JP2006284434A - 流速観測システムおよび漂流ブイ - Google Patents
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Abstract
【課題】 低コストで広い領域における流速を観測できる流速観測システムおよび漂流ブイを提供する。
【解決手段】 漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nの各々は、GPS(Global Positioning System)情報を受信し、そのGPS情報から自己の存在位置を取得する。そして、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nの各々は、自己の存在位置を示す無線信号を観測装置2へ送信する。そして、観測装置2は、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのそれぞれから受けた存在位置データの時間的変化量に基づいて、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのそれぞれの漂流速度を取得し、ユーザに対して表示する。
【選択図】 図1
【解決手段】 漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nの各々は、GPS(Global Positioning System)情報を受信し、そのGPS情報から自己の存在位置を取得する。そして、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nの各々は、自己の存在位置を示す無線信号を観測装置2へ送信する。そして、観測装置2は、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのそれぞれから受けた存在位置データの時間的変化量に基づいて、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのそれぞれの漂流速度を取得し、ユーザに対して表示する。
【選択図】 図1
Description
この発明は流速観測システムおよび漂流ブイに関し、特にGPS情報に基づいて流速を測定する流速観測システムおよび漂流ブイに関するものである。
沿岸海域や湾内における水質は、存在する潮流に大きく依存する。たとえば、潮流が弱い海域においては、水の循環が少なく、水質が悪化しやすい。また、二つの異なった潮流の境界である潮目が存在すると、その潮目にゴミなどの浮遊物が集積しやすい。
そのため、対象海域における水環境の改善を目的として、実際の流速を観測し、潮流を把握する取組みがなされている。
流速を観測する方法としては、水中または海底から超音波を発射し、その超音波の反射波の周波数が流速に応じて変化するドップラー効果を利用した方法が一般的である。
たとえば、特許文献1に開示されているように、海底に設置された4つの発振器がそれぞれ超音波を異なる4方向に発射し、流速に応じたドップラー量に基づいて、水面付近の潮流の流速と方位を測定する潮流測定装置が考案されている。
特開2002−174639号公報
しかしながら、上述のドップラー効果を用いた方法では、複数の超音波を発射できる発射装置が必要であり、装置の価格が高くなる。さらに、特許文献1に開示される潮流測定装置では、発射装置を海底に設置する必要があるため、設置に伴う費用も必要となる。そのため、数多くの観測点を設けることができないという問題があった。
また、それぞれの観測点における観測可能範囲は、超音波の到達可能距離によって決まり、その距離はそれほど長くない。
そのため、沿岸海域や湾内の局所的な流速観測しか行なうことができず、全体の潮流を正確に把握することができなかった。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、低コストで広い領域における流速を観測できる流速観測システムおよび漂流ブイを提供することである。
この発明によれば、流動に従い漂流する漂流ブイと、観測装置とを備える流速観測システムである。漂流ブイは、GPS情報を受信するGPS受信部と、GPS受信部が受信したGPS情報に基づいて、自己の存在位置を示す無線信号を送信する送信部とを含み、観測装置は、漂流ブイから送信された無線信号を受信する受信部と、受信部が受信した無線信号に基づいて、漂流ブイの存在位置を取得する存在位置取得手段と、存在位置取得手段において取得された漂流ブイの存在位置の時間的変化量に基づいて、漂流ブイの漂流速度を取得する漂流速度取得手段と、漂流速度取得手段において取得された漂流ブイの漂流速度を流動の流速として表示する表示部とを含む。
好ましくは、漂流ブイは、流動の水質情報を取得する水質情報取得部をさらに備え、送信部は、水質情報取得部が取得した水質情報をさらに含む無線信号を送信し、観測装置は、受信部が受信した無線信号に基づいて、水質情報を取得する水質情報取得手段をさらに備え、表示部は、水質情報取得手段において取得された水質情報をさらに表示する。
好ましくは、送信部は、トーン信号で変調した無線信号を送信する。
