JP2006283668A - 火花点火式多気筒エンジンの制御装置 - Google Patents

火花点火式多気筒エンジンの制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 低負荷運転領域において、先行気筒での圧縮自己着火を実現するとともに、高負荷側での圧縮自己着火運転を実現すること。
【解決手段】 部分負荷運転領域Dのうち、第1の運転領域D1では、先行気筒の既燃ガスが後続気筒に導入される2気筒接続状態にて圧縮自己着火運転を全気筒で実行する。高負荷側の第2の運転領域D2では、各気筒が独立して吸排気を行う独立吸排気状態にて全気筒の吸気温度を高めて圧縮自己着火運転を全気筒で実行する。後続気筒での着火遅れを防止でき、低負荷運転領域において、先行気筒での圧縮自己着火を実現するとともに、高負荷側での圧縮自己着火運転を実現することができる。
【選択図】 図10

Description

本発明は火花点火式多気筒エンジンの制御装置に関し、特に、排気行程と吸気行程が重なる一対の気筒間において排気行程にある先行気筒でリーン燃焼させた既燃ガスを吸気行程にある後続気筒にそのまま導入して、当該後続気筒では予混合圧縮自己着火燃焼(HCCI:Homogeneous−Charge Compression−Ignition combustion。この明細書で「圧縮自己着火」という)を実行可能な火花点火式多気筒エンジンの制御装置に関する。
本件出願人は、特許文献1に開示されているように、エンジンの部分負荷領域で、排気行程と吸気行程とが重なる一対の気筒間において排気行程にある先行気筒から排出される既燃ガスがそのまま吸気行程にある後続気筒に気筒間ガス通路を介して導入される2気筒接続状態とし、先行気筒では空燃比を理論空燃比よりも大きいリーン空燃比にして、強制点火により燃焼を行わせるとともに、後続気筒では先行気筒から導入されたリーン空燃比の既燃ガスに燃料を供給して圧縮自己着火により燃焼を行わせるようにした火花点火式多気筒エンジンの制御装置に関する技術を出願している。特に特許文献1に開示されている構成では、燃料噴射量の調整によって後続気筒の吸気温度を速やかに加熱する加熱制御手段を設けている。
特開2004−76635号公報
ところで、上記特許文献1記載の発明では、後続気筒のみ圧縮自己着火運転を実行しているが、さらなる性能向上のために先行気筒でも圧縮自己着火運転を実行させるべく、先行気筒に対して加熱手段を設けることが考えられる。この場合、低負荷側で圧縮自己着火運転を実行するためには、相当、筒内温度を高める必要がある。しかし、筒内温度が所定の温度(例えば250℃)を越えると、今度は最大熱発生率((J/deg・m3)MAX)が圧縮上死点前で発生してしまうので、エンジンに逆トルクが作用するという問題があった。そのため、従来の2気筒接続状態にあるエンジンでは、低負荷運転領域において、先行気筒での圧縮自己着火が実現することができないという問題があった。
また、特許文献1に開示された構成では、圧縮自己着火運転時に先行気筒の既燃ガスがそのまま後続気筒に導入されるので、後続気筒の着火遅れが生じやすくなる。そのため、従来の2気筒接続状態にあるエンジンでは、高負荷側で圧縮自己着火運転を実行することが困難であった。
本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、低負荷運転領域において、先行気筒での圧縮自己着火を実現するとともに、高負荷側での圧縮自己着火運転を実現することのできる火花点火式多気筒エンジンの制御装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために本発明は、排気行程と吸気行程とが重なるような位相差をもって燃焼サイクルが実行される少なくとも一対の気筒と、排気行程にある先行気筒から排出される既燃ガスを吸気行程にある後続気筒に導入する2気筒接続状態と各気筒が独立して吸排気可能な独立吸排気状態との間で各気筒の吸排気経路を切り換え可能な切換手段と、エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態検出手段の検出に基づいて、各気筒の吸排気経路を2気筒接続状態と独立吸排気状態とを択一的に切り換えて圧縮自己着火運転と火花点火運転とを選択的に実行するように切換手段を制御する制御手段とを備えた火花点火式多気筒エンジンの制御装置において、気筒毎に温度調整可能に筒内を加熱する吸気加熱手段を設け、部分負荷運転領域のうち、所定の低負荷側にある第1の運転領域では、2気筒接続状態にて先行気筒の吸気温度を高めることにより圧縮自己着火運転を全気筒で実行し、部分負荷運転領域のうち、前記第1の運転領域を越える第2の運転領域では、独立吸排気状態にて全気筒の吸気温度を高めて圧縮自己着火運転を全気筒で実行するように制御手段が吸気加熱手段および切換手段を制御することを特徴とする火花点火式多気筒エンジンの制御装置である。この態様では、圧縮自己着火運転が実行される部分負荷運転領域において、所定の低負荷側に設定される第1の運転領域では、各気筒が2気筒接続状態に切り換えられ、この状態で全気筒による圧縮自己着火運転が実行される。ここで、本発明では、先行気筒の吸気温度を吸気加熱手段によって高めることとしているので、従来困難であった先行気筒での圧縮自己着火運転を実現することが可能になる。