JP2006289261A - 表面洗浄方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 曲面を含む表面の全体をドライ洗浄することができる表面洗浄方法および装置を提供する。
【解決手段】 本発明の表面洗浄方法は、被洗浄物2を回転させ、被洗浄物2の被洗浄表面4に対して斜めにエネルギー粒子1を照射し、洗浄工程には、前記回転および前記照射を同時に実行する時間帯及び/または前記回転および前記照射の一方のみを実行する時間帯が存在する。また、本発明の表面洗浄装置は、被洗浄物2を保持する保持部5と、被洗浄物2を回転させる回転機構30と、被洗浄物2にエネルギー粒子1を照射するエネルギー粒子照射機構16とを備え、エネルギー粒子1は、保持部5に保持された被洗浄物2の被洗浄表面4に対して斜めに照射される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学部品、機械部品、電子部品などの被洗浄物の表面をエネルギービームによりドライ洗浄する表面洗浄方法および装置に関し、特に曲面を含む被洗浄物の表面を洗浄する方法および装置に関する。
半導体チップの実装工程においては、半導体チップに形成されたはんだバンプの表面に有機物や酸化膜などの絶縁物(不純物)が残ったままで配線基板と接合すると、抵抗が大きくなり良好な電気的導通が得られない。この問題を解決するため、例えば酸化膜の除去の場合には、表面の酸化膜をフラックス(表面処理剤)により溶解して除去(洗浄)することが行われている。しかしながら、電極が微細になるにつれて、フラックスの洗浄工程及びフラックスの残渣に起因する金属腐食等の多くの問題が浮上してきた。そのため、はんだバンプの表面にイオンや中性粒子などのエネルギー粒子を照射して表面の有機物や酸化膜を除去するドライ洗浄が普及しつつある。
このドライ洗浄に関する方法は、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されている。特許文献1は、アルゴンイオンまたはアルゴンアトムを照射して酸化膜を除去する方法および装置を開示し、特許文献2は、金属接合部の表面にエネルギー波またはエネルギー粒子を照射する方法および装置を開示している。
特開平10−256180号公報 特開2002−64268号公報
図7は、エネルギー粒子を用いてはんだバンプ表面の有機物や酸化膜などの絶縁物を除去するドライ洗浄工程を説明するための概略図である。図7に示すように、半導体チップ2はステージ5に保持されており、半導体チップ2の表面には、はんだバンプ3が形成されている。半導体チップ2の上方からはエネルギー粒子1が半導体チップ2に照射され、これにより、はんだバンプ3の表面に形成された有機物や酸化膜が除去される。
ここで、はんだバンプの多くは、図7に示すように、略楕円形の断面を有している。このため、半導体チップ2に対して上方からエネルギー粒子1を照射すると、エネルギー粒子1の直進性が一般に高いため、はんだバンプ3の半導体チップ側に影になる部分ができてしまい、その部分の絶縁物を十分に取り除くことができないという問題があった。
また、エネルギー粒子1がプラズマやイオンなどの荷電粒子の場合、はんだバンプを3介して流入する電荷により、半導体チップ2内部の素子が破壊されるおそれがある。この問題を解決するために、電気的に中性の原子やラジカルから成る中性粒子ビームにより、有機物や酸化膜を除去する方法も考えられる。しかしながら、中性粒子ビームのエネルギーが高いと、図7に示すように、はんだバンプ3や半導体チップ2から二次電子6が発生する。この二次電子6も、はんだバンプ3を通じて半導体チップ2内部に流入し得るため、半導体チップ2内部の素子を破壊するおそれがある。
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、曲面を含む表面の全体をドライ洗浄することができる表面洗浄方法および装置を提供することを目的とする。また、本発明は、荷電粒子や二次電子により半導体チップ内部の素子を破壊することなく被洗浄物をドライ洗浄することができる表面洗浄方法および装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、製造工程の一環として行われる洗浄工程を実施するための表面洗浄方法であって、被洗浄物を回転させ、前記被洗浄物の被洗浄表面に対して斜めにエネルギー粒子を照射し、前記洗浄工程中には、前記回転および前記照射を同時に実行する時間帯及び/または前記回転および前記照射の一方のみを実行する時間帯が存在することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記洗浄工程中には、前記回転および前記照射のいずれも行わない時間帯がさらに存在することを特徴とする。
