JP2006286749A - 発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高発光効率・高安定性・低コストである発光材料を用いた発光素子を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で示される部分構造を有する単核の銅配位化合物を発光材料として用いる。
Figure 2006286749

[PR12APR1’R2’は2座のホスフィン配位子である。 R1、R2、R1’、R2’は、水素、アルキル基、アルコキシ基、芳香環基、アリールオキシ基、および複素環基である。L1およびL2は炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、ハロゲンから選ばれる元素を配位原子とする配位子である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、有機化合物を用いた発光素子に関するものであり、さらに詳しくは、金属配位化合物を発光材料として用いた発光素子に関するものである。
有機EL素子は、高速応答性や高効率の発光素子として、応用研究が精力的に行われている(非特許文献1)。
銅配位化合物は、原料が安価なため、比較的安価に製造することが可能であり、銅配位化合物の性能を十分に引き出せば低コスト高性能な有機EL素子が可能になる。
特許文献1、非特許文献2には、銅配位化合物を用いた有機EL素子が開示されている。しかしながら、これらのEL素子は、発光効率が著しく低く、素子の効率の記載が不十分であり、銅配位化合物の特性が十分引き出せているとは考えにくく、ディスプレイや照明などに用いるには十分な性能のものではない。また、非特許文献2に用いられている銅配位化合物の発光材料の分子量が1600以上であり、分子量が大きすぎて昇華性が悪く、素子作成に真空蒸着を用いようとした場合には、不向きである。
また、非特許文献3〜5には、本発明の一部の化合物と同じ構造を有する銅配位化合物が開示されているが、発光に関しては記載が全くない。
非特許文献6には、3核の銅配位化合物に関する記載があり、それは発光性を有し、有機LEDへの応用が示唆されている。しかし、複核の配位化合物は不安定性の要因となる金属中心、金属間結合および金属−配位子結合を多く有することから、配位化合物自体の安定性に問題があることがある。また、この3核銅配位化合物は、蒸着は可能であるが、素子の発光特性(効率)や安定性は悪い。
特許第2940514号公報 Macromol.Symp.125,1〜48(1997) Advanced materials 1999 11 No10 p852 Y.Ma et al. Journal of Chemical Society Dalton Transaction 1991 p2859 Journal of Chemical Society Dalton Transaction 1983 p1419 Journal of Chemical Society Dalton Transaction 2001 p3069 Journal of American Chemical Society, 2003 125(40) p12072
本発明は、高発光効率・高安定性・低コストである発光材料を用いた発光素子を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の発光素子は、下記一般式(1)で示される部分構造を有する単核の銅配位化合物を発光材料として用いること特徴とする。
Figure 2006286749
[Cuは銅イオンであり、PR12APR1’R2’は2座のホスフィン配位子である。
1、R2、R1’、R2’は、水素原子、水素原子がハロゲンに置換されても良い炭素数10以下の分岐、環状または直鎖状のアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有しても良い芳香環基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、および置換基を有しても良い複素環基であり、それぞれ同じでも異なっていても良く、R1とR2、R1’とR2’は、互いに結合し環を形成してもよい。
1およびL2は炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、ハロゲンから選ばれる元素を配位原子とする配位子であり、それぞれ同じでも異なっていても良い。]
本発明で用いる銅配位化合物は、高い発光効率を有するのみならず、真空蒸着プロセスや溶液にして塗布するスピンコートプロセスや、インクジェットノズルを用いた塗布方式にも適するし、素子作成工程における分解などのダメージがなく安定した素子作成が可能になる。そのため、本発明の発光素子は、高発光効率・高安定性を示すと共に、低コストで製造可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の発光材料である銅配位化合物の特徴から説明する。
本発明に用いる銅配位化合物は、上記一般式(1)で示される部分構造、好ましくは下記一般式(2)で示される部分構造を有する単核の銅配位化合物である。