また、各気筒が2気筒接続状態になっているので、先行気筒から導入された既燃ガスにより、後続気筒の筒内も速やかに加熱され、既燃ガスによるEGR効果と相俟って後続気筒でも燃焼安定性が向上する。次に、エンジン負荷が増大して運転状態が部分負荷運転領域のうち、前記第1の運転領域を越える第2の運転領域に至ると、各気筒の接続状態が2気筒接続状態から独立吸排気状態に切り換えられるとともに、この状態で全気筒の吸気温度が加熱され、全気筒が独立吸排気状態で圧縮自己着火運転を実行する。このため、後続気筒においては、部分負荷運転領域のうち、高負荷側では先行気筒からの既燃ガスに依存することなく、圧縮自己着火運転を実行することになるので、ヘビーEGRによる着火遅れを防止することが可能になる。この結果、圧縮自己着火運転が可能な運転領域を高負荷側に拡張することが可能になり、高負荷運転時における燃費や排気性能が著しく向上する。
好ましい態様においては、気筒毎に燃料噴射量を制御可能に燃料を噴射する燃料噴射手段を設け、エンジン負荷の増大に伴って先行気筒に対する燃料噴射量を増大するとともに、前記第1の運転領域のうち、少なくとも所定の低負荷側では、この先行気筒に対する燃料噴射量の増大比率を後続気筒よりも大きくなるように制御手段が燃料噴射手段を制御する。この態様では、最も燃費のよい先行気筒を有効活用することが可能になる。すなわち、第1の運転領域では、先行気筒を加熱して圧縮自己着火運転を実行しているので、先行気筒での最大熱発生率((J/deg・m3)MAX)は、圧縮上死点近傍で発生する。このため、第1の運転領域のうち、少なくとも低負荷側で先行気筒に対する燃料噴射量の増大比率を後続気筒よりも大きくなるように設定することにより、最も燃費のよい状態で稼働している先行気筒のトルクを上げて、エンジン全体の燃費を改善することが可能になる。
好ましい態様においては、筒内空燃比を設定する空燃比設定手段を設け、圧縮自己着火運転領域では、筒内空燃比を理論空燃比よりもリーンになるように制御手段が空燃比設定手段を制御するものである。この態様では、圧縮自己着火運転を実現可能な運転領域を高負荷側に拡張できることと相俟って、広い運転領域でリーンでの圧縮自己着火を実行することにより、燃費や排気性能の改善を図ることが可能になる。
好ましい態様においては、気筒の混合気を点火する点火プラグを設け、高負荷運転領域では、吸気加熱手段を停止して独立吸排気状態にて全気筒で火花点火運転を実行するように制御手段が切換手段と点火プラグとを制御するものである。この態様では、吸気加熱手段を停止することによって、各気筒でのノッキングを防止することができるとともに、火花点火運転によって高負荷運転領域で高出力を得ることが可能になる。
好ましい態様においては、部分負荷運転領域では、先行気筒の吸気温度を低負荷側が高くなるように制御手段が吸気加熱手段を制御するものである。この態様では、吸気加熱手段の稼働時において、先行気筒の吸気温度を低負荷側が高くなるように設定されるので、燃焼安定性を低負荷側で確保することができるとともに、先行気筒での最大熱発生率((J/deg・m3)MAX)もまた、圧縮上死点近傍で発生する。このため、部分負荷運転領域では、最も燃費のよい状態で稼働している先行気筒のトルクを上げて、エンジン全体の燃費を改善することが可能になる。また、圧縮自己着火が可能な範囲で負荷の増加に伴って温度を下げることになるので、高負荷側では、ノッキングを抑制することが可能になる。
好ましい態様においては、各気筒に外部EGRを導入可能な外部EGRシステムを設け、前記第2の運転領域のうち、高負荷側では、各気筒に外部EGRを導入するように制御手段が外部EGRシステムを制御するものである。この態様では、圧縮自己着火が緩慢になる所定の高負荷運転領域では、外部EGRシステムによってEGRガスが導入されるので、ノッキングを回避し、しかも良好な排気性能を得ることが可能になる結果、圧縮自己着火運転を実現可能な運転領域をさらに高負荷側に拡張することが可能になる。
以上説明したように、本発明によれば、低負荷側では2気筒接続状態で圧縮自己着火運転を実行するエンジンにおいて、部分負荷運転領域のうち、第1の運転領域では、2気筒接続状態にて圧縮自己着火運転を全気筒で実行するとともに、高負荷側の第2の運転領域では、独立吸排気状態にて全気筒の吸気温度を高めて圧縮自己着火運転を全気筒で実行するようにしているので、後続気筒での着火遅れを防止でき、低負荷運転領域において、先行気筒での圧縮自己着火を実現するとともに、高負荷側での圧縮自己着火運転を実現することができるという顕著な効果を奏する。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る制御装置10の概略構成を示す構成図であり、図2は図1に係る4サイクルガソリンエンジン20の一つの気筒の構造を示す断面略図である。
図1および図2を参照して、図示の制御装置10は、4サイクルガソリンエンジン20と、このエンジン20を制御するためのコントロールユニット100とを備えている。
エンジン20は、クランクシャフト21を回転自在に支持するシリンダブロック22と、シリンダブロック22の上部に配置されたシリンダヘッド23とを一体的に有しており、これらシリンダブロック22およびシリンダヘッド23には、クランクシャフト21の長手方向に並ぶ4つの気筒24A〜24Dが形成されている。
