JP2006297809A - インクジェット記録媒体及びインクジェット記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、高光沢で、インク吸収性、コックリング耐性及びにじみ耐性に優れたインクジェット記録媒体及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】 支持体上に、少なくとも1層のインク吸収層を有するインクジェット記録媒体において、該支持体は、セルロースパルプを主成分とする紙基材の該インク吸収層を形成する面側に、有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子とを含む有機溶剤系塗布液により形成された層を有し、かつ表面平滑化処理が施されていることを特徴とするインクジェット記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法で用いるインクジェット記録媒体及びその製造方法に関するものである。
インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などのインクジェット記録媒体に着弾させ、画像・文字などの記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点により、各種プリンター、ファクシミリ、コンピューター端末等、様々な分野で近年急速に普及している。
この様なインクジェット記録方式で使用されるインクジェット記録媒体としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インク吸収能が高く、印字ドットが重なった場合においてもインクが溢れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が要求されている。また、近年では、印字画像の保存性についても著しい向上が見られており、総じて画像品質及び画像保存性は銀塩写真の品質に急速に接近しつつある。
これらに加え、銀塩写真画像に近似の高品位なインクジェット画像を達成する上では、インクジェット記録媒体表面の光沢性、写像性もまた重要な特性の一つであるである。インクジェット記録媒体の光沢や写像性が低いと画像の鮮明感が低下し、また立体感、奥行き感に乏しい画像として感じられることが多い。このため、写真画質を謳うインクジェット光沢用紙においては、多くの場合、銀塩写真に用いられている紙基材の両面を樹脂層で被覆したレジンコート支持体が用いられている。レジンコート支持体は、表面平滑性が高く、高光沢で、かつ写像性に優れると共に、耐水性を備えており、支持体上にインク吸収層を塗布する際、支持体へのインク吸収層塗布液が含む水分等の浸透が起こらず、支持体のコックリング(しわ等が発生し平面性を損なう故障)の発生に伴う平滑性の低下、光沢や写像性の低下も発生しない。しかしながら、このような高品質のレジンコート支持体は、その用途も限定されることもあり、高価であり、従って、写真画質仕様のインクジェット記録媒体の価格も高くならざるをえないのが現状である。
一方、レジンコート支持体に代わり、吸水性の紙支持体上にインク吸収層を塗布し、その後、キャスト工程あるいはカレンダー処理工程を施すことでインクジェット記録媒体表面の平滑性を高め、光沢と写像性を高めたインクジェット記録用紙が知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。これらのインクジェット記録媒体は、いわゆるインクジェット用キャストコート紙と呼ばれるものであり、レジンコート支持体を用いた記録媒体より安価で提供することが可能である。しかしながら、キャスト処理されたインク吸収層のインク浸透性が高いため、印字した後にインク溶媒がインク吸収層を通過して紙支持体中に浸透し、コックリングを引き起こし、品位の低下を招くといった問題があった。
上記課題に対し、紙基材とインク吸収層との間に新たな層を設けてインクの紙基材への浸透を防止し、コックリング発生を抑制する技術が開示されている。例えば、普通紙基材とインク吸収層との間に、無機微粒子とガラス転移点が30〜60℃の接着剤からなる層を設けることで、印字後のコックリングを改良する技術が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。特許文献4に開示されている方法によれば、ガラス転移点の高い、すなわち剛性の高い樹脂層を中間層として設けることで記録用紙全体の剛性を高めてコックリングの発生を抑制するというものであるが、高温高湿環境下では中間層の剛性が低下してコックリングが発生しやすくなり、改良手段としては不十分であった。また、普通紙基材に上記で規定するような中間層を形成しても平滑性が不十分であり、レジンコート紙同等の光沢及び写像性を得るには至っていないのが現状である。
一方、原紙に水分散性エマルジョンを塗布乾燥し、Tgよりも高い温度でカレンダー処理することによって、水分散性エマルジョンを加熱成膜して平滑化し、支持体の表面光沢度を向上する技術が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、Tgより高い温度でカレンダー処理するため、水分散性エマルジョンが融着して完全に成膜してしまうため、その上にインク吸収層を設けた場合、インク吸収層に残存したインク中の有機溶剤を全く吸収しなくなり、印字後の保管状況によっては画像にじみを誘発する要因となっている。また、Tg以上では水分散性エマルジョンがゴム状に軟化するため、カレンダーロールに転写し、ロール表面を汚してしまうという問題点もあった。
従って、より低コストで高品質な画像、即ちレジンコート支持体を用いた場合と同様の高光沢で、インク吸収性に優れ、印字後のコックリングの発生のなく、にじみ耐性の良好なインクジェット記録媒体および製造方法の提供が望まれている。
特開昭62−95285号公報 特開昭63−265680号公報 特開平5−59694号公報 特開平5−85035号公報 特開2004−347722号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高光沢で、インク吸収性、コックリング耐性及びにじみ耐性に優れたインクジェット記録媒体及びその製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
支持体上に、少なくとも1層のインク吸収層を有するインクジェット記録媒体において、該支持体は、セルロースパルプを主成分とする紙基材の該インク吸収層を形成する面側に、有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子とを含む有機溶剤系塗布液により形成された層を有し、かつ表面平滑化処理が施されていることを特徴とするインクジェット記録媒体。
(請求項2)
前記表面平滑化処理が、前記有機溶剤に可溶の樹脂のガラス転移点(Tg)以下の温度で加温及び加圧した条件であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録媒体。
(請求項3)
前記有機溶剤に可溶の樹脂のガラス転移点(Tg)が、20℃以上、100℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体。
(請求項4)
前記加圧する条件が、線圧1kN/cm以上、5kN/cm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
(請求項5)
前記有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む層の厚さが0.5μm以上、10μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
(請求項6)
前記インク吸収層が、空隙型構造を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
(請求項7)
前記空隙型構造が、無機微粒子と有機バインダーから形成されていることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録媒体。
(請求項8)
前記支持体の前記インク吸収層を有する面とは反対側の面が、バックコート層を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
(請求項9)
