JP2006284726A - 3次元画像再生方法、3次元画像再生プログラム、記憶媒体および3次元画像再生装置 - Google Patents
3次元画像再生方法、3次元画像再生プログラム、記憶媒体および3次元画像再生装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】元の物体と同じ大きさで同じ位置に、且つ上下左右が反転することなく結像させることができる3次元画像再生方法を提供する。
【解決手段】レンダリング・エンジンを用いて、ボクセル・キュービックの3次元座標、レンズ109の主点面、第1IP画像表示面107および第2IP画像表示面108の幾何学的位置関係から、レンズ109の第1の面側の物体の第1IP画像表示面107に結像するIP画像を求めるとともに、レンズ109の第2の面側の物体の第2IP画像表示面108に結像するIP画像を求める。
【選択図】図3
【解決手段】レンダリング・エンジンを用いて、ボクセル・キュービックの3次元座標、レンズ109の主点面、第1IP画像表示面107および第2IP画像表示面108の幾何学的位置関係から、レンズ109の第1の面側の物体の第1IP画像表示面107に結像するIP画像を求めるとともに、レンズ109の第2の面側の物体の第2IP画像表示面108に結像するIP画像を求める。
【選択図】図3
Description
本発明は複数の物体からなる立体像を得るためのインテグラル・フォトグラフィー画像生成方法を用いた3次元画像再生方法、3次元画像再生プログラム、記憶媒体および3次元画像再生装置に関するものである。
近年、3次元表示は医学や娯楽の分野で広く使われるようになった。特に、専用の偏光めがねをかけて立体映像を見る方法は映画などでしばしば使われている。最近では、表示装置自体で左右の視差を実現するパララックス・バリアなどの手法も実用化されている。この方法では特殊なめがねが要らない、というメリットを持つ。さらに、ハエの目レンズ(フライ・アイ・レンズ)を利用するインテグラル・フォトグラフィー(IP)法と呼ばれる手法も徐々に普及を始めた。この方法は、観測者がどの位置に移動しても立体像が再生できるという特徴を持つ(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第00/59235号パンフレット
しかし、このIP法で3次元画像を得るためには、あらかじめIP画像と呼ばれる画像を生成し、これをフライ・アイ・レンズを通して観察する必要がある。このIP画像を生成するためには、光源から発射された光が物体に当たって反射した後、その光がフライ・アイ・レンズにどの様に入射するかを精密に計算する必要がある。この処理をレンダリングと呼ぶ。実際には、IP画像表示面における個々のピクセル位置から逆に光線を辿って、レンズの主点を通り、物体のどの位置に到着するかを計算し、その位置における色情報を求めるという手法が一般的である。この手法をレイ・トレーシングと呼ぶ。このレイ・トレーシングは、コンピュータを使って行われる。
図14はボクセル・キュービックとIP表示画面上のピクセルの位置関係を示す図で、3次元の物体をIP画像として描画する3次元画像再生方法の概略を説明する模式図である。図14に示すように、物体はボクセル・キュービックと呼ばれる小さな立方体に仮想的に分解され、3次元データとしてコンピュータ内部に保存されている。これらのボクセル・キュービックの夫々がフライ・アイ・レンズを通してIP画像表示面のどのピクセル位置に映りこむかを計算によって求めるのである。図14では、ボクセル・キュービックAがフライ・アイ・レンズ1を通してピクセルA1へ、フライ・アイ・レンズ2を通してピクセルA2へ、同様にボクセル・キュービックBがフライ・アイ・レンズ1を通してピクセルB1へ、フライ・アイ・レンズ2を通してピクセルB2へ、ボクセル・キュービックCがフライ・アイ・レンズ1を通してピクセルC1へ、フライ・アイ・レンズ2を通してピクセルC2へ、対応することを示している。したがって、各ピクセルを対応するボクセル・キュービックの色で塗れば、フライ・アイ・レンズを通してIP画像を観察したときにもともとあった物体と同様の3次元画像が再生されるのである。以上のように、物体を小さな立方体(ボクセル・キュービック)に分けて、夫々のボクセル・キュービックについて、すべてのフライ・アイ・レンズに対して上述の処理を行うことにより、IP画像を求めるのである。
次に、IP画像がどのように3次元画像として再生されるかを説明する。図15はレンズ手前の物体に対するIP画像と物体および3次元画像の位置関係を示す図で、物体とフライ・アイ・レンズとIP画像表示面の光学的な位置関係を示す図である。図15に示すように、物体から出た光は、経路1に従って主点面を通り、あるいは、経路2に従って焦点を通り、IP画像表示面上の1点で交わる(結像する)。一方、3次元画像再生時には、IP画像表示面から発射された光は、経路1・経路2を逆に辿って、もともと物体があった位置に結像する。
以上説明してきたように、得られたIP画像を、フライ・アイ・レンズを通して観察することによって、もともと物体があった位置に、あたかも、物体が存在するかのように見えるのである。図15によると、物体が観測者から見てレンズの手前にある場合は、IP画像表示面を、観測者から見てレンズの焦点面より奥側に置けば、よいことが分かる。
次に、物体が観測者から見てレンズ奥側にある場合について図16で説明する。図16はレンズ奥の物体に対するIP画像と物体および3次元画像の位置関係を示す図で、図15同様に物体の位置、レンズの主点面、IP画像表示面の位置関係によってIP画像を求めることができる。具体的には、物体から出た光は経路3・経路4に従ってIP画像表示面上の一点で交わる(結像する)。
一方、3次元画像再生時には、IP画像表示面から発射された光は、経路3・経路4を逆に辿って、もともと物体があった位置に(虚像として)結像する。但し、今度は、観測者から見てIP画像表示面が焦点面より手前にある。この場合も、図16で示すように、IP画像表示面を、フライ・アイ・レンズを通して観察すると、もともと物体があった位置にあたかも、物体が存在するかのように見えるのである。図16によると、物体が観測者から見てレンズの向こう側にある場合は、IP画像表示面を、観測者から見てレンズの焦点面より手前に置けば、よいことが分かる。
しかしながら、従来、IP画像表示面は焦点面の手前か奥側かのいずれかに1つのみが配置されていた。ここで例えば、観測者から見てIP画像表示面を焦点面の奥側に置いた場合について考える。図17はIP画像表示面が1枚しかない場合のIP画像と3次元画像の位置関係を示す図で、3次元画像を得たい物体がフライ・アイ・レンズの手前と奥の両方に位置する場合にIP画像を求める方法を示している。図17に示すように、IP画像AをIP画像表示面に表示すれば、レンズ手前の物体Aに対しては、正しい3次元画像Aが得られることが分かる。しかし、レンズ奥の物体Bに対しては、同じ大きさの像を得るためには、図に示すようにIP画像Bを描画することになり、この場合、再生される3次元像は上下左右が反転してしまい、かつ、結像位置も奥ではなく手前になってしまう(奥の物体の3次元画像B)。
以上のように、観測者から見てIP画像表示面が焦点面より奥側にある場合は、レンズの奥側にある物体を正常に再生することができず(上下左右が反転した像が手前に得られてしまう)、また同様に、IP画像表示面が焦点面より手前にある場合はレンズより手前にある物体の3次元像を正常に再生することはできない(上下左右が反転した像が奥に得られてしまう)。このように、フライ・アイ・レンズを通してIP画像を観察すると、運動視差や左右の眼球の視差によって、ある程度の立体感は得ることができるものの、フライ・アイ・レンズの大きさはそれほど小さくないため(数mm程度)、レンズの中に見える像が上下反転することで、隣のレンズの像と不連続になり、さらに、像が正しい奥行きを持った位置に結像しないため、解像度感が失われる。
図18はレンズ手前の物体に対するIP画像をレンズを通して見た様子を示す拡大図で、フライ・アイ・レンズに映る像を拡大した図である。手前にある直線状の物体を焦点面より奥にあるIP画像表示面で再生すれば、このように正常に3次元画像が得られる。ところが、手前にある物体を焦点面より奥のIP画像表示面(あるいは、レンズより奥にある物体を、焦点面より手前にあるIP画像表示面)で再生しようとすると、図19のレンズ奥の物体に対するIP画像をレンズを通して見た様子を示す拡大図に示すように、物体の像が上下左右反転となり、全体として不連続な像を形成してしまうので改善が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、フライ・アイ・レンズの手前にある物体も向こう側にある物体も元の物体と同じ大きさで同じ位置に、且つ上下左右が反転することなく結像させることができる3次元画像再生方法、3次元画像再生プログラム、記憶媒体および3次元画像再生装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の3次元画像再生方法は、物体が仮想的に複数に分割されてなる夫々のボクセル・キュービックの少なくとも3次元座標と色情報とを含む3次元データを3次元データ記憶手段に記憶して、第1の面および第2の面を有するフライ・アイ・レンズに対して、透過型の第1IP画像表示面を、フライ・アイ・レンズの第2の面側の、フライ・アイ・レンズとこのフライ・アイ・レンズの焦点面との間に配置して、第2IP画像表示面を、フライ・アイ・レンズの第2の面側の、フライ・アイ・レンズの焦点面に対して、フライ・アイ・レンズと反対側に配置して、レンダリング・エンジンを用いて、ボクセル・キュービックの3次元座標、フライ・アイ・レンズの主点面、第1IP画像表示面および第2IP画像表示面の幾何学的位置関係から、フライ・アイ・レンズの第1の面側の物体の第2IP画像表示面に結像するIP画像を求めるとともに、フライ・アイ・レンズの第2の面側の物体の第1IP画像表示面に結像するIP画像を求めて、その後、第1IP画像表示面に結像するIP画像および第2IP画像表示面に結像するIP画像をIP画像記憶手段に記憶することを特徴とする。
また、本発明の3次元画像再生プログラムは、物体が仮想的に複数に分割されてなる夫々のボクセル・キュービックの少なくとも3次元座標と色情報とを含む3次元データを3次元データ記憶手段に記憶して、レンダリング・エンジンを用いて、第1の面および第2の面を有するフライ・アイ・レンズ、フライ・アイ・レンズの第2の面側でフライ・アイ・レンズとこのフライ・アイ・レンズの焦点面との間に配置された透過型の第1IP画像表示面、およびフライ・アイ・レンズの第2の面側でフライ・アイ・レンズの焦点面に対して、フライ・アイ・レンズと反対側に配置された第2IP画像表示面に関して、ボクセル・キュービックの3次元座標、フライ・アイ・レンズの主点面、第1IP画像表示面、および第2IP画像表示面の幾何学的位置関係から、フライ・アイ・レンズの第1の面側の物体の第2IP画像表示面に結像するIP画像を求めるとともに、フライ・アイ・レンズの第2の面側の物体の第1IP画像表示面に結像するIP画像を求めて、第1IP画像表示面に結像するIP画像および第2IP画像表示面に結像するIP画像をIP画像記憶手段に記憶する手順が記述されていることを特徴とする。
