JP2006288244A - 培養装置並びに細胞の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 攪拌翼を使用することなく培養液の攪拌を行うことができ、細胞に与えるダメージが小さい培養装置を提供する。
【解決手段】 気体溜部材が伸びて仕切り構成管3内の空気の吸引すると、仕切り構成管3内の圧力が他の部位に比べて低下し、(b)の様に内部の培養液が仕切り構成管3内に吸い込まれる。ギャードモータがさらに回転すると気体溜部材が収縮し、気体溜部材内の空気を仕切り構成管3側に排出する。その結果、仕切り構成管3内の圧力が他の部分に比べて高くなり、仕切り構成管3内に吸い込まれた培養液は培養容器2側に戻され、さらに(c)の様に仕切り構成管3の周囲の液面を押し上げる。さらに続いてギャードモータ18がさらに回転すると、前記した(b)の様に内部の培養液が仕切り構成管3内に吸い込まれ、以下、この工程を繰り返す。
【選択図】 図3

Description

本発明は、動物細胞や植物細胞等の細胞を培養する培養装置に関するものである。また本発明の培養装置は、微生物の細胞を培養する場合にも使用することができる。本発明は、間葉系幹細胞の様に剪断力に対して脆弱な細胞を培養するのに適するものである。
また本発明は、細胞等を培養する方法に関するものである。
動物細胞の培養技術は、バイオテクノロジー分野における重要な技術の一つである。例えば種々のタンパク医薬が組み換え動物細胞を培養することによって生産されている。
一方、近年、いわゆる再生医療が注目され、実用化に向けて日々研究が行われている。ここで再生医療とは、体の一部が死滅したり失われてしまった様な場合に、細胞を利用してその失われた機能の取り戻しを図る医療である。
再生医療の実用化や実験研究には、幹細胞等の動物細胞の培養が欠かせない。ここで近年、人の骨髄組織中に、骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、筋肉細胞(心筋・骨格筋)等に分化する能力を持つ間葉系幹細胞が存在することが報告されており、研究者の間では、この間葉系幹細胞を如何にして培養するかという点に注目が集まっている。
間葉系幹細胞の培養は例えば次の方法によって行うことができる。
即ち人体から取り出した骨髄液から間葉系幹細胞を分離し、これをフラスコ内に培地と共に入れる(播種)。なお間葉系幹細胞は市販されているが、提供者の同意を得て当該提供者から採取する場合もある。
そして細胞をフラスコの底面に付着した状態で増殖させる。細胞は、二次元的に増殖し、フラスコ底面を覆ってゆく。
フラスコ底面に培養可能な余地面積が少なくなると、トリプシン等によって細胞を剥離・分離し、新たなフラスコに分離した間葉系幹細胞を播種し、増殖させてゆく。
この方法では、フラスコ底面からの細胞の剥離や、新たなフラスコへの播種に手間が掛かる。またこれらの作業は、多くの場合、手作業で行われるので作業中にコンタミネーションが起こる危険がある。
また間葉系幹細胞の培養に適用された例は報告されていないが、他に動物細胞を高密度で効率よく培養する方法として、キャリアビーズ等の担体上に細胞を付着させて培養する方策が知られている。
特許文献1,2には、キャリアビーズを使用した細胞の培養装置が開示されている。特許文献1に開示された培養装置では、培地と細胞との接触機会を増加させる目的と、細胞の分散を促す目的から、攪拌翼を回転させることによって培養液を攪拌している。特許文献2に開示された培養装置では、攪拌翼を振動させることによって培養液を攪拌している。
特開平4−278076号公報 特開平7−75549号公報
キャリアビースを使用した培養方法では、培養液の攪拌が必要であり、この方法を実現するための培養装置には攪拌翼が必須である。即ち前記した様に、細胞の効率的な培養には培養液の攪拌が欠かせず、従来技術においては、図6に示すように培養液100中に攪拌翼101を挿入し、これを機械的に動かして培養液を攪拌している。