Figure 2006286749
[X1BX2は2座配位子であり、X1およびX2は、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄から選ばれる原子であり、それぞれ同じでも異なっていても良い。]
一般的に金属配位化合物の安定性において、中心金属もしくは金属−配位子間の結合に対する、例えば酸素や水といった外的な小分子の攻撃によって結合解裂が起こり分解するというプロセスが重要な要因の一つとなる。本発明の銅配位化合物は、4配位の銅配位化合物であり、中心金属周りを囲むように配位子が配置されるため、中心金属を立体的に保護することができ、配位化合物を安定化できる。さらには2つの2座配位子が銅原子に結合した単核の銅配位化合物であれば最適である。本発明の銅配位化合物は、熱的に安定で、高い発光効率を示し発光材料に適している。特に固体粉末状態において他の化合物と比べ強い発光を示すことが特徴である。
一般には希薄溶液で強く発光する化合物でも固体粉末状態においては、発光が極端に弱くなる物が多い。これらは、発光材料分子間の相互作用によって、基底状態において会合体を形成する、あるいは、励起会合体を形成し、本来の発光特性が得られなくなる現象であり、これは「濃度消光」現象として知られている。本発明における銅配位化合物は、濃度消光に強い発光材料といえる。従って、発光素子中の発光層を考えるとき、一般には、ホスト材料中に発光材料を少量ゲスト材料として加えることで濃度消光を回避するのであるが、本発明の銅配位化合物は、この濃度消光の制約がないため、濃度を濃くする、あるいは、100%の発光層を形成することができ、高い発光効率を有し、かつ、生産性のよい発光素子を製造することができる。また発光特性の濃度依存性が小さいため、生産ばらつきなどが抑えられ、この観点からも生産性の高い発光素子を作成することが可能である。
銅配位化合物の中心金属の銅イオンはプラス1価を用いることが好ましい。銅原子の電子配置から考えると、プラス1価の銅は、d電子が10個含まれる。一般に、遷移金属で偶数個のd電子の場合には、良好な発光特性を示す場合が多い。
真空蒸着法は、安定で膜質の良い薄膜を作成できるため、有機LED素子の作成方法として一般によく用いられる。我々の実験から、分子量が大きくなると、昇華性が落ち、この蒸着法を用いることができない。我々の実験では、真空蒸着を可能にするためには、化合物の分子量は、好ましくは1500以下、さらに好ましいのは1200以下が必要である。特に単核の配位化合物は複核の配位化合物と比較して分子量を小さく抑えることができるため、真空蒸着法を用いる場合は一般的に非常に有利である。
本発明の銅配位化合物に用いる配位子に関して説明する。
本発明に用いることのできる配位子の化学構造式を以下にあげる。この構造式のまま用いることもできるし、これらにさらに置換基を付与して用いても良い。例えば、下記構造式は、縮合環基、ハロゲン原子、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基(アルキル基のCH2基は、−O−または−NR−(Rはアルキル基または、置換されても良い芳香環基)に置換されても良く、また、H原子は芳香環基またはハロゲン原子に置換されても良い。)、または、置換基を有しても良い芳香環基を有しても良い。
Figure 2006286749
Figure 2006286749
Figure 2006286749
Figure 2006286749
Figure 2006286749
Figure 2006286749
Figure 2006286749
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化3〜化8に示した配位子は0価のホスフィン2座配位子である。
化9で示した配位子は、構造式中に示した「CH」、「CH2」、「NH」、「SH」または「OH」の水素原子が引き抜かれ、マイナス1価の2座配位子となる。これらの配位子の銅原子に対する配位原子は、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子および酸素原子である。また、G12〜G19は「NH」、「SH」または「OH」の水素原子を引き抜くこと無く用いることによって、0価の単座配位子ともなる。これらの配位子の銅原子に対する配位原子はリン原子である。
化10で示した配位子は、H01〜H12は0価の単座配位子である。これらの配位子の銅原子に対する配位原子はリン原子、炭素原子および窒素原子である。H13〜H15に示した配位子は「SH」または「OH」の水素原子が引き抜かれ、マイナス1価の単座配位子となる。これらの配位子の銅原子に対する配位原子は、硫黄原子および酸素原子である。H16〜H18はハロゲン原子がそのままマイナス1価の単座配位子として働く。
以下に、本発明の金属配位化合物の具体例を示す(表中、2座配位子PR12APR1’R2’はAと、X1BX2はBと表記してある)。
表1〜表3には、0価のホスフィン2座配位子を1つ、マイナス1価の2座配位子を1つ有し、全体の電価が0価である銅配位化合物を示す。
表4〜表10には、0価のホスフィン2座配位子を1つ、0価の単座配位子を1つ、マイナス1価の単座配位子を1つ有し、全体の電価が0価である銅配位化合物を示す。
