JP2006285207A - 中間転写ベルトおよび画像形成装置 - Google Patents

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幸司 村瀬
Shusuke Takenaka
秀典 竹中
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Tomoyuki Oda
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Abstract

【課題】ロールおよび画像形成ユニットへの電荷(電圧)の流出を防いで、適正な電荷(電圧)を与えることが可能な中間転写ベルトを提供する。
【解決手段】複数の感光体上に形成されたトナー像が転写され一時的に保持される中間転写ベルトであり、中間転写ベルトを補強するための補強層51と、この補強層51の上に中間層52を介して積層され前記感光体と接する表面保護層53とを備え、前記補強層51および表面保護層53の表面抵抗値がベルト全体の体積抵抗値よりも大きいことを特徴とする中間転写ベルト24である。
【選択図】図1

Description

本発明は、感光体上にトナー像を形成して、そのトナー像を転写材に転写するための中間転写ベルト、およびそれを備えた画像形成装置に関する。
タンデム式のカラー画像形成装置として、感光体ドラム上のトナー画像を中間転写ベルト上に重ね合わせて、それを転写材に転写するシステムがある。そして、このようなシステムに使用される中間転写ベルトとして、転写材への転写性をアップさせるために、中間転写ベルトを多層構造にすることによって、転写材の表面凹凸に追従可能にしたものが提案されている。
上記のような中間転写ベルトは、補強層、中間層、および表面保護層が順に積層されており、補強層と表面保護層とが中間転写ベルトの表面に形成されている。一般に、補強層は、ポリイミド(特に硬質ポリイミド)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの樹脂フィルムで作製されている。中間層は、ニトリルゴム(NBR)、シリコン、ウレタンなどで作製されている。表面保護層にはフッ素コート、テフロン(登録商標)コートなどが施されている。
また、下記特許文献1では、補強層の特性および弾性層の強度特性を規定した技術が提案されている。下記特許文献2では、画像形成装置の所定のローラに中間転写ベルトを張設した場合に、前記ローラに接する補強層の表面抵抗をベルト全体の体積抵抗値よりも大きくすることによって、トナー像を中間転写ベルトに転写するために与えられた印加電流または印加電圧(以降印加電流のみを記す)が、前記ローラへ流れることを防ぐ技術が提案されている。
近時、画像形成装置の小型化および高速化の要求がある。このため、タンデム式の画像形成装置において、複数個設置された画像形成ユニット間の距離を小さくすることが要求される。
しかしながら、この要求に応じるため、画像形成ユニット間の距離を小さくした場合、上記のような従来の中間転写ベルトでは、トナー像を中間転写ベルトに転写するために印加した電流が、中間転写ベルトの表面を伝わり、他の画像形成ユニットへ流れてしまうため、中間転写ベルトに適正な電荷(電圧)を与えることができないという問題点がある。
特開平10−39642号公報 特開2004−101675号公報
本発明の課題は、トナー像を中間転写ベルトに転写するための帯電電荷(電流)が、中間転写ベルトを張設するローラおよび隣接する他の画像形成ユニットへ流出するのを防ぎ、適正な電荷(電圧)を与えることが可能な中間転写ベルト、およびそれを備えた画像形成装置を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ローラに接触する補強層の表面抵抗を高くするとともに、表面保護層の表面抵抗を高くすれば、ローラおよび画像形成ユニットへの電荷(電圧)の流出を防ぐことができることを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の中間転写ベルトおよび画像形成装置は、以下の構成を有する。
(1)複数の感光体上に形成されたトナー像が転写され一時的に保持される中間転写ベルトであり、中間転写ベルトを補強するための補強層と、この補強層の上に中間層を介して積層され前記感光体と接する表面保護層とを備え、前記補強層および表面保護層の表面抵抗値がベルト全体の体積抵抗値よりも大きいことを特徴とする中間転写ベルト。
