JP2006292714A - 多孔体の酸素拡散係数測定装置 - Google Patents

多孔体の酸素拡散係数測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】多孔体内に液水が存在するような条件下であっても、多孔体における酸素の拡散係数を簡便に測定し得る酸素拡散係数測定装置を提供すること。
【解決手段】酸素拡散係数測定装置は、混合気タンク10と、ガルバニ式酸素濃度センサ20と、酸素濃度センサ20を収容する透過気タンク30とを備え、温度と湿度を制御可能な恒温槽50に収容される。混合気タンク10には、酸素濃度が既知の酸素混合気体が充填される。酸素濃度センサ20は、カソード22とアノード24を有し、電解液26が充填され、カソード22には酸素交換膜28が被覆される。
多孔体100は、混合気タンク10のキャップ11と、透過気タンク30のキャップ21にホルダ110を装着し、酸素拡散係数測定装置にセットされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸素拡散係数測定装置に係り、更に詳細には、多孔体用の酸素拡散係数測定装置に関する。
従来、多孔体の細孔内における酸素などのガスの拡散係数の測定方法としては、多孔体を収容したセル中のガスに周期的容積変動を付与してガスの容積変動と圧力変動との位相差及び振幅を検出し、この位相差それぞれの振幅を求め、これらのデータを基に拡散理論式から求めたシミュレーション式に従って算出する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭61−205843号公報
しかしながら、かかる従来の多孔体におけるガス拡散係数測定方法においては、測定条件を−193℃〜30℃、3〜2Torrとすることが望ましく、更には圧力及び容積の変動を伴う測定法なので、多孔体内に液水が存在するような条件下にあっては実施が極めて困難であるという問題があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多孔体内に液水が存在するような条件下であっても、多孔体における酸素の拡散係数を簡便に測定し得る酸素拡散係数測定装置を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、相互にほぼ平行な少なくとも1対の面を有する多孔体の一方の面を酸素濃度が既知の酸素混合気体に曝し、他方の面を酸素濃度センサに配向させ、両面間を透過した酸素量や多孔体の厚さ等に着目することなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の酸素拡散係数測定装置は、相互にほぼ平行な少なくとも1対の面を有する多孔体における酸素拡散係数を測定する装置である。
本装置は、酸素濃度既知の酸素混合気体を収容する混合気室と、酸素濃度センサと、この酸素濃度センサ収容する透過室と、透過酸素量測定手段とを備えるもので、
上記多孔体の少なくとも1対の面のうちの一方の面が上記混合気室内に曝され、他方の面が上記透過室に曝されて配置され、且つ上記混合気室と上記透過室とは上記多孔体を介して連通している、ことを特徴とする。
また、本発明の酸素拡散係数測定装置の好適形態は、上記多孔体が円板状をなし、上記ガルバニ式酸素濃度センサが、この円板状多孔体と対向する対向センサと、この対向センサを包囲する周辺センサとに分割されていることを特徴とする。
更に、本発明の酸素拡散係数測定装置の他の好適形態は、上記酸素濃度センサがガルバニ式酸素濃度センサであり、このガルバニ式酸素濃度センサのカソードが、酸素透過膜を介して上記多孔体の他方の面と対向して配置され、且つ対応するアノードに対して下方に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、相互にほぼ平行な少なくとも1対の面を有する多孔体の一方の面を酸素濃度が既知の酸素混合気体に曝し、他方の面を酸素濃度センサに配向させ、両面間を透過した酸素量や多孔体の厚さ等に着目することなどとしたため、多孔体内に液水が存在するような条件下であっても、多孔体における酸素の拡散係数を簡便に測定し得る酸素拡散係数測定装置を提供することができる。
