にハンドリング適性等から、好ましいのはポリエステルのPETならびにPENであり、特に好ましくはPETである。
発明に係るプラスチックフィルム支持体の構成材料としては、プラスチックフィルムが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、セルロースエステル類等を挙げることができる。中でも印刷版材料にハンドリング適性等から、好ましいのはポリエステルのPETならびにPENであり、特に好ましくはPETである。
PETはテレフタル酸とエチレングリコール、PENはナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールから構成されるが、これらを触媒の存在下で適当な反応条件下で結合させることによって重合できる。このとき、適当な1種、または2種以上の第3成分を混合しても良い。適当な第3成分としては、2価のエステル形成官能記を有する化合物であればよく、例えば、ジカルボン酸の例として次のようなものが挙げられる。
イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。
また、グリコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。
本発明のPET樹脂及びフィルムの固有粘度は0.5〜0.8であることが好ましい。また固有粘度の異なるものを混合して使用しても良い。
本発明のPETの合成方法は、特に限定があるわけではなく、従来公知のPETの製造方法に従って製造できる。例えば、ジカルボン酸成分をジオール成分と直接エステル化反応させる直接エステル化法、初めにジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用いて、必要に応じてエステル交換触媒あるいは重合反応触媒を用い、あるいは耐熱安定剤を添加することができる。熱安定剤としては、例えば、リン酸、亜リン酸、及びそれらのエステル化合物が挙げられる。また、合成時の各過程で着色防止剤、結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、粘度調節剤、透明化剤、帯電防止剤、pH調整剤、染料、顔料などを添加させてもよい。
次に、本発明の平版印刷材料用支持体の製造方法について説明する。
未延伸シートを得る方法および縦方向に一軸延伸する方法は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、原料のポリエステルをペレット状に成型し、熱風乾燥または真空乾燥した後、溶融押出し、Tダイよりシート状に押出して、静電印加法などにより冷却ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸シートを得る。次いで、得られた未延伸シートを複数のロール群および/または赤外線ヒーターなどの加熱装置を介してポリエステルのガラス転移温度(Tg)からTg+100℃の範囲内に加熱し、縦延伸する方法である。延伸倍率は、通常2.5倍〜6倍の範囲である。この際、延伸温度を支持体の表裏で温度差を持たせることで巻きぐせをつきづらくすることができる。具体的には、縦延伸の加熱時に、赤外線ヒーター等の加熱手段を片面側に設けることで温度をコントロールすることができる。延伸時の温度差は、好ましく0℃〜40℃、より好ましくは0℃〜20℃である。温度差が40℃より大きくなると、均一に延伸できずにフィルムの平面性が劣化しやすくなり好ましくない。
次に、上記の様にして得られた縦方向に一軸延伸されたポリエステルフィルムを、Tg〜Tg+120℃の温度範囲内で、横延伸し、次いで熱固定する。横延伸倍率は通常3〜6倍であり、また、縦、横延伸倍率の比は、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整される。ついで熱固定は、その最終横延伸温度より高温で、Tg+180℃以下の温度範囲内で通常0.5〜300秒間熱固定する。このとき、2つ以上の温度で熱固定されることが好ましい。このように2つ以上の温度で熱固定したフィルムは寸法安定性が向上し、印刷版材料用の支持体として有効である。
また、本発明の印刷版材料用支持体は寸法安定性の点で弛緩処理を行うことが好ましい。弛緩処理は前記ポリエステルフィルムの延伸製膜工程中の熱固定した後、横延伸のテンター内、またはテンターを出た後に巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。弛緩処理は、処理温度が80℃〜200℃で行われることが好ましく、より好ましくは、処理温度が100℃〜180℃である。また長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1%〜10%の範囲で行われることが好ましく、より好ましくは弛緩率が2〜6%で処理されることである。
(微粒子)
また、上記の支持体中にはハンドリング性向上のため0.01μm〜10μmの微粒子を1ppm〜1000ppm添加することが好ましい。ここで、微粒子としては、有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号明細書等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号明細書等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号明細書等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等を用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号明細書等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号明細書や英国特許第981,198号明細書等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号公報等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号公報等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号明細書等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号明細書等に記載されたポリカーボネートの様な有機微粒子を用いることができる。微粒子の形状は、定形、不定形どちらでもよい。
