JP2006297379A - 超音波反応装置 - Google Patents

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直樹 松岡
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Abstract

【課題】微粒子を液相中の化学反応によって製造する際に、従来公知の技術と比較して、液相に対する超音波の照射を不活性雰囲気下で効果的に行うことができる、微粒子回収設備を備えた超音波反応装置を提供する。
【解決手段】微粒子を回収する設備と攪拌を行う設備を有し、不活性ガスによる置換と気密状態の保持が可能な反応器と、該反応器の内部に超音波を直接的に照射する設備とを、反応器内における液相界面の上部で接続することによって、微粒子を液相中の化学反応によって製造する場合の超音波照射を不活性雰囲気下で効果的に行うことができる超音波反応装置。
【選択図】なし

Description

本発明は微粒子を液相中の化学反応によって製造する技術に関する。さらに詳しくは、微粒子を液相中の化学反応によって製造する際に、該液相に対する攪拌と超音波の照射とを不活性雰囲気において同時に安定して行うことができる超音波反応装置に関する。
微粒子製品は、少量の添加による物性の改善、混ぜやすく複合品を得やすい等のメリットを活かして、多岐に渡る用途展開がなされており、エレクトロニクス、環境、産業機械、自動車、医薬、化学品、食品等、幅広い領域において利用されている。また、微粒子の高機能化に対する要求にあわせて微粒化技術も進歩しており、例えば、超音波を用いた粉砕・混合技術等が実用化されている。
超音波は、液相中での化学反応において、極めて優れた効果を発揮することが知られている。この効果は主にキャビテーションに基づくものであると考えられるが、キャビテーション内では実際に高い温度や圧力がミクロ範囲で発生することから、反応速度が増加して反応開始までの時間が短縮される、自己凝集した微粒子を分散させることができる、等の効果を得ることができる。例えば、特許文献1では、微粒子を含むめっき液に超音波を照射することによって微粒子の凝集を防止しており、特許文献2では、微粒子と有用物質の反応を促進するために超音波槽を用いて反応容器の外側から超音波を照射している。
微粒子のベース材料としては、セラミックや金属等が代表的な例として挙げられる。また、プラスチックをベース材料とした微粒子も、粉末成形用材料、焼結成形用材料、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の充填剤、塗料、接着剤、潤滑剤、ろ過剤、洗浄剤、分析カラム用吸着剤、被覆剤、液晶のスペーサー、トナー、触媒担体、化粧品基材等、幅広い用途における有用な素材である。
ポリオレフィンパウダーは、プラスチックをベース材料とした微粒子の一種であるが、その化学的安定性や耐摩耗性等の特徴が注目されている素材である。ポリオレフィンパウダーを製造する方法としては、機械的に粉砕する方法や、溶解させたポリオレフィンを析出させる方法の他、溶液中に固体触媒成分を懸濁させて重合を行ういわゆるスラリー重合によって直接パウダーを得る方法が一般に用いられる。特に、スラリー重合によって得られるポリオレフィンパウダーは、ある程度形状および粒径がそろったパウダーであり、しかも他の方法では工業生産が困難な超高分子量のパウダーも比較的容易に得られるため、工業的に有用である。このような分野においては、より形状が整いかつ均質な微粒パウダーを得ることが課題として挙げられるが、スラリー重合によって得られるポリオレフィンパウダーの形状および粒径は固体触媒成分の粒子性状に大きく依存しているため、更なる品質向上には固体触媒成分の改良が必要不可欠である。