従来技術の培養装置は、前記した様に攪拌翼を機械的に動かして培養液を攪拌するものであるから、培養中に細胞と攪拌翼が接触し、細胞を傷つけてしまうことがある。そのため間葉系幹細胞の様に細胞膜を持たず、剪断力に対して極めて弱い細胞は、攪拌翼との接触によって大きなダメージを受け、効率良く培養することができないという問題があった。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、攪拌翼を使用することなく培養液の攪拌を行うことができ、細胞に与えるダメージが小さい培養装置の提供を課題とするものである。
そして上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、培養液が充填される培養容器を備え、当該培養容器内で細胞を培養する培養装置において、前記培養容器は、主たる培養室と、当該培養室と連通する気圧変動室を備え、気圧変動室内の気圧を変化させて培養液の液面を昇降可能とすることを特徴とする培養装置である。
本発明の培養装置では、培養室と連通する気圧変動室を備える。そして気圧変動室内の気圧を変化させて培養液の液面を昇降可能である。その結果、培養装置内に培養液の流れが生じ、培養液が攪拌される。
また請求項2に記載の発明は、培養液が充填される培養容器を備え、当該培養容器内で細胞を培養する培養装置において、培養容器の内部を仕切る仕切り部材を有し、仕切り内の圧力を変化させる圧力変化手段を備え、仕切り内の圧力を変化させて培養液の液面を昇降可能とすることを特徴とする培養装置である。
本発明の培養装置では、培養容器の内部を仕切る仕切り部材を備え、圧力変化手段は仕切り内の圧力を変化させる。そのため仕切り部材の内外で圧力差が生じ、培養装置内に培養液の流れが起こって培養液が攪拌される。
請求項3に記載の発明は、培養容器内に培地と、細胞を着床させる担体が充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の培養装置である。
本発明の培養装置では、培養容器内に細胞を着床させる担体が充填されている。ここで担体は、例えばマイクロキャリアや、マイクロビーズと称されるものである。本発明の培養装置では、細胞を着床させる担体を備えているので、容器の底面に細胞を着床させる場合に比べて着床し得る面積が著しく広い。また容器の底に着床させる場合に必要であった、「細胞を剥離・分離し、新たなフラスコに分離した間葉系幹細胞を播種」する作業を省略又は軽減することができる。前記した作業は、多くの場合、作業者の手作業によって行われていたのが現状であり、手間が掛かるばかりでなく、コンタミネーションの要因であったが、本発明では、この作業を省略又は軽減することができ、手間が掛からず、またコンタミネーションの危険性を軽減することができる。
また従来、マイクロキャリア等を使用しての間葉系幹細胞の培養はできないとされていたが、本発明によりこれが可能となった。
即ちマイクロキャリア等の担体を使用する培養方法は、細胞を高密度で効率よく培養することができる利点がある反面、攪拌の際に細胞を傷付け易いという欠点がある。一方、間葉系幹細胞は、外力に対して極めて脆弱である。そのためマイクロキャリア等に着床させても、従来技術の様に回転翼がマイクロキャリア等に接触すると細胞が傷付き、成長が妨げられるという問題があった。
これに対して本発明の培養装置によると、容器内に機械的動作をする部材を無くすることも可能であり、回転翼による細胞の損傷がない。そのため本発明によると、間葉系幹細胞の様な極めて弱い細胞であっても、マイクロキャリア等を使用して培養することができる。
また請求項4に記載の発明は、仕切り部材は管体であることを特徴とする請求項2又は3に記載の培養装置である。
本発明では、仕切り部材に管体が採用されている。そのため構造が簡単であり、製造が容易である。
また請求項5に記載の発明は、仕切り部材は培養容器と一体であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の培養装置である。
本発明の培養装置では、仕切り部材と培養容器とが一体であるから、コンタミネーションの危険性が低い。また本発明の培養装置は製造が容易である。