また、上記の支持体中にはハンドリング性向上のため0.01μm〜10μmの微粒子を1ppm〜1000ppm添加することが好ましい。ここで、微粒子としては、有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号明細書等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号明細書等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号明細書等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等を用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号明細書等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号明細書や英国特許第981,198号明細書等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号公報等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号公報等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号明細書等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号明細書等に記載されたポリカーボネートの様な有機微粒子を用いることができる。微粒子の形状は、定形、不定形どちらでもよい。
本発明に係る支持体は、本発明の印刷版材料に上記のハンドリング適性を付与する観点から、弾性率が300kg/mm2〜800kg/mm2であることが好ましく、より好ましくは400kg/mm2〜600kg/mm2である。ここで、弾性率とは、引張試験機を用い、JIS C2318に準拠したサンプルの標線が示すひずみと、それに対応する応力が直線的な関係を示す領域において、ひずみ量に対する応力の傾きを求めたものである。これがヤング率と呼ばれる値であり、本発明では、前記ヤング率を弾性率と定義する。
さらに本発明に係る支持体は、本発明の印刷版材料が本発明に記載の効果を奏するためには、前記印刷版材料を印刷機へ設置する際のハンドリング適性向上の観点から、平均膜厚が100μm〜500μmの範囲であり、且つ、厚み分布が5%以下であることが好ましい。特に好ましくは120μm〜300μmの範囲であり、厚み分布が2%以下である。本発明に係る支持体の厚み分布とは、厚みの最大値と最小値の差を平均厚みで割り百分率で表した値である。ここで、支持体の厚み分布の測定方法は、一辺が60cmの正方形に切り出した支持体を縦、横10cm間隔で碁盤目状に線を引き、この36点の厚みを測定し平均値と最大値、最小値を求める。
本発明のプラスチック支持体は、巻ぐせカールを低減させるために、熱処理を施しても良い。熱処理の方法としては、印刷版材料の各構成層の塗布乾燥後にロール形態に巻き取った後やそのままの状態で熱処理をする方法と、塗布乾燥中に搬送ラインを使用して熱処理する方法がある。
ロール形態で熱処理する方法としては、特開昭51−16358号公報等に記載があるように、ポリエステル支持体を製膜後に、ガラス転移温度以下の温度範囲において、0.1〜1500時間の熱処理を行う方法がある。この場合、フィルム同志のブロッキングを防止する観点から、フィルムの縁や中央部に部分的に或いは全長に渡ってエンボス加工、端部を折り曲げる加工、部分的にフィルムの厚みを厚くする方法を施すことが好ましい。巻き芯の転写による変形を防止するために、フィルムが巻かれても撓みなどを起こさない強度を備え、かつ熱処理温度に耐える材質、構造であることが好ましい。
ロール形態で熱処理する方法としては、特開昭51−16358号公報等に記載があるように、ポリエステル支持体を製膜後に、ガラス転移温度以下の温度範囲において、0.1〜1500時間の熱処理を行う方法がある。この場合、フィルム同志のブロッキングを防止する観点から、フィルムの縁や中央部に部分的に或いは全長に渡ってエンボス加工、端部を折り曲げる加工、部分的にフィルムの厚みを厚くする方法を施すことが好ましい。巻き芯の転写による変形を防止するために、フィルムが巻かれても撓みなどを起こさない強度を備え、かつ熱処理温度に耐える材質、構造であることが好ましい。
一方、搬送ラインを使用して熱処理する方法としては、特開平10−39448公報等に記載があるように、ガラス転移温度以上の温度〜ガラス転移温度に温度傾斜を付けたゾーンを搬送しながら熱処理することにより、巻癖低減ができる。時間は長い方が好ましいが、生産性、搬送性の観点から、CS:5m/min〜50m/minで搬送させながら熱処理することが好ましい。搬送張力は特に指定はないが、5kg/m〜60kg/mの張力が好ましい。上記以外のCSや搬送張力で熱処理をすると、巻きじわが発生したり支持体の表面性が悪くなり好ましくない。ライン搬送での熱処理においては、フィルムを平坦な状態に保持して搬送する方法、ピンやクリップによる搬送方法、エアー搬送方法、ロール搬送方法などが挙げられる。好ましくはエアー搬送、ロール搬送方法で、更に好ましくはロール搬送である。
