JP2006281230A - 異形鋼板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長手方向に板厚が連続的に変化するLP鋼板(異形鋼板)を製造するに際して、長手方向の材質均一化および高圧延能率を可能とするLP鋼板の製造方法を提供する。
【解決手段】
鋼板10の上面側には、鋼板搬送方向の上流側から下流側に向けたスリットラミナーノズル11が設けられ、LP鋼板10の下面側には、円管ノズル12が長手方向と幅方向に一定ピッチで複数個設けられている。このような強冷却かつ均一冷却することが可能な機能を有する制御冷却設備を用いて、長手方向の温度制御を行いながらLP鋼板の制御冷却を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】
鋼板10の上面側には、鋼板搬送方向の上流側から下流側に向けたスリットラミナーノズル11が設けられ、LP鋼板10の下面側には、円管ノズル12が長手方向と幅方向に一定ピッチで複数個設けられている。このような強冷却かつ均一冷却することが可能な機能を有する制御冷却設備を用いて、長手方向の温度制御を行いながらLP鋼板の制御冷却を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、長手方向に厚板が連続的に変化する異形鋼板(LP鋼板)の製造方法に関し、特に、材質均一化および高圧延能率を可能とするLP鋼板の製造方法に関するものである。
板長さ方向へ板厚が連続的に変化するLP鋼板(Longitudinally Profiled Steel Plate)は、板長さ方向へ受ける応力分布に応じた断面形状を有する一般構造用部材等として使用することが可能であるため、素材重量の軽減や部材加工工数の削減等といった点で多大な効果を奏する。
LP鋼板は、通常、熱間圧延によって所定の形状に圧延された後、必要により、制御冷却によって所定の材質特性を得ることで製造されている。その際に、LP鋼板に最も要求される性能の一つは長手方向にわたる材質均一化である。
LP鋼板の長手方向の材質均一化を実現するためには、例えば、特許文献1のように、LP鋼板の上方に設けたノズルから該LP鋼板に水を吹き付けて水冷を行なう際に、水冷ノズル高さをLP鋼板の板厚に応じて変更する方法や、特許文献2のように、LP鋼板の搬送速度および/または冷却水量を調整することで、厚肉端と薄肉端の温度幅(水冷開始温度−水冷停止温度)を実質上同じ温度幅になるように水冷を行なった後に空冷する方法などがある。
特開2001−009512号公報
特開平10−192912号公報
前記特許文献1のようにLP鋼板の上方に設けたノズルから該LP鋼板に水を吹き付けて水冷を行なう際に、水冷ノズル高さをLP鋼板の板厚に応じて変更する方法では、確かに水冷ノズルと鋼板との間隔を変更することで熱伝導率は変化するが、LP鋼板上の冷却水は薄部方向に流出するため長手方向全長を目標温度とすることは困難である。さらに、厚部ではLP鋼板とノズルの間隔が、例えば約10mmと狭く、LP鋼板は、通常の等厚の鋼板と比較して鋼板の反りが発生しやすいことから、設備破損の可能性がある。設備破損を回避するために、LP鋼板を搬送せずに冷却することも考えられるが、製造能率が著しく低下するため実操業では不可能である。
また、特許文献2のように、LP鋼板の搬送速度および/または冷却水量を調整することで、厚肉端と薄肉端の温度幅(水冷開始温度―水冷停止温度)を実質上同じ温度幅に水冷を行なった後に空冷する方法では、水冷開始・終了時の厚部・薄部の温度を正確に把握し、厳格に制御する必要があり実操業では不可能であると考えられる。特に、長手方向と幅方向の二方向に板厚が連続的に変化する二方向LP鋼板では実施困難である。
このように、特許文献1、2に記載の制御冷却では、均一な材質のLP鋼板を安定して製造が困難であることから、制御圧延によってLP鋼板を製造することが行われているが、そのためには、圧延仕上温度を下げることが避けられず、圧延能率が低下するという問題がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、長手方向の材質均一化および高圧延能率を可能とする異形鋼板(LP鋼板)の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]長手方向に板厚が連続的に変化する異形鋼板の製造方法であって、700℃以上