JP2006292275A - 循環流動層分離燃焼方法及び該方法を用いた燃焼装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 循環流動層燃焼を固体燃料の熱分解によるガス化、これにより生じるチャーの燃焼、上記ガス化されたガス化ガスの燃焼の3つの段階に分離し、固体燃料をガス化するガス化炉(10)から供給される固体燃料のチャーを燃焼炉(20)の下部で酸化剤を供給して燃焼させるとともに、燃焼炉(20)の上部(中央域A及び上域B)にガス化炉内で固体燃料のガス化により生成したガス化ガス及び酸化剤を供給し、当該燃焼炉上部において当該ガス化ガスを燃焼させるようにした。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、このように熱分解及びガス化、チャーの燃焼、ガス化ガスの燃焼の全てを同時に行うようにすると、燃焼運転の細かな制御や灰溶融の抑制及び環境に影響を及ぼす有害な排ガスの低減が難しいという問題がある。
また、排ガス中に揮発分を多く含む微粉炭等の化石燃料を供給し、当該燃料の揮発分が燃焼される前に800℃で活性基を出すことで亜硫化窒素(N2O)を分解する方法が知られている(特許文献2参照)。
これにより、ガス化炉は固体燃料の熱分解炉となり、高還元性のあるガスを生成することが可能となり、燃焼炉上部においてチャーの燃焼ガス中のNOxやN2O等が良好に還元除去される。
これより、チャーの燃焼ガス中のNOxやN2O等が還元除去された後、還元に使用されずに残った未燃ガスが良好に燃焼する。
これにより、やはり、ガス化炉は固体燃料の熱分解炉となり、高還元性のあるガスを生成することが可能となり、燃焼炉上部においてチャーの燃焼ガス中のNOxやN2O等が良好に還元除去される。
これより、やはり、チャーの燃焼ガス中のNOxやN2O等が還元除去された後、還元に使用されずに残った未燃ガスが良好に燃焼する。
これより、ガス化ガスが予燃焼させられ、ガス化ガスの燃焼効率が高められる。
また、請求項8の燃焼装置では、請求項4乃至7のいずれかにおいて、前記ガス化炉と前記燃焼炉とは共有壁を挟んで隣接しており、前記連通路は共有壁の下部に設けられた連通孔であることを特徴とする。
また、請求項9の燃焼装置では、請求項8において、前記ガス通路は前記共有壁の上部に設けられた開口孔であることを特徴とする。
これより、燃焼装置がさらにコンパクトなものとなる。
これにより、通常の循環流動層燃焼器に採用している燃焼炉の下部から上方に向けて「貧酸素還元燃焼+酸素富化酸化燃焼」となる燃焼構造を「酸素富化のチャー酸化燃焼+貧酸素のガス及びチャー還元燃焼」となるようにでき、燃焼炉の下部において、酸素富化雰囲気の下、燃焼速度の遅いチャーの燃焼を促進させることができる。
また、チャーの燃焼が固体燃料の揮発分であるガス化ガスの燃焼と分離されることになるので、チャー粒子の周囲が局所的に高温になることを防止でき、固体燃料の燃焼において問題となる灰溶融を良好に抑制することができる。
請求項2の循環流動層分離燃焼方法によれば、ガス化炉を固体燃料の熱分解炉とし、高還元性のあるガスを生成することができ、燃焼炉上部においてチャーの燃焼ガス中のNOxやN2O等を良好に還元除去することができる。
請求項4の循環流動層分離燃焼方法を用いた燃焼装置によれば、上記同様、従来は燃焼に関わる工程を全て混合して同時に行うようにしていた通常の循環流動層燃焼を固体燃料の熱分解によるガス化、これにより生じるチャーの燃焼、上記ガス化されたガス化ガスの燃焼の3つの段階に分離するようにできる。
さらに、灰溶融を抑制できることで、従来は灰溶融の発生を抑えるべく制限されていた循環流動層燃焼の燃焼温度(例えば、850℃)を燃焼炉の上部におけるガス化ガスの燃焼によりさらに高温(例えば、900℃以上)にすることができる。
請求項6の燃焼装置によれば、やはり、チャーの燃焼ガス中のNOxやN2O等を還元除去した後、還元に使用されずに残った未燃ガスを良好に燃焼させることができ、燃焼効率を高めることができる。
請求項8の燃焼装置によれば、燃焼装置をコンパクトなものにできるとともに熱効率と燃焼の制御性を向上させることができる。