本発明に係る支持体としては、プラスチックフィルム支持体が用いられるが、プラスチックフィルムと金属板(例えば、鉄、ステンレス、アルミニウムなど)やポリエチレンで被覆した紙などの材料(複合基材ともいう)を適宜貼り合わせた複合支持体を用いることもできる。これらの複合基材は、塗布層を形成する前に貼り合わせても良く、また、塗布層を形成した後に貼り合わせても良く、印刷機に取り付ける直前に貼り合わせても良い。
(画像露光)
本発明に係る画像形成方法の一つ態様として、平版印刷版材料の画像形成を熱により行うことができるが、特にレーザーによる露光によって画像形成を行うことが好ましい。本発明の平版印刷版材料に画像形成する光源としては、当該材料の感光波長領域に合わせて、種々の光源を使用することができるが、レーザー光光源の使用が好ましい。
本発明に係る画像形成方法の一つ態様として、平版印刷版材料の画像形成を熱により行うことができるが、特にレーザーによる露光によって画像形成を行うことが好ましい。本発明の平版印刷版材料に画像形成する光源としては、当該材料の感光波長領域に合わせて、種々の光源を使用することができるが、レーザー光光源の使用が好ましい。
当該印刷版は、印刷版材料を画像形成層を有する面から画像データに応じてレーザ光を照射して画像を形成することにより得られる。
レーザー露光の場合には、光をビーム状に絞り画像データに応じた走査露光が可能なので、マスク材料を使用せず、直接書込みを行うのに適している。又、レーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可能となる。
本発明の平版印刷版を露光するレーザー光源としては、赤外及び/または近赤外領域、即ち、700〜1500nmの波長範囲に発光波長を有するレーザー光源を用いることができる。具体的には、YAGレーザー、半導体レーザー等を好適に用いることが可能であるが、700〜1200nm域で連続発振可能なレーザーを用いることが、本発明に係るプロセスレス印刷版材料の効果を発揮する上で、特に好ましい。
本発明に係る露光に関し、より具体的には、赤外および/または近赤外領域で発光する、すなわち700〜1500nmの波長範囲で発光するレーザーを使用した走査露光が好ましい。レーザーとしてはガスレーザーを用いてもよいが、近赤外領域で発光する半導体レーザーを使用することが特に好ましい。
本発明に係る走査露光に好適な装置としては、該半導体レーザーを用いてコンピュータからの画像信号に応じて印刷版材料表面に画像を形成可能な装置であればどのような方式の装置であってもよい。
一般的には、
(1)平板状保持機構に保持された印刷版材料に一本もしくは複数本のレーザービームを用いて2次元的な走査を行って印刷版材料全面を露光する方式、
(2)固定された円筒状の保持機構の内側に、円筒面に沿って保持された印刷版材料に、円筒内部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いて円筒の周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式、
(3)回転体としての軸を中心に回転する円筒状ドラム表面に保持された印刷版材料に、円筒外部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いてドラムの回転によって周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式があげられる。
(1)平板状保持機構に保持された印刷版材料に一本もしくは複数本のレーザービームを用いて2次元的な走査を行って印刷版材料全面を露光する方式、
(2)固定された円筒状の保持機構の内側に、円筒面に沿って保持された印刷版材料に、円筒内部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いて円筒の周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式、
(3)回転体としての軸を中心に回転する円筒状ドラム表面に保持された印刷版材料に、円筒外部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いてドラムの回転によって周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式があげられる。
本発明に係る露光方式としては、特に、(3)の走査露光方式が好ましく、特に印刷装置上で露光を行う装置においては、(3)の露光方式が用いられる。
(印刷)
なお、本発明の平版印刷版は、通常の現像処理を行う印刷版材料として用いることができるが、いわゆるプロセスレス印刷版材料として、好ましく用いることができる。以下において、プロセスレス印刷版材料として当該印刷版を用いた印刷方法について説明する。
なお、本発明の平版印刷版は、通常の現像処理を行う印刷版材料として用いることができるが、いわゆるプロセスレス印刷版材料として、好ましく用いることができる。以下において、プロセスレス印刷版材料として当該印刷版を用いた印刷方法について説明する。
本発明の平版印刷版材料は、親水性層を有する支持体上に画像形成層を有する構成であり、上記の画像露光により画像形成がなされた後、現像処理を行うことなく印刷を行うことができる特徴を有する。即ち、本発明の印刷版材料にサーマルヘッドもしくはサーマルレーザーを用いて画像を形成した後に、平版印刷機上で湿し水または湿し水と印刷インクにより現像を行い、印刷することが好ましい態様である。上記の画像形成後の印刷版材料をそのまま印刷機の版胴に取り付けるか、あるいは印刷版材料を印刷機の版胴に取り付けた後に画像形成を行い、版胴を回転させながら水供給ローラー及び/またはインク供給ローラーを印刷版材料に接触させることで、湿し水及び/またはインクを供給し、画像形成層の非画像部を湿し水または湿し水と印刷インクで除去し、印刷版とすることが可能である。これらの感光層の非画像部の除去は、PS版を使用した通常の印刷シークエンスで行うことができるものであり、いわゆる機上現像処理によりなされる。