また請求項6に記載の発明は、内部に空間を有し、外部からの力によって前記空間が変形可能であり、且つ気密状態を維持することができる気体溜部材を備え、気体溜部材は仕切り内の空間と連通していることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の培養装置である。
本発明の培養装置では、気体溜部材を有し、当該気体溜部材は仕切り内の空間と連通している。そのため気体溜部材を外力によって変形させて気体溜部材の体積を縮小させると、気体溜部材の気体が仕切り内の空間に移動し、仕切り内の圧力が上昇して仕切り内の液面を下降させる。逆に気体溜部材内の体積を増加させると、仕切り内の気体が気体溜部材内側に移動し、仕切り内の圧力が降下して仕切り内の液面が上昇する。
また本発明で採用する気体溜部材は、気密状態を維持することができるものであるから、外気と遮蔽されており、雑菌が培養容器内に混入したり、培養物が大気と触れる恐れがない。
請求項7に記載の発明は、圧力変化手段は、圧力を、正負繰り返し状態となる様に変化させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の培養装置である。
本発明の培養装置では、圧力変化手段によって、仕切り内等の圧力が、正負繰り返し状態となる様に変化する。そのため培養容器内の液面は標準水位に対して上昇と下降を繰り返す。そのため本発明の培養装置は、培養液の攪拌効率が優れている。
また請求項8に記載の発明は、培養容器には送気口と排気口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の培養装置である。
本発明の培養装置では、培養容器には送気口と排気口が設けられているので、培養に必要な酸素や二酸化炭素を供給することができる。
また請求項9に記載の発明は、培養容器には担体供給手段が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の培養装置である。
本発明の培養装置では、培養容器には担体供給手段が取り付けられているので、必要に応じて培養容器内に担体を供給することができる。
また請求項10に記載の発明は、培養容器は気密状態とすることができるものであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の培養装置である。
本発明の培養装置は、培養容器を気密状態とすることができるので、雑菌等が培養容器内に混入したり、培養物が大気と触れる危険性が低い。
また請求項11に記載の発明は、培養容器は底面が曲面状であり、遠心分離器に装着可能であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の培養装置である。
本発明の培養装置では、培養容器の底面が曲面状であり、遠心分離器に直接的に装着可能である。そのため培養した細胞の分離が容易であり、また分離の際にコンタミネーションが起こる危険性が低い。
また請求項12に記載の発明は、細胞を着床させる担体及び培養液が充填される培養容器を備え、当該培養容器内で細胞を培養する培養装置において、培養容器は底面が曲面状であり、培養容器の内部には管体が設けられ、さらに管体内の圧力を正負繰り返し状態となる様に変化させる圧力変化手段を備え、管体内の圧力を変化させて培養液の液面を昇降可能とすることを特徴とする培養装置である。
本発明の培養装置は、前記した構成を備えるものであり、攪拌翼を用いること無く培養液の攪拌が可能である。
請求項13に記載の発明は、内部に仕切りが設けられた培養容器に液状の培地と細胞とを充填する工程と、仕切り内の圧力を変動させて培地の液面を昇降させる工程を含むことを特徴とする細胞又は微生物の製造方法である。
本発明によると、細胞を容易に培養することができる。
本発明の培養装置は、攪拌翼を用いること無く培養液を攪拌することができるので、細胞に与えるダメージが小さく、細胞を効率良く培養することができる効果がある。
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態の細胞培養装置の斜視図である。図2は、図1の細胞培養装置の断面図である。図3は、図1の細胞培養装置の作用を説明する説明図である。図4は、本発明の他の実施形態の細胞培養装置の作用を説明する説明図である。図5は、本発明のさらに他の実施形態の細胞培養装置の断面図である。