本発明が対象とする被洗浄物は、電子部品、光学部品、機械部品などであって、洗浄工程を経て生産されるものである。具体例としては、表面にはんだバンプが形成された半導体チップが挙げられる。
ここで、「被洗浄物表面に対して斜めにエネルギー粒子を照射する」ことの技術的意義について説明する。一般に被洗浄表面は、図7に示すように、はんだバンプ3や半導体チップ2の表面のような曲面と平面とから構成されている。従来では、半導体チップの平面部に対して垂直方向にエネルギー粒子を照射していた。しかしながら、この場合には前述のように、被洗浄表面に常に影になる部分が生じてしまい、十分な洗浄ができなかった。
そこで、本発明者は、半導体チップのはんだバンプ等も含めた外表面、即ち曲面と平面を含む被洗浄表面を洗浄するためには、最も効果的な照射方向を選べばよいことに想到した。そして、エネルギー粒子の最も効果的な照射方向は、被洗浄表面の平面部に対して直角ではない角度となる(後述する図1では、平面部に対するエネルギー粒子の照射方向の角度はθで表されている)。
本発明の好ましい態様は、前記エネルギー粒子が中性粒子ビームであることを特徴とする。
本発明によれば、荷電粒子によって半導体チップ内部の素子が破壊されてしまうことを防止することができる。
本発明の好ましい態様は、前記照射の前に、前記中性粒子ビームの照射エネルギーを、前記被洗浄物からの二次電子放出の閾値未満に設定することを特徴とする。
固体表面にイオン、原子、ラジカルなどのエネルギー粒子を高エネルギーで照射すると、二次電子放出が起こることが知られている。例えば、Mo(モリブデン)表面にArイオン(アルゴン正イオン)1個を照射した場合、Arイオンのエネルギーが約1keV以下であれば二次電子の放出確率は0.1個である。この場合、Arイオンのエネルギーが約1keVより大きくなると、二次電子の放出確率は0.05個/keVの割合で増加する。エネルギー粒子が中性粒子ビームの場合、イオンビームに比べて二次電子放出の確率が小さくなることが知られている。例えば、MoにAr(アルゴン)原子1個を照射した場合、Ar原子のエネルギーが約700eV以下であれば二次電子の放出確率はほぼゼロである。この場合、Ar原子のエネルギーが約700eVより大きくなると、二次電子の放出確率は0.05個/keVの割合で増加する。したがって、Moからなる被洗浄物の表面を洗浄する場合、エネルギー粒子として、二次電子放出の閾値である700eV以下のAr原子を照射すれば、二次電子放出がほとんど無い状態で表面を洗浄することができる。したがって、二次電子によるダメージを抑制することが可能となる。
本発明の他の態様は、製造工程の一環として行われる洗浄工程を実施するための表面洗浄方法であって、中性粒子ビームの照射エネルギーを、被洗浄物からの二次電子放出の閾値未満に設定し、前記設定の後、前記被洗浄物の被洗浄表面に前記中性粒子ビームを照射することを特徴とする。
本発明によれば、イオンや二次電子によるダメージを防止することができる。
本発明の他の態様は、被洗浄物を保持する保持部と、前記被洗浄物を回転させる回転機構と、前記被洗浄物にエネルギー粒子を照射するエネルギー粒子照射機構とを備え、前記エネルギー粒子は、前記保持部に保持された前記被洗浄物の被洗浄表面に対して斜めに照射されることを特徴とする表面洗浄装置である。
本発明によれば、被洗浄表面が曲面を含む形状であっても、その表面の大部分を洗浄することができる。
本発明の好ましい態様は、前記エネルギー粒子照射機構が中性粒子ビーム照射機構であることを特徴とする。
エネルギー粒子照射機構として中性粒子ビーム照射機構を採用することにより、イオンなどの荷電粒子による素子へのダメージを抑制することができる。
本発明の好ましい態様は、前記中性粒子ビーム照射機構は、中性粒子ビームの照射エネルギーを調整するための照射エネルギー調整機構を有することを特徴とする。
本発明によれば、イオンや二次電子によるダメージを防止しつつ、曲面を含む被洗浄表面の大部分を洗浄することができる。
本発明の他の態様は、被洗浄物を保持する保持部と、前記被洗浄物に中性粒子ビームを照射する中性粒子ビーム照射機構とを備え、前記中性粒子ビーム照射機構は、中性粒子ビームの照射エネルギーを調整するための照射エネルギー調整機構を有することを特徴とする表面洗浄装置である。
本発明によれば、照射エネルギー調整機構により、二次電子放出の閾値未満のエネルギーでエネルギー粒子を被洗浄表面に照射することができるので、二次電子によるダメージを抑制することができる。