本発明に係るプロセスレス印刷版材料を用いた印刷方法においては、下において述べるように、一般的な湿し水とプロセスインクとを使用することができる。
(湿し水)
本発明で用いる湿し水には、以下のものを複数組み合わせることが好ましい。
(a)pH調整剤
(b)濡れ性向上のための助剤
(c)水溶性高分子化合物
(d)臭気マスキング剤
(e)防腐剤
(f)キレート化剤
(g)着色剤
(h)防錆剤
(i)消泡剤
本発明の湿し水は、表面張力及び粘度を調整して印刷適性を向上するためにアルコール類を添加しても良い。添加できるアルコールの例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
本発明で用いる湿し水には、以下のものを複数組み合わせることが好ましい。
(a)pH調整剤
(b)濡れ性向上のための助剤
(c)水溶性高分子化合物
(d)臭気マスキング剤
(e)防腐剤
(f)キレート化剤
(g)着色剤
(h)防錆剤
(i)消泡剤
本発明の湿し水は、表面張力及び粘度を調整して印刷適性を向上するためにアルコール類を添加しても良い。添加できるアルコールの例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
本発明に係る湿し水組成物の成分として残余は、水である。湿し水組成物は、通常商業ベースとするときは濃縮化して商品化するのが一般的である。従って、水、好ましくは脱塩水、即ち、純水を使用して、上記の各種成分を溶解した水溶液として濃縮湿し水組成物を得ることができる。このような濃縮液を使用するときに、通常使用時に水道水、井戸水等で10〜200倍程度に希釈し、使用時の湿し水組成物とする。
本発明に係る湿し水は、呼び出し給水方式、連続給水方式のいずれの湿し水の供給装置でも使用できるが、特に連続給水方式の湿し水の供給装置で用いられることが好ましい。三菱ダイヤマチックダンプナー、コモリマチック、ダールグレンダンプナーやハイデルベルグのアルカラーダンプナーといった印刷機でも使用することができる。
(インク)
本発明に係る印刷で用いることができるインクは、平版印刷に使用できるインクであればいずれのインクでも良いが、具体的には、ロジン変性フェノール樹脂と植物油(アマニ油、桐油、大豆油等)、石油系溶剤、顔料、酸化重合触媒(コバルト、マンガン、鉛、鉄、亜鉛等)等の成分よりなる油性インクとアクリル系オリゴマー、アクリルモノマー、光重合開始剤、顔料等の成分よりなる放射線紫外線硬化型のインクであり、さらに、油性インクの性質とUVインクの性質を併せ持つハイブリッドインクも使用できる。
本発明に係る印刷で用いることができるインクは、平版印刷に使用できるインクであればいずれのインクでも良いが、具体的には、ロジン変性フェノール樹脂と植物油(アマニ油、桐油、大豆油等)、石油系溶剤、顔料、酸化重合触媒(コバルト、マンガン、鉛、鉄、亜鉛等)等の成分よりなる油性インクとアクリル系オリゴマー、アクリルモノマー、光重合開始剤、顔料等の成分よりなる放射線紫外線硬化型のインクであり、さらに、油性インクの性質とUVインクの性質を併せ持つハイブリッドインクも使用できる。
本発明において用いることができる放射線硬化性インクは少なくとも重合性化合物から構成される。また、可視画性を得る目的で色材を添加することもできる。
色材としては、重合性化合物の主成分に溶解または分散できる色材、つまりは種々の染料、顔料が使用出来る。
顔料を添加する場合には、その分散性が着色度に大きな影響を与えるため、適宜分散を行う。顔料の分散には、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤は高分子分散剤を用いることが好ましい高分子分散剤としてはZeneca社のSolsperseシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は溶剤または重合性化合物で行うが、本発明に用いる照射線硬化型インクは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
分散は、平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することが出来る。
色材はインク全体の0.1質量%乃至10質量%の添加量が好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されない。
(支持体)
(支持体の作製)
(PET樹脂)
テレフタル酸ジメチル100質量部,エチレングリコール65質量部にエステル交換触媒として酢酸マグネシウム水和物0.05質量部を添加し、常法に従ってエステル交換を行った。得られた生成物に、三酸化アンチモン0.05質量部,リン酸トリメチルエステル0.03質量部を添加した。次いで、徐々に昇温、減圧にし、280℃、66.6Paで重合を行い、固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を得た。
(支持体の作製)
(PET樹脂)
テレフタル酸ジメチル100質量部,エチレングリコール65質量部にエステル交換触媒として酢酸マグネシウム水和物0.05質量部を添加し、常法に従ってエステル交換を行った。得られた生成物に、三酸化アンチモン0.05質量部,リン酸トリメチルエステル0.03質量部を添加した。次いで、徐々に昇温、減圧にし、280℃、66.6Paで重合を行い、固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を得た。
以上のようにして得られたPET樹脂を用いて、以下のようにして二軸延伸PETフィルムを作製した。
(二軸延伸PETフィルム)