また、この発明によれば、流動に従い漂流する漂流ブイであって、GPS情報を受信するGPS受信部と、GPS受信部が受信したGPS情報に基づいて、自己の存在位置を示す無線信号を外部へ送信する送信部とを備える漂流ブイである。
この発明によれば、漂流ブイは自己の存在位置をGPS情報から取得し、無線信号で観測装置へ送信するだけであるので、超音波を利用する場合に比較して装置のコストを抑制できる。また、観測装置は、漂流ブイから送信された存在位置についての時間的変化量に基づいて、漂流ブイの漂流速度を観測するので、複数の地点における流速をリアルタイムで観測できる。よって、低コストで広い海域における流速観測を実現できる。
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従う流速観測システム100の概略構成図である。
図1は、この発明の実施の形態1に従う流速観測システム100の概略構成図である。
図1を参照して、流速観測システム100は、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nと、観測装置2とからなる。
漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nの各々は、GPS(Global Positioning System)情報を受信し、そのGPS情報から自己の存在位置を取得する。そして、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nの各々は、自己の存在位置を示す無線信号を観測装置2へ送信する。そして、観測装置2は、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのそれぞれから受けた存在位置データの時間的変化量に基づいて、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのそれぞれの漂流速度を取得し、ユーザに対して表示する。また、観測装置2は、ユーザの指令に応じて、制御指令を含む無線信号を漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのそれぞれへ送信する。漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nの各々は、観測装置2から制御指令を含む無線信号を受信し、その制御指令に応じて処理を行なう。
漂流ブイ1.1は、蓄電部10と、GPS受信部6と、制御部4と、通信部8と、アンテナ14と、記憶部12とからなる。
蓄電部10は、GPS受信部6、制御部4および通信部8を駆動させるための電力を蓄える。そして、蓄電部10は、たとえば、マンガン電池およびアルカリ電池などの1次電池、ニッケル・カドミウム電池、ニッケル水素電池およびリチウム・イオン電池などの2次電池ならびに電気二重層コンデンサなどからなる。
GPS受信部6は、高度約2万メートルの上空を周回している約20個の衛星のうち、最適な3〜4個の衛星を選択し、その選択した衛星からGPS情報を受信することで、存在位置データを取得する。そして、GPS受信部6は、取得した存在位置データを制御部4へ出力する。なお、GPS情報には時刻データも含まれる。そこで、GPS受信部6は、GPS情報から存在位置データに加えて時刻データを取得し、制御部4へ出力する。また、GPS受信部6は、蓄電部10からの電力を受けて駆動する。
制御部4は、GPS受信部6から受けた存在位置データに自己の識別番号を付加して所定の送信周期毎に、通信部8へ出力する。そして、制御部4は、所定のデータ格納周期毎に、GPS受信部6から受けた存在位置データと時刻データとを対応付けて記憶部12へ格納する。
また、制御部4は、通信部8を介して観測装置2からの制御指令を受け、自己の識別番号が付加された制御指令だけを抽出する。そして、制御部4は、その抽出した制御指令に応じて、記憶部12に格納した存在位置データを読出し、そのデータを通信部8を介して観測装置2へ送信する。
なお、上述の送信周期は、必要とされる流速の観測精度などに応じて決定され、データ格納周期は、観測時間および記憶部12の記憶容量などに応じて決定される。
さらに、制御部4は、蓄電部10の電池残量、消費電力量および漂流ブイ1.1の内部温度などの自己診断情報を収集する。そして、制御部4は、観測装置2から制御指令を受けた場合、または、収集した自己診断情報が所定の値や範囲などに達してイベントが生じた場合などに、その収集した自己診断情報に自己の識別番号を付加して通信部8へ出力する。
通信部8は、制御部4から受けた存在位置データまたは/および自己診断情報を無線信号に変調し、アンテナ14を介して観測装置2へ送信する。そして、通信部8は、観測装置2からアンテナ14を介して受けた無線信号を復調し、制御部4へ出力する。なお、通信部8は、観測対象とする領域に応じた伝送可能距離および観測精度に応じた伝送速度に基づいて通信方式が決定される。たとえば、通信部8は、400MHz帯,1.2GHz帯,2.4GHz帯などの特定小電力無線、PHS(Personal Handy Phone)、携帯電話および衛星電話などからなる。