オレフィン重合触媒の分野では、有機マグネシウム化合物と塩化珪素化合物とを不活性炭化水素溶媒中で反応させて得られる担体に、チタン化合物を担持したオレフィン重合触媒が知られている。しかしながら、使用する化合物や得られる触媒が空気中で不安定であるため不活性雰囲気下で取り扱うことが必須であり、攪拌設備を有する密閉された反応器を不活性ガス置換し、その中で触媒調製が行われてきた。一方、これに加えて粒子性状を制御するための超音波照射部位を有し、効率よく微粒子触媒またはその前駆体を調製できる装置についてはほとんど知られていなかった。
特開平06−033300号公報 特開2004−283082号公報
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、不活性雰囲気下、微粒子を液相中の化学反応によって製造する際に、超音波を効果的に照射することができる超音波反応装置を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、微粒子を回収する設備と攪拌を行う設備を有し、不活性ガスによる置換と気密状態の保持が可能な反応器と、該反応器の内部に超音波を直接的に照射する設備とを、液相界面の上部で接続することによって、微粒子を液相中の化学反応によって製造する場合の超音波照射が不活性雰囲気下で効果的に行えることを見出し、該知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
(1)微粒子を液相中の化学反応によって製造する装置であって、不活性ガスによる置換と気密状態の保持が可能な反応器と、微粒子を回収する設備と、該反応器の内部に超音波を直接的に照射する設備と、攪拌を行う設備とから構成されており、該反応器と該超音波照射設備が液相界面の上部で接続されていることを特徴とする超音波反応装置。
(2)超音波振動子から発生する超音波が、超音波ホーンを介して該反応器の内部に伝達されることを特徴とする上記(1)に記載の超音波反応装置。
(3)該超音波照射設備が複数台設置されていることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の超音波反応装置。
本発明の超音波反応装置を使用すれば、微粒子を液相中の化学反応によって製造する際に、液相に対する攪拌と超音波の照射を不活性雰囲気下で安定して行うことができる。また、超音波のキャビテーションによって、形状や大きさ等の粒子性状に優れた微粒子が得られる。さらに、超音波のキャビテーションは微粒子の凝集を抑制して分散状態を維持する効果を有するため、微粒子と液相中の物質との反応が促進されると共に微粒子の表面に対して均一に反応させることができる。微粒子が触媒である場合には、比表面積を増加させて高活性化することができる。得られた微粒子は回収設備によって超音波反応装置を分解することなく回収可能であり、微粒子の劣化を防ぐ上でも有用である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明における微粒子とは、液相中に懸濁させたスラリーとして取り扱うことのできるつぶ状の固体をいう。微粒子の大きさについて特に制限はなく、スラリーとして取り扱うことができれば如何なる大きさでもよいが、平均粒径が1ナノメートル〜5ミリメートルであることが好ましく、5ナノメートル〜1ミリメートルであることがより好ましく、10ナノメートル〜500マイクロメートルの範囲であることが特に好ましい。
本発明における液相とは、液体の状態である相をいい、スラリー中に存在する微粒子も液相に含まれる。反応物質が液状である場合には、必ずしも溶媒を必要としないが、液相成分として溶媒が含まれる場合には、化学的に不活性であることが重要である。液相は、アルゴン等の希ガスや窒素等の化学的に不活性なガスからなる気相との境界に界面を形成する。
本発明における反応器は、不活性ガスによる置換と気密状態の保持が可能な反応器を使用する。不活性ガスによる置換は、真空ポンプやアスピレーター等の減圧装置によって反応器を減圧した後に不活性ガスを導入する操作を繰り返してもよいし、不活性ガスによって反応器を加圧した後に大気圧に戻す操作を繰り返しても良い。反応器の気密状態は、上蓋等の開放部位にシール性の高いパッキン等をはさみ込む、反応器に接続される配管をシール性の高いジョイントで接続する、等の処置を施すことによって保持することが好ましい。本発明における気密状態の保持は、窒素ガスによって0.2MPaまで加圧し、10分間保持した後、漏れ検出液を塗布して発泡がないことによって確認される。
