JP2006292740A - 高次モード励振装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来より安定する高次モード励振装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】コアとクラッドの等価屈折率差Δが1%以上であり、使用波長による光導波モードがマルチモードである光導波路であって、曲げ半径が2mm以下であることを特徴とする。また、高次モード励振装置の製造方法においては、高次モード励振装置の所望部分を加熱し、高次モード励振装置の前記部分を加工歪開放状態に移行し、加工歪開放状態に移行した前記高次モード励振装置の前記部分を所定の曲げ半径に曲げ、所定の曲げ半径に曲げた状態で前記高次モード励振装置の前記部分を加工歪状態に移行することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に光ファイバの性能を評価する際に使用する高次モード励振装置及びその製造方法に関し、特に従来の高次モード励振装置の小型化及び安定化について改良するものである。
インターネットを始めとした通信ネットワークが爆発的に普及している。これに伴って、バックボーンと呼ばれる基幹伝送系に一層の高速大容量化の要求が行われるようになっている。大容量化の有効な手法として、異なった波長の光信号を高密度で多重化するDWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing:高密度波長分割多重通信方式)が利用されている。
高密度波長分割多重通信方式では、光を合分波するAWG(Arayed Waveguide Grating:アレイ導波路格子)等のように光信号を処理する導波路デバイスが数多く使用される。このような導波路デバイスは、光導波路に光ファイバを接続して光の入力や出力を行うようになっている。
光ファイバ通信では最低次モードのみを伝播するシングルモード光ファイバと多数のモードを伝播することができるマルチモード光ファイバの2種類の光ファイバが使用されている。マルチモード光ファイバは、コア径が大きく、多数の光線の軌跡が存在する。これに対してシングルモード光ファイバの場合には、軌跡が1つ(偏波を考慮すると2つ)である。各モードは異なる伝播速度を持つ。
このためマルチモード光ファイバでは、信号のエネルギーが速度の異なる多数のモードに分散され、受信側で到達時間がばらつくことによって信号に歪みが生じる。シングルモード光ファイバの場合にはこのようなマルチモード分散が存在せず、高品位の情報伝送が可能である。このような理由から、長距離回線には、近赤外線波長である1.31μmや1.55μmを使用するシングルモード光ファイバが主流である。
一方で、家電製品間の光伝送や音響機器間の光伝送では、850nmの波長や400nm〜750nmの範囲である可視広域の波長で、マルチモード光ファイバやマルチモード光導波路を使用して光伝送が行われつつある。これは、上述したとおりマルチモード光ファイバやマルチモード光導波路のコア径がシングルモード光ファイバやシングルモード光導波路のコア径に比べて大きく、また、マルチモード光ファイバとマルチモード光導波路との接続が、シングルモード光ファイバとシングルモード光導波路との接続より容易であるためである。さらに、これらの波長域におけるレーザダイオードなどの発光素子が非常に安価に供給されていることも要因である。
ところで、上述したシングルモード光ファイバ及びマルチモード光ファイバでは、光がファイバ中を伝播する際に、光ファイバの材料固有の吸収や散乱などによってエネルギーが減衰する。この減衰の度合いは光損失と呼ばれ、光損失を測定することによって光ファイバの性能を評価する方法が知られている。具体的には、非特許文献1に示すとおり、1)カットバック法、2)挿入損失法、3)OTDR法(Optical Time Domain Reflectometry:後方散乱光法)の3種類がある。
ここで、代表的な光ファイバの光損失の測定方法であるカットバック法について図面を参照しながら詳細に説明する。図9は、カットバック法による光ファイバの光損失を測定する概念図である。図9に示す概念図は、光源9と、光源9から出射される光のモードを励振するモード励振装置11と、一端がモード励振装置11に接続され、光損失が測定される被測定光ファイバ12と、被測定光ファイバ12の他端が接続され、光出力を測定する測定装置13とから構成される。