さらにまた、本発明の3次元画像再生装置は、物体を複数のボクセル・キュービックに仮想的に分割し、夫々のボクセル・キュービックについてIP画像表示面への結像を求めることによりIP画像を作成し、ことIP画像を、フライ・アイ・レンズを通して観察することによって3次元画像を再生するインテグラル・フォトグラフィー法を用いた3次元画像再生装置において、物体が仮想的に複数に分割されてなる夫々のボクセル・キュービックの少なくとも3次元座標と色情報とを含む3次元データを記憶する3次元データ記憶部と、第1の面および第2の面を有するフライ・アイ・レンズと、フライ・アイ・レンズの第2の面側において、フライ・アイ・レンズとこのフライ・アイ・レンズの焦点面との間に配置された透過型の第1IP画像表示面と、フライ・アイ・レンズの第2の面側において、フライ・アイ・レンズの焦点面に対して、フライ・アイ・レンズと反対側に配置された第2IP画像表示面と、ボクセル・キュービックの3次元座標、フライ・アイ・レンズの主点面、第1IP画像表示面、および第2IP画像表示面の幾何学的位置関係から、フライ・アイ・レンズの第1の面側の物体の第2IP画像表示面に結像するIP画像を求めるとともに、フライ・アイ・レンズの第2の面側の物体の第1IP画像表示面に結像するIP画像を求めるレンダリング・エンジンと、第1IP画像表示面に結像するIP画像および第2IP画像表示面に結像するIP画像を記憶するIP画像記憶手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、フライ・アイ・レンズの手前にある物体も向こう側にある物体も元の物体と同じ大きさで同じ位置に、且つ上下左右が反転することなく結像させることができる3次元画像再生方法、3次元画像再生プログラム、記憶媒体および3次元画像再生装置を得ることができる。
本発明の第1の発明の3次元画像再生方法は、物体を複数のボクセル・キュービックに仮想的に分割し、夫々のボクセル・キュービックについてIP画像表示面への結像を求めることによりIP画像を作成し、このIP画像を、フライ・アイ・レンズを通して観察することによって3次元画像を再生するインテグラル・フォトグラフィー法を用いた3次元画像再生方法において、物体が仮想的に複数に分割されてなる夫々のボクセル・キュービックの少なくとも3次元座標と色情報とを含む3次元データを3次元データ記憶手段に記憶して、第1の面および第2の面を有するフライ・アイ・レンズに対して、透過型の第1IP画像表示面を、フライ・アイ・レンズの第2の面側の、フライ・アイ・レンズとこのフライ・アイ・レンズの焦点面との間に配置して、第2IP画像表示面を、フライ・アイ・レンズの第2の面側の、フライ・アイ・レンズの焦点面に対して、フライ・アイ・レンズと反対側に配置して、レンダリング・エンジンを用いて、ボクセル・キュービックの3次元座標、フライ・アイ・レンズの主点面、第1IP画像表示面および第2IP画像表示面の幾何学的位置関係から、フライ・アイ・レンズの第1の面側の物体の第2IP画像表示面に結像するIP画像を求めるとともに、フライ・アイ・レンズの第2の面側の物体の第1IP画像表示面に結像するIP画像を求めて、その後、第1IP画像表示面に結像するIP画像および第2IP画像表示面に結像するIP画像をIP画像記憶手段に記憶する。この構成により、フライ・アイ・レンズの第1の面側にある物体も、第2の面側にある物体も、元の物体と同じ大きさで、同じ位置に、かつ、上下左右が反転することなく、結像するため、解像度感の高い3次元再生装置を得ることができる。
本発明の第2の発明の3次元画像再生方法は、第1の発明のIP画像生成方法において、先に、第1IP画像表示面に結像するIP画像を求めた後に、次に第2IP画像表示面に結像するIP画像を求め、この第2IP画像表示面に結像するIP画像を求める際に、物体とフライ・アイ・レンズの主点と第2IP画像表示面におけるピクセルとを結ぶ直線が、第1IP画像と交わるピクセル位置を求めて、その位置に透明を表すデータを書き込む。この構成により、第2IP画像表示面上を透明な第1IP画像表示面のピクセルを通して見ることができるので、フライ・アイ・レンズの第2の面側にある物体の3次元像を得るための第1IP画像表示面上のピクセルが、フライ・アイ・レンズの第1の面側にある3次元像を得るための第2IP画像表示面上のピクセルを隠すことがなく、フライ・アイ・レンズに直交する方向に正しい配置で3次元画像を再生することができる。
本発明の第3の発明の3次元画像再生方法は、第1の発明のIP画像生成方法において、先に、第2IP画像表示面に結像するIP画像を求めた後に、次に第1IP画像表示面に結像するIP画像を求め、この第1IP画像表示面に結像するIP画像を求める際に、物体とフライ・アイ・レンズの主点と第1IP画像表示面におけるピクセルとを結ぶ直線の延長線が、第2IP画像表示面と交わるピクセル位置を求めて、そのピクセル位置に既にIP画像が書き込まれていた場合には、第1IP画像表示面のピクセルにはIP画像を書き込まない。この構成により、第2IP画像表示面上のピクセルはかならずフライ・アイ・レンズと透明な第1IP画像表示面のピクセルを通して見えるので、フライ・アイ・レンズの第2の面側にある物体の3次元像を得るための第1IP画像表示面上のピクセルが、フライ・アイ・レンズの第1の面側にある3次元像を得るための第2IP画像表示面上のピクセルを隠すことがなく、フライ・アイ・レンズに直交する方向に正しい配置で3次元画像を再生することができる。
本発明の第4の発明の3次元画像再生方法は、第1の発明から第3の発明のいずれか1つのIP画像生成方法において、ボクセル・キュービックの3次元データをフライ・アイ・レンズに交差する方向の軸座標値に関してソートしておき、フライ・アイ・レンズの第1の面側の最も遠い位置のボクセル・キュービックからIP画像のピクセル位置を求め、求めたIP画像をIP画像表示面に書き込む際に、既にピクセル位置にIP画像が書き込まれていた場合には、上書きしない。この構成により、常にフライ・アイ・レンズからIP画像表示面に向かう方向と同じ方向の順でボクセル・キュービックが処理され、IP画像表示面上の同じピクセル位置に複数のボクセル・キュービックが写像される場合には、常に視線手前のデータが勝ち残り、視線奥にあるはずの物体が視線手前に見えるといった現象を回避できるとともに、IP画像表示面上で既にIP画像を求めてあるピクセルについては処理をスキップできるため、処理用を軽減でき処理の高速化を図ることができる。
本発明の第5の発明の3次元画像再生方法は、第1の発明から第4の発明のいずれか1つのIP画像生成方法において、第1IP画像表示面の透明度を考慮し、第2IP画像表示面にIP画像を書き込むときに、書き込むべきIP画像の色情報に透明度を考慮した演算を施し、第1IP画像表示面を通して見た第2IP画像表示面の色調と第1IP画像表示面の色調とが同様に見えるようにした。この構成により、フライ・アイ・レンズの第1の面側の物体と第2の面側の物体が同様な色調のダイナミック・レンジで再現されるため、違和感のない3次元画像を得ることができる。
本発明の第6の発明の3次元画像再生方法は、第5の発明のIP画像生成方法において、第1のIP画像表示面のダイナミック・レンジを落とすことで色調が同様に見えるようにした。この構成により、比較的容易に違和感のない3次元画像を再現することができる。
本発明の第7の発明の3次元画像再生方法は、第5の発明のIP画像生成方法において、第1のIP画像表示面のダイナミック・レンジを上げることで色調が同様に見えるようにした。この構成により、比較的容易に違和感のない3次元画像を再現することができる。
本発明の第8の発明の3次元画像再生プログラムは、物体を複数のボクセル・キュービックに仮想的に分割し、夫々のボクセル・キュービックについてIP画像表示面への結像を求めることによりIP画像を作成し、このIP画像を、フライ・アイ・レンズを通して観察することによって3次元画像を再生するインテグラル・フォトグラフィー法を用いた3次元画像再生の手順が記述された3次元画像再生プログラムにおいて、物体が仮想的に複数に分割されてなる夫々のボクセル・キュービックの少なくとも3次元座標と色情報とを含む3次元データを3次元データ記憶手段に記憶する手順と、レンダリング・エンジンを用いて、第1の面および第2の面を有するフライ・アイ・レンズ、フライ・アイ・レンズの第2の面側でフライ・アイ・レンズとこのフライ・アイ・レンズの焦点面との間に配置された透過型の第1IP画像表示面、およびフライ・アイ・レンズの第2の面側でフライ・アイ・レンズの焦点面に対して、フライ・アイ・レンズと反対側に配置された第2IP画像表示面に関して、ボクセル・キュービックの3次元座標、フライ・アイ・レンズの主点面、第1IP画像表示面、および第2IP画像表示面の幾何学的位置関係から、フライ・アイ・レンズの第1の面側の物体の第2IP画像表示面に結像するIP画像を求めるとともに、フライ・アイ・レンズの第2の面側の物体の第1IP画像表示面に結像するIP画像を求める手順と、第1IP画像表示面に結像するIP画像および第2IP画像表示面に結像するIP画像をIP画像記憶手段に記憶する手順とが記述されている。この構成により、フライ・アイ・レンズの第1の面側にある物体も、第2の面側にある物体も、元の物体と同じ大きさで、同じ位置に、かつ、上下左右が反転することなく、結像するため、解像度感の高い3次元再生プログラムを得ることができる。
本発明の第9の発明の3次元画像再生プログラムは、第8の発明のIP画像生成プログラムにおいて、先に、第1IP画像表示面に結像するIP画像を求めるように記述され、次に、第2IP画像表示面に結像するIP画像を求めるように記述され、この第2IP画像表示面に結像するIP画像を求める際に、物体とフライ・アイ・レンズの主点と第2IP画像表示面におけるピクセルとを結ぶ直線が、第1IP画像と交わるピクセル位置を中央処置装置に演算させて、求められた位置のデータに透明を表すデータを書き込むように記述されている。この構成により、第2IP画像表示面上を透明な第1IP画像表示面のピクセルを通して見ることができるので、フライ・アイ・レンズの第2の面側にある物体の3次元像を得るための第1IP画像表示面上のピクセルが、フライ・アイ・レンズの第1の面側にある3次元像を得るための第2IP画像表示面上のピクセルを隠すことがなく、フライ・アイ・レンズに直交する方向に正しい配置で3次元画像を再生することができる。
本発明の第10の発明の3次元画像再生方法は、第8の発明のIP画像生成プログラムにおいて、先に、第2IP画像表示面に結像するIP画像を求めるように記述され、次に第1IP画像表示面に結像するIP画像を求めるように記述され、当この第1IP画像表示面に結像するIP画像を求める際に、物体とフライ・アイ・レンズの主点と第1IP画像表示面におけるピクセルとを結ぶ直線の延長線が、第2IP画像表示面と交わるピクセル位置を中央処置装置に演算させて、そのピクセル位置に既にIP画像が書き込まれていた場合には、第1IP画像表示面のピクセルにはIP画像を書き込まないことが記述されている。この構成により、第2IP画像表示面上のピクセルはかならずフライ・アイ・レンズと透明な第1IP画像表示面のピクセルを通して見えるので、フライ・アイ・レンズの第2の面側にある物体の3次元像を得るための第1IP画像表示面上のピクセルが、フライ・アイ・レンズの第1の面側にある3次元像を得るための第2IP画像表示面上のピクセルを隠すことがなく、フライ・アイ・レンズに直交する方向に正しい配置で3次元画像を再生することができる。
