JP2006287305A - 電圧比較器 - Google Patents

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陽一 岡本
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Abstract

【課題】制御電圧の電圧変化に誤動作なく速やかに応答して正帰還(ラッチ)動作を開始ができ、且つ入力電圧の差動増幅動作への復帰が速く高速動作を行なえるようにする。
【解決手段】電圧比較器は、外部から入力される差動入力電圧Vinp、Vinnを差動電流に変換して出力する差動入力回路101と、出力電圧Voutn、Voutpを正帰還増幅するラッチ回路103と、差動入力回路101とラッチ回路103との間に接続され、第1の制御電圧Vcを各ゲートに受けるMOSトランジスタ10、11を含む第2のスイッチ回路105と、該第2のスイッチ回路105とラッチ回路103との間に接続され、第1の制御電圧Vc1と逆極性の第2の制御電圧Vc2をゲートに受けるPMOSトランジスタ12を含む第3のスイッチ回路106とを有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、A/D変換器等に用いられる電圧比較器に関する。
近年、半導体プロセスの微細化のより一層の進展により、半導体集積回路からなるシステムの1チップへの統合と信号処理速度の高速化とが進んでおり、システムのフロントエンド又はバックエンドにおいてアナログ信号とディジタル信号との相互変換を担うフィルタ、A/D変換器及びD/A変換器等においても、信号処理の高帯域化及び高速化が重要となっている。とりわけA/D変換器においては、その主要構成要素である電圧比較器の高速化が重要となっている。
以下、従来の電圧比較器について説明する(例えば、非特許文献1又は2を参照。)。
図4は従来の電圧比較器の回路構成を示している。図4に示すように、従来の電圧比較器は、ソースが接地電圧VSSと接続され、ゲートが定電流源として機能するようにバイアス電圧Vb1と接続されたNMOSトランジスタ1と、外部から入力される差動入力電圧(以下、入力電圧)Vinp、Vinnを差動電流に変換して出力する差動入力回路201と、差動電流を電源電圧VDDにより差動出力電圧(以下、出力電圧)Voutn、Voutpに変換する負荷回路202と、出力電圧Voutn、Voutpを正帰還増幅するラッチ回路203と、差動入力回路201と負荷回路202との間に接続された第1のスイッチ回路204と、差動入力回路201とラッチ回路203との間に接続された第2のスイッチ回路205とから構成される。
差動入力回路201は、それぞれのゲートが比較対象である入力電圧Vinp、Vinnを受け、その電圧差を差動電流に変換して増幅するNMOSトランジスタ2及びNMOSトランジスタ3により構成される。
第1のスイッチ回路204は、それぞれのソースがNMOSトランジスタ2、3のドレインと接続され、それぞれのゲートが電圧比較器の動作を制御する第1の制御電圧Vc1を受け、NMOSトランジスタ2、3とカスコード接続されるNMOSトランジスタ4及びNMOSトランジスタ5により構成される。
負荷回路202は、それぞれの一端がNMOSトランジスタ4、5の各ドレインであるノードA及びノードBと接続され、それぞれの他端が電源電圧VDDと接続され、差動電流を差動電圧に変換して増幅することにより、各ノードA、Bから出力電圧Voutn、Voutpとして出力する抵抗性負荷である抵抗器8及び抵抗器9により構成される。
ラッチ回路203は、ゲートがノードBと接続され、ドレインがノードAと接続されたNMOSトランジスタ6と、ゲートがノードAと接続され、ドレインがノードBと接続され、ソースがNMOSトランジスタ6のソースとの共通接続点であるノードCと接続され、NMOSトランジスタ6との協働により出力電圧Voutn、Voutpを正帰還増幅するNMOSトランジスタ7とにより構成される。
第2のスイッチ回路205は、それぞれのドレインがノードCと接続され、それぞれのゲートが第1の制御電圧Vc1と相補な極性を持つ第2の制御電圧Vc2を受けるNMOSトランジスタ10及びNMOSトランジスタ11により構成される。ここで、NMOSトランジスタ10のソースはNMOSトランジスタ2、4の共通接続点であるノードDと接続されており、NMOSトランジスタ11のソースはNMOSトランジスタ3、5の共通接続点であるノードEと接続されている。
以下、前記のように構成された電圧比較器の動作について図4及び図5を参照しながら説明する。
図5(a)は第1の制御電圧Vc1及び第2の制御電圧Vc2の各電圧レベルの状態の遷移と、NMOSトランジスタ4、5、10、11における各動作状態(ON/OFF状態)とのタイミングチャートを示している。図5(a)に示すように、第1の制御電圧Vc1と第2の制御電圧Vc2とは互いに相補の関係にあって、第1の制御電圧Vc1が電源電圧VDDと等しく且つ第2の制御電圧Vc2が接地電圧VSSと等しいときは「比較モード」となる。逆に、第1の制御電圧Vc1が接地電圧VSSと等しく且つ第2の制御電圧Vc2が電源電圧VDDと等しいときは「ラッチモード」となり、この2つのモードは所定の時間間隔で交互に繰り返される。
比較モードにおいては、各ゲートに電源電圧VDDを受けるNMOSトランジスタ4、5は共にON状態にあり、各ゲートに接地電圧VSSを受けるNMOSトランジスタ10、11は共にOFF状態にある。従って、このとき、電流源であるNMOSトランジスタ1により生じた電流Iは、抵抗器8、9を流れた後、NMOSトランジスタ4、2及びNMOSトランジスタ5、3を介してノードAとノードDとの間、及びノードBとノードEとの間にそれぞれ流れ、ラッチ回路203を構成するNMOSトランジスタ6、7を介しては定常的には流れない。すなわち、NMOSトランジスタ1、2、3、4、5及び抵抗器8、9によって差動増幅回路が構成され、入力電圧Vinp、Vinnの電圧差を所定の割合で差動増幅して、出力電圧Voutp、Voutnとして出力する。このとき、ラッチ回路203のノードCは、出力電圧Voutp、Voutnのうち、比較モードの間に達した最大電圧からNMOSトランジスタ6、7のしきい値電圧だけ低い電圧値を上限として充電されるため、ノードD及びノードEの電圧値よりも高くなる。
