JP2006284429A - 金属燃料製造用モールドホルダー及びモールドホルダー用撹拌治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 成型される金属燃料成分の均一性を向上させ、この成分均一化により、燃料の健全性が確保できるモールドホルダー及び撹拌治具を得る。
【解決手段】 一端が閉じられた管状のモールドを少なくとも1本以上保持し、真空中でるつぼ内の溶融金属中に前記モールドの開口部を浸し、Arガスで加圧して鋳型を金属で満たして冷却固化する間、モールドの姿勢を固定する金属燃料製造用モールドホルダーにおいて、前記溶融金属を撹拌する撹拌手段を備えたもの。
【選択図】 図1
【解決手段】 一端が閉じられた管状のモールドを少なくとも1本以上保持し、真空中でるつぼ内の溶融金属中に前記モールドの開口部を浸し、Arガスで加圧して鋳型を金属で満たして冷却固化する間、モールドの姿勢を固定する金属燃料製造用モールドホルダーにおいて、前記溶融金属を撹拌する撹拌手段を備えたもの。
【選択図】 図1
Description
本発明は、原子炉用金属燃料要素の製造に関する。特に、射出成型法によって金属燃料を得る際の製造用モールドホルダーの改良及びモールドホルダーに取付けられる治具に関するものである。
金属燃料要素は、燃料用合金を円柱形状に成型した金属燃料をナトリウムと共に被覆管内に収容し、上部端栓と下部端栓とで被覆管内を密封したものである(例えば、特許文献1参照)。この金属燃料の製造には幾つかの方法がある。その中でも射出成型法と呼ばれる方法による金属燃料の製造工程を図4に示す。
この射出成型法で金属燃料を製造する場合に、金属ウラン単体では原子炉にて照射された際にスエリングと呼ばれる体積膨張が発生し、燃料が封入されている被覆管と呼ばれる燃料装荷管と燃料とが干渉し、内包されている燃料あるいは被覆管が損傷する。被覆管が損傷するとウランの核分裂によって生じた核分裂生成物が原子炉外へ放出されるためにこのスエリングを抑える必要があった。
このため、このスエリングを抑える成分としてジルコニウムを添加し、ウラン−ジルコニウム合金として燃料を製造・成型している。このジルコニウムの添加量は、燃料を装荷する炉心特性、燃料照射期間及び装荷位置等の条件によって異なり、概ね重量比として数パーセントから十数パーセントである。
本方法は以下のa)〜h)の工程に分類される。
a)燃料となる金属ウラン及びジルコニウムを装置本体内のるつぼ41に装荷する。
b)装荷した金属ウランを高周波加熱によって溶解する(図4のa図)。
c)溶解を確認した後、本体内を真空とする。真空引き終了後、モールドホルダー42に組み込んだモールド(鋳型)43を上方から下降させて、その先端を溶解した金属ウラン44a上面に着湯させる(図4のb図)。
a)燃料となる金属ウラン及びジルコニウムを装置本体内のるつぼ41に装荷する。
b)装荷した金属ウランを高周波加熱によって溶解する(図4のa図)。
c)溶解を確認した後、本体内を真空とする。真空引き終了後、モールドホルダー42に組み込んだモールド(鋳型)43を上方から下降させて、その先端を溶解した金属ウラン44a上面に着湯させる(図4のb図)。
d)着湯を確認した後、本体内部をArガス等により加圧し、溶解した金属ウラン44をモールド43内に鋳込む(図4のb図)。
e)金属燃料が鋳込まれたモールド43を上昇させ、冷却する(図4のc図)。
f)冷却後、装置本体からモールドホルダー42を取り出し、さらに本ホルダー42からモールド43を取り外す。
e)金属燃料が鋳込まれたモールド43を上昇させ、冷却する(図4のc図)。
f)冷却後、装置本体からモールドホルダー42を取り出し、さらに本ホルダー42からモールド43を取り外す。
g)鋳込まれた金属燃料44をモールドから取り出す(脱モールドする)。
h)取り出された金属燃料を規定された製造仕様に合わせる為に上下端を切断し、全長を調整した後、燃料とする。
特開平11−326571号公報
h)取り出された金属燃料を規定された製造仕様に合わせる為に上下端を切断し、全長を調整した後、燃料とする。