本発明の第11の発明の3次元画像再生プログラムは、第8の発明から第10の発明のいずれか1つのIP画像生成プログラムにおいて、ボクセル・キュービックの3次元データを3次元データ記憶手段から読み出して、3次元座標のフライ・アイ・レンズに交差する方向の軸座標値に関してソートしておき、フライ・アイ・レンズの第1の面側の最も遠い位置のボクセル・キュービックからIP画像のピクセル位置を求め、求めたIP画像をIP画像表示面に書き込む際に既にピクセル位置にIP画像が書き込まれていた場合には、上書きしないことが記述されている。この構成により、常にフライ・アイ・レンズからIP画像表示面に向かう方向と同じ方向の順でボクセル・キュービックが処理され、IP画像表示面上の同じピクセル位置に複数のボクセル・キュービックが写像される場合には、常に視線手前のデータが勝ち残り、視線奥にあるはずの物体が視線手前に見えるといった現象を回避できるとともに、IP画像表示面上で既にIP画像を求めてあるピクセルについては処理をスキップできるため、処理用を軽減でき処理の高速化を図ることができる。
本発明の第12の発明の3次元画像再生プログラムは、第8の発明から第10の発明のいずれか1つのIP画像生成プログラムにおいて、第1IP画像表示面の透明度を考慮し、第2IP画像表示面にIP画像を書き込むときに、書き込むべきIP画像の色情報に透明度を考慮した演算を中央処置装置にさせ、第1IP画像表示面を通して見た第2IP画像表示面の色調と第1IP画像表示面の色調とが同様に見えるようにする手順が記述されている。この構成により、フライ・アイ・レンズの第1の面側の物体と第2の面側の物体が同様な色調のダイナミック・レンジで再現されるため、違和感のない3次元画像を得ることができる。
本発明の第13の発明の記憶媒体には、第8の発明から第12の発明のいずれか1つの3次元生成プログラムが記録されている。この構成により、この記憶媒体からコンピュータに3次元生成プログラムを読み込ませることにより、フライ・アイ・レンズの第1の面側にある物体も、第2の面側にある物体も、元の物体と同じ大きさで、同じ位置に、かつ、上下左右が反転することなく、結像するため、解像度感の高い3次元再生を実現することができる。
本発明の第14の発明の3次元画像再生装置は、物体を複数のボクセル・キュービックに仮想的に分割し、夫々のボクセル・キュービックについてIP画像表示面への結像を求めることによりIP画像を作成し、このIP画像を、フライ・アイ・レンズを通して観察することによって3次元画像を再生するインテグラル・フォトグラフィー法を用いた3次元画像再生装置において、物体が仮想的に複数に分割されてなる夫々のボクセル・キュービックの少なくとも3次元座標と色情報とを含む3次元データを記憶する3次元データ記憶部と、第1の面および第2の面を有するフライ・アイ・レンズと、フライ・アイ・レンズの第2の面側において、フライ・アイ・レンズとこのフライ・アイ・レンズの焦点面との間に配置された透過型の第1IP画像表示面と、フライ・アイ・レンズの第2の面側において、フライ・アイ・レンズの焦点面に対して、フライ・アイ・レンズと反対側に配置された第2IP画像表示面と、ボクセル・キュービックの3次元座標、フライ・アイ・レンズの主点面、第1IP画像表示面、および第2IP画像表示面の幾何学的位置関係から、フライ・アイ・レンズの第1の面側の物体の第1IP画像表示面に結像するIP画像を求めるとともに、フライ・アイ・レンズの第1の面側の物体の第2IP画像表示面に結像するIP画像を求めるレンダリング・エンジンと、第2IP画像表示面に結像するIP画像および第2IP画像表示面に結像するIP画像を記憶するIP画像記憶手段とを有する。この構成により、フライ・アイ・レンズの第1の面側にある物体も、第2の面側にある物体も、元の物体と同じ大きさで、同じ位置に、かつ、上下左右が反転することなく、結像するため、解像度感の高い3次元再生装置を得ることができる。
本発明の第15の発明の3次元画像再生装置は、第14の発明の3次元画像再生装置において、第2IP画像表示面は、第1IP画像表示面よりも色再現性においてダイナミック・レンジが大きく、コントラストを調整するコントラスト調整部が設けられている。この構成により、この構成により、第1IP画像表示面の透明部を通して第2IP画像表示面を見たときの色のダイナミック・レンジと第1IP画像表示面のダイナミック・レンジを整合させることができ、違和感のない3次元画像を再現することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態においては、フライ・アイ・レンズに直交する軸方向を、Z軸方向あるいは視線方向として説明し、所定の物体(例えば、フライ・アイ・レンズ)に対して、観測者から遠い側を「奥側」あるいは「向こう側」、観測者に近い側を「手前側」と表現して説明するが、装置の方向は、これに限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明にかかる実施の形態1の3次元画像再生装置の機能ブロック図である。図1において、101は3次元データ入力手段、102は3次元データ記憶手段としての3次元データ記憶部、103はパラメータ記憶部、104はレンダリング・エンジン、105はIP画像記憶手段としての第1IP画像メモリ、106はIP画像記憶手段としての第2IP画像メモリ、107は第1IP画像表示面、108は第2IP画像表示面、109はフライ・アイ・レンズ、111は制御部である。
図1は本発明にかかる実施の形態1の3次元画像再生装置の機能ブロック図である。図1において、101は3次元データ入力手段、102は3次元データ記憶手段としての3次元データ記憶部、103はパラメータ記憶部、104はレンダリング・エンジン、105はIP画像記憶手段としての第1IP画像メモリ、106はIP画像記憶手段としての第2IP画像メモリ、107は第1IP画像表示面、108は第2IP画像表示面、109はフライ・アイ・レンズ、111は制御部である。
3次元データ入力手段101は、ボクセル・キュービックの3次元データ、すなわち、ボクセル・キュービックのX,Y,Z座標および色情報を、外部機器や記憶媒体等から入力する。3次元データ記憶部102は、3次元データ、すなわち、ボクセル・キュービックのX,Y,Z座標と色情報を一時的に記憶する。
パラメータ記憶部103は、この3次元データをレンダリングするために必要なパラメータを記憶している。このパラメータには、例えば以下のものが含まれている。
・フライ・アイ・レンズ109の直径
・フライ・アイ・レンズ109の主点面と第1IP画像表示面107との距離
・フライ・アイ・レンズ109の主点面と第2IP画像表示面108との距離
・フライ・アイ・レンズ109の幾何学的配置
・フライ・アイ・レンズ109の焦点距離
・フライ・アイ・レンズ109の主点座標
・ボクセル・キュービックの密度(ボクセル・キュービックの一辺の長さ)
・IP画像のピクセルの大きさ(ピクセル・サイズ)
・ピクセルの配置
・第1IP画像表示面107の透過率
レンダリング・エンジン104は、IP画像表示面を構成する各ピクセルからフライ・アイ・レンズ109の主点を通る光線を仮想的に追跡して、すべてのボクセル・キュービックと交差するか否かを演算によって判断し、交差する場合は、そのボクセル・キュービックに対応するIP画像表示面上のピクセルが、所謂「ボクセル・キュービックの色で塗ったもの」であると決定する。
・フライ・アイ・レンズ109の主点面と第1IP画像表示面107との距離
・フライ・アイ・レンズ109の主点面と第2IP画像表示面108との距離
・フライ・アイ・レンズ109の幾何学的配置
・フライ・アイ・レンズ109の焦点距離
・フライ・アイ・レンズ109の主点座標
・ボクセル・キュービックの密度(ボクセル・キュービックの一辺の長さ)
・IP画像のピクセルの大きさ(ピクセル・サイズ)
・ピクセルの配置
・第1IP画像表示面107の透過率
レンダリング・エンジン104は、IP画像表示面を構成する各ピクセルからフライ・アイ・レンズ109の主点を通る光線を仮想的に追跡して、すべてのボクセル・キュービックと交差するか否かを演算によって判断し、交差する場合は、そのボクセル・キュービックに対応するIP画像表示面上のピクセルが、所謂「ボクセル・キュービックの色で塗ったもの」であると決定する。
第1IP画像メモリ105は、フライ・アイ・レンズ109より奥の物体に対するレンダリングの結果を蓄積する。一方、第2IP画像メモリ106は、フライ・アイ・レンズ109より手前の物体に対するレンダリングの結果を蓄積する。そして、第1IP画像表示面107は、第1IP画像メモリ105に蓄積されたデータにもとづいて画像を表示する。一方、第2IP画像表示面108は、第2IP画像メモリ106に蓄積されたデータにもとづいて画像を表示する。制御部111は、全体の制御を行なう。
図2は本発明にかかる実施の形態1の3次元画像再生装置を特に具体的なハードウェアと関連付けて示す装置ブロック図である。図2において、3次元データ入力手段101は、具体的にはDVDドライブによって構成されている。3次元データ記憶部102は、RAMによって構成されている。パラメータ記憶部103は、ROMによって構成されている。レンダリング・エンジン104および制御部111は、中央処理装置(CPU)801が、パラメータ記憶部(ROM)103の中に記憶しているプログラムを、パラメータ記憶部(ROM)103の中に記憶しているデータを参照したり、3次元データ記憶部(RAM)102に記憶しているデータを参照したり、変更したりしながら実行することによって構成されている。
第1IP画像メモリ105は、具体的には第1V−RAMによって構成されている。第2IP画像メモリ106は、第2V−RAMによって構成されている。第1IP画像表示面107は、具体的には透過型LCDによって構成されている。第2IP画像表示面108は、具体的にはバックライトLCDによって構成されている。
ここで、フライ・アイ・レンズ109、第1IP画像表示面107(透過型LCD)、および第2IP画像表示面108(バックライトLCD)は、図3の本発明にかかる実施の形態1によるレンズ手前の物体、およびレンズ奥の物体に対するIP画像と物体および3次元画像の位置関係を示す図に示す幾何学的配置になっている。すなわち、第1IP画像表示面107は、フライ・アイ・レンズ109とフライ・アイ・レンズ109の焦点面の間とに位置し、また、第2IP画像表示面108は、フライ・アイ・レンズ109から見て、焦点面の向こう側に位置している。つまり、フライ・アイ・レンズ109の観測者側を第1の面側、フライ・アイ・レンズ109の観測者と反対側を第2の面側とした場合、透過型の第1IP画像表示面107が、フライ・アイ・レンズ109に対して、フライ・アイ・レンズ109の第2の面側の、フライ・アイ・レンズ109とフライ・アイ・レンズ109の焦点面との間に配置されている。第2IP画像表示面108が、レンズ109の焦点面に対して、フライ・アイ・レンズ109の第2の面側の、フライ・アイ・レンズ109と反対側に配置されている。
このように本実施の形態の3次元画像再生装置は、汎用のコンピュータを利用して、このコンピュータ上で駆動される3次元画像再生プログラムにより実現することができる。そのため、安価な装置とすることができる。
以上のように構成された3次元画像表示装置について、その動作を説明する。まず、図4のフローチャートに沿って全体の動作の概略を説明し、その後に図5および図6のフローチャートによって、レンダリング処理の詳細を説明する。図4において、
(ステップ:S1001)
制御部111は、例えば、外部機器や記憶媒体等から、3次元データ入力手段101を介して、物体の3次元データを取り込む。この3次元データは、具体的には、物体が予め指定された分解能で仮想的に分割された複数のボクセル・キュービックのX,Y,Z座標および物体色である。制御部111は、この3次元データを、3次元データ入力手段101を介して読み込み、一旦3次元データ記憶部102に書き込む。
(ステップ:S1001)