カットバック法による光損失の測定手順では、まず、光源9から出射される光がモード励振装置11によって励振される。励振された光は被測定対象となる光ファイバ12を伝播し、その光出力が測定装置13によって測定される。なお、この測定結果をPdBmとする。
次に、被測定対象となる光ファイバ12をモード励振装置11との接続点から約2mの位置で切断し、モード励振装置11と接続されていない側を測定装置13に接続する。なお、この約2mの光ファイバをリファレンス光ファイバという。この状態で、光源から光が出射され、モード励振装置11によって励振される。さらに光はリファレンス光ファイバを伝播し、光の出力が測定装置13によって測定される。なお、この測定結果をPdBmとする。
測定装置13による切断前後の測定結果により、光損失を測定できる。すなわち、光損失は、(P−P)/Lという計算式で表される。ただし、Lは、被測定対象となる光ファイバ長からリファレンス光ファイバ長の差(単位:km)である。したがって、カットバック法は、被測定光ファイバの光損失を厳密に測定する必要のある場合に用いられる方法である。
なお、被測定光ファイバがGI(Graded-Index:グレーデッド形)ファイバの場合、定常モードで励振するように励振装置を挿入するが、SM(Step-Index:ステップ形)ファイバの場合は、高次モードが早期に減衰するため、数mのSMファイバを励振装置とする。
シングルモード光ファイバの評価では、シングルモード光ファイバとモード励振装置とを接続する際に生じるの困難な位置合わせが正確にできれば、モードが単一であるため上述したような標準化された評価方法(光損失測定方法)によって比較的容易に光損失を測定し、評価できる。
マルチモード光ファイバの評価では、マルチモード光ファイバとモード励振装置とを結合する際の位置合わせが容易ではあるものの、モード数が数百から数万におよび、モード毎に切り分けて評価することは事実上不可能であり、全モードを一様に励振して一括して全体の傾向を評価しているため、その評価結果の再現性は全てのモード励振装置の性能に影響を受け、シングルモードほどには良好でない。なお、モード励振装置、特に帯域測定用ダミーファイバに使用される光ファイバについては、SIファイバとGIファイバとを順次組み合わせて接続したSGS(Step Graded Step)ファイバが標準的な構成として知られている。
JIS C6823「光ファイバ損失試験方法」 JIS C6824「マルチモード光ファイバ帯域試験方法」
上述したように、マルチモード光ファイバの評価は、評価結果がモードの影響を受けやすく、モード励振装置の性能を向上する必要がある。具体的には励振されたモードの状態を安定して維持することが必要である。従来のSGSファイバの構成では、そのファイバの長さがメートル単位の長さが必要であり、大型になるという短所と、大型になったことによる外乱の影響、例えばファイバに触れることによる側圧の影響や、SIファイバやGIファイバの接続点のずれなどによって、励振されたモードが安定しないことがあった。
また、SGSファイバの構成をとることで全てのモード励振が達成できたとしても、それ以外の様々なモード励振状態を自由に作り上げることはSGSファイバの構成では困難である。本発明では、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、モード励振装置の欠点を解決することにより、従来より安定する高次モード励振装置及びその製造方法を提供する。
本発明に係る高次モード励振装置の第1の態様は、光ファイバーのコアとクラッドの等価屈折率差Δが1%以上であり、使用波長による光導波モードがマルチモードであり、該光ファイバーの曲げ半径が2mm以下である光導波路であることを特徴とする高次モード励振装置である。
これによって、大型になるという短所と、大型になったことによる外乱の影響、例えばファイバに触れることによる側圧の影響や、SIファイバやGIファイバの接続点のずれなどによって、励振されたモードが安定しないという状態が解消される。なお、等価屈折率差とは、コアとなる部分の最大屈折率と、実効的にクラッドとなる部分の屈折率との屈折率差のことをいう。また、光ファイバの屈折率プロファイルは、単峰型プロファイルや、W型プロファイル等、特に限定されるものではない。
本発明に係る高次モード励振装置の第2の態様は、光導波路は、加熱により曲げ加工された光導波路であることを特徴とする高次モード励振装置である。
本発明に係る高次モード励振装置の第3の態様は、光導波路は、機械的な力により曲げ加工された光導波路であることを特徴とする高次モード励振装置である。
これによって、光導波路がプラスチックファイバなどであれば、機械的な力によって曲げ加工が可能となる。