以下、本発明の酸素拡散係数測定装置につき詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明の酸素拡散係数測定装置は、相互にほぼ平行な少なくとも1対の面を有する多孔体における酸素拡散係数を測定する装置であり、酸素濃度既知の酸素混合気体を収容する混合気室と、酸素濃度センサと、この酸素濃度センサを収容した透過室を備える。
ここで、測定対象物である多孔体は、セラミックスや樹脂、金属等の材質には限定されないが、形状的には、相互にほぼ平行な面同士を1対以上有するものであることを要し、本発明では、かかる平行な2面間を透過する酸素量に着目するものである。
なお、「ほぼ平行」とは、本発明に係る酸素濃度測定に影響を及ぼさない程度に平行で無い場合をも包含する意である。
具体的には、表面と裏面とがほぼ平行をなす板状多孔体や円板状多孔体、頂面と底面とがほぼ平行をなす柱状多孔体や円柱状多孔体を挙げることができる。
本発明では、液水を保持している多孔体であってもよく、このような多孔体であっても酸素拡散係数を簡易且つ良好な精度で測定することができる。
よって、本発明によれば、水分を含むことが多い燃料電池のガス拡散層や触媒層であっても、その酸素拡散係数を簡易且つ良好な精度で測定することができる。
なお、本発明の酸素拡散係数測定装置を用いて多孔体の酸素拡散係数を測定するに際しては、多孔体のほぼ平行な2面間の距離、典型的には厚さ、を予め測定しておくことが望ましい。
また、混合気室としては、気密性を有し酸素混合気体を保持できればよく、特に限定されるものではないが、測定時に多孔体を保持するホルダを装着できるものであることが望ましい。
同様に、透過室も気密性を有し、酸素濃度センサを収容できれば十分であるが、測定時に多孔体を保持するホルダを装着できるものであることが好ましく、本発明において、透過室と混合気室とは多孔体を介して連通が図られることになる。
また、透過室に収容する酸素濃度センサとしては、酸素濃度を測定できれば十分であるが、いわゆるガルバニ式の酸素濃度センサを好適に使用することができる。
このようなガルバニ式酸素濃度センサを用いれば、多孔体を介して透過してきた酸素を吸収できるとともに、その透過量と濃度が測定できる。
更に、多孔体を介して混合気室から透過してきた酸素混合気体の酸素濃度(既知)と、ガルバニ式酸素濃度センサが検出した酸素透過量と濃度より、多孔体の一方の面と他方の面における酸素濃度(又は分圧)差を算出できる。
なお、本発明においては、透過室に各種の脱酸素材を収容することができ、この場合、脱酸素材を酸素濃度センサに組み込んでもよいし、別体で配置してもよい。
測定対象である多孔体の酸素拡散係数が比較的大きい場合には、透過室に相当量の酸素が充填されることになるが、このような脱酸素材を用いれば、拡散係数測定に必要のない余剰の酸素を除去し易くなる。
また、脱酸素材としては、有機カルボン酸などを挙げることができ、これらは単独又は任意に組み合わせて用いることができる。
また、本発明においては、混合気室に酸素変化量測定手段を設けてもよく、かかる酸素変化量測定手段としては、上述した酸素濃度既知の酸素混合気体の酸素量変化を検出できれば特に限定されるものではなく、上記の混合気室に気体体積の増減を計測するゲージや、酸素濃度の増減を計測するセンサなどを設けてもよい。
以下、本発明を図面を参照して若干の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、説明の便宜上、板状多孔体などの一方の面を「表面」、他方の面を「裏面」と称することがあるが、これらは相互に等価な部位であり、これらの名称を置換したものも本発明の範囲に含まれる。
(実施例1)
図1は、本発明の酸素拡散係数測定装置の一実施例を示す断面図である。
同図において、この酸素拡散係数測定装置は、混合気室の一例である混合気タンク10と、酸素濃度センサの一例であるガルバニ式酸素濃度センサ20と、この酸素濃度センサ20を収容する透過気室の一例である透過気タンク30とを備え、この装置全体が温度と湿度を制御可能な恒温槽50に収容されている。
混合気タンク10には、酸素濃度が既知の酸素混合気体、例えば空気が充填されており、その上部には、酸素混合気体の混合気タンク10から透過気タンク30への移動量(透過量)を検出し、酸素透過量の算出に供される透過量ゲージ40が設置されている。