PET樹脂をペレット化したものを150℃で8時間真空乾燥した後、285℃でTダイから層状に溶融押しだし、30℃の冷却ドラム上で静電印加しながら密着させ、冷却固化させ、未延伸フィルムを得た。この未延伸シートをロール式縦延伸機を用いて、80℃で縦方向に3.3倍延伸した。得られた一軸延伸フィルムに引き続き、テンター式横延伸機を用いて、第一延伸ゾーン90℃で総横延伸倍率の50%延伸し、さらに第二延伸ゾーン100℃で総横延伸倍率3.3倍になるように延伸した。次いで、70℃2秒間、前熱処理し、さらに第一固定ゾーン150℃で5秒間熱固定し、第二固定ゾーン220℃で15秒間熱固定した。次いで160℃で横(幅手)方向に5%弛緩処理し、テンターを出た後に、室温まで60秒かけて冷却し、フィルムをクリップから解放、スリットし、それぞれ巻き取り、厚さ175μの二軸延伸PETフィルムを得た。この二軸延伸PETフィルムのTgは79℃であった。なお、得られた支持体の厚み分布は2%であった。
PET樹脂をペレット化したものを150℃で8時間真空乾燥した後、285℃でTダイから層状に溶融押しだし、30℃の冷却ドラム上で静電印加しながら密着させ、冷却固化させ、未延伸フィルムを得た。この未延伸シートをロール式縦延伸機を用いて、80℃で縦方向に3.3倍延伸した。得られた一軸延伸フィルムに引き続き、テンター式横延伸機を用いて、第一延伸ゾーン90℃で総横延伸倍率の50%延伸し、さらに第二延伸ゾーン100℃で総横延伸倍率3.3倍になるように延伸した。次いで、70℃2秒間、前熱処理し、さらに第一固定ゾーン150℃で5秒間熱固定し、第二固定ゾーン220℃で15秒間熱固定した。次いで160℃で横(幅手)方向に5%弛緩処理し、テンターを出た後に、室温まで60秒かけて冷却し、フィルムをクリップから解放、スリットし、それぞれ巻き取り、厚さ175μの二軸延伸PETフィルムを得た。この二軸延伸PETフィルムのTgは79℃であった。なお、得られた支持体の厚み分布は2%であった。
二軸延伸PETフィルムの画像形成機能層上に表面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、下引塗布液a−1を乾燥膜厚が0.8μmとなるよう塗布し、123℃で乾燥し、親水性側に下引層A−1を設けた。
また、反対側の面,表面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、裏塗り層下引層として、下引塗布液b−1を乾燥膜厚が0.1μmとなるよう23℃で塗布し、123℃で乾燥し、帯電防止機能を持つ下引層B−1を設けた。
この後、下引層A−1、B−1の上表面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、下引層A−1の上には下引塗布液a−2を乾燥膜厚が0.1μmとなるよう塗布し、123℃で乾燥して下引層A−2を設け、又、下引層B−1の上には下引塗布液b−2を乾燥膜厚が0.2μmとなるよう塗布し、123℃で乾燥して下引層B−2を設け、更に140℃で2分間熱処理し、下引層形成済みの試料を得た。
(下引塗布液a−1)
《下引き塗布液a》
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=60/39/1の3元系共重合ラテックス(Tg=75℃) 固形分濃度30% 250g
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=20/40/40の3元系共重合ラテックス(Tg=20℃) 固形分濃度30% 25g
アニオン系界面活性剤S−1(2%) 30g
水で1kgに仕上げた。
(下引塗布液b−1)
表1に示す金属酸化物F−1(8.3%) 109.5g
スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシメタクリレート=27/45/28の3元系共重合ラテックス(Tg=45℃) 固形分濃度30% 3.8g
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=20/40/40の3元系共重合ラテックス(Tg=20℃) 固形分濃度30% 15g
アニオン系界面活性剤S−1(2%) 25g
以上に蒸留水を加えて1kgとした。
《下引き塗布液a》
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=60/39/1の3元系共重合ラテックス(Tg=75℃) 固形分濃度30% 250g
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=20/40/40の3元系共重合ラテックス(Tg=20℃) 固形分濃度30% 25g
アニオン系界面活性剤S−1(2%) 30g
水で1kgに仕上げた。
(下引塗布液b−1)
表1に示す金属酸化物F−1(8.3%) 109.5g
スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシメタクリレート=27/45/28の3元系共重合ラテックス(Tg=45℃) 固形分濃度30% 3.8g
スチレン/グリシジルメタクリレート/ブチルアクリレート=20/40/40の3元系共重合ラテックス(Tg=20℃) 固形分濃度30% 15g
アニオン系界面活性剤S−1(2%) 25g
以上に蒸留水を加えて1kgとした。
(下引塗布液a−2)
変性水性ポリエステルL−4溶液(23質量%) 31g
クラレ製エクセバール(ポリビニルアルコールとエチレンの共重合体)RS−2117の5%水溶液 58g
アニオン系界面活性剤S−1(2%) 6g
硬膜剤H−1(0.5%) 100g
真球状シリカマット剤(日本触媒社のシーホスターKE−P50)2%分散液 10g
以上に蒸留水を加えて1000mlとした。
変性水性ポリエステルL−4溶液(23質量%) 31g
クラレ製エクセバール(ポリビニルアルコールとエチレンの共重合体)RS−2117の5%水溶液 58g