本発明に係る高次モード励振装置の第4の態様は、曲げ加工された部分が、高次モード励振装置の曲げ半径を固定する部材に固定されることを特徴とする高次モード励振装置である。
これによって、曲げ加工された高次モード励振装置が補強されることとなり、破損などの損害を減らすことが可能となる。
本発明に係る高次モード励振装置の第5の態様は、高次モード励振装置の曲げ半径を固定する部材が直方体であることを特徴とする高次モード励振装置である。
本発明に係る高次モード励振装置の第6の態様は、光導波路の接続部品に対する位置決め機構を有することを特徴とする高次モード励振装置である。
これによって、MTコネクタなどの他の周辺機器と接合が可能となり、高次モード励振装置の使用範囲を拡張することが可能である。
本発明に係る高次モード励振装置の第7の態様は、位置決め機構は、ガイド溝であることを特徴とする高次モード励振装置である。
これによって、ガイドピンを有する周辺機器と接合が可能となり、高次モード励振装置の使用範囲を拡張することが可能である。
本発明に係る高次モード励振装置の第8の態様は、上述した高次モード励振装置の曲げ半径を固定する部材に、複数本の光導波路がアレイ状に並べられ並びに前記位置決め機構を備えた部材に固定されていることを特徴とする高次モード励振装置である。これによって、複数本の光を伝播することが可能である。
本発明に係る高次モード励振装置の製造方法の第1の態様は、高次モード励振装置の所望部分を加熱し、高次モード励振装置の前記部分の加工歪を開放し、加工歪を開放した前記部分を所定の曲げ半径に曲げ、所定の曲げ半径に曲げた状態で前記高次モード励振装置の前記部分を加工して歪を与えることを特徴とする高次モード励振装置の製造方法である。
本発明に係る高次モード励振装置の製造方法の第2の態様は、曲げ半径が、1.5mmから2mmの範囲内であることを特徴とする高次モード励振装置の製造方法である。
本発明の高次モード励振装置により、大型になるという短所と、大型になったことによる外乱の影響、例えばファイバに触れることによる側圧の影響や、SIファイバやGIファイバとの接続点のずれなどによって、励振されたモードが安定しないことが解消された。
したがって、励振されたモードの状態を安定して維持することができ、マルチモード光ファイバの評価が従来より良好となった。
また、本発明に係る高次モード励振装置により、容易にモード励振装置の端面が所望の位置にくるように位置決めでき、エミッタ面(半導体レーザアレイ等の発光素子に備えられる1以上の発光点)からの出力光をモード励振装置に結合することができる。このようにモード励振装置アレイは、半導体レーザアレイを用いた光部品等に利用することができる。
以下、本発明の実施形態について、図1から図8を参照して、詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における高次モード励振装置を示す斜視図である。図1に示す高次モード励振装置は、コア径が62.5μmであり、屈折率差Δが2%である2乗型屈折率分布を持った石英系GIマルチモードファイバである。なお、曲げ半径Rは、1.5mmである。この曲げ加工は、高次モード励振装置のガラス部分をガスバーナにより外部から約1300℃で5秒〜1分間加熱することにより高温(屈曲点以上軟化点以下)にした状態で、約90度に屈曲させて作成したものである。
この高次モード励振装置の曲げ部分は高温状態で曲げられ、曲げられた状態で常温環境に持っていかれるので、曲げることによる歪はない。すなわち、曲げた状態が初期状態となるように加工したものである。
高次モード励振装置は加工後に加工された状態を曲げ状態とすることで、歪が発生せず破断しないのである。ただし、この曲げ部分を、直線状に戻す場合には歪が発生し、破断に至る。結局は、初期の歪開放状態が直線状態であるか、曲げ状態であるかを選択することで、所望の形を作成する場合の歪による破断を回避することができるのである。
なお、この曲げ加工を行う際に、高次モード励振装置の所望部分を加熱する方法はガスバーナーによる加熱、アーク放電による加熱、炉による加熱など、どんな手段であっても構わず、趣旨は加熱と同時に曲げることで加工歪を開放しながら、曲げ加工することである。
さらに、図1に示す高次モード励振装置の加工前と加工後のモード形態について図2及び図3を参照して詳細に説明する。
図2は、図1に示すモード励振装置の加工前のモードパターンを示す図である。図2に示すとおり、曲げ加工前のモードパターンは、低次モードが励振されたモードパターンであることがわかる。一方、図3は、図1に示すモード励振装置の加工後のモードパターンを示す図である。図3に示すとおり、曲げ加工後の高次モード励振装置は、図2に示すモードパターンと異なり、高次モードが励振された状態となっている。