なお、酸素混合気体の透過量は、例えば、スケールを付した透明チューブに石鹸水膜42を形成し、この膜42の移動量によって検出することができる。
一方、透過気タンク30に収容されている酸素濃度センサ20は、金(Au)製のカソード22と鉛(Pb)製のアノード24を有し、電解液26としての水酸化カリウム(KOH)を充填されており、更にカソード22には酸素透過膜の一例である酸素交換膜28が被覆されている。
なお、本実施例では、カソード及びアノードでそれぞれ下記の還元反応及び酸化反応が起こる。
[カソード:還元反応]
+2HO+4e→4OH
[アノード:酸化反応]
2Pb→2Pb2++4e
2Pb2++4OH→2Pb(OH)
2Pb(OH)+KOH→2KHPbO+2H
本実施例において、測定対象物である多孔体100は、厚さδの円板状をなしており、ホルダ110に保持され、混合気タンク10の底面中央部のキャップ11と、透過気タンク30の頂面中央部のキャップ21にホルダ110を装着することにより、この酸素拡散係数測定装置にセットされている(図1(B)参照。)。
この状態において、多孔体100は、その表面102を混合気タンク10内に曝し、且つその裏面104を透過気タンク20内に曝している。なお、キャップ11,21と多孔体100の周縁部との間には、Oリング120が装着され、これらの間の気密性が保たれている。よって、本実施例において、混合気タンク10と透過気タンク20とは、多孔体100を介して連通していることになる。
本実施例において、酸素濃度既知の酸素混合気体(図示せず)は、混合気タンク10から多孔体100を経由して透過気タンク30に透過し、その酸素透過量と透過後の酸素濃度が酸素濃度センサ20によって測定されるとともに、その透過酸素量は透過量ゲージ40によっても測定・算出される。
そして、多孔体100の厚さδと、混合気タンク内の酸素混合気体の酸素濃度が既知なので、当該酸素混合気体の多孔体100における酸素拡散係数D[m/s]は、次式(1)を応用することによって算出される。
D=m・Δx/ΔC…(1)
(式中のmは質量流束[kg/m・s]、Δx(=多孔体厚さδ)は流れ方向距離[m]、ΔCは質量濃度差(kg/m)を示す。)
なお、ガルバニ式酸素濃度センサでは、カソードとアノード間に発生する電流と、供給される酸素に次式(2)の関係が成立し、発生電流は酸素分圧に比例する。
i=N・F・A・(p/b)・P…(2)
(式中のiは定常電流値[μA]、Nは酸化還元の電子数、Fはファラデー定数(96486[C/mol]、Aはカソード面積[cm]、pは透過係数、bは酸素透過膜の厚さ[cm]、Pは気体中の酸素分圧[atm]を示す。)
本実施例の酸素拡散係数測定装置は、恒温槽50内に設置されており、温度を一定にしてその温度における飽和条件近傍の湿度に保持することができるため、多孔体100の周囲条件、特に多孔体に含まれる液水の状態を一定に維持することが可能であり、より精度の高い酸素拡散係数の計測が可能となる。
なお、本実施例の酸素拡散係数測定装置において、多孔体100と酸素交換膜28との対向部位、即ち多孔体100の裏面104と酸素交換膜28の表面とは、その形状を一致させることが好ましく、これにより、測定精度を向上することができる。
また、図1(C)に示すように、多孔体100と酸素交換膜28とを接触させて、酸素交換膜28と多孔体100との空間Gを排除することが可能であり、かかる構成を採用することによって、この空間Gに生ずる可能性のある濃度分布を排除することができ、測定精度をいっそう向上させることが可能となる。
(実施例2)
図2は、本発明の酸素拡散係数測定装置の他の実施例を示す断面図である。以下、上述の場合と実質的に同一の部材・要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施例の測定装置は、多孔体100の裏面面積が、酸素濃度センサ20のカソード22の表面面積よりもかなり小さい場合の測定に有用である。
即ち、このような場合、多孔体100とカソード22を被覆した酸素交換膜28との空間Gが広くなるため、空間Gにおける酸素濃度分布が大きくなり易く、従って、酸素濃度センサ20が検出する酸素濃度と多孔体裏面における酸素濃度とが乖離し易く、測定される拡散係数の精度が低下することがある。