本発明の他の態様は、被洗浄物を保持する保持部と、前記被洗浄物にエネルギー粒子を照射するエネルギー粒子照射機構と、前記エネルギー粒子照射機構を前記保持部に対して相対運動させるための相対運動機構とを備え、前記エネルギー粒子は、前記保持部に保持された前記被洗浄物の被洗浄表面に対して斜めに照射されることを特徴とする表面洗浄装置である。
本発明によれば、被洗浄表面が曲面を含む場合であっても、影になる部分を大幅に小さくすることができ、被洗浄物の表面の大部分を洗浄することができる。
本発明の好ましい態様は、前記エネルギー粒子照射機構が中性粒子ビーム照射機構であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記中性粒子ビーム照射機構は、中性粒子ビームの照射エネルギーを調整するための照射エネルギー調整機構を有することを特徴とする。
上述したように、本発明によれば、曲面を含む表面をドライ洗浄することができる表面洗浄方法および装置を提供することができる。また、荷電粒子や二次電子により半導体チップ内部の素子が破壊されることがない表面洗浄方法および装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表面洗浄方法を説明するための概略図である。本実施形態では、被洗浄物として、はんだバンプが形成された半導体チップが用いられる。この場合、はんだバンプの表面および半導体チップの表面が被洗浄表面となる。
図1に示すように、半導体チップ2はステージ(保持部)5により保持されており、半導体チップ2の表面には、略楕円形の断面を有するはんだバンプ3が形成されている。ステージ5は、半導体チップ2を保持するための図示しない保持機構を有している。この保持機構の構成は特に限定されるものではなく、例えば、ねじ機構、クランプ機構、両面テープなどが用いられる。また、ステージ5は、ステージ回転機構30により軸10を中心に回転するように構成されている。ステージ回転機構30としては、例えばステージ5の軸10に連結された電動モータなどが用いられる。なお、ステージ5は、回転運動に加えて、たとえば平面内を水平運動するように(図1で言えばXおよび/またはY方向に運動するように)構成されていてもよい。
半導体チップ2の斜め上方にはエネルギー粒子照射機構16が設けられており、被洗浄表面4には、エネルギー粒子照射機構16からエネルギー粒子1が斜めに照射される。このエネルギー粒子1の照射により、半導体チップ2やはんだバンプ3の表面の有機物や酸化膜が除去される。このとき、エネルギー粒子の照射と同時にステージ5を回転させてもよく、また、エネルギー粒子の照射とステージ5の回転を交互に行ってもよい。
図2(a)乃至図2(d)は、洗浄工程を行っているときのエネルギー粒子の照射とステージの回転を行うタイミングを示すグラフである。図2(a)は、エネルギー粒子の照射とステージ5の回転とが同時に行われている様子を示している。図2(b)はエネルギー粒子の照射とステージ5の回転とが交互に行われている様子を示している。この場合、図2(b)に示すように、洗浄工程中において、エネルギー粒子の照射およびステージ5の回転の一方のみが行われる時間帯と、エネルギー粒子の照射とステージ5の回転のいずれもが行われない時間帯が存在する。図2(c)は、エネルギー粒子の照射は経常的に行われ、ステージ5の回転は間欠的に行われる様子を示している。この場合は、図2(c)に示すように、洗浄工程中において、エネルギー粒子の照射とステージ5の回転とが同時に行われる時間帯とエネルギー粒子の照射のみが行われる時間帯が存在する。図2(d)はエネルギー粒子の照射とステージ5の回転とが交互に行われている様子を示している。この場合、図2(d)に示すように、洗浄工程中において、エネルギー粒子の照射およびステージ5の回転の一方のみが行われる時間帯と、エネルギー粒子の照射とステージ5の回転とが同時に行われる時間帯が存在する。このように、被洗浄物の形状や表面状態などに応じて、またはエネルギー粒子の照射強度などに応じて、回転と照射のタイミングを適宜変更することができるので、適切な洗浄を行うことができる。
図1では、被洗浄表面4の平面部に対するエネルギー粒子1の照射方向の角度はθで表されている。ステージ5は、エネルギー粒子1の照射の際に、軸10を中心に回転する。このとき、半導体チップ2は、ステージ5の回転と共に回転する。したがって、エネルギー粒子1の照射の際に、影になる部分が大幅に少なくなる。このような洗浄方法によれば、被洗浄表面4が曲面を含む形状であっても、被洗浄表面4の大部分を洗浄することが可能となる。なお、エネルギー粒子1の照射角度θは、被洗浄表面4の曲面の形状に応じて決定され、はんだバンプ3の表面を含む被洗浄表面4の大部分が洗浄できるような角度に設定される。