制御部111は、例えば、外部機器や記憶媒体等から、3次元データ入力手段101を介して、物体の3次元データを取り込む。この3次元データは、具体的には、物体が予め指定された分解能で仮想的に分割された複数のボクセル・キュービックのX,Y,Z座標および物体色である。制御部111は、この3次元データを、3次元データ入力手段101を介して読み込み、一旦3次元データ記憶部102に書き込む。
(ステップ:S1002)
その後、制御部111は、3次元データ記憶部102から3次元データを読み出し、Z座標の値をソートキーとして降順(観測者から見て近い順)に並べ替えを行い、再び、3次元データ記憶部102に書き込む。
その後、制御部111は、3次元データ記憶部102から3次元データを読み出し、Z座標の値をソートキーとして降順(観測者から見て近い順)に並べ替えを行い、再び、3次元データ記憶部102に書き込む。
(ステップ:S1003)
次いで、制御部111は、3次元データ記憶部102を参照し、Z座標の値が正である第1のグループAとZ座標の値が負である第2のグループBとに分ける。ここで、3次元データ記憶部102内のデータは、既にZ座標の値でソートされているため、具体的には、制御部111は、グループAとグループBの境目を表す情報を書き加えることをする。なお、本実施の形態では、フライ・アイ・レンズ109から視線方向手前側(観測者に近い側)をZ座標値の正方向、フライ・アイ・レンズ109から視線奥側(観測者に遠い側)をZ座標値の負方向、フライ・アイ・レンズ109の主点面のZ座標値を「0」としている。
次いで、制御部111は、3次元データ記憶部102を参照し、Z座標の値が正である第1のグループAとZ座標の値が負である第2のグループBとに分ける。ここで、3次元データ記憶部102内のデータは、既にZ座標の値でソートされているため、具体的には、制御部111は、グループAとグループBの境目を表す情報を書き加えることをする。なお、本実施の形態では、フライ・アイ・レンズ109から視線方向手前側(観測者に近い側)をZ座標値の正方向、フライ・アイ・レンズ109から視線奥側(観測者に遠い側)をZ座標値の負方向、フライ・アイ・レンズ109の主点面のZ座標値を「0」としている。
(ステップ:S1004)
[レンズ手前の物体のレンダリング処理]
次に、制御部111は、3次元データ記憶部102に記憶された第1のグループAに属するボクセル・キュービックに対して、レンダリング・エンジン104にレンダリングを要求する。レンダリング処理の詳細については後で説明する。レンダリングの結果は第2IP画像メモリ106に書き込まれる。
[レンズ手前の物体のレンダリング処理]
次に、制御部111は、3次元データ記憶部102に記憶された第1のグループAに属するボクセル・キュービックに対して、レンダリング・エンジン104にレンダリングを要求する。レンダリング処理の詳細については後で説明する。レンダリングの結果は第2IP画像メモリ106に書き込まれる。
(ステップ:S1005)
[レンズ奥の物体のレンダリング処理]
次いで、制御部111は、3次元データ記憶部102に記憶された第2のグループBに属するボクセル・キュービックに対して、レンダリング・エンジン104にレンダリングを要求する。このときの、レンダリング処理の詳細についても後で説明する。レンダリングの結果は第1IP画像メモリ105に書き込まれる。
[レンズ奥の物体のレンダリング処理]
次いで、制御部111は、3次元データ記憶部102に記憶された第2のグループBに属するボクセル・キュービックに対して、レンダリング・エンジン104にレンダリングを要求する。このときの、レンダリング処理の詳細についても後で説明する。レンダリングの結果は第1IP画像メモリ105に書き込まれる。
このようにして、第1IP画像メモリ105および第2IP画像メモリ106に書き込まれた内容を第1IP画像表示面107および第2IP画像表示面108にそれぞれ表示し、フライ・アイ・レンズ109を通してこれを観察すると、3次元データ入力手段101で入力した物体と同様の物体が3次元画像として得られる。
次に、各レンダリング処理の詳細について、図5および図6のフローチャートに基づいて説明する。まず、図5のフローチャートは、図4のステップ:S1004にて読み出されて実行される[レンズ手前の物体のレンダリング処理]の動作を示すものである。フライ・アイ・レンズ109より手前にあるボクセル・キュービック(グループA)に対するレンダリング処理においては、ボクセル・キュービックが、上下左右反転せず、3次元画像を再生するためには、主点面より向こう側にある第2IP画像表示面108に、レンダリングする必要がある。
(ステップ:S1101)
レンダリング・エンジン104は、第2IP画像表示面108上の最初のピクセルに注目する。ピクセルの位置座標は、パラメータ記憶部103に記憶されているピクセル配置から決定する。ここで、第2IP画像表示面108の幾何学的位置と第2IP画像メモリ106のアドレスは一意に対応付けられているものとする。
レンダリング・エンジン104は、第2IP画像表示面108上の最初のピクセルに注目する。ピクセルの位置座標は、パラメータ記憶部103に記憶されているピクセル配置から決定する。ここで、第2IP画像表示面108の幾何学的位置と第2IP画像メモリ106のアドレスは一意に対応付けられているものとする。
(ステップ:S1102)
レンダリング・エンジン104は、第2IP画像メモリ106を参照して、注目しているピクセルが既に生成済みであるか否かを判断する。生成済であれば、ステップ:S1110へ、さもなければ、ステップ:S1104へ進む。
レンダリング・エンジン104は、第2IP画像メモリ106を参照して、注目しているピクセルが既に生成済みであるか否かを判断する。生成済であれば、ステップ:S1110へ、さもなければ、ステップ:S1104へ進む。
(ステップ:S1104)
レンダリング・エンジン104は、最初のボクセル・キュービックに注目する。ここで、最初とは、グループAに属するボクセル・キュービックの中で先頭に位置するものである。つまり、ボクセル・キュービックを手前から奥に向かって処理することになる。
レンダリング・エンジン104は、最初のボクセル・キュービックに注目する。ここで、最初とは、グループAに属するボクセル・キュービックの中で先頭に位置するものである。つまり、ボクセル・キュービックを手前から奥に向かって処理することになる。
(ステップ:S1105)
レンダリング・エンジン104は、第2IP画像表示面108上の注目しているピクセルの座標位置からフライ・アイ・レンズ109の主点を通して、注目しているボクセル・キュービックを捉えることができるか、すなわち、「注目しているピクセル」と「フライ・アイ・レンズ109(注目しているピクセルの真上にあるフライ・アイ・レンズ109)の主点」と「注目しているボクセル・キュービック」が同一直線上に存在するかを幾何学的な位置関係から計算する。主点の位置座標は、パラメータ記憶部103に記憶されている。また、注目しているピクセルが、どのフライ・アイ・レンズ109の主点に注目すべきかは、パラメータ記憶部103に記憶されているフライ・アイ・レンズ109の幾何学的配置とピクセルの配置およびピクセルサイズと主点座標から計算できる。この計算方法は、レイ・トレーシング法における「交差判定法」として種々な方法が提案されているが、ここでは詳細を説明しない。主点を通して捉えることができれば、ステップ:S1107へ、さもなければ、ステップ:S1108へ進む。
レンダリング・エンジン104は、第2IP画像表示面108上の注目しているピクセルの座標位置からフライ・アイ・レンズ109の主点を通して、注目しているボクセル・キュービックを捉えることができるか、すなわち、「注目しているピクセル」と「フライ・アイ・レンズ109(注目しているピクセルの真上にあるフライ・アイ・レンズ109)の主点」と「注目しているボクセル・キュービック」が同一直線上に存在するかを幾何学的な位置関係から計算する。主点の位置座標は、パラメータ記憶部103に記憶されている。また、注目しているピクセルが、どのフライ・アイ・レンズ109の主点に注目すべきかは、パラメータ記憶部103に記憶されているフライ・アイ・レンズ109の幾何学的配置とピクセルの配置およびピクセルサイズと主点座標から計算できる。この計算方法は、レイ・トレーシング法における「交差判定法」として種々な方法が提案されているが、ここでは詳細を説明しない。主点を通して捉えることができれば、ステップ:S1107へ、さもなければ、ステップ:S1108へ進む。
(ステップ:S1107)
レンダリング・エンジン104は、第2IP画像メモリ106の注目しているピクセルを表すアドレスに、注目しているボクセル・キュービックの色情報と「色情報が書き込まれている」ことを示すデータを書き込む。本実施の形態では、色情報を24ビットで表現する。そして、第2IP画像メモリ106は1ピクセル当り32ビットを割り当てている。ここで色情報を書き込むときに、パラメータ記憶部103に記憶された、第1IP画像表示面107の透過率を考慮して、第1IP画像表示面107と第2IP画像表示面108が同じ色に見えるように、色情報に演算を施して書き込む。具体的には、ボクセル・キュービックの色情報のRGB値に透過率を乗算して、この演算結果を色情報として第2IP画像メモリ106に書き込めばよい。また、透過率はR,G,Bごとの透過率をパラメータ記憶部103に記憶しておいてR,G,Bおのおのに乗算する方法や、R,G,Bの値によって乗算する値をテーブルとして持つ方法なども考えられるが、本発明の趣旨となんら変わりない。最上位の1ビットは「色情報が書き込まれているか、否か」を表す。下位の24ビットが色情報である。最初、第2IP画像メモリ106には、すべてのピクセルについて「色情報が書き込まれていない」を意味するデータが設定されている。
レンダリング・エンジン104は、第2IP画像メモリ106の注目しているピクセルを表すアドレスに、注目しているボクセル・キュービックの色情報と「色情報が書き込まれている」ことを示すデータを書き込む。本実施の形態では、色情報を24ビットで表現する。そして、第2IP画像メモリ106は1ピクセル当り32ビットを割り当てている。ここで色情報を書き込むときに、パラメータ記憶部103に記憶された、第1IP画像表示面107の透過率を考慮して、第1IP画像表示面107と第2IP画像表示面108が同じ色に見えるように、色情報に演算を施して書き込む。具体的には、ボクセル・キュービックの色情報のRGB値に透過率を乗算して、この演算結果を色情報として第2IP画像メモリ106に書き込めばよい。また、透過率はR,G,Bごとの透過率をパラメータ記憶部103に記憶しておいてR,G,Bおのおのに乗算する方法や、R,G,Bの値によって乗算する値をテーブルとして持つ方法なども考えられるが、本発明の趣旨となんら変わりない。最上位の1ビットは「色情報が書き込まれているか、否か」を表す。下位の24ビットが色情報である。最初、第2IP画像メモリ106には、すべてのピクセルについて「色情報が書き込まれていない」を意味するデータが設定されている。
(ステップ:S1108)
レンダリング・エンジン104は、グループAすべてのボクセル・キュービックに対して処理が終了したか否かを判断する。終了していれば、ステップ:S1109へ、さもなければ、ステップ:S1111へ進む。
レンダリング・エンジン104は、グループAすべてのボクセル・キュービックに対して処理が終了したか否かを判断する。終了していれば、ステップ:S1109へ、さもなければ、ステップ:S1111へ進む。
(ステップ:S1109)
