JP2006297392A - 極性逆転および二重逆転による電気消イオン装置ならびにそれらの使用法 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体の精製法を提供する。
【解決手段】a)〜e)の工程からなる流体の精製法。a)イオン減少用区画と隣接するイオン濃縮用区画を複数有しこの各区画にイオン交換物質を収容する複数の区画に一定間隔で交互に配置されたアニオン交換膜とカチオン交換膜を配し、これらが電気的連通関連にある第1の電極と第2の電極との間に配置され、b)イオン濃縮用区画を第1の方向に通る第1の流れとイオン減少用区画を第1の方向に通る第2の流れを形成する工程、c)第1の電極に第1の極性を、第2の電極に第2の極性を付与し電圧を加え電位を生成させてイオン減少用区画を出る減少流体流れとイオン濃縮用区画を出る濃縮流体流れを生ずる工程、d)イオン濃縮用区画を通る第1の流体流れの方向をこれと反対の第2の方向に逆転させる工程、e)第1の流体流れがイオン濃縮用区画を第2の方向に流れている間にイオン減少用区画から減少流体生成物を回収する工程
【選択図】なし
【解決手段】a)〜e)の工程からなる流体の精製法。a)イオン減少用区画と隣接するイオン濃縮用区画を複数有しこの各区画にイオン交換物質を収容する複数の区画に一定間隔で交互に配置されたアニオン交換膜とカチオン交換膜を配し、これらが電気的連通関連にある第1の電極と第2の電極との間に配置され、b)イオン濃縮用区画を第1の方向に通る第1の流れとイオン減少用区画を第1の方向に通る第2の流れを形成する工程、c)第1の電極に第1の極性を、第2の電極に第2の極性を付与し電圧を加え電位を生成させてイオン減少用区画を出る減少流体流れとイオン濃縮用区画を出る濃縮流体流れを生ずる工程、d)イオン濃縮用区画を通る第1の流体流れの方向をこれと反対の第2の方向に逆転させる工程、e)第1の流体流れがイオン濃縮用区画を第2の方向に流れている間にイオン減少用区画から減少流体生成物を回収する工程
【選択図】なし
Description
明 細 書
極性逆転および二重逆転による電気消イオン装置ならびにそれらの使用法
発明の分野
本発明は電気消イオン装置に関する。さらに詳細には、本発明は、新規な極性逆転スキームを有し、生成物の連続的な回収を果たしながら、イオン減少用区画(ion−depleting compartment)およびイオン濃縮用区画(ion−concentrating compartment)を介して逆転流をもたらす電気消イオン装置に関する。
発明の背景
液体中のイオンや分子の濃度を減少させることによる液体の精製は、技術的関心の高い分野である。液体を精製・単離するのに、あるいは液体混合物から特定のイオンもしくは分子の濃縮プール(concentrated pools)を得るのに、種々の方法が使用されている。よく知られている方法としては、蒸留、電気透析、逆浸透、液体クロマトグラフィー、膜濾過、イオン交換、および電気消イオンなどがある。最新の電気消イオンユニットが、例えば、共通の形で所有されている(commonly−owned)米国特許第5,308,466号(1994年5月3日付け取得)および第5,316,637号(1994年5月31日付け所得)〔いずれもガンジ(Ganzi)らによる〕において説明されている。
多くの液体精製装置に付きものの1つの問題点は、種々の液体接触表面にスケールが形成されることである。例えば電気消イオン装置の場合、イオン減少用区画とイオン濃縮用区画とを画定しているイオン交換膜上だけでなく、区画の少なくとも一部中に収容されているイオン交換樹脂上にも生じることが知られている。
電気的水精製装置におけるスケールの形成を防止もしくは除去するための多くの方法が試みられている。例えば、コルズマン(Kollsman)による米国特許第2,854,394号は、電気透析装置に使用される膜中に含まれている孔の詰まりを少なくするための方法として、電気透析装置において極性逆転を使用することを説明している。
電気消イオン装置においても、極性逆転法が使用されている。例えば、ギフリーダ(Giuffrida)らによる米国特許第4,956,071号は、水素と水酸化物による樹脂床の部分的再生を利用し、装置両端での極性の非同時的切り換え、および濃縮用流れと減少用流れとの交換を可能にするような極性逆転電気消イオン装置について説明している。こうした装置を使用することにより、精製水が連続的に得られる。カッツ(Katz)らによる米国特許第5,026,465号は、濃縮用流れと減少用流れを交換させると同時に装置両端の極性を切り換える、という極性逆転電気消イオン装置について説明している。
電気駆動による種々の消イオン装置や分別装置中に収容されている電極、膜、および樹脂からよごれ物質(foulant)、汚染物質(contaminant)、およびスケールを除去するのに極性逆転を使用することが知られているが、これまでのところ充分満足できるような結果が得られているとは言い難い。例えば“時間−対−品質(time−to−quality)”、すなわち極性逆転後の、新たなイオン減少用区画が許容しうる品質の水を生成するのに必要な時間の長さは、多くの用途に対して要求される時間よりかなり長い。さらに、電気消イオン装置におけるイオン濃縮用区画の流体中に、通常は二酸化炭素ガスが発生する。イオン濃縮用区画にガス状態の二酸化炭素が存在すると、これら区画の両端に電気抵抗の増大が引き起こされ、好ましくない状態になる。イオン濃縮用区画の流体中に溶解している二酸化炭素は炭酸と平衡状態にて存在しており、この炭酸の存在は好ましくない。なぜなら炭酸のイオン化はわずかであり、したがって良導体ではなく、溶液から簡単には除去されないからである。さらに、多くの公知の電気消イオン装置においては、イオン濃縮用区画内での化学的・生物学的制御が充分ではない。
電気消イオン装置の操作に付きものの他の問題点は、装置内の樹脂粒子間に沈降しやすい(特に、低品質の供給水を使用する場合)よごれ物質粒子をプロセス流れから除去しなければならないことが多い、ということである。このようなよごれ物質粒子は装置に詰まりを生じやすく、したがって生成物流れや濃縮物流れの流量減少、および装置前後の圧力降下の増大を引き起こす。樹脂よごれの問題は電気消イオンに特有のものであるが、電気透析にとってはそうではない。なぜなら、電気透析区画はイオン交換樹脂を含んでいないからである。この問題を解消するための1つの方策は、樹脂を所定の場所に保持したまま装置を逆洗することである。こうしたプロセスは、ギフリーダらによる米国特許第4,692,745号に説明されている。逆洗は間欠的なプロセスであり、装置の電極に電力が供給されない時間中に、濃縮用区画を通る流れと減少用区画を通る流れを逆転させる。逆転流の流出液は、通常は排水中に廃棄される粒状物質を含有した廃棄物流れを含む。もう1つの方策は、樹脂を取り除いた状態で装置を逆洗することである。このようなプロセスは、パーシ(Parsi)らによる米国特許第5,120,416号に説明されている。このプロセスでは、樹脂を収容した区画を必ず再充填しなければならず、作業が面倒であり、また時間がかかりすぎる。これら方策のどちら場合も、必ず装置の停止時間が含まれる。
上記のような試みにもかかわらず、連続的な高純度生成物流れを供給しつつ、スケールやよごれの発生を防止する(あるいはスケールやよごれ物質の除去ができる)ような電気消イオン装置が求められている。
さらに、良好な“時間−対−品質”を有する極性逆転プロセスにより手動もしくは自動的に操作することができ、製造が簡単で、そして高純度生成物の連続的回収が可能な電気消イオン装置が求められている。
さらに、あるイオン濃縮用区画配列にて化学種および/または生物学種の良好な制御が可能な電気消イオン装置が求められている。
さらに、電気消イオン装置の作動中にイオン濃縮用区画にて生成するガスの効率的な除去が必要とされている。
発明の要約
本発明は、装置内のイオン交換樹脂充填物の隙間に、また装置内の膜上に生じることのある溶解性の低い物質(すなわちスケール)の堆積を実質的に防止する、電気消イオン極性逆転の改良されたモジュールおよびシステムである。本発明の装置は、逆洗を行う必要がないこと、また粒状物やスケールを除去するために、装置内に収容されているイオン交換物質を取り出したりかき混ぜたりする必要がないことを特徴とする。本発明の装置はさらに、電気消イオン装置のイオン濃縮用区画において生成するガスの効率的な除去を可能にし、また装置の回路や区画内の化学的・生物学的パラメーターの良好な制御を可能にする。
本発明の電気消イオンシステムは、少なくとも1つのイオン減少用区画に隣接して配置された少なくとも1つのイオン濃縮用区画を含んだ複数の区画を含み、このとき区画はそれぞれイオン交換物質を収容しており、ある間隔を置いて交互に配置されたアニオン透過膜とカチオン透過膜によって部分的に画定されている。複数の区画の各側に電極が配置されており、複数区画の両端に電圧を加えることができるよう、区画および電源と電気的に連通している。本発明の電気消イオンシステムは、複数の流体回路、すなわち第1の流体流れの供給源をイオン濃縮用区画に連結し、第2の流体流れの供給源をイオン減少用区画に連結している第1の流体回路、および第3の流体流れの供給源をイオン濃縮用区画に連結し、前記第2の流体流れの供給源をイオン減少用区画に連結している第2の流体回路を含む。第3の流体流れは、第1の流体流れより低いイオン濃度を有する。
電気消イオンシステムを使用して流体を精製する方法は、以下のように実施することができる。本発明の方法は、イオン濃縮用区画を通る第1の流体流れ、およびイオン減少用区画を通る第2の流体流れをもたらすことを含む。次いで、イオン減少用区画を出る減少流体流れ(depleted fluid stream)とイオン濃縮用区画を出る濃縮流体流れ(concentrated fluid stream)をもたらすよう電極に電圧を加える。このとき減少流体流れは、第2の流体流れより低いイオン濃度を有する。この集成体は、第1の流体回路として確立される。
次に第2の流体回路について説明すると、第1の流体流れの代わりに、第1の流体流れより低いイオン濃度を有する第3の流体流れが使用されており、一方、第2の流体流れはイオン減少用区画を通るよう保持されており、このようにイオン濃縮用区画が、第2のイオン減少用区画として作用するように調製される。引き続き、このイオン減少用区画が第2のイオン濃縮用区画に変換され、そしてイオン濃縮用区画が第2のイオン減少用区画に変換される。こうした操作は、第2のイオン濃縮用区画を通る第1の流体流れをもたらし、第2のイオン減少用区画を通る第2の流体流れをもたらし、そして第1の電極と第2の電極の極性を逆転させることによって行う。
本発明はさらに、上記の電気消イオンシステムを使用して流体を精製する方法を提供する。本発明の方法は、システムのイオン濃縮用区画を通る第1の流体流れと、システムのイオン減少用区画を通る第2の流体流れをもたらすこと、そして前述のように、イオン減少用区画を出る減少流体流れと、イオン濃縮用区画を出る濃縮流体流れをもたらすよう電極に電圧を加えることを含む。次に第1の流体流れのイオン濃度を増大させ、イオン減少用区画を第2のイオン濃縮用区画に変換すると同時に、イオン濃縮用区画を第2のイオン減少用区画に変換する。イオン濃縮用区画とイオン減少用区画との交換の前に、第1の流体流れのイオン濃度を増大させると、減少流体生成物(depleted fluid product)の回収において改良された“時間−対−品質”が得られる。
本発明はさらに、電気消イオンシステムのイオン濃縮用区画を通る、あるイオン濃度をもった第1の流体流れを前述のようにもたらす、という流体の精製法を提供する。あるイオン濃度を有する出口流体流れ(exit fluid stream)をイオン濃縮用区画から回収し、第1の流体流れとしてもたらされるよう再循環させる。本発明の方法にしたがって、再循環した第1の流体流れのイオン濃度を増大させる。この集成体は、流体流れをイオン濃縮用区画の出口からその入口へ再循環するよう配置された再循環路を含む流体回路として確立され、再循環路と流体連通状態にある種(例えば、化学種や生物学種)の供給源を含む。
本発明はさらに、電気消イオンシステムの濃縮用区画内または減少用区画内でのよごれ物質の堆積を最小限に抑えながら、システムの効率的な作動を可能にする上で極めて効果的な流体精製法を提供する。本発明の方法は、電気消イオンシステムのイオン濃縮用区画を通る第1の流体流れと、前記システムのイオン減少用区画を通る第2の流体流れを前述のようにもたらすこと、およびイオン減少用区画を出る減少流体流れと、イオン濃縮用区画を出る濃縮流体流れをもたらすよう電極に電圧を加えることを含む。本発明の方法はさらに、イオン濃縮用区画を通る第1の流体流れの流れ方向を逆転させること、および第1の流体流れが逆転した方向にてイオン濃縮用区画を流れる間に、イオン減少用区画から減少流体生成物を回収することを含む。
本発明の方法は上記の電気消イオンシステムを供給することによって行われるが、このとき順流流体回路(forward flow fluid circuit)および流流体回路(reverse flow fluid circuit)を含む。順流流体回路が第1の流体流れの供給源をイオン濃縮用区画の第1のポートに連結し、これによってイオン濃縮用区画を第1の方向にて流れる第1の流体流れがもたらされる。さらに順流流体回路が第2の流体流れの供給源をイオン減少用区画の第1のポートに連結し、これによってイオン減少用区画を第1の方向にて流れる第2の流体流れがもたらされる。逆流流体回路が第1の流体流れの供給源をイオン濃縮用区画の第2のポートに連結し、これによってイオン濃縮用区画を前記第1の方向とは反対の第2の方向にて流れる第1の流体流れがもたらされる。さらに逆流流体回路が第2の流体流れの供給源をイオン減少用区画の第2のポートに連結し、これによってイオン減少用区画を前記第1の方向とは反対の第2の方向にて流れる第2の流体流れがもたらされる。
本発明はさらに、複数の積み重ね区画群を含んだ集成体を含む、電気消イオン装置用の区画を提供する。区画の各群は、群の第1と第2の端部において外部膜によりある程度画定され、各群は、少なくとも1つのイオン減少用区画に隣接して配置された少なくとも1つのイオン濃縮用区画を含んだ複数の区画を含む。複数の区画は、第1の極性のイオンに対して透過性の膜と、前記第1の極性とは反対の第2の極性のイオンに対して透過性の膜を、ある間隔で交互に配置することによってある程度画定される。少なくとも1つの群で構成された区画の外部膜は、複数の積み重ね区画群において同一の広がりをもって隣接群の外部膜と接触している。イオン濃縮用区画とイオン減少用区画は、それぞれイオン交換物質を含んでいる。
本発明の区画を種々の電気消イオンシステムに使用して、種々の流体精製法を実施することができる(上記のシステムおよび方法も含む)。
図面の簡単な説明
図1は、本発明の好ましい実施態様による電気消イオン装置の概略図である。
図2は、第1の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図3は、化学種/生物学種の制御を含んだ第1の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図4は、隔離された再循環路を含んだ第1の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図5は、第1と第2の電極に電圧を加えない状態で第2の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図6は、第1と第2の電極区画を通る電解質流れの相対速度を逆転させた状態で第2の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図7は、第1と第2の電極に対して極性の逆転を施した状態で第2の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図8は、逆転させた第1の流体回路を明示するよう調整し、化学種/生物学種の制御を含んだ、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図9は、隔離した再循環路を含む逆転させた第1の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図10は、再循環路の希釈を行った状態にて、逆転させた第1の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図11は、第1と第2の電極に電圧を加えない状態で、逆転させた第2の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図12は、第1と第2の電極区画を通る電解質流れの相対速度を逆転させた状態で、逆転させた第2の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図13は、電極に第1の流体回路の最初の極性を施した状態で、逆転させた第2の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図14は、逆転流れの第1の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図15は、逆転した極性で逆転流れの流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図16は、本発明の好ましい実施態様による電気消イオン工程の分解図である。
図17は、図16に示した工程の作動を示す概略図である。
図18aは、圧縮する前の隣接積み重ね区画群(ajacent stacked compartment groupings)からの2つの別個の電気消イオンサブ区画(electrodeionization subcompartment)を示している、本発明の装置の好ましい実施態様の概略断面図である。
図18bは、圧縮した後の隣接積み重ね区画群からの2つの別個の電気消イオンサブ区画を示している、本発明の装置の好ましい実施態様の概略断面図である。
発明の詳細な説明
本発明によれば、1つ以上の電気消イオン工程(electrodeionization stages)を含んだ電気消イオン装置が提供され、このとき各電気消イオン工程は、少なくとも1つのイオン減少用区画に隣接して配置された少なくとも1つのイオン濃縮用区画を含む。本発明の装置は、一連のイオン減少用区画と交互に配置されている一連のイオン濃縮用区画を含むのが好ましい。これらの区画は、ある間隔を置いて交互に配置されたアニオン透過膜とカチオン透過膜によってある程度画定されている。イオン濃縮用区画とイオン減少用区画のそれぞれが、イオン交換物質(例えば、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合物)を含む。適切なイオン交換物質の代表的なものとしては、繊維、織布、またはビーズなどがある。
本発明の装置は、イオン濃縮用区画およびイオン減少用区画と電気的連通関係をもって供給される少なくとも第1と第2の電極、ならびに前記第1と第2の電極と電気的連通関係をもって供給される電圧供給源を含み、このとき前記電圧供給源は、電極および区画と組み合わさって電気回路を形成する。このように、イオン濃縮用区画とイオン減少用区画の前後に、あるいは複数のこのような区画を含んだ1つ以上の電気消イオン工程の前後に電圧を供給することができ、これによって装置の作動中にイオン減少生成物流体流れ(ion−depleted product fluid stream)を生成させることができる。
従来の電気消イオン極性逆転時においては、区画に流入する流体流れが交換されると同時に、電気消イオン区画前後の極性が逆転され、したがって濃縮用区画は第2の減少用区画として画定され、また減少用区画は第2の濃縮用区画として画定される。本発明は、極性逆転サイクル時において、従来の濃縮用流体流れと減少用流体流れとの交換よりむしろ、流体流れの置換を含んだ新規な極性逆転プロトコルを提供する。本明細書で使用する“置換”とは、装置の1つ以上のイオン減少用区画への流体流れインプット(fluid stream input)が変化せず、減少用区画からの減少流体生成物の回収が継続されたままでの、1つ以上のイオン濃縮用区画への流体流れインプットの変化を表すものとする。この変化は一般にはイオン濃度の変化であり、通常は濃縮用区画への流体流れインプットのイオン強度を低下させることを含む。この置換は、1つ以上のイオン減少用区画から1つ以上のイオン濃縮用区画へのイオンの移行が止まるよう、電極を電源から切り離すことによって行うことができる。このように、イオン濃縮用区画による作用を1つ以上の第2のイオン減少用区画としての作用に入るよう準備させた状態で、イオン濃縮用区画中の流体のイオン強度を低下させることができる。
本発明の極性逆転プロトコルにおける新規な置換工程のほかに、本発明は、装置の操作時において、流体がイオン濃縮用区画を通るのを保持しながらイオン濃縮用区画内の化学的および/または生物学的パラメーターを正確に制御することを可能にする。この化学的および/または生物学的制御は、イオン濃縮用区画を出た濃縮流体を回収し、そしてこの流体を濃縮用区画の入口のほうに向けて進めるループを形成するような再循環路により果たすことができる。イオン濃縮用区画中での化学的および/または生物学的パラメーターの制御は、イオン濃縮用区画中の1つ以上の化学的または生物学的パラメーターを調整するよう設計された1つ以上の種を、イオン濃縮用区画に入る流体流れ中に導入することによって行われる。このような導入は、イオン減少用区画が減少流体生成物を生成し続けている間に行われる。例えば、電気消イオン装置の作動時にイオン減少用区画に存在するのが好ましい化学種または生物学種を再循環路に導入することができ、このように、イオン濃縮用区画を第2のイオン減少用区画として作用するよう準備することができる。もう一つの例として、装置の作動時にイオン減少用区画に存在しないのが好ましい特定の種(species)を、特定の種を除去するよう選択された化学的および/または生物学的を再循環路中に導入することによって、イオン濃縮用区画から除去することができる。これにより、イオン濃縮用区画を第2のイオン減少用区画として作用するよう準備させる。
本発明はさらに、イオン減少用区画から減少流体生成物を連続的に回収しながら、装置の作動時にイオン濃縮用区画における流体流れの方向を逆転させるよう設計された電気消イオン装置を提供する。イオン減少用区画における流れの方向は、減少流体生成物の連続的な回収を行いながら、イオン濃縮用区画における流体流れの逆転と同時もしくは非同時に逆転させることもできる。本発明の流体流れ方向の逆転は、かなり低品質の供給流体を処理するのに本発明の装置を使用する場合でも、スケールのない、そして特によごれ物質のないイオン濃縮用区画とイオン減少用区画の維持を可能にする。本発明の流れ逆転電気消イオン装置の作動を、本発明の極性逆転プロトコルとは別個にあるいは関連させて行って、極性逆転、流れ逆転、あるいは二重(極性と流れ)逆転による新規プロセスと新規装置を提供することができる。
上記の極性逆転、流れ逆転、または二重逆転による電気消イオン装置のほかに、装置の作動時に生成するガスをイオン濃縮用区画から効率的に除去する手段と方法が提供される。これは、流体入口が流体出口より低くなるようにイオン濃縮用区画を配向させることによって達成される。この方法においては、装置の作動中に生成されるいかなるガスも上向きに運ばれる。したがってこの方向は、ガスより高い密度を有する流体環境においてガスが自然な形で求める方向であるので、本発明の手段と方法は、生成されるガスが自然な形で求める方向に対して補足的な流体流れをもたらし、このためガスの効率的な除去が容易になる。同様に、電気消イオン装置の作動時に電極にて生成されるガスは、電極区画において電解質流れを上向き方向に供給することによって、電極区画から効率的に除去することができる。
再循環路が確立される場合、この再循環路はさらに液体/ガス界面を含み、このためイオン濃縮用区画を出る流体からの溶解ガス(このガスは、流体を濃縮用区画に再導入する前に流体からパージするのが好ましい)の除去が容易になる。
好ましい電気消イオン装置の1つの実施態様においては、濃縮用区画と減少用区画は独立した別個のサブ区画を複数個含むように造られており、サブ区画のそれぞれは、約4インチ以下(好ましくは0.5〜約1.5インチ)の幅を有する。別個のサブ区画は、区画スペーサー(それぞれのスペーサーが、区画厚さの両端に、そして区画長さに沿って延び広がったリブを有する)の周辺にアニオン透過膜とカチオン透過膜を固定することによって(例えば接着により)形成される。したがって、各サブ区画は、一対のリブ、アニオン透過膜、およびカチオン透過膜によって画定される。サブ区画には、それぞれイオン交換物質が充填されている。