本発明における微粒子を回収する設備とは、反応器を分解することなく微粒子を回収することが可能な設備を示す。微粒子を回収する設備について特に制限はなく、反応器内部に配管を導入して微粒子を抜き出す設備であってもよいし、反応器に抜き出し口を作成して微粒子を抜き出す設備であってもよい。微粒子を回収する方法についても特に制限はなく、不活性ガスによる加圧によって抜き出してもよいし、液相回収装置を減圧することによって抜き出してもよい。また、微粒子を液相ごと回収してもよいし、乾燥した微粒子のみを回収してもよい。
本発明における超音波を照射する設備とは、超音波を発振する装置から発生した超音波を超音波振動に変換して伝達する設備を示す。超音波振動は、超音波ホーン等を介して増幅させてもよい。反応器の内部に超音波を直接的に照射するため、超音波振動の伝達を担う部位は反応器の内部に配置される。
次に、本発明について図面を参照して説明する。なお、当然のことではあるが、本発明は図面に示す形態例に限定されるものではない。また、本発明における超音波反応装置を構成する設備は、反応条件に応じてそれぞれ任意の形態および材質のものを使用することが可能であり、特に限定されるものではない。
図1に、本発明における超音波反応装置の形態例の概略図を示す。図1に示すように本発明における超音波反応装置は、不活性ガスによる置換と気密状態の保持が可能な反応器と、微粒子を回収する設備と、該反応器の内部に超音波を直接的に照射する設備と、攪拌を行う設備とから構成されている。
反応器1は、リーク弁を有し、不活性ガスボンベ2、および真空ポンプ3に接続することが可能な配管を備えている。また、液相を形成する任意の反応物質と溶媒は、原料供給・液相回収装置5から反応器1に送られる。なお、得られた微粒子は、酸素や水分等の劣化要因となりうる物質に接触することなく、原料供給・液相回収装置5から容易に回収することができる。超音波発振器6は超音波を発振する装置であり、超音波振動子7で超音波振動に変換される。この超音波振動は超音波振動子7に接続された超音波ホーン8によって増幅され、液相に伝達される。
図1に示すように超音波ホーン8が液相に到達しない形態の場合には、エクステンダー9を接続することによって液相に超音波振動が伝達される。超音波振動子7は、全体が反応器内に設置されても設置されなくてもよいが、図1のように超音波振動を伝達する部位のみが反応器内に設置されている方が設備的に安定であり、メンテナンスも容易であるため好ましい。攪拌は駆動装置10が攪拌翼11を回転させることによって行われる。超音波にも攪拌混合する効果があるが、攪拌を主たる目的とした設備を別途備えることによって超音波照射設備の負荷が大幅に低減され、しかも液相の均一化を迅速に行うことができる。粒子形状の整った微粒子を得るためには、液相中における反応物質の濃度を均一にする必要があり、特に反応速度が速い場合において攪拌を行う設備の役割は大きい。
本発明における超音波反応装置は、反応器と超音波照射設備が液相界面の上部で接続されていることを特徴とする。液相界面の上部とは、超音波反応装置の運転を停止した状態で液相と気相との境界に形成される界面より上の気相部位を指す。超音波照射設備を接続する部位はこの気相部位と接する部位であれば特に制限はなく、反応器に穴を開けて直接接続してもよいし、図1に示すように冷却ジャケット12等の固定治具を設置して接続してもよい。また、反応器内壁に固定してもよい。接続方法についても特に制限はないが、溶接またはねじ固定が好ましい。超音波発振子の固定部位は超音波振動による局部的な負荷がかかるため、特に温度制御の必要な化学反応に用いる場合には、超音波洗浄や超音波分散等の用途とは異なり、固定部位が直接液相に触れないことが求められる。