本実施形態の培養装置1は、図1、図2の様に培養容器2内に複数の管が挿入されたものである。
即ち本実施形態の培養装置1は、培養容器2内に仕切り構成管3、培養用気体供給管5、培養液排出管6が設けられ、さらに気体排出用開口7、培養液供給開口8、及びビーズ供給開口10が設けられたものである。
また仕切り構成管3には、圧力変化装置15が取り付けられている。圧力変化装置15は気体溜部材16と、クランク部材17とギャードモータ18によって構成されている。
培養容器2は、ガラス又は透明な樹脂で作られたものであり、内部の状態を観察することができる。培養容器2の形状は、遠沈管に似た形状であり、底部が球面をしている。培養容器2は後記する様に遠心分離機に直接装着することができる。
培養容器2の頂面には蓋部材12が設けられている。仕切り構成管3、培養用気体供給管5、培養液排出管6、気体排出用開口7、培養液供給開口8及びビーズ供給開口10は、いずれも蓋部材12に設けられている。
仕切り構成管3は、培養容器2の中心にあり、その先端は培養容器2の先端部の近傍に至っている。仕切り構成管3の下端部側、即ち培養容器2に内蔵された側の先端は開放されている。仕切り構成管3の内径は、培養容器2の内径の1/5〜1/2程度である。
仕切り構成管3内は、培養容器2の他の部分と仕切られている。また仕切り構成管3の内部と培養容器2の他の部分は連通する。
本実施形態では、仕切り構成管3の内部が気圧変動室22として機能する。また仕切り構成管3の外側の部位が、主たる培養室23として機能する。
圧力変化装置15は前記した様に気体溜部材16と、クランク部材17とギャードモータ18によって構成されている。気体溜部材16は、ジャバラを有しており、軸方向に変形可能である。即ち気体溜部材16は、ふいごの様な形状・機能を備えるものであり、全長を収縮させることによって内部の容積が縮小し、内部の気体が放出される。
クランク部材17は、円板部材20と軸部材21によって構成されている。円板部材20は、図1に示すように偏心した位置に3か所孔25,26,27が設けられている。軸部材21は、上記した3か所孔25,26,27の孔のいずれかに取り付けられている。
本実施形態で採用するギャードモータ18は変速機能を持ち、回転軸の回転数を変更することができる。
クランク部材17は、ギャードモータ18によって回転される。従ってギャードモータ18の回転によって円板部材20が回転し、軸部材21が昇降する。なお軸部材21の取付け位置を変更することによって軸部材21の昇降ストロークが変わる。
さらにギャードモータ18の回転数を変更することにより、昇降周期が変わる。
前記した仕切り構成管3の他端側、即ち大気露出側には、圧力変化装置15の気体溜部材16が接続されている。従ってギャードモータ18を回転すると、気体溜部材16が伸縮を繰り返し、仕切り構成管3内の空気の吸引・排出を繰り返す。
また軸部材21の取付け位置を変更すると、一回ごとの給排気量が変わる。またギャードモータ18の回転数を変更すると、給排気の周期が変更される。
培養用気体供給管5及び培養液排出管6は、いずれも仕切り構成管3に比べて十分に細いものであり、いずれもその先端は、培養容器2の先端部の近傍に至っている。
培養用気体供給管5は、気体供給装置30に接続されている。気体供給装置30は、送風ポンプ31及びフィルター32を備え、外気をポンプ31で吸引し、フィルター32を経て培養用気体供給管5に清浄状態の空気を供給するものである。またフィルター32から培養用気体供給管5に至る中途部分には、二酸化炭素のボンベ35がバルブ36を介して接続されており、必要に応じて供給する空気中に二酸化炭素を補充することができる。 培養液排出管6は廃液管38に接続されている。廃液管38にはバルブ40が取り付けられている。バルブ40は、通常、閉止されている。
培養液供給開口8は、バルブ41を介して培養液圧送タンク43に接続されている。バルブ41についても通常、閉止されている。
ビーズ供給開口10は、バルブ45を介して通常ビーズ供給ホッパー46に接続されている。バルブ45についても通常、閉止されている。