本発明の好ましい実施態様は、1つ以上の区画群、あるいは“デュアル区画(dual compartment)”を含んだ電気消イオン装置を含む。このようなデュアル区画は、1990年9月11日付け取得のギフリーダらによる米国特許第4,956,071号(該特許を参照のこと)に説明されている。デュアル区画はそれぞれ、奇数個の選択的透過膜、少なくとも1つの減少用区画、および少なくとも1つの濃縮用区画(これら区画のそれぞれが、前述のようにサブ区画に分けられている)によって画定されている。これらのイオン透過膜は、アニオン透過膜とカチオン透過膜がデュアル区画の厚さに沿って交互に現れるよう配置される。したがってデュアル区画は、アニオン透過膜より1つ多いカチオン透過膜を含んでいてもよいし、あるいは1つ多いアニオン透過膜もしくはカチオン透過膜を含んでいてもよい。
本発明の装置はさらに、1つ以上の電気消イオン工程(electrodeionization stages)を含んでもよい。本発明の装置において使用するのに適した代表的な工程が、1992年8月28日付け出願の、共通の形で所有されている同時係属中の米国特許出願第07/938,329号に説明されている(該特許出願を参照のこと)。各工程においては、第1の電極と第2の電極との間に、減少用区画と濃縮用区画の積み重ね体(stack)が配置される。
特に好ましい実施態様によれば、本発明の装置の各工程は複数の積み重ね区画群を含み、このとき各群は、その両端において外部膜によりある程度画定されている。少なくとも1つの群の外部膜は、隣接群の外部膜に同一の広がりをもって接触しており、また特に好ましい実施態様によれば、積み重ね体中の全ての群は、互いに同一の広がりをもって接触した状態で、隣接群の外部膜と互いに隣接して配置されている。この集成体は、図18aと18bにより記載に説明されている。
各電極は、区画積み重ね体の境界を画定しているイオン透過膜と電気的連通状態にて供給される。このような電気的連通は、いかなる公知の方法によっても(例えば、電極を収容していて、イオン透過性の膜によってある程度画定されている電極区画中の電解質を介して)果たすことができる。本発明の1つの好ましい実施態様によれば、各電極には電極スペーサーとイオン透過膜が隣接して取り付けられており、このとき電解質は電極スペーサーを通過する。必要に応じて、電極スペーサーにイオン交換樹脂を充填することもできる。電極スペーサーは、発泡シート材料やスクリーンなどを含んでもよく、また導電性であってもなくてもよい。
電極と電極にすぐ隣接している膜との間の電気抵抗の大きさと変動性は、装置の性能、および極性逆転や予備条件からの再スタートを起こさせる時間を決定する上で重要なファクターである。電気消イオン装置が、逆浸透による予備処理で作動されるかもしくは比較的低いイオン含量を有する他の供給物流れが供給される場合、および電極区画の構造が本質的に導電性でないスペーサーやスクリーンを含んでいる場合、電極区画の電気抵抗は特に重要である。
供給水が比較的低いイオン含量を有する場合(例えば、逆浸透装置の下流)では、イオン不純物は主として弱くイオン化された化合物(例えば炭酸)であることが多く、比較的低濃度の強いイオンと中程度の強さのイオン(それぞれ、ナトリウムイオンと炭酸水素イオン)が混ざっている。電極区画に供給する液体を選択することによって、また電極にすぐ隣接した膜を選択することによって、装置と流れ中の強イオンの相対濃度を維持および増大させるのが好ましい。さらに、装置の電圧を制御する必要をなくすために、電極流れの電気抵抗の変動性を最小限に抑えるのが好ましい。
極性を逆転させる装置の場合、膜は各電極に隣接して同じタイプであるのが好ましい。このような装置では、電極流れ条件は作動の各半サイクルに対して同じである。電極流れへの供給物に対する好ましい選択は供給水(feed water)である。供給水は、定常状態での濃縮用流れよりイオン強度が低いけれども、濃度がより一定である。さらに、極性の逆転時および装置の始動時において、供給物流れは濃縮用流れよりイオン強度が高いことが多い。
各工程の残りの部分は、交互に現れる一連の減少用区画と濃縮用区画(前述のように組み立てられる)を含む。イオンを減少させようとする液体を各工程における各減少用区画にパラレルに通すことができ、また減少用区画における第1の液体からイオンを除去して、濃縮用区画における第2の液体に導入するために、第2の液体を各工程において各濃縮用区画にパラレルに通すことができる。
次に、図面を参照しつつ好ましい極性逆転プロトコルについて説明しよう。理解しておかなければならないことは、本発明のプロセス工程と流体回路および他の特徴はそれぞれ、以下に説明する好ましいプロトコルとは関係なく利用することができるということである。
図1を参照すると、電気消イオン装置集成体20が概略的に示されており、イオン濃縮用区画22、およびイオン濃縮用区画22に隣接して配置されていて、選択的透過膜26によって隔離されたイオン減少用区画24を含む。イオン濃縮用区画22はさらに選択的透過膜28によって画定されており、隣接のイオン減少用区画24はさらに選択的透過膜30によって画定されている。したがって、イオン濃縮用区画22とイオン減少用区画24は、実質的にパラレルの選択的透過膜26、28、および30によって画定されており、これらの膜はアニオン透過膜とカチオン透過膜が交互に現れるようになっている。当業者にとっては明白なことであるが、膜26、28、および30のそれぞれの透過性は重要なことではない。それらは、固有のイオン透過性に関して交互であることだけを必要とする。説明をわかりやすくするため、区画22と24の外側境界を画定している膜28と30がカチオン透過膜であり、区画22と24を隔離している膜26がアニオン透過膜であるとする。
区画22と24を横切る形で電圧を加えるために、第1の電極32と第2の電極34を、それぞれカチオン透過膜28および30と電気的連通関係を有するよう設ける。すなわち電極を、一対の区画22と24の第1と第2の側に、電気的連通関係を保持した状態で設置する。前述したように、このような電気的連通は種々の形態を採ることができる。これとは別に、電極32と34をそれぞれ電極区画36と38に設けることもできる。これらの電極区画は、膜28と30によって一部が画定され、電極と膜との間に電気的連通をもたらすよう電解質を含んでいる。この集成体が図1に示されている。さらに、図示していないが、スペーサーが電極32を膜28から、また電極34を膜30から物理的に隔離しており、このときスペーサーは、電極と膜との間に電気的連通をもたらし、および/またはスペーサー中のボイドを介しての電解質の通過が可能となっている。
電極32と34は、電極32と34に電気的に連結されている電源42を含んだ電気回路40中に収容されている。電源42は、交流または直流の供給源である。交流電源を使用する場合、装置に直流を供給するために電源に整流器を接続する。図面に示されている実施態様によれば、電源42は、直流すなわち一定極性の電圧を供給する電源であり、電気回路40は、電極32に正極性を、そして電極34に負極性を加えるための、あるいは電極34に正極性を、そして電極32に負極性を加えるための手段を含む。したがって、電極32と34の極性を制御することができ、逆転させることができる。図面からわかるように、電気スイッチ44と46を入れて、第1の電極32を電源42の正極に接続すると同時に、第2の電極34を電源42の負極に接続することができる。すなわち、スイッチを入れて電極32と34に反対の極性を加えることができる。
本発明の電源42として一定電圧の供給源が示されているけれども、一定電流の供給源も使用することができる。幾つかの電気消イオン装置集成体によれば、一定電流の供給源を使用することは好ましくない。なぜなら、区画両端の電気抵抗が、ガスの発生、よごれ物質またはスケールの生成、および減少用区画中の高純度レベルなどにより増大するために、区画両端の電圧が許容できないレベルにまで増大するからである。しかしながら、本発明の装置においては、従来技術の電気消イオン集成体に比べて一定電流の供給源を使用するのがより適切である。なぜなら、本発明の極性逆転、流れ逆転、二重逆転、上向き流れ、及び他の新規の特徴が、装置内のパラメーター〔例えば、スケール生成パラメーター(scaling parameter)やよごれ物質生成パラメーター(fouling parameter)〕を、一定電流供給源の使用に対して許容しうる範囲内に保持するよう作用するからである。
図1に示すように、電気消イオン装置20の精製センター(purification center)は、1つのイオン濃縮用区画22とイオン濃縮用区画22に隣接した1つのイオン減少用区画24を含む。しかしながら、このような集成体は可能であるが、概略図だけが与えられており、好ましくない。好ましい実施態様によれば、交互に現れる複数のイオン濃縮用区画およびイオン減少用区画(区画の工程を画定している)が電極32と34との間に配置される。この集成体について、以下により詳細に説明する。
イオン濃縮用区画22は第1のポート48と第2のポート50を含み、イオン減少用区画24は第1のポート52と第2のポート54を含む。イオン濃縮用区画22のポート48と50は、区画の実質的に反対側の端部に配置されており、またイオン減少用区画24のポート52と54も同様に配置されている。以下の説明からわかることであるが、流れ逆転が使用されるかどうかに応じて、また流れ逆転プロトコルのどんな工程にて装置が作動しているのかに応じて、ポート48、50、52、および54は区画の流体入口または流体出口として作用する。
区画22と24のポート48、50、52、および54は、従来の導管と弁によって画定された複数の流体経路を有する流体回路網に連結されている。これらの弁は、ポート48、50、52、および/または54のいずれかと、供給流体入口、生成流体出口、化学種および/または生物学種の供給源、ガス/液体界面タンク、あるいはそれぞれイオン濃縮用区画22またはイオン減少用区画24の第1のポート48または52を第2のポート50または54に連結している再循環路との間の流体連通をもたらすよう、所定のセッティングにしたがって調整することができる。このような調整と連結については、種々の流体回路にしたがって図面を参照しつつ以下に説明していく。本明細書で使用している“流体回路”とは、区画22を通る所定の特定の流体流れ、および区画24を通る所定の特定の流体流れをもたらす、装置20の弁の特定の集成体を表している。
装置20の残りの機構と回路を、図2〜15を参照しつつ説明する。全ての図面において、幾つかの図面に共通の装置20の成分は共通の数字で示してある。図面における太線は、図示の極性逆転プロトコル工程の流体回路集成体にしたがって流体が流れる経路を示している。わかりやすくするため、本発明の好ましい実施態様を水の精製に関して説明することとする。しかしながら一般には、本発明の電気消イオン装置を使用すれば、こうした装置によって処理可能ないかなる流体の処理も有利に行うことができる。
図2には、供給液体〔例えば、水道水、淡海水、または予備処理した半純水(semi−pure water)〕が供給入口56において流入する第1の流体回路集成体が示されている。本明細書で使用している“流体回路”とは、イオン濃縮用区画22とイオン減少用区画24を通る所望流れの流体をもたらす1つ以上の流体経路を意味している。本発明の電気消イオン装置の各流体回路は、弁などを所定の位置にセットすることによってつくりだすことができる。すなわち、本発明の装置を第1の流体回路から第2の流体回路に切り替える場合、この操作は1つ以上の弁の位置を変えることによって行うことができ、いかなる装置成分の取り外しや再組み立ても不要である。
図2に示す第1の流体回路においては、供給物入口56は、ある特定のイオン濃度を有する流体流れ58の供給源として作用し、イオン減少用区画24、および特にその第1のポート52に連結されている。第1の流体回路はさらに、ある特定のイオン濃度を有する流体流れ62をイオン濃縮用区画22に、そして特にその第1のポートに連結している。
本明細書で使用している“イオン濃度”とは、ある特定の流体のイオン構成(ionic makeup)を表している。したがって第1のイオン濃度は、イオン強度、特定のイオン種の有無、あるいはこの両方に関して、第2のイオン濃度とは異なることがある。例えば、第1のイオン濃度を有する第1の流体流れは、第2のイオン濃度を有する第2の流体流れとイオン強度だけが異なり、このとき両方の液体流れは、類似のイオン種のみを含んでいる。あるいは、第1の流体流れと第2の流体流れは、類似もしくは同一のイオン強度であってもよく、このとき第1の流体流れは特定濃度の第1のイオン種を含有し、第2の流体流れは第1のイオン種と異なる特定濃度の第2のイオン種を含有している。
当業者にとっては明らかなことであるが、第1の電極32に正の極性を加えながら、第2の電極34に負の極性を加える場合、また選択的透過膜26がアニオン透過膜であって、選択的透過膜28と30がカチオン透過膜である場合、イオン減少用区画24にもたらされる流体流れ58は、イオン減少用区画24を特に第2のポート54にて出る減少流体流れ60を確立するためにイオン種が減少されている。さらに当業者にとっては明らかなことであるが、イオン濃縮用区画22にもたらされる流体流れ62は、減少用区画24中の流体からイオン種を受け取り、イオン濃縮用区画22を特にその第2のポート50にて出る濃縮流体流れ64が確立される。減少流体流れ60は流れ逆転弁128と130、およびアウトプット方向制御弁132を通り、生成物選択弁134に向けられる。生成物選択弁134の第1のセッティングによれば、減少流体流れ60は生成物の回収処理が施され、また弁134の第2のセッティングによれば、減少流体流れ60はドレン84に送られる。
装置20の作動時、イオン減少用区画24を出た減少流体流れ60は、一般には、イオン濃縮用区画22を出た濃縮流体流れ64より低いイオン濃度(具体的にはイオン強度)を有する。しかしながら、こうしたケースは必要なことではない。例えば、装置20を使用して、高度に濃縮された溶液(例えばフルーツジュース)からある特定のイオン種を取り除くことができる。このようなケースでは、濃縮溶液がイオン減少用区画24中の流体流れ58としてもたらされ、イオン種が除去され、幾らか減少した生成物流体流れ60(イオン濃縮用区画22から回収される流体流れ64のイオン強度よりはるかに高いイオン強度を有する)がイオン減少用区画24から回収される。したがって、本発明の電気消イオン装置は、イオン減少用区画24から出てイオン濃縮用区画22中に入るイオン種の正味の流れをもたらし、濃縮用区画22と減少用区画24中にて確立され、そこから回収される流体流れの相対的なイオン濃度は本発明にとって重要なことではない。
前述したように、本発明の好ましい実施態様によれば、装置20には、第1の電極区画36と第2の電極区画38が設けられている。これらの区画には、電極32および34と装置の濃縮用区画および減少用区画との間の電気的連通を確立するための電解質が供給される。図面からわかるように、導管66が供給物入口56を電極区画36と38に連結している。所定のレベルの電解質を電極区画に供給するよう、電解質供給源68を導管66と連通状態にて配置することができる。電極区画に入る流体流れ中の電解質濃度が制御できるよう、電解質弁70を調節することができる。普通品質〜低品質の流体を装置20の供給物入口56および導管66に供給する場合、電解質供給源68は不要であるか、あるいは電解質弁70を閉じた状態で装置を作動させることができる。このような普通品質〜低品質の流体は通常、補助的な電解質を使用しなくても、それぞれ電解質32および34と、膜28および30との間に充分な電気的連通を確立するに足るイオン強度を有する。しかしながら、かなり高品質の流体(すなわち、かなり低いイオン強度を有する流体)を供給物入口56に供給する場合、電解質を供給源68から導管66に導入するよう電解質弁70を調節するのが有利である。
電解質流体流れはそれぞれ、第1のポート72および74において電極区画36および38に入る。電解質はそれぞれ、第2のポート76および78において電極区画36および38を出て、弁80および82を流れる。電極をアノードとして分極化させたときに、いずれかの電極区画中の水素イオン濃度が最大となり、一方、電極をカソードとして分極化させたときに、他方の電極区画中の水酸化物イオン濃度が最小となるように、弁80と82は、それぞれ電極区画36および38を通る電解質の流れを制御するよう調整されている。例えば、電極32をアノードとして分極化させ、電極32において水素イオンを生成させる場合、電極32を収容している電極区画36を通る流体流れが最小になるよう、したがってこれにより水素イオン濃度が最大となるよう弁80を調節することができる。このようにして、電極32でのスケール生成が抑えられる。同様に、電極34をカソードとして分極化させる場合、電極区画38を通る電解質の流量を最大にするよう、そして電極区画38中の水酸化物イオン濃度を最小にするよう弁82を調節することができる(水酸化物イオンはスケールの生成を促進することがわかっている)。さらに、このような集成体によれば、電極区画38を通る流体の流量を最大にするよう弁82を調節することができ、このとき装置の作動時に、カチオンが希釈用区画24から除去され、電極区画34に送られる。
弁80と82は、機械的な流量制御弁であっても、パルス弁であっても、あるいは電極区画32と34を通る電解質の全体としての流量を制御するためのいかなるメカニズムであってもよい。弁80と82はさらに、電極区画36と38より下流に配置する必要がなく、むしろ上流に配置してもよい。図示の実施態様によれば、弁80と82がそれぞれ電極区画36と38から下流に配置されており、パルス弁を構成している。電極区画36と38を通る流体流れを示すために、点線によりバルス流れが描かれている。このようなパルス流れは、電解質区画内に生成するガスを除去するに足る、電解質区画を通る正味の流体流れを与えるよう調節しなければならない。
図からわかるように、電極区画36と38からの流出液はドレン84に送られる。しかしながら、このような流出液は、必要に応じて、電解質を電極区画を通して再循環させるよう導管66に、濃縮用区画22に入る流体流れ62に、液体/ガス界面タンク86(後述)に、化学種/生物学種供給源88(後述)に、あるいは装置20の他の部分に再送りすることができる。これとは別に、ドレン84に送られた流体を、本発明の装置の一部ではない再循環回路または再使用回路に向けることもできる。電極区画からの流出液は、一般には水酸化物イオンの濃度が比較的高いので、ドレン84に送って廃棄するのが好ましい。図面には複数のドレンが概略的に示されており、それぞれ番号84で表してある。理解しておかなければならないことは、単一のドレンを設け、廃棄可能な流出液を種々の装置場所からこの単一ドレンに送ることもできるということである。これとは別に、いかなる個数のドレン84を設けることもでき、その幾つかまたは全部が種々の装置場所から廃棄可能な流出液を受け取ってもよい。
本発明によれば、本発明の極性逆転プロトコルの特定の工程時に新規の再循環流路が確立され、この再循環路は、図2に示す第1の流体回路において確立される。再循環路は、イオン濃縮用区画22のポート50からそのポート48までの流体流れを再循環するよう配置されている。図2に示す極性逆転プロトコルの工程によれば、流体がイオン濃縮用区画22のポート50を通って出て、流れ逆転弁90と92、アウトプット方向制御弁94、弁94を液体/ガス界面タンク86に連結している導管96、界面タンク出口98、ポンプ100、導管102、およびイオン濃縮用区画22の入口48と導管102とを連結している導管104を通って進み、そしてポート48を介して濃縮用区画22に再び流入する。導管104はさらに、流れ逆転弁106と108を含む。ポンプ100は、再循環路を通して充分な流体流れを引き起こす限り、再循環路に沿った種々の場所に配置することができる。
液体/ガス界面タンク86は、電気消イオン装置のイオン濃縮用区画22において生成するガス(一般には二酸化炭素)の除去を可能にする。液体/ガス界面タンク86は、イオン濃縮用区画22を出る濃縮流体流れ64から充分な量のガスの除去が達成される限り、種々の形態を採ることができる。例えば、タンク86は、単に大気に対してオープンのタンクを構成していてもよい。これとは別に、タンク86は閉じた系であってもよいし、タンク86中の流体からのガスの発生速度を制御するよう設けられたガス圧制御装置110を含んでいてもよい。例えば、ガス圧制御装置110は、タンク86中の液体からのガス除去を早めるよう調整された真空ポンプであってもよい。スパージャーをタンク86の所定の位置に、あるいはタンク86と組み合わせた形で使用して、流体からのガスの除去を促進することができる。これとは別に、膜脱気装置を再循環ループ内に使用することもできる。あるいは、殺菌グレードのフィルターを使用して、液体/ガス界面タンク86にて濃縮流体流れ64からガスを除去することもできる。殺菌グレードのフイルターはさらに、本発明の流体回路における他の場所において使用することもできる。例えば、イオン濃縮用区画22および/またはイオン減少用区画24に供給された流体を濾過するよう、導管104および/または導管105中に配置することもできる。
再循環路は、所望の化学種および/または生物学種を流体流れに導入するための、供給液体や他の比較的低イオン濃度の流体を再循環路に導入するための、そしてオーバーフローを再循環路から取り出すための、少なくとも1つのインプットと少なくとも1つのアウトプットを含む。このように、導管104を介してイオン濃縮用区画22に入る流体流れ62のイオン濃度を制御することができる。図2の流体回路によれば、再循環路は導管112を含み、導管112が、濃縮用区画22と流体連通関係にある導管104と供給物入口56とを連結している。導管112を通る流体の流れは弁114によって制御することができる。流体回路はさらに排出出口116を含み、この出口を介してドレン84に進む流体の流れは排出弁118によって制御することができる。このように、再循環路はイオン減少用区画22を流れる流体の維持を可能にする。なぜなら、濃縮用区画に再び入るように流体が再循環されるからである。しかしながら、この再循環と関連させて、導管112を通る再循環流体路を希釈することによって、そして排出出口116を通る再循環流体路からオーバーフローを取り出すことによって、濃縮用区画22に入る流体流れ62のイオン濃度を制御することができる。弁114と118を開くことによるイオン濃度のこのような制御は、再循環路を流れる流体のイオン強度がかなり高い場合に有利である。しかしながら、このような流体のイオン強度は、濃縮用区画22の両端に充分なイオン伝導度を与えるようなレベルに保持するのが有利であり、濃縮用区画22中の流体のイオン強度を増大させるために、弁114と118を閉じた状態に保っておくのが有利であることが多い。
前述したように、イオン濃縮用区画22に入る流体流れの化学的および/または生物学的パラメーター、特に再循環路内の化学的または生物学的パラメーターは制御することができる。このような制御の態様が図3に示されており、化学種および/または生物学種が、化学種/生物学種供給源88から液体/ガス界面タンク86中に導入される。供給源88は種々の形態を採ることができ、例えば、ポンプまたはその類似物を含む制御された送り出し導管により液体/ガス界面タンク86に連結されたリザーバーなどが挙げられる。図からわかるように、供給源88は、ベンチュリ120(供給物導管122を介して供給物入口56からの流体が流れる)によってアドレスされるリザーバーという形態を採っている。化学種/生物学種制御弁124がベンチュリ120を通る供給物流体の流れを制御し、供給物導管122がベンチュリ120を介して繋がっていて、液体/ガス界面タンクに供給物を供給する。したがって、装置20が作動状態にあって制御弁124が開いているときは、供給物流体がベンチュリ120を介して流れ、供給源88から化学種および/または生物学種が抜き取られてタンク86に導入される。供給源88は、図に示すようにこうした種をタンク86に直接供給する必要はないが、イオン濃縮用区画22に連結された流体流れ62中にこのような種を導入するよう、いかなる場所でもこのような種を供給することができる。供給源88からの化学種および/または生物学種は、ポンプ、重力、または他の公知の方法により流体流れ62中に導入することができる。
供給源88から再循環路中への化学種および/または生物学種の導入時、再循環路中におけるこのような種の濃度を最大にするのが好ましい。したがって、この工程中、補給弁114と排出弁118を閉じ、このため再循環路は、供給源88からの種の導入を除いて閉じた回路となる。図3からわかるように、このような導入は、液体/ガス界面タンク86中の流体含量の正味の増大をもたらす。したがって、タンク86中の流体のレベルが所定のレベルに達すると、流体はオーバーフロー126を介してタンク86を出てドレン84に進む。