(2)前記補強層および表面保護層の表面抵抗値が1×1010〜1×1014Ω/□であり、ベルト全体の体積抵抗値が1×1010Ω・cm未満である前記(1)に記載の中間転写ベルト。
(3)前記補強層の表面抵抗値が、前記表面保護層の表面抵抗値よりも大きい前記(1)または(2)に記載の中間転写ベルト。
(4)補強層の厚みが0.05〜0.2mm、中間層の厚みが0.2〜0.5mm、表面保護層の厚みが0.003〜0.01mmである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の中間転写ベルト。
(5)感光体を有する複数の画像形成ユニットと、複数の感光体上に形成されたトナー像が転写され一時的に保持される中間転写ベルトと、中間転写ベルトに形成された感光体上のトナー像を転写材に転写する転写部とを備え、前記画像形成ユニットを中間転写ベルトの搬送方向に沿って配設した画像形成装置であり、前記中間転写ベルトとして、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の中間転写ベルトを備えていることを特徴とする画像形成装置。
(6)前記画像形成ユニット間の距離が8〜12cmである前記(5)に記載の画像形成装置。
本発明によれば、中間転写ベルトの表面を構成する補強層および表面保護層の表面抵抗値が、ベルト全体の体積抵抗値よりも大きい。このように、補強層の表面抵抗を高くすることによって、トナー像を中間転写ベルトに転写するために印加した帯電電荷(電流)が、中間転写ベルトを張設するローラへ逃げることを防止するとともに、表面保護層の表面抵抗を高くすることによって、前記帯電電荷(電流)が隣接する他の画像形成ユニットに流出するのを防ぐことができる。そして、その結果、適正な帯電電荷(印加電流)を中間転写ベルトに与えることができる。また、このように中間転写ベルト各層の抵抗値を調整することにより、画像形成装置における転写性を最適なものとすることができる。
さらに、本発明によれば、中間転写ベルトを張設するローラに帯電電荷(電流)が逃げることを防止できるとともに、画像形成ユニットに帯電電荷(電流)が流出するのを防ぐことができるため、転写性に優れた画像形成装置を得ることができる。
(中間転写ベルト)
本発明の中間転写ベルトについて、図面を用いて説明する。図1は、本発明の中間転写ベルトの一例を示す断面図である。図1に示すように、中間転写ベルト24は、補強層51、中間層52および表面保護層53から構成され、補強層51の上に、中間層52を介して表面保護層53が積層されている。つまり、補強層51および表面保護層53が、中間転写ベルト24の表面を形成している。この中間転写ベルト24は、複数の感光体上に形成されたトナー像が転写され一時的に保持されるものである。
ここで、中間転写ベルト24は、補強層51の表面抵抗値(Ω/□)が、中間転写ベルト24全体の体積抵抗値(Ω・cm)よりも大きい。これにより、トナー像を中間転写ベルトに転写するために印加した帯電電荷(電流)が、補強層51と接触して中間転写ベルト24を張設するローラへ逃げることを防止することができる。さらに、この中間転写ベルト24は、表面保護層53の表面抵抗値(Ω/□)が、中間転写ベルト24全体の体積抵抗値(Ω・cm)よりも大きい。これにより、前記帯電電荷(電流)が、画像形成ユニットに流出するのを防ぐことができる。
具体的には、補強層51および表面保護層53の表面抵抗値は1×1010〜1×1014Ω/□、好ましくは1×1012〜1×1014Ω/□とするのがよい。これに対し、前記表面抵抗値が1×1014Ω/□より大きい場合には、ベルト厚み方向への転写電流の伝達性が低下する。このため、所定の転写電流を流す上で、転写電圧を大きくする必要があり、転写電流を流すための電源装置の電源容量を大きくしなければならず、その結果、電源装置が大型化するという問題がある。したがって、通常用いられる転写条件では、感光体上に形成されたトナー像を充分転写できない恐れや、過大な転写電圧により、感光体が絶縁破壊するおそれがある。また、前記表面抵抗値が1×1010Ω/□より小さい場合には、転写性の低下や、中間転写ベルト24上に残存するトナー量が多くなる等の不具合が発生することがある。