この高次モード励振状態は、曲げ部分の大きさは数mm程度と非常に小さい。また、例えばファイバに触れることによる側圧の影響や、SIファイバやGIファイバの接続点のずれなどによって励振されたモードが安定しないという外乱の影響を受けにくく、励振されたモードはSGSファイバなどの励振に比較して非常に安定性がよい。
さらに、本発明の高次モード励振装置を使用し、JIS C6824「マルチモード光ファイバ帯域試験方法」による伝送帯域試験について詳細に説明する。
図4は、本発明の高次モード励振装置を使用した伝送帯域測定装置の模式図である。図4に示すとおり、伝送帯域測定装置は、トラッキングジェネレータ15と、光源9と、高次モード励振装置1と、被測定用光ファイバ21と、検出器19とスペクトラムアナライザ17とから構成される。
光源9に接続されたトラッキングジェネレータ15は後述するスペクトラムアナライザ17の掃引周波数に同調した周波数成分をもつ信号を出力する。光源9はトラッキングジェネレータ15から出力される電気信号を光信号へ変換する変換器(以下、E/O変換器という)である。そして、本発明の高次モード励振装置1は、一端が光源9に接続されている。
また、検出器19は光信号を電気信号に変換する変換器(以下、O/E変換器という)であり、その一端がスペクトラムアナライザ17に接続されている。スペクトラムアナライザ17は、検出器19から送信された電気信号を各周波数帯域ごとに振幅を計測・表示する装置である。そして、被測定光ファイバ21のそれぞれの一端は、上述した本発明の高次モード励振装置1と検出器19とによって接続されている。
続いて、本発明である高次モード励振装置を使用した伝送帯域試験装置での測定手順について詳細に説明する。
まず、作業者はトラッキングジェネレータ15からの周波数掃引信号をE/O変換器により光強度変調し、被測定光ファイバ21に入射する。光ファイバを伝播した後の光の変調信号振幅特性Aをスペクトラムアナライザ17により測定する。
次に、高次モード励振装置1の近傍で被測定光ファイバ21を切断し、高次モード励振装置1からの長さを約2mの被測定光ファイバ21とする。そして、切断された側の被測定光ファイバ21をO/E変換器に接続する。その後、作業者は再度、光ファイバ21を伝播した後の光の変調信号振幅特性Aをスペクトラムアナライザ17により測定する。
光の変調信号振幅特性AとAの差により光ファイバ自身のベースバンド周波数特性αを求める。減衰量αにおいて直流での受信レベルを基準として減衰量が6dBになる周波数を伝送帯域fclとする。1km長での伝送帯域fはf=fcl×Lγにより換算し求める。なお、Lは光ファイバ長であり、γは距離換算係数である。
上述した伝送帯域測定装置において、本発明の高次モード励振装置を使用した結果、励振されたモードの状態を安定して維持することができ、マルチモード光ファイバの評価が従来より良好となった。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態における高次モード励振装置を示す斜視図である。なお、図1に示されるモード励振装置の各部と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
図5に示す高次モード励振装置1は、高次モード励振装置1の曲げ半径を変化させないようにするため、固定部材3に固定するものである。固定部材3は、樹脂などで形成される直方体の形状を有する固定部材3を使用する。また、固定部材3の長手方向の概ね中心部であって、その角部に高次モード励振装置1を配置するための溝部5が形成される。
本発明である高次モード励振装置1は、溝部5の形状に沿うように当該溝部5に収容される。収容後、当該溝部5に接着剤などを流しこみ、高次モード励振装置1が固定部材3と分離しないように、また、溝部5の中で高次モード励振装置1が位置ずれしないように固定化する。
なお、図5に示す高次モード励振装置1の特性は、第1実施形態に示す高次モード励振装置と同様、コア径が62.5μmであり、コアとクラッドとの屈折率差Δが2%である2乗型屈折率分布を持った石英系GIマルチモードファイバである。また、高次モード励振装置1の曲げ半径Rは、1.5mmである。
本実施形態により、高次モード励振装置1の曲げ部を固定部材3の溝部5へ収納すること、および高次モード励振装置1の曲げ部を固定部材3に固定化することにより第1実施形態と比較して、安定化を図ることが実現できた。また、図3に示すとおり、曲げ加工後の高次モード励振装置は、曲げがない状態のモードパターンと異なり、高次モードが励振された状態となっている。