また、気密状態を保持した反応器では接合箇所のゆるみや金属疲労の要因となる超音波振動のエネルギーが発散されにくいため、反応器の内壁が超音波振動の主たる発生部位とならない工夫が必要である。本発明における超音波反応装置は、反応器の内部に超音波を直接的に照射する設備を、液相界面の上部で反応器と接続することによって、液相に直接超音波を照射しながら超音波反応装置に加わる超音波振動のエネルギーを抑制することが可能であり、工業的にも非常に優位性が高い。なお、図1に示すように冷却ジャケット12を備えることによって、反応器と超音波照射設備の接続箇所を、液相の設定温度と関係なく冷却できるため、長時間安定した運転が可能となる。さらに、Oリング13のように反応器の気密状態を保持することが可能な形態を有する弾性体を反応器と超音波照射設備の間にはさみ込むことによって、超音波振動による局部的な負荷を低減することができる。
本発明において、超音波反応装置を構成する超音波照射設備の設置台数について特に制限はないが、複数台設置されていることが望ましい。複数台の超音波照射設備を同時に使用した場合には、反応効率を向上させることができる。また、1台ずつ切り替えながら使用した場合には、1台の超音波照射設備にかかる負荷を低減することができる。設置台数は各設備が接触しない限りであれば何台でもよいが、2〜5台が好ましく、2〜3台がより好ましく、特に設置費用に対する効果の観点から、2台が最も好ましい。
超音波照射設備を複数台設置する際の位置関係について、互いに接触しない限りであれば特に制限はなく、各超音波照射設備の位置関係が平行であっても角度がついていてもよいし、近づいていても離れていてもよい。また、液相界面に対する各超音波照射設備の挿入角度についても特に制限はなく、垂直に挿入されていてもよいし、角度をつけて挿入されていてもよい。
本発明において使用される超音波は、弾性体を伝わる弾性振動の一種であり、通常は波の進行方向に圧縮・膨張が伝わる縦波であるが、反応器壁およびその接触面等においては横波が存在することもある。なお、直接聞くことを目的としない音波が技術的な定義として超音波とされ、液体や固体の表面や内部を伝わる音波も全て超音波に含まれる。具体的に超音波としては、周波数1〜2000kHz、好ましくは10〜500kHz、特に好ましくは20〜300kHzの超音波が望ましい。また、超音波の出力は、5W以上、好ましくは10W以上、特に好ましくは30W以上であることが望ましい。さらに、このような周波数の超音波を、反応器の内側壁面での該超音波の強度が0.01W/cm2 以上、好ましくは0.05W/cm2 以上、特に好ましくは0.07〜100W/cm2 となるように照射することが望ましい。
超音波の強度測定は下記のように行った。
まず反応器内に模擬液として水を張り込み、超音波を照射した。その状態で音圧計を用いて反応器内の音圧を測定した。音圧測定は、室温、常圧で行った。得られた音圧から次式により超音波強度を求めた。
I=P2 /ρc
(式中、Iは超音波強度、Pは音圧、ρは媒質(水)の密度、cは媒質中の伝播速度である。)
本発明における超音波反応装置内の液相には、超音波の照射によってキャビテーションによる衝撃波と液体分子の振動による加速度・直進流が作用し、これらの相乗効果で破砕、分散、攪拌が促進される。このような超音波の照射には、微粒子の形状を球形に整え、粒径を均一化する効果や、液相中の物質との反応が微粒子の表面に対して均一に進行する効果があるため、不活性雰囲気下で取り扱うことが必須の場合においても粒子性状に優れた微粒子を得る手段として非常に有効である。
次に、実施例および比較例によって本発明を説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。
[平均粒径の測定]
微粒子の平均粒径は、(株)島津製作所製;SALD−2100を用いて測定した。
(実施例1)