中間転写ベルト24全体の体積抵抗値は1×1010未満、好ましくは4×108〜6×109Ω・cmとするのがよい。これに対し、この体積抵抗値が1×1010以上の場合には、感光体から転写ベルトへの転写性が低下するなどの不具合が発生することがある。また、前記体積抵抗値が4×108より小さい場合は、画像乱れなどの不具合が発生することがある。
特に、本発明では、補強層51の表面抵抗値が、表面保護層53の表面抵抗値よりも大きいのが好ましい。これにより、転写性をより最適なものとすることができる。具体的には、上記で例示した補強層51および表面保護層53の表面抵抗値の範囲内で、この関係にするのが好ましい。
補強層51は、中間転写ベルト24を補強するためのものであり、基材自体の製造条件を変化させることによって、所定の表面抵抗値を有する層として形成することができるほか、絶縁性材料に導電性材料を加えて、所定の表面抵抗値を有する層として形成することができる。補強層51の形成に用いることができる絶縁性材料としては、例えばポリイミド(特に硬質ポリイミド)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが挙げられる。また、補強層51の形成に用いることができる導電性材料としては、例えば導電性カーボンブラックなどが挙げられる。また、補強層51の厚みは0.05〜0.2mm、好ましくは0.05〜0.1mmとするのがよい。
中間層52は、弾性を有する層であることが好ましい。具体的には、中間層52としては、例えばニトリルゴム(NBR)、ポリウレタン、シリコーンゴムなどが挙げられる。また、中間層52の厚みは0.2〜0.5mm、好ましくは0.2〜0.3mmとするのがよい。
上記のような中間層52は、上記の絶縁性材料に導電性材料を加えて、所定の表面抵抗値を有する層として形成される。この中間層52の形成に用いることができる導電性材料としては、例えば導電性カーボンブラックなどが挙げられる。なお、中間層52を、複数の層からなる構造、例えば2層構造としてもよい。
ここで、本発明では、中間転写ベルト24全体の体積抵抗値(Ω・cm)は、補強層51および表面保護層53の表面抵抗値(Ω/□)よりも小さく設定されているが、そのような設定を実現するために、中間層52の体積抵抗値を調整することによって、中間転写ベルト24全体の体積抵抗値を調整してもよい。例えば、中間層52のカーボン量を増やせば、中間層52の体積抵抗値を小さくすることができ、それとともに中間転写ベルト24全体の体積抵抗値を小さくすることができる。
表面保護層53は感光体と接するものであり、例えばフッ素、テフロン(登録商標)などからなる層を用いることができる。この表面保護層53の表面抵抗値は、例えば導電性材料である導電性カーボンブラック等の添加量や、層厚などで調整することができる。表面保護層53の厚みは0.003〜0.01mmが好ましい。
上記補強層51および表面保護層53における表面抵抗値(Ω/□)は、例えば抵抗計〔三菱化学(株)製の商品名「ハイレスタIP」〕、および電極〔三菱化学(株)製の商品名「HR−100」〕を用いて、JIS規格K6911に準じて測定することができる。また、中間転写ベルト24全体の体積抵抗値(Ω・cm)も、上記抵抗計および電極を用いて測定することができる。
(中間転写ベルトの製造方法)
中間転写ベルト24の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば液状材料を反応硬化させて、積層構造を形成することによって製造することができる。具体的には、公知の遠心成形装置を用いて製造することができる。
(画像形成装置)
次に、本発明の画像形成装置について説明する。本発明の画像形成装置は、感光体を有する複数の画像形成ユニットと、複数の感光体上に形成されたトナー像が転写され一時的に保持される中間転写ベルトと、中間転写ベルトに形成された感光体上のトナー像を転写材に転写する転写部とを備えている。そして、画像形成ユニットを中間転写ベルトの搬送方向に沿って配設すると共に、中間転写ベルトとして、上記で説明した中間転写ベルト24を備えている。
上記のような本発明にかかる画像形成装置の一例について、図面を参照して詳細に説明する。図2は、本発明の画像形成装置の一例を示しており、タンデム型カラープリンタの主要部の構成を示している。