表11、表12には、0価のホスフィン2座配位子を2つ有し、全体の電価がプラス1価である銅配位化合物を示す。これらイオン性の銅配位化合物の場合、カウンターアニオンとして、PF6 -、ClO4 -、BF4 -、ハロゲンイオンなどを用いることができる。
Figure 2006286749
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上記具体例のうち、好ましい銅配位化合物の構造式を以下に示す。
Figure 2006286749
Figure 2006286749
本発明者の検討により、例示化合物1067はX線結晶構造解析により擬似的なテトラヘドラル構造を有する[Cu(PPh264PPh2)PPh2(C64O)]であることが確認された。また例示化合物2073もX線結晶構造解析により擬似的なテトラヘドラル構造を有する[Cu(PPh264PPh2)PPh2(C64OH)Cl]であることが確認された。
また配位子は単座で銅原子に配位するものと2座で銅に配位するものが示してあるが、単座配位子に比べ、2座配位子が銅に配位している単核の4配位の銅配位化合物の方がキレート効果(2座、3座配位子といった多座配位子が金属に配位する時、キレート環が形成される結果、錯体の安定度が増大する効果)の影響で安定性が向上する。さらに表1〜表3、表11、表12に示したような、2座の配位子が二つ配位した単核の4配位の銅配位化合物はさらにその安定性が増すためさらに好ましい。
本発明の発光材料は、固体中で良く発光するため、発光層中で、高濃度で用いることができる。しかしながら、配位化合物を同じ配位子で構成する場合、その配位化合物は比較的結晶化しやすく、発光素子として用いる場合、劣化しやすいなど問題が起こる可能性がある。そのため、分子の対称性を落として結晶化を抑制することができる。表1〜表10、表12に示した単核の4配位の銅配位化合物は構造の異なる複数の配位子を有するため、分子構造の対称性が低い。このような分子構造を有するものは、アモルファス性が高く、結晶性が低いため有機LED素子の発光材料には、より望ましい。
本発明の銅配位化合物の発光メカニズムについては幾つかの可能性が考えられる。
(1)LMCT(ligand−to−metal−charge−transfer)励起状態
(2)MLCT(metal−to−ligand−charge−transfer)励起状態
(3)金属中心励起状態
(4)配位子中心(ππ*)励起状態
以下に示す発光に関する記述に関しては、我々の発光メカニズムに関する一つのモデルである。本発明の銅配位化合物の発光性最低励起状態は、特にホスフィン配位子に代表されるような強い電子ドナー配位子のみを有する場合、LMCT(配位子から金属への電荷移動)により生じる3重項状態であることが予想される。もしくは金属中心励起状態も考えられる。
ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン環などN原子を介して直接銅原子に配位しているものの場合、励起状態になるとき、基底状態から、電子が上位の軌道に遷移するが、上記複素環は、電子欠乏性のため、電子を受け入れやすい。そのため、銅原子から励起遷移時に複素環が電子を受け入れる場合が多い。これら、複素環を有する配位子が励起遷移時に銅原子から電子を受け入れる。励起遷移時に、金属から配位子に電子が電荷移動する場合に、その励起状態をMLCT励起状態と呼ぶ。配位子中心(ππ*)励起状態も考えられる。
本発明の配位化合物の中には電子欠乏性の複素環であるピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン環などがN原子を介して直接銅原子に配位しているものもあるが、この場合上記の幾つかの発光性最低励起状態((1)〜(4))の可能性を考えなくてはならない。
本発明の銅配位化合物の発光寿命は、固体状態で0.1μs〜100μsであり、3重項励起状態を経由した発光であり、遅延蛍光または燐光である。
高発光効率のためには、基底状態と励起状態の構造変化を抑制するような配位子構造にすることが重要である。本発明の銅配位化合物は、溶液に比べ固体中では上記構造変化が抑制されるため、強い発光が得られると考えられる。これが銅配位化合物が、固体でよく発光する一つの理由である。
これまで、用いられてきたアルミキノリノール誘導体、クマリン誘導体、キナクリドン誘導体などは、溶液中で非常に強い発光が得られ、その強発光特性がそのまま固体分散中でも保持される。この特性が有機EL素子においても有効に働き、素子の高発光効率が得られた。しかしながら本発明の銅配位化合物では溶液中の発光に比べて固体中の発光は非常に強い。本発明者らはこの特性に着眼し有機EL素子の高効率で安定発光に有用であることを見出した。
本発明の銅配位化合物は有機EL素子の発光材料に有用である。高い発光効率を有することは言うまでもなく、真空蒸着プロセスや溶液にして塗布するスピンコートプロセスや、インクジェットノズルを用いた塗布方式にも適する。
次に、本発明の発光素子について説明する。本発明の発光素子は、上記発光材料が発光層に含まれることが好ましい。