の仕上温度で熱間圧延を終了後、前記異形鋼板を上下に挟む複数個の拘束ロールの対と、隣接する前記拘束ロールの対の間に配置して、前記鋼板の上下面に向けて冷却水を噴射する上部冷却ノズルおよび下部冷却ノズルとを備え、鋼板長さ方向において前記下部冷却ノズルが前記上部冷却ノズルより多く設置され、表面温度履歴および冷却水が接触する鋼板搬送方向の位置が前記鋼板の上下面で同じになるように、前記上部冷却ノズルおよび前記下部冷却ノズルの位置、並びに前記上部冷却ノズルおよび前記下部冷却ノズルから噴射される冷却水の流量が調整された制御冷却設備を用いて、前記異形鋼板の長手方向各位置において前記各冷却ノズルへ供給するそれぞれの冷却水の通水量を調節すること、あるいは前記各ノズルに供給する冷却水の通水量を一定とし、前記異形鋼板の前記制御冷却設備への通過速度を長手方向の位置によって変化させることにより、前記異形鋼板の長手方向各位置が前記冷却設備を通過した後に許容冷却温度範囲内の温度に冷却することを特徴とする異形鋼板の製造方法。
本発明の異形鋼板の製造方法によれば、長手方向の材質均一化および高圧延能率が可能となる。また、それに伴って、当然のことながら鋼板形状についても良好であり、矯正率を低減することができる。
以下に本発明の実施の形態について述べる。
図1は、本発明の一実施形態において用いる制御冷却設備を示すものである。この冷却装置では、熱間圧延後、冷却装置内に搬送されてきたLP鋼板10を挟んで、その上下に一対の拘束ロール(上拘束ロール13と下拘束ロール14)がLP鋼板10の搬送方向に複数組(図1中では2組)設けられ、上流側の拘束ロールと下流側のロールによって仕切られて各冷却ゾーンが構成されている。そして、各冷却ゾーンには、LP鋼板10の上面側には、鋼板搬送方向の上流側から下流側に向けたスリットラミナーノズル11が設けられ、LP鋼板10の下面側には、円管ノズル12が長手方向と幅方向に一定ピッチで複数個設けられている。なお、15は、LP鋼板10の板厚に応じて上拘束ロール13を上昇または下降させるための上拘束ロール昇降装置である。
このように、前記異形鋼板(LP鋼板)を上下に挟む複数個の拘束ロールの対と、隣接する前記拘束ロールの対の間に配置して、前記鋼板の上下面に向けて冷却水を噴射する上部冷却ノズルおよび下部冷却ノズルとを備え、鋼板長さ方向において前記下部冷却ノズルが前記上部冷却ノズルより多く設置されることで、鋼板からの抜熱量を高くすることができる。このような抜熱量が非常に高い状態では、核沸騰を維持できる温度領域が拡大し、広い温度領域で鋼板表面温度の低下とともに抜熱量も低下する伝熱特性となるため、鋼板表面温度が低下するにしたがって冷却前に存在した温度ムラが解消され、すなわち、強冷却かつ均一冷却することが可能となる。そして、前記制御冷却設備は、異形鋼板の表面温度履歴および冷却水が接触する鋼板搬送方向の位置が前記鋼板の上下面で同じになるように、前記上部冷却ノズルおよび前記下部冷却ノズルの位置、並びに前記上部冷却ノズルおよび前記下部冷却ノズルから噴射される冷却水の流量の調整が可能となる(図示しない)制御装置を有しており、このような制御冷却設備を用いて鋼板の制御冷却を行なうことにより、鋼板の強靭化が実現できる。
これは冷却速度の向上によりAr3点が低下し、変態核の増加により変態後の粒成長が抑制されることによりフェライトが細粒化することで、強冷却により微細に分散したベイナイト組織となり、このベイナイトが遷移温度を劣化させずに強度を上昇することができるためである。すなわち、強冷却かつ均一冷却する機能を有していない従来の制御冷却設備を用いた場合の熱間圧延仕上温度よりも高温の仕上温度とすることによりこのような強靭化が可能となる。
そこで、熱間圧延における仕上温度をできるだけ高温、具体的には700℃以上で完了する。というのは、仕上700℃未満の温度から冷却を開始すると、前記した微細に分散したベイナイト組織が得られないからである。
さらには、本発明における制御冷却設備を用いて、前記異形鋼板の長手方向各位置が前記冷却設備を通過した後に許容冷却温度範囲内の温度に冷却されるよう鋼板長手方向の温度制御を行いながらLP鋼板の制御冷却を行なう。具体的には、異形鋼板の長手方向各位置において前記上部冷却ノズルおよび下部冷却ノズルへ供給するそれぞれの冷却水の通水量を調節する方法や、前記上部冷却ノズルおよび前記下部冷却ノズルに供給する冷却水の通水量を一定とし、前記異形鋼板の前記制御冷却設備への通過速度を長手方向の位置によって変化させる方法が挙げられる。これによって、LP鋼板の長手方向の材質均一化および高圧延能率を図ることができる。