図2に示すように、このタンデム型カラープリンタ1は、カラー画像形成のための画像形成部2と、この画像形成部2で形成されたトナー画像を転写材に転写するための転写部3と、転写材を供給する給紙部4と、転写材の搬送と画像形成を同期させるためのレジストローラ部5と、このレジストローラ部5に到達した転写材を転写位置にガイドするための転写材搬送ガイド機構6と、転写材に転写されたトナー画像を定着させるための定着部7と、転写材を排出するための排紙部8とで構成されている。
画像形成部2は、カラープリンタ1のほぼ中央に位置している。そして、ブラック、イエロー、シアン、マゼンダの4色に対応して、それぞれ表面に静電潜像が形成される感光体ドラム22a,22b,22c,22dが設けられている4つの画像形成ユニット21a,21b,21c,21dと、感光体ドラム22a〜22dに対向して配置され感光体ドラムの表面に形成されたトナー画像を転写する1次転写ローラ23a,23b,23c,23dと、中間転写ベルト24とを備えている。なお、現像方式としては、現像剤層と感光体ドラムとが接触する接触現像方式でもよく、両者が接触しないジャンピング現像方式でもよい。また、液体現像方式でもよい。
ここで、ブラック、イエロー、シアン、マゼンダの4色に対応する4つの画像形成ユニット21a〜21dの各内部構成は同様であるため、ブラック画像形成ユニット21aを例としてその構成を説明する。図3に示すように、ブラック画像形成ユニット21aの感光体ドラム22aの周囲には、帯電装置101a、露光装置102a、現像装置103a、クリーニング装置104a、除電装置105aが配置されている。そして、後述するように、この画像ユニット21aにおいて、画像データに基づいたトナー画像が形成される。
一方、転写部3では、二次転写ローラ31が中間転写ベルト24に当接しており、二次転写ローラ31に印加された二次転写バイアスにより、中間転写ベルト24上に形成されたフルカラーのトナー像が用紙(転写材)に転写される。
給紙部4は、画像形成部2の下方に設けられており、用紙を収納するカセット41と、収納されている用紙を取り出すためのピックアップローラ42,43と、用紙を1枚ずつ搬送路に送り出すための給紙ローラ対44,45とが設けられている。そして、給紙部4から搬送された用紙は、縦搬送路46を通して転写位置に搬送される。この縦搬送路46の搬送方向下流側には、レジストローラ対5a,5bが設けられている。このレジストローラ対5a,5bが、給紙部4から搬送されてきた用紙を待機させ、中間転写ベルト24における画像形成との同期を図って転写位置Aに送り出す。
定着部7は、転写部3の上方に設けられ、用紙上に転写されたトナーを溶融定着するためのものである。この定着部7は、ヒータを内蔵する加熱ローラ7aと、加熱ローラ7aに圧接する加圧ローラ7bとを有している。そして、両ローラ間に用紙を挟持して搬送するとともに、用紙表面に転写されたトナー画像を加熱定着させる。この定着部7の上方には、排出ローラ81a,81bが設けられており、トナー画像が形成された用紙は、排出ローラ81a,81bを介してカラープリンタ1の最上部に設けられている排紙部8に排出される。
中間転写ベルト24は、図2に示すように、各感光体ドラム22a〜22dの上方に配置されている。そして、図示しないモーターなどの駆動手段により回転駆動される駆動ローラ25aと、この駆動ローラ25aから離間して配置される従動ローラ28との間に張設されて循環駆動する。さらに、駆動ローラ25aと従動ローラ28との間には、テンションローラ25bが設けられている。このテンションローラ25bが、図示しないテンション調整機構により、中間転写ベルト24のテンションを維持する。
また、1次転写ローラ23a〜23dは、中間転写ベルト24を介して、それぞれ感光体ドラム22a〜22dに圧接するように付勢されている。そして、この付勢によって、中間転写ベルト24は、感光体ドラム22a〜22dに圧接する。また、従動ローラ28と対向する位置には、中間転写ベルト24に付着したトナーなどをクリーニングするための中間転写クリーニング装置26が設けられている。
ここで、このカラープリンタ1では、中間転写ベルト24の補強層51と、駆動ローラ25a、従動ローラ28、テンションローラ25bおよび1次転写ローラ23a〜23dとが接触している。本発明では、上記で説明した通り、補強層51の表面抵抗値(Ω/□)が、中間転写ベルト24全体の体積抵抗値(Ω・cm)よりも大きい値、具体的には1×1010〜1×1014Ω/□となっている。そのため、トナー像を中間転写ベルト24に転写するために印加した帯電電荷(電流)が、駆動ローラ25a、従動ローラ28、テンションローラ25bおよび1次転写ローラ23a〜23dへ逃げることを防止することができる。