レンダリング・エンジン104は、第2IP画像メモリ106を参照して、第2IP画像表示面108上のすべてのピクセルについて処理が終了したか否かを判断する。すべてのピクセルについて終了していなければ、ステップ:S1110へ、さもなければ、すべてのピクセルについて終了していれば処理を終了する。
レンダリング・エンジン104は、第2IP画像メモリ106を参照して、第2IP画像表示面108上のすべてのピクセルについて処理が終了したか否かを判断する。すべてのピクセルについて終了していなければ、ステップ:S1110へ、さもなければ、すべてのピクセルについて終了していれば処理を終了する。
(ステップ:S1110)
レンダリング・エンジン104は、注目しているピクセルを「次」に変更する。ステップ:S1102へ進む。
レンダリング・エンジン104は、注目しているピクセルを「次」に変更する。ステップ:S1102へ進む。
(ステップ:S1111)
レンダリング・エンジン104は、注目しているボクセル・キュービックを「次」に変更する。ここで、「次」とは、ソートされた順序でひとつ後を意味する。すなわち、ボクセル・キュービックをZ方向手前から奥に向かって処理するのである。ステップ:S1105へ進む。
レンダリング・エンジン104は、注目しているボクセル・キュービックを「次」に変更する。ここで、「次」とは、ソートされた順序でひとつ後を意味する。すなわち、ボクセル・キュービックをZ方向手前から奥に向かって処理するのである。ステップ:S1105へ進む。
以上のように、Z座標の値がフライ・アイ・レンズ109より手前にあるボクセル・キュービックについて、ボクセル・キュービックを手前から処理している。このとき、既に、色情報が書き込まれているピクセルについては処理をスキップするため、視線手前の色情報を奥側にある(つまり、後から処理される)ボクセル・キュービックの色情報で上書きすることを防ぐと同時に交差判定を行う手間を回避している。
なお、本実施の形態では、注目するピクセルの変更順序については特に触れていないが、例えば、左上から右下に向かって、主走査方向を上下にとり、副走査方向を左右にとる方法などが考えられる。また、フライ・アイ・レンズ109毎にその真下に位置するピクセルを処理し、注目するフライ・アイ・レンズ109を移動していく方法も考えられるが、いずれも、本発明の主旨とはなんら変わりない。
次に、図6のフローチャートにしたがって、ステップ:S1005における、フライ・アイ・レンズ109より向こう側にあるボクセル・キュービック(グループB)に対するレンダリング処理について説明する。これまで説明したように、フライ・アイ・レンズ109より奥にあるボクセル・キュービックが、上下左右反転せず、3次元画像を再生するためには、主点面より手前にある第1IP画像表示面107に、レンダリングする必要がある。
(ステップ:S1201)
レンダリング・エンジン104は、第1IP画像表示面107上の最初のピクセルに注目する。ピクセルの位置座標は、パラメータ記憶部103に記憶されている、ピクセル配置から決定する。ここで、第1IP画像表示面107の幾何学的位置と第1IP画像メモリ105のアドレスは一意に対応付けられているものとする。
レンダリング・エンジン104は、第1IP画像表示面107上の最初のピクセルに注目する。ピクセルの位置座標は、パラメータ記憶部103に記憶されている、ピクセル配置から決定する。ここで、第1IP画像表示面107の幾何学的位置と第1IP画像メモリ105のアドレスは一意に対応付けられているものとする。
(ステップ:S1202)
レンダリング・エンジン104は、第1IP画像メモリ105を参照して、注目しているピクセルが既に生成済みであるか否かを判断する。生成済であれば、ステップ:S1209へ、さもなければ、ステップ:S1203へ進む。
レンダリング・エンジン104は、第1IP画像メモリ105を参照して、注目しているピクセルが既に生成済みであるか否かを判断する。生成済であれば、ステップ:S1209へ、さもなければ、ステップ:S1203へ進む。
(ステップ:S1203)
レンダリング・エンジン104は、ステップ:S1202で注目している第1IP画像表示面107上のピクセル位置と、このピクセルの真上にあるフライ・アイ・レンズ109の主点位置を結んだ直線の延長線が、第2IP画像表示面108と交わる位置を計算し、この位置座標に第2IP画像メモリ106を参照して、ピクセルが既に生成済みであるか否かを判断する。図7は、このときの第1IP画像表示面107のピクセルと第2IP画像表示面108のピクセルとフライ・アイ・レンズ109の位置関係を示している。生成済であれば、ステップ:S1209へ、さもなければ、ステップ:S1204へ進む。
レンダリング・エンジン104は、ステップ:S1202で注目している第1IP画像表示面107上のピクセル位置と、このピクセルの真上にあるフライ・アイ・レンズ109の主点位置を結んだ直線の延長線が、第2IP画像表示面108と交わる位置を計算し、この位置座標に第2IP画像メモリ106を参照して、ピクセルが既に生成済みであるか否かを判断する。図7は、このときの第1IP画像表示面107のピクセルと第2IP画像表示面108のピクセルとフライ・アイ・レンズ109の位置関係を示している。生成済であれば、ステップ:S1209へ、さもなければ、ステップ:S1204へ進む。
(ステップ:S1204)
レンダリング・エンジン104は、最初のボクセル・キュービックに注目する。ここで、最初とは、グループBに属するボクセル・キュービックの中で先頭に位置するものである。つまり、ボクセル・キュービックを手前から奥に向かって処理することになる。
レンダリング・エンジン104は、最初のボクセル・キュービックに注目する。ここで、最初とは、グループBに属するボクセル・キュービックの中で先頭に位置するものである。つまり、ボクセル・キュービックを手前から奥に向かって処理することになる。
(ステップ:S1205)
レンダリング・エンジン104は、第1IP画像表示面107上の注目しているピクセルの座標位置からフライ・アイ・レンズ109の主点を通して、注目しているボクセル・キュービックを捉えることができるか、すなわち、「注目しているピクセル」と「フライ・アイ・レンズ109(注目しているピクセルの真上にあるフライ・アイ・レンズ109)の主点」と「注目しているボクセル・キュービック」が同一直線上に存在するかを幾何学的な位置関係から計算する。主点の位置座標は、パラメータ記憶部103に記憶されている。また、注目しているピクセルが、どのフライ・アイ・レンズ109の主点に注目すべきか、はパラメータ記憶部103に記憶されているフライ・アイ・レンズ109の幾何学的配置とピクセルの配置およびピクセルサイズと主点座標から決定できる。この計算法はレイ・トレーシング法における「交差判定法」としていろいろな方法が提案されているが、ここでは詳細を説明しない。主点を通して捉えることができれば、ステップ:S1206へ、さもなければ、ステップ:S1207へ進む。
レンダリング・エンジン104は、第1IP画像表示面107上の注目しているピクセルの座標位置からフライ・アイ・レンズ109の主点を通して、注目しているボクセル・キュービックを捉えることができるか、すなわち、「注目しているピクセル」と「フライ・アイ・レンズ109(注目しているピクセルの真上にあるフライ・アイ・レンズ109)の主点」と「注目しているボクセル・キュービック」が同一直線上に存在するかを幾何学的な位置関係から計算する。主点の位置座標は、パラメータ記憶部103に記憶されている。また、注目しているピクセルが、どのフライ・アイ・レンズ109の主点に注目すべきか、はパラメータ記憶部103に記憶されているフライ・アイ・レンズ109の幾何学的配置とピクセルの配置およびピクセルサイズと主点座標から決定できる。この計算法はレイ・トレーシング法における「交差判定法」としていろいろな方法が提案されているが、ここでは詳細を説明しない。主点を通して捉えることができれば、ステップ:S1206へ、さもなければ、ステップ:S1207へ進む。
(ステップ:S1206)
レンダリング・エンジン104は、第1IP画像メモリ105の注目しているピクセルを表すアドレスに、注目しているボクセル・キュービックの色情報と「色情報が書き込まれている」ことを示すデータを書き込む。ここでは、色情報を24ビットで表現する。そして、第1IP画像メモリ105は1ピクセル当り32ビットを割り当てている。最上位の1ビットは「色情報が書き込まれているか、否か」を表す。下位の24ビットが色情報である。最初、第1IP画像メモリ105には、すべてのピクセルについて「色情報が書き込まれていない」を意味するデータが設定されている。
レンダリング・エンジン104は、第1IP画像メモリ105の注目しているピクセルを表すアドレスに、注目しているボクセル・キュービックの色情報と「色情報が書き込まれている」ことを示すデータを書き込む。ここでは、色情報を24ビットで表現する。そして、第1IP画像メモリ105は1ピクセル当り32ビットを割り当てている。最上位の1ビットは「色情報が書き込まれているか、否か」を表す。下位の24ビットが色情報である。最初、第1IP画像メモリ105には、すべてのピクセルについて「色情報が書き込まれていない」を意味するデータが設定されている。
(ステップ:S1207)
レンダリング・エンジン104は、グループBすべてのボクセル・キュービックに対して処理が終了したか否かを判断する。終了していれば、ステップ:S1208へ、さもなければ、ステップ:S1210へ進む。
レンダリング・エンジン104は、グループBすべてのボクセル・キュービックに対して処理が終了したか否かを判断する。終了していれば、ステップ:S1208へ、さもなければ、ステップ:S1210へ進む。
(ステップ:S1208)
レンダリング・エンジン104は、第1IP画像メモリ105を参照して、第1IP画像表示面107上のすべてのピクセルについて処理が終了したか否かを判断する。終了していなければ、ステップ:S1209へ、さもなければ、処理を終了する。
レンダリング・エンジン104は、第1IP画像メモリ105を参照して、第1IP画像表示面107上のすべてのピクセルについて処理が終了したか否かを判断する。終了していなければ、ステップ:S1209へ、さもなければ、処理を終了する。
(ステップ:S1209)
レンダリング・エンジン104は、注目しているピクセルを次に変更する。ステップ:S1202へ進む。
レンダリング・エンジン104は、注目しているピクセルを次に変更する。ステップ:S1202へ進む。
(ステップ:S1210)
レンダリング・エンジン104は、注目しているボクセル・キュービックを次に変更する。ここで、次とは、ソートされた順序でひとつ後を意味する。すなわち、ボクセル・キュービックをZ方向手前から奥に向かって処理するのである。ステップ:S1205へ進む。
レンダリング・エンジン104は、注目しているボクセル・キュービックを次に変更する。ここで、次とは、ソートされた順序でひとつ後を意味する。すなわち、ボクセル・キュービックをZ方向手前から奥に向かって処理するのである。ステップ:S1205へ進む。
このように、本実施の形態の3次元画像再生方法は、フライ・アイ・レンズ109と焦点面の間に指定したピクセルを透明にすることのできる第1IP画像表示面107を置き、フライ・アイ・レンズ109から見て焦点面の向こう側に第2IP画像表示面108を置くことによって、フライ・アイ・レンズ109の手前にある物体は第2IP画像表示面108で表示し、フライ・アイ・レンズ109の向こう側にある物体は、第1IP画像表示面107で表示し、第2IP画像表示面108上のピクセルとフライ・アイ・レンズ109を結ぶ直線と第1IP画像表示面107が交差するピクセル位置を透明にする。これにより、フライ・アイ・レンズ109の手前にある物体も、向こう側にある物体も、元の物体と同じ大きさで、同じ位置に、かつ、上下左右が反転することなく、結像するため、解像度感の高い3次元再生画像を得ることができる。