これに対し、ラッチモードにおいては、各ゲートに接地電圧VSSを受けるNMOSトランジスタ4、5はOFF状態にあり、各ゲートに電源電圧VDDを受けるNMOSトランジスタ10、11はON状態にあって、NMOSトランジスタ4、5を介したノードAとノードDとの間、及びノードBとノードEとの間には電流が流れず、NMOSトランジスタ6、7、10、11及びノードCを介してノードAとノードDとの間、及びノードBとノードEとの間に電流パスが形成される。
ところで、比較モードからラッチモードに状態が遷移する直前の比較モードにおいて、例えば入力電圧Vinp、Vinnの電圧値の大小関係がVinp>Vinnの場合は、出力電圧Voutp、Voutnの電圧値は所定の割合で差動増幅されてVoutp>Voutnとなっている。ラッチモードに切り替わって、NMOSトランジスタ10、11がOFF状態からON状態に遷移すると、ノードD及びノードEよりも高い電圧となっていたノードCの電圧が低下して、NMOSトランジスタ6、7がON状態に遷移する。
出力電圧Voutp、VoutnのうちVoutpは、ラッチ回路203におけるNMOSトランジスタ6のゲート電圧となり、Voutnはラッチ回路203におけるNMOSトランジスタ7のゲート電圧となるため、NMOSトランジスタ6のドレイン電流は、NMOSトランジスタ7のドレイン電流よりも大きくなる。従って、このNMOSトランジスタ6のドレイン電流の増加により、NMOSトランジスタ6のドレイン電圧である出力電圧Voutnが一層減少する一方、NMOSトランジスタ7のドレイン電圧である出力電圧Voutpが一層増大する。
このように、一方の出力電圧Voutpの増大が他方の出力電圧Voutnの減少を促し、逆に、他方の出力電圧Voutnの減少が一方の出力電圧Voutpの増大を促すという相互作用(正帰還又はラッチ)によって、出力電圧VoutpはVDDに収束し、出力電圧VoutnはVDD−I・Rに収束する。ここで、IはNMOSトランジスタ1で生じる電流の電流値であり、Rは抵抗器8、9の抵抗値である。なお、ラッチモードが開始する直前において、入力電圧の大小関係がVinp<Vinnである場合は、上記と全く逆の動作により、出力電圧VoutpがVDD−I・Rに収束し、出力電圧VoutnがVDDに収束する。すなわち、ラッチ回路203を構成するNMOSトランジスタ6、7はラッチモードの開始時における出力電圧VoutpとVoutnとの電圧差をI・Rの電圧差にまで増幅する正帰還増幅器として機能する。
以上説明したように、従来の電圧比較器は、入力電圧Vinp、Vinnの大小関係に対応して出力電圧Voutp、Voutnを出力する。すなわち、入力電圧の高い方が電源電圧VDDを出力し、低い方がVDD−I・Rを出力するという電圧比較動作を行なう。
RUDY J. VAN DE PLASSCHE,An 8−bit 100−MHz Full−Nyquist Analog−to−Digital Converter,IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS,VOL.23,NO.6,DECEMBER 1988,p.1340 G. W. Venes An 80−MHz,80−mW,8−b CMOS Folding A/D Converter with Distributed Track−and−Hold Preprocessing,IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS,VOL.31,NO.12,DECEMBER 1996 p.1852 特開2000−353948号公報
しかしながら、前記従来の電圧比較器は、比較モードからラッチモードへの遷移時において、第2の制御電圧Vc2が接地電圧VSSから電源電圧VDDに変化して、第1のスイッチ回路204を構成するNMOSトランジスタ10、11がOFF状態からON状態に遷移する際に、第2の制御電圧Vc2の電圧変化が、第2のスイッチ回路205を構成するNMOSトランジスタ10、11の寄生容量を介してノードCに伝達される。このため、ノードCの電圧値であるノード電圧Vcが過渡的に高電圧側に押し上げられてしまう。その結果、ラッチモードにおいてはラッチ回路203を構成するNMOSトランジスタ6、7がOFF状態からON状態へ遷移して正帰還動作(ラッチ動作)を開始するまでに余分な時間を要してしまうという問題がある。
逆に、ラッチモードから比較モードへの遷移時において、第2の制御電圧Vc2が電源電圧VDDから接地電圧VSSに変化して、NMOSトランジスタ10、11がON状態からOFF状態に遷移する際に、第2の制御電圧Vc2の電圧変化がNMOSトランジスタ10、11の寄生容量を介してノードCに伝達される。この場合には、ノード電圧Vcが過渡的に低電圧側に引き下げられるため、NMOSトランジスタ6、7がON状態からOFF状態へ遷移して差動増幅動作を開始するまでに余分な時間を要してしまう。その結果、入力電圧Vinp、Vinnが差動増幅された結果に誤差電圧が発生し、結果として誤比較を生じるという問題をも有している。
本願発明者は、上記の問題を解決すべく、種々の検討を重ねた結果、モード切り替え時に生じる余分な時間の発生原因を以下のように突き止めた。