抜き出し用配管と、攪拌用駆動モーターおよび攪拌翼からなる攪拌設備を備え、不活性ガスによる置換と気密状態の保持が可能な、最高使用圧力1.5MPa、最高使用使用温度200℃の、ステンレス製8リットルのオートクレーブの上蓋に、(株)エスエムテー製;超音波分散機UH−600に超音波ホーンHO−12とエクステンダーEX−12を接続した超音波照射設備を1台接続した、超音波反応装置を、窒素ガスによって1MPaまで加圧し、1時間後も圧力が維持されていることを確認した。さらに、超音波反応装置に漏れ検出液(Swagelok社製;Snoop)を塗布して気密性が保持されていることを確認した。超音波反応装置のリーク弁を使用して大気圧に戻した後、窒素ガスによる加圧と真空ポンプによる減圧を繰り返して充分に窒素置換した。本実施例で用いた超音波反応装置の概略図を図2に示す。
その後、2560ミリリットルの脱水脱酸素したヘキサンを仕込み、−5℃に冷却した。次に、0.5モル/リットル(Al+Mg原子換算)の組成式AlMg6 (C4 9 12(OC3 7 3 で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液1280ミリリットルと0.6モル/リットルの四塩化チタンのヘキサン溶液1280ミリリットルとを、2時間かけて同時に滴下した。この際、−5℃で攪拌しながら、周波数20kHz、出力600Wの超音波照射を継続した。反応器と超音波照射設備の接続箇所は冷却ジャケットを用いて冷却した。滴下後、超音波照射を止め、さらに10℃で1時間攪拌しながら熟成させた後、上澄み液を除去し、ヘキサン3000ミリリットルでの洗浄を4回行うことにより、オレフィン重合触媒を得た。得られたオレフィン重合触媒は、ヘキサンとともに抜き出し用配管を経由して窒素置換されたステンレス製10リットル耐圧容器に抜き出した。得られたオレフィン重合触媒の平均粒径を測定した結果、2.0マイクロメートルであった。
0.4ミリモルのトリイソブチルアルミニウムを800ミリリットルの脱水脱酸素したヘキサンとともに、内部を窒素置換した内容積1.5リットルのオートクレーブに入れた。次いで、オートクレーブの内部を80℃に保ち、水素をオートクレーブの内圧が0.16MPa上昇するまで添加した。次いで、上記オレフィン重合触媒10ミリグラムを添加した。この後、エチレンを添加して全圧を0.46MPaとすることにより重合を開始した。エチレンを補給することにより全圧を0.46MPaに保ちつつ30分間重合を行った。この重合により得られたポリマーの収量は122グラム、触媒1グラムあたりに換算した1時間あたりのポリエチレンパウダー生成量は24300グラムであり、ポリエチレンパウダーの平均粒径は61マイクロメートルであり、ポリエチレンパウダーの形状は球状であった。なお、ポリエチレンパウダーの形状は、サンプル採取を計50回行い、その全てに対し光学顕微鏡による目視確認を行うことによって判定した。ポリエチレンパウダーの形状としては、球状、葡萄の房状に分類されるが、一般的に球状のポリエチレンパウダーは葡萄の房状のポリエチレンパウダーと比較して溶解性、分散性等の品質面で優れている。
(比較例1)
超音波照射を一切行わない以外は実施例1と同様にして、オレフィン重合触媒の調製およびエチレンの重合を行った。得られたオレフィン重合触媒の平均粒径は12.0マイクロメートルであり、この重合により得られたポリマーの収量は111グラムであり、触媒1グラムあたりに換算した1時間あたりのポリエチレンパウダー生成量は22200グラムであり、ポリエチレンパウダーの平均粒径は340マイクロメートルであり、ポリエチレンパウダーの形状は葡萄の房状であった。
(実施例2)