また、本実施の形態の3次元画像再生方法は、まず、第1IP画像表示面107にIP画像を書き込み、その後で、第2IP画像表示面108にIP画像を書き込む際に、IP画像を書き込むピクセル位置とフライ・アイ・レンズ109の主点とを結ぶ直線が第1IP画像表示面107と交わる位置のピクセルを透明にする。これにより、第2IP画像表示面108上のピクセルは、必ずフライ・アイ・レンズ109と透明な第1IP画像表示面107のピクセルを通して見ることができるので、フライ・アイ・レンズ109の向こう側にある物体の3次元像を得るための第1IP画像表示面107上のピクセルが、フライ・アイ・レンズ109の手前にある3次元像を得るための第2IP画像表示面108上のピクセルを隠すことがなく、視線奥行き方向に正しい配置で3次元画像が再生できる。
さらにまた、本実施の形態の3次元画像再生方法は、物体をボクセル・キュービックに分解したデータをボクセル・キュービックのZ座標の値で降順にソートし(ここでは、Z座標をフライ・アイ・レンズ109に垂直で、原点をフライ・アイ・レンズ109の主点面にとり、観測者方向を正とする)、この順序で、ボクセル・キュービックに対応するIP画像を求めて行く。そして、第1、第2IP画像表示面107,108上にIP画像が存在する場合は処理をスキップする。これにより、観測者から見て手前にあるボクセル・キュービックが先に処理され、第1、第2IP画像表示面107,108上の同じピクセル位置に複数のボクセル・キュービックが写像される場合には、常に視線手前のデータが勝ち残り、視線奥にあるはずの物体が視線手前に見えるといった現象を回避できるとともに、IP画像表示面107,108上で既に、IP画像を求めてあるピクセルについては処理をスキップできるため、処理用を軽減でき、処理の高速化が期待できる。
つまり、本実施の形態においては、視線手前にある第1IP画像表示面107にIP画像を生成する際に、既に視線後ろにある第2IP画像表示面108に生成されている画像を妨害しないように生成するため、3次元画像を再生したときに、フライ・アイ・レンズ109より奥にある物体がフライ・アイ・レンズ109より手前にある物体を隠すようなことが起こらない。また、フライ・アイ・レンズ109手前の物体に対する3次元画像もフライ・アイ・レンズ109奥の物体に対する3次元画像も上下左右反転を起こさず、しかも、元の位置に結像するため、高い解像度感を持った3次元画像を得ることができる。さらに、第1IP画像表示面107の透過率を考慮して第2IP画像表示面108上のピクセルを生成しているため、観測者から見て第1IP画像表示面107の色と第2IP画像表示面108の色が同様に見え、リアルな3次元画像を得ることができる。
なお、ここでは、物体を立方体(ボクセル・キュービック)に分解してモデリングしているが、立方体の代わりに球や直方体を用いても本発明の主旨にかわりない。
(実施の形態2)
図8は本発明にかかる実施の形態2の3次元画像再生装置の機能ブロック図である。図9は本発明にかかる実施の形態2の3次元画像再生装置を特にハードウェアと関連付けて示す装置ブロック図である。図8および図9において、本実施の形態の3次元画像再生装置においては、第2IP画像表示面107にコントラストを調整するためのコントラスト調整部110が設けられている。その他の構成は、実施の形態1の3次元画像再生装置と同様である。
図8は本発明にかかる実施の形態2の3次元画像再生装置の機能ブロック図である。図9は本発明にかかる実施の形態2の3次元画像再生装置を特にハードウェアと関連付けて示す装置ブロック図である。図8および図9において、本実施の形態の3次元画像再生装置においては、第2IP画像表示面107にコントラストを調整するためのコントラスト調整部110が設けられている。その他の構成は、実施の形態1の3次元画像再生装置と同様である。
このように構成された本実施の形態の3次元画像再生装置について、図10乃至図12のフローチャートに沿って動作を説明する。まず、図10のフローチャートに従って、全体の動作の概略を説明し、その後でレンダリング処理の詳細を説明する。実施の形態1においては、フライ・アイ・レンズ109の手前の物体に対してレンダリング処理を行った後、奥の物体に対してレンダリング処理を行った。しかしながら、本実施の形態においては、奥の物体に対してレンダリング処理を行った後、手前の物体に対してレンダリング処理を行う。本実施の形態の構成上の特徴を明確にするため、実施の形態1の動作と実質的に同じ動作をするブロックについては、対応するブロックを挙げて簡単に説明する。そして、異なる部分を中心に説明する。
(ステップ:S1601〜ステップ:S1603)
本実施の形態のステップ:S1601〜ステップ:S1603の動作は、実施の形態1の図4のフローチャートのステップ:S1001〜ステップ:S1003と同じ動作をする。すなわち、3次元データを読み込み、次いで、Z座標の値をソートキーとして降順に並べ替え、その後、Z座標の値が正である第1のグループAとZ座標の値が負である第2のグループBとに分ける。
本実施の形態のステップ:S1601〜ステップ:S1603の動作は、実施の形態1の図4のフローチャートのステップ:S1001〜ステップ:S1003と同じ動作をする。すなわち、3次元データを読み込み、次いで、Z座標の値をソートキーとして降順に並べ替え、その後、Z座標の値が正である第1のグループAとZ座標の値が負である第2のグループBとに分ける。
(ステップ:S1604)
次に、制御部111は、3次元データ記憶部102に記憶された、第1のグループAに属するボクセル・キュービックに対して、レンダリング・エンジン104にレンダリングを要求する。つまり、フライ・アイ・レンズ109の奥の物体に対して、レンダリング処理を行う。レンダリングの結果は第1IP画像メモリ105に書き込まれる。
次に、制御部111は、3次元データ記憶部102に記憶された、第1のグループAに属するボクセル・キュービックに対して、レンダリング・エンジン104にレンダリングを要求する。つまり、フライ・アイ・レンズ109の奥の物体に対して、レンダリング処理を行う。レンダリングの結果は第1IP画像メモリ105に書き込まれる。
(ステップ:S1605)
次に、本実施の形態においては、制御部111は、まず3次元データ記憶部102に記憶された第2のグループBに属するボクセル・キュービックに対して、レンダリング・エンジン104にレンダリングを要求する。つまり、フライ・アイ・レンズ109の手前の物体に対して、レンダリング処理を行う。レンダリングの結果は第2IP画像メモリ106に書き込まれる。
次に、本実施の形態においては、制御部111は、まず3次元データ記憶部102に記憶された第2のグループBに属するボクセル・キュービックに対して、レンダリング・エンジン104にレンダリングを要求する。つまり、フライ・アイ・レンズ109の手前の物体に対して、レンダリング処理を行う。レンダリングの結果は第2IP画像メモリ106に書き込まれる。
次に、各レンダリング処理の詳細について、図11および図12のフローチャートに基づいて説明する。まず、図11のフローチャートは、図10のステップ:S1604にて読み出されて実行される[レンズ奥の物体のレンダリング処理]の動作を示すものである。この動作は、実施の形態1の図6のフローチャートに概略同様である。しかしながら、本実施の形態においては、レンズ奥の物体に対して先にレンダリング処理を行うので、ピクセルが既に生成済みであるか否かを判断するステップ:S1203に相当するステップはない。
実施の形態1と同様に、フライ・アイ・レンズ109より奥にあるボクセル・キュービックが、上下左右反転せず、3次元画像を再生するためには、主点面より手前側にある第1IP画像表示面107に、レンダリングしなければならない。
(ステップ:S1701、ステップ:S1702)
本実施の形態のステップ:S1701およびステップ:S1702の動作は、実施の形態1の図6のフローチャートのステップ:S1201およびステップ:S1202と同じ動作をする。すなわち、レンダリング・エンジン104は、第1IP画像メモリ105を参照して、注目しているピクセルが既に生成済みであるか否かを判断して、生成済であれば、ステップ:S1709へ移行して、次のピクセルを注目し、さもなければ、ステップ:S1704へ進む。そして、本実施の形態においては、上述のように、レンズ奥の物体に対して先にレンダリング処理を行うので、ピクセルが既に生成済みであるか否かを判断する図6のステップ:S1203に相当するステップはない。
本実施の形態のステップ:S1701およびステップ:S1702の動作は、実施の形態1の図6のフローチャートのステップ:S1201およびステップ:S1202と同じ動作をする。すなわち、レンダリング・エンジン104は、第1IP画像メモリ105を参照して、注目しているピクセルが既に生成済みであるか否かを判断して、生成済であれば、ステップ:S1709へ移行して、次のピクセルを注目し、さもなければ、ステップ:S1704へ進む。そして、本実施の形態においては、上述のように、レンズ奥の物体に対して先にレンダリング処理を行うので、ピクセルが既に生成済みであるか否かを判断する図6のステップ:S1203に相当するステップはない。
(ステップ:S1704〜ステップ:S1709)
次いで、本実施の形態のステップ:S1704〜ステップ:S1709の動作に関しては、実施の形態1の図6のフローチャートのステップ:S1204〜ステップ:S1209と同じ動作をする。
次いで、本実施の形態のステップ:S1704〜ステップ:S1709の動作に関しては、実施の形態1の図6のフローチャートのステップ:S1204〜ステップ:S1209と同じ動作をする。
以上のように、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、Z座標の値がフライ・アイ・レンズ109より手前にあるボクセル・キュービックについて、ボクセル・キュービックを奥から処理しており、このとき、既に、色情報が書き込まれているピクセルについては処理をスキップするため、視線手前の色情報を奥側にある(つまり、後から処理される)ボクセル・キュービックの色情報で上書きすることを防ぐと同時に交差判定を行う手間を回避することができる。
[レンズ手前の物体のレンダリング]
次に、図12のフローチャートにしたがって、ステップ:S1605における、フライ・アイ・レンズ109より手前側にあるボクセル・キュービック(グループA)に対するレンダリング処理について説明する。実施の形態1と同様に、フライ・アイ・レンズ109より手前にあるボクセル・キュービックが、上下左右反転せず、3次元画像を再生するためには、主点面より奥にある第2IP画像表示面108に、レンダリングしなければならない。
次に、図12のフローチャートにしたがって、ステップ:S1605における、フライ・アイ・レンズ109より手前側にあるボクセル・キュービック(グループA)に対するレンダリング処理について説明する。実施の形態1と同様に、フライ・アイ・レンズ109より手前にあるボクセル・キュービックが、上下左右反転せず、3次元画像を再生するためには、主点面より奥にある第2IP画像表示面108に、レンダリングしなければならない。
(ステップ:S1801、ステップ:S1802)