まず、比較モードからラッチモードへの遷移の際にラッチ動作を開始するまでの動作について、図5(b)及び図5(c)を参照しながら説明する。図5(b)は電圧比較器に入力される入力電圧Vinp、Vinnのタイミングチャートの一例を示し、図5(c)は、図5(b)の入力電圧に対する電圧比較器の各ノードC、D、Eの電圧応答波形を示している。ここで、ノードC、D、Eの電圧値をそれぞれノード電圧Vc、Vd、Veとする。
まず、図5(a)に示す比較モード1の終端付近において、入力電圧Vinp、Vinnの電圧差が1mV程度で、本電圧比較器の入力電圧差としてほぼ最小である場合は、出力電圧Voutp、Voutnは、VDD−I・R/2をコモンモード電圧として、入力電圧Vinp、Vinnを所定の割合だけ増幅した電圧値となる。I・Rは通常0.3V〜0.5V程度に設定される。I・Rを0.5Vとした場合、電源電圧VDDを3.0Vとすると、VDD−I・Rは2.5Vとなる。ノード電圧Vcは、VDDからラッチ回路203を構成するNMOSトランジスタ6、7のしきい値電圧値である約0.7V〜1.0Vを減じた電圧、すなわち電圧値2.0V〜2.3V程度となる。ノード電圧Vd、Veは、電源電圧VDDから第1のスイッチ回路204を構成するNMOSトランジスタ4、5のゲートソース間電圧の電圧値である約0.9V〜1.2Vを減じた電圧、すなわち1.8V〜2.1V程度となる。ノード電圧Vcはノード電圧Vd、Veと比べてNMOSトランジスタ4、5の実効ゲートソース間電圧程度分だけ高い電圧値となる。
次に、比較モード1からラッチモード1に遷移すると、第1の制御電圧Vc1が電源電圧VDDから接地電圧VSSに変化して、NMOSトランジスタ4、5がON状態からOFF状態に遷移する。これと同時に、第2の制御電圧Vc2が接地電圧VSSから電源電圧VDDに変化して、第2のスイッチ回路205を構成するNMOSトランジスタ10、11がOFF状態からON状態に遷移する。この過渡状態において、第2の制御電圧Vc2の電圧変化がNMOSトランジスタ10、11の寄生容量を介してノードCに伝達されて、ノード電圧Vcが高電圧側に押し上げられる。
続いて、NMOSトランジスタ10、11がON状態になると、該NMOSトランジスタ10、11はそれぞれノードD及びノードEと導通し、ノード電圧Vc、Vd、Veはほぼ同一の電圧となる。このときのノード電圧Vcの遷移電圧が、ラッチ回路203を構成するNMOSトランジスタ6、7がOFF状態となるような高い電圧であった場合には、正帰還増幅は開始されなくなる。この間に、出力電圧Voutp、Voutnは抵抗器8、9を介して充電されて、出力電圧Voutp、Voutnの電圧値は上昇していく。その後、定電流源であるNMOSトランジスタ1の電流Iによって各ノード電圧Vc、Vd、Veの電圧が低下することにより、図5(c)の点αとして示すように、NMOSトランジスタ6、7は漸くON状態となって正帰還(ラッチ)動作が開始される。その後、出力電圧Voutp、Voutnは正帰還増幅されて、ハイレベルの電圧VDD又はロウレベルの電圧VDD−I・Rに相補的に収束していく。
このように、従来の電圧比較器は、ラッチモードへの遷移時に、実際に正帰還動作が開始されるまでに、ラッチモードに遷移してから実際に正帰還(ラッチ)動作が開始される時点αまでの余分な時間を要する。さらに、出力電圧Voutp、Voutnの値は、ハイレベルのVDDとロウレベルのVDD−I・Rといずれかであって、ディジタル回路の論理レベルである電源電圧VDD及び接地電圧VSSと比べて低電圧側の電圧が高く、このままディジタル回路には接続できないため、ダイナミック型のラッチ回路を介して、入力電圧Vinp、Vinnの比較結果をディジタルの信号レベルに変換して最終的に出力する。ところが、前述した問題によって、比較モード1の終端付近における出力電圧Voutp、Voutnのように、その電圧差が所定のI・Rに到達しない場合には、ダイナミック型ラッチ回路における信号レベルの変換が正常には行なわれず、誤比較が発生する確率が高くなる。
次に、ラッチモード1から比較モード2に遷移すると、第1の制御電圧Vc1が接地電圧VSSから電源電圧VDDに変化して、第1のスイッチ回路204を構成するNMOSトランジスタ4、5がOFF状態からON状態に遷移し、同時に、第2の制御電圧Vc2が電源電圧VDDから接地電圧VSSに変化して、第2のスイッチ回路205を構成するNMOSトランジスタ10、11がON状態からOFF状態に遷移する。これにより、入力電圧Vinp、Vinnを差動増幅する差動増幅器として機能する。
図5(b)の比較モード2に示すように、入力電圧Vinp、Vinnの入力電圧差が差動増幅のダイナミックレンジ以上の大きさであるとすると(Vinn>Vinp)、図5(c)に示すように、出力電圧Voutp、Voutnは比較モード2の終端では、それぞれロウレベルのVDD−I・R及びハイレベルのVDDに収束する。また、このとき、各ノード電圧Vc、Vd、Veは、比較モード1の説明で述べたとおりの電圧値に収束する。なお、過渡的な電圧応答のメカニズムについては後述する。
次に、比較モード2からラッチモード2に遷移すると、出力電圧Voutp、Voutn及び各ノード電圧Vc、Vd、Veは、ラッチモード1の説明で述べたとおりのメカニズムにより過渡的な電圧変化の後に、所定の電圧値に収束して、出力電圧Voutp、Voutnは、それぞれVDD−I・R、VDDとなる。
次に、ラッチモード2から比較モード3に遷移すると、第2のスイッチ回路205を構成するNMOSトランジスタ10、11がOFF状態になっていく。ここで、第1のスイッチ回路204を構成するNMOSトランジスタ4、5が十分にON状態となるまでの過渡的期間において、電圧比較器における電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間の電流パスが細くなると共に、第1の制御電圧Vc1における接地電圧VSSから電源電圧VDDへの電圧変化が、NMOSトランジスタ4、5の寄生容量を介して伝達されて、出力電圧Voutp、Voutnは高電圧側に遷移する。このとき、ノード電圧Vcは、第2の制御電圧Vc2の電源電圧VDDから接地電圧VSSへの電圧変化がNMOSトランジスタ10、11を介して伝達され、低電圧側に遷移しようとする。この動作と前述の出力電圧Voutp、Voutnの高電圧側への遷移との相乗作用によって、ラッチ回路203を構成するNMOSトランジスタ6、7のゲートソース間電圧がこの過渡的期間に大きくなってしまい、ラッチ状態が維持されるように作用する。その後、ノード電圧Vcの電圧値は、NMOSトランジスタ6、7からの電流の流入によって高電圧側への遷移に転じる。