支持体上に、少なくとも1層のインク吸収層を有するインクジェット記録媒体の製造方法において、該支持体は、セルロースパルプを主成分とする紙基材の該インク吸収層を形成する面側に、有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子とを含む有機溶剤系塗布液により形成された層を有し、かつ表面平滑化処理が施されていることを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
(請求項10)
前記表面平滑化処理が、前記有機溶剤に可溶の樹脂のガラス転移点(Tg)以下の温度で加温及び加圧した条件であることを特徴とする請求項9記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
(請求項11)
前記有機溶剤に可溶の樹脂のガラス転移点(Tg)が、20℃以上、100℃以下であることを特徴とする請求項9または10に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
(請求項12)
前記加圧する条件が、線圧1kN/cm以上、5kN/cm以下であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
(請求項13)
前記有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む層の厚さが0.5μm以上、10μm以下であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
(請求項14)
前記インク吸収層が、空隙型構造を有することを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
(請求項15)
前記空隙型構造が、無機微粒子と有機バインダーから形成されていることを特徴とする請求項14記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
(請求項16)
前記支持体の前記インク吸収層を有する面とは反対側の面が、バックコート層を有することを特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
本発明によれば、高光沢で、インク吸収性、コックリング耐性及びにじみ耐性に優れたインクジェット記録媒体及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、支持体上に、少なくとも1層のインク吸収層を有するインクジェット記録媒体において、該支持体は、セルロースパルプを主成分とする紙基材の該インク吸収層を形成する面側に、有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子とを含む有機溶剤系塗布液により形成された層を有し、かつ表面平滑化処理が施されていることを特徴とするインクジェット記録媒体により、高光沢で、インク吸収性、コックリング耐性及びにじみ耐性に優れたインクジェット記録媒体を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
本発明に係る支持体は、インク吸収層などの構成層を形成するに用いる水性塗布液を塗布したときに、乾燥により水が除去されるよりも支持体に浸透する速度のほうが遅く、その結果、セルロースパルプを主成分とする紙基材のコックリングの発生を起こしにくいという特徴を備えている。また、本発明のインクジェット記録媒体(以下、単に記録媒体ともいう)に水性インクを用いて画像形成する際には、水性インク中の水分が紙基材まで浸透するのを防止し、印字後のコックリングが発生しない。更に、水性インク中の有機溶剤をゆっくりと浸透させることにより、画像にじみを防止する機能を備えている。画像にじみの発生メカニズムのひとつとして、画像を形成している色材(染料)がインク吸収層中の残存有機溶剤により流動するということがある。
このような機能を有する本発明のインクジェット記録媒体は、従来の技術のように、樹脂による均一な皮膜を形成してしまうのではなく、微粒子を含有することで微細な空隙を持つ状態を有すると本発明者は考えている。
この微細な空隙は、インクジェット記録の際、インクジェット記録媒体のインク吸収層面にインク液滴が着弾してからインク中の水分乾燥までのような短い時間では浸透性がなく、実質的に耐水性を備えた層として機能するが、プリント物の保管などを長期間に渡り保存する際には、適度な浸透性を有することとなり、その結果、プリント画像形成時では、インク中の水分が紙基材に到達するのを防止してコックリング発生を抑制し、更に、印字した画像を長期間にわたり保存する際には、画像にじみの発生を抑制するという効果が得られる。
また、有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子とを含む有機溶剤系塗布液により形成された層を有する支持体に平滑化処理を施すことにより、レジンコート紙同等の平滑性を備えることができ、インク吸収層を形成した後の光沢感に優れる。また、塗布液が有機溶剤系であることから、紙基材に塗布する際に溶剤が紙基材中に浸透しても、紙基材中のセルロースの結合を破壊しないためコックリングを生じることがない。
以下、本発明のインクジェット記録媒体の詳細について説明する。
本発明に係る支持体は、セルロースパルプを主成分とする紙基材を用いる。
本発明で用いることのできるセルロースパルプを主成分とする紙基材の原料としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTMP、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ、等の木材パルプを主原料としたものが使用可能である。また、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の各種繊維状物質も原料として適宜使用することができる。
紙基材中には必要に応じて、サイズ剤、顔料、紙力増強剤、定着剤、蛍光増白剤、湿潤紙力剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加することができる。サイズ剤としては高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等が、顔料としては炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等が、紙力増強剤としてはスターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等が、定着剤としては硫酸バンド、カチオン性高分子電解質等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
紙基材は、木材パルプなどの繊維状物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することができる。また、必要に応じて抄紙段階または抄紙後にスターチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理をしたり、各種コート処理をしたり、カレンダー処理したりすることができる。
本発明に係る支持体は、セルロースパルプを主成分とする紙基材のインク吸収層を形成する面側に、有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子とを含む有機溶剤系塗布液により形成された層を有し、かつ表面平滑化処理が施されていることを特徴とする。
本発明に係る有機溶剤に可溶な樹脂としては、Tg(ガラス転移温度)が20〜100℃の範囲であることが好ましい。Tgが20℃未満であると、室温でゴム状になる場合があり、有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む層を形成し、積層状態で巻き取った場合、ブロッキングなどの問題を生じる場合もある。また、Tgが100℃を超えると、平滑化処理に必要な温度が高くなり、原紙中のセルロースを熱で変性させてしまい、かえって原紙の平滑性が劣化する場合がある。
本発明に係る有機溶剤に可溶な樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フェノール系樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ブチラール樹脂、ロジン系樹脂、ハロゲン化ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、尿素樹脂、マレイン酸樹脂、石油系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、アクリルニトリルブタジエン系樹脂、塩酢ビ系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、フマル酸樹脂等が挙げられる。
