JP2006281084A - ガス処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 処理槽2において、ガスと処理液とを気液接触させる気液接触室5の上方に、処理液を貯留する貯留室6を設けて、その貯留室6から処理液供給管7を介して、処理液を気液接触室5内へ重力落下させる。これによって、トラブルにより送液ポンプ4の駆動が停止してしまい、処理液が循環ライン17を循環しなくなったときでも、処理液は、貯留室6内の処理液がなくなるまで、処理液供給管7を介して気液接触室5内へ供給される。そのため、送液ポンプ4のトラブルに起因する処理液の気液接触室5に対する供給が中断しても、気液接触室5での処理液とガスとの気液接触を継続することができ、ガスの処理が継続でき安全性のより一層の向上を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
このようなガス処理装置として、例えば、図3に示す除害塔が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、処理槽32には、気液接触室35を下方から上方に向かって流れるように、有害ガスが供給されており、有害ガスは、気液接触室35内において、シャワー36から散布される処理液と上下方向において対向するように、効率的に気液接触し、無害化され、その後、処理槽32から大気に放出される。
本発明の目的は、格別の動力を要せずとも、処理液を気液接触室内へ供給することができるガス処理装置を提供することにある。
気液接触室を複数設けて、ガス通過パスによって、ガスを各気液接触室に直列的に通過させれば、ガスの処理を多段連続的に実施することができる。そのため、ガスの効率的な処理を達成することができる。また、このように、気液接触室を複数設けても、処理液供給手段が、ガス通過パスを流れるガスの流れ方向において、少なくとも最下流側の気液接触室に対して処理液を供給するので、動力源のトラブルに起因する処理液の気液接触室に対する供給が中断しても、少なくとも最下流側の気液接触室において、処理液とガスとの接触を継続することができ、ガスの処理が継続でき安全性のより一層の向上を図ることができる。
処理液還流手段によって、処理液を還流すれば、処理液の無駄をなくし、ランニングコストの低減を図ることができる。
そして、本発明のガス処理装置は、前記ガスが、塩化カルボニル含有ガスであり、前記処理液が、アルカリ性水溶液である、塩化カルボニル含有ガスを無害化するためのガス処理装置として好適に用いられる。また、本発明のガス処理装置は、前記ガスが塩化水素含有ガスであり、前記処理液が水またはアルカリ性水溶液である、塩化水素ガスの処理装置としても好適に用いられる。さらに、本発明のガス処理装置は、前記ガスと前記処理液との組合わせとして、アンモニアまたはアルキルアミン含有ガスと水または酸性水溶液との組合わせ、SOxまたはNOx含有ガスと水またはアルカリ性水溶液との組合わせ、揮発性有機化合物含有ガスと有機溶媒との組合わせなどの、ガスの除害(無害化)・吸収・回収などを目的としたガス処理装置としても好適に用いられる。
図1において、この除害塔1Aは、化学製品を製造するプラントにおいて、化学処理工程において生成する排ガスとしての有害ガスを無害化して、大気に放出するために、設備されている。有害ガスとしては、例えば、ポリイソシアネート製造プラントにおいて、ポリイソシアネートの製造工程において生成する塩化カルボニル含有ガスや塩化水素含有ガスなどが挙げられる。
処理槽2は、上端部および下端部が閉鎖され上下方向に延びる密閉の円筒形状をなし、気液接触室5、貯留室6および処理液供給手段としての処理液供給管7を備えている。
処理槽2には、その下側において、処理槽2内を上下方向に仕切る充填物支持板8が設けられるとともに、その上側において、充填物支持板8から上方に間隔を隔てて、気液接触室5と貯留室6とを区画するために、処理槽2内を上下方向に仕切る貯留室底板9が設けられている。なお、充填物支持板8には、多数の通気(通液)孔が穿孔されている。
貯留室6は、貯留室底板9から上方の処理槽2の内部空間として画成されている。
次に、この除害塔1Aの定常連続運転について述べる。
この除害塔1Aにおいて、送液ポンプ4を駆動させると、処理液が、貯留タンク3から汲み上げられ、輸送管14を介して、貯留室6に輸送される。
このように、処理液を循環させれば、処理液の無駄をなくし、ランニングコストの低減を図ることができる。
そして、貯留室6に貯留されている処理液によって、有害ガスが無害化されている間に、停電の場合には、補助電源に切り替えたり、故障の場合には、別の送液ポンプを駆動させたりすることによって、再び、処理液を循環させることができる。
また、貯留室6における処理液の貯留量も、有害ガスや処理液の種類や、プラントの処理量により、適宜決定される。
この除害塔1Bは、1段目除害塔1aおよび2段目除害塔1bが、有害ガスの流れ方向において直列的に接続される2段連続式除害塔として構成されている。
但し、1段目除害塔1aの処理槽2には、処理液供給管7が設けられておらず、その代わりに、輸送管14の一端部が、気液接触室5に挿入され、充填物の上方に配置されている(但し、必要に応じて、処理液供給管7を1段目除害塔1aに設置してもよい)。なお、輸送管14の一端部には、図示しないが、処理液を充填物に対して均一に散布できるように、シャワーまたは液分散器が設けられている。