本実施形態におけるエネルギー粒子は、イオンや電子などの荷電粒子や、原子や分子やラジカルなどの電気的に中性な粒子などから選択され、室温下での粒子よりも大きなエネルギーをもった粒子である。エネルギー粒子として電気的に中性な粒子を選択した場合、被洗浄表面4に荷電が蓄積されないので、半導体チップ2内部の素子の破壊を防止することができる。以下、電気的に中性な粒子で構成されるエネルギービームを中性粒子ビームと呼ぶ。この場合、中性粒子ビームの照射エネルギーを二次電子放出の閾値未満とすれば、被洗浄表面4からの二次電子放出を抑制することができるため、荷電粒子による素子のダメージをより抑制することができる。なお、照射エネルギーの閾値は、被洗浄表面を構成する材料に応じて決定される。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る表面洗浄方法を説明するための概略図である。ここで、第1の実施形態の要素と同一または対応する本実施形態の要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
図3に示すように、本実施形態では、被洗浄表面4には、その平面部に対して垂直に中性粒子ビーム1aが照射される。中性粒子ビーム1aの照射により、半導体チップ2やはんだバンプ3の表面上の有機物や酸化膜が除去される。ステージ5は、中性粒子ビーム1aの照射の際に、軸10を中心に回転し、半導体チップ2は、ステージ5の回転と共に回転する。本実施形態では、中性粒子ビーム1aが照射されるので、イオンなどの荷電粒子が被洗浄表面4や半導体チップ2に与えるダメージを抑制することができる。さらに、中性粒子ビーム1aの照射エネルギーを二次電子放出の閾値未満とすれば、被洗浄表面4からの二次電子放出も抑制することができるため、荷電粒子によるダメージをより抑制することができる。この場合、照射エネルギーの閾値は、被洗浄表面4を構成する材料に応じて適宜決定される。
図4は、本発明の第3の実施形態に係る表面洗浄装置を示す概略図である。なお、上記第1の実施形態の要素と同一または対応する本実施形態の要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施形態の表面洗浄装置は、被洗浄物18(例えば、図1および図3に示す、はんだバンプ3が形成された半導体チップ2)の洗浄を行う洗浄室21と、プラズマPが生成されるプラズマ室22と、洗浄室21への被洗浄物18の出し入れを行うロードロック室23とを有している。洗浄室21およびロードロック室23は、それぞれ図示しない真空ポンプに接続されている。
プラズマ室22は洗浄ガス導入ポート26を介して洗浄ガス供給源27に連通しており、この洗浄ガス導入ポート26からプラズマ室22内に洗浄ガスが導入されるようになっている。プラズマ室22の上部および下部には、上部電極11および下部電極12がそれぞれ設けられている。これらの上部電極11および下部電極12は互いに対向するように配置されている。プラズマ室22の周囲には図示しないプラズマ発生機構が設けられている。
プラズマ室22は、下部電極12に形成された複数のアパーチャ(断面円形の細孔)12aを介して、洗浄室21と連通している。したがって、洗浄ガス導入ポート26からプラズマ室22に導入された洗浄ガスは、アパーチャ12aを通って洗浄室21に入り、真空ポンプによって洗浄室21から排出される。本実施形態では、洗浄ガス導入ポート26と洗浄ガス供給源27との間に設置された図示しない洗浄ガス流量調整機構(例えばマスフローコントローラなど)により洗浄ガスの流量が調節され、洗浄ガス導入中のプラズマ室22の圧力は約1Pa程度に維持される。洗浄ガスは、被洗浄物18や被洗浄表面上の不純物などに合わせて適宜選択される。洗浄ガスの具体例としては、Ar、Kr、Xeなどの希ガス、またはCH、SiH、SF、CF、Cl、H、Oなどのガス分子が挙げられる。
プラズマ発生機構は、容量結合型、誘導結合型、マイクロ波導波管など、公知のプラズマ発生機構である。このプラズマ発生機構により、プラズマ室22内に洗浄ガスのプラズマPが発生し、維持される。上部電極11および下部電極12の間には照射エネルギー調整機構13により電圧が印加されるようになっている。照射エネルギー調整機構13の例としては、直流バイアス機構や高周波バイアス機構が挙げられる。直流バイアス機構は、直流電源を具備している。このような直流バイアス機構を用いる場合は、例えば、上部電極11に直流バイアス電圧を印加し、下部電極12を接地電圧とする。高周波バイアス機構は、高周波電源、直流阻止コンデンサ(ブロッキングコンデンサ)、整合器(マッチングボックス)を具備している。このような高周波バイアス機構を用いる場合は、例えば、上部電極11を接地電圧とし、下部電極12に直流阻止コンデンサおよび整合器を介して高周波電源を接続し、高周波電圧を印加する。