供給源88は、種々の化学種および/または生物学種を含んでいてもよい。例えば、供給源88は、再循環路中に存在する特定の種を分解するよう選ばれたバクテリア、または区画22のイオン濃縮作用の結果生成したバクテリアを含有してもよい。これとは別に、供給源88は、再循環路からバクテリアを除去するための抗菌剤を含有してもよい。供給源88はさらに、消毒用化学薬剤〔例えば、過酢酸や過炭酸ナトリウム(sodium percarbonate)など〕を含有してもよい。さらに、他の洗浄用薬剤(例えばアルカリ性ブライン、ブライン、酸、および苛性化学種など)を供給源88中に含有してもよい。供給源88から供給されるいかなる薬剤も、流体流れ62中に加える前に必要に応じて所望の温度に調節することができる。
さらに他の実施態様においては、供給源88は、スケール非形成種のような化学種を含有してもよい。本明細書で使用している“スケール非形成種(nonscaling species)”とは、水溶液からの析出を起こしにくいカチオンとアニオンで構成された種(一般には無機塩)を意味している。本明細書で使用している“スケール形成種(scaling species)”とは、水溶液からの析出を起こしやすいカチオンもしくはアニオンあるいはそれらの両方で構成された種(一般には無機塩)を意味している。本発明の好ましい実施態様によれば、供給源88は塩化ナトリウムの高濃度溶液を含む。図2に示す極性逆転プロトコル工程(イオン濃縮用区画22に入る流体流れ62の一部が供給物入口56によって供給される)によれば、普通品質〜低品質の供給流体が使用されると、一般にはスケール形成イオン(例えばカルシウムイオン、マグネシウムイオン、炭酸イオン、および水酸化物イオン)が供給物入口56からイオン濃縮用区画22に供給されることになり、析出が、したがってスケールの形成が容易になる。
好ましい実施態様によれば、図3に示す工程において、スケール非形成種としての濃縮塩化ナトリウムが供給源88から再循環路中に導入され、オーバーフローが126において除去される。一旦、充分な量の化学種および/または生物学種が供給源88から再循環流路に導入されたら(すなわち、一旦、再循環流路中におけるこのような種の濃度が所望のレベルに調節されたら)、供給源88からのこのような種の導入を停止し、隔離された再循環路において、再循環路内に所定の平衡を確実に形成させるに足る時間、イオン濃縮用区画22を通る流体を再循環させるのが好ましいことが多い。例えば、区画22中のイオン交換樹脂床においてスケール非形成種がスケール形成種より優位を占めるような平衡が確立されるまで、再循環を継続してもよい。
さらに、種々のイオン減少用およびイオン濃縮用区画内の、ならびにこれら区画間の電気抵抗の不均衡が最小となるような平衡が確立されるまで、再循環を継続してもよい。例えば、比較的高い電気抵抗の結果生じる種がイオン濃縮用区画から除去されるまで、再循環を継続してもよい。特に、例えばナトリウムイオンと塩化物イオン(chloride ion)が、炭酸塩、炭酸、徐々に拡散する有機物、および多価イオン等の種より優位を占めるような平衡を確立するのが好ましい。再循環路内に電気抵抗が最小となるような平衡を確立することに付随してくる利点は、一定電圧を供給する電源を使用した場合に、電流が区画を横切ってより自由に流れるということである。この結果、極性変化時のpHのシフトが最小となり、これらより極性逆転後の“時間−対−品質(time−to−quality)”はより速くなる。さらに、比較的電気抵抗の低い種〔例えば、ナトリウムや塩化物(sodium and chloride)〕をイオン減少用および/またはイオン濃縮用区画の幾つかもしくは全部に加えると、区画内のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との間に導電率のバランスが得られる。このことはさらに、極性変化時のpHシフトを最小にする。
上記の隔離された再循環集成体が図4に示されており、ここでは補給弁114、排出弁118、および化学種/生物学種制御弁124が全て閉じられている。このケースでは、イオン濃縮用区画22、そのポート50、流れ逆転弁90と92、アウトプット方向制御弁94、導管96、液体/ガス界面タンク86、界面タンク出口98、ポンプ100、導管102、導管104、流れ逆転弁106と108、およびイオン濃縮用区画22のポート48を含んだ、隔離された再循環路が確立される。図3に示す工程時に高濃度の塩化ナトリウムを再循環路に導入すると、また図4に示すように再循環路をある時間隔離すると、イオン濃縮用区画22中の混合イオン交換樹脂床を、スケール形成形態(scaling form)(すなわち、カルシウム、マグネシウム、および/または炭酸塩形態、あるいは水酸化物形態)からスケール非形成形態(nonscaling form)(すなわち、ナトリウム形態および塩化物形態)に再生することができる。
図2〜4に関してこれまで説明してきたように、第1のイオン濃度を有する第1の流体流れ62の供給源とイオン濃縮用区画22とを連結し、第2のイオン濃度を有する第2の流体流れ58の供給源とイオン減少用区画24とを連結している、本発明の第1の流体回路が示されている。本発明によれば、流体流れ62のイオン濃度は、一般には(必ずというわけではない)第2の流体流れ58のイオン濃度より高い。電極32と34に電圧を加えると、イオン減少用区画22を出て第3のイオン濃度を有する減少流体流れ60がもたらされ、またイオン濃縮用区画22を出て第4のイオン濃度を有する濃縮流体流れ64がもたらされる。電気消イオン装置のイオン減少用区画24における流体の精製により、濃縮流体流れ64の第4のイオン濃度は、一般には(必ずというわけではない)減少流体流れ60の第3のイオン濃度より高い。
次に、極性逆転プロトコルに関連して有用な置換工程(substitution step)について説明する。この置換工程は、流体流れ58とイオン減少用区画24との間の連結が保持されている第2の流体回路を通して行われ、このときイオン濃縮用区画22に供給される流体流れ62との間の連結が切り離され、流体流れ62のイオン濃度より低いイオン濃度を有する流体流れがイオン濃縮用区画22に連結される。図5を参照すると、単一の流体流れ供給源(すなわち供給物入口56)が、イオン濃縮用区画22とイオン減少用区画24の両方に連結されているという形の、本発明の第2の流体回路の好ましい実施態様が示されている。これは、ポンプ100を停止し、供給物方向制御弁136と138を、供給流体をイオン濃縮用区画22とイオン減少用区画24の両方に送るようセットすることによって達成される。アウトプット方向制御弁94と132、および生成物選択弁134の設定は変わらない。したがって、減少流体流れ60は生成物捕集のほうに向けられたままであり、濃縮流体流れ64はガス/液体界面タンク86のほうに向けられたままである。図からわかるように、タンク86への流体の正味のインプットが存在し、タンク86は、オーバーフロー126を介してドレン84に溢流する。
このように、イオン濃縮用区画22が図3と4に関して前述したようにスケール非形成形態および/または低抵抗形態に再生された後、イオン濃縮用区画22は、第2のイオン減少用区画として作用するための準備として、より低いイオン強度の供給流体でフラッシングされる。さらに、タンク86を溢流させてもよく、これにより、図3と図4に示す化学物質インプット工程時および再循環工程時における、イオン濃縮用区画22からの置き換えの結果存在するスケール形成イオンの濃度を希釈することができる。
本発明の置換工程時、電極32と34には電圧を加えなくてよい。これは、図5において電気スイッチ44と46が切り離されていることによって示される。装置20の作動中、電極32に正極性を加え、電極34に負極性を加えると、イオン減少用区画24において水のスプリッティング(splitting)が起こる。このような水スプリッティングは、樹脂表面と膜表面における電位差が0.83ボルトより大きいときに起こり、この結果、減少用区画の流体中にH+イオンとOH−イオンが生成する。イオン減少用区画において他のカチオンやアニオンに対するH+イオンやOH−イオンの比が充分であって、しかも充分な時間継続されれば、イオン減少用区画においてH+形とOH−形の混合イオン交換樹脂床が確立される。したがって、図5に示すように電極32と34に電圧を加えない場合、イオン減少用区画24は、区画24におけるイオン交換床が実質的にH+/OH−形である限り、従来のイオン交換により高品質の減少流体流れ60を生成し続ける。この電圧を加えない形の集成体は、濃縮用区画22へのイオンの移行を停止させ、したがって、区画22が第2のイオン減少用区画として作用するための準備として流体のイオン濃度を低下させ、電力を保持する。
次に、図6に示されているように、第1の電極区画36を通る電解質の流れが、制約もしくはパルス状態(restricted,or pulsed state)から自由流れ状態(free−flowing state)に変換され、第2の電極区画38を通る電解質の流れが自由流れ状態から制約もしくはパルス状態に変換される。これは、電解質流れ弁(electrolyte flow valve)80と82を調節することによって果たされ、後述するように、電極32をカソードとして確立するための、また電極34をアノードとして確立するための準備として行われる。
さて、図7を参照すると、電気回路40のスイッチ44と46は、第1の電極32に負極性を、そして第2の電極34に正極性を付与するよう配置されている。すなわち電極の極性が、上記の再循環工程により確立された極性とは逆転している。しかしながらこの集成体は、区画24中のイオン交換床が、区画24をして高品質の減少流れ生成物を生成させるに足るH+/OH−形である場合にのみ可能である。電極の極性が逆転することにより、アニオンが区画22からアニオン透過膜26を通って追い出されて区画24に入り、またカチオンがカチオン透過膜28を通って追い出されて電極区画36に入る。このように、区画22中の流体のイオン強度は最小となり、区画22が第2のイオン減少用区画として作用するための準備がなされる(これについては図8を参照して後述する)。
図示の好ましい実施態様においては、図5を参照しつつ前述した置換工程に引き続いて電極の極性逆転が行われ、このとき電極に電圧は加えない。しかしながら電極の極性逆転は、電極に電圧を加えることなく置換工程中に行うことができる。図5を参照した場合、こうした極性逆転は、電源42の正極を電極34に、そして電源42の負極を電極32に連結するようスイツチ44と46を調節することによって示される。したがって、本発明の極性逆転プロトコルのいかなる工程中も、電極に電圧を加える必要はない。このような実施態様によれば、電気回路40には1つだけのスイッチが必要である。
上記の置換工程の後に、イオン濃縮用区画22を第2のイオン減少用区画に、そしてイオン減少用区画24を第2のイオン濃縮用区画に変換させる。図8を参照すると、この変換は、置換工程中または置換工程後にまだ行われていない場合は、第1の電極32に負極性が加えられ、そして第2の電極34に正極性が加えられるよう電極32と34の極性を逆転させることによって、第1のイオン濃度を有していて第2のイオン濃縮用区画24を通る第1の流体流れ62をもたらすことによって、そして第2のイオン濃度を有していて第2のイオン減少用区画22を通る第2の流体流れ58をもならすことによって確立される。このように、第2のイオン減少用区画22を出る減少流体流れ140がもたらされ、濃縮流体流れが再循環される。具体的に言えば、第2のイオン濃縮用区画24を出る濃縮流体流れ142がもならされるよう、アウトプット方向制御弁132を切り替える。図3に関して前述した工程の場合のように、濃縮流体流れが再循環される。具体的に言えば、濃縮流体流れ142を、第2のイオン濃縮用区画24に入る第1の流体流れ62としてもたらすべく、導管96、タンク86、ポンプ100、導管102、および導管105を通して濃縮流体流れ142を再循環させるよう、アウトプット方向制御弁132を切り替える。
この変換工程は、流れ逆転弁144と146を通る第1の流体流れ62を第2のイオン濃縮用区画24に向けるよう供給物方向制御弁136がセットされ、そして流れ逆転弁106と108を通る第2の流体流れ(供給物流体流れ)58を第2にイオン減少用区画22に向けるよう供給物方向制御弁138がセットされるという第4の流体回路を画定するように装置20を調整することによって果たすことができる。減少流体流れ140は、第2のイオン減少用区画22を出て、流れ逆転弁90と92を通って進み、アウトプット方向制御弁94によって生成物選択弁134に送られ、そこで図示のように生成物捕集設備に送ることができる。
図8に示すように、変換工程は、図3において示した工程と類似の態様にて、化学種および/または生物学種をベンチュリ120を介して供給源88から引き上げて液体/ガス界面タンク86中に供給するよう、導管122と化学種/生物学種制御弁124を介して供給流体を送ることを含む。タンク86からの溢流は、オーバーフロー126からドレン84に除去することができる。
イオン減少用区画またはイオン濃縮用区画の両端の抵抗を最小にするということが、本発明の極性逆転プロトコルの多くの工程における利点である。例えば、図3と4に関して前述したように、抵抗がより低いことが好ましいイオン濃縮用区画22内に平衡を確立させるのが好ましい。濃縮用区画22内がより低い抵抗状態であることの利点は、図8に関して前述した変換工程が施された後、イオン交換樹脂上に不動化されていない区画22中のより導電性の高い塩が、イオン透過膜26および区画を充填している樹脂を横切って第2のイオン濃縮用区画24により容易に移送される、ということである。これにより、極性逆転後により良好な“時間−対−品質”が得られる。もう一つの利点は、より導電性の高い塩が区画22内にてイオン交換樹脂上に不動化され、したがって区画22の両端の電気抵抗が最小になる、ということである。
図9を参照すると、供給源88からタンク86への化学種/生物学種の導入を停止させるために化学種/生物学種制御弁124が閉じられ、図4に示した工程と類似の態様にて、第2のイオン濃縮用区画24を通る隔離された再循環流路が確立されている。次いで図10を参照すると、補給導管112を介して供給物入口56を流体流れ62に連結して再循環流れに連続的な希釈をもたらすよう、補給弁114と排出弁118を開放することができる。排出出口116により、再循環流れから過剰の流体が除去される。
図2〜9において、本発明の新規な極性逆転プロトコルの完全な半サイクル(complete one−half cycle)を説明してきた。本発明の極性逆転プロトコルの第1の半サイクルにおいては、図2に示す第1の流体回路が、第1の長時間作動モード(long−term operational mode)として機能する。このモードによれば、イオン濃縮用区画22を通る再循環が確立され、このとき導管112からの希釈および排出弁26からの排出が伴う。“長時間作動モード”とは、長時間(すなわち時間数または日数)にわたって装置20から減少生成物を連続的に回収するのに最も適しているモードを意味している。図3〜9に示す工程時において、高品質の減少生成物が連続的に回収されているが、これらの工程は、新規の極性逆転プロトコルにおいて一般には短時間の中間的工程である。
図面からわかるように、図10に示す第4の流体回路も長時間作動モードを明確に示している。なぜなら、区画22と24がイオン濃縮機能とイオン減少機能に関して逆転している点だけを除けば、第4の流体回路は図2に示す第1の流体回路と作動上は同一だからである。
次いで、第2の半サイクルを、上記第1の半サイクルと類似の態様、あるいは同一の態様にて行うことができる。但しこの場合、区画22がイオン減少用区画となり、区画24がイオン濃縮用区画となる。
本発明の極性逆転プロトコルの第2の半分は図3〜9に関して前述した工程に類似しており、以下に簡単に説明する。第2の長時間作動モードを明示している図10の工程に次いで、補給弁114と排出弁118を閉じ、化学種および/または生物学種を供給源88からタンク86に導入するよう化学種/生物学種制御弁124を開く。この集成体は図8に示されている。次いで、図9に示すように、隔離された再循環流路をもたらすよう弁124を閉じる。このモードは、補給弁114と排出弁118が閉じられ、第2のイオン減少用区画22から第2のイオン濃縮用区画24へのイオンの移行により、隔離された再循環流路の全体としてのイオン強度が増大する、という点において図10に示す長時間作動モードとは異なる。次いで置換工程(図5に関して前述したものと類似)を行うことができ、これは図11に示されており、このとき電極32と34には電圧が加えられていない。図12を参照すると、電極区画38を通る連続流れ、および電極区画36を通るパルス流れ又は制限流れ(restricted flow)をが得られるよう、区画36と38を通る電解質流れを再調整する。引き続き、図13に示すように、電極32に正極性を、そして電極34に負極性を加えることができる。図3を参照すると、区画22が第2のイオン減少用区画からイオン濃縮用区画に変換され、そして区画24が第2のイオン濃縮用区画からイオン減少用区画に変換されるという第2の変換工程が行われ、このとき種を供給源88から引き上げてタンク86に供給するよう弁124が開放されている。イオン濃縮用区画22を通る再循環流路を隔離するために、図4に示すように弁124を閉じることができ、次いで弁114と118を開いて再循環路に希釈と排出を可能にし、プロトコルの第2の半分が完了し、図2に示す第1の長時間作動モードになり、これによって極性逆転プロトコルの第2の半分が完了する。
これまで極性逆転プロトコルについて説明してきた。前述したように、本発明によればさらに流れ逆転プロトコルも提供される。本発明の流れ逆転プロトコルによれば、イオン濃縮用区画22においてのみ流れを逆転させることができるか、あるいはイオン濃縮用区画22とイオン減少用区画24において同時に流れを逆転させることができる。図14には、このような同時逆転が示されている。イオン濃縮用区画においては、図2に示す第1の方向とは逆の第2の方向にてイオン濃縮用区画22を流れる第1の流体流れ62をもたらすよう逆転弁106、108、90、および92を切り替えることによって逆転が果たされる。イオン減少用区画24においては、図2に示す第1の方向とは逆の第2の方向にて濃縮用区画24を流れる第2の流体流れ58をもたらすよう逆転弁144、146、128、および130を切り替えることによって逆転が果たされる。図15を参照すると、流れ逆転回路が極性逆転プロトコルの工程と関連させて示されており、区画22が第2のイオン減少用区画を画定し、区画24が第2のイオン濃縮用区画を画定している。
図14と15に示されている本発明の流れ逆転プロトコルの工程は、それぞれ図2と10に示されている本発明の極性逆転プロトコルの工程に類似している。すなわち、図14と15は、長時間作動モードでの流れ逆転プロトコルにおける工程を示している。これは、単にわかりやすくするためである。本発明の流れ逆転工程は、極性逆転プロトコルのいかなる段階においても行うことができるし、あるいは極性逆転プロトコルと関連させて、もしくは極性逆転プロトコルとは無関係に行うこともできる。
本発明による極性逆転プロトコルは、種々の持続時間の逆転工程を含んでもよく、このとき前記工程は、本発明の流れ逆転プロトコルにしたがった、あるいは本発明の流れ逆転プロトコルとは別の種々のシーケンスにて行うことができる。例えば、複数の極性逆転工程は流れ逆転工程がなくても行うことができ、あるいは複数の流れ逆転工程は極性逆転工程がなくても行うことができ、極性逆転および/または流れ逆転の個々の工程の持続時間は変えてもよい。流れ逆転を極性逆転と関連させて行う場合、極性逆転工程に対する流れ逆転工程の頻度、および流れ逆転プロトコルまたは極性逆転プロトコルの個々の工程の持続時間は、種々のファクターに応じて調節することができる。例えば、装置に送られる供給流体の品質、装置区画を充填している樹脂に対する装置膜のスケール形成しやすさの程度、種々の区画を通しての圧力降下、種々の区画を通る流体の流量、および電源から供給される電圧または電流のレベル等を考慮して調節する。
一般には、流れ逆転プロトコルを極性逆転プロトコルと関連させて行うと、画定している膜の化学的性質が保持されるという利点が得られ、電気消イオン装置の区画は、区画全体にわたってより均一な状態となる。通常の電気消イオン装置の作動時、イオン減少用区画から出てイオン濃縮用区画に入るイオン種の正味の流れが生じる。単一プロトコルの工程時においては区画を通る流体流れは1つの方向だけに起こるので、全区画の化学的組成(chemical make−up)は、単一工程中、各区画の入口と出口との間で必然的に変化する。すなわち、各区画を画定している膜、および各区画内の樹脂充填物の化学的組成は、単一工程時においては、各区画の入口付近と出口付近とで幾分異なる。
例えば、電気消イオン装置におけるスケール形成は、イオン濃縮用区画の出口付近よりむしろイオン濃縮用区画の入口付近により大きな程度で起こり、またイオン減少用区画内においては、主として区画の出口付近に起こる。
別の例として、水スプリッティング(water splitting)は、イオン減少用区画の出口付近にてより大きな程度で起こる。したがって、イオン減少用区画中の樹脂充填物は、これら区画の出口付近においてより大きな程度で水素/水酸化物形(hydrogen and hydroxide form)に再生される。樹脂を水素/水酸化物形に再生すると、樹脂上のあらゆるスケール又はよごれ物質の結合がゆるくなり、イオン減少用区画全体にわたってこうした再生を容易にするのに有利である。流れ逆転を施すことによって、長時間にわたりイオン減少用区画全体に対して水スプリッティングをより均一に起こさせることができる。
同様に、流れ逆転を施すことによって、ある特定の区画の入口または出口付近にて主として起こる他の化学反応を、長時間にわたって区画全体により均一に起こさせることが有利である。言うまでもないが、本発明の電気消イオン装置の区画はすべて、本発明の極性逆転プロトコルにしたがってイオン減少用区画およびイオン濃縮用区画として作用する。したがって、流れ逆転を極性逆転と関連させて使用する場合、流れ逆転によって減少用または濃縮用区画において実現されるいかなる利点も、全ての区画において長時間にわたって実現される。
本発明の電気消イオン装置の弁の制御は、種々の方法にて行うことができる。例えば調節は、手動、自動、あるいは手動と自動の両方でなされる手順の組み合わせにより行うことができる。好ましい実施態様によれば、本発明の電気消イオン装置の弁を所望の位置に調節するのに、マイクロプロセッサをベースとした制御器またはコンピュータが使用される。これは、電極区画36と38を通る電解質のパルス流れを制御する際に特に有利である。
前述したように、極性逆転サイクルもしくは工程、あるいは流れ逆転サイクルもしくは工程の持続時間の長さは、等しくても等しくなくてもよい。例えば、極性逆転の半サイクルまたは全サイクルはマイクロプロセッサにプログラム化することができ、手動のスイッチによって、他の制御器または電気消イオン装置の外部の装置(例えば、タイマー、生成物水のタンクレベルモニター、生成物水の品質モニター、予備処理用逆洗装置、中央コンピュータ、電流検知装置、イオンモニター、またはバクテリア検知モニターなど)によって、あるいは装置内の内部タイマーによって開始することができる。このようなケースでは、マイクロプロセッサにより、半サイクルまたは全サイクル内の工程順序と工程持続時間が制御される。さらに、極性逆転サイクル、流れ逆転サイクル、またはこの組み合わせの所望の順序と頻度はマイクロプロセッサによって制御することができ、完全に自動であってもよい。
したがって、極性逆転の半サイクルまたは全サイクルの種々の組み合わせ(必要に応じて、流れ逆転サイクルと組み合わせる)を、種々の流体精製ニーズを満たすよう適合させることができ、またサイクル及びサイクルの工程の順序と頻度の制御は、完全に手動であっても、完全に自動であっても、あるいは手動と自動の組み合わせであってもよい。極性逆転半サイクルの特定工程の順序と持続時間はマイクロプロセッサにより制御され、また外部制御装置(装置、供給物、または生成物流体の条件に応じて手動または自動)により、半サイクルのスイッチングと流れ逆転の導入の頻度が制御される。
前述したように、本発明の好ましい実施態様によれば、電気消イオン装置のイオン濃縮用区画は、流体がイオン濃縮用区画を上向き方向に流れ、これによってイオン濃縮用区画において生成したガスが該区画からより効率的に取り除かれるよう配置されている。図14と15に関して前述した流れ逆転プロトコルによれば、流れ逆転工程の結果、交互の流れ逆転工程中に、濃縮用区画を通る流体流れが下向き方向に生じる。したがって、下向き流れを生成するこのような工程は、短時間だけ行うのが有利であり、また該区画を通る流れの方向をその初期の方向に戻すのが有利である。このように、濃縮用区画を通る流れが上向き方向に起こる時間を最大にする。これとは別に、電気消イオン装置は、順流時に第1の方向に、そして逆流時に第2の方向に区画を配置できるように、したがってどちらの場合も、濃縮用区画を通って一般的な上向き方向の流れが生成するように設計することができる。