これに対し、本実施例では、酸素濃度センサを、多孔体100の裏面とほぼ同じ面積で且つ対向する対向センサ20cと、その周辺を包囲する周辺センサ20sとに分割してある。なお、図2(B)は、酸素濃度センサを図2(A)のa方向から見た平面図である。
かかる構成を採用し、対向センサ20cから多孔体裏面104の酸素濃度を検出し、対向センサ20cと周辺センサ20sにおける酸素透過量の合計を多孔体100を透過した酸素量として求めることにより、より精度の良好な酸素拡散係数の測定を行うことができるようになる。
なお、対向センサの酸素透過膜と周辺センサの酸素透過膜とが同じ高さに位置する場合には、図3に示すように、両者の酸素透過膜を一体化して1枚の薄膜で賄うことができ、部品点数を削減することができる。
図3(A)は、図3(B)に示す酸素透過膜28の平面図であるが、多孔体100に対向する領域と他の領域(周辺領域)とは、環状の酸素不透過部29で区画されている。
かかる酸素不透過部は、例えば、多孔体の空孔にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を充填したもの(気体を透過させないもの)などにより形成することができる。
なお、図2(C)に示した変形例においては、対向センサ20cが周辺センサ20sに比し、多孔体100側に突設されている。
かかる構成を採用し、対向センサ20cの突出寸法を適切に選定することにより、周辺センサ20sへの拡散律速による酸素吸収量の低下を抑制できるとともに、多孔体裏面104における酸素濃度計測の精度向上を実現できる。
(実施例3)
図4に本発明の酸素拡散係数測定装置の更に他の実施例を示す。
本実施例の酸素拡散係数測定装置は、実施例2に示した拡散係数測定装置において、周辺センサの代わりに、有機カルボン酸等から成る脱酸素材60を配設したものである。
このような構成を採用すれば、拡散係数が比較的大きな多孔体を測定する際、対向センサ20cの酸素吸収量を補うのに有効である。
通常、上記脱酸素材60は、図5に示すように板状に加工したものを用いる。なお、図5(A)に示すものは、透過気タンクが直方体状をなしている。
この場合、対向センサとしては、多孔体100と脱酸素材60との空間の大きさに応じて、脱酸素材60に挿入する形式(図5(A))と、上記空間に配置する形式(図5(B)の2タイプが使用可能である。
(実施例4)
図6は、従来のガルバニ式酸素濃度センサと、本発明の拡散係数測定装置に用いるガルバニ式酸素濃度センサを部分的に示す断面図である。
図6(A)に示すように、従来のガルバニ式酸素濃度センサは、酸素透過膜28と電極、特にカソード22とが別体で形成されており、これらの形状はその間に形成される電解液膜26の厚さを保持すべく凸形状となっている。なお、符号70は圧力制御ダイアフラム、122はOリングであり、図6(B)は図6(A)の部分拡大断面図である。
このような従来の酸素濃度センサにおいて、上述のような凸形状は、上記多孔体と酸素透過膜との空間を小さく形成する点において障害となることがある。
本発明においては、図6(C)に示すように、気孔28pを有する酸素透過膜28に、カソード材料の一例であるAuを蒸着してAu薄膜22aを有する薄膜電極を形成することが可能であり、このような薄膜電極を備えるガルバニ式酸素濃度センサを、上述の如き拡散係数測定装置に用いることによって、上記多孔体と酸素透過膜との空間を小さくすることができ、装置自体をコンパクト化することができる。
(実施例5)
図7に、本発明の酸素拡散係数測定装置の他の実施例を示す。
本例においては、混合気タンク10と透過気タンク30の配置が実施例1の場合とは逆転しており、実施例1の測定装置を倒立させたような構成を有している。
また、カソード22は、酸素交換膜28を介して多孔体100と対向する位置に設置されているとともに、アノード24に対して下方に設置されている。
酸素拡散係数測定を行う際、ガルバニ式酸素濃度センサを用いると、従来の酸素センサと比較して極めて多量の酸素が透過して還元反応が行われるので、酸素交換膜28とカソード22との間に存在する電解液26に液水を供給することが望ましい。
また、このような測定装置を設置する際やその稼働時においては、酸素交換膜28とカソードとの間の電解液に、透過気タンクに溜まった空気などが混入することがある。
