JP2006296654A - 3次元形状計測装置を用いた個人別枕の提供方法 - Google Patents

3次元形状計測装置を用いた個人別枕の提供方法 Download PDF

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義昭 犬山
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Abstract

【課題】個人に適した枕を提供するために、頸椎弧を2次元的に測定することなどが行われてきたが、個人の背面形状の違いを正確に測定できず、最適な枕の決定に限界があった。
また、個人に適した枕を決めるプロセスは、測定者の経験や能力に負うところが大きいという課題があった。
【解決手段】2次元的測定における課題は、簡易的で誰にでも手軽に計測できる3次元形状計測装置を用いて、対象者の後頭部及び背面を計測することにより解決される。
また、対象者の測定結果と入力情報から、対象者に最適な枕を導き出し提示するプログラムを利用し、4つのパーツの最適な組み合わせから成る枕を提供する方法によって、計測者の経験や能力に頼ることなく、個人に適した枕を分かり易く簡便な手順で提供することが可能になる。
敷き寝具の「弾性の3層構造理論」に則った枕であり、敷き寝具の一種として快眠を得易い枕を提供することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、3次元形状計測装置を用いて対象者の後頭部及び背面を計測し、その取得データを基に対象者に適した枕を導き出し、快眠を得られる枕を提供する方法に関するものである。
従来、人体の背面形状に合った枕を選ぶ方法として、対象者の頸椎弧を2次元的に測定することが一般に行われている。その測定の仕方は例えば、第七頸椎(首の付け根の突起部分)の外側から、床に対して垂直に手を立て、手のひらと頸椎との間にできた隙間の最も深いところに、ものさしや割り箸などを人差し指と中指に挟んで計測するというものである。
或いは、特許文献1に開示されているように、個人に適した枕の高さを決定するために、測定の仕方を工夫することが行われている。しかしながら、従来の測定の仕方では、人体固有の丸みが考慮されておらず、少なくとも仰臥位のみにしか対応することができない。
一方で、従来の非接触タイプの3次元計測機は高価で重量が重く大掛かりなものであったが、特許文献2で開示した3次元形状計測装置によって、簡易的で誰にでも手軽に計測できるものを実現した。
また、これまでに様々な方法にて使用者に適した枕を提供する努力がなされてきた。例えば、特許文献3に開示されているような、空気圧力アクチュエーターを用いて高さと形状を可変式とした枕や、特許文献4や特許文献5に開示されているように、枕の袋体内部を複数の区画室で形成して、その縫製の仕方を工夫した枕や、各区画室へ充填する充填材の量を調整する枕などが提案されている。
特開2000−296044号公報 特開2003−130621号公報 特開2002−065433号公報 特開2003−180499号公報 特開2003−310410号公報
これまで、個人に合わせた枕を提供するために、前記の通り頸椎弧を2次元的に測定することなどが行われてきたが、2次元的測定では人体の曲線、人体の各部分の厚みなど、個人の背面形状の違いを正確に測定できず、その結果、個人に適した枕の決定に限界が生じていた。
また、個人に適した枕を決めるプロセスは、測定者の経験や能力に負うところが大きく、分かり易く簡便な手順で枕を提供するという面で課題があった。
前述の通り、個人に適した枕について様々な工夫がなされてきたが、枕を寝具の付属品のように捉えたものが大半であり、枕を敷き寝具の一種と位置付けて開発されたものはほとんど無かったと言える。
まず2次元的測定における課題は、簡易的で誰にでも手軽に計測できる3次元形状計測装置(特許文献2を参照)を用いて、対象者の後頭部及び背面を計測することにより解決される。
また、対象者の測定結果と、性別や年齢層など幾つかの入力情報から、対象者に最適な枕を導き出し提示するプログラムを利用し、4つのパーツの最適な組み合わせから成る枕を提供する方法によって、計測者の経験や能力に頼ることなく、個人に適した枕を分かり易く簡便な手順で提供することが可能になる。
更に、枕を構成する4つのパーツを、敷き寝具の「弾性の3層構造理論」に則って設計・開発したことにより、従来ないような、敷き寝具の一種として快眠をより得易い枕を提供することができる。
個人に合わせた枕を提供するための測定が、ほとんど経験を必要とせずに、手軽に行うことができるようになる。したがって、例えば枕の販売現場における販売員の負担の軽減に寄与することができる。
また、対象者の後頭部及び背面を立体的に測定することによって、個人に最もフィットする枕を提供することが可能となる。
加えて、対象者の測定結果から枕決定までのプロセスをプログラムによって自動化し、4つのパーツの最適な組み合わせで枕が完成するので、コンピュータの簡易的な操作と、各パーツの組み立てだけで、個人に適した枕を提供することができるようになる。
更に、敷き寝具の「弾性の3層構造理論」に則って設計・開発された枕であるため、敷き寝具の一種として快眠をより得易くなるという効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。特許文献2で開示した3次元形状計測装置を用いて、対象者の後頭部及び背面を測定する。この場合、図1の(1−4)が対象者の後頭部及び背面となる。また、図1の(1−3)には、対象者の測定結果と、性別や年齢層など幾つかの入力情報から、対象者に最適な枕を導き出し提示するプログラムがインストールされ、稼働している。