各気筒24A〜24Dには、コンロッド25を介して前記クランクシャフト21に連結された4つのピストン26が嵌挿されている。本実施形態において、気筒列方向の一端側から第1気筒24A、第2気筒24B、第3気筒24C、第4気筒24Dと呼ぶと、このピストン26が各気筒24A〜24D内にて昇降する行程は、表1に示すように、当該気筒24A〜24Dの燃焼サイクルが、第1気筒24A、第3気筒24C、第4気筒24D、第2気筒24Bの順になるように、クランク角で180°ずつの位相差が設定されている。
Figure 2006283668
各気筒24A〜24D内には、燃焼室27が形成されている。この際、排気行程と吸気行程とが重なる2つ一組の気筒(第1気筒24Aと第2気筒24B、第3気筒24Cと第4気筒24D)間において、本実施形態では、排気行程側の気筒(本実施形態ではこれを先行気筒と呼ぶ)24A、24Dから吸気行程側の気筒(本実施形態ではこれを後続気筒と呼ぶ)24B、24Cへ既燃ガスをそのまま導くような配管構造が構成されている。そして、先行気筒24A、24Dの幾何学的圧縮比は、14から16の範囲に設定される一方、後続気筒24B、24Cの幾何学的圧縮比は、11から12の間に設定される。
図3は気筒24A〜24Dを拡大して示す平面略図である。
図2および図3を参照して、シリンダヘッド23の下面には、気筒24A〜24D毎に燃焼室27の天井部が構成され、この天井部は中央部分からシリンダヘッド23の下端まで延びる2つの傾斜面を有するいわゆるペントルーフ型となっている。
上述したように、先行気筒24A、24Dから後続気筒24B、24Cへ既燃ガスをそのまま導くような配管構造を構成するに当たり、先行気筒24A、24Dには、2つ一組の吸気ポート28が形成されているとともに、後続気筒24B、24Cには、吸気系統からの吸気を導入する一対の吸気ポート28aと、先行気筒24A、24Bからの既燃ガスを導入する吸気ポート28bがそれぞれ形成されている。他方、先行気筒24A、24Dには、既燃ガスをそのまま排気系統に排出するための排気ポート29aと、後続気筒24C、24Dへ既燃ガスを導くための排気ポート29bがそれぞれ一つずつ形成されているとともに、後続気筒24B、24Cには、既燃ガスをそのまま排気系統に排出するための排気ポート29のみが一つずつ形成されている。また、先行気筒24A、24Dの排気ポート29bは、気筒間ガス通路54によって、対応する後続気筒(図示の例では、第1気筒24Aについては第2気筒24B、第4気筒24Dについては第3気筒24C)の吸気ポート28bと連通可能に接続されている。
さらに、各吸気ポート28、28a、28bと、各排気ポート29、29a、29bには、それぞれ吸気弁30、30a、30bと、排気弁31、31a、31bが設けられている。各吸気弁30、30a、30bと、各排気弁31、31a、31bは、カムシャフト37、38等を含む周知の動弁機構により、所定のタイミングで開閉するように駆動される。
各気筒24A〜24Dの吸気弁30、30a、30bと、排気弁31、31a、31bには、それぞれ公知のタペットユニット36が設けられている。タペットユニット36は、シリンダヘッド23に設けられた動弁機構のカムシャフト37、38のカム37a、38aによって、周期的に駆動されるものである。
さらに、これらの各弁30〜30b、31〜31bのうち、先行気筒24A、24Dの排気弁31a、31bと、後続気筒24B、24Cの吸気弁30a、30bのタペットユニット36には、各弁30〜30b、31〜31bを作動状態と停止状態とに切り換える弁停止機構が設けられている。この弁停止機構の構造自体は、いわゆるロストモーション機構として従来から知られているため詳しい図示は省略する。
図4は、弁停止機能を有するタペットユニット36を制御するための回路構成を示す平面略図である。
図4を参照して、コントロールユニット100には、先行気筒24A、24Dの排気弁31aと、後続気筒24B、24Cの吸気弁30aのタペットユニット36に作動油を供給する作動油回路110のコントロール弁111が出力要素として接続されているとともに、先行気筒24A、24Dの排気弁31bと後続気筒24B、24Cの吸気弁30bのタペットユニット36に作動油を供給する作動油回路112のコントロール弁113が出力要素として接続されている。そして、各弁30a、30b、31a、31bは、コントロールユニット100によって、選択的に開閉されるよう構成されている。この結果、コントロールユニット100は、表2に示すように、先行気筒24A、24Dから排出される既燃ガスを後続気筒24B、24Cに導入する2気筒接続状態と、各気筒24A〜24Dが独立して吸排気可能な独立吸排気状態との間で各気筒24A〜24Dの吸排気経路を切り換え可能可能な切換手段を機能的に構成している。
Figure 2006283668
次に、図2を参照して、燃焼室27の側部には、コントロールユニット100からの燃料噴射パルスを受けて、このパルス幅に対応する燃料を燃焼室27に噴射する燃料噴射弁32が設けられている。この燃料噴射弁32は、図略のニードル弁及びソレノイドを内蔵し、コントロールユニット100からパルス信号が入力されることにより、そのパルス入力時期にパルス幅に対応する時間だけ駆動されて開弁し、その開弁時間に応じた量の燃料を噴射するように構成されている。なお、この燃料噴射弁32には図外の燃料ポンプにより燃料供給通路等を介して燃料が供給され、かつ、圧縮行程での燃焼室27内の圧力よりも高い燃料圧力を与え得るように燃料供給系統が構成されている。