本発明に係る有機溶剤に可溶の樹脂の分子量としては特に制限はないが、平滑性と造膜性の観点から重量平均分子量が5000以上であることが好ましい。分子量が大きくなると樹脂を含んだ溶液の粘度も高くなるため、分子量の上限は塗布できる粘度から決められる。
本発明に係る有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む層に使用される微粒子としては、無機微粒子系、有機微粒子系のいずれであっても良い。
無機系微粒子としては、例えば、カオリン、タルク、軟質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、サチンホワイト、硫化亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化マグネシウム、ゼオライト、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイソウ土、加水ハロサイト、リトポンなどで、表面が親水性のものはあらかじめ疎水化処理をして使用される。また、有機系微粒子としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどがある。上記各微粒子は、単独でも複数混合して使用してもよい。
本発明に係る微粒子の平均粒径は、樹脂と微粒子で微細な空隙を形成する点から20nm〜1μmが好ましい。平均粒径が20μm未満であると、紙基材に塗布した際に微粒子が紙の繊維間隙に沈み込んでしまい、空隙が形成されない。また、1μmを越えると、微粒子の凹凸のために平滑性が損なわれることがある。
微粒子の形状としては、特に制限はないが、平板状、針状などアスペクト比が大きいものは有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む層の中で塗膜面に対して平行に配置されるため、より平滑性が高まる。
有機溶剤に可溶な樹脂と微粒子の比率(有機溶剤に可溶な樹脂/微粒子)は微細な空隙を形成するために、10/1〜1/10が好ましい。10/1より大きいと微細な空隙が形成されず、にじみ抑制効果がでない。1/10より小さいと塗膜がひび割れしてしまうという問題がある。
本発明に係る有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む層の塗布液の溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1、2−ジメトキシベンゼンなどの芳香族系溶剤;イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルチミン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などの高級脂肪酸系溶剤、エステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブチルアルコール等のアルコール系溶剤;フェノール、パラクロロフェノールなどのフェノール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等のアミド系溶剤;アセトン、メチエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶剤、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等のセルソルブ系溶剤、スルホキシド系溶剤、ピリジン、トリエチルアミン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、ブチロニトリル、二硫化炭素、テトラヒドロフランなどを使用できる。これら1種または2種以上を混合して使用してもよい。
上記のような溶剤が使用できるが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等は、紙基材中の水素結合性を変化させ、カールを発生しやすい特性を抱えているため使用できない。
本発明に係る有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む中間層の膜厚としては、0.5〜10μmが好ましい。形成する膜厚が0.5μm未満であると水の浸透防止効果が低く、コックリングの発生を十分に抑制することができなくなり、また、10μmを超えると、インクジェット記録媒体を様々な温湿度環境下で取り扱う際にカールが発生しやすくなり、例えば、プリント時にインクジェットプリンタの記録ヘッドに接触し、記録媒体のエッジ部が汚れたり、記録ヘッドの破損を引き起こす場合がある。
また、本発明に係る有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む中間層には、その機能(微細空隙による浸透防止と長期での吸収性と平滑性)を損なわない範囲で、各種の添加剤を添加することができる。
本発明に適用できる表面平滑化処理としては、例えば、スーパーカレンダー、グロスカレンダー、マシンカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー処理を挙げることができる。カレンダー処理は、対象とする有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む層を設けた紙基材を、金属ロールと他のロールとの間のニップ(間隙)を通すことにより圧力、せん断力による加圧処理及び熱による加熱処理を施すことにより、表面光沢を向上させるものである。金属ロールとしては、鋼鉄等のロール表面にニッケル、クロム、セラミック等を溶射して保護層としたものが通常使用され、表面は鏡面光沢を有するように研磨される。金属ロールと組み合わされる他のロールとしては、金属ロール、弾性ロール等が用いられるが、樹脂含有層表面の光沢の均一性からは弾性ロールが好ましい。弾性ロールは、コットン、ウール、パルプ等を鉄芯に巻いて高圧加工、研磨したロール、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の合成樹脂ロール、アラミド繊維ロール等が使用される。
本発明のインクジェット媒体の製造方法においては、有機溶剤に可溶の樹脂のガラス転移点Tg以下の温度で加熱及び加圧した状態で、表面平滑化処理することが好ましい。
有機溶剤に可溶の樹脂のTg以上の温度で平滑化処理をすると、有機溶剤に可溶の樹脂が過剰に溶融して空隙を塞いでしまい、にじみ抑制効果がなくなってしまう場合がある。また、有機溶剤に可溶の樹脂が溶融することでカレンダーロールが汚れてしまうという問題が発生することがある。
また、有機溶剤に可溶の樹脂のTgが高い場合、Tg以上の温度では高温になってしまい、原紙中のセルロースが熱で変性されてしまい平滑性が劣化しやすいため、表面光沢性の低下を招く結果となり、本発明で規定する温度条件とすることにより、セルロース繊維の変性も無く、高い表面光沢性を実現することができる。
本発明に係る表面平滑化処理においては、カレンダー処理時の金属ロールと他のロール間のニップの線圧としては、1kN/cm以上、5kN/cm以下であることが好ましい。ニップの線圧が1kN/cm未満であると、表面平滑化が不十分で光沢性の改良効果が得られにくい。また、5kN/cmを超える線圧は装置上実施が困難である。
また、処理速度により好ましいニップ線圧は変化するが、少なくとも1ニップあたり、処理速度として20m/分以上で処理するのが好ましい。処理速度の上限は特に無いが品質安定性や操業性の観点からは500m/分以下である。
次いで、本発明に係るインク吸収層について説明する。
本発明のインクジェット記録媒体において、本発明に係る有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む層上に設けるインク吸収層としては、膨潤型インク吸収層、空隙型インク吸収層のいずれも用いることができるが、好ましくは空隙型構造を有する空隙型インク吸収層である。
膨潤型のインク吸収層は、主として親水性樹脂から構成され、親水性樹脂が膨潤することでインクを吸収する。この親水性樹脂としては、好ましくは架橋したゼラチンが用いられるが、それ以外の親水性高分子も用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル等の如きセルロース誘導体;アルギン酸ナトリウム、セルロース硫酸エステル、デキストリン、デキストラン、デキストラン硫酸塩などの糖誘導体;ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子の架橋体を用いることができる。ゼラチンとしては、石灰処理ゼラチンの他、酸処理ゼラチンを併用してもよく、更にゼラチンの加水分解物、ゼラチンの酵素分解物を用いることもできる。これらの親水性樹脂は、単独で用いても複数の種類を用いてもよい。