先ず、第1実施例を説明する。
図1を参照すると本発明の第1実施例に係る循環流動層分離燃焼方法の適用される当該第1実施例に係る燃焼装置の全体構成図が示されており、以下、同図に基づき説明する。
同図に示すように、燃焼装置は、ガス化炉10と燃焼炉20とが別体に併設され、流動熱媒体(砂等のベッド材)とともに燃料の固形成分がガス化炉10及び燃焼炉20内を循環するように構成されている。
また、燃焼炉20のうちチャーの燃焼ガスが発生している中央域Aとガス化炉10の上部とはガス通路30により連通している。これにより、ガス化炉10において固体燃料のガス化により生成されたガス化ガス(NH3、HCN、CH4、H2、CO等)が当該ガス通路30を通って燃焼炉20の中央域Aに供給される(ガス化ガス燃焼手段)。
燃焼炉20の上域Bからの高温燃焼ガスと流動熱媒体及び燃料燃焼により生成された固形成分(チャーや灰分等)はサイクロン40にて分離され、高温燃焼ガスについては排ガスとしてサイクロン40から排出された後、熱交換器(図示せず)を通してスチームの発生(発電等のため)に利用される一方、高温の流動熱媒体や燃焼により生成された固形成分についてはダウンカマー50を介して自重によりガス化炉10へ戻される。
以下、このように構成された本発明に係る燃焼装置の作用、即ち循環流動層分離燃焼方法について説明する。
しかしながら、ここでは、ガス化炉10において固体燃料のガス化により生成されたガス化ガス(NH3、HCN、CH4、H2、CO等)がガス通路30を介して燃焼炉20の中央域Aに供給されており、当該ガス化ガスが還元剤となって中央域Aが還元雰囲気となり(例えば、上記酸化剤の供給を制御することにより空燃比0.3〜1.0に調整)、上述の如く発生したNOx、N2O等は良好にN2に還元される。
また、チャーの燃焼が固体燃料の揮発分であるガス化ガスの燃焼と分離されることになるので、チャー粒子の周囲が局所的に高温になることを防止でき、固体燃料の燃焼において問題となる灰溶融を良好に抑制することができる。
このように、本発明に係る循環流動層分離燃焼方法によれば、簡単な構成でありながら、環境に影響を及ぼす燃焼排ガス中のNOxやN2O濃度を低減し、灰溶融を抑制し、高温高効率な燃焼を実現することができる。
図2を参照すると本発明の第2実施例に係る循環流動層分離燃焼方法の適用される当該第2実施例に係る燃焼装置の全体構成図が示されており、以下、同図に基づき説明する。なお、ここでは、上記第1実施例との共通部分については説明を省略し、第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。
このようにガス通路30の途中に酸化剤を供給すると、ガス化ガスをガス通路30内で予燃焼させることが可能となり、ガス化ガスの燃焼を促進できるとともに、ガス化ガスを燃焼炉20の流動層22に流入させた際の急激な昇温を回避することができる。
次に、第3実施例を説明する。
図3を参照すると本発明の第3実施例に係る循環流動層分離燃焼方法の適用される当該第3実施例に係る燃焼装置の全体構成図が示されており、以下、同図に基づき説明する。なお、ここでも、上記第1実施例との共通部分については説明を省略し、第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。
ダウンカマー50’及び固形燃料供給位置はガス化炉10’内において燃焼炉20’から離間するように配設されており、さらに、ガス通路30とダウンカマー50’及び固形燃料供給位置とは、上記第1実施例の場合と同様、ガス化炉10’内で互いに対角に位置するように配設されている。このようにダウンカマー50’及び固形燃料供給位置が燃焼炉20’から離間し、ガス通路30とダウンカマー50’及び固形燃料供給位置とが互いに対角に設けられていることにより、上記同様、固形燃料をガス化炉10’内で十分に時間をかけてガス化するようにでき、十分にガス化され尽くしたチャーを燃焼炉20’の下部に供給することが可能であるとともに成分濃度の高いガス化ガスをガス通路30から燃焼炉20’の中央域Aに供給可能である。