アニオン系界面活性剤S−1(2%) 6g
硬膜剤H−1(0.5%) 100g
真球状シリカマット剤(日本触媒社のシーホスターKE−P50)2%分散液 10g
以上に蒸留水を加えて1000mlとした。
(下引塗布液b−2)
変性水性ポリエステルL−3溶液(18質量%) 150g
アニオン系界面活性剤S−1(2%) 6g
真球状シリカマット剤(日本触媒社のシーホスターKE−P50)2%分散液 10g
以上に蒸留水を加えて1000mlとした。
変性水性ポリエステルL−3溶液(18質量%) 150g
アニオン系界面活性剤S−1(2%) 6g
真球状シリカマット剤(日本触媒社のシーホスターKE−P50)2%分散液 10g
以上に蒸留水を加えて1000mlとした。
(水性ポリエステル溶液の調製)
テレフタル酸ジメチル35.4質量部、イソフタル酸ジメチル33.63質量部、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩17.92質量部、エチレングリコール62質量部、酢酸カルシウム一水塩0.065質量部、酢酸マンガン四水塩0.022質量部を、窒素気流下において170〜220℃でメタノールを留去しながらエステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.04質量部、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.04質量部、及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸6.8質量部を加え、220〜235℃の反応温度でほぼ理論量の水を留去しエステル化を行った。その後、更に反応系内を約1時間かけて減圧、昇温し、最終的に280℃、133Pa以下で約1時間重縮合を行い、水性ポリエステルA−1を作製した。得られた水性ポリエステルA−1の固有粘度は0.33であった。
テレフタル酸ジメチル35.4質量部、イソフタル酸ジメチル33.63質量部、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩17.92質量部、エチレングリコール62質量部、酢酸カルシウム一水塩0.065質量部、酢酸マンガン四水塩0.022質量部を、窒素気流下において170〜220℃でメタノールを留去しながらエステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.04質量部、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.04質量部、及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸6.8質量部を加え、220〜235℃の反応温度でほぼ理論量の水を留去しエステル化を行った。その後、更に反応系内を約1時間かけて減圧、昇温し、最終的に280℃、133Pa以下で約1時間重縮合を行い、水性ポリエステルA−1を作製した。得られた水性ポリエステルA−1の固有粘度は0.33であった。
次いで、攪拌翼、還流冷却管、温度計を伏した2Lの三口フラスコに、純水850mlを入れ、攪拌翼を回転させながら水性ポリエステルA−1を150g徐々に添加した。室温でこのまま30分間攪拌した後、1.5時間かけて内温が98℃になるよう加熱し、この温度で3時間加熱溶解した。加熱終了後、1時間かけて室温まで冷却し、一夜放置し、15質量%の水性ポリエステルを調製した。
(変性ポリエステルLx−3溶液の調製)
攪拌翼、還流冷却管、温度計、滴下ロートを伏した3Lの四口フラスコに、前記15質量%の水性ポリエステル溶液1900mlを入れ、攪拌翼を回転させながら内温が80℃になるよう加熱する。この中に、過酸化アンモニウムの24%水溶液を6.52ml加え、モノマー混合液(アクリル酸エチル35.7g、メタクリル酸メチル35.7g)を30分間かけて滴下し、更に3時間反応を続ける。この後、30℃以下まで冷却、濾過して、固形分濃度が18質量%の変性水性ポリエステルLx−3溶液を調製した。(水性ポリエステル溶液の調製)テレフタル酸ジメチル35.4質量部、イソフタル酸ジメチル33.63質量部、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩17.92質量部、エチレングリコール62質量部、酢酸カルシウム一水塩0.065質量部、酢酸マンガン四水塩0.022質量部を、窒素気流下において、170〜220℃でメタノールを留去しながらエステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.04質量部、重縮合触媒とし三酸化アンチモン0.04質量部及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸6.8質量部を加え、220〜235℃の反応温度で、ほぼ理論量の水を留去しエステル化を行った。
攪拌翼、還流冷却管、温度計、滴下ロートを伏した3Lの四口フラスコに、前記15質量%の水性ポリエステル溶液1900mlを入れ、攪拌翼を回転させながら内温が80℃になるよう加熱する。この中に、過酸化アンモニウムの24%水溶液を6.52ml加え、モノマー混合液(アクリル酸エチル35.7g、メタクリル酸メチル35.7g)を30分間かけて滴下し、更に3時間反応を続ける。この後、30℃以下まで冷却、濾過して、固形分濃度が18質量%の変性水性ポリエステルLx−3溶液を調製した。(水性ポリエステル溶液の調製)テレフタル酸ジメチル35.4質量部、イソフタル酸ジメチル33.63質量部、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩17.92質量部、エチレングリコール62質量部、酢酸カルシウム一水塩0.065質量部、酢酸マンガン四水塩0.022質量部を、窒素気流下において、170〜220℃でメタノールを留去しながらエステル交換反応を行った後、リン酸トリメチル0.04質量部、重縮合触媒とし三酸化アンチモン0.04質量部及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸6.8質量部を加え、220〜235℃の反応温度で、ほぼ理論量の水を留去しエステル化を行った。