また、この除害塔1Bでは、1段目除害塔1aの処理ガス流出管12が、ガス通過パスとして、2段目除害塔1bの有害ガス流入管11となって、2段目除害塔1bの処理槽2における気液接触室5の下側に接続されている。
この除害塔1Bにおいて、1段目除害塔1aでは、送液ポンプ4を駆動させると、処理液が、貯留タンク3から汲み上げられ、輸送管14を介して、気液接触室5内において、充填物の上方から充填物に対して散布される。
そして、散布された処理液は、有害ガス流入管11から流入され気液接触室5内の充填物の隙間を下方から上方に向かって通過する有害ガスと、上下方向において対向するように、効率的に気液接触して、無害化される。なお、この除害塔1Bでは、1段目除害塔1aでの有害ガスの無害化率を、100%未満となるように条件設定しており、次の2段目除害塔1bでの有害ガスの無害化によって、有害ガスを100%無害化している。
また、処理液は、処理槽2の下端部から還流管13を介して、貯留タンク3に戻り、輸送管14と還流管13とで形成される循環ライン17を循環する。
貯留室6内に輸送された処理液は、処理液供給管7に流入され、制限オリフィス10によって流量が制限された後、重力落下により、処理液供給管7から流出し、気液接触室5内において、充填物の上方から充填物に対して散布される。このとき、貯留室6にオーバーフローラインを設けて、オーバーフローした処理液を併せて気液接触室5内に散布してもよい。
その後、2段目除害塔1bで無害化された有害ガス、すなわち、処理ガスは、処理ガス流出管12を介して大気に開放される。
そして、この除害塔1Bにおいても、停電や故障などのトラブルにより各送液ポンプ4の駆動が停止してしまい、処理液が各循環ライン17を循環しなくなったときでも、処理ガスが大気に開放される直前の2段目除害塔1b(すなわち、多段連続式除害塔において、有害ガスの流れ方向における最下流側の除害塔)において、貯留室6に貯留されている処理液が、格別の動力を要せずとも、処理液供給管7を介して、気液接触室5内へ重力落下して、処理液と有害ガスとの気液接触を継続するので、第1実施形態の除害塔1Aと同様に、送液ポンプ4のトラブルに起因する処理液の気液接触室5に対する供給が中断しても、気液接触室5での処理液と有害ガスとの気液接触を継続することができ、有害ガスの処理を継続することができ安全性のより一層の向上を図ることができる。
なお、第2実施形態の除害塔1Bでは、2段目除害塔1bのみに、処理液供給管7を設けて処理液を重力落下させたが、1段目除害塔1aにも、処理液供給管7を設けて処理液を重力落下させることもできる。しかし、処理ガスが大気に開放される直前の2段目除害塔1b(すなわち、多段連続式除害塔において、有害ガスの流れ方向における最下流側の除害塔)のみに処理液供給管7を設けて処理液を重力落下させるようにすれば、有害ガスの処理の安全性のより一層の向上を図りつつ、装置構成の簡略化を図ることができる。
5 気液接触室
6 貯留室
7 処理液供給管
11 有害ガス流入管
12 処理ガス流出管
13 還流管
14 輸送管
Claims (4)
- ガスと処理液とを接触させて、ガスを処理するためのガス処理装置であって、
ガスと処理液とを気液接触させる気液接触室と、
前記気液接触室より上方に配置され、処理液を貯留する貯留室と、
前記貯留室内の処理液を重力落下により前記気液接触室内へ供給するための処理液供給手段と
を備えていることを特徴とする、ガス処理装置。 - 前記気液接触室が複数設けられており、
複数の前記気液接触室に対して、ガスを各前記気液接触室に直列的に通過させるガス通過パスをさらに備え、
前記処理液供給手段は、前記ガス通過パスを流れるガスの流れ方向において、少なくとも最下流側の前記気液接触室に対して処理液を供給することを特徴とする、請求項1に記載のガス処理装置。 - 前記気液接触室から排出される処理液を、前記貯留室へ還流するための処理液還流手段を、さらに備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載のガス処理装置。
- 前記ガスが、塩化カルボニル含有ガスであり、前記処理液が、アルカリ性水溶液であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のガス処理装置。
Priority Applications (2)
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JP2005103945A JP2006281084A (ja) | 2005-03-31 | 2005-03-31 | ガス処理装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106731564A (zh) * | 2015-11-25 | 2017-05-31 | 衡阳市锦轩化工有限公司 | 一种氯气氧化adc发泡剂尾气处理的装置 |
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2005
- 2005-03-31 JP JP2005103945A patent/JP2006281084A/ja active Pending
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