前記プログラムを起動し、初めに問診を行う。具体的には性別など対象者の属性や、枕の硬さなど対象者の嗜好を訊いて入力する。続いて、対象者に適切な立ち位置に立位正常姿勢で静止してもらうなど測定準備を行い、特許文献2で開示した3次元形状計測装置を用いて対象者の後頭部及び背面の3次元形状データを取得する。
次に図2の2−1から2−12までの測定ポイントを、ディスプレイモニタ上でマウスをクリックすることで決定していく。性別・年齢層別の人体計測データを予めデータベース化してあり、プログラムの処理で、対象者の測定ポイントを基にデータベースのデータ分布のどこに位置するかを判定し、また枕の硬さなどの嗜好も参照して、対象者にとって最適な枕を提示する。
次に、図3を参照して、提供する枕の全体構造を説明する。前述した敷き寝具の「弾性の3層構造理論」に則り、第1層、第2層、第3層を基本パーツとし、頸椎支持部のパーツを第2層の上面に設けたポケットに収納し、計4パーツを重ねて組み立てた状態でピローカバーに収納して、本発明で提供する枕を完成させる。
図4で示したパーツが第1層である。従来の枕は、頸部から頭部を支えるものが一般的であったが、人間の肩幅、肩の角度(怒り肩や撫で肩など)、背中の厚み、肩胛骨の出具合などによって、枕の高さや形状を考慮する必要がある。また、頸椎の深さだけを基に枕を作ると、睡眠中の寝返りに対応できないこととなる。本発明に係る第1層のパーツは、寝返りや体型を立体的に捉える役割を主に担っている。
第1層のパーツは、日本人の平均体型及びデータベース化した人体計測データに基づいて、20mmから60mmの範囲で設定しており、サイズと硬さは使用者の頭の重さを支えるのに耐えられる設計をしている。測定ポイントの取得データを基に、主に肩胛骨高さと肩傾斜角度を判定し、対象者に最も適する高さと硬さ(肩を支える傾斜部分)を備えたパーツを選択する。
図5で示したパーツが第2層である。枕の硬さを決定するために枕全体の素材を硬くしたり柔らかくしたりすると、人間に相応しい硬度を設計することはできない。そのため、3層構造の中間に枕全体の硬さを決定する役割を担う第2層を配置している。測定ポイントの取得データを基に、主に背中幅を判定し、対象者に最も適する硬さを備えたパーツを選択する。
図6で示したパーツが頸椎支持部である。日本人の平均体型の頸長と頸付根幅に基づいて、本パーツのサイズを決定し、5mmから30mmの範囲で選択できるようにしている。測定ポイントの取得データを基に、頸椎の深さを判定し、対象者に最も適する高さを備えたパーツを選択する。本パーツは、第2層のパーツの上面に設けたポケットに収納して使用する。
図7で示したパーツが第3層である。通常、枕を使うとき仰臥位(仰向け)を想定するが、枕の柔らかさを試す際に軽く寝返りをうつ仕草をすることから、皮膚の柔らかいところで感じる可能性が高く、特に頭部頸部で想定できる部位は耳より顔面部である。本発明に係る第3層のパーツは、使用者が感じる柔らかさを表現する役割を主に担っている。
第3層のパーツは、充填する素材の硬度を数値化して、対象者の枕の硬さの嗜好を基に、充填すべき硬度の素材を(幾つか)選択する。本パーツは使用者の嗜好によるため、実際にフィッティングした上で、充填する素材を決定するのが望ましい。
プログラムで選択され提示された4つのパーツを組み立て、ピローカバーに収納して枕を完成させる。本ピローカバーの表面には伸縮性のある生地を使用し、吸汗性、拡散性、速乾性に優れている。
完成させた枕は、ベッドまたは敷き布団の上で使用者がフィッティングしてみた上で、必要であれば、プログラムで選択され提示された各パーツを入れ替えて調整し、使用者が最も満足する枕を提供する。特に、第3層のパーツについては、使用者の嗜好を優先することが望ましい。
本発明の個人別枕の提供方法は、枕を販売する店舗や、百貨店内の枕販売コーナーにおいて、お客様に最も適した枕を提供するのに利用できる。測定は、対象者が立った姿勢で行うので、比較的狭いスペースにおいて利用することが可能である。(フィッティングのために、ベッドまたは敷き布団のスペースがあればなお良い。)
また、本発明に係る枕は、4つのパーツの最適な組み合わせで完成するので、コンピュータの簡易的な操作と、各パーツの組み立てだけで提供可能であり、枕の販売者にとって利便性がある。
加えて、対象者に最適な枕を導き出し提示するプログラムによって、対象者の後頭部及び背面の3次元形状データを取得して保存することができるので、性別・年齢層別の取得データを研究目的に利用し、新機能・新製品の開発に役立てることも可能となる。
本発明で用いる3次元形状計測装置の構成を示した図である。 対象者に適した枕の決定に用いる測定ポイントを示した図である。 本発明で提供する枕の全体構造を示した図である。 本発明で提供する枕の第1層を示した図である。 本発明で提供する枕の第2層を示した図である。 本発明で提供する枕の頸椎支持部を示した図である。 本発明で提供する枕の第3層を示した平面図である。
符号の説明
1−1 計測装置
1−1a ラインレーザ光源
1−1b 発光ダイオード
1−2 撮像装置
1−3 計算用コンピュータ
1−4 対象物体
1−5 照射レーザ光
2−1 後頭点
2−2 側頭点(左)
2−3 側頭点(右)
2−4 頸椎最深部
2−5 頸椎点
2−6 肩峰点(左)
2−7 肩峰点(右)
2−8 脇の下(左)
2−9 脇の下(右)
2−10 肩胛骨(左)
2−11 肩胛骨(右)
2−12 背骨(脇)