記憶部12は、制御部4から受けたデータを記憶し、また、記憶したデータを制御部4へ出力する。そして、記憶部12は、たとえば、不揮発性のフラッシュメモリを用いたコンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック、MMC(Multi Media Card)、xDピクチャーカードなどからなる。
漂流ブイ1.2,・・・,1.nは、漂流ブイ1.1と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
観測装置2は、バス30と、通信部22と、制御部20と、表示部24と、記憶部26と、入力部28とからなる。
バス30は、通信部22、制御部20、表示部24、記憶部26、および入力部28とを互いに接続し、データの授受を行なわせる。
通信部22は、アンテナ32と接続され、アンテナ32を介して、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのそれぞれから送信された無線信号を受信する。そして、通信部22は、受信した無線信号を存在位置データまたは/および自己診断情報に復調して、制御部20へ与える。また、通信部22は、制御部20から受けた制御指令を無線信号に変調して、アンテナ32を介して漂流ブイ1.2,・・・,1.nへ送信する。
制御部20は、通信部22から受けた存在位置データに付加されている識別番号に応じて、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのいずれから送信された存在位置データであるかを識別し、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのそれぞれと対応付けて記憶部26へ格納する。そして、制御部20は、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのそれぞれについて、過去に受信した存在位置データを記憶部26から読出し、新たに受信した存在位置データとの差分を算出する。さらに、制御部20は、その差分を存在位置データの受信周期で除算して時間的変化量、すなわち漂流速度を算出し、その漂流速度を流動の流速として表示部24に表示する。また、制御部20は、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのそれぞれの漂流速度を記憶部26へ格納する。
また、制御部20は、通信部22から受けた自己診断情報に付加されている識別番号に応じて、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのいずれから送信された自己診断情報であるかを識別し、その内容を表示部24に表示する。そして、制御部20は、入力部28を介して、自己診断情報を要求するユーザからの指令を受けると、その制御指令を通信部22へ出力する。
表示部24は、制御部20から受けたデータを映像としてユーザに表示する。
記憶部26は、制御部20から受けたデータを記憶し、また、記憶したデータを制御部20へ出力する。そして、記憶部26は、たとえば、ハードディスク、CD−ROM、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))などからなる。
入力部28は、ユーザからの指令を受けて、制御部20へ与える。そして、入力部28は、キーボード、マウス、タッチパネルなどからなる。
図2は、漂流ブイ1.1の構造図を示す。
図2(a)は、漂流ブイ1.1の上部から見た外観図である。
図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線断面図である。
図2(c)は、図2(a)のIIc−IIc線断面図である。
図2(a)を参照して、漂流ブイ1.1は、円筒形状である。
図2(b)および図2(c)を参照して、漂流ブイ1.1は、制御部4、GPS受信部6、通信部8、蓄電部10、記憶部12が円筒形状の本体に格納され、その下部はシーリングで密封された中空構造となっている。そして、円筒状の本体の上部には、アンテナ14が本体の軸と同一線上に配置される。また、円筒状の本体の下部には、バランスウエイト44がキール42を介して配置される。
漂流ブイ1.1は、アンテナ14およびGPS受信部6が水面より上部に位置する状態で釣り合うように、重量および体積が決定される。また、キール42とバランスウエイト44が横波などの水平方向からの外乱に対する抗力となるため、漂流ブイ1.1は、水上において横転することなく、垂直方向に起立した状態を維持する。そして、漂流ブイ1.1は、潮流などから生じる流動に従い漂流する。
漂流ブイ1.2,・・・,1.nは、漂流ブイ1.1と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
(通信部における変調方式)
漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nの通信部8および観測装置2の通信部22は、トーン信号(DTMF:Dial Tone Multi Frequency)により変調した無線信号を送受信する。トーン信号は、いわゆる、「ピポパ音」または「プッシュ音」と称され、1つの符号毎に2つの異なる周波数を割当てた信号である。通常、高音系の4種類および低音系の4種類の中からそれぞれ1種類ずつの周波数を選択するため、合計で16種類の符号を伝送できる。
漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nの通信部8および観測装置2の通信部22は、トーン信号(DTMF:Dial Tone Multi Frequency)により変調した無線信号を送受信する。トーン信号は、いわゆる、「ピポパ音」または「プッシュ音」と称され、1つの符号毎に2つの異なる周波数を割当てた信号である。通常、高音系の4種類および低音系の4種類の中からそれぞれ1種類ずつの周波数を選択するため、合計で16種類の符号を伝送できる。
トーン信号により変調した無線信号を用いることにより、占有スペクトルの広がりが少ない。そのため、音声帯域のみを伝送するような狭帯域の通信方法を用いた場合にも、データ伝送が可能となる。
よって、観測対象とする領域の大きさに応じて通信部の通信方法を変更する場合にも容易に対応できる。
(観測装置の処理)
図3は、表示部24における観測状態表示の一例を示した図である。
図3は、表示部24における観測状態表示の一例を示した図である。
図3を参照して、表示部24は、観測状態の概要をユーザに対して表示する。表示部24は、観測対象の地図60を表示し、その地図60上において、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nについて現在位置62を表示する。そして、表示部24は、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのそれぞれについて、動作状態の数値表示64を表示する。
さらに、表示部24は、ユーザから指定された漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのいずれかについて、より詳細な漂流状態が観測できるように、地図60上において選択された選択領域68を拡大して拡大図66を表示する。
なお、上述の図3においては、1つの漂流ブイから情報を取得する場合について例示しているが、複数の漂流ブイからの情報を取得する場合についても同様である。
図4は、表示部24における漂流ブイの漂流軌跡の画面例を示した図である。
図4(a)は、漂流軌跡の全体を表示する場合である。
図4(b)は、図4(a)を拡大して表示する場合である。
図4(a)を参照して、表示部24は、ユーザからの指令に応じて、選択された漂流ブイの漂流軌跡を表示する。
図4(b)を参照して、表示部24は、ユーザからの指令に応じて、漂流軌跡のうち、選択された領域を拡大してより詳細に表示する。漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nの各々は、所定の送信周期で存在位置データを送信するので、表示部24は、送信周期毎の存在位置データを離散的に座標表示する。
図5は、4つの漂流ブイの漂流軌跡の画面例である。なお、「S」は、漂流ブイを水面の投入し、観測を開始した位置を示し、「E」は、漂流ブイを回収し、観測を終了した位置を示す。
図5を参照して、4つの漂流ブイとも同様の漂流軌跡を示している。これは、この領域において、ほぼ同じ方向の潮流が存在していることを意味する。
このように、実施の形態1に従う流速観測システム100では、複数の漂流ブイを用いて観測を行なうことができるので、対象領域に存在する潮流を詳細に観測することができる。
(漂流速度の算出)
上述のように、観測装置2は、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nからそれぞれの存在位置データを取得する。そして、観測装置2は、取得した存在位置データの時間的変化量に基づいて、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nの漂流速度を算出する。
上述のように、観測装置2は、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nからそれぞれの存在位置データを取得する。そして、観測装置2は、取得した存在位置データの時間的変化量に基づいて、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nの漂流速度を算出する。
ところで、GPS情報は、一般的に経度および緯度から構成される。そのため、漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nは、自己の存在位置を経度および緯度で特定して、観測装置2へ送信する。
そこで、観測装置2は、経度および緯度のそれぞれの時間的変化量、すなわち移動速度の東西成分および南北成分を演算し、漂流速度を算出する。具体的には、観測装置2の制御部20は、(1)式および(2)式から、東西成分および南北成分を算出する。
(東西成分)=((受信した経度)−(前回受信した経度))×(経度距離換算係数)/(送信周期)・・・(1)
(南北成分)=((受信した緯度)−(前回受信した緯度))×(経度距離換算係数)/(送信周期)・・・(2)
図6は、漂流ブイの漂流速度の時間的変化の一例を示した図である。