このように、ラッチ回路203を構成するNMOSトランジスタ6、7は、ラッチモード2から比較モード3に遷移した後も、第2の制御電圧Vc2の電源電圧VDDから接地電圧VSSへの電圧変化が、第2のスイッチ回路205を構成するNMOSトランジスタ10、11を介してノードCに伝達される。その結果、ノード電圧Vcが低電圧側へ引き下げられることにより、ラッチ状態を維持しようとする作用が働く。これに対し、ノード電圧Vd、Veは、第1の制御電圧Vc1の電圧変化による第1のスイッチ回路204を構成するNMOSトランジスタ4、5を介した電荷の流入と、第2の制御電圧Vc2の電圧変化による第2のスイッチ回路205を構成するNMOSトランジスタ10、11を介した電荷の流出とが相殺される。さらに、ノード電圧Vd、Veの電圧値は、定電流源であるNMOSトランジスタ1によって電荷を引き抜かれる分だけ低電圧側に遷移する。その後、NMOSトランジスタ4、5が十分にON状態になると、ノードAとノードDとの間、及びノードBとノードEとの間がそれぞれ導通状態となって、出力電圧Voutp、Voutnは低電圧側に、ノード電圧Vd、Veは高電圧側に遷移して、電圧比較器は差動増幅器として機能し始める。
ここで、図5(b)に示すように、比較モード3における入力電圧が比較モード1と同様に電圧差が微小である場合は、ラッチモード2から比較モード3へ遷移した後もラッチ状態を維持しようとする作用が維持され、差動増幅動作の開始と比べて比較モードの時間が十分でなければ、出力電圧Voutp、Voutnは本来の差動増幅結果に収束しきれないままに次のラッチモード3に遷移し、その結果、図5(c)の点βとして示すように、誤比較が生じてしまい、いわゆるヒステリシス特性が増大することになる。
本発明は、前記従来の問題を解決し、制御電圧の電圧変化に誤動作なく速やかに応答して正帰還(ラッチ)動作を開始することができ、且つ、入力電圧の差動増幅動作への復帰が速く、すなわちヒステリシス特性を小さくして高速動作を行なえるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、電圧比較器を、ラッチ回路と正帰還(ラッチ)動作時に導通状態となる一のスイッチ回路との間に、該一のスイッチ回路と協働する他のスイッチ回路を設け、一のスイッチ回路とは極性が互いに異なる制御信号により駆動する構成とする。
具体的に、本発明に係る電圧比較器は、外部から入力される差動入力電圧を差動電流に変換して出力する差動入力回路と、差動電流を第1の電圧により差動出力電圧に変換する負荷回路と、差動出力電圧を正帰還増幅するラッチ回路と、差動入力回路と接続されており、差動入力回路と負荷回路との間を、第1の期間には導通状態とし且つ第2の期間には非導通状態とする第1のスイッチ回路と、差動入力回路とラッチ回路との間に接続されており、差動入力回路の出力部を、第1の期間には非導通状態とし且つ第2の期間には導通状態とする第2のスイッチ回路と、第2のスイッチ回路の状態変化に同期すると共に第2のスイッチ回路との協働により、差動入力回路とラッチ回路との間を、第1の期間には非導通状態とし且つ第2の期間には導通状態とする第3のスイッチ回路とを備え、第2のスイッチ回路と第3のスイッチ回路とは、極性が互いに異なる第1の制御信号及び第2の制御信号によりそれぞれ駆動されることを特徴とする。
本発明の電圧比較器によると、差動入力回路とラッチ回路との間に接続される第2のスイッチ回路と該第2のスイッチ回路の状態変化に同期し且つ協働する第3のスイッチ回路とは、極性が互いに異なる第1の制御信号及び第2の制御信号によりそれぞれ駆動される。このため、第1の期間と第2の期間との遷移時に、第1の制御信号とは逆極性の第2の制御信号が第3のスイッチ回路を介してラッチ回路に印加される。従って、ラッチ回路においては、第2のスイッチ回路に印加される第1の制御信号による電圧変動を、第3のスイッチ回路に印加される第1の制御信号と極性が異なる第2の制御信号によって抑制することができる。その結果、比較モード及びラッチモードの遷移時に、差動増幅動作及びラッチ動作の開始が迅速となるので、比較動作を高速化できる。
本発明の比較器において、差動入力回路は、各ゲートに差動入力電圧が印加される第1極性を有する第1のMISトランジスタ対を含み、ラッチ回路は、互いのゲートが互いのドレインとフリップフロップ接続され且つ互いのソースが第1のノードに接続された第1極性を有する第2のMISトランジスタ対を含み、第1のスイッチ回路は、差動入力回路とカスコード接続され、ゲートが第1の制御電圧を受ける第1極性を有する第3のMISトランジスタ対を含み、第2のスイッチ回路は、差動入力回路とカスコード接続され、ゲートが第1の制御信号である第2の制御電圧を受け、ドレインが第2のノードに接続された第1極性を有する第3のMISトランジスタ対を含み、第3のスイッチ回路は、ソース及びドレインの一方が第2のノードと接続され、ソース及びドレインの他方が第3のMISトランジスタ対と接続され、ゲートが第2の制御信号である第3の制御電圧を受ける第2極性を有する第1のMISトランジスタを含むことが好ましい。