次に、本発明のインクジェット記録媒体で好ましく適用される空隙型構造を有するインク吸収層について説明する。
空隙型のインク吸収層としては、無機微粒子と有機バインダー樹脂から空隙を形成するもの、ポリマーの相分離から空隙を形成するもの、有機微粒子と有機バインダー樹脂で空隙を形成するものなどがある。
本発明においては、空隙型のインク吸収層に無機微粒子と有機バインダー樹脂から空隙を形成するものが、インク吸収速度の点から特に好ましい。また水性インク記録に対しては、有機バインダーとして親水性バインダーであることが好ましい。
インク吸収層の空隙を形成するのに使用される無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、シリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
無機微粒子の平均二次粒径は、粒子そのものあるいはインク吸収層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
本発明においては、無機微粒子としては、シリカ、及びアルミナまたはアルミナ水和物から選ばれた固体微粒子を用いることが好ましい。
本発明で好ましく用いることのできるシリカとしては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダルシリカまたは気相法で合成された微粒子シリカが好ましく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは、高い空隙率が得られるだけでなく、染料を固定化する目的で用いられるカチオン性ポリマーに添加したときに、粗大凝集体が形成されにくいので好ましい。また、アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することができる。
無機微粒子は、カチオン性ポリマーと混合する前の微粒子分散液が一次粒子まで分散された状態であるのが好ましい。
本発明においては、インク吸収層には親水性バインダーを含有する。本発明で用いることのできる親水性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの親水性バインダーは、二種以上併用することも可能である。また、電離放射線により架橋または重合される有機バインダー樹脂を使用することも好ましい態様の1つである。
本発明で好ましく用いられる親水性バインダーは、ポリビニルアルコールである。
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号および同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
インク吸収層で用いられる無機微粒子の添加量は、要求されるインク吸収容量、インク吸収層の空隙率、無機顔料の種類、親水性バインダーの種類に大きく依存するが、一般には、記録媒体1m2当たり、通常5〜30g、好ましくは10〜25gである。
また、インク吸収層に用いられる無機微粒子と有機バインダーの比率は、質量比で通常2:1〜20:1であり、特に、3:1〜10:1であることが好ましい。
また、分子内に第四級アンモニウム塩基を有するカチオン性の水溶性ポリマーを含有しても良く、インクジェット記録媒体1m2当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
インク吸収層において、空隙の総量(空隙容量)は記録媒体1m2当り20ml以上であることが好ましい。空隙容量が20ml/m2未満の場合、印字時のインク量が少ない場合には、インク吸収性は良好であるものの、インク量が多くなるとインクが完全に吸収されず、画質を低下させたり、乾燥性の遅れを生じるなどの問題が生じやすい。
インク保持能を有するインク吸収層において、固形分容量に対する空隙容量を空隙率という。本発明において、空隙率を50%以上にすることが、不必要に膜厚を厚くさせないで空隙を効率的に形成できるので好ましい。
本発明の記録媒体においては、親水性バインダーとして、主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物に電離放射線を照射して、側鎖間に架橋結合をさせた高分子化合物を含有することが、本発明の効果を更に高めることができ好ましい。
本発明において、主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物とは、電離放射線を照射すると側鎖間で架橋結合される高分子化合物である。そして、主鎖が(a)ポリ酢酸ビニルのケン化物、(b)ポリビニルアセタール、(c)ポリエチレンオキサイド、(d)ポリアルキレンオキサイド、(e)ポリビニルピロリドン、(f)ポリアクリルアミド、(g)ヒドロキシエチルセルロース、(h)メチルセルロース、(i)ヒドロキシプロピルセルロース、(j)前記(a)〜(i)の少なくとも一種の誘導体、および(k)(a)〜(j)を含む共重合体より選ばれる少なくとも一種で構成される。
これらの親水性高分子化合物は、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により、架橋結合後に、架橋結合前よりも水に溶けにくくなる樹脂であることが好ましい。
また、側鎖は、光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、および光解重合型より選ばれる少なくとも一種の変成基により構成されていることが好ましく、上記(a)〜(k)より選ばれる少なくとも一種の主鎖を変性することにより得ることが好ましい。
本発明で用いる主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物は、架橋結合のために、重合開始剤、重合禁止剤等が実質必要なく、また電離放射線照射後に未反応遊離基が生じることを抑制できるので、経時的に塗膜の折り割れ性が劣化するということを抑制できる。また、本発明の主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物に電離放射線を照射し、側鎖間を架橋結合させた高分子化合物を含むバインダーを含有する多孔質層の網目構造は、架橋剤のみを用いて架橋結合させて形成される多孔質の網目構造や、主鎖に複数の側鎖を有さない親水性高分子化合物または重合度が低い親水性高分子化合物に電離放射線を照射して架橋結合させて形成された多孔質の網目構造のような比較的短い距離での三次元構造とは異なった、長い距離での架橋を含むため、多くの無機微粒子を保持しやすい構造を有しており、より少ないバインダー量で、即ち、無機微粒子に対するバインダーの比率をより小さくして、均一な膜を形成することができる。
このように、無機微粒子に対するバインダー比が小さい方が、インク吸収層の空隙率は上がり、インクをより保持しやすくなる(インクを吸収しやすくなる)ので、インク溢れを抑制でき、乾燥が早く、形成される塗膜が強固で、折り曲げ等に対し強いほか、インクジェット記録媒体を形成した後の印字或いは印画前の記録層のひび割れ、剥落等が少なく、更に印画或いは印字の後においても折り曲げ等によるストレスに対し耐性が強い多孔質層を有するインクジェット記録媒体を得ることが出来る。
従って、高インク吸収性で、耐水性が改善され、折り割れおよびひび割れが少ないインクの乾燥速度の速いインクジェット記録媒体を得ることができる。
主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物としては、光二量化型のジアゾ型、もしくはシンナモイル基、スチルバゾニウム基、スチルキノリウム基を導入したものが好ましい。また、光架橋後アニオン染料等の水溶性染料により染色される樹脂が好ましい。このような樹脂としては、例えば、一級アミノ基ないし四級アンモニウム基等のカチオン性基を有する樹脂、例えば、特開昭56−67309号、同60−129742号、同60−252341号、同62−283339号、特開平1−198615号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)、硬化処理によりアミノ基になり、カチオン性になるアジド基のような基を有する樹脂、例えば、特開昭56−67309号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。