ここで、金属燃料の成型はウラン及びジルコニウムを溶解した後に所定の鋳型に鋳込む方法を取っているが、金属ウラン及びジルコニウムの密度が大きく異なるために溶解時において密度の小さいジルコニウムが溶湯上方へ集まってしまい、両者が均一に溶解しないとの問題が発生していた。
溶解状態にてジルコニウムが溶湯上方に集中し非均一な溶湯の状態で成型すると、得られる金属燃料の成分も均一ではなくなり、ジルコニウムが少ない領域ではスエリングの発生が考えられる。
本発明は上記の問題を解決する手段を提供するものであり、以下に示すモールドホルダー及び撹拌治具を用いることによってウラン−ジルコニウムを均一に溶解することが可能となる。
本発明の製造工程においては、溶解した金属にモールドの開口部を着湯させArガス加圧により金属燃料をモールド内に鋳込み、鋳込まれた金属燃料が固まるタイミングを見計らってモールドを上昇させ、冷却の後にモールドから鋳込まれた金属燃料を取り出す。ここで、予めモールドを含めて容器全体の真空引きを行って、着湯後のモールド内を真空状態とする必要がある。真空状態となっているために容器内のAr加圧によって溶解した金属ウランがモールド内に鋳込まれる。
一方、本発明の金属燃料は、原子炉に装荷され照射が進んだ際に発生するスエリングと呼ばれる体積膨張を防ぐために、ウラン単体ではなくジルコニウムを混ぜて、ウラン−ジルコニウム合金として製造される。ウランに添加するジルコニウムの添加量は、燃料を装荷する炉心の特性、燃料照射期間及び装荷位置等の条件により異なるが、概ね重量比として数パーセントから十数パーセントである。
この重量比にて数パーセントから十数パーセントのジルコニウムは、製造工程にて原料をるつぼに装荷する際に秤量を行い、所定のウラン−ジルコニウム重量比になるように装荷される。装荷を終えたウラン及びジルコニウムは高周波加熱によって溶解されてるつぼ内で溶融金属として待機している。
ここで、ウランの密度が約19.0g/cm3 であるのに対して、ジルコニウムの密度は約6.5g/cm3 と両者に大きな差があるために溶解が進むとジルコニウム成分が溶融金属の上方に集まってくる。また、金属の溶解中は一般に「のろ」と呼ばれる酸化物が形成される。これは溶解雰囲気中に存在するわずかな酸素と反応して溶融金属上部に形成される酸化膜であるが、この金属燃料製造工程においてはこののろの部分にジルコニウム成分が集まる。
溶融金属上方にてジルコニウム成分が集まった状態にてモールド内に金属燃料を鋳込むと、得られた金属燃料の成分は均一ではなく、想定されたジルコニウム成分よりも少ない領域及び多い領域が生じてしまう。その結果、ジルコニウムを添加することで防ぐはずであった燃料スエリングの発生が考えられる。燃料スエリングの発生は燃料を封入している被覆管と呼ばれる燃料装荷管と燃料とが干渉することになり、内包されている燃料あるいは被覆管が損傷する。被覆管が損傷するとウランの核分裂によって生じた核分裂生成物が原子炉外へ放出されることにつながる。
従って、スエリングを発生させないため、想定された成分で均一である金属燃料を製造することが必要である。
そこで、請求項1に記載された発明に係る金属燃料製造用モールドホルダーは、一端が閉じられた管状のモールドを少なくとも1本以上保持し、真空中でるつぼ内の溶融金属中に前記モールドの開口部を浸し、Arガスで加圧して鋳型を金属で満たして冷却固化する間、モールドの姿勢を固定する金属燃料製造用モールドホルダーにおいて、
前記溶融金属を撹拌する撹拌手段を備えたことを特徴とするものである。
前記溶融金属を撹拌する撹拌手段を備えたことを特徴とするものである。
本発明でのモールドは、加工性、耐熱衝撃性及びウランとの反応性を考慮して石英ガラスが用いられている。しかしながら、石英ガラス製のモールドは、破損し易く、更にモールドを製造工程にて上下移動させているために、モールドホルダーに保持されて製造に供される。
本発明でのモールドホルダーは、一端が閉じられた管状のモールドを少なくとも1本以上保持するものであればよいが、製造効率の観点から一度に複数のモールドを用いて金属燃料を製造するものが好ましい。従って、数本のモールドをモールドホルダーに束ねた状態で装着して製造する方が取り扱いやすい。