この場合に、第2のノードと接続され、ゲートが第4の制御電圧を受ける第2のMISトランジスタを含む第4のスイッチ回路をさらに備え、第4のスイッチ回路は、第1の期間に、第2のノードに対して、第1の期間の終了直前における第1のノードの電圧と比べてラッチ回路を構成する第2のMISトランジスタ対のゲートソース間の電圧が大きくなるように、第2の電圧を供給することが好ましい。このようにすると、第1の期間の終了直前には、ラッチ回路を構成する第1極性を有する第2のMISトランジスタ対のゲート電圧を基準とした場合に、第2のノードの電圧は、第1のノードの電圧と比べてその電圧差が大きくなるように第2の電圧に設定できるため、第1の期間から第2の期間の遷移時に、ラッチ動作の開始を高速化できる。
また、この場合に、第1のノードと接続され、ラッチ回路に定常的に電流を流す定電流回路をさらに備えていることが好ましい。このようにすると、第1の期間への遷移時に、第3のスイッチ回路を介して第3の制御電圧を第1のノードに印加することにより、ラッチ回路を構成する第1極性を有するMISトランジスタが深いOFF状態となった場合でも、第1の期間中にON状態に近い状態に設定することができるため、第1の期間から第2の期間への遷移後に、ラッチ動作を迅速に開始することができる。
この場合の定電流回路は、ドレインが第1のノードと接続され、ゲートソース間が飽和領域で動作するように第3の電圧でバイアスされた第1極性を有する第3のMISトランジスタを含むことが好ましい。このようにすると、ラッチ回路に定常的に所定の電流を流すことができるため、ラッチ回路を構成するMISトランジスタが深いOFF状態となった場合でも、第1の期間中にON状態に近い状態に確実に設定することができる。
さらにこの場合に、定電流回路は、第1のノードと第3のMISトランジスタとの間に接続され、第3のMISトランジスタとカスコード接続される第1極性を有する第4のMISトランジスタを含むことが好ましい。このようにすると、ラッチ回路に定常的に所定の電流を流すと共に、第1のノードの寄生容量を低減することができるので、ラッチ回路を構成するMOSトランジスタが深いOFF状態となった場合でも、より高速に第1の期間中にONに近い状態に設定することができる。
本発明に係る電圧比較器によると、第1の期間(例えば比較モード)から第2の期間(例えばラッチモード)へ遷移する際に、制御電圧の電圧変化に迅速に応答して、正帰還(ラッチ)動作を開始することができ、且つ第2の期間から第1の期間へ遷移する際には、差動増幅動作への復帰が速く、ヒステリシス特性が小さい高速動作が可能となる。
本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る電圧比較器の回路構成を示している。図1に示すように、本実施形態に係る電圧比較器は、ソースが接地電圧VSSと接続され、ゲートが定電流源として機能するようにバイアス電圧Vb1と接続されたNMOSトランジスタ1と、外部から入力される差動入力電圧(以下、入力電圧)Vinp、Vinnを差動電流に変換して出力する差動入力回路101と、差動電流を電源電圧VDDにより差動出力電圧(以下、出力電圧)Voutn、Voutpに変換する負荷回路102と、出力電圧Voutn、Voutpを正帰還増幅するラッチ回路103と、差動入力回路101と負荷回路102との間に接続された第1のスイッチ回路104と、差動入力回路101とラッチ回路103との間に接続された第2のスイッチ回路105と、該第2のスイッチ回路105とラッチ回路103との間に接続された第3のスイッチ回路106とを有している。
差動入力回路101は、それぞれのゲートが比較対象である入力電圧Vinp、Vinnを受け、その電圧差を差動電流に変換して増幅するNMOSトランジスタ2及びNMOSトランジスタ3により構成される。
第1のスイッチ回路104は、それぞれのソースがNMOSトランジスタ2、3のドレインと接続され、それぞれのゲートが電圧比較器の動作を制御する第1の制御電圧Vc1を受け、ラッチ回路103を構成するNMOSトランジスタ2、3とカスコード接続されるNMOSトランジスタ4及びNMOSトランジスタ5により構成される。
負荷回路102は、それぞれの一端が第1のスイッチ回路104を構成するNMOSトランジスタ4、5の各ドレインであるノードA及びノードBと接続され、それぞれの他端が電源電圧VDDと接続され、差動電流を差動電圧に変換して増幅することにより、各ノードA、Bから出力電圧Voutn、Voutpとして出力する抵抗性負荷である抵抗器8及び抵抗器9により構成される。
ラッチ回路103は、ゲートがノードBと接続され、ドレインがノードAと接続されたNMOSトランジスタ6と、ゲートがノードAと接続され、ドレインがノードBと接続され、ソースがNMOSトランジスタ6のソースとの共通接続点であるノードCと接続され、NMOSトランジスタ6との協働により出力電圧Voutn、Voutpを正帰還増幅するNMOSトランジスタ7とにより構成される。
第2のスイッチ回路105は、それぞれのドレインが第3のスイッチ回路106との接続点であるノードFと接続され、それぞれのゲートが第1の制御電圧Vc1と相補な極性を持つ第2の制御電圧Vc2を受けるNMOSトランジスタ10及びNMOSトランジスタ11により構成される。ここで、NMOSトランジスタ10のソースはNMOSトランジスタ2、4の共通接続点であるノードDと接続されており、NMOSトランジスタ11のソースはNMOSトランジスタ3、5の共通接続点であるノードEと接続されている。
第3のスイッチ回路106は、ゲートが第1の制御電圧Vc1を受け、ソース及びドレインの一方がラッチ回路103のノードCと接続され、ソース及びドレインの他方がノードFと接続されたPMOSトランジスタ12により構成される。
さらに、本実施形態に係る電圧比較器には、ゲートが第1の制御電圧Vc1を受け、ソース及びドレインの一方がノードFと接続され、ソース及びドレインの他方が電源電圧VDDからラッチ回路103を構成するNMOSトランジスタ6、7のしきい値電圧を減じた電圧よりも低い、すなわちノードCの電圧Vcよりも低いバイアス電圧Vb2を受ける第4のスイッチ回路としてのNMOSトランジスタ13と、所定の電流をノードCから接地電圧VSSに定常的に流す定電流補助回路107を有している。