上部電極11および下部電極12は、照射エネルギー調整機構13と連携して、プラズマPから荷電粒子を所定の照射エネルギーで下部電極12に向かって加速させる。本実施形態においては、荷電粒子の時間的な平均エネルギーは、上部電極11と下部電極12の時間的な平均電位差とほぼ等しくなる。加速された荷電粒子は、下部電極12に形成されたアパーチャ12aを通過することにより電気的に中性化され、中性粒子ビーム(エネルギー粒子)1aとなって洗浄室21内に照射される。
オリフィス状の細孔をイオンが通過するときに、細孔の壁と接触したり、細孔中の残留ガスと衝突したりすることにより、イオンが電荷を失うことが知られている(例えば、特開2002−289585号公報参照)。例えば、加速されたイオンが細孔の壁とほぼ平行に接触する場合には、イオンはその運動エネルギーをほとんど失わずに電荷交換により電荷だけを失う。したがって、下部電極12に形成されたアパーチャ12aを通過させることにより、荷電粒子を中性化させることができる。本実施形態では、洗浄ガス導入ポート26、洗浄ガス供給源27、プラズマ発生機構、上部電極11、エネルギー粒子照射口を兼ねる下部電極12、および照射エネルギー調整機構13によりエネルギー粒子照射機構14が構成される。また、なお、本実施形態では、エネルギー粒子は電気的に中性であるので、エネルギー粒子照射機構14は中性粒子ビーム照射機構としても機能する。ただし、中性粒子ビーム照射機構から照射されるエネルギー粒子の総てが中性粒子ビームというわけではなく、中性化されなかった残留イオンも含まれる。
本実施形態においては、洗浄中および洗浄ガス導入中の洗浄室21の圧力は真空ポンプにより約0.1Pa程度に維持される。また、洗浄ガスを導入していないときは、洗浄中の圧力よりも低い圧力に維持される。ロードロック室23の圧力は、被洗浄物18を装置外からロードロック室23に搬入、またはロードロック室23から装置外に搬出する場合を除いて、洗浄ガスを導入していないときの洗浄室21の圧力と同程度の圧力に真空ポンプにより維持される。洗浄室21およびロードロック室23内の圧力は、図示しない真空計によりモニタリングされる。
洗浄室21には、被洗浄物18を保持するステージ(保持部)5が配置されている。ステージ5は、図示しない保持機構を有している。この保持機構はステージ5上に被洗浄物18を保持できるものであればいかなる機構であってもよく、例えば、ねじ機構、クランプ機構、両面テープなどが用いられる。ステージ5には軸10を介してステージ回転機構30が連結されており、ステージ5はステージ回転機構30により軸10を中心に回転するように構成されている。ステージ回転機構30としては、例えば電動モータが用いられる。なお、図示しない温度調整機構をステージ5に設けて、被洗浄物18の温度を調整することも可能である。
ステージ5は、軸10を介して照射角度調整機構7に接続されている。照射角度調整機構7は、図4の矢印Cで示すように、ステージ5の軸10を所定の角度範囲内で上下に揺動させる。したがって、ステージ5の上面は、中性粒子ビーム1aの照射方向に対して所定の角度で傾くことが可能となっている。照射角度調整機構7は、軸8を介して位置決め回転機構9に固定される。この位置決め回転機構9は洗浄室21内に配置されており、矢印D,E,Fに示すように、軸8を上下および左右に移動させ、さらに軸8を回転させるように構成されている。
ロードロック室23の両端には、洗浄室側ゲートバルブ24および大気側ゲートバルブ25が配置されている。ロードロック室23と洗浄室21とはゲートバルブ24を介して連通しており、ロードロック室23と外部とはゲートバルブ25を介して連通している。ロードロック室23の内部には、被洗浄物18を搬送するための図示しない搬送ロボットが配置されている。
次に、本実施形態の表面洗浄装置による表面洗浄工程を説明する。
被洗浄物18が表面洗浄装置に搬入されるとき、図示しない窒素ガス導入機構によりロードロック室23の圧力が大気圧に維持される。次いでゲートバルブ25を開け、被洗浄物18がロードロック室23内の搬送ロボットに受け渡される。その際、次に洗浄される被洗浄物を同時にロードロック室23の搬送ロボットに受け渡してもよい。被洗浄物18の搬送ロボットへの受け渡しが終了すると、ゲートバルブ25が閉められ、ロードロック室23が真空ポンプにより真空引きされる。