また、このカラープリンタ1では、4つの画像形成ユニット21a〜21dが設けられているが、これらの画像形成ユニット間の距離が小さい。具体的には、このカラープリンタ1では、画像形成ユニット21aと21bとの間、21bと21cとの間、および21cと21dとの間が、8〜12cmとなっている。本発明では、このように画像形成ユニット間の距離が小さい場合でも、上記で説明した通り、中間転写ベルト24の表面保護層53の表面抵抗値(Ω/□)が、中間転写ベルト24全体の体積抵抗値(Ω・cm)よりも大きい値、具体的には1×1010〜1×1014Ω/□となっている。そのため、前記帯電電荷(電流)が、画像形成ユニット21a〜21dへ流出するのを防ぎ、適正な電荷(印加電圧)を中間転写ベルト24に与えることができる。その結果、中間転写ベルト24各層の抵抗値を調整することにより、カラープリンタ1における転写性を最適なものとすることができる。
次に、カラープリンタ1の画像形成動作について説明する。まず、カラープリンタ1に電源が投入されると、各種パラメーターが初期化され、定着部7の温度設定を行うなどの初期設定が実行される。ついで、図示しない画像データ入力部が、ネットワークなどによって接続されたパーソナルコンピュータなどから画像データを受け取る。ここで受け取った画像データは、画像形成部2に送られる。
画像形成部2の各画像形成ユニット21a〜21dにおいて、受け取った画像データに基づいてトナー画像が形成される。ここでは、ブラック画像形成ユニット21aを例として画像形成動作を説明する。まず、帯電装置101aにより感光体ドラム22aが帯電され、露光装置102aによりブラックの画像データに対応した露光が行われる。そして、ブラックの画像データに対応した静電潜像が感光体ドラム22aの表面に形成される。この静電潜像は、ブラック現像装置103aでトナー画像化され、1次転写ローラ23aに印加された転写バイアス(定電流制御)によって中間転写ベルト24上に転写される。なお、感光体ドラム22aに残留した残留現像剤は、クリーニング装置104aによりクリーニングされて、図示しない廃トナーコンテナに廃棄される。さらに、除電装置105aにより感光体ドラム22aの残留電荷の除電が行われる。このような動作が他の色に対応した、マゼンタ画像形成ユニット21b、シアン画像形成ユニット21c、イエロー画像形成ユニット21dに関しても行われて、中間転写ベルト24上にフルカラーのトナー像が形成される。
同時に、給紙部4において、給紙カセット41から用紙がピックアップローラ42,43により取り出され、給紙ローラ対44,45を介して縦搬送路46に送り出される。その後、レジストローラ対5a,5bから中間転写ベルト24上の画像形成にタイミングを合わせて搬送された用紙が、転写材搬送ガイド機構6により転写部3に案内される。転写部3において、二次転写ローラ31は中間転写ベルト24に当接し、二次転写ローラ31に印加された二次転写バイアスにより、中間転写ベルト24上に形成されたフルカラーのトナー像が用紙に転写される。さらに、用紙に転写されたフルカラーのトナー像は、定着部7による加熱・加圧によって用紙に定着され、フルカラーのトナー像が形成された用紙が排紙部8に排出される。また、中間転写ベルト24に残留したトナーは、中間転写クリーニング装置26によってクリーニングされ、図示しない廃トナーコンテナに廃棄される。
このような画像形成過程において、図示しない駆動装置により駆動ローラ25aが駆動回転すると、中間転写ベルト24の走行が開始する。そして、レジストローラ対5a,5bから中間転写ベルト24上の画像形成にタイミングを合わせて搬送された用紙が、二次転写ローラ31と中間転写ベルト24との間のニップ部に搬送される。二次転写ローラ31は、中間転写ベルト24側に圧接されている。さらに、中間転写ベルト24は、駆動ローラ25aに巻き掛けられているので、二次転写ローラ31は、中間転写ベルト24を介して駆動ローラ25aに圧接していることになる。
ここで、転写部3において、用紙が転写ニップ部に到達すると、二次転写ローラ31が用紙を圧接し、用紙が中間転写ベルト24上のトナー画像と接触して、中間転写ベルト24上のトナー画像が用紙へ転写される。