定電流補助回路107は、ドレインがノードCと接続され、ソースが接地電圧VSSと接続され、定電流源として機能するようにゲートがバイアス電圧Vb3を受けるNMOSトランジスタ15から構成される。
以下、前記のように構成された電圧比較器の動作について図1及び図2(a)〜(d)を参照しながら説明する。ここで、図2(a)及び(b)は従来例に係る図5(a)及び(b)と同一であって、入力電圧Vinp、Vinnの電圧値の大小関係に応じて、出力電圧Voutp、Voutnがハイレベルの電圧VDD及びロウレベルの電圧VDD−I・Rのいずれかを相補的に出力するという電圧比較動作は従来の電圧比較器と同様である。従って、電圧比較器の動作モードである「比較モード」及び「ラッチモード」の定義も従来例と同様である。図2(c)は第1の制御電圧Vc1及び第2の制御電圧Vc2の電圧レベルの状態遷移によるPMOSトランジスタ12とNMOSトランジスタ13とのON/OFF状態を示すタイミングチャートであり、図2(d)は図2(b)の入力電圧条件に対する電圧比較器の各ノードの電圧応答波形を示すタイミングチャートである。ここでは、ノードC、D、E、Fの各電圧をそれぞれノード電圧Vc、Vd、Ve、Vfとする。
まず、図2(a)に示す比較モード1の終端付近において、入力電圧Vinp、Vinnの電圧差が1mV程度で、本電圧比較器の入力電圧差としてほぼ最小レベルである場合は、出力電圧Voutp、Voutnは、VDD−I・R/2をコモンモード電圧として、入力電圧Vinp、Vinnを所定の割合だけ増幅した電圧値となる。前述したように、I・Rは通常0.3V〜0.5V程度に設定され、I・Rを0.5Vとした場合は、電源電圧VDDを3.0Vとすると、VDD−I・Rは2.5Vとなる。ノード電圧Vcは、電源電圧VDDからラッチ回路103を構成するNMOSトランジスタ6、7のしきい値電圧値である約0.7V〜1.0Vを減じた電圧、すなわち電圧値2.0V〜2.3V程度となる。ノード電圧Vd、Veは電源電圧VDDから第1のスイッチ回路104を構成するNMOSトランジスタ4、5のゲートソース間電圧の電圧値である約0.9V〜1.2Vを減じた電圧、すなわち1.8V〜2.1V程度となる。ノード電圧Vcはノード電圧Vd、Veと比べてNMOSトランジスタ4、5の実効ゲートソース間電圧程度分だけ高い電圧値となる。ノード電圧Vfは、ここでは第1の制御電圧Vc1が電源電圧VDDであり、ノードFと接続された補助的なNMOSトランジスタ13がON状態であるため、ノード電圧Vd、Veと比べて低電圧である所定のバイアス電圧Vb2に設定される。
次に、比較モード1からラッチモード1に遷移すると、第1の制御電圧Vc1が電源電圧VDDから接地電圧VSSに変化して、第1のスイッチ回路104を構成するNMOSトランジスタ4、5と、補助的なNMOSトランジスタ13とがON状態からOFF状態に遷移する。これと同時に、第3のスイッチ回路106を構成するPMOSトランジスタ12がOFF状態からON状態に遷移する。これと同時に、第2の制御電圧Vc2が接地電圧VSSから電源電圧VDDに変化して、第2のスイッチ回路105を構成するNMOSトランジスタ10、11がOFF状態からON状態に遷移する。この過渡状態においては、第2の制御電圧Vc2の電圧変化がNMOSトランジスタ10、11の寄生容量を介してノードFに伝達されて、ノード電圧Vfを高電圧側に押し上げようとする。
しかしながら、本実施形態においては、第2の制御電圧Vc2とは逆の極性に変化する第1の制御電圧Vc1の電圧変化が、第3のスイッチ回路106を構成するPMOSトランジスタ12を介してノードFに伝達されるため、ノード電圧Vfが第1の制御電圧Vc1の接地電圧VSSへの電圧変化によって低電圧側に引き下げられる。これと同時に、第1の制御電圧Vc1の電圧変化は、PMOSトランジスタ12を介してノードCにも伝達される結果、ノード電圧Vcの電圧値をも低電圧側に引き下げる。
その後、第2のスイッチ回路105を構成するNMOSトランジスタ10、11及び第3のスイッチ回路106を構成するPMOSトランジスタ12がON状態となると、各ノードC、D、E、Fはそれぞれ導通状態となるため、各ノード電圧Vc、Vd、Ve、Vfはほぼ同一の電圧となる。このように、ラッチ回路103のノードCにおけるノード電圧Vcは、PMOSトランジスタ12を介して接地電圧VSSである第1の制御電圧Vc1が伝達されることにより、図2(d)の点γとして示すように、ラッチ回路103を構成するNMOSトランジスタ6、7がOFF状態となるような高い電圧になることを防止することができる。その結果、図2(d)の点δとして示すように、従来の電圧比較器と比べて、正帰還(ラッチ)動作を迅速に開始することができる。
また、第2のスイッチ回路105と第3のスイッチ回路106との接続点であるノードFにおけるノード電圧Vfが、比較モード1の期間にノード電圧Vd、Veよりも低い電圧であるバイアス電圧Vb2に設定されているため、図2(d)の点εとして示すように、MOSトランジスタ12がON状態となってノードCとノードFとが導通状態となったときのノード電圧Vcの低電圧側への電圧変化が促進される。これにより、従来の電圧比較器に比べて、さらに高速に正帰還動作を開始することができる。その後、出力電圧Voutp、Voutnは正帰還増幅されて、ハイレベルの電圧VDD又はロウレベルの電圧VDD−I・Rにそれぞれ相補的に収束していく。
以上説明したように、本実施形態に係る電圧比較器は、比較モードからラッチモードへ遷移した後に、正帰還動作を迅速に開始することができる。その上、該電圧比較器の後段に接続されるダイナミック型ラッチ回路への入力電圧差がI・Rにまで達しなくなることを防止できるため、誤比較の発生確率を確実に抑制することができる。