図3を参照して、各気筒24A〜24Dには、シリンダヘッド23に固定され、燃焼室27内にスパークを発する3個の点火プラグ34が配設されている。各点火プラグ34は、ピストン26の稜線部分と平行なシリンダ直径沿いに並んでおり、中央のものがシリンダボア中心Z上に配置され、両側のものが燃焼室27の側縁に配置されている。各点火プラグ34には、電子制御による点火タイミングのコントロールが可能な点火回路35が接続されており、この点火回路35がコントロールユニット100に制御されることにより、点火プラグ34は、選択的に点火制御されるようになっている。
次に、図1および図2を参照して、エンジン20の吸気ポート28、28aには、インテークマニホールド42の分岐吸気管43が接続している。分岐吸気管43は、気筒24A〜24D毎に設けられており、それぞれがインテークマニホールド42に等長の吸気経路を形成した状態で接続されている。図示の実施形態において、各気筒24A〜24Dの吸気ポート28、28aは、それぞれクランクシャフト方向に沿って配設されており、前記分岐吸気管43の下流端は、各気筒24A〜24Dの吸気ポート28、28aに対応して二股に形成されている。分岐吸気管43の上流側合流部分には、開閉弁44が設けられている。開閉弁44は、三方電磁弁で具体化されたものであり、アクチュエータ45によって、個別に分岐吸気管43の集合部分を所望量だけ開閉できるように構成されている。
インテークマニホールド42の上流側には、新気をインテークマニホールド42内部に導入するための吸気通路46が接続されている。この吸気通路46には、スロットルバルブ47が設けられている。
排気ポート29には、各気筒24A〜24Dに2つ一組で形成された二股状の分岐排気管51が接続されている。各分岐排気管51の下流端は、エキゾーストマニホールド52に接続されている。このエキゾーストマニホールド52には、既燃ガスを排出する排気通路53が接続されている。この排気通路53には、排気浄化のために三元触媒55が設けられている。この三元触媒55は、一般に知られているように、排気ガスの空燃比が理論空燃比(つまり空気過剰率λ=1)付近にあるときにHC,CO及びNOxに対して高い浄化性能を示す触媒である。
次に、インテークマニホールド42、エキゾーストマニホールド52の間には、排気された既燃ガスをインテークマニホールド42に還流させる外部EGRシステム60が設けられている。外部EGRシステム60は、インテークマニホールド42とエキゾーストマニホールド52との間に形成された還流通路61に接続され、EGRクーラ62と、EGR弁63と、EGR弁63を駆動するアクチュエータ64とを備えた公知のバルブシステムである。
図5は図1の実施形態に係る吸気加熱手段としての吸気加熱システム70の構成を示す構成図である。
図5を参照して、吸気通路46には、スロットルバルブ47の上流側に三方電磁弁48が設けられており、この三方電磁弁48に接続されたバイパス通路49には、ヒータ50が設けられている。この三方電磁弁48は、開閉弁44と同様に、コントロールユニット100の制御により、開弁割合を変更可能に構成されている。従って、三方電磁弁48を切り換えることにより、所望の割合で外気をインテークマニホールド42に導入したり、ヒータ50で加温された空気をインテークマニホールド42に導入したりすることができるようになっている。
さらに吸気通路46には、加熱通路71が分岐接続されている。この加熱通路71の途中には、冷却水熱交換器72と、排気熱交換器73が接続されている。
加熱通路71は、各熱交換器72、73を経て吸熱した熱を吸気側に還流するためのものである。加熱通路71の下流側には、気筒24A〜24D毎に分岐した分岐管71aが設けられ、各分岐管71aは、対応する開閉弁44の吸気側のポートに接続されている。
冷却水熱交換器72は、エンジン20の水冷システム74に接続されて、エンジン20からラジエータ(図示せず)に還流する冷却水が吸収した熱を、加熱通路71を通る吸気に吸収させるためのものである。
排気熱交換器73は、エンジン20の排気通路53に接続されて、既燃ガスの熱を、加熱通路71を通る吸気に吸収させるためのものである。排気熱交換器73は、加熱通路71において、冷却水熱交換器72の下流側に配置されている。
本実施形態において、上述したヒータ50と、これら熱交換器72、73が、吸気加熱システム70の主要部を構成している。
図1を参照して、エンジン20の運転状態を検出するために、吸気通路46には、エアフローセンサSW1が設けられ、開閉弁44の下流には吸気温度Tを予測するための吸気温度センサSW2(図2参照)が設けられている。また、シリンダブロック22には、クランクシャフト21の回転数を検出する回転数センサSW3および冷却水の温度を検出するエンジン水温センサSW4が設けられている(図2参照)。さらに、排気通路53には、上述した三元触媒55の上流側に設けられて空燃比を制御するための酸素濃度センサSW5が設けられている。さらにヒータ50および排気熱交換器73には、それぞれ温度センサSW7、SW8が設けられており、ヒータ50で加熱されたバイパス通路49内の吸気の温度と、加熱通路71内の吸気の温度とを検出することができるようになっている。