本発明の有機EL素子の基本的な構成を図1(a)〜(d)に示した。
図1に示したように、一般に有機EL素子は、透明基板15上に透明電極14と金属電極11とに挟持された単層または複数層の有機膜層から構成される。
図1(a)は、最も単純な構成で、有機層が発光層12のみからなるものである。
図1(b)と(c)は、有機層が2層からなり、それぞれ発光層12とホール輸送層13と、発光層12と電子輸送層16からなる。
図1(d)は、有機層が3層からなりホール輸送層13、発光層12および電子輸送層16からなるものである。
発光層12には、電子輸送性と発光特性を有するアルミキノリノール錯体など(代表例は、以下に示すAlq)が用いられる。
発光層12には、キャリア輸送材料中に本発明の発光性銅配位化合物を混入するゲストホストタイプや、その発光性銅配位化合物のみを100%で用いる方法や、その発光性銅配位化合物が主成分で、少量の添加剤(キャリア輸送材料や結晶化防止材料など)を加えることもできる。さらに、ゲストホストタイプの中でも、ゲストに電子輸送性とホール輸送性の2つのキャリア輸送材料を用い、その中に発光性銅配位化合物を添加することもできる。従って、本発明の発光層は、性能の向上や生産性を考慮して、1成分または2成分以上の材料から構成することができる。
ホール輸送層13には、例えばトリフェニルアミン誘導体(代表例は、以下に示すαNPD)が主に用いられる。また高分子の場合、PVKが用いられる。PVKは、主にホール輸送性であり、PVK自体が青色のEL発光を示す。
電子輸送層16としては、例えば、オキサジアゾール誘導体など、または、以下に示すAlq、BphenやBCPを用いることができる。
Figure 2006286749
<製造例1(例示化合物1067の製造)>
窒素雰囲気下、50mlフラスコにCuCl(100mg,1.0mmol)とトルエン(10ml)を加えた。この溶液に1,2−ジフェニルホスフィノベンゼン(450mg,1.0mmol)を加えて2時間攪拌しながら加熱還流した。溶液は徐々に黄色懸濁液となった。生成した黄色懸濁液をろ過後、得られた黄色固体をトルエンおよびへキサンの順で洗浄し、減圧下乾燥させた。この黄色固体を少量の塩化メチレンに溶かし、その溶液の上に静かにヘキサンを乗せ,再結晶することにより、以下に示す化合物(A)[Cu(PPh264PPh2)Cl]2を収率75%(413mg)で得た。
Figure 2006286749
窒素雰囲気下50mlフラスコに化合物(A)(110mg,0.2mmol)とトルエン(10ml)を加えた。この溶液にPPh2(C64OH)(56mg,0.2mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。溶液は徐々に均一の透明溶液となった。溶媒を留去後、得られた白色固体を少量のへキサンで洗浄し、減圧下乾燥させることにより例示化合物2073[Cu(PPh264PPh2)ClPPh2(C64OH)]を収率69%(110mg)で得た。
窒素雰囲気下50mlフラスコに例示化合物2073(110mg,0.2mmol)とテトラヒドロフラン(10ml)を加えた。この溶液を−40℃に冷却した後、ノルマルブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.6M)をゆっくり加え、徐々に室温まで昇温し、1時間攪拌した。得られた溶液の溶媒を留去することで得られた淡黄色固体を少量の塩化メチレンに溶かし、その溶液の上に静かにヘキサンを乗せ,再結晶することにより例示化合物1067[Cu(PPh264PPh2)PPh2(C64O)]を収率55%(53mg)で得た。
<製造例2(例示化合物2520の製造)>
窒素雰囲気下、50mlフラスコにCuI(190mg,1.0mmol)とトルエン(10ml)を加えた。この溶液に1,2−ジフェニルホスフィノベンゼン(450mg,1.0mmol)を加えて2時間攪拌しながら加熱還流した。溶液は徐々に黄色懸濁液となった。生成した黄色懸濁液をろ過後、得られた黄色固体をトルエンおよびへキサンの順で洗浄し、減圧下乾燥させた。この黄色固体を少量の塩化メチレンに溶かし、その溶液の上に静かにヘキサンを乗せ,再結晶することにより、以下に示す化合物(B)[Cu(PPh264PPh2)I]2を収率71%(454mg)で得た。
Figure 2006286749
窒素雰囲気下50mlフラスコに化合物(B)(130mg,0.2mmol)とトルエン(10ml)を加えた。この溶液にPPh3(53mg,0.2mmol)を加えて室温で1時間攪拌した。溶液は徐々に均一の透明溶液となった。溶媒を留去後、得られた白色固体を少量のへキサンで洗浄し、減圧下乾燥させることにより例示化合物2520[Cu(PPh264PPh2)IPPh3]を収率90%(165mg)で得た。
<製造例3(例示化合物3004の製造)>
窒素雰囲気下、50mlフラスコに[Cu(CH3CN)4]PF6(185mg,0.5mmol)とアセトニトリル(10ml)を加えた。この溶液に1,2−ジフェニルホスフィノベンゼン(450mg,1.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。得られた反応溶液から溶媒を留去することで得られた固体をクロロホルム/ヘキサンから再結晶することで、例示化合物3004のPF6塩体である[Cu(PPh264PPh22](PF6)を収率80%(432mg)で得た。