気体排出用開口7は、バルブ52及びフィルター53を介して大気開放されている。バルブ52は常時開放されている
なお培養容器2に接続された全てのバルブを閉止すると、培養容器2は密閉状態となる。
次に本実施形態の培養装置1の機能を培養工程に沿って説明する。
培養の準備段階として、培養容器2内に培地と、マイクロキャリア(細胞を着床させる担体)を充填する。培地の充填量は、培養容器の容積の1/2未満であることが推奨される。ただし仕切り構成管3の下端は、培養液に浸っている。
そして培養容器2を図1,2に示す様な外部装置に接続する。即ち培養容器2から突出する仕切り構成管3に、圧力変化装置15の気体溜部材16を接続する。
また培養用気体供給管5に、気体供給装置30を接続する。さらに培養液供給開口8は培養液圧送タンク43に接続され、ビーズ供給開口10は、ビーズ供給ホッパー46に接続される。培養液排出管6は廃液管38に接続される。
培養を行う際には、培養液供給開口8に繋がるバルブ41、ビーズ供給開口10に繋がるバルブ45、及び廃液管38に設けられたバルブ40はいずれも閉止されている。
そして図示しない保温装置によって培養容器2を摂氏37度程度に保温する。また培養用気体供給管5から培養に必要な空気や二酸化炭素を供給する。また培養用気体供給管5から空気や二酸化炭素を供給することによって余剰となった培養容器2内の気体は、気体排出用開口7から外部に排出される。
そして圧力変化装置15のギャードモータ18を起動する。その結果、気体溜部材16が伸縮を繰り返し、仕切り構成管3内の空気の吸引・排出を繰り返す。
ここで気体溜部材16が伸びて仕切り構成管3内の空気を吸引すると、仕切り構成管3内(仕切り内 気圧変動室22)の圧力が他の部位(主たる培養室23)に比べて低下し、図3(b)の様に内部の培養液50が仕切り構成管3内に吸い込まれる。即ち気体溜部材16は気密状態を維持することができるものであり、且つ気体溜部材16と連通する仕切り構成管3の下端は培養液50に浸った状態であるから、気体溜部材16が伸びて仕切り構成管3内の空気を吸引すると、培養液50が仕切り構成管3内に吸い込まれる。
ギャードモータ18がさらに回転すると気体溜部材16が収縮し、気体溜部材16内の空気を仕切り構成管3側に排出する。その結果、仕切り構成管3内の圧力が他の部分に比べて高くなり、仕切り構成管3内に吸い込まれた培養液50は培養容器2側に戻され、さらに図3(c)の様に仕切り構成管3の周囲の液面を押し上げる。
さらに続いてギャードモータ18が回転すると、前記した図3(b)の様に内部の培養液50が仕切り構成管3内に吸い込まれ、以下、この工程を繰り返す。
その結果、培養容器2内の培養液50に流れが生じ、培養液50が攪拌される。なお前記した様に気体溜部材16は気密状態を維持することができるものであり、気体溜部材16内の空気が外気と接することは無いので、コンタミネーションの危険は無い。
なお、培養液50の液面が昇降すると、培養容器2内の主たる培養室23の残余の体積が変動する。体積が減少する際には、残余の部分の気体は、気体排出用開口7から外部に排気される。逆に体積が増加する際には、培養用気体供給管5から新たに空気が供給される。即ち気体排出用開口7は圧力逃がしとして機能し、培養用気体供給管5は圧力緩衝として機能する。
培養期間中に培養液の交換が必要となった場合は、培養液供給開口8に繋がるバルブ41と廃液管38に設けられたバルブ40を開き、培養液圧送タンク43から新たな培養液を培養容器2に供給すると共に、古くなった培養液を培養液排出管6から抜き出す。抜き出された培養液は、廃液管38に回収され、所定の処理を行った後に廃棄される。
また培養期間中にマイクロキャリアが不足した場合は、バルブ45を開いてビーズ供給ホッパー46からマイクロキャリアを培養容器2に追加する。
細胞の培養が完了すると、培養容器2を外部装置(圧力変化装置15等)から取り外し、図示しない遠心分離機に掛ける。その結果、所望の細胞が分離される。