これまで、概略図を参照しながら本発明の電気消イオンについて説明してきた。装置の精製センターに対する好ましい配置構成が、濃縮用区画22、減少用区画24、および電極区画36と38によって、図1〜15に概略的に示されている。このような好ましい配置構成は、図16においてより詳細に示されている。
図16を参照すると、精製センター150は、一対の対向エンドプレート154によって結びつけられた複数の積み重ね区画を含む。各エンドプレートに隣接しているのはエンドブロック156であり、一対の対向電極に対するマウンティングとして作用する。各電極は、隣接したエンドブロックとエンドプレートを介して延びているタブ160を有している。図16において、下部電極158と上部電極のタブ160は外から見えるようになっている。各電極には電極スペーサー162が隣接しており、これは、電極スペーサーを通る流体の流路を画定している複数のリブ164を有している。乱流をもたらすために、リブに隣接して不活性スクリーン(図示せず)を配置することができる。
イオン減少用区画とイオン濃縮用区画が交互に現れるスタック166が、対向電極スペーサー162の間に配置されている。スタック166は、交互に現れる一連のアニオン交換膜168とカチオン交換膜170を含み、スペーサー172に固定され、またスペーサー172によって隔離されている。交互の膜168と170およびスペーサー172は、個々のイオン減少用区画176とイオン濃縮用区画178を画定している。各スペーサー172は、イオン減少用区画またはイオン濃縮用区画を通る流路を画定するための複数のリブ174を含む。区画176と178には、イオン交換樹脂(好ましくは、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を含んだ混合物)が充填されている。エンドプレート154およびエンドブロック156における孔179は、精製センター150の複数の積み重ね区画を一緒に保持して押しつけるタイバー(tie bar)(図示せず)を収容するように設計されている。
スペーサー172は、各区画がその同類の区画と流体連通状態になるように多岐化されている。したがって、イオン減少用区画176は、それぞれ互いに流体連通状態にあり、イオン濃縮用区画178は、それぞれ互いに流体連通状態にある。多岐化(manifolding)は、各スペーサーに、チャンバー入口180とチャンバー出口182、ならびに一対の移送流路184(これらは、スペーサーによってある程度画定されたチャンバーに流入することなく、流体が隣接区画からスペーサーを通過するのを可能にする)を設けることによって達成することができる。チャンバー入口180とチャンバー出口182は、隣接の同一スペーサーが逆になった場合に、スタック166を通る一対の交互に重なった(しかし隔離された)流路が形成されるよう、各スペーサーの対角線的に対向しているコーナーに配置することができる。したがって、互いに流体連通状態にある複数のイオン減少用区画、および互いに流体連通状態にある複数のイオン濃縮用区画(しかしながら、イオン減少用区画とイオン濃縮用区画との間は流体連通状態にない)を有するスタックを供給する単一のスペーサー設計物を使用することができる。言うまでもないことであるが、イオン減少用区画とイオン濃縮用区画は、イオン交換膜を横切って移行するイオンを介して幾らかの相互連通を達成していると言うことができる。
各エンドプレート154には、装置を通しての流体流れを可能にするための複数のポートが設けられている。このようにエンドプレートは、濃縮物入口ポート186、希釈用流れ入口ポート188、濃縮物出口ポート190、希釈生成物出口ポート192、電極入口ポート194、および電極出口ポート196を含む。さらに、電極158のタブ160が装置の端部から突き出るのを可能にするなめの電極接触ポート198も設けられている。
図17を参照すると、図16に示す精製センターの種々の区画における液体の流路が説明されている。示してあるのは二工程装置であるが、単一工程装置または多工程装置も同様に使用することができる。精製しようとする液体が入口188に入り、減少用区画176を通り、次いで第2の減少用区画176を通り、そして出口192から回収される。理解しておかなければならないことは、減少用区画を通る液体流れが、各工程において1つの方向でよいということである。さらに、各工程において2つ以上の減少用区画に液体を流すこともできる。さらに、減少用区画からの液体流出物を複数の流れに分けて、第2の組の減少用区画に通すこともできる。濃縮用液体を入口186を介して濃縮用区画178に、次いで出口190を介してドレンに通す。液体電解質を入口194から電極区画210と212に循環させ、出口196を介してドレンに廃棄する。
図16に示す装置においては、イオン減少用区画とイオン濃縮用区画のそれぞれが、隣接区画をもった共通の膜壁を共有している。イオン減少用区画とイオン濃縮用区画のそれぞれにはイオン交換樹脂が充填されているので、例えばメンテナンスが必要とされる場合に区画を隔離することは困難である。こうした問題に対処する1つのアプローチは、イオン減少用区画とイオン濃縮用区画のスタック内に一定の間隔で不活性のスクリーンスペーサーを設けるという方法である。しかしながら、スクリーンを横切って流体連通と電気連通を保持しなければならないので、こうしたアプローチはさらなる複雑化を招く。その結果、複雑なさらなる多岐化が必要となる。
不活性のスクリーンスペーサーを使用することは、イオン減少用区画とイオン濃縮用区画のそれぞれを、隣接モジュールと同一の広がりをもって接触している関係にて保持された別個の独立したモジュールとして供給することによって避けることができる。図18aに示されているように、各モジュール250と250’は、一方の側に据え付けられたアニオン交換膜254と254’と、その反対側に据え付けられた対向するカチオン交換膜256と256’とを有するスペーサー252と252’を含む。イオン交換媒体260と260’(好ましくはアニオン樹脂とカチオン樹脂との混合物)が充填されている区画258と258’を膜とスペーサーが画定している。
単独で据え付けられていると、各モジュールの膜は、樹脂が膨潤するためにふくらむ傾向がある。図18bに示すように、個々のモジュールが加圧下にて一緒に保持されているときは、膨潤は膜間のスペーシングに影響を及ぼすけれども、樹脂が圧縮され、膜は強制的に所望の膜間スペーシングとパラレル関係になる。図18bからわかるように、モジュール250と250’は、隣接モジュールによって与えられる圧力で強制的に一体状態を保持され、最終的には、エンドプレートが精製センターのスタックの両端に配置される。各区画258と258’に収容されている樹脂260と260’が圧力により圧縮され、この圧力がさらに、膜を所望の膜間スペーシングに適合しなパラレル配置構成にする。従来の電気消イオン装置とは異なり、図18bの配置構成においては、第1のモジュール250のカチオン交換膜256が、隣接モジュール250’のカチオン交換膜256’と同一の広がりをもった接触の形に押しつけられている。図示していないが、モジュール250’に隣接してさらなるモジュールを組み込む場合、モジュール250’のアニオン交換膜254’が、隣接モジュールのアニオン交換膜と同一の広がりをもった接触状態となる。したがって、各区画が単一のイオン交換膜によって隔離されている配置構成とは異なり、図18bの配置構成においては、各区画は同一の広がりをもって接触している一対の膜によって隣接区画から隔離されている。幾つかの従来技術の装置(例えば、パーシによる米国特許第4,871,431号を参照)の二極膜配置構成とは異なり、図18bの装置は、あらゆる実用的な目的に適合するよう、二重厚さの単一のアニオンもしくはカチオン交換膜を使用している。このような配置構成は、単一のイオン交換膜によって隔離された区画を有する装置と同等の性能をもたらす。しかしながら、図18aと18bの装置はモジュラー設計物を提供しているので、スタックの内部間に内部スクリーンを組み込む必要はなくなり、もし必要であれば、単一のイオン交換区画でも置き換えるみとができるようになる。最後に、モジュールスタック内に収容されている樹脂は、同一の広がりをもって接触している対になった膜の両側にて加圧状態で保持されるので、樹脂は、膜の動きを防ぐよう、また各イオン交換区画前後に所望の膜間スペーシングを保持するよう作用する。
下記の実施例は、本発明の利点を例証するためのものである。しかしながら、本発明の全ての範囲を示すものではない。例えば、特定の極性逆転プロトコルが例示されているけれども、場合によっては、前述のようにおよび/または実施例中に説明されているようにプロトコル工程の順序を配列し直すのが有利である。さらに、プロトコルの幾つかの工程を取り除くこともできるし、あるいは幾つかの工程のセッティングを、これら工程のうちの他の工程に使用することもできる。例えば、前述のように、電極32と34の極性逆転のタイミングをプロトコル中で調節することもできるし、および/または電源切断工程を取り除くこともできる。別の例として、タンク88からの化学種および/または生物学種の導入は、プロトコルのどの工程で行ってもよいし、あるいはプロトコルから取り除いてもよい。同様に、補給と排出をどの工程で行ってもよいし、あるいは完全に取り除いてもよい。図14と15に示す流れ逆転工程は、極性逆転プロトコル中のいかなるポイントで行ってもよいし、あるいはプロトコル中に必要ではない場合もある。特に、低品質の流体を供給流体として使用するときは、流れ逆転が頻繁に必要となる(例えば、極性逆転プロトコルの頻度と同じかそれより多い)。なぜなら、低品質の流体は通常、装置の濃縮用区画のイオン交換樹脂やイオン透過膜を急速に汚す粒状物質を含有しているからである。これとは別に、特に高品質の供給流体を使用する場合は、流れ逆転は完全に不必要となる。上記の変形や他の変形およびこれらに対する等価物は、本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。
実施例1:代表的な極性逆転プロトコル
2つの同一の4セル対単一工程電気消イオン装置(two identical 4 cell pair single stage electrodeionization apparatus)を、図16に示したタイプの配置構成にて組み立てた。各装置は以下のような成分で構成されている:0.5インチ厚さのアルミニウムエンドプレート2つ;0.5インチ厚さのポリプロピレン電極ブロック2つ;酸化イリジウムで被覆したチタン電極2つ〔このとき各電極は、熱可塑性エラストマーのフレームによって周縁をガスケット処理しな厚さ0.025インチのポリエステル織布電極区画スクリーンによって、それらの最も近い(カチオン透過性の)イオン交換膜から隔離されている〕;不均質ポリエチレンベースの9つのカチオン交換膜とアニオン交換膜が、カチオン膜で始まってカチオン膜で終わるシーケンスにて交互に現れる形のスタック;ポリプロピレン膜間スペーサーに接着剤で接着した各膜(約0.1インチの膜間スペーシングおよび13インチの流路長さ、各スペーサーは、それぞれの幅が約1.2インチの3つのサブ区画で構成)、ローム&ハース社製のアンバージェット(Amberjet)(アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の容量比が60:40の混合物)を充填した各サブ区画。
これら2つの装置に、UV殺菌、粒状活性炭、次いで呼称0.5マイクロメートル濾過によって予備処理しな井戸水をパラレルに供給した。イオン減少用流れとイオン濃縮用流れのそれぞれを、流れの再循環を起こさせずに、下向き流れ方向にパラレルに供給し、各流れを約0.9lpmの流量で操作した。各装置の電極間に、約19.5ボルトの直流電圧を加えた。各装置への供給水は、102ppmのカルシウム、57ppmのマグネシウム、117ppmの重炭酸イオン、および9ppmのシリカを含めてトータル約235ppmの溶解固体(dissolved solid)(CaCO3として)を含有し、pHは約8.05であった。生成物出口と濃縮物出口を互いに置き換え、各装置に対して30分間隔で極性を逆転させた。容易に認識可能なpHシフトを装置内につくりだすために、4日間にわたって、各装置に対し作動電圧を41ボルトに徐々に増大させた。4日目から始めて24時間ごとに、上向き流れ方向と下向き流れ方向との間で一日基準で交互に変化するよう、第1の装置に対する全ての流れの流れ方向を逆転させた。第2の装置に対しては流れの逆転はなく、両方の装置が30分間隔で同一の極性逆転シーケンスを継続した。
4日目において、両方の装置のイオン減少用流れの精製レベル(コンダクタンスによりモニター)は約80%であった。作動の5日目から、両方の装置のイオン減少用流れのpHが増大しやすくなって最大約9.5になり、次いで極性を逆転すると、流れ(今度はイオン濃縮用流れ)のpHは減少しやすくなって最小約6.6となった。ランゲリアー飽和指数(Langelier saturation index)の算出により、濃縮物流れがスケールを形成しにくい傾向を有すること、また極端に高いpHでは、減少用流れがスケールを形成しやすい傾向を有することがわかった。作動5日目に、2つの装置の精製性能が異なり始めた。第1の装置は、12日間を通して約80%の精製レベルを保持し、第2の装置は、約60%の精製レベルに徐々に低下した。この時間中、第1の装置は約25オームの電気抵抗を保持し、第2の装置は、電気抵抗が約31オームに徐々に増大した。12日後、試験が終了し、装置を分解した。膜表面や電極表面には、スケールは殆どもしくは全く認められなかった。両方の装置において、樹脂ビーズ充填物の隙間中にスケールが検出された。第1の装置の充填物隙間中のスケールはかなり少なかった。
実施例2:第2の代表的な極性逆転プロトコル
実施例1に記載の2つの同一の4セル対単一工程電気消イオン装置に、逆浸透によって予備処理した水をパラレルに供給した。第1の装置には上向き流れ方向で供給し、第2の装置には下向き流れ方向で供給した。各流れを約1.1lpmの流量にて作動させた。各濃縮用流れを再循環し、補給水を約0.1lpmの流量で供給した。イオン減少用流れと補給濃縮物の供給導電率(feed conductivity)は約13マイクロジーメンス−cm−1であり、イオン塩混合物(約4ppmの溶解二酸化炭素と約250ppbの溶解シリカの混合物)を含有していた。各装置の電極間に約20ボルトの直流電圧を加えた。(1)電源を切り離す工程(時間=0秒にて);(2)減少用流れと濃縮用流れを互いに置き換える工程(時間=10秒にて);(3)極性を逆転させる工程(時間=15秒にて);および(4)電源を入れる工程(時間=20秒にて);を施すことによって、24時間ごとに極性を逆転させた。サイクル全体を通して生成物水を継続的に得た。
極性逆転プロトコルの開始直前において、両方の装置に対する生成物水の電気抵抗率は約17メグオーム−cmであり、シリカの濃度は約7ppbであった。両方の装置に対する生成物水の抵抗率は、時間=1分において最小約6メグオーム−cmまで低下した。第1と第2の装置に対して、最大のシリカ濃度はそれぞれ約164ppbと260ppbであり、この場合も時間=1分において最大となった。第1の装置と第2の装置は、それぞれ時間=25分と時間=45分において約15メグオーム−cmの生成物水抵抗率を達成した。
実施例3:第3の代表的な極性逆転プロトコル
セル区画にダウ・マラソン(Dow Marathon)イオン交換樹脂充填物を充填したこと以外は、実施例1に記載の方法と同一の方法で電気消イオン装置を組み立てた。
この電気消イオン装置に、逆浸透装置から透過水(permeate water)を供給した。各イオン減少用流れと各イオン濃縮用流れを下向き流れ方向にパラレルに供給し、各希釈用流れと濃縮用流れをセル一対当たり約0.2lpmの流量にて作動させた。装置の電極間に約20ボルトの直流電圧を加えた。装置への供給水は、2.5ppmの二酸化炭素および1.5ppmの混合イオンを含めて、トータル約4ppmの溶解固体(CaCO3として)を含有していた。
(i) 第1の極性逆転プロトコルにおいては、従来技術を示す対照標準試験として、イオン減少用流れとイオン濃縮用流れを濃縮物の再循環を行わずに作動させ、これらの流れを、電気極性を逆転させたのとほぼ同時に交換した。
(ii) 第2の極性逆転プロトコルにおいては、イオン濃縮用流れを再循環し、装置の濃縮物入口にてROパーミエート(RO permeate)の供給物と合流させた。装置からの全体としての生成物水回収率が、装置に供給される全ROパーミエートの約90%となるような割合で、再循環流れから合流濃縮物を取り出した。電気極性を逆転させたのと同時にこれらの流れを交換した。
(iii) 第3の極性逆転プロトコルにおいては、実施例(3,ii)と同様の態様で流れを供給・再循環した。この逆転プロトコルは以下のような工程で構成された:(a)DC電源を切る;および(b)流れを交換し、電気極性を逆転させ、そして流れの生成物抵抗率がほぼ等しくなる時点でDC電源を加える。
(iv) 第4の極性逆転プロトコルにおいては、実施例(3,ii)と同様の態様で流れを供給・再循環した。この逆転プロトコルは以下のような工程で構成された:(a)供給物流れと生成物流れを、実施例(3,i)と同様の態様で作動するように変性させた;(b)モード(iv,a)で約2分作動させた後、流れを交換し、電気極性を逆転させた;および(c)流れの生成物抵抗率が等しくなる時点で、流れを実施例(3,ii)と同様の態様に戻した。
(v) 第5の極性逆転プロトコルにおいては、実施例(3,ii)と同様の態様にて流れを供給・再循環した。この逆転プロトコルは以下のような工程で構成した:(a)供給物流れと生成物流れを、実施例(3,i)と同様の態様で作動するように変性した;(b)モード(v,a)で約2分間作動させた後、DC電源のスイッチを切った;(c)流れを交換し、DC電源を逆転し、流れの生成物抵抗率がほぼ等しくなる時点で再びDC電圧を加えた;そして(d)モード(v,c)で約10分間作動させた後、流れを実施例(3,ii)と同様の態様に戻した。
(vi) 第6の極性逆転プロトコルにおいては、実施例(3,ii)と同様の態様にて流れを供給・再循環した。この逆転プロトコルは以下のような工程で構成された:(a)再循環用濃縮物流れへのROパーミエート供給物を遮断した;(b)塩化ナトリウムの濃縮水溶液を、濃縮用区画内に2%塩溶液をつくりだすに足る量にて再循環用濃縮物流れに供給した;(c)モード(vi,b)で約5分間作動させた後、供給物流れと生成物流れを、実施例(3,i)と同様の態様で作動するように変性した;(d)モード(vi,c)で約2分間作動させた後、流れを交換し、DC極性を逆転させた;および(e)流れの生成物抵抗率がほぼ等しくなる時点で、流れを実施例(3,ii)と同様の態様に戻した。
それぞれの極性逆転プロトコル試験に対し、水の電気抵抗率をモニターし、最も良好な水品質を与える流れから生成物水を連続的に捕集した。逆転サイクルを開始する前、逆転サイクルの全時間中、および逆転サイクルに引き続いて再び定常状態が達成されるまで、定常状態作動にて生成物水を捕集した。下記の表Iには、装置の連続的作動時において、生成物水の品質が、いかなる時間においても与えられた抵抗率値より低いときの時間の長さが記載されている。
*オペレーターの未熟さによる、抵抗率のクロスオーバーと極性逆転との間の4時間遅れは除く。
表IIには、生成物水の最も低い抵抗率が得られた時間(すなわち、2つの流れが等しい水抵抗率になった時間)が記載されている。
実施例4:セル対群の有無による電気消イオン装置の第1の比較
2つの装置を組み立てた。第1の装置は、それぞれ2つのセル対を有する2つのセル群を含むこと、および樹脂充填剤がダウ・マラソンイオン交換樹脂であること以外は、実施例1の場合と同様の成分で構成した。各セル群は、カチオン膜で始まってカチオン膜で終わるという形で、5つの交互に配置されたカチオン膜とアニオン膜で構成した。第2の装置は、カチオン膜で始まってカチオン膜で終わるという形で、11個の交互に配置されたカチオン膜とアニオン膜とで構成された1つのセル群中に5つのセル対を含むこと以外は、第1の装置の場合と同様であった。
4ppmのカルシウム、6ppmの溶解二酸化炭素、および296ppbのシリカを含有する逆浸透によって予備処理した水を、セル1つ当たり0.2lpmの流量にて各装置にイオン減少用流れとして供給した。濃縮用流れは、補給水を供給せずにセル1つ当たり0.2lpmの流量にて再循環した。各装置に対し、セル対1つ当たり3ボルトのDC電圧を加えた。
24時間の作動後、第1の装置は11メグオーム−cmの抵抗率を有する生成物水を生成し、装置のアンペア数は0.58アンペアであり、濃縮物流れは140ppmのカルシウムを含有していた。第2の装置は7メグオーム−cmの抵抗率を有する生成物水を生成し、装置のアンペア数は0.78アンペアであり、濃縮物流れは120ppmのカルシウムを含有していた。72時間の作動後、両方の装置を分解した。両方の装置の濃縮用セル内にスケールが認められた。第1の装置では、セル対群の間の界面にスケールは認められなかった。
実施例5:セル対群の有無による電気消イオン装置の第2の比較
再循環濃縮用流れを濃縮用セル1つ当たり約0.02lpmの流量にて補給水として供給したこと以外は、実施例4の場合と同様に2つの装置を組み立てて水を供給した。第1と第2の装置を15ボルトで作動させ、アンペア数はそれぞれ約0.60アンペアおよび0.58アンペアであった。8日間の作動後、生成物水の電気抵抗率は、第1の装置では約16.6メグオーム−cmであり、第2の装置では約15メグオーム−cmであった。作動9日目に、減少用流れと濃縮用流れを互いに置き換え、次いで各装置の極性を逆転させた。作動11日目に、生成物水の電気抵抗率は、第1の装置では約17メグオーム−cmであり、第2の装置では約15メグオーム−cmであった。試験終了後に第1の装置を分解したが、スケールの形成は認められず、またセル対群間の界面には膜損傷の徴候は全く認められなかった。
等価物(Equivalents)
当業者にとっては言うまでもないことであるが、ここで挙げた全てのパラメーターは代表的なものであって、実際のパラメーターは、本発明の電気消イオン装置が使用される特定の用途に応じて異なる。したがって、理解しておかなければならないことは、上記の実施態様や実施例は単に例として与えられているだけであって、請求の範囲およびそれに対する等価物の範囲内において、本明細書に明記したものとは別の形で本発明を実施することができる、ということである。
極性逆転および二重逆転による電気消イオン装置ならびにそれらの使用法
発明の分野
本発明は電気消イオン装置に関する。さらに詳細には、本発明は、新規な極性逆転スキームを有し、生成物の連続的な回収を果たしながら、イオン減少用区画(ion−depleting compartment)およびイオン濃縮用区画(ion−concentrating compartment)を介して逆転流をもたらす電気消イオン装置に関する。
発明の背景
液体中のイオンや分子の濃度を減少させることによる液体の精製は、技術的関心の高い分野である。液体を精製・単離するのに、あるいは液体混合物から特定のイオンもしくは分子の濃縮プール(concentrated pools)を得るのに、種々の方法が使用されている。よく知られている方法としては、蒸留、電気透析、逆浸透、液体クロマトグラフィー、膜濾過、イオン交換、および電気消イオンなどがある。最新の電気消イオンユニットが、例えば、共通の形で所有されている(commonly−owned)米国特許第5,308,466号(1994年5月3日付け取得)および第5,316,637号(1994年5月31日付け所得)〔いずれもガンジ(Ganzi)らによる〕において説明されている。
多くの液体精製装置に付きものの1つの問題点は、種々の液体接触表面にスケールが形成されることである。例えば電気消イオン装置の場合、イオン減少用区画とイオン濃縮用区画とを画定しているイオン交換膜上だけでなく、区画の少なくとも一部中に収容されているイオン交換樹脂上にも生じることが知られている。
電気的水精製装置におけるスケールの形成を防止もしくは除去するための多くの方法が試みられている。例えば、コルズマン(Kollsman)による米国特許第2,854,394号は、電気透析装置に使用される膜中に含まれている孔の詰まりを少なくするための方法として、電気透析装置において極性逆転を使用することを説明している。
電気消イオン装置においても、極性逆転法が使用されている。例えば、ギフリーダ(Giuffrida)らによる米国特許第4,956,071号は、水素と水酸化物による樹脂床の部分的再生を利用し、装置両端での極性の非同時的切り換え、および濃縮用流れと減少用流れとの交換を可能にするような極性逆転電気消イオン装置について説明している。こうした装置を使用することにより、精製水が連続的に得られる。カッツ(Katz)らによる米国特許第5,026,465号は、濃縮用流れと減少用流れを交換させると同時に装置両端の極性を切り換える、という極性逆転電気消イオン装置について説明している。