(南北成分)=((受信した緯度)−(前回受信した緯度))×(経度距離換算係数)/(送信周期)・・・(2)
図6は、漂流ブイの漂流速度の時間的変化の一例を示した図である。
図6(a)は、漂流速度の東西成分である。なお、+側が東方向を意味し、−側が西方向を意味する。
図6(b)は、漂流速度の南北成分である。なお、+側が北方向を意味し、−側が南方向を意味する。
図6(a)および図6(b)を参照して、漂流速度の東西成分は、南北成分に比較して、変動量が大きく、観測位置の違いにより東西方向の潮流の強さは大きく変わることを示している。
一方、観測装置2の表示部24は、ユーザフレンドリの観点から、上述のように、東西成分と南北成分のそれぞれについて算出した漂流速度を合成し、2次元のベクトルとして表示する。
図7は、図6に示す漂流速度の時間的変化をベクトル表示した図である。
図7を参照して、表示部24は、時刻毎の漂流速度のベクトルを表示する。このようなベクトル表示を行なうことで、ユーザは、漂流ブイの漂流速度の時間的な変化を視覚的に理解し易くなる。
したがって、ユーザは、図5に示す漂流軌跡および図7に示す漂流速度に基づいて、対象領域の潮流分布やその時間的な変化を容易に調査できる。
なお、実施の形態1においては、通信部8が送信部を実現し、通信部22が受信部を実現し、制御部20が存在位置取得手段を実現し、制御部20および記憶部26が漂流速度算出手段を実現する。
この発明の実施の形態1によれば、漂流ブイは、自己の存在位置をGPS情報から取得し、無線信号で観測装置へ送信するだけであるので、超音波を利用する場合に比較して装置のコストを抑制できる。また、観測装置は、漂流ブイから送信された存在位置についての時間的変化量に基づいて、漂流ブイの漂流速度を観測するので、複数の地点における流速をリアルタイムで観測できる。よって、低コストで広い海域における流速観測を実現できる。
また、この発明の実施の形態1によれば、観測装置は、漂流ブイの漂流軌跡および漂流速度を視覚的に表示するので、ユーザは、対象とする領域における潮流分布やその時間的な変化を容易に把握することができる。
[実施の形態2]
上述の実施の形態1においては、自己の存在位置だけを観測装置2へ送信する漂流ブイについて説明した。一方、実施の形態2においては、自己の存在位置に加えて、水質情報を観測装置2へ送信する漂流ブイについて説明する。
上述の実施の形態1においては、自己の存在位置だけを観測装置2へ送信する漂流ブイについて説明した。一方、実施の形態2においては、自己の存在位置に加えて、水質情報を観測装置2へ送信する漂流ブイについて説明する。
図8は、この発明の実施の形態2に従う流速観測システム200の概略構成図である。
図8を参照して、流速観測システム200は、漂流ブイ3.1,3.2,・・・,3.nと、観測装置2とからなる。
漂流ブイ3.1は、上述した実施の形態1における漂流ブイ1.1にセンサ部16を付加したものである。
センサ部16は、漂流ブイ3.1が漂流する流動の水質情報データを取得し、制御部4へ与える。センサ部16は、たとえば、水温、PH、塩分濃度、伝導度、気温、気圧などを測定する。
制御部4は、GPS受信部6から受けたGPS情報に加えて、センサ部16から受けた水質情報に自己の識別番号を付加して通信部8へ出力する。そして、制御部4は、所定のデータ格納周期毎に、センサ部16から受けた水質情報データと時刻データとを対応付けて記憶部12へ格納する。
通信部8は、制御部4から受けた存在位置データおよび水質情報データを無線信号に変調し、アンテナ14を介して観測装置2へ送信する。
その他の点は、上述した実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。また、漂流ブイ3.2,・・・,3.nは、漂流ブイ3.1と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
観測装置2は、上述した実施の形態1における観測装置2と同様の構成である。
通信部22は、受信した無線信号を存在位置データおよび水質情報データに復調して、制御部20へ与える。
制御部20は、通信部22から受けた存在位置データおよび水質情報データを漂流ブイ1.1,1.2,・・・,1.nのそれぞれと対応付けて記憶部26へ格納する。そして、制御部20は、受信した水質情報データを表示部24へ表示する。
その他の点は、上述した実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
なお、実施の形態2においては、センサ部16が水質情報取得部を実現し、制御部20が水質情報取得手段を実現する。
この発明の実施の形態2によれば、ユーザは、観測装置上において、漂流ブイが存在する地点の水質情報についても観測できるので、対象とする領域においてより詳細な調査を行なうことができる。
[その他の形態]
実施の形態1および2に示す観測装置にさらにGPS受信部を設けてもよい。観測装置にGPS受信部を設けることにより、観測装置自身の存在位置を取得することができる。この結果、漂流ブイと観測装置との距離についても監視可能となる。そのため、観測装置を船舶などに配置して、漂流ブイとの距離が伝送可能距離内となるように追跡することで、通信部の伝送可能距離が制限される場合などにおいても流速の観測が可能となるという効果がある。