本実施形態においても、高次モード励振状態は、曲げ部分の大きさが数mm程度と非常に小さい。また、例えばファイバに触れることによる側圧の影響や、SIファイバやGIファイバの接続点のずれなどによって励振されたモードが安定しないという外乱の影響を受けにくく、励振されたモードはSGSファイバなどの励振に比較して非常に安定性がよい。
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態におけるモード励振装置を示す斜視図である。なお、図5に示されるモード励振装置の各部と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
図6に示すモード励振装置2は、第2実施形態と同様に溝部5の形状に沿うように当該溝部5に収容される。収容後、当該溝部5に接着剤などを流しこみ、高次モード励振装置2が固定部材3と分離しないように、また、溝部5の中で高次モード励振装置2がずれないように固定化する。
なお、図5に示す高次モード励振装置2の特性は、第1実施形態に示す高次モード励振装置1の特性と異なり、コア径が120μmであり、コアとクラッドとの屈折率差Δが2%である有機材料を用いたプラスチックファイバである。また、高次モード励振装置2の曲げ半径Rは、2mmである。
プラスチックファイバは、同一の構造を有する石英系のファイバと比較して、製造および加工が容易であること及び低価格であること等の利点があり、近年、光ファイバ及び光レンズなどの種々の応用が試みられている。なかでも、プラスチック光ファイバは、素線が全てプラスチックで構成されているため、伝送損失が石英系と比較してやや大きいという短所を有するものの、良好な可撓性を有し、軽量で加工性に優れるため、石英系光ファイバと比較して口径の大きなファイバを製造しやすい。さらに、低コストに製造可能である長所を有する。従って、伝送損失の大きさが問題とならない程度の短距離用の光通信伝送媒体として種々検討されている。
プラスチック光ファイバは、ポリマーなどからなるコアと、コアより低屈折率のポリマーなどからなるクラッドとから形成された光ファイバ母材(以下、プリフォームと称する)を引き伸ばすことにより製造される。特に、中心から外側に向かって屈折率の分布を有するコアを備えたGI型ファイバは、伝送する光信号の帯域を大きくすることが可能なため、高い伝送容量を有する。このようなプラスチック光ファイバの製造方法は、クラッドを回転重合法により製造し、その中にコアを形成する。
上述したプラスチック光ファイバの原料プラスチックには、ポリメタクリル酸エステルの一種であるポリメタクリル酸メチル(以下、PMMAと称する)がよく用いられている。PMMAは、有機系ポリマーのなかでは優れた透明性と低屈折率とを有するなど、極めて光学特性に優れた材料であるからである。その特徴として(1)透明性に優れている、(2)複屈折率が低い、(3)耐候性に優れている、(4)成形性に優れている、(5)バランスした力学的特性を有する、などが挙げられる。
本実施形態では、石英系GIマルチモードファイバの代わりにプラスチックファイバを用いたことで、第1実施形態及び第2実施形態のように高次モード励振装置を曲げ加工する際に、ガスバーナなどによる熱加工を必要としない。したがって、プラスチックファイバであれば、機械的に曲げることが可能である。
(第4実施形態)
図7は、本発明の第4実施形態における高次モード励振装置を示す斜視図である。なお、図5に示される高次モード励振装置の各部と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
図7に示す高次モード励振装置は、第2実施形態と同様、高次モード励振装置1の曲げ径が変化しないようにするため、固定部材3に固定するものである。固定部材3は、樹脂などで形成される直方体の形状を有する固定部材3を使用し、当該固定部材3の長手方向の概ね中心部であって、その角部には所定の深さを有し、高次モード励振装置1を収容する溝部5が配置される。
本実施形態では、高次モード励振装置1の曲げ方向が、溝部5の開口部と反対方向に向けて固定部材3の溝部5に収容される。すなわち、収容された高次モード励振装置1のうち、曲げ方向に伸びる部分が固定部材の所定の面を突き抜けると、当該部分はその面に沿って切断される。