電気駆動による種々の消イオン装置や分別装置中に収容されている電極、膜、および樹脂からよごれ物質(foulant)、汚染物質(contaminant)、およびスケールを除去するのに極性逆転を使用することが知られているが、これまでのところ充分満足できるような結果が得られているとは言い難い。例えば“時間−対−品質(time−to−quality)”、すなわち極性逆転後の、新たなイオン減少用区画が許容しうる品質の水を生成するのに必要な時間の長さは、多くの用途に対して要求される時間よりかなり長い。さらに、電気消イオン装置におけるイオン濃縮用区画の流体中に、通常は二酸化炭素ガスが発生する。イオン濃縮用区画にガス状態の二酸化炭素が存在すると、これら区画の両端に電気抵抗の増大が引き起こされ、好ましくない状態になる。イオン濃縮用区画の流体中に溶解している二酸化炭素は炭酸と平衡状態にて存在しており、この炭酸の存在は好ましくない。なぜなら炭酸のイオン化はわずかであり、したがって良導体ではなく、溶液から簡単には除去されないからである。さらに、多くの公知の電気消イオン装置においては、イオン濃縮用区画内での化学的・生物学的制御が充分ではない。
電気消イオン装置の操作に付きものの他の問題点は、装置内の樹脂粒子間に沈降しやすい(特に、低品質の供給水を使用する場合)よごれ物質粒子をプロセス流れから除去しなければならないことが多い、ということである。このようなよごれ物質粒子は装置に詰まりを生じやすく、したがって生成物流れや濃縮物流れの流量減少、および装置前後の圧力降下の増大を引き起こす。樹脂よごれの問題は電気消イオンに特有のものであるが、電気透析にとってはそうではない。なぜなら、電気透析区画はイオン交換樹脂を含んでいないからである。この問題を解消するための1つの方策は、樹脂を所定の場所に保持したまま装置を逆洗することである。こうしたプロセスは、ギフリーダらによる米国特許第4,692,745号に説明されている。逆洗は間欠的なプロセスであり、装置の電極に電力が供給されない時間中に、濃縮用区画を通る流れと減少用区画を通る流れを逆転させる。逆転流の流出液は、通常は排水中に廃棄される粒状物質を含有した廃棄物流れを含む。もう1つの方策は、樹脂を取り除いた状態で装置を逆洗することである。このようなプロセスは、パーシ(Parsi)らによる米国特許第5,120,416号に説明されている。このプロセスでは、樹脂を収容した区画を必ず再充填しなければならず、作業が面倒であり、また時間がかかりすぎる。これら方策のどちら場合も、必ず装置の停止時間が含まれる。
上記のような試みにもかかわらず、連続的な高純度生成物流れを供給しつつ、スケールやよごれの発生を防止する(あるいはスケールやよごれ物質の除去ができる)ような電気消イオン装置が求められている。
さらに、良好な“時間−対−品質”を有する極性逆転プロセスにより手動もしくは自動的に操作することができ、製造が簡単で、そして高純度生成物の連続的回収が可能な電気消イオン装置が求められている。
さらに、あるイオン濃縮用区画配列にて化学種および/または生物学種の良好な制御が可能な電気消イオン装置が求められている。
さらに、電気消イオン装置の作動中にイオン濃縮用区画にて生成するガスの効率的な除去が必要とされている。
発明の要約
本発明は、装置内のイオン交換樹脂充填物の隙間に、また装置内の膜上に生じることのある溶解性の低い物質(すなわちスケール)の堆積を実質的に防止する、電気消イオン極性逆転の改良されたモジュールおよびシステムである。本発明の装置は、逆洗を行う必要がないこと、また粒状物やスケールを除去するために、装置内に収容されているイオン交換物質を取り出したりかき混ぜたりする必要がないことを特徴とする。本発明の装置はさらに、電気消イオン装置のイオン濃縮用区画において生成するガスの効率的な除去を可能にし、また装置の回路や区画内の化学的・生物学的パラメーターの良好な制御を可能にする。
本発明の電気消イオンシステムは、少なくとも1つのイオン減少用区画に隣接して配置された少なくとも1つのイオン濃縮用区画を含んだ複数の区画を含み、このとき区画はそれぞれイオン交換物質を収容しており、ある間隔を置いて交互に配置されたアニオン透過膜とカチオン透過膜によって部分的に画定されている。複数の区画の各側に電極が配置されており、複数区画の両端に電圧を加えることができるよう、区画および電源と電気的に連通している。本発明の電気消イオンシステムは、複数の流体回路、すなわち第1の流体流れの供給源をイオン濃縮用区画に連結し、第2の流体流れの供給源をイオン減少用区画に連結している第1の流体回路、および第3の流体流れの供給源をイオン濃縮用区画に連結し、前記第2の流体流れの供給源をイオン減少用区画に連結している第2の流体回路を含む。第3の流体流れは、第1の流体流れより低いイオン濃度を有する。
電気消イオンシステムを使用して流体を精製する方法は、以下のように実施することができる。本発明の方法は、イオン濃縮用区画を通る第1の流体流れ、およびイオン減少用区画を通る第2の流体流れをもたらすことを含む。次いで、イオン減少用区画を出る減少流体流れ(depleted fluid stream)とイオン濃縮用区画を出る濃縮流体流れ(concentrated fluid stream)をもたらすよう電極に電圧を加える。このとき減少流体流れは、第2の流体流れより低いイオン濃度を有する。この集成体は、第1の流体回路として確立される。
次に第2の流体回路について説明すると、第1の流体流れの代わりに、第1の流体流れより低いイオン濃度を有する第3の流体流れが使用されており、一方、第2の流体流れはイオン減少用区画を通るよう保持されており、このようにイオン濃縮用区画が、第2のイオン減少用区画として作用するように調製される。引き続き、このイオン減少用区画が第2のイオン濃縮用区画に変換され、そしてイオン濃縮用区画が第2のイオン減少用区画に変換される。こうした操作は、第2のイオン濃縮用区画を通る第1の流体流れをもたらし、第2のイオン減少用区画を通る第2の流体流れをもたらし、そして第1の電極と第2の電極の極性を逆転させることによって行う。
本発明はさらに、上記の電気消イオンシステムを使用して流体を精製する方法を提供する。本発明の方法は、システムのイオン濃縮用区画を通る第1の流体流れと、システムのイオン減少用区画を通る第2の流体流れをもたらすこと、そして前述のように、イオン減少用区画を出る減少流体流れと、イオン濃縮用区画を出る濃縮流体流れをもたらすよう電極に電圧を加えることを含む。次に第1の流体流れのイオン濃度を増大させ、イオン減少用区画を第2のイオン濃縮用区画に変換すると同時に、イオン濃縮用区画を第2のイオン減少用区画に変換する。イオン濃縮用区画とイオン減少用区画との交換の前に、第1の流体流れのイオン濃度を増大させると、減少流体生成物(depleted fluid product)の回収において改良された“時間−対−品質”が得られる。
本発明はさらに、電気消イオンシステムのイオン濃縮用区画を通る、あるイオン濃度をもった第1の流体流れを前述のようにもたらす、という流体の精製法を提供する。あるイオン濃度を有する出口流体流れ(exit fluid stream)をイオン濃縮用区画から回収し、第1の流体流れとしてもたらされるよう再循環させる。本発明の方法にしたがって、再循環した第1の流体流れのイオン濃度を増大させる。この集成体は、流体流れをイオン濃縮用区画の出口からその入口へ再循環するよう配置された再循環路を含む流体回路として確立され、再循環路と流体連通状態にある種(例えば、化学種や生物学種)の供給源を含む。
本発明はさらに、電気消イオンシステムの濃縮用区画内または減少用区画内でのよごれ物質の堆積を最小限に抑えながら、システムの効率的な作動を可能にする上で極めて効果的な流体精製法を提供する。本発明の方法は、電気消イオンシステムのイオン濃縮用区画を通る第1の流体流れと、前記システムのイオン減少用区画を通る第2の流体流れを前述のようにもたらすこと、およびイオン減少用区画を出る減少流体流れと、イオン濃縮用区画を出る濃縮流体流れをもたらすよう電極に電圧を加えることを含む。本発明の方法はさらに、イオン濃縮用区画を通る第1の流体流れの流れ方向を逆転させること、および第1の流体流れが逆転した方向にてイオン濃縮用区画を流れる間に、イオン減少用区画から減少流体生成物を回収することを含む。
本発明の方法は上記の電気消イオンシステムを供給することによって行われるが、このとき順流流体回路(forward flow fluid circuit)および流流体回路(reverse flow fluid circuit)を含む。順流流体回路が第1の流体流れの供給源をイオン濃縮用区画の第1のポートに連結し、これによってイオン濃縮用区画を第1の方向にて流れる第1の流体流れがもたらされる。さらに順流流体回路が第2の流体流れの供給源をイオン減少用区画の第1のポートに連結し、これによってイオン減少用区画を第1の方向にて流れる第2の流体流れがもたらされる。逆流流体回路が第1の流体流れの供給源をイオン濃縮用区画の第2のポートに連結し、これによってイオン濃縮用区画を前記第1の方向とは反対の第2の方向にて流れる第1の流体流れがもたらされる。さらに逆流流体回路が第2の流体流れの供給源をイオン減少用区画の第2のポートに連結し、これによってイオン減少用区画を前記第1の方向とは反対の第2の方向にて流れる第2の流体流れがもたらされる。
本発明はさらに、複数の積み重ね区画群を含んだ集成体を含む、電気消イオン装置用の区画を提供する。区画の各群は、群の第1と第2の端部において外部膜によりある程度画定され、各群は、少なくとも1つのイオン減少用区画に隣接して配置された少なくとも1つのイオン濃縮用区画を含んだ複数の区画を含む。複数の区画は、第1の極性のイオンに対して透過性の膜と、前記第1の極性とは反対の第2の極性のイオンに対して透過性の膜を、ある間隔で交互に配置することによってある程度画定される。少なくとも1つの群で構成された区画の外部膜は、複数の積み重ね区画群において同一の広がりをもって隣接群の外部膜と接触している。イオン濃縮用区画とイオン減少用区画は、それぞれイオン交換物質を含んでいる。
本発明の区画を種々の電気消イオンシステムに使用して、種々の流体精製法を実施することができる(上記のシステムおよび方法も含む)。
図面の簡単な説明
図1は、本発明の好ましい実施態様による電気消イオン装置の概略図である。
図2は、第1の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図3は、化学種/生物学種の制御を含んだ第1の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図4は、隔離された再循環路を含んだ第1の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図5は、第1と第2の電極に電圧を加えない状態で第2の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図6は、第1と第2の電極区画を通る電解質流れの相対速度を逆転させた状態で第2の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図7は、第1と第2の電極に対して極性の逆転を施した状態で第2の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図8は、逆転させた第1の流体回路を明示するよう調整し、化学種/生物学種の制御を含んだ、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図9は、隔離した再循環路を含む逆転させた第1の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図10は、再循環路の希釈を行った状態にて、逆転させた第1の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図11は、第1と第2の電極に電圧を加えない状態で、逆転させた第2の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図12は、第1と第2の電極区画を通る電解質流れの相対速度を逆転させた状態で、逆転させた第2の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図13は、電極に第1の流体回路の最初の極性を施した状態で、逆転させた第2の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図14は、逆転流れの第1の流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図15は、逆転した極性で逆転流れの流体回路を明示するよう調整した、本発明の装置の好ましい実施態様の概略図である。
図16は、本発明の好ましい実施態様による電気消イオン工程の分解図である。
図17は、図16に示した工程の作動を示す概略図である。
図18aは、圧縮する前の隣接積み重ね区画群(ajacent stacked compartment groupings)からの2つの別個の電気消イオンサブ区画(electrodeionization subcompartment)を示している、本発明の装置の好ましい実施態様の概略断面図である。
図18bは、圧縮した後の隣接積み重ね区画群からの2つの別個の電気消イオンサブ区画を示している、本発明の装置の好ましい実施態様の概略断面図である。
発明の詳細な説明
本発明によれば、1つ以上の電気消イオン工程(electrodeionization stages)を含んだ電気消イオン装置が提供され、このとき各電気消イオン工程は、少なくとも1つのイオン減少用区画に隣接して配置された少なくとも1つのイオン濃縮用区画を含む。本発明の装置は、一連のイオン減少用区画と交互に配置されている一連のイオン濃縮用区画を含むのが好ましい。これらの区画は、ある間隔を置いて交互に配置されたアニオン透過膜とカチオン透過膜によってある程度画定されている。イオン濃縮用区画とイオン減少用区画のそれぞれが、イオン交換物質(例えば、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合物)を含む。適切なイオン交換物質の代表的なものとしては、繊維、織布、またはビーズなどがある。
本発明の装置は、イオン濃縮用区画およびイオン減少用区画と電気的連通関係をもって供給される少なくとも第1と第2の電極、ならびに前記第1と第2の電極と電気的連通関係をもって供給される電圧供給源を含み、このとき前記電圧供給源は、電極および区画と組み合わさって電気回路を形成する。このように、イオン濃縮用区画とイオン減少用区画の前後に、あるいは複数のこのような区画を含んだ1つ以上の電気消イオン工程の前後に電圧を供給することができ、これによって装置の作動中にイオン減少生成物流体流れ(ion−depleted product fluid stream)を生成させることができる。
従来の電気消イオン極性逆転時においては、区画に流入する流体流れが交換されると同時に、電気消イオン区画前後の極性が逆転され、したがって濃縮用区画は第2の減少用区画として画定され、また減少用区画は第2の濃縮用区画として画定される。本発明は、極性逆転サイクル時において、従来の濃縮用流体流れと減少用流体流れとの交換よりむしろ、流体流れの置換を含んだ新規な極性逆転プロトコルを提供する。本明細書で使用する“置換”とは、装置の1つ以上のイオン減少用区画への流体流れインプット(fluid stream input)が変化せず、減少用区画からの減少流体生成物の回収が継続されたままでの、1つ以上のイオン濃縮用区画への流体流れインプットの変化を表すものとする。この変化は一般にはイオン濃度の変化であり、通常は濃縮用区画への流体流れインプットのイオン強度を低下させることを含む。この置換は、1つ以上のイオン減少用区画から1つ以上のイオン濃縮用区画へのイオンの移行が止まるよう、電極を電源から切り離すことによって行うことができる。このように、イオン濃縮用区画による作用を1つ以上の第2のイオン減少用区画としての作用に入るよう準備させた状態で、イオン濃縮用区画中の流体のイオン強度を低下させることができる。
本発明の極性逆転プロトコルにおける新規な置換工程のほかに、本発明は、装置の操作時において、流体がイオン濃縮用区画を通るのを保持しながらイオン濃縮用区画内の化学的および/または生物学的パラメーターを正確に制御することを可能にする。この化学的および/または生物学的制御は、イオン濃縮用区画を出た濃縮流体を回収し、そしてこの流体を濃縮用区画の入口のほうに向けて進めるループを形成するような再循環路により果たすことができる。イオン濃縮用区画中での化学的および/または生物学的パラメーターの制御は、イオン濃縮用区画中の1つ以上の化学的または生物学的パラメーターを調整するよう設計された1つ以上の種を、イオン濃縮用区画に入る流体流れ中に導入することによって行われる。このような導入は、イオン減少用区画が減少流体生成物を生成し続けている間に行われる。例えば、電気消イオン装置の作動時にイオン減少用区画に存在するのが好ましい化学種または生物学種を再循環路に導入することができ、このように、イオン濃縮用区画を第2のイオン減少用区画として作用するよう準備することができる。もう一つの例として、装置の作動時にイオン減少用区画に存在しないのが好ましい特定の種(species)を、特定の種を除去するよう選択された化学的および/または生物学的を再循環路中に導入することによって、イオン濃縮用区画から除去することができる。これにより、イオン濃縮用区画を第2のイオン減少用区画として作用するよう準備させる。
本発明はさらに、イオン減少用区画から減少流体生成物を連続的に回収しながら、装置の作動時にイオン濃縮用区画における流体流れの方向を逆転させるよう設計された電気消イオン装置を提供する。イオン減少用区画における流れの方向は、減少流体生成物の連続的な回収を行いながら、イオン濃縮用区画における流体流れの逆転と同時もしくは非同時に逆転させることもできる。本発明の流体流れ方向の逆転は、かなり低品質の供給流体を処理するのに本発明の装置を使用する場合でも、スケールのない、そして特によごれ物質のないイオン濃縮用区画とイオン減少用区画の維持を可能にする。本発明の流れ逆転電気消イオン装置の作動を、本発明の極性逆転プロトコルとは別個にあるいは関連させて行って、極性逆転、流れ逆転、あるいは二重(極性と流れ)逆転による新規プロセスと新規装置を提供することができる。
上記の極性逆転、流れ逆転、または二重逆転による電気消イオン装置のほかに、装置の作動時に生成するガスをイオン濃縮用区画から効率的に除去する手段と方法が提供される。これは、流体入口が流体出口より低くなるようにイオン濃縮用区画を配向させることによって達成される。この方法においては、装置の作動中に生成されるいかなるガスも上向きに運ばれる。したがってこの方向は、ガスより高い密度を有する流体環境においてガスが自然な形で求める方向であるので、本発明の手段と方法は、生成されるガスが自然な形で求める方向に対して補足的な流体流れをもたらし、このためガスの効率的な除去が容易になる。同様に、電気消イオン装置の作動時に電極にて生成されるガスは、電極区画において電解質流れを上向き方向に供給することによって、電極区画から効率的に除去することができる。
再循環路が確立される場合、この再循環路はさらに液体/ガス界面を含み、このためイオン濃縮用区画を出る流体からの溶解ガス(このガスは、流体を濃縮用区画に再導入する前に流体からパージするのが好ましい)の除去が容易になる。
好ましい電気消イオン装置の1つの実施態様においては、濃縮用区画と減少用区画は独立した別個のサブ区画を複数個含むように造られており、サブ区画のそれぞれは、約4インチ以下(好ましくは0.5〜約1.5インチ)の幅を有する。別個のサブ区画は、区画スペーサー(それぞれのスペーサーが、区画厚さの両端に、そして区画長さに沿って延び広がったリブを有する)の周辺にアニオン透過膜とカチオン透過膜を固定することによって(例えば接着により)形成される。したがって、各サブ区画は、一対のリブ、アニオン透過膜、およびカチオン透過膜によって画定される。サブ区画には、それぞれイオン交換物質が充填されている。
本発明の好ましい実施態様は、1つ以上の区画群、あるいは“デュアル区画(dual compartment)”を含んだ電気消イオン装置を含む。このようなデュアル区画は、1990年9月11日付け取得のギフリーダらによる米国特許第4,956,071号(該特許を参照のこと)に説明されている。デュアル区画はそれぞれ、奇数個の選択的透過膜、少なくとも1つの減少用区画、および少なくとも1つの濃縮用区画(これら区画のそれぞれが、前述のようにサブ区画に分けられている)によって画定されている。これらのイオン透過膜は、アニオン透過膜とカチオン透過膜がデュアル区画の厚さに沿って交互に現れるよう配置される。したがってデュアル区画は、アニオン透過膜より1つ多いカチオン透過膜を含んでいてもよいし、あるいは1つ多いアニオン透過膜もしくはカチオン透過膜を含んでいてもよい。
本発明の装置はさらに、1つ以上の電気消イオン工程(electrodeionization stages)を含んでもよい。本発明の装置において使用するのに適した代表的な工程が、1992年8月28日付け出願の、共通の形で所有されている同時係属中の米国特許出願第07/938,329号に説明されている(該特許出願を参照のこと)。各工程においては、第1の電極と第2の電極との間に、減少用区画と濃縮用区画の積み重ね体(stack)が配置される。
特に好ましい実施態様によれば、本発明の装置の各工程は複数の積み重ね区画群を含み、このとき各群は、その両端において外部膜によりある程度画定されている。少なくとも1つの群の外部膜は、隣接群の外部膜に同一の広がりをもって接触しており、また特に好ましい実施態様によれば、積み重ね体中の全ての群は、互いに同一の広がりをもって接触した状態で、隣接群の外部膜と互いに隣接して配置されている。この集成体は、図18aと18bにより記載に説明されている。
各電極は、区画積み重ね体の境界を画定しているイオン透過膜と電気的連通状態にて供給される。このような電気的連通は、いかなる公知の方法によっても(例えば、電極を収容していて、イオン透過性の膜によってある程度画定されている電極区画中の電解質を介して)果たすことができる。本発明の1つの好ましい実施態様によれば、各電極には電極スペーサーとイオン透過膜が隣接して取り付けられており、このとき電解質は電極スペーサーを通過する。必要に応じて、電極スペーサーにイオン交換樹脂を充填することもできる。電極スペーサーは、発泡シート材料やスクリーンなどを含んでもよく、また導電性であってもなくてもよい。
電極と電極にすぐ隣接している膜との間の電気抵抗の大きさと変動性は、装置の性能、および極性逆転や予備条件からの再スタートを起こさせる時間を決定する上で重要なファクターである。電気消イオン装置が、逆浸透による予備処理で作動されるかもしくは比較的低いイオン含量を有する他の供給物流れが供給される場合、および電極区画の構造が本質的に導電性でないスペーサーやスクリーンを含んでいる場合、電極区画の電気抵抗は特に重要である。
供給水が比較的低いイオン含量を有する場合(例えば、逆浸透装置の下流)では、イオン不純物は主として弱くイオン化された化合物(例えば炭酸)であることが多く、比較的低濃度の強いイオンと中程度の強さのイオン(それぞれ、ナトリウムイオンと炭酸水素イオン)が混ざっている。電極区画に供給する液体を選択することによって、また電極にすぐ隣接した膜を選択することによって、装置と流れ中の強イオンの相対濃度を維持および増大させるのが好ましい。さらに、装置の電圧を制御する必要をなくすために、電極流れの電気抵抗の変動性を最小限に抑えるのが好ましい。
極性を逆転させる装置の場合、膜は各電極に隣接して同じタイプであるのが好ましい。このような装置では、電極流れ条件は作動の各半サイクルに対して同じである。電極流れへの供給物に対する好ましい選択は供給水(feed water)である。供給水は、定常状態での濃縮用流れよりイオン強度が低いけれども、濃度がより一定である。さらに、極性の逆転時および装置の始動時において、供給物流れは濃縮用流れよりイオン強度が高いことが多い。
各工程の残りの部分は、交互に現れる一連の減少用区画と濃縮用区画(前述のように組み立てられる)を含む。イオンを減少させようとする液体を各工程における各減少用区画にパラレルに通すことができ、また減少用区画における第1の液体からイオンを除去して、濃縮用区画における第2の液体に導入するために、第2の液体を各工程において各濃縮用区画にパラレルに通すことができる。
次に、図面を参照しつつ好ましい極性逆転プロトコルについて説明しよう。理解しておかなければならないことは、本発明のプロセス工程と流体回路および他の特徴はそれぞれ、以下に説明する好ましいプロトコルとは関係なく利用することができるということである。