<化合物の発光特性>
製造例1〜3で製造した化合物の粉末状態での発光特性の測定を、日立F4500蛍光光度計を用いて行った。結果を表13に示す。また、各々の発光スペクトルを図2に示す。
Figure 2006286749
<実施例1>
本実施例では、素子構成として、図1(d)に示す有機層が3層の素子を使用した。
ガラス基板(透明基板15)上に100nmのITO(透明電極14)をパターニングして、対向する電極面積が3mm2になるようにした。そのITO基板上に、以下の有機層と電極層を10-4Paの真空チャンバー内で抵抗加熱による真空蒸着し、連続製膜した。
ホール輸送層13(40nm):化合物FL1
発光層12(40nm):例示化合物1067
電子輸送層16(50nm):BPhen
金属電極層11−1(1nm):KF
金属電極層11−2(120nm):Al
尚、化合物FL1の構造式を以下に示す。
Figure 2006286749
<実施例2>
本実施例では、素子構成として、図1(d)に示す有機層が3層の素子を使用した。
実施例1と同様にして作製したITO基板上に、ホール輸送層13として、バイエル社製のPEDOT(有機EL用)を40nmの膜厚に1000rpm(20秒)でスピンコートで塗布し、120℃の真空チャンバーで1時間乾燥した。
その上に、以下の溶液を用いて、窒素雰囲気下で2000rpm、20秒間でスピンコートすることで、50nmの膜厚の発光層12を形成し、ホール輸送層13製膜時と同じ条件で乾燥した。
脱水クロロベンゼン:10g
ポリビニルカルバゾール(平均分子量9600):92mg
例示化合物2520:8mg
この基板を真空蒸着チャンバーに装着して、電子輸送層16として、Bphenを40nmの膜厚に真空蒸着製膜した。
次に、以下のような構成の陰極(金属電極11)を形成した。
金属電極層11−1(15nm):AlLi合金(Li含有量1.8重量%)
金属電極層11−2(100nm):Al
<素子の特性>
金属電極11をマイナス、透明電極14をプラスにしてDC電圧を印加して素子特性を評価した。
電圧電流特性は、良好な整流性を示した。発光スペクトルと発光強度は、トプコン社製、スペクトル測定機SR1及びBM7で測定した。電圧印加時の電流値は、ヒューレッドパッカード社製の4140Bで測定した。発光輝度と電流測定値から、発光効率cd/Aを計算した。結果を表14に示す。
Figure 2006286749
実施例1において、EL発光は、600cd/cm2で発光させた時、良好な発光を示した。
また、実施例2のEL発光スペクトルは、図2に示した例示化合物2520の固体状態における発光スペクトルと同様なスペクトルを与え、良好かつ安定した発光を示した。
本発明の発光素子の一例を示す断面図である。 実施例で製造した例示化合物の発光スペクトルを示す図である。
符号の説明
11 金属電極
12 発光層
13 ホール輸送層
14 透明電極
15 透明基板
16 電子輸送層

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で示される部分構造を有する単核の銅配位化合物を発光材料として用いること特徴とする発光素子。
    Figure 2006286749
    [Cuは銅イオンであり、PR12APR1’R2’は2座のホスフィン配位子である。
    1、R2、R1’、R2’は、水素原子、水素原子がハロゲンに置換されても良い炭素数10以下の分岐、環状または直鎖状のアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有しても良い芳香環基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、および置換基を有しても良い複素環基であり、それぞれ同じでも異なっていても良く、R1とR2、R1’とR2’は、互いに結合し環を形成してもよい。
    1およびL2は炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、ハロゲンから選ばれる元素を配位原子とする配位子であり、それぞれ同じでも異なっていても良い。]
  2. 前記部分構造が、下記一般式(2)で示されること特徴とする請求項1に記載の発光素子。
    Figure 2006286749
    [X1BX2は2座配位子であり、X1およびX2は、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄から選ばれる原子であり、それぞれ同じでも異なっていても良い。]
  3. 発光層が前記銅配位化合物100%の部分を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子。
JP2005101955A 2005-03-31 2005-03-31 発光素子 Expired - Fee Related JP4764047B2 (ja)

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