本実施例の酸素拡散係数測定装置は、上述のような構成を有し、カソード22がアノード24の下方に配置されているので、酸素交換膜28とカソード22との間に液水を安定的に供給でき、また、溜まった空気などが酸素交換膜28とカソード22との間に混入するのを抑制でき、安定した電気出力を得ることができるので、安定した測定を行うことができる。
なお、本実施例では、カソード22がアノード24のほぼ真下に位置しているが、この配置に限定されるものではなく、下方に位置していれば十分である。
また、装置全体がほぼ鉛直上向きに立設されているが、上記液水の安定供給と滞留空気などの混入抑制が可能であれば、若干斜めに立設されていてもよい。
また上述の如く、ガルバニ式酸素濃度センサを用いると、多量の酸素が透過して還元反応が行われるので、酸素還元反応に伴う発熱量も増大する。混合気タンク10内の酸素減少量、即ち多孔体100を透過した酸素質量流束を精度良く計測するには、測定時の温度を一定に維持することが望ましい。
例えば、温度がガルバニ式酸素濃度センサの発熱によって上昇すると、混合気タンク10内の空気の膨張により酸素質量流束の測定値は、真値に対して小さくなることが知られている。
本実施例の酸素拡散係数測定装置では、混合気タンク10、多孔体ホルダ及び混合気タンク30が断熱材で形成されているので、ガルバニ式酸素濃度センサから混合気タンク10への熱伝導を抑制でき、測定時の温度を一定に保持し易いので、精度の高い酸素拡散係数測定を行うことができる。
なお、本実施例では、混合気タンク10、多孔体ホルダ及び混合気タンク30のいずれもが断熱材で形成されているが、これらの少なくとも1つが断熱材で形成されていれば、測定時の温度一定化に資するので十分である。
かかる断熱材としては、特に限定されるものではないが、樹脂、硝子、パーライト、ポリスチレン、硬質ウレタンフォーム、ケイ酸カルシウム及び塩化ビニルフォームの外、シージングボード、内部に真空又は空気層を有する2重構造体、微細多孔体などを挙げることができる。
更に、透過量ゲージ40に用いた液体が親水性で蒸発量が大きいものである場合、上述したガルバニ式酸素濃度センサの使用による発熱量の増大により、測定時にその液膜が蒸発してタンク10内に引き込まれてしまい、計測される酸素質量流束に誤差を生ずることがある。
本実施例では、蒸発量の小さな液体、例えば水銀を用いて液膜44を形成させているので、酸素質量流束を精度良く測定することができる。
なお、透過量ゲージ40は、通常は小径の透明チューブと所定液体により構成できるが、透明チューブに要求される条件としては、使用する液体との関係で液膜が形成できる程度に小径であり、測定時の酸素透過量に見合った液膜移動距離が確保できることがある。
一方、蒸発量の小さな液体として要求される条件は、透明チューブ構成材に対して撥水性(好ましくは接触角90゜以上)を有し、その液膜が酸素透過に伴って移動する間の蒸発量が無視できる程度に小さいことである。
(実施例6)
図8は、本発明の酸素拡散係数測定装置の更に他の実施例における多孔体ホルダ周辺を部分的に示す分解斜視図である。
同図において、この多孔体ホルダ200は、図示しない円柱状多孔体を収容可能な円柱状収容部201を備え、この円柱状収容部201の半径方向に2分割された分割ホルダ200Aと200Bで構成されており、段付き形状をなしている。
また、分割ホルダ200Aと200Bとは、複数個のピン202で組み付け可能に形成されている。
本実施例において、図示しない円柱状多孔体は、分割された縦割り円筒状をなす弾性パッドの一例であるジェル状パッド210Aと210Bで包囲されてピン220で固定され、更に分割ホルダ200Aと200Bを組み付けることにより、円柱状収容部201に収容される。
この際、多孔体はジェル状パッド210Aと210Bとで押圧されるので、多孔体外周面と円柱状収容部201の内壁面との間には隙間が生じ難く、従って、酸素拡散係数測定を精密に行うことができる。
なお、このような隙間の生じ難い多孔体の収容は、上記多孔体の外周径寸法とジェル状パッド210の内径寸法との関係において、多孔体の外周径寸法に対するジェル状パッドの内径寸法の公差がマイナス値となるように調整することによって行うことができる。
また、弾性パッドの一例としてジェル状パッドを挙げたが、弾性を有し押圧して隙間が生じ難いようにできる材質であれば十分であり、例えば、α−ゲル(ジェルテック(株)製、商品名)製のパッドを用いることができる。