本発明では、現像剤として、非磁性トナーからなる一成分現像剤、または非磁性トナーと磁性キャリヤ(例えば鉄粉やフェライト)とからなる二成分現像剤を使用できる。トナーの体積平均粒径は、一成分現像剤および二成分現像剤を問わず3〜10μm、好ましくは4〜7μmの範囲にあるのがよい。トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とからなり、必要に応じて研磨剤として無機酸化物が外添される。
結着樹脂としては、その種類は特に制限されるものではなく、例えばポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することができる。また、結着樹脂として、熱可塑性樹脂に加えて熱硬化性樹脂を一部使用することもできる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂やシアネート系樹脂等が挙げられる。
着色剤としては、黒色顔料として、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等のカーボンブラック;黄色顔料として、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマンネントイエローNCG、タートラジンレーキ;橙色顔料として、赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK;赤色顔料として、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B;紫色顔料として、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ;青色顔料として、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC;緑色顔料として、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG;白色顔料として、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等を使用できる。これらの着色剤は、結着樹脂100質量部当り2〜20質量部、特に5〜15質量部の範囲で使用するのが好ましい。
また、トナーに、外添剤として、例えばアルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの無機酸化物などを添加してもよい。外添剤の体積平均径は0.02〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.3μmであるのがよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜3および比較例1]
(中間転写ベルトの作製)
補強層、中間層および表面保護層を有する中間転写ベルトを、遠心成形装置を用いて作製した。具体的には、補強層は、その材料としてPVDFを用い、厚みを0.1mmとした。中間層は、1層からなる層とし、材料としてNBRおよび表1に示す量のカーボンブラックを用い、厚みを0.3mmとした。表面保護層は、その材料としてはフッ素樹脂を用い、厚みを0.01mmとし、表1に示す量のカーボンブラックを添加した。なお、表1は、各層の総量に対して、添加したカーボンブラックの重量(重量%)を示している。
Figure 2006285207
作製した各中間転写ベルトについて、補強層および表面保護層の表面抵抗値(Ω/□)と、中間転写ベルト全体の体積抵抗値(Ω・cm)とを、抵抗計〔三菱化学(株)製商品名;ハイレスタIP〕、および電極〔三菱化学(株)製商品名;HR−100〕を用いて、JIS規格K6911に準じて印加電圧250Vで測定した。結果を表2に示す。
Figure 2006285207
(転写性評価試験)
タンデム型のカラープリンタに上記中間転写ベルトを装着して、転写性を評価する試験を行った。具体的には、前記タンデム型のカラープリンタは試作機であり、このカラープリンタの各条件は下記の通りである。
現像方式:液体現像方式
画像形成ユニット間の距離:9.4cm
プリントスピード:26cpm
線速(ドラム周速):116mm/秒
ドラム径:φ40mm
表面電位:550V
現像バイアス:400V