図1を参照すると、電気消イオン装置集成体20が概略的に示されており、イオン濃縮用区画22、およびイオン濃縮用区画22に隣接して配置されていて、選択的透過膜26によって隔離されたイオン減少用区画24を含む。イオン濃縮用区画22はさらに選択的透過膜28によって画定されており、隣接のイオン減少用区画24はさらに選択的透過膜30によって画定されている。したがって、イオン濃縮用区画22とイオン減少用区画24は、実質的にパラレルの選択的透過膜26、28、および30によって画定されており、これらの膜はアニオン透過膜とカチオン透過膜が交互に現れるようになっている。当業者にとっては明白なことであるが、膜26、28、および30のそれぞれの透過性は重要なことではない。それらは、固有のイオン透過性に関して交互であることだけを必要とする。説明をわかりやすくするため、区画22と24の外側境界を画定している膜28と30がカチオン透過膜であり、区画22と24を隔離している膜26がアニオン透過膜であるとする。
区画22と24を横切る形で電圧を加えるために、第1の電極32と第2の電極34を、それぞれカチオン透過膜28および30と電気的連通関係を有するよう設ける。すなわち電極を、一対の区画22と24の第1と第2の側に、電気的連通関係を保持した状態で設置する。前述したように、このような電気的連通は種々の形態を採ることができる。これとは別に、電極32と34をそれぞれ電極区画36と38に設けることもできる。これらの電極区画は、膜28と30によって一部が画定され、電極と膜との間に電気的連通をもたらすよう電解質を含んでいる。この集成体が図1に示されている。さらに、図示していないが、スペーサーが電極32を膜28から、また電極34を膜30から物理的に隔離しており、このときスペーサーは、電極と膜との間に電気的連通をもたらし、および/またはスペーサー中のボイドを介しての電解質の通過が可能となっている。
電極32と34は、電極32と34に電気的に連結されている電源42を含んだ電気回路40中に収容されている。電源42は、交流または直流の供給源である。交流電源を使用する場合、装置に直流を供給するために電源に整流器を接続する。図面に示されている実施態様によれば、電源42は、直流すなわち一定極性の電圧を供給する電源であり、電気回路40は、電極32に正極性を、そして電極34に負極性を加えるための、あるいは電極34に正極性を、そして電極32に負極性を加えるための手段を含む。したがって、電極32と34の極性を制御することができ、逆転させることができる。図面からわかるように、電気スイッチ44と46を入れて、第1の電極32を電源42の正極に接続すると同時に、第2の電極34を電源42の負極に接続することができる。すなわち、スイッチを入れて電極32と34に反対の極性を加えることができる。
本発明の電源42として一定電圧の供給源が示されているけれども、一定電流の供給源も使用することができる。幾つかの電気消イオン装置集成体によれば、一定電流の供給源を使用することは好ましくない。なぜなら、区画両端の電気抵抗が、ガスの発生、よごれ物質またはスケールの生成、および減少用区画中の高純度レベルなどにより増大するために、区画両端の電圧が許容できないレベルにまで増大するからである。しかしながら、本発明の装置においては、従来技術の電気消イオン集成体に比べて一定電流の供給源を使用するのがより適切である。なぜなら、本発明の極性逆転、流れ逆転、二重逆転、上向き流れ、及び他の新規の特徴が、装置内のパラメーター〔例えば、スケール生成パラメーター(scaling parameter)やよごれ物質生成パラメーター(fouling parameter)〕を、一定電流供給源の使用に対して許容しうる範囲内に保持するよう作用するからである。
図1に示すように、電気消イオン装置20の精製センター(purification center)は、1つのイオン濃縮用区画22とイオン濃縮用区画22に隣接した1つのイオン減少用区画24を含む。しかしながら、このような集成体は可能であるが、概略図だけが与えられており、好ましくない。好ましい実施態様によれば、交互に現れる複数のイオン濃縮用区画およびイオン減少用区画(区画の工程を画定している)が電極32と34との間に配置される。この集成体について、以下により詳細に説明する。
イオン濃縮用区画22は第1のポート48と第2のポート50を含み、イオン減少用区画24は第1のポート52と第2のポート54を含む。イオン濃縮用区画22のポート48と50は、区画の実質的に反対側の端部に配置されており、またイオン減少用区画24のポート52と54も同様に配置されている。以下の説明からわかることであるが、流れ逆転が使用されるかどうかに応じて、また流れ逆転プロトコルのどんな工程にて装置が作動しているのかに応じて、ポート48、50、52、および54は区画の流体入口または流体出口として作用する。
区画22と24のポート48、50、52、および54は、従来の導管と弁によって画定された複数の流体経路を有する流体回路網に連結されている。これらの弁は、ポート48、50、52、および/または54のいずれかと、供給流体入口、生成流体出口、化学種および/または生物学種の供給源、ガス/液体界面タンク、あるいはそれぞれイオン濃縮用区画22またはイオン減少用区画24の第1のポート48または52を第2のポート50または54に連結している再循環路との間の流体連通をもたらすよう、所定のセッティングにしたがって調整することができる。このような調整と連結については、種々の流体回路にしたがって図面を参照しつつ以下に説明していく。本明細書で使用している“流体回路”とは、区画22を通る所定の特定の流体流れ、および区画24を通る所定の特定の流体流れをもたらす、装置20の弁の特定の集成体を表している。
装置20の残りの機構と回路を、図2〜15を参照しつつ説明する。全ての図面において、幾つかの図面に共通の装置20の成分は共通の数字で示してある。図面における太線は、図示の極性逆転プロトコル工程の流体回路集成体にしたがって流体が流れる経路を示している。わかりやすくするため、本発明の好ましい実施態様を水の精製に関して説明することとする。しかしながら一般には、本発明の電気消イオン装置を使用すれば、こうした装置によって処理可能ないかなる流体の処理も有利に行うことができる。
図2には、供給液体〔例えば、水道水、淡海水、または予備処理した半純水(semi−pure water)〕が供給入口56において流入する第1の流体回路集成体が示されている。本明細書で使用している“流体回路”とは、イオン濃縮用区画22とイオン減少用区画24を通る所望流れの流体をもたらす1つ以上の流体経路を意味している。本発明の電気消イオン装置の各流体回路は、弁などを所定の位置にセットすることによってつくりだすことができる。すなわち、本発明の装置を第1の流体回路から第2の流体回路に切り替える場合、この操作は1つ以上の弁の位置を変えることによって行うことができ、いかなる装置成分の取り外しや再組み立ても不要である。
図2に示す第1の流体回路においては、供給物入口56は、ある特定のイオン濃度を有する流体流れ58の供給源として作用し、イオン減少用区画24、および特にその第1のポート52に連結されている。第1の流体回路はさらに、ある特定のイオン濃度を有する流体流れ62をイオン濃縮用区画22に、そして特にその第1のポートに連結している。
本明細書で使用している“イオン濃度”とは、ある特定の流体のイオン構成(ionic makeup)を表している。したがって第1のイオン濃度は、イオン強度、特定のイオン種の有無、あるいはこの両方に関して、第2のイオン濃度とは異なることがある。例えば、第1のイオン濃度を有する第1の流体流れは、第2のイオン濃度を有する第2の流体流れとイオン強度だけが異なり、このとき両方の液体流れは、類似のイオン種のみを含んでいる。あるいは、第1の流体流れと第2の流体流れは、類似もしくは同一のイオン強度であってもよく、このとき第1の流体流れは特定濃度の第1のイオン種を含有し、第2の流体流れは第1のイオン種と異なる特定濃度の第2のイオン種を含有している。
当業者にとっては明らかなことであるが、第1の電極32に正の極性を加えながら、第2の電極34に負の極性を加える場合、また選択的透過膜26がアニオン透過膜であって、選択的透過膜28と30がカチオン透過膜である場合、イオン減少用区画24にもたらされる流体流れ58は、イオン減少用区画24を特に第2のポート54にて出る減少流体流れ60を確立するためにイオン種が減少されている。さらに当業者にとっては明らかなことであるが、イオン濃縮用区画22にもたらされる流体流れ62は、減少用区画24中の流体からイオン種を受け取り、イオン濃縮用区画22を特にその第2のポート50にて出る濃縮流体流れ64が確立される。減少流体流れ60は流れ逆転弁128と130、およびアウトプット方向制御弁132を通り、生成物選択弁134に向けられる。生成物選択弁134の第1のセッティングによれば、減少流体流れ60は生成物の回収処理が施され、また弁134の第2のセッティングによれば、減少流体流れ60はドレン84に送られる。
装置20の作動時、イオン減少用区画24を出た減少流体流れ60は、一般には、イオン濃縮用区画22を出た濃縮流体流れ64より低いイオン濃度(具体的にはイオン強度)を有する。しかしながら、こうしたケースは必要なことではない。例えば、装置20を使用して、高度に濃縮された溶液(例えばフルーツジュース)からある特定のイオン種を取り除くことができる。このようなケースでは、濃縮溶液がイオン減少用区画24中の流体流れ58としてもたらされ、イオン種が除去され、幾らか減少した生成物流体流れ60(イオン濃縮用区画22から回収される流体流れ64のイオン強度よりはるかに高いイオン強度を有する)がイオン減少用区画24から回収される。したがって、本発明の電気消イオン装置は、イオン減少用区画24から出てイオン濃縮用区画22中に入るイオン種の正味の流れをもたらし、濃縮用区画22と減少用区画24中にて確立され、そこから回収される流体流れの相対的なイオン濃度は本発明にとって重要なことではない。
前述したように、本発明の好ましい実施態様によれば、装置20には、第1の電極区画36と第2の電極区画38が設けられている。これらの区画には、電極32および34と装置の濃縮用区画および減少用区画との間の電気的連通を確立するための電解質が供給される。図面からわかるように、導管66が供給物入口56を電極区画36と38に連結している。所定のレベルの電解質を電極区画に供給するよう、電解質供給源68を導管66と連通状態にて配置することができる。電極区画に入る流体流れ中の電解質濃度が制御できるよう、電解質弁70を調節することができる。普通品質〜低品質の流体を装置20の供給物入口56および導管66に供給する場合、電解質供給源68は不要であるか、あるいは電解質弁70を閉じた状態で装置を作動させることができる。このような普通品質〜低品質の流体は通常、補助的な電解質を使用しなくても、それぞれ電解質32および34と、膜28および30との間に充分な電気的連通を確立するに足るイオン強度を有する。しかしながら、かなり高品質の流体(すなわち、かなり低いイオン強度を有する流体)を供給物入口56に供給する場合、電解質を供給源68から導管66に導入するよう電解質弁70を調節するのが有利である。
電解質流体流れはそれぞれ、第1のポート72および74において電極区画36および38に入る。電解質はそれぞれ、第2のポート76および78において電極区画36および38を出て、弁80および82を流れる。電極をアノードとして分極化させたときに、いずれかの電極区画中の水素イオン濃度が最大となり、一方、電極をカソードとして分極化させたときに、他方の電極区画中の水酸化物イオン濃度が最小となるように、弁80と82は、それぞれ電極区画36および38を通る電解質の流れを制御するよう調整されている。例えば、電極32をアノードとして分極化させ、電極32において水素イオンを生成させる場合、電極32を収容している電極区画36を通る流体流れが最小になるよう、したがってこれにより水素イオン濃度が最大となるよう弁80を調節することができる。このようにして、電極32でのスケール生成が抑えられる。同様に、電極34をカソードとして分極化させる場合、電極区画38を通る電解質の流量を最大にするよう、そして電極区画38中の水酸化物イオン濃度を最小にするよう弁82を調節することができる(水酸化物イオンはスケールの生成を促進することがわかっている)。さらに、このような集成体によれば、電極区画38を通る流体の流量を最大にするよう弁82を調節することができ、このとき装置の作動時に、カチオンが希釈用区画24から除去され、電極区画34に送られる。
弁80と82は、機械的な流量制御弁であっても、パルス弁であっても、あるいは電極区画32と34を通る電解質の全体としての流量を制御するためのいかなるメカニズムであってもよい。弁80と82はさらに、電極区画36と38より下流に配置する必要がなく、むしろ上流に配置してもよい。図示の実施態様によれば、弁80と82がそれぞれ電極区画36と38から下流に配置されており、パルス弁を構成している。電極区画36と38を通る流体流れを示すために、点線によりバルス流れが描かれている。このようなパルス流れは、電解質区画内に生成するガスを除去するに足る、電解質区画を通る正味の流体流れを与えるよう調節しなければならない。
図からわかるように、電極区画36と38からの流出液はドレン84に送られる。しかしながら、このような流出液は、必要に応じて、電解質を電極区画を通して再循環させるよう導管66に、濃縮用区画22に入る流体流れ62に、液体/ガス界面タンク86(後述)に、化学種/生物学種供給源88(後述)に、あるいは装置20の他の部分に再送りすることができる。これとは別に、ドレン84に送られた流体を、本発明の装置の一部ではない再循環回路または再使用回路に向けることもできる。電極区画からの流出液は、一般には水酸化物イオンの濃度が比較的高いので、ドレン84に送って廃棄するのが好ましい。図面には複数のドレンが概略的に示されており、それぞれ番号84で表してある。理解しておかなければならないことは、単一のドレンを設け、廃棄可能な流出液を種々の装置場所からこの単一ドレンに送ることもできるということである。これとは別に、いかなる個数のドレン84を設けることもでき、その幾つかまたは全部が種々の装置場所から廃棄可能な流出液を受け取ってもよい。
本発明によれば、本発明の極性逆転プロトコルの特定の工程時に新規の再循環流路が確立され、この再循環路は、図2に示す第1の流体回路において確立される。再循環路は、イオン濃縮用区画22のポート50からそのポート48までの流体流れを再循環するよう配置されている。図2に示す極性逆転プロトコルの工程によれば、流体がイオン濃縮用区画22のポート50を通って出て、流れ逆転弁90と92、アウトプット方向制御弁94、弁94を液体/ガス界面タンク86に連結している導管96、界面タンク出口98、ポンプ100、導管102、およびイオン濃縮用区画22の入口48と導管102とを連結している導管104を通って進み、そしてポート48を介して濃縮用区画22に再び流入する。導管104はさらに、流れ逆転弁106と108を含む。ポンプ100は、再循環路を通して充分な流体流れを引き起こす限り、再循環路に沿った種々の場所に配置することができる。
液体/ガス界面タンク86は、電気消イオン装置のイオン濃縮用区画22において生成するガス(一般には二酸化炭素)の除去を可能にする。液体/ガス界面タンク86は、イオン濃縮用区画22を出る濃縮流体流れ64から充分な量のガスの除去が達成される限り、種々の形態を採ることができる。例えば、タンク86は、単に大気に対してオープンのタンクを構成していてもよい。これとは別に、タンク86は閉じた系であってもよいし、タンク86中の流体からのガスの発生速度を制御するよう設けられたガス圧制御装置110を含んでいてもよい。例えば、ガス圧制御装置110は、タンク86中の液体からのガス除去を早めるよう調整された真空ポンプであってもよい。スパージャーをタンク86の所定の位置に、あるいはタンク86と組み合わせた形で使用して、流体からのガスの除去を促進することができる。これとは別に、膜脱気装置を再循環ループ内に使用することもできる。あるいは、殺菌グレードのフィルターを使用して、液体/ガス界面タンク86にて濃縮流体流れ64からガスを除去することもできる。殺菌グレードのフイルターはさらに、本発明の流体回路における他の場所において使用することもできる。例えば、イオン濃縮用区画22および/またはイオン減少用区画24に供給された流体を濾過するよう、導管104および/または導管105中に配置することもできる。
再循環路は、所望の化学種および/または生物学種を流体流れに導入するための、供給液体や他の比較的低イオン濃度の流体を再循環路に導入するための、そしてオーバーフローを再循環路から取り出すための、少なくとも1つのインプットと少なくとも1つのアウトプットを含む。このように、導管104を介してイオン濃縮用区画22に入る流体流れ62のイオン濃度を制御することができる。図2の流体回路によれば、再循環路は導管112を含み、導管112が、濃縮用区画22と流体連通関係にある導管104と供給物入口56とを連結している。導管112を通る流体の流れは弁114によって制御することができる。流体回路はさらに排出出口116を含み、この出口を介してドレン84に進む流体の流れは排出弁118によって制御することができる。このように、再循環路はイオン減少用区画22を流れる流体の維持を可能にする。なぜなら、濃縮用区画に再び入るように流体が再循環されるからである。しかしながら、この再循環と関連させて、導管112を通る再循環流体路を希釈することによって、そして排出出口116を通る再循環流体路からオーバーフローを取り出すことによって、濃縮用区画22に入る流体流れ62のイオン濃度を制御することができる。弁114と118を開くことによるイオン濃度のこのような制御は、再循環路を流れる流体のイオン強度がかなり高い場合に有利である。しかしながら、このような流体のイオン強度は、濃縮用区画22の両端に充分なイオン伝導度を与えるようなレベルに保持するのが有利であり、濃縮用区画22中の流体のイオン強度を増大させるために、弁114と118を閉じた状態に保っておくのが有利であることが多い。
前述したように、イオン濃縮用区画22に入る流体流れの化学的および/または生物学的パラメーター、特に再循環路内の化学的または生物学的パラメーターは制御することができる。このような制御の態様が図3に示されており、化学種および/または生物学種が、化学種/生物学種供給源88から液体/ガス界面タンク86中に導入される。供給源88は種々の形態を採ることができ、例えば、ポンプまたはその類似物を含む制御された送り出し導管により液体/ガス界面タンク86に連結されたリザーバーなどが挙げられる。図からわかるように、供給源88は、ベンチュリ120(供給物導管122を介して供給物入口56からの流体が流れる)によってアドレスされるリザーバーという形態を採っている。化学種/生物学種制御弁124がベンチュリ120を通る供給物流体の流れを制御し、供給物導管122がベンチュリ120を介して繋がっていて、液体/ガス界面タンクに供給物を供給する。したがって、装置20が作動状態にあって制御弁124が開いているときは、供給物流体がベンチュリ120を介して流れ、供給源88から化学種および/または生物学種が抜き取られてタンク86に導入される。供給源88は、図に示すようにこうした種をタンク86に直接供給する必要はないが、イオン濃縮用区画22に連結された流体流れ62中にこのような種を導入するよう、いかなる場所でもこのような種を供給することができる。供給源88からの化学種および/または生物学種は、ポンプ、重力、または他の公知の方法により流体流れ62中に導入することができる。
供給源88から再循環路中への化学種および/または生物学種の導入時、再循環路中におけるこのような種の濃度を最大にするのが好ましい。したがって、この工程中、補給弁114と排出弁118を閉じ、このため再循環路は、供給源88からの種の導入を除いて閉じた回路となる。図3からわかるように、このような導入は、液体/ガス界面タンク86中の流体含量の正味の増大をもたらす。したがって、タンク86中の流体のレベルが所定のレベルに達すると、流体はオーバーフロー126を介してタンク86を出てドレン84に進む。
供給源88は、種々の化学種および/または生物学種を含んでいてもよい。例えば、供給源88は、再循環路中に存在する特定の種を分解するよう選ばれたバクテリア、または区画22のイオン濃縮作用の結果生成したバクテリアを含有してもよい。これとは別に、供給源88は、再循環路からバクテリアを除去するための抗菌剤を含有してもよい。供給源88はさらに、消毒用化学薬剤〔例えば、過酢酸や過炭酸ナトリウム(sodium percarbonate)など〕を含有してもよい。さらに、他の洗浄用薬剤(例えばアルカリ性ブライン、ブライン、酸、および苛性化学種など)を供給源88中に含有してもよい。供給源88から供給されるいかなる薬剤も、流体流れ62中に加える前に必要に応じて所望の温度に調節することができる。
さらに他の実施態様においては、供給源88は、スケール非形成種のような化学種を含有してもよい。本明細書で使用している“スケール非形成種(nonscaling species)”とは、水溶液からの析出を起こしにくいカチオンとアニオンで構成された種(一般には無機塩)を意味している。本明細書で使用している“スケール形成種(scaling species)”とは、水溶液からの析出を起こしやすいカチオンもしくはアニオンあるいはそれらの両方で構成された種(一般には無機塩)を意味している。本発明の好ましい実施態様によれば、供給源88は塩化ナトリウムの高濃度溶液を含む。図2に示す極性逆転プロトコル工程(イオン濃縮用区画22に入る流体流れ62の一部が供給物入口56によって供給される)によれば、普通品質〜低品質の供給流体が使用されると、一般にはスケール形成イオン(例えばカルシウムイオン、マグネシウムイオン、炭酸イオン、および水酸化物イオン)が供給物入口56からイオン濃縮用区画22に供給されることになり、析出が、したがってスケールの形成が容易になる。
好ましい実施態様によれば、図3に示す工程において、スケール非形成種としての濃縮塩化ナトリウムが供給源88から再循環路中に導入され、オーバーフローが126において除去される。一旦、充分な量の化学種および/または生物学種が供給源88から再循環流路に導入されたら(すなわち、一旦、再循環流路中におけるこのような種の濃度が所望のレベルに調節されたら)、供給源88からのこのような種の導入を停止し、隔離された再循環路において、再循環路内に所定の平衡を確実に形成させるに足る時間、イオン濃縮用区画22を通る流体を再循環させるのが好ましいことが多い。例えば、区画22中のイオン交換樹脂床においてスケール非形成種がスケール形成種より優位を占めるような平衡が確立されるまで、再循環を継続してもよい。
さらに、種々のイオン減少用およびイオン濃縮用区画内の、ならびにこれら区画間の電気抵抗の不均衡が最小となるような平衡が確立されるまで、再循環を継続してもよい。例えば、比較的高い電気抵抗の結果生じる種がイオン濃縮用区画から除去されるまで、再循環を継続してもよい。特に、例えばナトリウムイオンと塩化物イオン(chloride ion)が、炭酸塩、炭酸、徐々に拡散する有機物、および多価イオン等の種より優位を占めるような平衡を確立するのが好ましい。再循環路内に電気抵抗が最小となるような平衡を確立することに付随してくる利点は、一定電圧を供給する電源を使用した場合に、電流が区画を横切ってより自由に流れるということである。この結果、極性変化時のpHのシフトが最小となり、これらより極性逆転後の“時間−対−品質(time−to−quality)”はより速くなる。さらに、比較的電気抵抗の低い種〔例えば、ナトリウムや塩化物(sodium and chloride)〕をイオン減少用および/またはイオン濃縮用区画の幾つかもしくは全部に加えると、区画内のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との間に導電率のバランスが得られる。このことはさらに、極性変化時のpHシフトを最小にする。
上記の隔離された再循環集成体が図4に示されており、ここでは補給弁114、排出弁118、および化学種/生物学種制御弁124が全て閉じられている。このケースでは、イオン濃縮用区画22、そのポート50、流れ逆転弁90と92、アウトプット方向制御弁94、導管96、液体/ガス界面タンク86、界面タンク出口98、ポンプ100、導管102、導管104、流れ逆転弁106と108、およびイオン濃縮用区画22のポート48を含んだ、隔離された再循環路が確立される。図3に示す工程時に高濃度の塩化ナトリウムを再循環路に導入すると、また図4に示すように再循環路をある時間隔離すると、イオン濃縮用区画22中の混合イオン交換樹脂床を、スケール形成形態(scaling form)(すなわち、カルシウム、マグネシウム、および/または炭酸塩形態、あるいは水酸化物形態)からスケール非形成形態(nonscaling form)(すなわち、ナトリウム形態および塩化物形態)に再生することができる。