Claims (2)

  1. 3次元形状計測装置(特許文献2を参照)を用いて対象者の後頭部及び背面を測定することを特徴とし、測定データ及び問診の入力データを基に対象者に最適な枕を導き出し提示するプログラムを利用し、敷き寝具の「弾性の3層構造理論」に則った4つのパーツ(図3を参照)の組み合わせから成る個人別枕を提供する方法。
  2. 請求項1に記載の個人別枕の提供方法で、組み立てた枕を使用者がフィッティングで試した上で、必要であれば各パーツを調整して最適な枕を決定する個人別枕の提供方法。
JP2005121201A 2005-04-19 2005-04-19 3次元形状計測装置を用いた個人別枕の提供方法 Pending JP2006296654A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008175575A (ja) * 2007-01-16 2008-07-31 Uni Charm Corp 着用物の変位測定方法、変位の表示方法、追従性評価方法およびはき心地評価方法
JP2015150127A (ja) * 2014-02-13 2015-08-24 株式会社Grant Foot
JP2018149216A (ja) * 2017-03-15 2018-09-27 ロフテー株式会社 情報処理方法、枕の製造方法、情報処理システム、およびプログラム
CN110464176A (zh) * 2019-08-08 2019-11-19 上海交通大学医学院附属第九人民医院 一种颈椎枕及其设计方法、设计装置、计算机可读存储介质

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