次に、ラッチモード1から比較モード2に遷移すると、第1の制御電圧Vc1が接地電圧VSSから電源電圧VDDに変化して、第1のスイッチ回路104を構成するNMOSトランジスタ4、5及び補助的なNMOSトランジスタ13がOFF状態からON状態に遷移する。これと同時に、第3のスイッチ回路106を構成するPMOSトランジスタ12がON状態からOFF状態に遷移する。これと同時に、第2の制御電圧Vc2が電源電圧VDDから接地電圧VSSに変化して、第2のスイッチ回路105を構成するNMOSトランジスタ10、11がON状態からOFF状態に遷移して、入力電圧Vinp、Vinnを差動増幅する差動増幅器として機能する。
例えば、図2(b)の比較モード2に示すように、入力電圧Vinp、Vinnの入力電圧差が差動増幅のダイナミックレンジ以上の大きさであるとすると(Vinn>Vinp)、出力電圧Voutp、Voutnは比較モード2の終端付近では、それぞれロウレベルの電圧VDD−I・Rとハイレベルの電圧VDDとに収束する。ここで、ノード電圧Vc、Vd、Ve、Vfは比較モード1の説明で述べたとおりの電圧値に収束する。なお、過渡的な電圧応答のメカニズムについては後述する。
次に、比較モード2からラッチモード2に遷移すると、出力電圧Voutp、Voutn及び各ノード電圧Vc、Vd、Ve、Vfはラッチモード1で説明したメカニズムにより過渡的な電圧変化を示す。その後、それぞれが所定の電圧値に収束して、出力電圧Voutp、Voutnは、それぞれロウレベルの電圧VDD−I・Rとハイレベルの電圧VDDとに収束する。
次に、ラッチモード2から比較モード3に遷移すると、第2のスイッチ回路105を構成するNMOSトランジスタ10、11及び第3のスイッチ回路を構成するPMOSトランジスタ12がOFF状態となっていく。さらに、第1のスイッチ回路104を構成するNMOSトランジスタ4、5が十分にON状態となるまでの過渡的期間においては、電圧比較器における電源電圧VDDと接地電圧VSSとの間の電流パスが細くなる。これと同時に、第1の制御電圧Vc1の接地電圧VSSから電源電圧VDDへの電圧変化が、NMOSトランジスタ4、5の寄生容量を介して伝達されて、出力電圧Voutp、Voutnは高電圧側に遷移する。ところが、第2の制御電圧Vc2の電源電圧VDDから接地電圧VSSへの電圧変化によるNMOSトランジスタ10、11を介した接地電圧VSSへの電荷の引き込みは、ノードFにおける第1の制御電圧Vc1の接地電圧VSSから電源電圧VDDへの電圧変化によるPMOSトランジスタ12を介した電荷流入によって相殺される。すなわち、ノードCにおけるノード電圧Vcは低電圧側に引き下げられることがなく、第1の制御電圧Vc1の接地電圧VSSから電源電圧VDDへの電圧変化がPMOSトランジスタ12を介して伝達されて、高電圧側に押し上げる。従って、出力電圧Voutp、Voutnが高電圧側に遷移しても、ラッチ回路103を構成するNMOSトランジスタ6、7のゲートソース間電圧も過渡的に高くなるため、該NMOSトランジスタ6、7はラッチ状態を維持することなく、速やかにOFF状態に遷移する。これに対し、各ノードD、Eにおけるノード電圧Vd、Veは、第1の制御電圧Vc1のハイレベル側への電圧変化によるNMOSトランジスタ4、5を介した電荷の流入と、第2の制御電圧Vc2のロウレベル側への電圧変化によるNMOSトランジスタ10、11を介した電荷の流出とが相殺されて、定電流源であるNMOSトランジスタ1によって電荷を引き抜かれる分だけ低電圧側に遷移する。従って、NMOSトランジスタ4、5が十分にON状態になると、ノードAとノードDとの間、及びノードBとノードEとの間が導通状態となって、出力電圧Voutp、Voutn(特にVoutn)は低電圧側に遷移する一方、ノード電圧Vd、Veは高電圧側に遷移して、電圧比較器は差動増幅器として機能し始める。
従って、図2(b)の比較モード3に示すように、入力電圧Vinp、Vinnが比較モード1と同様に電圧差が微小であっても、出力電圧Voutp、Voutnが所期の差動増幅結果に収束しきれないままに次のラッチモード3に遷移することを抑制することができる。その結果、図2(d)の点ζとして示すように、誤比較の発生を防止できると共に、ヒステリシス特性の増大を抑制することができる。
ところで、本実施形態においては、ノードCと接地との間に定電流源として機能する定電流補助回路107を設けているため、ノードCにおけるノード電圧Vcは、第1の制御電圧Vc1の接地電圧VSSから電源電圧VDDへの電圧変化が第3のスイッチ回路106を構成するPMOSトランジスタ12を介して伝達されて高電圧側に遷移した後、ノードCから定常的に所定の電流が引き抜かれる。これにより、ノード電圧Vcの電圧値は、比較モード3の終了時点までに従来の電圧比較器における同様の期間の電圧値よりも低い電圧に収束する。これにより、図2(d)の点ηとして示すように、ラッチ回路103を構成するNMOSトランジスタ6、7はON状態に近い状態に設定されるため、ラッチモード3への遷移後に、該NMOSトランジスタ6、7は迅速にON状態に遷移できるので、正帰還動作をより高速に開始することができる。
(一実施形態の変形例)
図3は本発明の一実施形態に係る電圧比較器に設けた定電流補助回路の変形例をを示している。
図3に示すように、本変形例に係る定電流補助回路107Aは、ソースが接地電圧VSSと接続され、定電流源として機能するようにゲートがバイアス電圧Vb3と接続されたNMOSトランジスタ15と、ドレインがノードCと接続され、ソースがNMOSトランジスタ15のドレインと接続され、NMOSトランジスタ15とカスコード接続されるようにゲートがバイアス電圧Vb4と接続されたNMOSトランジスタ16とから構成されている。
以下、前記のように構成された定電流補助回路107Aの動作について図1及び図3を参照しながら説明する。