この時、切断した面を0度として、研磨面は約4度の傾きを持たせて研磨する。この傾きは、相対向する接続部品をガイド溝によって位置決めして接続した場合に、接続部での光パワーの反射減衰量を低減させるためである。収容後、当該溝部5に接着剤などを流しこみ、高次モード励振装置1が固定部材3と分離しないように、また、溝部5の中で高次モード励振装置1がずれないように固定化する。
さらに、固定部材3の前記所定の面に2つのガイド溝7を有する。ガイド溝7は高次モード励振装置1の曲げ方向の切断面を挟むように同一の面に配置される。このガイド溝7は、一般のMTコネクタなどのガイドピンが挿入される円形の溝であり、当該ガイド溝7を設けることによって、ガイドピンを有する周辺機器との接続が可能となる。
なお、図7に示す高次モード励振装置1の特性は、第1実施形態に示す高次モード励振装置と同様、コア径が62.5μmであり、コアとクラッドとの屈折率差Δが2%である2乗型屈折率分布を持った石英系GIマルチモードファイバである。また、高次モード励振装置1の曲げ半径Rは、1.5mmである。
本実施形態では、高次モード励振装置1にガイド溝7を設けることで、MTコネクタなどと接続が可能となる。
(第5実施形態)
図8は、本発明の第5実施形態における高次モード励振装置を示す斜視図である。図5に示される高次モード励振装置の各部と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
図8に示す高次モード励振装置は、第4実施形態と同様、高次モード励振装置1の曲げ径が変化しないようにするため、固定部材3に固定するものである。固定部材3は、樹脂などで形成される直方体の形状を有する固定部材3を使用し、固定部材3の長手方向の概ね中心部であって、その角部に所定の深さを有する4つの溝部5が並んで配置される。すなわち、高次モード励振装置がアレイ化されたものである。
本実施形態では、高次モード励振装置1の曲げ方向が、所定の間隔で設けられた4つの溝部5の開口部と反対方向に向けて固定部材3の溝部5に収容される。すなわち、収容された高次モード励振装置1のうち、曲げ方向に伸びる部分が固定部材3の所定の面を突き抜けると、当該部分はその面に沿って切断される。なお、当該溝部5は4つに限定されることはなく、1つ以上の溝部5が設けられていればよい。
例えば、1以上の発光点(以下、エミッタ面とも言う。)を有する半導体レーザアレイ等の発光素子の各エミッタ面に高次モード励振装置1の端面が対向するように高次モード励振装置1が配置された構成の半導体レーザアレイモジュールにおいて、エミッタ間隔と等しい間隔を配して位置決め溝が設けられ、この位置決め溝に光ファイバが収容、固定された高次モード励振装置アレイが用いられる。
この時、第4実施形態と同様、切断した面を0度として、研磨面は約4度の傾きを持たせて研磨する。この傾きは、相対向する接続部品をガイド溝7によって位置決めして接続した場合に、接続部での光パワーの反射減衰量を低減させるためである。収容後、当該溝部5に接着剤を流しこみ、高次モード励振装置1が固定部材3と分離しないように、また、溝部5の中で高次モード励振装置1がずれないように固定化する。
さらに、固定部材3の前記所定の面に2つのガイド溝7を有する。ガイド溝7は、高次モード励振装置1の曲げ方向の切断部を挟むように配置される。このガイド溝7は、一般のMTコネクタなどのガイドピンが挿入される溝である。
本実施形態では、1本の石英系マルチモードファイバを固定部材3に固定した第4実施形態に対し、4本の石英系マルチモードファイバをアレイ状に固定部材3に固定する実施形態である。4本の石英系マルチモードファイバは、外側からコア径が50μmであり、コアとクラッドとの屈折率差Δが1.5%の2乗型屈折率分布を持った石英系マルチモードファイバと、コア径が50μmであり、屈折率差Δが2%の2乗型屈折率分布を持った石英系マルチモードファイバと、コア径が62.5μmであり、屈折率差Δが1.5%の2乗型屈折率分布を持った石英系マルチモードファイバと、コア径が62.5μmであり、屈折率差Δが2%である2乗型屈折率分布を持った石英系GIマルチモードファイバである。また、高次モード励振装置1の曲げ半径Rは4本ともすべてが、1.5mmである。したがって、一括した4種類のモード励振状態を入射できるコネクタとなっている。
なお、コアとクラッドとの屈折率差Δを1%以上と規定したのは、1%以下では曲げ加工による光のエネルギー損失が大きく、高次モード励振されても光パワーが小さくなり、評価に使えなくなる可能性がある為であり、曲げ径を2mm以下としたのは、効率良く高次モードを励振させるためには2mm以下の小さな曲げ部分が必要であるためである。