ここで、モールドホルダーには鋳込み時のガス加圧によってモールドが上下運動をしてもモールドホルダーから外れないように保持される。具体的には、閉じられた一端部に鍔が形成されたモールドを孔に通して保持するが、モールドが通された孔を塞ぐように上部蓋が取り付けられている。
また、請求項2に記載された発明に係る金属燃料製造用モールドホルダーは、請求項1に記載の撹拌手段が前記モールドホルダーに着脱可能に取付けられ、モールドホルダーの上下動によって溶融金属を撹拌する撹拌治具であり、
取付け時の撹拌治具の最下端位置がモールドの開口部よりも下方の高さ位置に配されることを特徴とするものである。
取付け時の撹拌治具の最下端位置がモールドの開口部よりも下方の高さ位置に配されることを特徴とするものである。
具体的には、本発明では、溶解の進んだ原料を鋳型に鋳込む前に何らかの撹拌手段で撹拌するものである。特に、のろと呼ばれる酸化物の部分を再度、溶融金属内に入れることによってここに集まったジルコニウムが溶融金属に入り、ジルコニウムの溶解が再度進む。一方で射出成型方法では、製造効率の観点から溶解した金属を鋳込むモールドをモールドホルダーに束ねて成型を実施している。
即ち、このモールドホルダーに撹拌手段として撹拌治具を備え、このモールドホルダーの撹拌治具の先端部分を溶融金属内に挿入し、モールドホルダーと共に上下に動かすことで溶解している金属を撹拌するものである。
尚、本発明の撹拌治具は、モールドホルダーに着脱可能に取付けられているため、より好ましくは、撹拌治具は種々の形状のものを予め揃えておき、溶融金属の条件に応じて最適なものを選択して使用される。
従って、請求項3に記載された発明に係る金属燃料製造用モールドホルダーは、請求項2に記載の撹拌治具が溶融金属の条件に応じて大きさ並びに形状を変更可能な別部品を備えたことを特徴とするものである。
好ましい撹拌治具としては、例えば、上下動方向に平行な丸棒状、楕円棒状、角棒状、螺旋状のフィンが形成されたものを含み、更に、T字状になるように上下動方向に平行な支持軸の先端部分に丸棒状、楕円棒状、角棒状、プロペラ状のフィン等からなる羽根を上下動方向に対して直行するように配した撹拌羽根を含むものでもよい。更に、複数本の撹拌羽根を中心軸で交叉させたもの、また、これら撹拌羽根をモータ等で緩やかに回動させるものを含む。
また、本発明では、既存のモールドホルダーに取付けられるモールドホルダー用撹拌治具を提案する。即ち、請求項4に記載された発明に係るモールドホルダー用撹拌治具は、一端が閉じられた管状のモールドを少なくとも1本以上保持し、真空中でるつぼ内の溶融金属中に前記モールドの開口部を浸し、Arガスで加圧して鋳型を金属で満たして冷却固化する間、モールドの姿勢を固定する金属燃料製造用モールドホルダーに着脱可能に取付けられる治具であって、
前記モールドホルダーの上下動によって溶融金属を撹拌する撹拌具を備えたことを特徴とするものである。
前記モールドホルダーの上下動によって溶融金属を撹拌する撹拌具を備えたことを特徴とするものである。
即ち、本発明の撹拌具についても、モールドホルダーに撹拌具を備え、このモールドホルダーの撹拌具の先端部分を溶融金属内に挿入し、モールドホルダーと共に上下に動かすことで溶解している金属を撹拌するものである。
請求項5に記載された発明に係るモールドホルダー用撹拌治具は、請求項4に記載の取付け時の撹拌具の最下端位置がモールドの開口部よりも下方の高さ位置に配されることを特徴とするものである。
尚、本発明の撹拌具は、モールドホルダーに着脱可能に取付けられているため、より好ましくは、撹拌具は種々の形状のものを予め揃えておき、溶融金属の条件に応じて最適なものを選択して使用される。
請求項6に記載された発明に係るモールドホルダー用撹拌治具は、請求項4又は5に記載の撹拌具が溶融金属の条件に応じて大きさ並びに形状を変更可能な別部品を備えたことを特徴とするものである。
本発明の撹拌具においても、好ましい撹拌具の形状としては、例えば、上下動方向に平行な丸棒状、楕円棒状、角棒状、螺旋状のフィンが形成されたもの、更に、T字状になるように上下動方向に平行な支持軸の先端部分に丸棒状、楕円棒状、角棒状、プロペラ状のフィン等からなる羽根を上下動方向に対して直行するように配した撹拌羽根を含むものでもよい、更に、複数本の撹拌羽根を中心軸で交叉させたもの、また、これら撹拌羽根をモータ等で緩やかに回動させるものでもよい。