本実施の形態のステップ:S1801およびステップ:S1802の動作は、実施の形態1の図5のフローチャートのステップ:S1101およびステップ:S1102と同じ動作をする。そして、本実施の形態においては、フライ・アイ・レンズ109より奥のボクセル・キュービックが先にレンダリング処理しているので、図5のフローチャートと比較して、次のステップ:S1803が追加されている。
本実施の形態のステップ:S1801およびステップ:S1802の動作は、実施の形態1の図5のフローチャートのステップ:S1101およびステップ:S1102と同じ動作をする。そして、本実施の形態においては、フライ・アイ・レンズ109より奥のボクセル・キュービックが先にレンダリング処理しているので、図5のフローチャートと比較して、次のステップ:S1803が追加されている。
(ステップ:S1803)
レンダリング・エンジン104は、ステップ:S1802で注目している第2IP画像表示面108上のピクセル位置と、このピクセルの真上にあるレンズ109の主点位置を結んだ直線が、第1IP画像表示面107と交わる位置を計算し、この位置座標に第1IP画像メモリ105を参照して、ピクセルが既に生成済みであるか否かを判断する。図13は、このときの第1IP画像表示面107のピクセルと第2IP画像表示面108のピクセルとフライ・アイ・レンズ109の位置関係を示している。生成済であれば、ステップ:S1810へ、さもなければ、ステップ:S1804へ進む。
レンダリング・エンジン104は、ステップ:S1802で注目している第2IP画像表示面108上のピクセル位置と、このピクセルの真上にあるレンズ109の主点位置を結んだ直線が、第1IP画像表示面107と交わる位置を計算し、この位置座標に第1IP画像メモリ105を参照して、ピクセルが既に生成済みであるか否かを判断する。図13は、このときの第1IP画像表示面107のピクセルと第2IP画像表示面108のピクセルとフライ・アイ・レンズ109の位置関係を示している。生成済であれば、ステップ:S1810へ、さもなければ、ステップ:S1804へ進む。
(ステップ:S1804)
次に、レンダリング・エンジン104は、最初のボクセル・キュービックに注目する。ここで、最初とは、グループBに属するボクセル・キュービックの中で先頭に位置するものである。つまり、ボクセル・キュービックを手前から奥に向かって処理することになる。
次に、レンダリング・エンジン104は、最初のボクセル・キュービックに注目する。ここで、最初とは、グループBに属するボクセル・キュービックの中で先頭に位置するものである。つまり、ボクセル・キュービックを手前から奥に向かって処理することになる。
(ステップ:S1805)
レンダリング・エンジン104は、実施の形態1と同様に、第2IP画像表示面108上の注目しているピクセルの座標位置からフライ・アイ・レンズ109の主点を通して、注目しているボクセル・キュービックを捉えることができるか、すなわち、「注目しているピクセル」と「フライ・アイ・レンズ109(注目しているピクセルの真上にあるフライ・アイ・レンズ109)の主点」と「注目しているボクセル・キュービック」が同一直線上に存在するかを幾何学的な位置関係から計算する。主点の位置座標は、パラメータ記憶部103に記憶されている。また、注目しているピクセルが、どのフライ・アイ・レンズ109の主点に注目すべきか、はパラメータ記憶部103に記憶されているフライ・アイ・レンズ109の幾何学的配置とピクセルの配置およびピクセルサイズと主点座標から決定できる。この計算法はレイ・トレーシング法における「交差判定法」としていろいろな方法が提案されているが、ここでは詳細を説明しない。主点を通して捉えることができれば、ステップ:S1807へ、さもなければ、ステップ:S1806へ進む。
レンダリング・エンジン104は、実施の形態1と同様に、第2IP画像表示面108上の注目しているピクセルの座標位置からフライ・アイ・レンズ109の主点を通して、注目しているボクセル・キュービックを捉えることができるか、すなわち、「注目しているピクセル」と「フライ・アイ・レンズ109(注目しているピクセルの真上にあるフライ・アイ・レンズ109)の主点」と「注目しているボクセル・キュービック」が同一直線上に存在するかを幾何学的な位置関係から計算する。主点の位置座標は、パラメータ記憶部103に記憶されている。また、注目しているピクセルが、どのフライ・アイ・レンズ109の主点に注目すべきか、はパラメータ記憶部103に記憶されているフライ・アイ・レンズ109の幾何学的配置とピクセルの配置およびピクセルサイズと主点座標から決定できる。この計算法はレイ・トレーシング法における「交差判定法」としていろいろな方法が提案されているが、ここでは詳細を説明しない。主点を通して捉えることができれば、ステップ:S1807へ、さもなければ、ステップ:S1806へ進む。
(ステップ:S1806)
レンダリング・エンジン104は、ステップS1803で求めたピクセル位置に相当する第1IP画像メモリ105のアドレスに、透明を表すデータすなわち、R=0,G=0,B=を書き込む。最上位の1ビットは「色情報が書き込まれているか、否か」を表す。下位の24ビットが色情報である。最初、第1IP画像メモリ105には、すべてのピクセルについて「色情報が書き込まれていない」を意味するデータが設定されている。
レンダリング・エンジン104は、ステップS1803で求めたピクセル位置に相当する第1IP画像メモリ105のアドレスに、透明を表すデータすなわち、R=0,G=0,B=を書き込む。最上位の1ビットは「色情報が書き込まれているか、否か」を表す。下位の24ビットが色情報である。最初、第1IP画像メモリ105には、すべてのピクセルについて「色情報が書き込まれていない」を意味するデータが設定されている。
(ステップ:S1807)
レンダリング・エンジン104は、第2IP画像メモリ106の注目しているピクセルを表すアドレスに、注目しているボクセル・キュービックの色情報と「色情報が書き込まれている」ことを示すデータを書き込む。ここでは、色情報を24ビットで表現する。そして、第2IP画像メモリ106は1ピクセル当り32ビットを割り当てている。最上位の1ビットは「色情報が書き込まれているか、否か」を表す。下位の24ビットが色情報である。最初、第2IP画像メモリ106には、すべてのピクセルについて「色情報が書き込まれていない」を意味するデータが設定されている。
レンダリング・エンジン104は、第2IP画像メモリ106の注目しているピクセルを表すアドレスに、注目しているボクセル・キュービックの色情報と「色情報が書き込まれている」ことを示すデータを書き込む。ここでは、色情報を24ビットで表現する。そして、第2IP画像メモリ106は1ピクセル当り32ビットを割り当てている。最上位の1ビットは「色情報が書き込まれているか、否か」を表す。下位の24ビットが色情報である。最初、第2IP画像メモリ106には、すべてのピクセルについて「色情報が書き込まれていない」を意味するデータが設定されている。
(ステップ:S1808〜ステップ:S1811)
本実施の形態のステップ:S1808〜ステップ:S1811の動作は、実施の形態1の図5のフローチャートのステップ:S1108〜ステップ:S1111と同じ動作をする。
本実施の形態のステップ:S1808〜ステップ:S1811の動作は、実施の形態1の図5のフローチャートのステップ:S1108〜ステップ:S1111と同じ動作をする。
このように本実施の形態のIP画像生成方法は、まず、第1IP画像表示面107にIP画像を書き込み、その後で、第2IP画像表示面108にIP画像を書き込む際に、IP画像を書き込むピクセル位置とフライ・アイ・レンズ109の主点とを結ぶ直線の延長線が第1IP画像表示面107と交わる場合は、求めた第1IP画像表示面上のピクセル位置のピクセルを透明にする。これにより、第2IP画像表示面108上のピクセルはかならずフライ・アイ・レンズ109と透明な第1IP画像表示面107のピクセルを通して見えるので、フライ・アイ・レンズ109の向こう側にある物体の3次元像を得るための第1IP画像表示面107上のピクセルが、フライ・アイ・レンズ109の手前にある3次元像を得るための第2IP画像表示面108上のピクセルを隠すことがなく、視線奥行き方向に正しい配置で3次元画像が再生できる。
また、本実施の形態のIP画像生成方法は、透明な第1IP画像表示面107の透明度を考慮し、第1IP画像表示面107の透明なピクセルを通して見た第2IP画像表示面108の色が、どの程度減衰するかを、数値的に表現し、第1IP画像表示面107上に表示する色を減衰させ、第1IP画像表示面107の色と第2IP画像表示面108の同じ色調に見えるようにしている。これにより、フライ・アイ・レンズ109の手前の物体と向こう側の物体が同じ色のダイナミック・レンジで再現されるため、違和感のない、3次元画像を得ることができる。
そして、本実施の形態の3次元画像再生装置においては、第2IP画像表示面108に対するコントラスト調整部110が設けられている。これにより、第1IP画像表示面107の透明部を通して第2IP画像表示面108を見たときの色のダイナミック・レンジと第1IP画像表示面107のダイナミック・レンジを整合させることができ、違和感のない3次元画像を再現することができる。
つまり、本実施の形態の3次元画像再生装置においては、視線奥にある第2IP画像表示面108にIP画像を生成する際に、既に視線手前にある第1IP画像表示面107に生成されている画像が妨害している場合は、これを透明なピクセルと置き換えることで、妨害しないようになるため、3次元画像を再生したときに、フライ・アイ・レンズ109より奥にある物体がフライ・アイ・レンズ109より手前にある物体を隠すようなことが起こらない。また、フライ・アイ・レンズ109手前の物体に対する3次元画像もフライ・アイ・レンズ109奥の物体に対する3次元画像も上下左右が反転しないため、高い解像度感を持った3次元画像を得ることができる。さらに、第1IP画像表示面107の透過率を考慮して、コントラスト調整部を調整することで、観測者から見て第1IP画像表示面107の色と第2IP画像表示面108の色が同様に見え、リアルな3次元画像を得ることができる。
なお、本実施の形態では、第2IP画像表示面108のピクセルとフライ・アイ・レンズ109の主点を結ぶ直線上と第1IP画像表示面107の交差する位置に色情報が書き込まれている場合には、第1IP画像表示面107上のピクセルを透明にしてから第2IP画像表示面108にピクセルを書き込んでいるが、この処理の順序を逆にしても本発明の趣旨となんら変わりない。
以上のように、本発明にかかる3次元画像再生方法、3次元画像再生プログラム、記憶媒体および3次元画像再生装置は、フライ・アイ・レンズと交差するような位置にある物体であっても、レンズの手前部分および奥の部分の3次元画像がレンズ内で上下左右反転を起こすことがないため、解像度感の高い3次元画像を得ることができる。このため、例えばIPディスプレイ装置やIP画像を提供するサービスおよびそのサービスに用いられるIP画像受信端末、フォログラム表示装置、建築・デザイン・機構向けフォログラムCAD、コンピュータ上で動作するIP画像生成ソフトウェアなどへ適用されて好適なものである。
101 3次元データ入力手段
102 3次元データ記憶部(3次元データ記憶手段)
103 パラメータ記憶部
104 レンダリング・エンジン
105 第1IP画像メモリ(IP画像記憶手段)
106 第2IP画像メモリ(IP画像記憶手段)
107 第1IP画像表示面
108 第2IP画像表示面
109 フライ・アイ・レンズ