以上説明した培養装置1では、培養容器2内に仕切り構成管3を挿入して培養容器2内を二つの空間に仕切った。この構成は、培養液を中心部から吸排することができ、培養液の淀みが少ない点で推奨される。しかしながら、本発明は、この構成に限定されるものではなく、図4に示す様に培養容器60内に平板状の仕切り壁61を設け、当該仕切り壁61によって培養容器60内を二つの空間に仕切ってもよい。
図4に示す培養容器60では、仕切り壁61で仕切られた部位が気圧変動室70として機能し、仕切り壁61の外側が、主たる培養室71として機能する。従って気圧変動室70に設けられた開口68は、図示しない圧力変化装置に接続される。
また図4において、開口73は、図示しない気体供給装置30に接続される。開口74は、排気口である。
また前記した実施形態は、「主たる培養室」として機能する部位と、「気圧変動室」として機能する部位が一つの容器の内部に設けられた例であるが、「気圧変動室」が「主たる培養室」の外部に設けられていてもよい。
即ち図5に示すように培養容器66を大瓶部(主たる培養室)62と小瓶部(気圧変動室)63に二分割し、この両者を導通管65で接続したものであってもよい。図5に示す培養容器66では、小瓶部63に図示しない圧力変化装置を接続する。
また図5においても、開口73は、図示しない気体供給装置30に接続される。開口74は、排気口である。
図5に示した培養容器66では、大瓶部(主たる培養室)62と小瓶部(気圧変動室)63の下部近傍同士を導通管65で接続したが、最下部に導通管を設けてもよい。勿論、全体形状が「U」字管の様なものであってもよい。
また上記した各実施形態では、「主たる培養室」として機能する部位が一つであり、「気圧変動室」として機能する部位についても一つであるが、一方又は双方が複数であってもよい。
例えば一つの「主たる培養室」に、2室又はそれ以上の「気圧変動室」が設けられていてもよい。逆に一つの「気圧変動室」をもって複数の「主たる培養室」の液面を昇降させてもよい。
また上述した本実施形態では、気体排出用開口7又は開口74が、培養容器2,60,66内の気体の成分(二酸化炭素濃度等)を調節するための排気口と、内部の圧力を一定に維持するための排気口を兼ねているが、両者を別個のものとしてもよい。
また先の実施形態では、培養容器2に培養液圧送タンク43やビーズ供給ホッパー46を接続した。この構成によると、単にバルブを操作するだけで培地の更新や、担体の増量を行うことができる。しかしながら、これらの構成は必須ではなく、省略することもできる。培養液圧送タンク43やビーズ供給ホッパー46を省略する場合には、培養液供給開口8及びビーズ供給開口10は不要である。
逆に、サンプリング用の開口等を培養容器2に設けてもよい。
また上記した実施形態では、ギャードモータ18を採用することによって給排気の周期を変更可能とし、また軸部材21の円板部材20に対する取付け位置を変更可能として一回ごとの給排気量を変更可能とした。この構成によると、細胞等の成長過程において時期に応じた適切な攪拌を行うことができる。しかしながらこれらの構成についても、必須ではなく、省略することもできる。
また上記した実施形態では、各管や開口をいずれも蓋部材12に設けたが、これらを培養容器2の側壁に設けてもよい。
培養装置1の製造方法は任意であるが、培養容器2と仕切り構成管3等をブロー成形等によって一体成形して製造することが望ましい。また或いは、蓋部材12に仕切り構成管3等を射出成形等によって一体成形し、別途成形した培養容器2の本体部分に、蓋部材12を接着してもよい。
図1に示す培養装置を試作した。培養装置1の培養容器2の内径は、50mmであり、仕切り構成管3の内径は、15mmである。そして培養装置をガンマー線滅菌した後、培地、担体及び培養する細胞を培養容器2に充填した。
なお本実施形態では、培地としては「ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)+10%子ウシ血清」を使用し、担体はデキストランのマイクロキャリアを使用した。
培養する細胞としては、市販の間葉系幹細胞を使用した。
市販の間葉系幹細胞は、具体的にはCambrex社製であり、人体から取り出した骨髄液から間葉系幹細胞を分離したものである。