その後、更に反応系内を約1時間かけて減圧、昇温し最終的に280℃、133Pa以下で約1時間重縮合を行い、水性ポリエステルを作製した。得られた水性ポリエステル固有粘度は0.33(100ml/g)であった。また、Mw=80,000〜100,000であった。
次いで、撹拌翼、環流冷却管、温度計を付した2Lの3つ口フラスコに、純水850mlを入れ、撹拌翼を回転させながら、水性ポリエステルを150g徐々に添加した。室温でこのまま30分間撹拌した後、1.5時間かけて内温が98℃になるように加熱し、この温度で3時間加熱溶解した。加熱終了後、1時間かけて室温まで冷却し、一夜放置して、15質量%の水性ポリエステル溶液を調製した。
(変性水性ポリエステル溶液の調製)
撹拌翼、環流冷却管、温度計、滴下ロートを付した3Lの4つ口フラスコに、前記15質量%の水性ポリエステルA−1溶液1900mlを入れ、撹拌翼を回転させながら、内温度を80℃まで加熱する。この中に、過酸化アンモニウムの24%水溶液を6.52ml加え、モノマー混合液(メタクリル酸グリシジル28.5g、アクリル酸エチル21.4g、メタクリル酸メチル21.4g)を30分間かけて滴下し、さらに3時間反応を続ける。その後、30℃以下まで冷却、濾過して、固形分濃度が18質量%の変性水性ポリエステルB−1溶液(ビニル系成分変性比率20質量%)を調製した。またビニル系成分変性比率5質量%にしたものを変性水性ポリエステルL−4とした。
撹拌翼、環流冷却管、温度計、滴下ロートを付した3Lの4つ口フラスコに、前記15質量%の水性ポリエステルA−1溶液1900mlを入れ、撹拌翼を回転させながら、内温度を80℃まで加熱する。この中に、過酸化アンモニウムの24%水溶液を6.52ml加え、モノマー混合液(メタクリル酸グリシジル28.5g、アクリル酸エチル21.4g、メタクリル酸メチル21.4g)を30分間かけて滴下し、さらに3時間反応を続ける。その後、30℃以下まで冷却、濾過して、固形分濃度が18質量%の変性水性ポリエステルB−1溶液(ビニル系成分変性比率20質量%)を調製した。またビニル系成分変性比率5質量%にしたものを変性水性ポリエステルL−4とした。
(裏塗り(バックコーティング)層の調液)
表1の組成をホモジナイザを用いて十分に攪拌混合した後、濾過してバックコーティング層塗布液を作製した。
(バックコーティング層の塗布)
バックコーティング層の塗布液を上記支持体下引き面B側にワイヤーバー#6を用いて下引き済みサンプルに塗布し15mの長さの100℃に設定押された乾燥ゾーンを搬送スピード15m/分の速度で通過させた。バックコーティング層の付量は2.0g/m2であった。
バックコーティング層の塗布液を上記支持体下引き面B側にワイヤーバー#6を用いて下引き済みサンプルに塗布し15mの長さの100℃に設定押された乾燥ゾーンを搬送スピード15m/分の速度で通過させた。バックコーティング層の付量は2.0g/m2であった。
(下層親水性層塗布液の調液)
表2の組成をホモジナイザを用いて十分に攪拌混合した後、濾過して下層親水性層塗布液を作製した。
(上層親水性層塗布液の調液)
表3の組成をホモジナイザを用いて十分に攪拌混合した後、濾過して上層親水性層塗布液を作製した。
(下層、上層親水性層の塗布)
それぞれの下層親水性層塗布液を上記バックコート層を塗布済みの支持体の裏面(下引き塗布面A)にワイヤーバー#5を用いて塗布し15mの長さの100℃に設定押された乾燥ゾーンを搬送スピード15m/分の速度で通過させた。引き続き上層親水層の塗布液をワイヤーバー#3を用いて塗布し30mの長さの100℃に設定された乾燥ゾーンを搬送スピード15m/分の速度で通過させた。下層、親水性層それぞれの付量は3.0g/m2、0.55g/m2であった。塗布後のサンプルは60℃で1日間のエイジングを行なった。
それぞれの下層親水性層塗布液を上記バックコート層を塗布済みの支持体の裏面(下引き塗布面A)にワイヤーバー#5を用いて塗布し15mの長さの100℃に設定押された乾燥ゾーンを搬送スピード15m/分の速度で通過させた。引き続き上層親水層の塗布液をワイヤーバー#3を用いて塗布し30mの長さの100℃に設定された乾燥ゾーンを搬送スピード15m/分の速度で通過させた。下層、親水性層それぞれの付量は3.0g/m2、0.55g/m2であった。塗布後のサンプルは60℃で1日間のエイジングを行なった。
(画像形成層塗布液の調液)
下記表4の組成の画像形成層を上記で作製した上層親水性層の上にワイヤーバー#5を用いて塗布し、30mの長さの70℃に設定された乾燥ゾーンを搬送スピード15m/分の速度で通過させ、画像形成層を形成した。画像形成層の付量は0.5g/m2であった。塗布後のサンプルは50℃で2日間のエイジングを行なった。
下記表4の組成の画像形成層を上記で作製した上層親水性層の上にワイヤーバー#5を用いて塗布し、30mの長さの70℃に設定された乾燥ゾーンを搬送スピード15m/分の速度で通過させ、画像形成層を形成した。画像形成層の付量は0.5g/m2であった。塗布後のサンプルは50℃で2日間のエイジングを行なった。
上記平版印刷版材料を660mm幅に断裁し、外径76mmの紙コアに30m巻回し、ロール状平版印刷版材料を得た。
また画像形成層に表5に示す熱溶融粒子種及び量に変更し、同様のロール状平版印刷版材料を得た。
また画像形成層に表5に示す熱溶融粒子種及び量に変更し、同様のロール状平版印刷版材料を得た。
(印刷方法)