110 コントラスト調整部
111 制御部
801 中央処置装置(CPU)
102 3次元データ記憶部(3次元データ記憶手段)
103 パラメータ記憶部
104 レンダリング・エンジン
105 第1IP画像メモリ(IP画像記憶手段)
106 第2IP画像メモリ(IP画像記憶手段)
107 第1IP画像表示面
108 第2IP画像表示面
109 フライ・アイ・レンズ
110 コントラスト調整部
111 制御部
801 中央処置装置(CPU)
Claims (15)
- 物体を複数のボクセル・キュービックに仮想的に分割し、夫々のボクセル・キュービックについてIP画像表示面への結像を求めることによりIP画像を作成し、該IP画像を、フライ・アイ・レンズを通して観察することによって3次元画像を再生するインテグラル・フォトグラフィー法を用いた3次元画像再生方法において、
前記物体が仮想的に複数に分割されてなる夫々の前記ボクセル・キュービックの少なくとも3次元座標と色情報とを含む次元データを3次元データ記憶手段に記憶して、
第1の面および第2の面を有するフライ・アイ・レンズに対して、
透過型の第1IP画像表示面を、前記フライ・アイ・レンズの前記第2の面側の、前記フライ・アイ・レンズと該フライ・アイ・レンズの焦点面との間に配置して、
第2IP画像表示面を、前記フライ・アイ・レンズの前記第2の面側の、前記フライ・アイ・レンズの焦点面に対して、前記フライ・アイ・レンズと反対側に配置して、
レンダリング・エンジンを用いて、前記ボクセル・キュービックの3次元座標、前記フライ・アイ・レンズの主点面、前記第1IP画像表示面および前記第2IP画像表示面の幾何学的位置関係から、前記フライ・アイ・レンズの第1の面側の前記物体の前記第2IP画像表示面に結像するIP画像を求めるとともに、前記フライ・アイ・レンズの第2の面側の前記物体の前記第1IP画像表示面に結像するIP画像を求めて、その後、
前記第1IP画像表示面に結像するIP画像および前記第2IP画像表示面に結像するIP画像をIP画像記憶手段に記憶すること特徴とする3次元画像再生方法。 - 先に、前記第1IP画像表示面に結像するIP画像を求めた後に、次に前記第2IP画像表示面に結像するIP画像を求め、該第2IP画像表示面に結像するIP画像を求める際に、前記物体と前記フライ・アイ・レンズの主点と前記第2IP画像表示面におけるピクセルとを結ぶ直線が、前記第1IP画像と交わるピクセル位置を求めて、その位置に透明を表すデータを書き込むことを特徴とする請求項1に記載のIP画像生成方法。
- 先に、前記第2IP画像表示面に結像するIP画像を求めた後に、次に前記第1IP画像表示面に結像するIP画像を求め、該第1IP画像表示面に結像するIP画像を求める際に、前記物体と前記フライ・アイ・レンズの主点と前記第1IP画像表示面におけるピクセルとを結ぶ直線の延長線が、前記第2IP画像表示面と交わるピクセル位置を求めて、そのピクセル位置に既にIP画像が書き込まれていた場合には、前記第1IP画像表示面のピクセルにはIP画像を書き込まないことを特徴とする請求項1に記載のIP画像生成方法。
- 前記ボクセル・キュービックの前記3次元データを前記フライ・アイ・レンズに交差する方向の軸座標値に関してソートしておき、前記フライ・アイ・レンズの前記第1の面側の最も遠い位置の前記ボクセル・キュービックからIP画像のピクセル位置を求め、求めたIP画像をIP画像表示面に書き込む際に、既にピクセル位置にIP画像が書き込まれていた場合には、上書きしないことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のIP画像生成方法。
- 前記第1IP画像表示面の透明度を考慮し、前記第1IP画像表示面にIP画像を書き込むときに、書き込むべきIP画像の色情報に前記透明度を考慮した演算を施し、前記第1IP画像表示面を通して見た前記第2IP画像表示面の色調と前記第1IP画像表示面の色調とが同様に見えるようにしたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のIP画像生成方法。
- 前記第1のIP画像表示面のダイナミックレンジを落とすことで前記色調が同様に見えることを特徴とする請求項5に記載のIP画像生成方法。
- 前記第1のIP画像表示面のダイナミックレンジを上げることで前記色調が同様に見えることを特徴とする請求項5に記載のIP画像生成方法。
- 物体を複数のボクセル・キュービックに仮想的に分割し、夫々のボクセル・キュービックについてIP画像表示面への結像を求めることによりIP画像を作成し、該IP画像を、フライ・アイ・レンズを通して観察することによって3次元画像を再生するインテグラル・フォトグラフィー法を用いた3次元画像再生の手順が記述された3次元画像再生プログラムにおいて、
前記物体が仮想的に複数に分割されてなる夫々の前記ボクセル・キュービックの少なくとも3次元座標と色情報とを含む3次元データを3次元データ記憶手段に記憶する手順と、
レンダリング・エンジンを用いて、第1の面および第2の面を有するフライ・アイ・レンズ、前記フライ・アイ・レンズの前記第2の面側で前記フライ・アイ・レンズと該フライ・アイ・レンズの焦点面との間に配置された透過型の第1IP画像表示面、および前記フライ・アイ・レンズの前記第2の面側で前記フライ・アイ・レンズの焦点面に対して、前記フライ・アイ・レンズと反対側に配置された第2IP画像表示面に関して、前記ボクセル・キュービックの3次元座標、前記フライ・アイ・レンズの主点面、前記第1IP画像表示面、および前記第2IP画像表示面の幾何学的位置関係から、前記フライ・アイ・レンズの第1の面側の前記物体の前記第2IP画像表示面に結像するIP画像を求めるとともに、前記フライ・アイ・レンズの第2の面側の前記物体の前記第1IP画像表示面に結像するIP画像を求める手順と、
前記第1IP画像表示面に結像するIP画像および前記第2IP画像表示面に結像するIP画像をIP画像記憶手段に記憶する手順とが記述されていること特徴とする3次元画像再生プログラム。 - 先に、前記第1IP画像表示面に結像するIP画像を求めるように記述され、次に、前記第2IP画像表示面に結像するIP画像を求めるように記述され、当該第2IP画像表示面に結像するIP画像を求める際に、前記物体と前記フライ・アイ・レンズの主点と第2IP画像表示面におけるピクセルとを結ぶ直線が、第1IP画像と交わるピクセル位置を中央処置装置に演算させて、求められた位置のデータに透明を表すデータを書き込むように記述されていることを特徴とする請求項8に記載のIP画像生成プログラム。
- 先に、前記第2IP画像表示面に結像するIP画像を求めるように記述され、次に前記第1IP画像表示面に結像するIP画像を求めるように記述され、当該第1IP画像表示面に結像するIP画像を求める際に、前記物体と前記フライ・アイ・レンズの主点と第1IP画像表示面におけるピクセルとを結ぶ直線の延長線が、前記第2IP画像表示面と交わるピクセル位置を中央処置装置に演算させて、そのピクセル位置に既にIP画像が書き込まれていた場合には、第1IP画像表示面のピクセルにはIP画像を書き込まない手順が記述されていることを特徴とする請求項8に記載のIP画像生成プログラム。
- 前記ボクセル・キュービックの前記3次元データを3次元データ記憶手段から読み出して、前記3次元座標の前記フライ・アイ・レンズに交差する方向の軸座標値に関してソートしておき、前記フライ・アイ・レンズの前記第1の面側の最も遠い位置の前記ボクセル・キュービックからIP画像のピクセル位置を求め、求めたIP画像をIP画像表示面に書き込む際に既にピクセル位置にIP画像が書き込まれていた場合には、上書きしない手順が記述されていることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載のIP画像生成プログラム。
- 前記第1IP画像表示面の透明度を考慮し、前記第1IP画像表示面にIP画像を書き込むときに、書き込むべきIP画像の色情報に前記透明度を考慮した演算を中央処置装置にさせ、前記第1IP画像表示面を通して見た前記第2IP画像表示面の色調と前記第1IP画像表示面の色調とが同様に見えるようにする手順が記述されていることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載のIP画像生成プログラム。
- 請求項8から12のいずれか1項に記載のIP画像生成プログラムが記録されていることを特徴とする記憶媒体。
- 物体を複数のボクセル・キュービックに仮想的に分割し、夫々のボクセル・キュービックについてIP画像表示面への結像を求めることによりIP画像を作成し、該IP画像を、フライ・アイ・レンズを通して観察することによって3次元画像を再生するインテグラル・フォトグラフィー法を用いた3次元画像再生装置において、
物体が仮想的に複数に分割されてなる夫々のボクセル・キュービックの少なくとも3次元座標と色情報とを含む3次元データを記憶する3次元データ記憶部と、
第1の面および第2の面を有するフライ・アイ・レンズと、
前記フライ・アイ・レンズの前記第2の面側において、前記フライ・アイ・レンズと該フライ・アイ・レンズの焦点面との間に配置された透過型の第1IP画像表示面と、
前記フライ・アイ・レンズの前記第2の面側において、前記フライ・アイ・レンズの焦点面に対して、前記フライ・アイ・レンズと反対側に配置された第2IP画像表示面と、 前記ボクセル・キュービックの3次元座標、前記フライ・アイ・レンズの主点面、前記第1IP画像表示面、および前記第2IP画像表示面の幾何学的位置関係から、前記フライ・アイ・レンズの第1の面側の前記物体の前記第2IP画像表示面に結像するIP画像を求めるとともに、前記フライ・アイ・レンズの第2の面側の前記物体の前記第1IP画像表示面に結像するIP画像を求めるレンダリング・エンジンと、
前記第1IP画像表示面に結像するIP画像および前記第2IP画像表示面に結像するIP画像を記憶するIP画像記憶手段と、
を有すること特徴とする3次元画像再生装置。 - 前記第2IP画像表示面は、前記第1IP画像表示面よりも色再現性においてダイナミック・レンジが大きく、コントラストを調整するコントラスト調整部が設けられていること特徴とする請求項14に記載の3次元画像再生装置。
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Cited By (1)
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JP2011527769A (ja) * | 2008-07-08 | 2011-11-04 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 虚像を表示する光学素子の製造プロセス |
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2005
- 2005-03-31 JP JP2005102200A patent/JP2006284726A/ja active Pending
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JP2011527769A (ja) * | 2008-07-08 | 2011-11-04 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 虚像を表示する光学素子の製造プロセス |
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