エンジン20には、制御手段としてのコントロールユニット100が設けられている。このコントロールユニット100には、エアフローセンサSW1、吸気温度センサSW2、回転数センサSW3、エンジン水温センサSW4、酸素濃度センサSW5、エンジン負荷を検出するためのアクセル開度センサSW6、並びに温度センサSW7、SW8が入力要素として接続されている。これら各センサSW1〜SW8は、何れも本実施形態における運転状態検出手段の具体例である。他方、コントロールユニット100には、開閉弁44のアクチュエータ45、スロットルバルブ47のアクチュエータ、吸気通路46の三方電磁弁48、ヒータ50が制御要素として接続されている。
図1を参照して、コントロールユニット100は、CPU101、メモリ102、インターフェース103並びにこれらのユニット101〜103を接続するバス104を有するものであり、メモリ102に記憶されるプログラム並びにデータによって、運転状態を判定する運転状態判定手段と、空燃比を設定する空燃比設定手段とを機能的に構成している。
図6は、図1の実施形態に係る運転状態に応じた制御を行うための運転領域設定の一例を示す特性図である。
図6を参照して、図示の実施形態では、エンジン回転数Nが所定回転数N1以下の部分負荷運転領域Dにおいては圧縮自己着火運転を実行し、残余の領域Sでは、火花点火による強制着火運転を実行するように設定されている。
圧縮自己着火運転を実行する部分負荷運転領域Dは、所定の低負荷側の第1の運転領域D1と、前記所定の低負荷を越える第2の運転領域D2とに細分類されている。さらに第1の運転領域D1は、3つの運転領域D10〜D12に細分類され、第2の運転領域D2は、2つの運転領域D20、D21に細分類されている。
コントロールユニット100は、メモリ102に記憶されている図6の制御用マップに基づき、前記回転数センサSW3及びアクセル開度センサSW6等からの信号により調べられるエンジンの運転状態(エンジン回転数及びエンジン負荷)が何れの運転領域にあるかを判別するようになっている。
各運転領域D、Sにおいて、コントロールユニット100は、作動油回路110、112のコントロール弁111、113を駆動することにより、エンジンの運転状態に応じて各気筒24A〜24Dの吸排気経路を表3の通り切り換え、吸気加熱システム70を作動する。本実施形態では、第1の運転領域D1では、各気筒24A〜24Dの接続状態が2気筒接続状態に設定されるとともに、第2の運転領域D2では、各気筒24A〜24Dの接続状態が独立吸排気状態に設定される。
Figure 2006283668
吸気温度の調整方法としては、予めメモリ102にエンジン運転状態に基づく目標吸気温度と吸気量とを制御マップとして記憶しておき、アクセル開度センサSW6、温度センサSW7、SW8の検出値から筒内への吸気温度Tと目標吸気量になるように、制御マップから値を読取って、スロットルバルブ47、開閉弁44、三方電磁弁48の開量を調整することにより実現される。また、開閉弁44の制御により、先行気筒24A、24Dのみを加熱するように設定することも可能になっている。
次に、部分負荷運転領域Dの範囲を決定するための制御要因について説明する。
図7〜図9はコントロールユニット100に設定される制御条件の基礎となったクランク角度と熱発生率dQ/dθとの関係を示すグラフである。これらのグラフは、本件発明者の研究結果によって得られたものであり、コントロールユニット100のメモリ102には、これらのグラフに基づく制御マップが記憶されている。なお各図において、破線で示す曲線はスロットル全開のときに圧縮自己着火可能な最小の燃料噴射量に設定した場合の特性、実線で示す曲線は破線と同じ吸気温度Tでノッキング限界まで空燃比を下げた場合の特性を表わしている。また、実線で示す曲線の符号は、吸気温度Tが対応する破線で示す曲線の符号に添え字を付加したものである。
図7を参照して、圧縮自己着火によってエンジン20を無負荷状態で運転する場合、吸気温度Tは、T1(=270℃)に設定する必要がある。このT1では、最大熱発生率(dQ/dθ)MAXが圧縮上死点よりも前に発生するため、このまま空燃比を下げると、逆トルクが大きくなる。また、T1よりも20℃低いT2(=250℃)でも、依然、最大熱発生率(dQ/dθ)MAXは圧縮上死点よりも前に発生し、燃料噴射量を増やした場合、大きな逆トルクが発生する。次に、図8を参照して、負荷が高くなった場合、吸気温度Tは、T3(=225℃)、T4(=205℃)、T5(=190℃)、T6(=175℃)、T7(=160℃)の各曲線で示すように、圧縮上死点以降に最大熱発生率(dQ/dθ)MAXが現れる。
次に、図9を参照して、各吸気温度特性T1〜T7を重ね合わせた場合、概ね熱発生率dQ/dθが所定の値(約80J/deg・m3)のところをピークとする山形のノッキング限界曲線を描くことになる。そこで本実施形態では、第1の運転領域D1と第2の運転領域D2の境界をこの所定の熱発生率dQ/dθ(約80J/deg・m3)に基づき、稼働気筒の筒内空燃比が理論空燃比よりもリーンであってスロットル全開時の運転状態において、設定されるべき空燃比がλ=2以下となる範囲に設定している。なお図9において、図の左側の直線は、各吸気温度T1〜T7での燃焼開始タイミングを示しており、右側の直線は、燃焼変動率が5%未満の燃焼終了(MFB=95%)限界を表わしている。