実施例1の超音波反応装置において、2台目の超音波照射設備を、1台目の超音波照射設備と攪拌設備の延長線上、かつ1台目の超音波照射設備と平行に接続した超音波反応設備を使用した以外は実施例1と同様にして、オレフィン重合触媒の調製およびエチレンの重合を行った。なお、超音波照射を行う際は、2台の超音波照射設備を同時に使用した。得られたオレフィン重合触媒の平均粒径は1.5マイクロメートルであり、この重合により得られたポリマーの収量は124グラムであり、触媒1グラムあたりに換算した1時間あたりのポリエチレンパウダー生成量は24800グラムであり、ポリエチレンパウダーの平均粒径は46マイクロメートルであり、ポリエチレンパウダーの形状は球状であった。オレフィン重合触媒を調製する際に2台の超音波照射設備を同時に使用することによって、実施例1よりもさらに細かいポリエチレンパウダーが得られた。
(実施例3)
超音波照射を行う際に、2台の超音波照射設備を5秒間隔で切り替えながら交互に使用し、冷却ジャケットを用いて反応器と超音波照射設備の接続箇所を冷却しなかった以外は実施例2と同様にして、オレフィン重合触媒の調製およびエチレンの重合を行った。得られたオレフィン重合触媒の平均粒径は1.8マイクロメートルであり、この重合により得られたポリマーの収量は122グラムであり、触媒1グラムあたりに換算した1時間あたりのポリエチレンパウダー生成量は24400グラムであり、ポリエチレンパウダーの平均粒径は55マイクロメートルであり、ポリエチレンパウダーの形状は球状であった。オレフィン重合触媒を調製する際に2台の超音波照射設備を交互に使用することによって、反応器と超音波照射設備の接続箇所から生じる発熱量が大幅に減少した。
(実施例4)
抜き出し用配管と、攪拌用駆動モーターおよび攪拌翼からなる攪拌設備を備えたステンレス製8リットルのオートクレーブの側面上部に、超音波振動子と硬質クロムめっき処理を施したステンレス製振動板からなる超音波照射設備を互いに向き合う位置で2台接続した超音波反応装置を使用した以外は実施例1と同様にして、オレフィン重合触媒の調製およびエチレンの重合を行った。本実施例で用いた超音波反応装置の概略図を図3に示す。なお、超音波照射を行う際は、2台の超音波照射設備を同時に使用した。得られたオレフィン重合触媒の平均粒径は2.4マイクロメートルであり、この重合により得られたポリマーの収量は118グラムであり、触媒1グラムあたりに換算した1時間あたりのポリエチレンパウダー生成量は23500グラムであり、ポリエチレンパウダーの平均粒径は73マイクロメートルであり、ポリエチレンパウダーの形状は球状であった。
(比較例2)
抜き出し用配管と、攪拌用駆動モーターおよび攪拌翼からなる攪拌設備を備え、不活性ガスによる置換と気密状態の保持が可能な、最高使用圧力1.5MPa、最高使用使用温度200℃の、ステンレス製8リットルのオートクレーブを、(株)エスエムテー製;標準超音波洗浄機SC−650の水槽に浸し、低温循環恒温槽を用いて槽内の水を循環した。オートクレーブを窒素ガスによって1MPaまで加圧し、1時間後も圧力が維持されていることを確認した。さらに、オートクレーブに漏れ検出液(Swagelok社製;Snoop)を塗布して気密性が保持されていることを確認した。オートクレーブのリーク弁を使用して大気圧に戻した後、窒素ガスによる加圧と真空ポンプによる減圧を繰り返して充分に窒素置換した。その後、2560ミリリットルの脱水脱酸素したヘキサンを仕込み、3℃に冷却した。
次に、0.5モル/リットル(Al+Mg原子換算)の組成式AlMg6 (C4 9 12(OC3 7 3 で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液1280ミリリットルと0.6モル/リットルの四塩化チタンのヘキサン溶液1280ミリリットルとを、2時間かけて同時に滴下した。この際、3℃で攪拌しながら、周波数28kHz、出力600Wの超音波照射を継続した。滴下後、超音波照射を止め、さらに10℃で1時間攪拌しながら熟成させた後、上澄み液を除去し、ヘキサン3000ミリリットルでの洗浄を4回行うことにより、オレフィン重合触媒を得た。得られたオレフィン重合触媒は、ヘキサンとともに抜き出し用配管を経由して窒素置換されたステンレス製10リットル耐圧容器に抜き出した。得られたオレフィン重合触媒の平均粒径を測定した結果、11.0マイクロメートルであった。