本発明の金属燃料製造用モールドホルダー及びモールドホルダー用撹拌治具には次の様な特徴を持つ。
a.モールドホルダーの最下部への取り外しが可能であること。
これは、溶解する原料の量によってその大きさ及び形状を変更するためである。即ち、装荷する原料が多いときは撹拌具の全長等のサイズを大きくすることが必要であると共に、原料においてウランの量が多いときは原料重量の密度が大きくなるために、撹拌具の形状を撹拌効率の良いもの(例えばプロペラ形状)へと変更することが効率の良い撹拌となるためである。
a.モールドホルダーの最下部への取り外しが可能であること。
これは、溶解する原料の量によってその大きさ及び形状を変更するためである。即ち、装荷する原料が多いときは撹拌具の全長等のサイズを大きくすることが必要であると共に、原料においてウランの量が多いときは原料重量の密度が大きくなるために、撹拌具の形状を撹拌効率の良いもの(例えばプロペラ形状)へと変更することが効率の良い撹拌となるためである。
b.撹拌具の先端及び攪拌羽根は、装荷されたモールドの先端よりも下方にあること。
これはモールドホルダーの上下運動により撹拌治具を上下させ、溶融金属を撹拌させるが、この上下運動の際にモールドを必要以上に溶融金属に着湯させることは、モールドの破損及び耐熱衝撃性の低下を招き、モールド本来の強度等が保てなくなり、溶融金属の鋳込みが出来なくなる。従って、撹拌時には治具のみを溶融金属に着湯させることが必要であり、撹拌治具の先端がモールド先端よりも下方になるように取り付ける。
これはモールドホルダーの上下運動により撹拌治具を上下させ、溶融金属を撹拌させるが、この上下運動の際にモールドを必要以上に溶融金属に着湯させることは、モールドの破損及び耐熱衝撃性の低下を招き、モールド本来の強度等が保てなくなり、溶融金属の鋳込みが出来なくなる。従って、撹拌時には治具のみを溶融金属に着湯させることが必要であり、撹拌治具の先端がモールド先端よりも下方になるように取り付ける。
また、溶解金属は加圧力によって鋳型の内部に入り成型される為に、撹拌具の形状をプロぺラ状にした場合にはモールド下端とプロぺラ状部とは10mm以上の距離があることが好ましい。両者の距離が短いと撹拌具がモールドの下端を塞いでしまい、溶解金属がスムーズに鋳型内に入らない恐れがある。但し、この距離は製造条件により異なり特定されるものではない(図3(c)、(d))。
c.耐熱性に優れた材質であること。
ウラン−ジルコニウム合金の溶解温度は含まれるジルコニウムの量にもよるが1200℃以上である。撹拌用の治具であるため、原料金属の溶解温度にて治具の形状を保つ必要がある。撹拌時に溶融金属温度に耐えられずに撹拌具や撹拌羽根の撹拌治具が溶解しては、本来の目的である撹拌が出来ないと共に、燃料内に撹拌治具の成分がとけ込むこととなり、製造させた金属燃料に不純物が混入することになる。
ウラン−ジルコニウム合金の溶解温度は含まれるジルコニウムの量にもよるが1200℃以上である。撹拌用の治具であるため、原料金属の溶解温度にて治具の形状を保つ必要がある。撹拌時に溶融金属温度に耐えられずに撹拌具や撹拌羽根の撹拌治具が溶解しては、本来の目的である撹拌が出来ないと共に、燃料内に撹拌治具の成分がとけ込むこととなり、製造させた金属燃料に不純物が混入することになる。
d.加工性に優れること。
モールドホルダーに取り付けるためにねじ加工を行うこと及び治具の形状を変更することから、加工性に優れていることが必要である。但し、その取り付け方法はねじによる方法に限定されるわけではない。
モールドホルダーに取り付けるためにねじ加工を行うこと及び治具の形状を変更することから、加工性に優れていることが必要である。但し、その取り付け方法はねじによる方法に限定されるわけではない。
e.ウラン、ジルコニウムとの反応性が低いこと(耐食性に優れること)。