一次転写バイアス(定電圧制御):300V
二次転写バイアス(定電圧制御):20μA
また、具体的な試験方法は、ベルト上のトナー重量測定とした。転写性(%)は、紙へ転写した後のベルト上のトナー残量を測定し、転写したトナー量を算出し割合を求めた。結果を表3に示す。
Figure 2006285207
表3に示すように、実施例1〜3では高い転写性を示し、良好な結果が得られたことが分かる。特に、実施例1では転写性が97.6%と極めて高い数値を示している。一方、比較例1では転写性が90%未満であり、良好な結果が得られなかった。
実施例1〜3では、補強層および表面保護層の表面抵抗値(Ω/□)を、中間転写ベルト全体の体積抵抗値(Ω・cm)よりも大きくしている。従って、電荷(電圧)が、中間転写ベルトを張設するローラと中間転写ベルトに接触する画像形成ユニットとに流出するのを防止して、中間転写ベルトに適正な電荷(電圧)を与えることができたため、実施例1〜3では良好な結果が得られたと考えられる。
一方、比較例1では、補強層および表面保護層の表面抵抗値(Ω/□)を、中間転写ベルト全体の体積抵抗値(Ω・cm)よりも小さくしている。従って、電荷(電圧)が、中間転写ベルトを張設するローラまたは中間転写ベルトに接触する画像形成ユニットに流出して、中間転写ベルトに適正な電荷(電圧)を与えることができなかったため、比較例1では良好な結果が得られなかったと考えられる。
本発明の中間転写ベルトの一例を示す概略断面図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す模式図である。 図2に示す画像形成装置の画像形成ユニットを詳細に示す模式図である。
符号の説明
1・・・カラープリンタ(画像形成装置)
22a,22b,22c,22d・・・感光体ドラム
24・・・中間転写ベルト
51・・・補強層
52・・・中間層
53・・・表面保護層

Claims (6)

  1. 複数の感光体上に形成されたトナー像が転写され一時的に保持される中間転写ベルトであり、中間転写ベルトを補強するための補強層と、この補強層の上に中間層を介して積層され前記感光体と接する表面保護層とを備え、前記補強層および表面保護層の表面抵抗値がベルト全体の体積抵抗値よりも大きいことを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 前記補強層および表面保護層の表面抵抗値が1×1010〜1×1014Ω/□であり、ベルト全体の体積抵抗値が1×1010Ω・cm未満である請求項1に記載の中間転写ベルト。
  3. 前記補強層の表面抵抗値が、前記表面保護層の表面抵抗値よりも大きい請求項1または2に記載の中間転写ベルト。
  4. 補強層の厚みが0.05〜0.2mm、中間層の厚みが0.2〜0.5mm、表面保護層の厚みが0.003〜0.01mmである請求項1〜3のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  5. 感光体を有する複数の画像形成ユニットと、複数の感光体上に形成されたトナー像が転写され一時的に保持される中間転写ベルトと、中間転写ベルトに形成された感光体上のトナー像を転写材に転写する転写部とを備え、前記画像形成ユニットを中間転写ベルトの搬送方向に沿って配設した画像形成装置であり、
    前記中間転写ベルトとして、請求項1〜4のいずれかに記載の中間転写ベルトを備えていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記画像形成ユニット間の距離が8〜12cmである請求項5に記載の画像形成装置。

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009265343A (ja) * 2008-04-24 2009-11-12 Gunze Ltd 画像形成装置に用いられる多層弾性ベルト
JP2010128233A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Seiko Epson Corp 転写装置及び画像形成装置
JP2013195620A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置

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