なお、多孔体の両端面は、環状のストッパ204をピン204で組み付けることによって固定することができるが、これと放射状ワイヤ230を併用することも可能である。
更には、ストッパ204を用いずに、放射状ワイヤ230のみで固定することも可能であり、これにより、多孔体を塞ぐ面積を低減して多孔体の両端面を開放することができる。 このため、両端面と断面がほぼ同一の面積を有する多孔体セッティングが可能になるのえ、酸素拡散係数の測定精度を更に向上することが可能になる。
(実施例7)
図9は、本発明の酸素拡散係数測定装置の他の実施例における酸素交換膜周辺を示す分解斜視図である。
同図において、酸素交換膜28と図示しない多孔体端面との間には、流量制御板300が配設されている。
上述の如く、ガルバニ式酸素濃度センサでは多量の酸素が透過して還元反応が行われるので、ある酸素分圧以上では酸素還元反応が飽和状態となり、酸素分圧に対して酸素質量流束がリニアに変化しなくなることがある。
本実施例では、流量制御板300が酸素交換膜28の上流側に設置されているので、酸素分圧変化と酸素質量流束変化の対応性の良い範囲に調整することができ、酸素拡散係数測定の精度を向上できる。
また、本実施例では、酸素交換膜28と流量制御板300との間に、シール材310が設置されており、これによって、電解液のシール性が向上できるとともに、流量制御板300と酸素交換膜28との間に空間を形成することが可能となり、安定した流量制御が可能になる。
なお、かかる流量制御板としては、酸素透過膜周辺からの電解液漏れの有無が識別できるように、透明プラスチックなどを用いることができ、シール材としてはシリコーン材やグリースなどを用いることができる。
本発明の酸素拡散係数測定装置の一実施例を示す断面図である。 本発明の酸素拡散係数測定装置の他の実施例を示す断面図である。 本発明の酸素拡散係数測定装置の他の実施例を示す部分断面図である。 本発明の酸素拡散係数測定装置の更に他の実施例を示す部分断面図である。 本発明の酸素濃度拡散係数測定装置の他の実施例を示す部分断面図である。 従来のガルバニ式酸素濃度センサと、本発明の拡散係数測定装置に用いるガルバニ式酸素濃度センサを部分的に示す断面図である。 本発明の酸素拡散係数測定装置の他の実施例を示す断面図である。 本発明の酸素拡散係数測定装置の更に他の実施例における多孔体ホルダ周辺を部分的に示す分解斜視図である。 本発明の酸素拡散係数測定装置の他の実施例における酸素交換膜周辺を示す分解斜視図である。
符号の説明
10 混合気タンク
11 キャップ
20 ガルバニ式酸素濃度センサ
20c 対向センサ
20s 周辺センサ
21 キャップ
22 カソード
24 アノード
26 電解液
28 酸素交換膜
29 酸素不透過部
30 透過気タンク
40 透過量ゲージ
50 恒温槽
60 脱酸素材
70 圧力制御ダイアフラム
100 多孔体
102 多孔体表面
104 多孔体裏面
110 ホルダ
120 Oリング
200 多孔体ホルダ
200A 分割ホルダ
200B 分割ホルダ
201 円柱状収容部
202 ピン
204 ストッパ
206 ピン
210A ジェル状パッド
210B ジェル状パッド
220 ピン
230 放射状ワイヤ
300 流量制御板
310 シール材

Claims (18)

  1. 相互にほぼ平行な少なくとも1対の面を有する多孔体における酸素拡散係数を測定する装置であって、
    酸素濃度既知の酸素混合気体を収容する混合気室と、酸素濃度センサと、この酸素濃度センサを収容する透過気室とを備え、
    上記多孔体の少なくとも1対の面のうちの一方の面が上記混合気室内に曝され、他方の面が上記透過気室に曝されて配置され、且つ上記混合気室と上記透過気室とは上記多孔体を介して連通している、ことを特徴とする多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  2. 上記混合気室に、収容されている酸素混合気体における酸素量の変化を計測する酸素変化量測定手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  3. 上記酸素濃度センサがガルバニ式酸素濃度センサであることを特徴とする請求項1又は2に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  4. 