また、ここでは、ダウンカマー50’が屈曲しており、固形燃料についてはガス化炉10’の上方から供給するようにしているが、上記第1実施例の場合と同様に、ダウンカマー50’を真直ぐとして固形燃料を上部側壁から供給するようにしてもよい。
次に、第4実施例を説明する。
図4を参照すると本発明の第4実施例に係る循環流動層分離燃焼方法の適用される当該第4実施例に係る燃焼装置の全体構成図が示されており、以下、同図に基づき説明する。なお、当該第4実施例は上記第3実施例を変形したものであり、上記第1実施例及び第3実施例との共通部分については説明を省略し、これらと異なる部分についてのみ説明する。
これにより、燃焼装置をさらにコンパクトに実現することができる。また、熱効率のさらなる向上を図ることができ、燃焼の制御性をさらに高めることができる。
以上で本発明に係る実施形態の説明を終えるが、実施形態は上記に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
12 流動層
15、15’ 連通路
17、17’ 共有壁
20、20’、20” 燃焼炉
22 流動層
30、30’ ガス通路
40 サイクロン
50、50’、50” ダウンカマー
Claims (9)
- ガス化炉内に、供給した固体燃料、循環される加熱された流動熱媒体及び吹き込むガス化剤によって流動層を形成し、前記ガス化炉内において前記固体燃料を前記加熱された流動熱媒体の熱及び前記ガス化剤によってガス化する第一工程と、
前記ガス化炉に並設される燃焼炉内に、前記ガス化炉から供給される前記固体燃料のガス化により生成されたチャー及び低温化した前記流動熱媒体に酸化剤を加えて流動層を形成し、前記燃焼炉の下部において該酸化剤により前記チャーを燃焼させるとともに該チャーの燃焼熱で前記流動熱媒体を加熱する第二工程と、
前記ガス化により生成したガス化ガス及び酸化剤を前記燃焼炉上部に供給し、該燃焼炉上部において前記ガス化ガスを燃焼させる第三工程と、
からなることを特徴とする循環流動層分離燃焼方法。 - 前記第一工程では、前記ガス化剤として前記燃焼炉から排出される排ガスを前記ガス化炉内に吹き込むことを特徴とする、請求項1記載の循環流動層分離燃焼方法。
- 前記第三工程では、前記燃焼炉上部のうち前記ガス化により生成したガス化ガスの供給よりも上位置に酸化剤を供給することを特徴とする、請求項1または2記載の循環流動層分離燃焼方法。
- 供給した固体燃料、循環される加熱された流動熱媒体及び吹き込むガス化剤によって流動層を形成してなり、該加熱された流動熱媒体の熱及び該ガス化剤によって前記固体燃料のガス化を行うガス化炉と、
前記ガス化炉に並設され、前記ガス化炉から連通路を介して下部に供給される前記固体燃料のガス化により生成されたチャー及び低温化した前記流動熱媒体に酸化剤を加えて流動層を形成してなり、該酸化剤により前記チャーを燃焼させるとともに該チャーの燃焼熱で前記流動熱媒体を加熱する燃焼炉と、
前記ガス化により生成したガス化ガスをガス通路を介して前記燃焼炉上部に供給するとともに酸化剤を該燃焼炉上部に供給し、該燃焼炉上部において前記ガス化ガスを燃焼させるガス化ガス燃焼手段と、
を備えたことを特徴とする循環流動層分離燃焼方法を用いた燃焼装置。 - 前記ガス化剤は、前記燃焼炉から排出される排ガスであることを特徴とする、請求項4記載の循環流動層分離燃焼方法を用いた燃焼装置。
- 前記ガス化ガス燃焼手段は、前記燃焼炉上部のうち前記ガス化により生成したガス化ガスの供給よりも上位置に酸化剤を供給することを特徴とする、請求項4または5記載の循環流動層分離燃焼方法を用いた燃焼装置。
- 前記ガス化ガス燃焼手段は、酸化剤の一部を前記ガス通路に供給することを特徴とする、請求項4乃至6のいずれか記載の循環流動層分離燃焼方法を用いた燃焼装置。
- 前記ガス化炉と前記燃焼炉とは共有壁を挟んで隣接しており、前記連通路は共有壁の下部に設けられた連通孔であることを特徴とする、請求項4乃至7のいずれか記載の循環流動層分離燃焼方法を用いた燃焼装置。
- 前記ガス通路は前記共有壁の上部に設けられた開口孔であることを特徴とする、請求項8記載の循環流動層分離燃焼方法を用いた燃焼装置。
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