図7〜図9で示した特性から、本実施形態では、部分負荷運転領域Dでは、吸気加熱システム70を稼働して、負荷に応じた吸気加熱温度で吸気を加熱するとともに、高負荷運転領域Sでは、吸気加熱システム70を停止し、ノッキングの防止を図っている(図10参照)。
さらに、部分負荷運転領域Dのうち、低負荷側の第1の運転領域D1では、先行気筒24A、24Dのみを加熱し、後続気筒では吸気加熱システム70の加熱を停止するようにしている。
また、表3で示したように、部分負荷運転領域Dのうち、低負荷側の運転領域D1においては、2気筒接続状態にて各気筒24A〜24Dで圧縮自己着火運転を実行することにより、比較的低い吸気温度Tで圧縮自己着火運転が可能となるように設定している。他方、高負荷側の第2の運転領域D2においては、独立吸排気状態にて各気筒24A〜24Dで圧縮自己着火運転を実行することにより、圧縮自己着火運転を実現可能な運転領域を高負荷側に拡げて燃費と排気性能の向上を図っている。
次に、細分化された第1の運転領域D1に関する燃料噴射量について説明する。
図10は、エンジン負荷毎の制御特性を示すグラフである。
図10を参照して、第1の運転領域D1のうち、最も低負荷側の運転領域D10は、最大熱発生率(J/deg・m3)MAXが圧縮上死点よりも前に発生する運転領域として設定されている。この運転領域D10では、図7で示したような最大熱発生率(J/deg・m3)MAXの特性が現われることから、先行気筒24A、24Dを加熱するに当たり、吸気加熱システム70の設定温度を最高値に設定するとともに、燃料の噴射量を必要最低限度に留めて、先行気筒24A、24Dでの圧縮自己着火運転を維持しつつ、逆トルクによる燃費悪化を抑制制御するようにコントロールユニット100が設定されている。
次の低負荷側の運転領域D11では、最大熱発生率(J/deg・m3)MAXが圧縮上死点以降に発生し始める運転領域である。
図11は低負荷側の運転領域D11でのクランク角度と熱発生率dQ/dθとの関係を示すグラフである。
図11に示すように、低負荷側の運転領域D11にて上述のような設定を行うことにより、先行気筒24A、24Dでの熱発生率特性は、Lc1のように圧縮上死点経過直後に発生し、燃料噴射量の増量に伴ってLc11のようになる。このため、極めて混合気の燃焼によるエネルギーが極めて大きな膨張仕事に変換されることになる。他方、後続気筒24B、24Cにおいては、Lc2のように最大熱発生率(J/deg・m3)MAXが圧縮上死点から比較的遅れたところで発生する特性となり、燃料噴射量を増量してもLc21のようになり、ノッキングが発生しやすくなる。従って、運転領域D11においては、先行気筒24A、24Dの燃費が最も高いため、先行気筒24A、24Dのみ燃料噴射量を増量するとともに、ノッキング限界ぎりぎりまで吸気温度Tを維持するようにしている一方、この運転領域D11までは、後続気筒24B、24Cへの燃料噴射量は最低限度に留められている。
図10を参照して、第1の運転領域D1で最も高負荷側の運転領域D12では、後続気筒24B、24Cのノッキング対策を講じる必要がある領域であり、この領域では、先行気筒24A、24Dの燃料の増量割合を幾分低減する一方、後続気筒24B、24Cの燃料噴射量も微増するようにコントロールユニット100が設定されている。なお、エンジン20の個体差等を考慮して、この運転領域D12では、図10の破線で示すように後続気筒24B、24Cでの燃料噴射量を一定にしてもよい。
他方、第2の運転領域D2では、全気筒24A〜24Dが独立吸排気状態にて圧縮自己着火運転を実行する。この第2の運転領域D2においても、コントロールユニット100は、前記吸気加熱システム70を作動させ、エンジン負荷に応じて吸気温度を調整する。本実施形態では、この第2の運転領域D2のうち、高負荷側の運転領域D21においては、外部EGRシステム60を稼働し、各気筒24A〜24Dに対して外部EGRを導入することとしている。
さらに、高負荷運転領域Sでは、全気筒24A〜24Dが独立吸排気状態にて強制着火運転が実行される。上述したように、この高負荷運転領域Sでは、吸気加熱システム70を停止し、ノッキングの防止を図っている。
以上説明したように本実施形態では、圧縮自己着火運転が実行される部分負荷運転領域Dにおいて、所定の低負荷側に設定される第1の運転領域D1では、各気筒24A〜24Dが2気筒接続状態に切り換えられ、この状態で全気筒24A〜24Dによる圧縮自己着火運転が実行される。ここで、本実施形態では、先行気筒24A、24Dの吸気温度Tを吸気加熱手段としての吸気加熱システム70によって高めることとしているので、従来困難であった先行気筒24A、24Dでの圧縮自己着火運転を実現することが可能になる。また、各気筒24A〜24Dが2気筒接続状態になっているので、先行気筒24A、24Dから導入された既燃ガスにより、後続気筒24B、24Cの筒内も速やかに加熱され、既燃ガスによるEGR効果と相俟って後続気筒24B、24Cでも燃焼安定性が向上する。次に、エンジン負荷が増大して運転状態が部分負荷運転領域Dのうち、前記第1の運転領域D1を越える第2の運転領域D2に至ると、各気筒24A〜24Dの接続状態が2気筒接続状態から独立吸排気状態に切り換えられるとともに、この状態で全気筒24A〜24Dの吸気温度Tが加熱され、全気筒24A〜24Dが独立吸排気状態で圧縮自己着火運転を実行する。このため、後続気筒24B、24Cにおいては、部分負荷運転領域Dのうち、高負荷側では先行気筒24A、24Dからの既燃ガスに依存することなく、圧縮自己着火運転を実行することになるので、ヘビーEGRによる着火遅れを防止することが可能になる。この結果、圧縮自己着火運転が可能な運転領域を高負荷側に拡張することが可能になり、高負荷運転時における燃費や排気性能が著しく向上する。