図2〜4に関してこれまで説明してきたように、第1のイオン濃度を有する第1の流体流れ62の供給源とイオン濃縮用区画22とを連結し、第2のイオン濃度を有する第2の流体流れ58の供給源とイオン減少用区画24とを連結している、本発明の第1の流体回路が示されている。本発明によれば、流体流れ62のイオン濃度は、一般には(必ずというわけではない)第2の流体流れ58のイオン濃度より高い。電極32と34に電圧を加えると、イオン減少用区画22を出て第3のイオン濃度を有する減少流体流れ60がもたらされ、またイオン濃縮用区画22を出て第4のイオン濃度を有する濃縮流体流れ64がもたらされる。電気消イオン装置のイオン減少用区画24における流体の精製により、濃縮流体流れ64の第4のイオン濃度は、一般には(必ずというわけではない)減少流体流れ60の第3のイオン濃度より高い。
次に、極性逆転プロトコルに関連して有用な置換工程(substitution step)について説明する。この置換工程は、流体流れ58とイオン減少用区画24との間の連結が保持されている第2の流体回路を通して行われ、このときイオン濃縮用区画22に供給される流体流れ62との間の連結が切り離され、流体流れ62のイオン濃度より低いイオン濃度を有する流体流れがイオン濃縮用区画22に連結される。図5を参照すると、単一の流体流れ供給源(すなわち供給物入口56)が、イオン濃縮用区画22とイオン減少用区画24の両方に連結されているという形の、本発明の第2の流体回路の好ましい実施態様が示されている。これは、ポンプ100を停止し、供給物方向制御弁136と138を、供給流体をイオン濃縮用区画22とイオン減少用区画24の両方に送るようセットすることによって達成される。アウトプット方向制御弁94と132、および生成物選択弁134の設定は変わらない。したがって、減少流体流れ60は生成物捕集のほうに向けられたままであり、濃縮流体流れ64はガス/液体界面タンク86のほうに向けられたままである。図からわかるように、タンク86への流体の正味のインプットが存在し、タンク86は、オーバーフロー126を介してドレン84に溢流する。
このように、イオン濃縮用区画22が図3と4に関して前述したようにスケール非形成形態および/または低抵抗形態に再生された後、イオン濃縮用区画22は、第2のイオン減少用区画として作用するための準備として、より低いイオン強度の供給流体でフラッシングされる。さらに、タンク86を溢流させてもよく、これにより、図3と図4に示す化学物質インプット工程時および再循環工程時における、イオン濃縮用区画22からの置き換えの結果存在するスケール形成イオンの濃度を希釈することができる。
本発明の置換工程時、電極32と34には電圧を加えなくてよい。これは、図5において電気スイッチ44と46が切り離されていることによって示される。装置20の作動中、電極32に正極性を加え、電極34に負極性を加えると、イオン減少用区画24において水のスプリッティング(splitting)が起こる。このような水スプリッティングは、樹脂表面と膜表面における電位差が0.83ボルトより大きいときに起こり、この結果、減少用区画の流体中にH+イオンとOH−イオンが生成する。イオン減少用区画において他のカチオンやアニオンに対するH+イオンやOH−イオンの比が充分であって、しかも充分な時間継続されれば、イオン減少用区画においてH+形とOH−形の混合イオン交換樹脂床が確立される。したがって、図5に示すように電極32と34に電圧を加えない場合、イオン減少用区画24は、区画24におけるイオン交換床が実質的にH+/OH−形である限り、従来のイオン交換により高品質の減少流体流れ60を生成し続ける。この電圧を加えない形の集成体は、濃縮用区画22へのイオンの移行を停止させ、したがって、区画22が第2のイオン減少用区画として作用するための準備として流体のイオン濃度を低下させ、電力を保持する。
次に、図6に示されているように、第1の電極区画36を通る電解質の流れが、制約もしくはパルス状態(restricted,or pulsed state)から自由流れ状態(free−flowing state)に変換され、第2の電極区画38を通る電解質の流れが自由流れ状態から制約もしくはパルス状態に変換される。これは、電解質流れ弁(electrolyte flow valve)80と82を調節することによって果たされ、後述するように、電極32をカソードとして確立するための、また電極34をアノードとして確立するための準備として行われる。
さて、図7を参照すると、電気回路40のスイッチ44と46は、第1の電極32に負極性を、そして第2の電極34に正極性を付与するよう配置されている。すなわち電極の極性が、上記の再循環工程により確立された極性とは逆転している。しかしながらこの集成体は、区画24中のイオン交換床が、区画24をして高品質の減少流れ生成物を生成させるに足るH+/OH−形である場合にのみ可能である。電極の極性が逆転することにより、アニオンが区画22からアニオン透過膜26を通って追い出されて区画24に入り、またカチオンがカチオン透過膜28を通って追い出されて電極区画36に入る。このように、区画22中の流体のイオン強度は最小となり、区画22が第2のイオン減少用区画として作用するための準備がなされる(これについては図8を参照して後述する)。
図示の好ましい実施態様においては、図5を参照しつつ前述した置換工程に引き続いて電極の極性逆転が行われ、このとき電極に電圧は加えない。しかしながら電極の極性逆転は、電極に電圧を加えることなく置換工程中に行うことができる。図5を参照した場合、こうした極性逆転は、電源42の正極を電極34に、そして電源42の負極を電極32に連結するようスイツチ44と46を調節することによって示される。したがって、本発明の極性逆転プロトコルのいかなる工程中も、電極に電圧を加える必要はない。このような実施態様によれば、電気回路40には1つだけのスイッチが必要である。
上記の置換工程の後に、イオン濃縮用区画22を第2のイオン減少用区画に、そしてイオン減少用区画24を第2のイオン濃縮用区画に変換させる。図8を参照すると、この変換は、置換工程中または置換工程後にまだ行われていない場合は、第1の電極32に負極性が加えられ、そして第2の電極34に正極性が加えられるよう電極32と34の極性を逆転させることによって、第1のイオン濃度を有していて第2のイオン濃縮用区画24を通る第1の流体流れ62をもたらすことによって、そして第2のイオン濃度を有していて第2のイオン減少用区画22を通る第2の流体流れ58をもならすことによって確立される。このように、第2のイオン減少用区画22を出る減少流体流れ140がもたらされ、濃縮流体流れが再循環される。具体的に言えば、第2のイオン濃縮用区画24を出る濃縮流体流れ142がもならされるよう、アウトプット方向制御弁132を切り替える。図3に関して前述した工程の場合のように、濃縮流体流れが再循環される。具体的に言えば、濃縮流体流れ142を、第2のイオン濃縮用区画24に入る第1の流体流れ62としてもたらすべく、導管96、タンク86、ポンプ100、導管102、および導管105を通して濃縮流体流れ142を再循環させるよう、アウトプット方向制御弁132を切り替える。
この変換工程は、流れ逆転弁144と146を通る第1の流体流れ62を第2のイオン濃縮用区画24に向けるよう供給物方向制御弁136がセットされ、そして流れ逆転弁106と108を通る第2の流体流れ(供給物流体流れ)58を第2にイオン減少用区画22に向けるよう供給物方向制御弁138がセットされるという第4の流体回路を画定するように装置20を調整することによって果たすことができる。減少流体流れ140は、第2のイオン減少用区画22を出て、流れ逆転弁90と92を通って進み、アウトプット方向制御弁94によって生成物選択弁134に送られ、そこで図示のように生成物捕集設備に送ることができる。
図8に示すように、変換工程は、図3において示した工程と類似の態様にて、化学種および/または生物学種をベンチュリ120を介して供給源88から引き上げて液体/ガス界面タンク86中に供給するよう、導管122と化学種/生物学種制御弁124を介して供給流体を送ることを含む。タンク86からの溢流は、オーバーフロー126からドレン84に除去することができる。
イオン減少用区画またはイオン濃縮用区画の両端の抵抗を最小にするということが、本発明の極性逆転プロトコルの多くの工程における利点である。例えば、図3と4に関して前述したように、抵抗がより低いことが好ましいイオン濃縮用区画22内に平衡を確立させるのが好ましい。濃縮用区画22内がより低い抵抗状態であることの利点は、図8に関して前述した変換工程が施された後、イオン交換樹脂上に不動化されていない区画22中のより導電性の高い塩が、イオン透過膜26および区画を充填している樹脂を横切って第2のイオン濃縮用区画24により容易に移送される、ということである。これにより、極性逆転後により良好な“時間−対−品質”が得られる。もう一つの利点は、より導電性の高い塩が区画22内にてイオン交換樹脂上に不動化され、したがって区画22の両端の電気抵抗が最小になる、ということである。
図9を参照すると、供給源88からタンク86への化学種/生物学種の導入を停止させるために化学種/生物学種制御弁124が閉じられ、図4に示した工程と類似の態様にて、第2のイオン濃縮用区画24を通る隔離された再循環流路が確立されている。次いで図10を参照すると、補給導管112を介して供給物入口56を流体流れ62に連結して再循環流れに連続的な希釈をもたらすよう、補給弁114と排出弁118を開放することができる。排出出口116により、再循環流れから過剰の流体が除去される。
図2〜9において、本発明の新規な極性逆転プロトコルの完全な半サイクル(complete one−half cycle)を説明してきた。本発明の極性逆転プロトコルの第1の半サイクルにおいては、図2に示す第1の流体回路が、第1の長時間作動モード(long−term operational mode)として機能する。このモードによれば、イオン濃縮用区画22を通る再循環が確立され、このとき導管112からの希釈および排出弁26からの排出が伴う。“長時間作動モード”とは、長時間(すなわち時間数または日数)にわたって装置20から減少生成物を連続的に回収するのに最も適しているモードを意味している。図3〜9に示す工程時において、高品質の減少生成物が連続的に回収されているが、これらの工程は、新規の極性逆転プロトコルにおいて一般には短時間の中間的工程である。
図面からわかるように、図10に示す第4の流体回路も長時間作動モードを明確に示している。なぜなら、区画22と24がイオン濃縮機能とイオン減少機能に関して逆転している点だけを除けば、第4の流体回路は図2に示す第1の流体回路と作動上は同一だからである。
次いで、第2の半サイクルを、上記第1の半サイクルと類似の態様、あるいは同一の態様にて行うことができる。但しこの場合、区画22がイオン減少用区画となり、区画24がイオン濃縮用区画となる。
本発明の極性逆転プロトコルの第2の半分は図3〜9に関して前述した工程に類似しており、以下に簡単に説明する。第2の長時間作動モードを明示している図10の工程に次いで、補給弁114と排出弁118を閉じ、化学種および/または生物学種を供給源88からタンク86に導入するよう化学種/生物学種制御弁124を開く。この集成体は図8に示されている。次いで、図9に示すように、隔離された再循環流路をもたらすよう弁124を閉じる。このモードは、補給弁114と排出弁118が閉じられ、第2のイオン減少用区画22から第2のイオン濃縮用区画24へのイオンの移行により、隔離された再循環流路の全体としてのイオン強度が増大する、という点において図10に示す長時間作動モードとは異なる。次いで置換工程(図5に関して前述したものと類似)を行うことができ、これは図11に示されており、このとき電極32と34には電圧が加えられていない。図12を参照すると、電極区画38を通る連続流れ、および電極区画36を通るパルス流れ又は制限流れ(restricted flow)をが得られるよう、区画36と38を通る電解質流れを再調整する。引き続き、図13に示すように、電極32に正極性を、そして電極34に負極性を加えることができる。図3を参照すると、区画22が第2のイオン減少用区画からイオン濃縮用区画に変換され、そして区画24が第2のイオン濃縮用区画からイオン減少用区画に変換されるという第2の変換工程が行われ、このとき種を供給源88から引き上げてタンク86に供給するよう弁124が開放されている。イオン濃縮用区画22を通る再循環流路を隔離するために、図4に示すように弁124を閉じることができ、次いで弁114と118を開いて再循環路に希釈と排出を可能にし、プロトコルの第2の半分が完了し、図2に示す第1の長時間作動モードになり、これによって極性逆転プロトコルの第2の半分が完了する。
これまで極性逆転プロトコルについて説明してきた。前述したように、本発明によればさらに流れ逆転プロトコルも提供される。本発明の流れ逆転プロトコルによれば、イオン濃縮用区画22においてのみ流れを逆転させることができるか、あるいはイオン濃縮用区画22とイオン減少用区画24において同時に流れを逆転させることができる。図14には、このような同時逆転が示されている。イオン濃縮用区画においては、図2に示す第1の方向とは逆の第2の方向にてイオン濃縮用区画22を流れる第1の流体流れ62をもたらすよう逆転弁106、108、90、および92を切り替えることによって逆転が果たされる。イオン減少用区画24においては、図2に示す第1の方向とは逆の第2の方向にて濃縮用区画24を流れる第2の流体流れ58をもたらすよう逆転弁144、146、128、および130を切り替えることによって逆転が果たされる。図15を参照すると、流れ逆転回路が極性逆転プロトコルの工程と関連させて示されており、区画22が第2のイオン減少用区画を画定し、区画24が第2のイオン濃縮用区画を画定している。
図14と15に示されている本発明の流れ逆転プロトコルの工程は、それぞれ図2と10に示されている本発明の極性逆転プロトコルの工程に類似している。すなわち、図14と15は、長時間作動モードでの流れ逆転プロトコルにおける工程を示している。これは、単にわかりやすくするためである。本発明の流れ逆転工程は、極性逆転プロトコルのいかなる段階においても行うことができるし、あるいは極性逆転プロトコルと関連させて、もしくは極性逆転プロトコルとは無関係に行うこともできる。
本発明による極性逆転プロトコルは、種々の持続時間の逆転工程を含んでもよく、このとき前記工程は、本発明の流れ逆転プロトコルにしたがった、あるいは本発明の流れ逆転プロトコルとは別の種々のシーケンスにて行うことができる。例えば、複数の極性逆転工程は流れ逆転工程がなくても行うことができ、あるいは複数の流れ逆転工程は極性逆転工程がなくても行うことができ、極性逆転および/または流れ逆転の個々の工程の持続時間は変えてもよい。流れ逆転を極性逆転と関連させて行う場合、極性逆転工程に対する流れ逆転工程の頻度、および流れ逆転プロトコルまたは極性逆転プロトコルの個々の工程の持続時間は、種々のファクターに応じて調節することができる。例えば、装置に送られる供給流体の品質、装置区画を充填している樹脂に対する装置膜のスケール形成しやすさの程度、種々の区画を通しての圧力降下、種々の区画を通る流体の流量、および電源から供給される電圧または電流のレベル等を考慮して調節する。
一般には、流れ逆転プロトコルを極性逆転プロトコルと関連させて行うと、画定している膜の化学的性質が保持されるという利点が得られ、電気消イオン装置の区画は、区画全体にわたってより均一な状態となる。通常の電気消イオン装置の作動時、イオン減少用区画から出てイオン濃縮用区画に入るイオン種の正味の流れが生じる。単一プロトコルの工程時においては区画を通る流体流れは1つの方向だけに起こるので、全区画の化学的組成(chemical make−up)は、単一工程中、各区画の入口と出口との間で必然的に変化する。すなわち、各区画を画定している膜、および各区画内の樹脂充填物の化学的組成は、単一工程時においては、各区画の入口付近と出口付近とで幾分異なる。
例えば、電気消イオン装置におけるスケール形成は、イオン濃縮用区画の出口付近よりむしろイオン濃縮用区画の入口付近により大きな程度で起こり、またイオン減少用区画内においては、主として区画の出口付近に起こる。
別の例として、水スプリッティング(water splitting)は、イオン減少用区画の出口付近にてより大きな程度で起こる。したがって、イオン減少用区画中の樹脂充填物は、これら区画の出口付近においてより大きな程度で水素/水酸化物形(hydrogen and hydroxide form)に再生される。樹脂を水素/水酸化物形に再生すると、樹脂上のあらゆるスケール又はよごれ物質の結合がゆるくなり、イオン減少用区画全体にわたってこうした再生を容易にするのに有利である。流れ逆転を施すことによって、長時間にわたりイオン減少用区画全体に対して水スプリッティングをより均一に起こさせることができる。
同様に、流れ逆転を施すことによって、ある特定の区画の入口または出口付近にて主として起こる他の化学反応を、長時間にわたって区画全体により均一に起こさせることが有利である。言うまでもないが、本発明の電気消イオン装置の区画はすべて、本発明の極性逆転プロトコルにしたがってイオン減少用区画およびイオン濃縮用区画として作用する。したがって、流れ逆転を極性逆転と関連させて使用する場合、流れ逆転によって減少用または濃縮用区画において実現されるいかなる利点も、全ての区画において長時間にわたって実現される。
本発明の電気消イオン装置の弁の制御は、種々の方法にて行うことができる。例えば調節は、手動、自動、あるいは手動と自動の両方でなされる手順の組み合わせにより行うことができる。好ましい実施態様によれば、本発明の電気消イオン装置の弁を所望の位置に調節するのに、マイクロプロセッサをベースとした制御器またはコンピュータが使用される。これは、電極区画36と38を通る電解質のパルス流れを制御する際に特に有利である。
前述したように、極性逆転サイクルもしくは工程、あるいは流れ逆転サイクルもしくは工程の持続時間の長さは、等しくても等しくなくてもよい。例えば、極性逆転の半サイクルまたは全サイクルはマイクロプロセッサにプログラム化することができ、手動のスイッチによって、他の制御器または電気消イオン装置の外部の装置(例えば、タイマー、生成物水のタンクレベルモニター、生成物水の品質モニター、予備処理用逆洗装置、中央コンピュータ、電流検知装置、イオンモニター、またはバクテリア検知モニターなど)によって、あるいは装置内の内部タイマーによって開始することができる。このようなケースでは、マイクロプロセッサにより、半サイクルまたは全サイクル内の工程順序と工程持続時間が制御される。さらに、極性逆転サイクル、流れ逆転サイクル、またはこの組み合わせの所望の順序と頻度はマイクロプロセッサによって制御することができ、完全に自動であってもよい。
したがって、極性逆転の半サイクルまたは全サイクルの種々の組み合わせ(必要に応じて、流れ逆転サイクルと組み合わせる)を、種々の流体精製ニーズを満たすよう適合させることができ、またサイクル及びサイクルの工程の順序と頻度の制御は、完全に手動であっても、完全に自動であっても、あるいは手動と自動の組み合わせであってもよい。極性逆転半サイクルの特定工程の順序と持続時間はマイクロプロセッサにより制御され、また外部制御装置(装置、供給物、または生成物流体の条件に応じて手動または自動)により、半サイクルのスイッチングと流れ逆転の導入の頻度が制御される。
前述したように、本発明の好ましい実施態様によれば、電気消イオン装置のイオン濃縮用区画は、流体がイオン濃縮用区画を上向き方向に流れ、これによってイオン濃縮用区画において生成したガスが該区画からより効率的に取り除かれるよう配置されている。図14と15に関して前述した流れ逆転プロトコルによれば、流れ逆転工程の結果、交互の流れ逆転工程中に、濃縮用区画を通る流体流れが下向き方向に生じる。したがって、下向き流れを生成するこのような工程は、短時間だけ行うのが有利であり、また該区画を通る流れの方向をその初期の方向に戻すのが有利である。このように、濃縮用区画を通る流れが上向き方向に起こる時間を最大にする。これとは別に、電気消イオン装置は、順流時に第1の方向に、そして逆流時に第2の方向に区画を配置できるように、したがってどちらの場合も、濃縮用区画を通って一般的な上向き方向の流れが生成するように設計することができる。
これまで、概略図を参照しながら本発明の電気消イオンについて説明してきた。装置の精製センターに対する好ましい配置構成が、濃縮用区画22、減少用区画24、および電極区画36と38によって、図1〜15に概略的に示されている。このような好ましい配置構成は、図16においてより詳細に示されている。
図16を参照すると、精製センター150は、一対の対向エンドプレート154によって結びつけられた複数の積み重ね区画を含む。各エンドプレートに隣接しているのはエンドブロック156であり、一対の対向電極に対するマウンティングとして作用する。各電極は、隣接したエンドブロックとエンドプレートを介して延びているタブ160を有している。図16において、下部電極158と上部電極のタブ160は外から見えるようになっている。各電極には電極スペーサー162が隣接しており、これは、電極スペーサーを通る流体の流路を画定している複数のリブ164を有している。乱流をもたらすために、リブに隣接して不活性スクリーン(図示せず)を配置することができる。
イオン減少用区画とイオン濃縮用区画が交互に現れるスタック166が、対向電極スペーサー162の間に配置されている。スタック166は、交互に現れる一連のアニオン交換膜168とカチオン交換膜170を含み、スペーサー172に固定され、またスペーサー172によって隔離されている。交互の膜168と170およびスペーサー172は、個々のイオン減少用区画176とイオン濃縮用区画178を画定している。各スペーサー172は、イオン減少用区画またはイオン濃縮用区画を通る流路を画定するための複数のリブ174を含む。区画176と178には、イオン交換樹脂(好ましくは、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を含んだ混合物)が充填されている。エンドプレート154およびエンドブロック156における孔179は、精製センター150の複数の積み重ね区画を一緒に保持して押しつけるタイバー(tie bar)(図示せず)を収容するように設計されている。
スペーサー172は、各区画がその同類の区画と流体連通状態になるように多岐化されている。したがって、イオン減少用区画176は、それぞれ互いに流体連通状態にあり、イオン濃縮用区画178は、それぞれ互いに流体連通状態にある。多岐化(manifolding)は、各スペーサーに、チャンバー入口180とチャンバー出口182、ならびに一対の移送流路184(これらは、スペーサーによってある程度画定されたチャンバーに流入することなく、流体が隣接区画からスペーサーを通過するのを可能にする)を設けることによって達成することができる。チャンバー入口180とチャンバー出口182は、隣接の同一スペーサーが逆になった場合に、スタック166を通る一対の交互に重なった(しかし隔離された)流路が形成されるよう、各スペーサーの対角線的に対向しているコーナーに配置することができる。したがって、互いに流体連通状態にある複数のイオン減少用区画、および互いに流体連通状態にある複数のイオン濃縮用区画(しかしながら、イオン減少用区画とイオン濃縮用区画との間は流体連通状態にない)を有するスタックを供給する単一のスペーサー設計物を使用することができる。言うまでもないことであるが、イオン減少用区画とイオン濃縮用区画は、イオン交換膜を横切って移行するイオンを介して幾らかの相互連通を達成していると言うことができる。
各エンドプレート154には、装置を通しての流体流れを可能にするための複数のポートが設けられている。このようにエンドプレートは、濃縮物入口ポート186、希釈用流れ入口ポート188、濃縮物出口ポート190、希釈生成物出口ポート192、電極入口ポート194、および電極出口ポート196を含む。さらに、電極158のタブ160が装置の端部から突き出るのを可能にするなめの電極接触ポート198も設けられている。
図17を参照すると、図16に示す精製センターの種々の区画における液体の流路が説明されている。示してあるのは二工程装置であるが、単一工程装置または多工程装置も同様に使用することができる。精製しようとする液体が入口188に入り、減少用区画176を通り、次いで第2の減少用区画176を通り、そして出口192から回収される。理解しておかなければならないことは、減少用区画を通る液体流れが、各工程において1つの方向でよいということである。さらに、各工程において2つ以上の減少用区画に液体を流すこともできる。さらに、減少用区画からの液体流出物を複数の流れに分けて、第2の組の減少用区画に通すこともできる。濃縮用液体を入口186を介して濃縮用区画178に、次いで出口190を介してドレンに通す。液体電解質を入口194から電極区画210と212に循環させ、出口196を介してドレンに廃棄する。