ロードロック室23の圧力が、洗浄ガスを導入していないときの洗浄室21の圧力と同程度の圧力に達したら、ゲートバルブ24を開く。被洗浄物18は、搬送ロボットにより洗浄室21内のステージ5に搬送される。その際、ステージ5の位置は、搬送ロボットが受け渡し可能な位置にあり、また、ステージ5の角度は、図4の二点鎖線で示すように搬送ロボットが受け渡し可能な角度になっている。この位置および角度をステージ5の初期位置とする。ステージ5に搬送された被洗浄物18はステージ5の保持機構によりに保持される。この保持機構は、洗浄が終了し、搬送ロボットによる被洗浄物18の搬出工程が始まるまで、被洗浄物18を保持し続ける。このとき、次に洗浄される被洗浄物はロードロック室23内に配置されたままである。ステージ5への被洗浄物18の搬送が終了すると、ゲートバルブ24が閉じられる。
次に、被洗浄物18の位置決めが行われる。すなわち、被洗浄物18は、照射角度調整機構7および位置決め回転機構9により、所定の洗浄位置(図4の実線で示す位置)に移動される。このとき、照射角度調整機構7により、中性粒子ビーム1aが被洗浄物18の被洗浄表面に対して斜めに照射されるようにステージ5の角度が調整される。また、位置決め回転機構9により軸8を上下および左右に移動させて、ステージ5を任意の位置に移動させる。例えば、ステージ5を上下に移動させることにより、下部電極(エネルギー粒子照射口)12と被洗浄物18との距離を調整することができる。また、ステージ5を左右に移動させることにより、中性粒子ビーム1aが照射される領域の中心にステージ5を位置させることができる。
被洗浄物18の位置決めが完了した後は、ステージ回転機構30により被洗浄物18を軸10を中心に回転させる。この状態で、中性粒子ビーム1aが照射され、被洗浄物18の被洗浄表面の洗浄が行われる。なお、照射角度調整機構7および位置決め回転機構9は、被洗浄物18の洗浄が終わるまで所定の洗浄位置を維持し続け、同様に、ステージ回転機構30は、被洗浄物18の洗浄が終わるまで被洗浄物18を回転させ続ける。
洗浄工程は次のようにして行われる。まず、洗浄ガス導入ポート26より洗浄ガスがプラズマ室22に導入される。次に、プラズマ発生機構によりプラズマ室22内にプラズマPを発生させる。プラズマPが発生したら、照射エネルギー調整機構13によって上部電極11と下部電極12との間に電圧を印加し、上部電極11と下部電極12の電位を所定の電位に調整する。この電位は、照射エネルギーの所定の閾値に基づいて決定され、この閾値は、被洗浄表面4を構成する材料に応じて予め決定される。照射エネルギー調整機構13は、エネルギー粒子の照射エネルギーが閾値未満となるように、上部電極11と下部電極12との間に電圧を印加する。
上部電極11と下部電極12との間に電圧が印加されると、プラズマP中には電場が形成される。そして、プラズマP中の荷電粒子は、この電場によって下部電極12に向かって加速される。荷電粒子は、下部電極12に開口されたアパーチャ12aを通過することにより電気的に中性化され、中性粒子ビーム1aとなって洗浄室21内に設置された被洗浄物18に照射される。被洗浄物18の被洗浄表面は、照射された中性粒子ビーム1aによって洗浄される。なお、洗浄中、位置決め回転機構9により軸8を回転させることによって、ステージ5を軸8を中心に回転させてもよい。ステージ5が軸8を中心に回転することにより、被洗浄表面への中性粒子ビーム1aの照射量のばらつきを均一にすることができる。
本実施形態によれば、中性粒子ビーム1aは被洗浄表面に対して斜めに照射されるので、中性粒子ビーム1aの照射の際に影になる部分が大幅に少なくなる。したがって、被洗浄表面が、はんだバンプの表面のような曲面を含んでいる場合であっても、被洗浄表面の大部分を洗浄することが可能となる。さらに、電気的に中性な中性粒子ビーム1aが照射されるので、イオンなどの荷電粒子による素子の破壊を防止することができる。
また、本実施形態によれば、照射エネルギー調整機構13により、中性粒子ビーム1aの照射エネルギーを二次電子放出の閾値よりも小さく設定することが可能である。したがって、二次電子により被洗浄物18および被洗浄表面が受けるダメージを抑制することができる。
洗浄が終了した後は、照射エネルギー調整機構13が初期状態(本実施形態においては上部電極11および下部電極12の電位がアース電位の状態)に戻される。次に、プラズマ発生機構からプラズマPへのパワーの供給を停止してプラズマPを消滅させ、洗浄ガスの導入が停止される。次に、ステージ5の回転が停止され、ステージ5の位置および角度が初期位置(図4の二点鎖線が示す位置)に戻される。その後、ゲートバルブ24が開かれ、被洗浄物18は、図示しない搬送ロボットによりステージ5からロードロック室23へ搬送される。ここで、必要に応じて次に洗浄される被洗浄物が搬送ロボットによりステージ5へ搬送される。次に、ゲートバルブ24が閉じられ、窒素ガス導入機構によりロードロック室23の圧力を大気圧にする。そして、ゲートバルブ25が開かれ、表面洗浄装置から被洗浄物18が搬出される。