また、第5実施形態では、コアとクラッドとの屈折率差Δと高次モード励振装置の曲げ径の幾つかの組み合わせだけを取り上げているが、この範囲の組み合わせであれば本発明の目標を達成できる。コア径も代表的な50μm、62.5μm、120μmという3種類を取り上げたが、コア径は使用する導波路により適宜選択されるものであり、これらの3つに限定されるものではない。また、高次モード励振装置1の数についても限定されるものではない。
高次モード励振装置アレイを用いることによって、容易に高次モード励振装置の端面が所望の位置にくるように位置決めでき、エミッタ面からの出力光をモード励振装置に結合することができる。このように高次モード励振装置アレイは、半導体レーザアレイを用いた光部品等に利用することができる
さらに、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。例えば、第1実施形態で説明したJIS C6824「マルチモード光ファイバ帯域試験方法」による帯域試験は、第2実施形態から第5実施形態においても実施することが可能である。
本発明の高次モード励振装置により、高次モード励振装置が大型になるという短所と、大型になったことによる外乱の影響、例えば光ファイバに触れることによる側圧の影響や、SIファイバやGIファイバとの接続点のずれなどによって、励振されたモードが安定しないことが解消することが可能となる。
さらに、高次モード励振装置を発明することにより、容易にモード励振装置の端面が所望の位置にくるように位置決めでき、エミッタ面からの出力光をモード励振装置に結合することができる。このようにモード励振装置アレイは、半導体レーザアレイを用いた光部品等に利用することができ、産業上の利用可能性が高い。
図1は、第1実施形態における高次モード励振装置を示す概念図である。 図2は、図1に示す高次モード励振装置の加工前のモードパターンを示す図である。 図3は、図1に示す高次モード励振装置の加工後のモードパターンを示す図である。 図4は、伝送帯域測定装置の模式図である。 図5は、第2実施形態における高次モード励振装置を示す概念図である。 図6は、第3実施形態における高次モード励振装置を示す概念図である。 図7は、第4実施形態における高次モード励振装置を示す概念図である。 図8は、第5実施形態における高次モード励振装置を示す概念図である。 図9は、カットバック法により光ファイバを光損失を測定する概念図である。
符号の説明
1、2、11 高次モード励振装置
3 固定部材
5 溝部
7 ガイド溝
9 光源
12、21 被測定光ファイバ
13 測定装置
15 トラッキングジェネレータ
17 スペクトラムアナライザ
19 検出器

Claims (10)

  1. 光ファイバーのコアとクラッドの等価屈折率差Δが1%以上であり、使用波長による光導波モードがマルチモードであり、該光ファイバーの曲げ半径が2mm以下である光導波路であることを特徴とする、高次モード励振装置。
  2. 前記光導波路は、加熱により曲げ加工された光導波路であることを特徴とする、請求項1に記載の高次モード励振装置。
  3. 前記光導波路は、機械的な力により曲げ加工された光導波路であることを特徴とする、請求項1に記載の高次モード励振装置。
  4. 前記曲げ加工された部分が、高次モード励振装置の曲げ半径を固定する部材に固定されることを特徴とする、請求項2または3に記載の高次モード励振装置。
  5. 前記部材が、直方体であることを特徴とする、請求項2から4のいずれか1項に記載の高次モード励振装置。
  6. 前記部材は、光導波路の接続部品に対する位置決め機構を有することを特徴とする、請求項4又は5に記載の高次モード励振装置。
  7. 前記位置決め機構は、ガイド溝であることを特徴とする、請求項5に記載の高次モード励振装置。
  8. 前記高次モード励振装置の曲げ半径を固定する部材に、複数本の光導波路がアレイ状に並べられ並びに前記位置決め機構を備えた部材に固定されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の高次モード励振装置。
  9. 高次モード励振装置の所望部分を加熱し、
    前記高次モード励振装置の前記部分の加工歪を開放し、
    加工歪を開放した前記部分を所定の曲げ半径に曲げ、
    所定の曲げ半径に曲げた状態で前記高次モード励振装置の前記部分を加工して歪を与えることを特徴とする高次モード励振装置の製造方法。
  10. 前記曲げ半径が、1.5mmから2mmの範囲内であることを特徴とする、請求項9に記載の高次モード励振装置の製造方法。
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