図16に示す装置においては、イオン減少用区画とイオン濃縮用区画のそれぞれが、隣接区画をもった共通の膜壁を共有している。イオン減少用区画とイオン濃縮用区画のそれぞれにはイオン交換樹脂が充填されているので、例えばメンテナンスが必要とされる場合に区画を隔離することは困難である。こうした問題に対処する1つのアプローチは、イオン減少用区画とイオン濃縮用区画のスタック内に一定の間隔で不活性のスクリーンスペーサーを設けるという方法である。しかしながら、スクリーンを横切って流体連通と電気連通を保持しなければならないので、こうしたアプローチはさらなる複雑化を招く。その結果、複雑なさらなる多岐化が必要となる。
不活性のスクリーンスペーサーを使用することは、イオン減少用区画とイオン濃縮用区画のそれぞれを、隣接モジュールと同一の広がりをもって接触している関係にて保持された別個の独立したモジュールとして供給することによって避けることができる。図18aに示されているように、各モジュール250と250’は、一方の側に据え付けられたアニオン交換膜254と254’と、その反対側に据え付けられた対向するカチオン交換膜256と256’とを有するスペーサー252と252’を含む。イオン交換媒体260と260’(好ましくはアニオン樹脂とカチオン樹脂との混合物)が充填されている区画258と258’を膜とスペーサーが画定している。
単独で据え付けられていると、各モジュールの膜は、樹脂が膨潤するためにふくらむ傾向がある。図18bに示すように、個々のモジュールが加圧下にて一緒に保持されているときは、膨潤は膜間のスペーシングに影響を及ぼすけれども、樹脂が圧縮され、膜は強制的に所望の膜間スペーシングとパラレル関係になる。図18bからわかるように、モジュール250と250’は、隣接モジュールによって与えられる圧力で強制的に一体状態を保持され、最終的には、エンドプレートが精製センターのスタックの両端に配置される。各区画258と258’に収容されている樹脂260と260’が圧力により圧縮され、この圧力がさらに、膜を所望の膜間スペーシングに適合しなパラレル配置構成にする。従来の電気消イオン装置とは異なり、図18bの配置構成においては、第1のモジュール250のカチオン交換膜256が、隣接モジュール250’のカチオン交換膜256’と同一の広がりをもった接触の形に押しつけられている。図示していないが、モジュール250’に隣接してさらなるモジュールを組み込む場合、モジュール250’のアニオン交換膜254’が、隣接モジュールのアニオン交換膜と同一の広がりをもった接触状態となる。したがって、各区画が単一のイオン交換膜によって隔離されている配置構成とは異なり、図18bの配置構成においては、各区画は同一の広がりをもって接触している一対の膜によって隣接区画から隔離されている。幾つかの従来技術の装置(例えば、パーシによる米国特許第4,871,431号を参照)の二極膜配置構成とは異なり、図18bの装置は、あらゆる実用的な目的に適合するよう、二重厚さの単一のアニオンもしくはカチオン交換膜を使用している。このような配置構成は、単一のイオン交換膜によって隔離された区画を有する装置と同等の性能をもたらす。しかしながら、図18aと18bの装置はモジュラー設計物を提供しているので、スタックの内部間に内部スクリーンを組み込む必要はなくなり、もし必要であれば、単一のイオン交換区画でも置き換えるみとができるようになる。最後に、モジュールスタック内に収容されている樹脂は、同一の広がりをもって接触している対になった膜の両側にて加圧状態で保持されるので、樹脂は、膜の動きを防ぐよう、また各イオン交換区画前後に所望の膜間スペーシングを保持するよう作用する。
下記の実施例は、本発明の利点を例証するためのものである。しかしながら、本発明の全ての範囲を示すものではない。例えば、特定の極性逆転プロトコルが例示されているけれども、場合によっては、前述のようにおよび/または実施例中に説明されているようにプロトコル工程の順序を配列し直すのが有利である。さらに、プロトコルの幾つかの工程を取り除くこともできるし、あるいは幾つかの工程のセッティングを、これら工程のうちの他の工程に使用することもできる。例えば、前述のように、電極32と34の極性逆転のタイミングをプロトコル中で調節することもできるし、および/または電源切断工程を取り除くこともできる。別の例として、タンク88からの化学種および/または生物学種の導入は、プロトコルのどの工程で行ってもよいし、あるいはプロトコルから取り除いてもよい。同様に、補給と排出をどの工程で行ってもよいし、あるいは完全に取り除いてもよい。図14と15に示す流れ逆転工程は、極性逆転プロトコル中のいかなるポイントで行ってもよいし、あるいはプロトコル中に必要ではない場合もある。特に、低品質の流体を供給流体として使用するときは、流れ逆転が頻繁に必要となる(例えば、極性逆転プロトコルの頻度と同じかそれより多い)。なぜなら、低品質の流体は通常、装置の濃縮用区画のイオン交換樹脂やイオン透過膜を急速に汚す粒状物質を含有しているからである。これとは別に、特に高品質の供給流体を使用する場合は、流れ逆転は完全に不必要となる。上記の変形や他の変形およびこれらに対する等価物は、本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。
実施例1:代表的な極性逆転プロトコル
2つの同一の4セル対単一工程電気消イオン装置(two identical 4 cell pair single stage electrodeionization apparatus)を、図16に示したタイプの配置構成にて組み立てた。各装置は以下のような成分で構成されている:0.5インチ厚さのアルミニウムエンドプレート2つ;0.5インチ厚さのポリプロピレン電極ブロック2つ;酸化イリジウムで被覆したチタン電極2つ〔このとき各電極は、熱可塑性エラストマーのフレームによって周縁をガスケット処理しな厚さ0.025インチのポリエステル織布電極区画スクリーンによって、それらの最も近い(カチオン透過性の)イオン交換膜から隔離されている〕;不均質ポリエチレンベースの9つのカチオン交換膜とアニオン交換膜が、カチオン膜で始まってカチオン膜で終わるシーケンスにて交互に現れる形のスタック;ポリプロピレン膜間スペーサーに接着剤で接着した各膜(約0.1インチの膜間スペーシングおよび13インチの流路長さ、各スペーサーは、それぞれの幅が約1.2インチの3つのサブ区画で構成)、ローム&ハース社製のアンバージェット(Amberjet)(アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の容量比が60:40の混合物)を充填した各サブ区画。
これら2つの装置に、UV殺菌、粒状活性炭、次いで呼称0.5マイクロメートル濾過によって予備処理しな井戸水をパラレルに供給した。イオン減少用流れとイオン濃縮用流れのそれぞれを、流れの再循環を起こさせずに、下向き流れ方向にパラレルに供給し、各流れを約0.9lpmの流量で操作した。各装置の電極間に、約19.5ボルトの直流電圧を加えた。各装置への供給水は、102ppmのカルシウム、57ppmのマグネシウム、117ppmの重炭酸イオン、および9ppmのシリカを含めてトータル約235ppmの溶解固体(dissolved solid)(CaCO3として)を含有し、pHは約8.05であった。生成物出口と濃縮物出口を互いに置き換え、各装置に対して30分間隔で極性を逆転させた。容易に認識可能なpHシフトを装置内につくりだすために、4日間にわたって、各装置に対し作動電圧を41ボルトに徐々に増大させた。4日目から始めて24時間ごとに、上向き流れ方向と下向き流れ方向との間で一日基準で交互に変化するよう、第1の装置に対する全ての流れの流れ方向を逆転させた。第2の装置に対しては流れの逆転はなく、両方の装置が30分間隔で同一の極性逆転シーケンスを継続した。
4日目において、両方の装置のイオン減少用流れの精製レベル(コンダクタンスによりモニター)は約80%であった。作動の5日目から、両方の装置のイオン減少用流れのpHが増大しやすくなって最大約9.5になり、次いで極性を逆転すると、流れ(今度はイオン濃縮用流れ)のpHは減少しやすくなって最小約6.6となった。ランゲリアー飽和指数(Langelier saturation index)の算出により、濃縮物流れがスケールを形成しにくい傾向を有すること、また極端に高いpHでは、減少用流れがスケールを形成しやすい傾向を有することがわかった。作動5日目に、2つの装置の精製性能が異なり始めた。第1の装置は、12日間を通して約80%の精製レベルを保持し、第2の装置は、約60%の精製レベルに徐々に低下した。この時間中、第1の装置は約25オームの電気抵抗を保持し、第2の装置は、電気抵抗が約31オームに徐々に増大した。12日後、試験が終了し、装置を分解した。膜表面や電極表面には、スケールは殆どもしくは全く認められなかった。両方の装置において、樹脂ビーズ充填物の隙間中にスケールが検出された。第1の装置の充填物隙間中のスケールはかなり少なかった。
実施例2:第2の代表的な極性逆転プロトコル
実施例1に記載の2つの同一の4セル対単一工程電気消イオン装置に、逆浸透によって予備処理した水をパラレルに供給した。第1の装置には上向き流れ方向で供給し、第2の装置には下向き流れ方向で供給した。各流れを約1.1lpmの流量にて作動させた。各濃縮用流れを再循環し、補給水を約0.1lpmの流量で供給した。イオン減少用流れと補給濃縮物の供給導電率(feed conductivity)は約13マイクロジーメンス−cm−1であり、イオン塩混合物(約4ppmの溶解二酸化炭素と約250ppbの溶解シリカの混合物)を含有していた。各装置の電極間に約20ボルトの直流電圧を加えた。(1)電源を切り離す工程(時間=0秒にて);(2)減少用流れと濃縮用流れを互いに置き換える工程(時間=10秒にて);(3)極性を逆転させる工程(時間=15秒にて);および(4)電源を入れる工程(時間=20秒にて);を施すことによって、24時間ごとに極性を逆転させた。サイクル全体を通して生成物水を継続的に得た。
極性逆転プロトコルの開始直前において、両方の装置に対する生成物水の電気抵抗率は約17メグオーム−cmであり、シリカの濃度は約7ppbであった。両方の装置に対する生成物水の抵抗率は、時間=1分において最小約6メグオーム−cmまで低下した。第1と第2の装置に対して、最大のシリカ濃度はそれぞれ約164ppbと260ppbであり、この場合も時間=1分において最大となった。第1の装置と第2の装置は、それぞれ時間=25分と時間=45分において約15メグオーム−cmの生成物水抵抗率を達成した。
実施例3:第3の代表的な極性逆転プロトコル
セル区画にダウ・マラソン(Dow Marathon)イオン交換樹脂充填物を充填したこと以外は、実施例1に記載の方法と同一の方法で電気消イオン装置を組み立てた。
この電気消イオン装置に、逆浸透装置から透過水(permeate water)を供給した。各イオン減少用流れと各イオン濃縮用流れを下向き流れ方向にパラレルに供給し、各希釈用流れと濃縮用流れをセル一対当たり約0.2lpmの流量にて作動させた。装置の電極間に約20ボルトの直流電圧を加えた。装置への供給水は、2.5ppmの二酸化炭素および1.5ppmの混合イオンを含めて、トータル約4ppmの溶解固体(CaCO3として)を含有していた。
(i) 第1の極性逆転プロトコルにおいては、従来技術を示す対照標準試験として、イオン減少用流れとイオン濃縮用流れを濃縮物の再循環を行わずに作動させ、これらの流れを、電気極性を逆転させたのとほぼ同時に交換した。
(ii) 第2の極性逆転プロトコルにおいては、イオン濃縮用流れを再循環し、装置の濃縮物入口にてROパーミエート(RO permeate)の供給物と合流させた。装置からの全体としての生成物水回収率が、装置に供給される全ROパーミエートの約90%となるような割合で、再循環流れから合流濃縮物を取り出した。電気極性を逆転させたのと同時にこれらの流れを交換した。
(iii) 第3の極性逆転プロトコルにおいては、実施例(3,ii)と同様の態様で流れを供給・再循環した。この逆転プロトコルは以下のような工程で構成された:(a)DC電源を切る;および(b)流れを交換し、電気極性を逆転させ、そして流れの生成物抵抗率がほぼ等しくなる時点でDC電源を加える。
(iv) 第4の極性逆転プロトコルにおいては、実施例(3,ii)と同様の態様で流れを供給・再循環した。この逆転プロトコルは以下のような工程で構成された:(a)供給物流れと生成物流れを、実施例(3,i)と同様の態様で作動するように変性させた;(b)モード(iv,a)で約2分作動させた後、流れを交換し、電気極性を逆転させた;および(c)流れの生成物抵抗率が等しくなる時点で、流れを実施例(3,ii)と同様の態様に戻した。
(v) 第5の極性逆転プロトコルにおいては、実施例(3,ii)と同様の態様にて流れを供給・再循環した。この逆転プロトコルは以下のような工程で構成した:(a)供給物流れと生成物流れを、実施例(3,i)と同様の態様で作動するように変性した;(b)モード(v,a)で約2分間作動させた後、DC電源のスイッチを切った;(c)流れを交換し、DC電源を逆転し、流れの生成物抵抗率がほぼ等しくなる時点で再びDC電圧を加えた;そして(d)モード(v,c)で約10分間作動させた後、流れを実施例(3,ii)と同様の態様に戻した。
(vi) 第6の極性逆転プロトコルにおいては、実施例(3,ii)と同様の態様にて流れを供給・再循環した。この逆転プロトコルは以下のような工程で構成された:(a)再循環用濃縮物流れへのROパーミエート供給物を遮断した;(b)塩化ナトリウムの濃縮水溶液を、濃縮用区画内に2%塩溶液をつくりだすに足る量にて再循環用濃縮物流れに供給した;(c)モード(vi,b)で約5分間作動させた後、供給物流れと生成物流れを、実施例(3,i)と同様の態様で作動するように変性した;(d)モード(vi,c)で約2分間作動させた後、流れを交換し、DC極性を逆転させた;および(e)流れの生成物抵抗率がほぼ等しくなる時点で、流れを実施例(3,ii)と同様の態様に戻した。
それぞれの極性逆転プロトコル試験に対し、水の電気抵抗率をモニターし、最も良好な水品質を与える流れから生成物水を連続的に捕集した。逆転サイクルを開始する前、逆転サイクルの全時間中、および逆転サイクルに引き続いて再び定常状態が達成されるまで、定常状態作動にて生成物水を捕集した。下記の表Iには、装置の連続的作動時において、生成物水の品質が、いかなる時間においても与えられた抵抗率値より低いときの時間の長さが記載されている。
表IIには、生成物水の最も低い抵抗率が得られた時間(すなわち、2つの流れが等しい水抵抗率になった時間)が記載されている。
2つの装置を組み立てた。第1の装置は、それぞれ2つのセル対を有する2つのセル群を含むこと、および樹脂充填剤がダウ・マラソンイオン交換樹脂であること以外は、実施例1の場合と同様の成分で構成した。各セル群は、カチオン膜で始まってカチオン膜で終わるという形で、5つの交互に配置されたカチオン膜とアニオン膜で構成した。第2の装置は、カチオン膜で始まってカチオン膜で終わるという形で、11個の交互に配置されたカチオン膜とアニオン膜とで構成された1つのセル群中に5つのセル対を含むこと以外は、第1の装置の場合と同様であった。
4ppmのカルシウム、6ppmの溶解二酸化炭素、および296ppbのシリカを含有する逆浸透によって予備処理した水を、セル1つ当たり0.2lpmの流量にて各装置にイオン減少用流れとして供給した。濃縮用流れは、補給水を供給せずにセル1つ当たり0.2lpmの流量にて再循環した。各装置に対し、セル対1つ当たり3ボルトのDC電圧を加えた。
24時間の作動後、第1の装置は11メグオーム−cmの抵抗率を有する生成物水を生成し、装置のアンペア数は0.58アンペアであり、濃縮物流れは140ppmのカルシウムを含有していた。第2の装置は7メグオーム−cmの抵抗率を有する生成物水を生成し、装置のアンペア数は0.78アンペアであり、濃縮物流れは120ppmのカルシウムを含有していた。72時間の作動後、両方の装置を分解した。両方の装置の濃縮用セル内にスケールが認められた。第1の装置では、セル対群の間の界面にスケールは認められなかった。
実施例5:セル対群の有無による電気消イオン装置の第2の比較
再循環濃縮用流れを濃縮用セル1つ当たり約0.02lpmの流量にて補給水として供給したこと以外は、実施例4の場合と同様に2つの装置を組み立てて水を供給した。第1と第2の装置を15ボルトで作動させ、アンペア数はそれぞれ約0.60アンペアおよび0.58アンペアであった。8日間の作動後、生成物水の電気抵抗率は、第1の装置では約16.6メグオーム−cmであり、第2の装置では約15メグオーム−cmであった。作動9日目に、減少用流れと濃縮用流れを互いに置き換え、次いで各装置の極性を逆転させた。作動11日目に、生成物水の電気抵抗率は、第1の装置では約17メグオーム−cmであり、第2の装置では約15メグオーム−cmであった。試験終了後に第1の装置を分解したが、スケールの形成は認められず、またセル対群間の界面には膜損傷の徴候は全く認められなかった。
等価物(Equivalents)
当業者にとっては言うまでもないことであるが、ここで挙げた全てのパラメーターは代表的なものであって、実際のパラメーターは、本発明の電気消イオン装置が使用される特定の用途に応じて異なる。したがって、理解しておかなければならないことは、上記の実施態様や実施例は単に例として与えられているだけであって、請求の範囲およびそれに対する等価物の範囲内において、本明細書に明記したものとは別の形で本発明を実施することができる、ということである。
Claims (1)
- 請求の範囲
1.a) 少なくとも1つのイオン減少用区画に隣接して配置された少なくとも1つのイオン濃縮用区画を含んだ複数の区画を含む電気消イオン装置を供給する工程、このとき前記のイオン濃縮用区画とイオン減少用区画はそれぞれイオン交換物質を収容し、前記複数の区画が、ある一定の間隔を置いて交互に配置されたアニオン透過膜とカチオン透過膜によってある程度画定されており、前記区画は、前記区画と電気的連通関係にある第1の電極と第2の電極との間に配置されている;
b) 前記少なくとも1つのイオン濃縮用区画を第1の方向に通る第1の流体流れと、前記少なくとも1つのイオン減少用区画を第1の方向に通る第2の流体流れを確立する工程;
c) 前記第1の電極に第1の極性を、そして前記第2の電極に第2の極性を付与することによって電極に電圧を加えて、区画の前後に電位を生成させ、これによって前記少なくとも1つのイオン減少用区画を出る減少流体流れと、前記少なくとも1つのイオン濃縮用区画を出る濃縮流体流れとを確立する工程、このとき前記減少流体流れは、前記第2の流体流れのイオン濃度より低いイオン濃度を有する;
d) 前記少なくとも1つのイオン濃縮用区画を通る前記第1の流体流れの流れ方向を、前記第1の方向から前記第1の方向とは反対の第2の方向に逆転させる工程;および
e) 前記第1の流体流れが前記少なくとも1つのイオン濃縮用区画を前記第2の方向に流れている間に、前記少なくとも1つのイオン減少用区画から減少流体生成物を回収する工程;
を含む流体の精製法。
2.前記逆転工程がさらに、前記少なくとも1つのイオン減少用区画を通る前記第2の流体流れの流れ方向を、前記第1の方向から前記第1の方向とは反対の第2の方向に逆転させる工程を含む、請求項第1項に記載の精製法。
3.前記少なくとも1つのイオン減少用区画を少なくとも1つの第2のイオン濃縮用区画に変換し、前記少なくとも1つのイオン濃縮用区画を少なくとも1つの第2のイオン滅少用区画に変換する工程をさらに含む、請求項第1項に記載の精製法。
4.a) 少なくとも1つのイオン減少用区画に隣接して配置された少なくとも1つのイオン濃縮用区画を含んだ複数の区画を含む電気消イオン装置を供給する工程、このとき前記のイオン濃縮用区画とイオン減少用区画はそれぞれイオン交換物質を収容し、前記複数の区画が、ある一定の間隔を置いて交互に配置されたアニオン透過膜とカチオン透過膜によってある程度画定されており、前記区画は、前記区画と電気的連通関係にある第1の電極と第2の電極との間に配置されている;
b) 前記少なくとも1つのイオン濃縮用区画を通るあるイオン濃度を有する第1の流体流れと、前記少なくとも1つのイオン濃縮用区画を出るあるイオン濃度を有する出口流体流れとを確立する工程;
c) 前記出口流体流れを前記第1の流体流れとして確立するように、前記出口流体流れを再循環させる工程;および
d) 前記第1の流体流れのイオン濃度を増大させる工程;
を含む流体の精製法。
5.前記少なくとも1つのイオン減少用区画を通る、あるイオン濃度を有する第2の流体流れを確立する工程をさらに含む、請求項第4項に記載の精製法。
6.前記第1の電極に第1の極性を、そして前記第2の電極に第2の極性を付与することによって電極に電圧を加えて、区画の前後に電位を生成させ、これによって前記少なくとも1つのイオン減少用区画を出る、前記第2の流体流れのイオン濃度より低いイオン濃度を有する減少流体流れを確立し、そして前記少なくとも1つのイオン濃縮用区画を出る、濃縮流体流れとしての出口流体流れを確立する工程をさらに含む、請求項第5項に記載の精製法。
7.前記第1の流体流れを第3の流体流れで置き換える工程をさらに含み、このとき前記第3の流体流れが、前記第1の流体流れのイオン濃度より低いイオン濃度を有する、請求項第5項に記載の精製法。
8.前記少なくとも1つのイオン濃縮用区画を通る前記第1の流体流れを、第1の方向に流れるように確立し、前記少なくとも1つのイオン濃縮用区画を通る前記第1の流体流れの流れ方向奇、前記第1の方向から前記第1の方向とは反対の第2の方向に逆転させる、請乗の範囲第4項に記載の精製法。
9.前記少なくとも1つのイオン減少用区画を通る第2の流体流れを確立する工程をさらに含み、このとき前記少なくとも1つのイオン減少用区画を通る前記第2の流体流れを、第1の方向に流れるように確立し、そして前記逆転工程がさらに、前記少なくとも1つのイオン減少用区画を通る前記第2の流体流れの流れ方向を、前記第1の方向から前記第1の方向とは反対の第2の方向に逆転させる工程を含む、請求項第8項に記載の精製法。
10.a) 少なくとも1つのイオン減少用区画に隣接して配置された少なくとも1つのイオン濃縮用区画を含んだ複数の区画を含む電気消イオン装置を供給する工程、このとき前記のイオン濃縮用区画とイオン減少用区画はそれぞれイオン交換物質を収容し、前記複数の区画が、ある一定の間隔を置いて交互に配置されたアニオン透過膜とカチオン透過膜によってある程度画定されており、前記区画は、前記区画と電気的連通関係にある第1の電極と第2の電極との間に配置されている;
b) 前記少なくとも1つのイオン濃縮用区画を通るあるイオン濃度を有する第1の流体流れと、前記少なくとも1つのイオン減少用区画を通るあるイオン濃度を有する第2の流体流れとを確立する工程;
c) 前記第1の電極に第1の極性を、そして前記第2の電極に第2の極性を付与することによって電極に電圧を加えて、区画の前後に電位を生成させ、これによって前記少なくとも1つのイオン減少用区画を出る減少流体流れと、前記少なくとも1つのイオン濃縮用区画を出る濃縮流体流れとを確立する工程、このとき前記減少流体流れは、前記第2の流体流れのイオン濃度より低いイオン濃度を有する;
d) 前記第1の流体流れのイオン濃度を増大させる工程;および
e) 前記少なくとも1つのイオン減少用区画を少なくとも1つの第2のイオン濃縮用区画に変換させ、前記少なくとも1つのイオン濃縮用区画を少なくとも1つの第2のイオン減少用区画に変換させる工程;
を含む流体の精製法。
11.イオン交換物質を収容するイオン減少用区画に隣接して配置された、イオン交換物質を収容するイオン濃縮用区画、区画の前後に電位を生成させるよう配置された電極、前記イオン減少用区画から減少流体流れを回収するよう電極に電圧を加えることによって確立した、前記イオン濃縮用区画を通るあるイオン濃度を有する第1の流体流れと前記イオン減少用区画を通る第2の流体流れ、および第2のイオン減少用区画から第2の減少流体流れを回収するよう、電極の極性を逆転させて、前記イオン濃縮用区画を第2のイオン減少用区画に、そして前記イオン減少用区画を第2のイオン濃縮用区画に変換させるための手段、を有するタイプの電気消イオン装置を供給することによる流体の精製法であって、このとき改良点が、それぞれ前記イオン濃縮用区画と前記イオン減少用区画を通る前記第1と第2の流体流れを確立した後に、そして前記第2のイオン減少用区画から前記減少流体流れを回収する前に、前記第1の流体流れのイオン濃度を増大させることにある、前記精製法。
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