図5(a)は、本発明の第4の実施形態に係る表面洗浄装置の要部の概略図である。また、図5(b)は図5(a)IV-IV線矢視図である。なお、上記第3の実施形態の要素と同一または対応する本実施形態の要素には同一符号を付し、特に説明しない部分については第3の実施形態と同様である。
本実施形態の表面洗浄装置は、4つの被洗浄物18a,18b,18c,18dを同時に洗浄するために、4つのステージ5a,5b,5c,5dを有している。ステージ5aには、図示しない保持機構が具備されており、被洗浄物18aを保持できるようになっている。また、ステージ5aは、ステージ回転機構15に連結されている。ステージ回転機構15は、被洗浄物18aと共にステージ5aを回転させることができるように構成されている。他のステージ5b,5c,5dもステージ5aと同様に図示しない保持機構が具備されている。また、ステージ5b,5c,5dも、ステージ5aと同様に、ステージ回転機構15に連結されており、ステージ5b,5c,5dは被洗浄物18b,18c,18d共にステージ回転機構15によって回転駆動されるように構成されている。ステージ5a,5b,5c,5dおよびステージ回転機構15は洗浄室21(図4参照)内に配置され、洗浄室21の上方にはエネルギー粒子照射機構14(図4参照)が配置される。
ステージ5a,5b,5c,5dは、被洗浄物18a,18b,18c,18dの被洗浄表面の総てが中性粒子ビーム(エネルギー粒子)1aの照射方向に対して斜めになるように、ステージ回転機構15に連結されている。したがって、被洗浄表面が曲面を含む場合でも、被洗浄表面のほぼ全面を洗浄することができる。さらに、4つの被洗浄物を同時に洗浄できるので、1つの被洗浄物のみを洗浄する表面洗浄装置に比べて、同一時間内により多くの被洗浄物を洗浄することができる。
図6は、本発明の第5の実施形態に係る表面洗浄装置の要部の概略図である。なお、第1の実施形態の要素と同一または対応する本実施形態の要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施形態では、複数(図6では2つ)のエネルギー粒子照射機構16が揺動アーム28に取り付けられており、この揺動アーム28は揺動軸29を介して相対運動機構31に連結されている。揺動アーム28は相対運動機構31により揺動軸29を中心に矢印Gで示すように揺動し、これにより、エネルギー粒子照射機構16が半導体チップ2の周りを旋回する。それぞれのエネルギー粒子照射機構16は、被洗浄表面4に対して角度θでエネルギー粒子を照射できるように、被洗浄表面4に対して斜めに設置されている。なお、揺動の角度は、360°をエネルギー粒子照射機構16の数で割った角度以上であればよい。例えば、2つのエネルギー粒子照射機構16を図6に示すように対称的に設置した場合は、揺動軸29を中心に180°以上の角度で揺動アーム28を揺動させればよい。また、例えば、4つのエネルギー粒子照射機構16を設置した場合は、90°以上の角度で揺動アーム28を揺動させればよい。なお、ここで揺動軸29は、当該軸を中心として一つの向きとその反対の向きとに交互に向きを替えて回転する(即ち揺動する)例を説明したが、ここにおける揺動の目的は、もとよりエネルギー粒子照射機構16を運動させて、半導体チップ(被洗浄物)2とエネルギー粒子照射機構16との相対位置を変化させることにあるから、揺動軸29に替えて別の回転軸を用いて(または揺動軸29を回転軸として機能させて)一定の向きに回転運動させるように相対運動機構31を構成してもよい。
このような構成によれば、ステージ5を回転させなくても、エネルギー粒子1の照射の際に、影になる部分を大幅に小さくすることができる。したがって、被洗浄表面4がはんだバンプ3の曲面および半導体チップ2の平坦面を含む場合であっても、被洗浄表面4の大部分を洗浄することが可能となる。また、エネルギー粒子照射機構16は、矢印H,H´に示すようにその軸を中心に回転運動(自転)してもよい。この場合は、エネルギー粒子照射機構16の自転により、エネルギー粒子1の分布のばらつきを平均化することが可能となる。この例において、エネルギー粒子照射機構として、第3の実施形態に係るエネルギー粒子照射機構14を用いてもよい。
以上の説明においては洗浄物として半導体チップを例にあげて説明したが、本発明の洗浄対象はこれに限られることではなく、電子部品としては他に例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどの表示用パネルや球状半導体などがあり、光学部品としては例えば半導体製造工程に使用される露光マスクや光MEMS(Micro Electro Mechanical System)に組み込まれるマイクロレンズ、マイクロミラーなどがあり、機械部品としては例えばインクジェットプリンタのインク吐出ヘッドなどの各種MEMSやAFM(Atomic