印刷装置:三菱重工工業(株)製DAIYAF−1を用いて、コート紙、湿し水アストロマーク3(日研化学研究所社製)、2質量%、インクはトーヨーTK ハイユニティーM紅(東洋インキ社製)を用意しそれぞれで印刷評価を行った。印刷評価は裏面印刷で行い、表印刷時にはパウダー(商品名:ニッカリコM(ニッカ(株)製)を使用し、印刷装置のパウダー目盛10で表印刷を行った。
印刷装置:三菱重工工業(株)製DAIYAF−1を用いて、コート紙、湿し水アストロマーク3(日研化学研究所社製)、2質量%、インクはトーヨーTK ハイユニティーM紅(東洋インキ社製)を用意しそれぞれで印刷評価を行った。印刷評価は裏面印刷で行い、表印刷時にはパウダー(商品名:ニッカリコM(ニッカ(株)製)を使用し、印刷装置のパウダー目盛10で表印刷を行った。
(刷り出しの評価(損紙))
刷り出し時、良好なS/N比(非画像部に地汚れが無く、すなわち、画像形成層の非画像部が印刷機上で除去され、かつ、画像部の濃度が適正範囲となっている。特にバックコート層のマット材による画像層のキズに起因する現像不良もない状態)を有した印刷物が得られるまでの印刷枚数を評価した。損紙の枚数が少ないほど優れている。40枚以上では実用上問題がある。
刷り出し時、良好なS/N比(非画像部に地汚れが無く、すなわち、画像形成層の非画像部が印刷機上で除去され、かつ、画像部の濃度が適正範囲となっている。特にバックコート層のマット材による画像層のキズに起因する現像不良もない状態)を有した印刷物が得られるまでの印刷枚数を評価した。損紙の枚数が少ないほど優れている。40枚以上では実用上問題がある。
(耐刷性の評価)
画像の3%の小点の欠落、または、ベタ部の濃度低下のいずれかが確認された段階で耐刷終点とし、その枚数を求めた。
画像の3%の小点の欠落、または、ベタ部の濃度低下のいずれかが確認された段階で耐刷終点とし、その枚数を求めた。
(露光可視画性の評価)
上記形成した画像について露光部と未露光部との判別性を濃度計で評価しし、下記の基準に則り露光可視画像性の評価を行った。
◎:1.2〜2.0
○:0.8〜1.2
△:0.5〜0.8
×:0.5未満
表5から明らかなように、本発明の平版印刷版材料は機上現像性,耐刷性,可視画性に優れた印刷性能を有する。
上記形成した画像について露光部と未露光部との判別性を濃度計で評価しし、下記の基準に則り露光可視画像性の評価を行った。
◎:1.2〜2.0
○:0.8〜1.2
△:0.5〜0.8
×:0.5未満
表5から明らかなように、本発明の平版印刷版材料は機上現像性,耐刷性,可視画性に優れた印刷性能を有する。
Claims (7)
- プラスチック支持体上に親水性層及び画像形成層を有する平版印刷版材料において、該画像形成層が飽和炭化水素ワックスを含有し、該飽和炭化水素ワックスの融点が110〜125℃であり、かつ溶融粘度が1〜30mPa・sであることを特徴とする平版印刷版材料。
- 前記飽和炭化水素ワックスの分子量が900〜1200であることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版材料。
- 前記画像形成層がカルナウバワックスを含有し、該カルナウバワックスの融点が70〜100℃で、かつ溶融粘度が1〜30mPa・sであることを特徴とする請求項1または2に記載の平版印刷版材料。
- 前記親水性層が光熱変換剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の平版印刷版材料。
- 前記画像形成層が機上現像を可能とする機能を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の平版印刷版材料。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の平版印刷版材料がロール状であることを特徴とする平版印刷版材料。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の平版印刷版材料にサーマルヘッドまたはサーマルレーザーを用いて画像を形成した後に、平版印刷機上で湿し水または湿し水と印刷インクにより現像を行い、印刷することを特徴とする印刷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005118095A JP2006300989A (ja) | 2005-04-15 | 2005-04-15 | 平版印刷版材料及びそれを用いた印刷方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005118095A JP2006300989A (ja) | 2005-04-15 | 2005-04-15 | 平版印刷版材料及びそれを用いた印刷方法 |
Publications (1)
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JP2006300989A true JP2006300989A (ja) | 2006-11-02 |
Family
ID=37469397
Family Applications (1)
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JP2005118095A Pending JP2006300989A (ja) | 2005-04-15 | 2005-04-15 | 平版印刷版材料及びそれを用いた印刷方法 |
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JP (1) | JP2006300989A (ja) |
-
2005
- 2005-04-15 JP JP2005118095A patent/JP2006300989A/ja active Pending
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