具体的には、例えば、特開昭56−67309号公報記載のポリビニルアルコール構造体中に、下記式(I)
Figure 2006297809
で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、又は下記式(II)
Figure 2006297809
で表される4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造を有する樹脂組成物が好ましい。
樹脂の具体例は、該公報中の実施例1及び2に、樹脂の構成成分及びその使用割合は該公報第2頁に記載されている。
また。特開昭60−129742号公報に記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記式(III)または(IV)
Figure 2006297809
で示される構造単位を有するポリビニルアルコール系樹脂である。式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、A-はアニオンを示す。これらは、ポリビニルアルコールまたは部分鹸化ポリ酢酸ビニルに、ホルミル基を有するスチリルピリジニウム塩またはスチリルキノリニウム塩を作用させて製造した、スチリルピリジニウム(スチルバゾリウム)構造或いはスチリルキノリニウム構造を有する構造単位を有するポリビニルアルコール系樹脂であり、製造法については特開昭60−129742号に詳細に記載されており、これを参考に容易に製造できる。
これら、スチリルピリジニウム基またはスチリルキノリニウム基を有するポリビニルアルコール中の、スチリルピリジニウム基またはスチリルキノリニウム基の割合は、ビニルアルコール単位あたり、0.2〜10.0モル%の割合であることが好ましい。10.0モル%以下とすることにより、塗布液への溶解性を向上することができる。また、0.2モル%以上とすることにより、架橋後の強度を向上することができる。
また、上記において、ベースとなるポリビニルアルコールは、一部未鹸化のアセチル基を含んでいてよく、アセチル基の含有率は30%未満であることが望ましい。ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、90〜100%のものが特に好ましい。また、その重合度は300〜3000程度であることが好ましく、400以上であることがより好ましい。重合度を300以上とすることにより、架橋反応のための放射線の照射時間を短縮することができ、生産性を向上することができる。また、重合度を3000以下とすることにより、粘度が増大することを抑制でき、取り扱いが容易となる。
なお、バインダーとして、上記主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物とともに、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の親水性樹を併用してもよい。
本発明においては、光開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光開始剤、光増感剤について特に制限はなく、従来公知の物を用いることができる。
適用される光開始剤、光増感剤について特に制限はないが、一例とし、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類、エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類、アセトフェノン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が挙げられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
特に、水溶性の1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−(2−ヒドロキシ)−2−メチル−1−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、チオキサントンアンモニウム塩、ベンゾフェノンアンモニウム塩等の水溶性開始剤が、混合性等に優れ架橋効率の観点からも好ましい。また、電離放射線として紫外線を使用する場合には、増感剤として、例えば、チオキサントン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテルキサントン、ジメチルキサントン、ベンゾフェノン、N,N,N′,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等の増感剤が好ましい。
なお、増感剤を使用する場合、その使用量は塗布液中の電離放射線硬化型樹脂に対して0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%程度の範囲で調節するのが望ましい。
これらの開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。塗布組成物中の電離放射線硬化型樹脂に対して0.05〜3質量%程度混合してもよい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、第1〜第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を、該ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を鹸化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチル−トリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
上記バインダーを含有する記録媒体を塗設後に、塗膜に電離放射線、例えば、紫外線(水銀灯或いはメタルハライドランプ等)等を照射する。この電離放射線の照射により、親水性高分子化合物の側鎖間で架橋反応を生じさせ、水性塗膜の粘度を上昇させ、流動化を防いで(いわゆるセットさせて)均一な塗膜を形成させることができる。電離放射線照射後に、塗膜を乾燥させ、支持体上に均一な、親水性バインダーと微粒子を主として含有する空隙を有する多孔質層が形成されたインクジェット記録媒体を得ることができる。
本発明においては、電離放射線を照射後、塗膜を乾燥させ、塗膜に含有される水を主体とする水性溶媒を蒸発させることが好ましい。水性溶媒が一部或いは大部分が蒸発していても良いが、塗膜が親水性の溶媒を含有した状態で電離放射線を照射することが好ましく、塗布後直ぐに電離放射線を照射することがより好ましい。これにより、塗布膜中の親水性高分子化合物の側鎖間の架橋反応によって、塗膜の流動化を抑えた上で塗膜を乾燥させて多孔質層を形成することができるので、均一な多孔質層を有するインクジェット記録媒体を得ることができる。
電離放射線としては、例えば、電子線、紫外線、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、X線等があげられ、人体への影響が少なく、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましく用いられる。
電離放射線として電子線を使用する場合、照射する電子線の量は0.1〜20Mrad程度の範囲で調節するのが望ましい。0.1Mrad以上とすることにより、充分な照射効果を得ることができ、20Mrad以上とすることにより、支持体、特に紙やある種のプラスチックの劣化を抑制することができる。電子線の照射方式としては、例えばスキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式等が採用され、電子線を照射する際の加速電圧は100〜300kV程度が好ましい。なお、電子線照射方式は、紫外線照射に比べて生産性が高く、増感剤添加による臭気や着色の問題がなく、更に均一な架橋構造をとりやすいといった利点がある。
本発明において好ましく用いられる主鎖に複数の側鎖を有する親水性高分子化合物は、特に、上記の増感剤等を添加しないでも例えば紫外線に感光し、容易に架橋反応することができ、紫外線の光源としては、紫外線ランプ(例えば0.5kPa〜1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ)、キセノンランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ等が用いられ、5000〜8000μW/cm2程度の強度を有する紫外線が好ましく照射される。硬化に要するエネルギー量としては0.02〜20kJ/cm2の範囲が用いられる。