本実施形態では、気筒24A〜24D毎に燃料噴射量を制御可能に燃料を噴射する燃料噴射弁32を設け、エンジン負荷の増大に伴って先行気筒24A、24Dに対する燃料噴射量を増大するとともに、前記第1の運転領域D1のうち、少なくとも所定の低負荷側(運転領域D10、D11)では、この先行気筒24A、24Dに対する燃料噴射量の増大比率を後続気筒24B、24Cよりも大きくなるようにコントロールユニット100が燃料噴射弁32を制御する。このため本実施形態では、最も燃費のよい先行気筒24A、24Dを有効活用することが可能になる。すなわち、第1の運転領域D1では、先行気筒24A、24Dを加熱して圧縮自己着火運転を実行しているので、先行気筒24A、24Dでの最大熱発生率((J/deg・m3)MAX)は、圧縮上死点近傍で発生する。このため、第1の運転領域D1のうち、少なくとも低負荷側の運転領域D10、D11で先行気筒24A、24Dに対する燃料噴射量の増大比率を後続気筒24B、24Cよりも大きくなるように設定することにより、最も燃費のよい状態で稼働している先行気筒24A、24Dのトルクを上げて、エンジン全体の燃費を改善することが可能になる。
本実施形態では、気筒24A〜24D毎に燃料噴射量を制御可能に燃料を噴射する燃料噴射弁32を設け、圧縮自己着火運転領域では、筒内空燃比を理論空燃比よりもリーンになるようにコントロールユニット100が燃料噴射弁32を制御するものである。このため本実施形態では、圧縮自己着火運転を実現可能な運転領域を高負荷側に拡張できることと相俟って、広い運転領域でリーンでの圧縮自己着火を実行することにより、燃費や排気性能の改善を図ることが可能になる。
本実施形態では、気筒の混合気を点火する点火プラグ34を設け、高負荷運転領域Sでは、吸気加熱システム70を停止して独立吸排気状態にて全気筒24A〜24Dで火花点火運転を実行するようにコントロールユニット100が切換手段と点火プラグ34とを制御するものである。このため本実施形態では、吸気加熱システム70を停止することによって、各気筒24A〜24Dでのノッキングを防止することができるとともに、火花点火運転によって高負荷運転領域Sで高出力を得ることが可能になる。
本実施形態では、部分負荷運転領域Dでは、先行気筒24A、24Dの吸気温度Tを低負荷側が高くなるようにコントロールユニット100が吸気加熱システム70を制御するものである。このため本実施形態では、吸気加熱システム70の稼働時において、先行気筒24A、24Dの吸気温度Tを低負荷側が高くなるように設定されるので、燃焼安定性を低負荷側で確保することができるとともに、先行気筒24A、24Dでの最大熱発生率(J/deg・m3)MAXもまた、圧縮上死点近傍で発生する。このため、部分負荷運転領域Dでは、最も燃費のよい状態で稼働している先行気筒24A、24Dのトルクを上げて、エンジン全体の燃費を改善することが可能になる。また、圧縮自己着火が可能な範囲で負荷の増加に伴って温度を下げることになるので、高負荷側では、ノッキングを抑制することが可能になる。
本実施形態では、各気筒24A〜24Dに外部EGRを導入可能な外部EGRシステムを設け、前記第2の運転領域D2のうち、高負荷側(運転領域D21)では、各気筒24A〜24Dに外部EGRを導入するようにコントロールユニット100が外部EGRシステム60を制御するものである。このため本実施形態では、圧縮自己着火が緩慢になる所定の高負荷運転領域Sでは、外部EGRシステム60によってEGRガスが導入されるので、ノッキングを回避し、しかも良好な排気性能を得ることが可能になる結果、圧縮自己着火運転を実現可能な運転領域をさらに高負荷側に拡張することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態によれば、低負荷側では2気筒接続状態で圧縮自己着火運転を実行するエンジン20において、部分負荷運転領域Dのうち、第1の運転領域D1では、2気筒接続状態にて圧縮自己着火運転を全気筒24A〜24Dで実行するとともに、第2の運転領域D2では、独立吸排気状態にて全気筒24A〜24Dの吸気温度Tを高めて圧縮自己着火運転を全気筒24A〜24Dで実行するようにしているので、後続気筒24B、24Cでの着火遅れを防止でき、低負荷運転領域において、先行気筒での圧縮自己着火を実現するとともに、高負荷側での圧縮自己着火運転を実現することができるという顕著な効果を奏する。