撹拌時に溶融金属であるウラン、ジルコニウムと反応して他の物質を生成しては、燃料の不純物混入の原因となるので、溶融金属との反応性が低いことが必要である。ここで、上述したc.項を考慮した場合には高融点金属及びセラミックが考えられるが、d.項及びe.項も考慮すると高融点金属のうちタンタル及びタングステンが適切と考えられる。単純な形状に限定するならば、モールドと同じ材質であるセラミックである石英ガラスも考えられる。但し、その材質はここで述べた材料に特定されるものではない。また、本撹拌治具を取り付けるためにモールドホルダーにも取り付けるための構造が必要であり、ねじ切り構造等が考えられるがこの方法に特定されるものではない。
撹拌時に溶融金属であるウラン、ジルコニウムと反応して他の物質を生成しては、燃料の不純物混入の原因となるので、溶融金属との反応性が低いことが必要である。ここで、上述したc.項を考慮した場合には高融点金属及びセラミックが考えられるが、d.項及びe.項も考慮すると高融点金属のうちタンタル及びタングステンが適切と考えられる。単純な形状に限定するならば、モールドと同じ材質であるセラミックである石英ガラスも考えられる。但し、その材質はここで述べた材料に特定されるものではない。また、本撹拌治具を取り付けるためにモールドホルダーにも取り付けるための構造が必要であり、ねじ切り構造等が考えられるがこの方法に特定されるものではない。
本発明は以上説明した通り、従来技術では、燃料成分の非均質部分が認められ、燃料照射時にスエリングと呼ばれる体積膨張が発生する恐れがあり、燃料の健全性を損なう恐れがあったが、モールドホルダー及び撹拌治具を用いることにより溶融金属の撹拌が行われ、成型される金属燃料成分の均一性が向上し、この成分均一化により、燃料の健全性が確保できるという効果がある。
金属燃料を製造する場合、金属ウラン単体では原子炉にて照射された際にスエリングと呼ばれる体積膨張が発生し、燃料が封入されている被覆管と呼ばれる燃料装荷管と燃料とが干渉し、内包されている燃料あるいは被覆管が損傷する。被覆管が損傷するとウランの核分裂によって生じた核分裂生成物が原子炉外へ放出されるためにこのスエリングを抑える必要がある。このスエリングを抑える成分としてジルコニウムを添加し、ウラン−ジルコニウム合金として燃料を製造・成型している。このジルコニウムの添加量は、燃料を装荷する炉心の特性、燃料照射期間及び装荷位置等の条件によって異なり、概ね重量比として数パーセントから十数パーセントである。
ここで、金属燃料の成型はウラン及びジルコニウムを溶解した後に所定の鋳型に鋳込む方法を取っているが、金属ウラン及びジルコニウムの密度が大きく異なるために溶解時において密度の小さいジルコニウムが溶融金属上方へ集まってしまい、両者が均一に溶解しないとの問題が発生していた。溶解状態にてジルコニウムが溶融金属上方に集中し非均一な溶融金属の状態で成型すると、得られる金属燃料の成分も均一ではなくなり、ジルコニウムが少ない領域ではスエリングの発生が考えられる。
本発明では撹拌治具をモールドホルダーに備えることによってウラン−ジルコニウムを均一に溶解することが可能となる。以下にこれを具体的に説明する。図1はモールドホルダーにモールドを束ねる工程を示す図である。図2は図1のモールドホルダーにモールド及び撹拌治具を取り付ける工程を示す図である。図3は撹拌治具による溶湯の撹拌を示す図である。ここで図2及び図3においては撹拌用治具を分かりやすくするために、図1と比較して一部のモールドを省略しているが、本撹拌治具を用いることでモールドホルダーに装荷するモールド本数が少なくなることはない。
図1のa図に示す通り、一端が閉じられ、他端が開口された管状のモールド11は石英ガラス製である。このモールド11の開口側は斜めに切断されたような先端部12を有し、後端部には鍔部13が形成されている。このモールド11をモールドホルダー21に組み込む。モールドホルダー21の第1ホルダー円板部22及び第2ホルダー円板部23には、モールド11が挿通される挿通孔24が放射状に形成されている。これら挿通孔24にモールド11の先端部12を挿通して多数本のモールド11を束ねる。
b図及びc図に示す通り、第1ホルダー円板部22には、ホルダー上部蓋25が被せられ、モールド11がモールドホルダー21の上下動に伴って上下運動をしてもモールドホルダー21から外れないように保持される。