また、本発明の記録媒体において、ポリマー相分離により空隙を形成する方法としては、(1)ポリマーを良溶媒に溶解した溶液をインク吸収層上に塗布した後、塗布層上に前記ポリマーの貧溶媒をオーバーコートすることで空隙を形成する湿式相転換法、(2)ポリマーと、このポリマーの良溶剤と、この良溶剤よりも沸点が高く、前記ポリマーの貧溶剤を含む塗布液を塗布した後、溶媒を蒸発させて乾燥することによりミクロ相分離を生じて空隙を形成する乾式相転換法がある。
前記ポリマーとしては、オレフィン系ポリマー、ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリスルホン、エポキシドから誘導されるポリマー、セルロース誘導体などがあげられる。
有機微粒子とバインダー樹脂からなる空隙型のインク吸収層において使用される有機微粒子としては、ポリメチルメタクリレート、多官能メタクリレートの重合体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等があげられる。
また、バインダー樹脂としては、無機微粒子と有機バインダー樹脂からなる空隙型のインク吸収層と同様のものが使用できる。
本発明に係るインク吸収層には、染料インクの定着剤や無機微粒子の分散助剤としてカチオン性ポリマーを用いることができる。カチオン性ポリマー例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・SO2共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド重合物、(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロライド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物、などが挙げられる。また、化学工業時報平成10年8月15,25日に述べられるカチオン性ポリマー、三洋化成工業株式会社発行「高分子薬剤入門」に述べられる高分子染料固着剤が例として挙げられる。
また、無機微粒子の分散剤としては上記カチオンポリマーの他に、ポリアクリル酸などのノニオン性、アニオン性のものも使用できる。この場合、染料インクの定着剤は、インク吸収層を塗布した後に上記カチオンポリマーや多価金属塩をオーバーコートすることで付与することができる。
本発明のインクジェット記録媒体のインク吸収層及び必要に応じて設けられるその他の層には、上述した以外の各種添加剤を使用することができる。例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、又はこれらの共重合体、尿素樹脂、又はメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、アニオン、カチオン、非イオン、両性の各界面活性剤、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
インク吸収層は、2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらのインク吸収層の構成はお互いに同じであっても異なっていても良い。
本発明において、支持体上に本発明に係る有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む層あるいはインク吸収層を設ける塗布方法としては、公知の方法から適宜選択して行うことができ、例えば、グラビアコーティング法、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、押し出し塗布方法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法も用いることができる。
本発明の記録媒体においては、カールバランスをとるために、支持体をはさんでインク吸収層と反対面にバックコート層を設けることが好ましい。バックコート層がないと、低湿化や高湿化で記録媒体がカールを起こし、プリント時にインクジェットプリンタの記録ヘッドに接触してふちが汚れたりする場合がある。
バックコート層を構成する材料としては、水分散性エマルジョン、水溶性樹脂、微粒子、有機溶剤系樹脂などがある。バックコート層の構成素材としては、上述のインク吸収層と紙基材の間に形成される有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む層と同じであることが、カールバランスがとりやすくなる観点から好ましい。この場合、インク吸収層の収縮応力を加味して、表裏の有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む層の厚さを変えるほうが好ましい。また、あらかじめ片面に樹脂層などのバックコート層が塗設されている紙基材を使用して、その反対面に水分散性エマルジョン層とインク吸収層してもよい。例えば、一般のキャストコート紙のキャストコートされていない側にインク吸収層を形成すれば、キャストコート層がバックコート層となる。バックコート層には必要に応じてマット剤や帯電防止剤を添加することができ、その塗設方法についてはインク吸収層と同様の方法で塗布することができる。
バックコート層は有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む層やインク吸収層を形成する前に塗布してもよいし、インク吸収層を塗布した後に塗布してもよい。有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む層やインク吸収層を形成する前に塗布した場合は、バックコート層も平滑化処理されてしまうため、カレンダー装置が汚れないような材料の選択をする必要がある。例えば、Tgが0℃以下のゴム状の樹脂などは好ましくない場合がある。
本発明のインクジェット記録媒体を用いて画像形成を行う際、インクジェットインクを用いることができ、その中でも、水溶性染料、水、有機溶剤等を含有している水性染料インクを用いることが好ましい。
本発明で用いることのできる水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができ、その具体的化合物としては、例えば、特開2002−264490号公報に例示した染料を挙げることができる。
本発明で用いることのできる有機溶媒は、特に制限はないが、水溶性の有機溶媒が好ましく、具体的にはアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、スルホン酸塩類(例えば1−ブタンスルホン酸ナトリウム塩等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
本発明に係るインクにおいて、各種の界面活性剤を用いることができる。本発明で用いることのできる界面活性剤として、特に制限はないが、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
また、本発明におけるインク中に、高分子界面活性剤も用いることができ、例えば、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。
本発明に係るインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《インクジェット記録媒体の作製》
〔記録媒体1の作製〕
(シリカ分散液S−1の調製)
10%のカチオン性ポリマーP−1の水溶液(n−プロパノールを10質量%およびエタノールを2質量%含有する)の150gに、予め均一に分散されている一次粒子の平均粒径が約7nmの気相法シリカ(日本アエロジル社製;アエロジル300)を23%含有するシリカ分散液(pH2.6、エタノール0.5質量%含有)の435gと、ホウ酸3.6g、ホウ砂0.8gを室温で3000rpmで攪拌しながら添加した。
次いで、三和工業株式会社製の高圧ホモジナイザーで3kN/cm2の圧力で分散し、シリカ含有量が18%になるように全量を純水で仕上げて、シリカ分散液S−1を得た。得られたシリカ分散液S−1をアドバンテックス東洋社製のTCP−10タイプのフィルターを用いてろ過を行った。また、シリカ粒子の平均二次粒径を測定したところ、37nmであった。なお、平均二次粒径は、シリカ分散液S−1を50倍に希釈し、動的光散乱法式粒子径測定装置ゼータサイザー1000HS(マルバーン社製)を用いて測定した値である。
Figure 2006297809
(インク吸収層塗布液1の調製)