上記ガルバニ式酸素濃度センサが酸素透過膜を有し、この酸素透過膜と上記多孔体の他方の面とが接していることを特徴とする請求項3に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  5. 上記ガルバニ式酸素濃度センサの酸素透過膜とカソードとを蒸着で一体形成して成ることを特徴とする請求項3又は4に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  6. 上記多孔体が円板状をなし、上記ガルバニ式酸素濃度センサが、この円板状多孔体と対向する対向センサと、この対向センサを包囲する周辺センサとに分割されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つの項に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  7. 上記対向センサが、上記円板状多孔体側に上記周辺センサよりも突出していることを特徴とする請求項6に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  8. 上記周辺センサが脱酸素材を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  9. 上記対向センサの酸素透過膜と上記周辺センサの酸素透過膜とが一体形成されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1つの項に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  10. 上記周辺センサの代わりに脱酸素材を用いたことを特徴とする請求項6又は7に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  11. 装置全体を温度と湿度が制御可能な容器内に収容して成ることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つの項に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  12. 上記ガルバニ式酸素濃度センサのカソードが、酸素透過膜を介して上記多孔体の他方の面と対向して配置され、且つ対応するアノードに対して下方に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  13. 上記多孔体がホルダに収容されており、このホルダ、上記透過気室及び上記混合気室の少なくとも1つが断熱材を用いて形成されていることを特徴とする請求項12に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  14. 上記多孔体が円柱状をなし、この円柱状多孔体が、対応する円柱状収容部を有しその半径方向に分割可能なホルダに、弾性パッドを介して収容されていることを特徴とする請求項12又は13に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  15. 上記円柱状多孔体の頂面及び底面を放射状ワイヤで固定したことを特徴とする請求項14に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  16. 上記酸素透過膜と上記多孔体の他方の面との間に、流量制御板を配設したことを特徴とする請求項12〜15のいずれか1つの項に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  17. 上記酸素透過膜と上記流量制御板との間に、シール材を配設したことを特徴とする請求項16に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
  18. 上記混合気室に酸素透過量測定チューブを設け、この酸素透過量測定チューブ内に、このチューブ構成材に対して撥水性を有し且つ蒸発量の小さな液体を入れたことを特徴とする請求項12〜17のいずれか1つの項に記載の多孔体の酸素拡散係数測定装置。
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