このオレフィン重合触媒を使用した以外は実施例1と同様にして、エチレンの重合を行った。この重合により得られたポリマーの収量は113グラムであり、触媒1グラムあたりに換算した1時間あたりのポリエチレンパウダー生成量は22500グラムであり、ポリエチレンパウダーの平均粒径は330マイクロメートルであり、ポリエチレンパウダーの形状は葡萄の房状であった。
(比較例3)
攪拌用駆動モーターおよび攪拌翼からなる攪拌設備による攪拌を一切行わない以外は実施例1と同様にして、オレフィン重合触媒の調製およびエチレンの重合を行った。得られたオレフィン重合触媒の平均粒径は4.1マイクロメートルであり、この重合により得られたポリマーの収量は116グラムであり、触媒1グラムあたりに換算した1時間あたりのポリエチレンパウダー生成量は23200グラムであり、ポリエチレンパウダーの平均粒径は125マイクロメートルであり、ポリエチレンパウダーの形状は葡萄の房状であった。
(比較例4)
得られたオレフィン重合触媒を、抜き出し用配管を使用せずに、オートクレーブの上蓋を開放して大気下で回収した以外は実施例1と同様にして、オレフィン重合触媒の調製およびエチレンの重合を行った。大気下での回収時にオレフィン重合触媒の酸化および凝集が進行し、平均粒径は6.2マイクロメートルとなった。この重合により得られたポリマーの収量は27グラムであり、触媒1グラムあたりに換算した1時間あたりのポリエチレンパウダー生成量は5400グラムであり、ポリエチレンパウダーの平均粒径は296マイクロメートルであった。ポリエチレンパウダーの形状を確認したところ、葡萄の房状のものと繊維状のものが存在していた。
本発明は、不活性ガス雰囲気下、液相中で形状や大きさ等の粒子性状が整った微粒子を製造する装置として有用である。また、液相中の物質と微粒子との反応を促進し、微粒子の表面に対して均一に反応させる装置として有用である。得られた微粒子は、酸素や水分等の劣化要因となりうる物質に接触することなく容易に回収できるため、エレクトロニクス、環境、産業機械、自動車、医薬、化学品、食品等、幅広い領域において工業的に有用である。
本発明の実施の形態に係る超音波反応装置を示す図である。 本発明の実施例1に係る超音波反応装置を示す図である。 本発明の実施例4に係る超音波反応装置を示す図である。
符号の説明
1 反応器
2 不活性ガスボンベ
3 真空ポンプ
4 リーク弁
5 原料供給・液相回収装置
6 超音波発振器
7 超音波振動子
8 超音波ホーン
9 エクステンダー
10 駆動装置
11 攪拌翼
12 冷却ジャケット
13 Oリング
14 恒温槽
15 冷媒
16 振動板

Claims (3)

  1. 微粒子を液相中の化学反応によって製造する装置であって、不活性ガスによる置換と気密状態の保持が可能な反応器と、微粒子を回収する設備と、該反応器の内部に超音波を直接的に照射する設備と、攪拌を行う設備とから構成されており、該反応器と該超音波照射設備が液相界面の上部で接続されていることを特徴とする超音波反応装置。
  2. 超音波振動子から発生する超音波が、超音波ホーンを介して該反応器の内部に伝達されることを特徴とする請求項1に記載の超音波反応装置。
  3. 該超音波照射設備が複数台設置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波反応装置。
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KR20180100082A (ko) 2018-08-20 2018-09-07 이재영 처리 유체의 발열을 억제하는 소니케이터
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CN112426978A (zh) * 2020-11-17 2021-03-02 宁波顺泽橡胶有限公司 一种丁腈橡胶生产用歧化松香酸钾皂皂化装置

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