500gの上記シリカ分散液S−1を40℃で攪拌しながら、重合度3500のポリビニルアルコール(クラレ社製;PVA235)の8%水溶液の205gを徐々に加え、最後に純水で全量を1000mlに仕上げて、インク吸収層塗布液1を調製した。
(塗布)
王子製紙製のマルチペーパー「マシュマロ」(米坪209.3g)上に、上記調製したインク吸収層塗布液1を湿潤膜厚が180μmになるようにスライドホッパーを使用して塗布し、20℃〜65℃に段階的に温度を変化させた風で順次乾燥した後、40℃、80%RHの恒温槽中に12時間保存して、記録媒体1を作製した。
〔記録媒体2の作製〕
王子製紙製のマルチペーパー「マシュマロ」(米坪209.3g)上に、下記塗布液1を湿潤膜厚で50μmになるようにワイヤーバーにて塗布、乾燥させて有機溶剤樹脂層1を形成した。
次いで、上記有機溶剤樹脂層1の上に、記録媒体1の作製で用いたインク吸収層塗布液1を、湿潤膜厚が180μmになるようにスライドホッパーを使用して塗布し、20℃〜65℃で段階的に温度を変化させた風で順次乾燥した後、40℃、80%RHの恒温槽中に12時間保存して、記録媒体2を作製した。
(塗布液1の調製)
ポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業社製#3000−2、Tg=73℃)100gをメチルエチルケトン900gに溶解して塗布液1を調製した。
〔記録媒体3の作製〕
上記記録媒体2の作製において、塗布液1を下記塗布液2に変更した以外は同様にして、記録媒体3を作製した。
(シリカ分散液S−2の調製)
メチル基により疎水処理された一次粒径12nmの気相法シリカ(日本アエロジル社製R−974)の200gをメチルエチルケトン800gに攪拌分散させてシリカ分散液S−2を調製した。
(塗布液2の調製)
メチルエチルケトンの250gに、上記シリカ分散液S−2の250gと塗布液1の500gを混合して塗布液2を調製した。
〔記録媒体4の作製〕
上記記録媒体2の作製において、有機溶剤樹脂層1を形成した後、金属ロールを備えたカレンダー装置を用いて、金属ロールの表面温度60℃、線圧2kN/cm、速度20m/分で表面平滑化処理(カレンダー処理ともいう)を行なった以外は同様にして、記録媒体4を作製した。
〔記録媒体5の作製〕
王子製紙製のマルチペーパー「マシュマロ」(米坪209.3g)上に、上記塗布液2を湿潤膜厚で50μmになるようにワイヤーバーにて塗布、乾燥させて微粒子含有有機溶剤樹脂層1を形成した。
その後、微粒子含有有機溶剤樹脂層1を、金属ロールを備えたカレンダー装置を用いて、金属ロールの表面温度60℃、線圧2kN/cm、速度20m/分で表面平滑化処理(カレンダー処理ともいう)を行なった。
次いで、その上に、記録媒体1の作製で用いたインク吸収層塗布液1を、湿潤膜厚が180μmになるようにスライドホッパーを使用して塗布し、20℃〜65℃で段階的に温度を変化させた風で順次乾燥した後、40℃、80%RHの恒温槽中に12時間保存して、記録媒体5を作製した。
〔記録媒体6の作製〕
上記記録媒体5の作製において、支持体を王子製紙製のマルチペーパー「マシュマロ」(米坪209.3g)から王子製紙製の印刷用キャストコート紙「ミラーコートサテン金藤」(米坪209.3g)に変更した以外は同様にして、記録媒体6を作製した。
なお、微粒子含有有機溶剤樹脂層1及びインク吸収層1は、キャストコート層を有している面とは反対側の面に設けた。
〔記録媒体7の作製〕
上記記録媒体5の作製において、塗布液2を下記塗布液3に変更し、更に金属ロールの表面温度を10℃に変更した以外は同様にして、記録媒体7を作製した。
(塗布液3の調製)
メチルエチルケトンの583gに、前記調製したシリカ分散液S−2の250gと30%のウレタン変性共重合ポリエステル樹脂溶液(東洋紡績社製バイロンUR−9500、Tg=15℃)の167gを混合して塗布液3を調製した。
〔記録媒体8の作製〕
上記記録媒体5の作製において、カレンダー処理時の金属ロールの表面温度を90℃に変更した以外は同様にして、記録媒体8を作製した。
〔記録媒体9の作製〕
上記記録媒体5の作製において、カレンダー処理時の線圧を0.8kN/cmに変更した以外は同様にして、記録媒体9を作製した。
〔記録媒体10の作製〕
上記記録媒体5の作製において、塗布液2の湿潤膜厚を3μmに変更した以外は同様にして、記録媒体10を作製した。
〔記録媒体11の作製〕
上記記録媒体5の作製において、塗布液2の湿潤膜厚を150μmに変更した以外は同様にして、記録媒体11を作製した。
〔記録媒体12の作製〕
上記記録媒体5の作製において、塗布液2を下記塗布液4に変更し、かつカレンダー処理時の金属ロールの表面温度を80℃に変更した以外は同様にして、記録媒体12を作製した。
(塗布液4の調製)
メチルエチルケトンの250gに、前記調製したシリカ分散液S−2の250gとメチルエチルケトンにて10%で調整したポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業社製#5000−A、Tg=93℃)溶液の500gを混合して、塗布液4を調製した。
〔記録媒体13の作製〕
上記記録媒体5の作製において、塗布液2を下記塗布液5に変更し、かつカレンダー処理時の金属ロールの表面温度を100℃に変更した以外は同様にして、記録媒体13を作製した。
(塗布液5の調製)
メチルエチルケトンの250gに、前記調製したシリカ分散液S−2の250gとメチルエチルケトンにて10%で調整したポリビニルアセタール樹脂(積水化学社製エスレックKS−1、Tg=107℃)溶液の500gとを混合して、塗布液5を作製した。
〔記録媒体14の作製〕
上記記録媒体5の作製において、支持体の微粒子含有有機溶剤樹脂層1及びインク吸収層を設けた面とは反対側の面(BC面)に、前記調製した塗布液2を湿潤膜厚で60μmになるようにワイヤーバーにて塗布、乾燥させ、その後、40℃、80%RHの恒温槽中に12時間保存してバックコート層を設けた以外は同様にして、記録媒体14を作製した。
〔記録媒体15の作製〕
上記記録媒体5の作製において、インク吸収層塗布液1に代えて、下記の構成からなるインク吸収層塗布液2を用いて、乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、35℃、90%RHの雰囲気下で5分間乾燥させ、次いで120℃で3分乾燥させた後、40℃、80%RHの恒温槽中に12時間保存して作製した以外は同様にして、記録媒体15を作製した。得られたインク吸収層2の空隙率は55%であった。
(インク吸収層塗布液2の調製)
酢酸セルロース(酢化度55、粘度平均重合度170)のメチルセロソルブ8%溶液の100gにシクロヘキサノールを45g加えて、インク吸収層塗布液2を調製した。
〔記録媒体16の作製〕
上記記録媒体5の作製において、インク吸収層塗布液1に代えて、下記の構成からなるインク吸収層塗布液3を用いて、湿潤膜厚を100μmに変更した以外は同様にして、記録媒体16を作製した。
(インク吸収層塗布液3の調製)
純水800gに、フェニルカルバモイル化ゼラチン40g、ポリビニルピロリドン(分子量36万)25g、ポリエチレンオキサイド(分子量10万)12g、界面活性剤(エマルゲン120:花王社製)1g及びテトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン2.1gを添加、溶解して、インク吸収層塗布液3を調製した。
Figure 2006297809
《インクジェット画像印字及び評価》
以上の様にして作製した各記録媒体について、以下の評価を行った。
〔光沢感の評価〕
光沢感は、各記録媒体のインク吸収層塗設面側の光沢について、銀塩写真のカラーペーパー(コニカミノルタフォトーメージング社製カラーペーパー 光沢タイプQAペーパー)と相対比較を行って、下記の基準に従って光沢感の評価を行った。
◎:銀塩写真以上の光沢感を有している
○:銀塩写真とほぼ同等の光沢感を有している
△:銀塩写真にはやや光沢感は劣るが、実用上許容される範囲にある
×:銀塩写真に劣るが、光沢感はわずかに感じられる
××:光沢感がまったく感じられない
〔コックリング耐性の評価(印字部)〕
インクジェットプリンターPM−G800(セイコーエプソン(株)製)を使用して、各記録媒体に黒ベタ画像を印字し、形成した黒ベタ画像面を目視観察し、下記基準に従ってコックリング耐性の評価を行った。評価ランクとして△以上であれば、実用上問題の無い品質であると判定した。
◎:表面のうねりは判らず、美観を損なわない
○:表面にわずかにうねりが観察されるものの、光沢感を損なうほどではない
△:表面のうねりは小さく、美観を損なうことはない
×:表面にうねりが大きく観察され、美観を損なう
〔コックリング耐性の評価(白地部)〕