まず、定電流源として機能するNMOSトランジスタ15によって、ラッチ回路103を構成するNMOSトランジスタ6、7から所定の電流を定常的に接地電圧VSSに流す。NMOSトランジスタ15のゲート幅は、プロセス仕上りのばらつきの影響を低減するために、ゲート長を含めテクノロジの最小寸法に対して所定のマージンを持たせたサイジングを行なう。このようにしても、ノードC側に配したNMOSトランジスタ16をNMOSトランジスタ15とカスコード接続し、NMOSトランジスタ16のゲート長及びゲート幅をNMOSトランジスタ15よりも小さくすることにより、ノードCの寄生容量を低減させることができる。その結果、ラッチ回路103を構成するNMOSトランジスタ6、7をより高速にON状態に近い状態に設定できるため、ラッチ回路103は、ラッチモードに遷移した直後に瞬時にON状態となり、より高速に正帰還動作を開始することができる。
本発明に係る電圧比較器は、比較モードからラッチモードへ遷移する際に、制御電圧の電圧変化に迅速に応答してラッチ動作を開始することができ、且つ、ラッチモードから比較モードへの復帰を高速に行なえるという効果を有し、A/D変換器等に用いられる電圧比較器等として有用である。
本発明の一実施形態に係る電圧比較器を示す回路図である。 (a)は本発明の一実施形態に係る電圧比較器における動作タイミングを示すチャート図である。(b)は電圧比較器の入力条件を示すチャート図である。(c)は電圧比較器に設けたトランジスタの動作タイミングを示すチャート図である。(d)は電圧比較器の電圧応答波形を示すチャート図である。 本発明の一実施形態に係る電圧比較器を構成する定電流補助回路の変形例を示す回路図である。 従来の電圧比較器を示す回路図である。 (a)は従来の電圧比較器における動作タイミングを示すチャート図である。(b)は電圧比較器の入力条件を示すチャート図である。(c)は電圧比較器の電圧応答波形を示すチャート図である。
符号の説明
1〜7、10、11、15、16 NMOSトランジスタ
12 PMOSトランジスタ(第3のスイッチ回路)
13 NMOSトランジスタ(第4のスイッチ回路)
8、9 抵抗器
101 差動入力回路
102 負荷回路
103 ラッチ回路
104 第1のスイッチ回路
105 第2のスイッチ回路
106 第3のスイッチ回路
107 定電流補助回路
107A 定電流補助回路

Claims (6)

  1. 外部から入力される差動入力電圧を差動電流に変換して出力する差動入力回路と、
    前記差動電流を第1の電圧により差動出力電圧に変換する負荷回路と、
    前記差動出力電圧を正帰還増幅するラッチ回路と、
    前記差動入力回路と接続されており、前記差動入力回路と前記負荷回路との間を、第1の期間には導通状態とし且つ第2の期間には非導通状態とする第1のスイッチ回路と、
    前記差動入力回路と前記ラッチ回路との間に接続されており、前記差動入力回路の出力部を、前記第1の期間には非導通状態とし且つ前記第2の期間には導通状態とする第2のスイッチ回路と、
    前記第2のスイッチ回路の状態変化に同期すると共に前記第2のスイッチ回路との協働により、前記差動入力回路と前記ラッチ回路との間を、前記第1の期間には非導通状態とし且つ前記第2の期間には導通状態とする第3のスイッチ回路とを備え、
    前記第2のスイッチ回路と前記第3のスイッチ回路とは、極性が互いに異なる第1の制御信号及び第2の制御信号によりそれぞれ駆動されることを特徴とする電圧比較器。
  2. 前記差動入力回路は、各ゲートに前記差動入力電圧が印加される第1極性を有する第1のMISトランジスタ対を含み、
    前記ラッチ回路は、互いのゲートが互いのドレインとフリップフロップ接続され且つ互いのソースが第1のノードに接続された第1極性を有する第2のMISトランジスタ対を含み、
    前記第1のスイッチ回路は、前記差動入力回路とカスコード接続され、ゲートが第1の制御電圧を受ける第1極性を有する第3のMISトランジスタ対を含み、
    前記第2のスイッチ回路は、前記差動入力回路とカスコード接続され、ゲートが前記第1の制御信号である第2の制御電圧を受け、ドレインが第2のノードに接続された第1極性を有する第3のMISトランジスタ対を含み、
    前記第3のスイッチ回路は、ソース及びドレインの一方が前記第2のノードと接続され、ソース及びドレインの他方が前記第3のMISトランジスタ対と接続され、ゲートが前記第2の制御信号である第3の制御電圧を受ける第2極性を有する第1のMISトランジスタを含むことを特徴とする請求項1に記載の電圧比較器。
  3. 前記第2のノードと接続され、ゲートが第4の制御電圧を受ける第2のMISトランジスタを含む第4のスイッチ回路をさらに備え、
    前記第4のスイッチ回路は、前記第1の期間に、前記第2のノードに対して、前記第1の期間の終了直前における前記第1のノードの電圧と比べて前記ラッチ回路を構成する前記第2のMISトランジスタ対のゲートソース間の電圧が大きくなるように、第2の電圧を供給することを特徴とする請求項2に記載の電圧比較器。
  4. 前記第1のノードと接続され、前記ラッチ回路に定常的に電流を流す定電流回路をさらに備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の電圧比較器。
  5. 前記定電流回路は、ドレインが前記第1のノードと接続され、ゲートソース間が飽和領域で動作するように第3の電圧でバイアスされた第1極性を有する第3のMISトランジスタを含むことを特徴とする請求項4に記載の電圧比較器。
  6. 前記定電流回路は、前記第1のノードと前記第3のMISトランジスタとの間に接続され、前記第3のMISトランジスタとカスコード接続される第1極性を有する第4のMISトランジスタを含むことを特徴とする請求項5に記載の電圧比較器。
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