本発明の実施の一形態に係る制御装置の概略構成を示す構成図である。 図1に係る4サイクルガソリンエンジンの一つの気筒の構造を示す断面略図である。 気筒を拡大して示す平面略図である。 弁停止機能を有するタペットユニットを制御するための回路構成を示す平面略図である。 図1の実施形態に係る筒内加熱手段としての筒内加熱システムの構成を示す構成図である。 図1の実施形態に係る運転状態に応じた制御を行うための運転領域設定の一例を示す特性図である。 コントロールユニットに設定される制御条件の基礎となったクランク角度と熱発生率との関係を示すグラフである。 コントロールユニットに設定される制御条件の基礎となったクランク角度と熱発生率との関係を示すグラフである。 コントロールユニットに設定される制御条件の基礎となったクランク角度と熱発生率との関係を示すグラフである。 エンジン負荷毎の制御特性を示すグラフである。 低負荷側の運転領域でのクランク角度と熱発生率との関係を示すグラフである。
符号の説明
10 制御装置
20 4サイクルガソリンエンジン
21 クランクシャフト
24A、24D 先行気筒
24B、24C 後続気筒
28、28a、28b 吸気ポート
29、29a、29b 排気ポート
30、30a、30b 吸気弁
31、31a、31b 排気弁
32 燃料噴射弁
34 点火プラグ
35 点火回路
44 開閉弁
46 吸気通路
48 三方電磁弁
50 ヒータ
54 気筒間ガス通路
60 外部EGRシステム
70 吸気加熱システム
100 コントロールユニット
110 作動油回路
111 コントロール弁
112 作動油回路
113 コントロール弁
SW1 エアフローセンサ(運転状態検出手段の一例)
SW2 吸気温度センサ(運転状態検出手段の一例)
SW3 回転数センサ(運転状態検出手段の一例)
SW4 エンジン水温センサ(運転状態検出手段の一例)
SW5 酸素濃度センサ(運転状態検出手段の一例)
SW6 アクセル開度センサ(運転状態検出手段の一例)
SW7、SW8 温度センサ(運転状態検出手段の一例)

Claims (6)

  1. 排気行程と吸気行程とが重なるような位相差をもって燃焼サイクルが実行される少なくとも一対の気筒と、
    排気行程にある先行気筒から排出される既燃ガスを吸気行程にある後続気筒に導入する2気筒接続状態と各気筒が独立して吸排気可能な独立吸排気状態との間で各気筒の吸排気経路を切り換え可能な切換手段と、
    エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    運転状態検出手段の検出に基づいて、各気筒の吸排気経路を2気筒接続状態と独立吸排気状態とを択一的に切り換えて圧縮自己着火運転と火花点火運転とを選択的に実行するように切換手段を制御する制御手段と
    を備えた火花点火式多気筒エンジンの制御装置において、
    気筒毎に温度調整可能に筒内を加熱する吸気加熱手段を設け、
    部分負荷運転領域のうち、所定の低負荷側にある第1の運転領域では、2気筒接続状態にて先行気筒の吸気温度を高めることにより圧縮自己着火運転を全気筒で実行し、部分負荷運転領域のうち、前記第1の運転領域を越える第2の運転領域では、独立吸排気状態にて全気筒の吸気温度を高めて圧縮自己着火運転を全気筒で実行するように制御手段が吸気加熱手段および切換手段を制御することを特徴とする火花点火式多気筒エンジンの制御装置。
  2. 請求項1記載の火花点火式多気筒エンジンの制御装置において、
    気筒毎に燃料噴射量を制御可能に燃料を噴射する燃料噴射手段を設け、
    エンジン負荷の増大に伴って先行気筒に対する燃料噴射量を増大するとともに、前記第1の運転領域のうち、少なくとも所定の低負荷側では、この先行気筒に対する燃料噴射量の増大比率を後続気筒よりも大きくなるように制御手段が燃料噴射手段を制御するものであることを特徴とする火花点火式多気筒エンジンの制御装置。
  3. 請求項1または2記載の火花点火式多気筒エンジンの制御装置において、
    筒内空燃比を設定する空燃比設定手段を設け、
    圧縮自己着火運転領域では、筒内空燃比を理論空燃比よりもリーンになるように制御手段が空燃比設定手段を制御するものであることを特徴とする火花点火式多気筒エンジンの制御装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の火花点火式多気筒エンジンの制御装置において、
    気筒の混合気を点火する点火プラグを設け、
    高負荷運転領域では、吸気加熱手段を停止して独立吸排気状態にて全気筒で火花点火運転を実行するように制御手段が切換手段と点火プラグとを制御するものであることを特徴とする火花点火式多気筒エンジンの制御装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の火花点火式多気筒エンジンの制御装置において、
    部分負荷運転領域では、先行気筒の吸気温度を低負荷側が高くなるように制御手段が吸気加熱手段を制御するものであることを特徴とする火花点火式多気筒エンジンの制御装置。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の火花点火式多気筒エンジンの制御装置において、
    各気筒に外部EGRを導入可能な外部EGRシステムを設け、
    前記第2の運転領域のうち、高負荷側では、各気筒に外部EGRを導入するように制御手段が外部EGRシステムを制御するものであることを特徴とする火花点火式多気筒エンジンの制御装置。
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