各記録媒体の印字していない白地部を目視で観察し、下記基準に従ってコックリング耐性の評価を行った。評価ランクとして△以上であれば、実用上問題の無い品質であると判定した。
◎:表面のうねりは判らず、美観を損なわない
○:表面にわずかにうねりが観察されるものの、光沢感を損なうほどではない
△:表面のうねりは小さく、美観を損なうことはない
×:表面にうねりが大きく観察され、美観を損なう
〔画像にじみ耐性の評価〕
インクジェットプリンターPM−G800(セイコーエプソン(株)製)を使用して、各記録媒体に、赤、青、緑の各ベタ画像上に黒文字の種類を代えて印字し、印字後40℃80%RHの環境で3日間保存した後、画像にじみについて下記の基準に従って評価した。
◎:各色で、黒文字画像のにじみが全く認められない
○:複雑な形態の黒文字を印字した場合、わずかなにじみが認められる
△:ベタ画像の色によってはにじみは確認されるものの、文字は十分に読み取れ実用上許容される範囲にある
×:個々の文字は認識できるが、全体ににじんでしまい鑑賞には適さない
××:各黒文字のにじみがひどく、文字として全く読み取れない
〔インク吸収性の評価〕
インクジェットプリンターPM−G800(セイコーエプソン(株)製)を使用して、記録媒体5〜16にグリーンのベタ画像を、23℃、55%RHの環境下で印字した。なお、各記録媒体は、23℃で1日保存したものを用いて印字した。
次いで、各記録媒体のベタ画像印字部を目視観察し、下記の基準に従いビーディング耐性の評価を行い、これをインク吸収性の尺度とした。評価ランクが△以上であれば実用上許容される品質であると判断した。
◎:30cmの観察距離でも印字画像のムラが全く認められない
○:30cmの観察距離では印字画像のムラがやや認められるが、45cmの観察距離では印字画像のムラは全く認められない
△:45cmの観察距離では印字画像のムラがやや認められるが、60cmの観察距離では印字画像のムラは全く認められない
×:60cmの観察距離では印字画像のムラがやや認められる
××:60cmの観察距離では印字画像のムラがはっきりと認められる
〔印字汚れ耐性の評価〕
インクジェットプリンターPM−G800(セイコーエプソン(株)製)を使用して、はがきサイズに断裁した記録媒体5〜16のそれぞれ30枚について、シアンのベタ画像を印字し、記録媒体と印字ヘッドの接触によるふちの汚れが発生するか評価した。記録媒体のカールがひどい場合、記録媒体とプリンターのヘッドが接触して記録媒体のふちが汚れてしまう。
◎:ふち汚れの発生がまったく認められない
○:30枚中1〜2枚でふち汚れが発生するが、汚れの程度はごく小さく目立たない
△:30枚中3〜5枚でふち汚れが発生するが、汚れは小さく目立たない
×:大きな目立つふち汚れが、30枚中2枚以上発生する
〔カレンダー汚れ耐性の評価〕
記録媒体5〜16それぞれについて、A4サイズ30枚の表面平滑化処理を行った後、カレンダー装置の金属ロール表面での汚れ付着の有無を目視観察し、発生が認められたものを×、微小の汚れ付着が認められたものを△、汚れ付着が全くなかったものを○と判定した。
以上により得られた結果を、表2、表3に示す。
Figure 2006297809
Figure 2006297809
表2に記載の結果より明らかなように、紙基材上に有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子とを含む有機溶剤系塗布液により形成された層を有し、かつ表面平滑化処理を施した支持体を用いた本発明の記録媒体は、比較例に対し、良好な光沢感を有し、かつコックリング耐性及び画像にじみ耐性に優れていることが分かる。
また、表3に記載の結果より明らかなように、本発明の記録媒体においては、有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子とを含む有機溶剤系塗布液により形成された層の膜厚を0.5〜10μmの範囲とすること、表面平滑化処理温度を樹脂のTg以下の温度とすること、加圧条件を線圧1kN/cm以上、5kN/cm以下とすること、インク吸収層として空隙型構造とすること、バックコート層を設けることにより、インク吸収性、印字汚れ耐性あるいはカレンダー汚れ耐性がより向上していることが分かる。

Claims (16)

  1. 支持体上に、少なくとも1層のインク吸収層を有するインクジェット記録媒体において、該支持体は、セルロースパルプを主成分とする紙基材の該インク吸収層を形成する面側に、有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子とを含む有機溶剤系塗布液により形成された層を有し、かつ表面平滑化処理が施されていることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 前記表面平滑化処理が、前記有機溶剤に可溶の樹脂のガラス転移点(Tg)以下の温度で加温及び加圧した条件であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録媒体。
  3. 前記有機溶剤に可溶の樹脂のガラス転移点(Tg)が、20℃以上、100℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体。
  4. 前記加圧する条件が、線圧1kN/cm以上、5kN/cm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  5. 前記有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む層の厚さが0.5μm以上、10μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  6. 前記インク吸収層が、空隙型構造を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  7. 前記空隙型構造が、無機微粒子と有機バインダーから形成されていることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録媒体。
  8. 前記支持体の前記インク吸収層を有する面とは反対側の面が、バックコート層を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  9. 支持体上に、少なくとも1層のインク吸収層を有するインクジェット記録媒体の製造方法において、該支持体は、セルロースパルプを主成分とする紙基材の該インク吸収層を形成する面側に、有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子とを含む有機溶剤系塗布液により形成された層を有し、かつ表面平滑化処理が施されていることを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
  10. 前記表面平滑化処理が、前記有機溶剤に可溶の樹脂のガラス転移点(Tg)以下の温度で加温及び加圧した条件であることを特徴とする請求項9記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  11. 前記有機溶剤に可溶の樹脂のガラス転移点(Tg)が、20℃以上、100℃以下であることを特徴とする請求項9または10に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  12. 前記加圧する条件が、線圧1kN/cm以上、5kN/cm以下であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  13. 前記有機溶剤に可溶の樹脂と微粒子を含む層の厚さが0.5μm以上、10μm以下であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  14. 前記インク吸収層が、空隙型構造を有することを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  15. 前記空隙型構造が、無機微粒子と有機バインダーから形成されていることを特徴とする請求項14記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
  16. 前記支持体の前記インク吸収層を有する面とは反対側の面が、バックコート層を有することを特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
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