すなわち、図1に示したような本発明の制御冷却設備を用いる場合は、熱間圧延の仕上温度が高温であっても均一に冷却することができる。さらには、高温から冷却を開始できるため、冷却開始までの待機時間がほとんど不要となり、長手方向で板厚の異なる異形鋼板で問題となる、制御冷却前の鋼板長手方向の温度偏差をほとんど無くすることができ、制御冷却での鋼板長手方向の温度制御が容易となる。
以下に、本発明の実施例を示す。
上記の実施形態のように、図1に示した本発明に係る制御冷却設備(冷却ゾーン)を3ゾーン有する設備を用いてLP鋼板を製造した場合を本発明例とし、制御圧延(圧延のパススケジュールの最適化により、要求される強度を確保)によってLP鋼板を製造した場合を従来例1、従来の制御冷却設備(冷却ゾーンが拘束ロールにより仕切られておらず、上部冷却ノズルと下部冷却ノズルとして同様の円管ノズルが複数設けられた構造)を用いてLP鋼板を製造した場合を従来例2とした。ここで、本発明例では、圧延後に求められた長手方向のプロフィルに基づき、冷却の制御ポイントとなる分割点を長手方向に4つ設け、先尾端および前記4つの分割点において、制御冷却設備通過後の鋼板表面温度が許容冷却温度範囲内の温度(目標温度500℃±20℃)となるように、制御冷却設備を通過する際の通板速度を加減速させた。
なお、対象材は以下の条件を全て満たすLP鋼板である。
(1)品種は造船向け50キロ鋼:YP36キロのA・Dグレードである。
(2)厚部厚は20mm〜40mm、薄部厚12mm〜35mmである。
(3)最大テーパー勾配は8mm/1000mm、最大テーパー量は20mmである。
(1)品種は造船向け50キロ鋼:YP36キロのA・Dグレードである。
(2)厚部厚は20mm〜40mm、薄部厚12mm〜35mmである。
(3)最大テーパー勾配は8mm/1000mm、最大テーパー量は20mmである。
本発明例と従来例における、圧延仕上温度、圧延能率、水冷後の幅方向中央の長手方向表面温度、薄部と厚部の材料試験結果(TS、吸収エネルギー)について示す。また、表2に、本発明例と従来例における、矯正率について示す。なお、これらの数値は平均値で示している。矯正率については板厚を3区分にして示している。
表1、表2に示すように、本発明例では、圧延能率、材質均一化、鋼板形状とも、従来例1及び従来例2より良好であることが確認された。
このように、本発明の異形鋼板の製造方法によれば、長手方向の材質均一化および高圧延能率並びに低矯正率が可能となる。
10 LP鋼板
11 スリットラミナーノズル
12 円管ノズル
13 上拘束ロール
14 下拘束ロール
15 上拘束ロール昇降装置
11 スリットラミナーノズル
12 円管ノズル
13 上拘束ロール
14 下拘束ロール
15 上拘束ロール昇降装置
Claims (1)
- 長手方向に板厚が連続的に変化する異形鋼板の製造方法であって、700℃以上の仕上温度で熱間圧延を終了後、前記異形鋼板を上下に挟む複数個の拘束ロールの対と、隣接する前記拘束ロールの対の間に配置して、前記鋼板の上下面に向けて冷却水を噴射する上部冷却ノズルおよび下部冷却ノズルとを備え、鋼板長さ方向において前記下部冷却ノズルが前記上部冷却ノズルより多く設置され、表面温度履歴および冷却水が接触する鋼板搬送方向の位置が前記鋼板の上下面で同じになるように、前記上部冷却ノズルおよび前記下部冷却ノズルの位置、並びに前記上部冷却ノズルおよび前記下部冷却ノズルから噴射される冷却水の流量が調整された制御冷却設備を用いて、前記異形鋼板の長手方向各位置において前記各冷却ノズルへ供給するそれぞれの冷却水の通水量を調節すること、あるいは前記各ノズルに供給する冷却水の通水量を一定とし、前記異形鋼板の前記制御冷却設備への通過速度を長手方向の位置によって変化させることにより、前記異形鋼板の長手方向各位置が前記冷却設備を通過した後に許容冷却温度範囲内の温度に冷却することを特徴とする異形鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2005101680A JP2006281230A (ja) | 2005-03-31 | 2005-03-31 | 異形鋼板の製造方法 |
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