そして先述した実施形態の様に気体溜部材16を伸縮して培養容器2内における培養液の液面を昇降し、培養液を攪拌しつつ細胞を培養した。
20日後に担体を取り出して顕微鏡観察したところ、ほとんどのビースに細胞が着床していることが確認できた。
本発明の実施形態の細胞培養装置の斜視図である。 図1の細胞培養装置の断面図である。 図1の細胞培養装置の作用を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態の細胞培養装置の作用を説明する説明図である。 本発明のさらに他の実施形態の細胞培養装置の断面図である。 従来技術の細胞培養装置の断面図である。
符号の説明
1 培養装置
2,60,66 培養容器
3 仕切り構成管
5 培養用気体供給管
6 培養液排出管
7 気体排出用開口
8 培養液供給開口
10 ビーズ供給開口
15 圧力変化装置
16 気体溜部材
17 クランク部材
18 ギャードモータ
20 円板部材
22,70 気圧変動室
23,71 主たる培養室
62 大瓶部(主たる培養室)
63 小瓶部(気圧変動室)

Claims (13)

  1. 培養液が充填される培養容器を備え、当該培養容器内で細胞を培養する培養装置において、前記培養容器は、主たる培養室と、当該培養室と連通する気圧変動室を備え、気圧変動室内の気圧を変化させて培養液の液面を昇降可能とすることを特徴とする培養装置。
  2. 培養液が充填される培養容器を備え、当該培養容器内で細胞を培養する培養装置において、培養容器の内部を仕切る仕切り部材を有し、仕切り内の圧力を変化させる圧力変化手段を備え、仕切り内の圧力を変化させて培養液の液面を昇降可能とすることを特徴とする培養装置。
  3. 培養容器内に培地と、細胞を着床させる担体が充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の培養装置。
  4. 仕切り部材は管体であることを特徴とする請求項2又は3に記載の培養装置。
  5. 仕切り部材は培養容器と一体であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の培養装置。
  6. 内部に空間を有し、外部からの力によって前記空間が変形可能であり、且つ気密状態を維持することができる気体溜部材を備え、気体溜部材は仕切り内の空間と連通していることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の培養装置。
  7. 圧力変化手段は、圧力を、正負繰り返し状態となる様に変化させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の培養装置。
  8. 培養容器には送気口と排気口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の培養装置。
  9. 培養容器には担体供給手段が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の培養装置。
  10. 培養容器は気密状態とすることができるものであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の培養装置。
  11. 培養容器は底面が曲面状であり、遠心分離器に装着可能であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の培養装置。
  12. 細胞を着床させる担体及び培養液が充填される培養容器を備え、当該培養容器内で細胞を培養する培養装置において、培養容器は底面が曲面状であり、培養容器の内部には管体が設けられ、さらに管体内の圧力を正負繰り返し状態となる様に変化させる圧力変化手段を備え、管体内の圧力を変化させて培養液の液面を昇降可能とすることを特徴とする培養装置。
  13. 内部に仕切りが設けられた培養容器に液状の培地と細胞とを充填する工程と、仕切り内の圧力を変動させて培地の液面を昇降させる工程を含むことを特徴とする細胞又は微生物の製造方法。
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