図2のa図に示す通り、モールド11の保持を行っている際にモールドホルダー21の中心軸26の下端に撹拌具31を取付ける。取り付けは、中心軸26の下端部にネジ孔を形成し、撹拌具31の取付け部分にネジ山を形成させてこれらを螺合させて取付ければよい。尚、撹拌具31の取り付けはネジ孔とネジ山との螺合以外のものも採用することができる。b図及びc図に示す通り、第1ホルダー円板部22には、ホルダー上部蓋25が被せられる。
撹拌治具は、図2に示すように、モールドホルダー21の上下動方向に平行な丸棒状のものをそのまま使用しても良いが、図3のa、b図に示す通り、T字状になるように上下動方向に平行な撹拌具31の先端部分にT字状になるように撹拌具31を中心軸としてその先端部分に丸棒状の撹拌羽根32を設けたもの、c、d図に示す通り、撹拌具31を中心軸として4枚のプロペラ状のフィンからなる撹拌羽根32を上下動方向に対して直行するように配したものが撹拌効率を向上させるため好ましい。
尚、撹拌具31については、丸棒状だけでなく、その他にも楕円棒状、角棒状、螺旋状のフィンが形成されたもの等を用いても良い。更に、撹拌羽根32についても、T字状に配した丸棒状の撹拌羽根や4枚のプロペラ状のフィンからなる撹拌羽根だけでなく、T字状になるように上下動方向に平行な支持軸の先端部分に丸棒状、楕円棒状、角棒状、プロペラ状のフィン等からなる羽根を上下動方向に対して直行するように配した撹拌羽根を持つものや複数本の撹拌羽根を中心軸で交叉させたもの、また、これら撹拌羽根をモータ等で緩やかに回動させるものなどが挙げられる。
従って、このモールドホルダーに撹拌手段を備え、このモールドホルダーの撹拌手段を溶融金属内に挿入し、ホルダーと共に上下に動かすことで溶解している金属を撹拌することができ、成型された金属燃料成分の均一性が向上し、この成分均一化により、燃料の健全性が確保できる。
11…モールド、
12…先端部、
13…鍔部、
21…モールドホルダー、
22…第1ホルダー円板部、
23…第2ホルダー円板部、
24…挿通孔、
25…ホルダー上部蓋、
26…中心軸、
31…撹拌具、
32…撹拌羽根、
12…先端部、
13…鍔部、
21…モールドホルダー、
22…第1ホルダー円板部、
23…第2ホルダー円板部、
24…挿通孔、
25…ホルダー上部蓋、
26…中心軸、
31…撹拌具、
32…撹拌羽根、
Claims (6)
- 一端が閉じられた管状のモールドを少なくとも1本以上保持し、真空中でるつぼ内の溶融金属中に前記モールドの開口部を浸し、Arガスで加圧して鋳型を金属で満たして冷却固化する間、モールドの姿勢を固定する金属燃料製造用モールドホルダーにおいて、
前記溶融金属を撹拌する撹拌手段を備えたことを特徴とする金属燃料製造用モールドホルダー。 - 前記撹拌手段が前記モールドホルダーに着脱可能に取付けられ、モールドホルダーの上下動によって溶融金属を撹拌する撹拌治具であり、
取付け時の撹拌治具の最下端位置がモールドの開口部よりも下方の高さ位置に配されることを特徴とする請求項1に記載の金属燃料製造用モールドホルダー。 - 前記撹拌治具が溶融金属の条件に応じて大きさ並びに形状を変更可能な別部品を備えたことを特徴とする請求項2に記載の金属燃料製造用モールドホルダー。
- 一端が閉じられた管状のモールドを少なくとも1本以上保持し、真空中でるつぼ内の溶融金属中に前記モールドの開口部を浸し、Arガスで加圧して鋳型を金属で満たして冷却固化する間、モールドの姿勢を固定する金属燃料製造用モールドホルダーに着脱可能に取付けられる治具であって、
前記モールドホルダーの上下動によって溶融金属を撹拌する撹拌具を備えたことを特徴とするモールドホルダー用撹拌治具。 - 取付け時の撹拌具の最下端位置がモールドの開口部よりも下方の高さ位置に配されることを特徴とする請求項4に記載のモールドホルダー用撹拌治具。
- 前記撹拌具が溶融金属の条件に応じて大きさ並びに形状を変更可能な別部品を備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載の金属燃料製造用モールドホルダー用撹拌治具。
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