実施の形態1および2に示す観測装置にさらにGPS受信部を設けてもよい。観測装置にGPS受信部を設けることにより、観測装置自身の存在位置を取得することができる。この結果、漂流ブイと観測装置との距離についても監視可能となる。そのため、観測装置を船舶などに配置して、漂流ブイとの距離が伝送可能距離内となるように追跡することで、通信部の伝送可能距離が制限される場合などにおいても流速の観測が可能となるという効果がある。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1.1,1.2,・・・,1.n,3.1,3.2,・・・,3.n 漂流ブイ、2 観測装置、4 制御部、6 GPS受信部、8,22 通信部、10 蓄電部、12,26 記憶部、14,32 アンテナ、16 センサ部、20 制御部、24 表示部、28 入力部、30 バス、42 キール、44 バランスウエイト、60 地図、62 現在位置、64 数値表示、66 拡大図、68 選択領域、100,200 流速観測システム。
Claims (4)
- 流動に従い漂流する漂流ブイと、
観測装置とを備え、
前記漂流ブイは、
GPS情報を受信するGPS受信部と、
前記GPS受信部が受信した前記GPS情報に基づいて、自己の存在位置を示す無線信号を送信する送信部とを含み、
前記観測装置は、
前記漂流ブイから送信された無線信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記無線信号に基づいて、前記漂流ブイの存在位置を取得する存在位置取得手段と、
前記存在位置取得手段において取得された前記漂流ブイの存在位置の時間的変化量に基づいて、前記漂流ブイの漂流速度を取得する漂流速度取得手段と、
前記漂流速度取得手段において取得された前記漂流ブイの漂流速度を前記流動の流速として表示する表示部とを含む、流速観測システム。 - 前記漂流ブイは、前記流動の水質情報を取得する水質情報取得部をさらに備え、
前記送信部は、前記水質情報取得部が取得した前記水質情報をさらに含む無線信号を送信し、
前記観測装置は、前記受信部が受信した前記無線信号に基づいて、前記水質情報を取得する水質情報取得手段をさらに備え、
前記表示部は、前記水質情報取得手段において取得された前記水質情報をさらに表示する、請求項1に記載の流速観測システム。 - 前記送信部は、トーン信号で変調した前記無線信号を送信する、請求項1または2に記載の流速観測システム。
- 流動に従い漂流する漂流ブイであって、
GPS情報を受信するGPS受信部と、
前記GPS受信部が受信した前記GPS情報に基づいて、自己の存在位置を示す無線信号を外部へ送信する送信部とを備える、漂流ブイ。
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JP2005106201A Withdrawn JP2006284434A (ja) | 2005-04-01 | 2005-04-01 | 流速観測システムおよび漂流ブイ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006284434A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008181463A (ja) * | 2007-01-26 | 2008-08-07 | Institute Of National Colleges Of Technology Japan | 省電力装置を備えた漂流ブイおよび潮流観測システム。 |
KR101525784B1 (ko) * | 2014-07-15 | 2015-06-05 | 서울대학교산학협력단 | 지피에스 모듈 및 메모리 탑재형 유선 및 유속 측정용 부유식 항해 캡슐 및 지피에스 모듈 및 메모리 탑재형 부유식 항해 캡슐을 이용한 유선 및 유속 측정 방법 |
JP2023073937A (ja) * | 2021-11-16 | 2023-05-26 | ジ・シ カンパニー リミテッド | 電子漁具ブイの位置移動履歴分析を用いた広範囲海域のリアルタイム潮流情報観測システム及び方法 |
CN117892980A (zh) * | 2024-03-14 | 2024-04-16 | 长江水资源保护科学研究所 | 一种针对圆口铜鱼的生态调度方法和装置 |
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2005
- 2005-04-01 JP JP2005106201A patent/JP2006284434A/ja not_active Withdrawn
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CN117892980A (zh) * | 2024-03-14 | 2024-04-16 | 长江水资源保护科学研究所 | 一种针对圆口铜鱼的生态调度方法和装置 |
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