Force Microscopy)などのカンチレバーなどがある。これらの部品類は本発明によって半導体チップと同様に洗浄処理が可能である。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
本発明の第1の実施形態に係る表面洗浄方法を説明するための概略図である。 図2(a)乃至図2(d)は、洗浄工程を行っているときのエネルギー粒子の照射とステージの回転を行うタイミングを示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る表面洗浄方法を説明するための概略図である。 本発明の第3の実施形態に係る表面洗浄装置を示す概略図である。 本発明の第4の実施形態に係る表面洗浄装置の要部を示す概略図である。 本発明の第5の実施形態に係る表面洗浄装置の要部を示す概略図である。 エネルギー粒子を用いてドライ洗浄を行う様子を説明するための概略図である。
符号の説明
1 エネルギー粒子
1a 中性粒子ビーム
2 半導体チップ(被洗浄物)
3 はんだバンプ
4 被洗浄表面
5 ステージ(保持部)
6 二次電子
7 照射角度調整機構
8,10 軸
9 位置決め回転機構
11 上部電極
12 下部電極
13 照射エネルギー調整機構
14,16 エネルギー粒子照射機構
15,30 ステージ回転機構
18 被洗浄物
21 洗浄室
22 プラズマ室
23 ロードロック室
24 洗浄室側ゲートバルブ
25 大気側ゲートバルブ
26 洗浄ガス供給ポート
27 洗浄ガス供給源
28 揺動アーム
29 揺動軸
31 相対運動機構

Claims (12)

  1. 製造工程の一環として行われる洗浄工程を実施するための表面洗浄方法であって、
    被洗浄物を回転させ、
    前記被洗浄物の被洗浄表面に対して斜めにエネルギー粒子を照射し、
    前記洗浄工程中には、前記回転および前記照射を同時に実行する時間帯及び/または前記回転および前記照射の一方のみを実行する時間帯が存在することを特徴とする表面洗浄方法。
  2. 前記洗浄工程中には、前記回転および前記照射のいずれも行わない時間帯がさらに存在することを特徴とする請求項1に記載の表面洗浄方法。
  3. 前記エネルギー粒子が中性粒子ビームであることを特徴とする請求項1または2に記載の表面洗浄方法。
  4. 前記照射の前に、前記中性粒子ビームの照射エネルギーを、前記被洗浄物からの二次電子放出の閾値未満に設定することを特徴とする請求項3に記載の表面洗浄方法。
  5. 製造工程の一環として行われる洗浄工程を実施するための表面洗浄方法であって、
    中性粒子ビームの照射エネルギーを、被洗浄物からの二次電子放出の閾値未満に設定し、
    前記設定の後、前記被洗浄物の被洗浄表面に前記中性粒子ビームを照射することを特徴とする表面洗浄方法。
  6. 被洗浄物を保持する保持部と、
    前記被洗浄物を回転させる回転機構と、
    前記被洗浄物にエネルギー粒子を照射するエネルギー粒子照射機構とを備え、
    前記エネルギー粒子は、前記保持部に保持された前記被洗浄物の被洗浄表面に対して斜めに照射されることを特徴とする表面洗浄装置。
  7. 前記エネルギー粒子照射機構が中性粒子ビーム照射機構であることを特徴とする請求項6に記載の表面洗浄装置。
  8. 前記中性粒子ビーム照射機構は、中性粒子ビームの照射エネルギーを調整するための照射エネルギー調整機構を有することを特徴とする請求項7に記載の表面洗浄装置。
  9. 被洗浄物を保持する保持部と、
    前記被洗浄物に中性粒子ビームを照射する中性粒子ビーム照射機構とを備え、
    前記中性粒子ビーム照射機構は、中性粒子ビームの照射エネルギーを調整するための照射エネルギー調整機構を有することを特徴とする表面洗浄装置。
  10. 被洗浄物を保持する保持部と、
    前記被洗浄物にエネルギー粒子を照射するエネルギー粒子照射機構と、
    前記エネルギー粒子照射機構を前記保持部に対して相対運動させるための相対運動機構とを備え、
    前記エネルギー粒子は、前記保持部に保持された前記被洗浄物の被洗浄表面に対して斜めに照射されることを特徴とする表面洗浄装置。
  11. 前記エネルギー粒子照射機構が中性粒子ビーム照射機構であることを特徴とする請求項10に記載の表面洗浄装置。
  12. 前記中性粒子ビーム照射機構は、中性粒子ビームの照射エネルギーを調整するための照射エネルギー調整機構を有することを特徴とする請求項11に記載の表面洗浄装置。
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