JP2006277910A - ヘッドスタックアッセンブリの製造方法、並びに、かかるヘッドスタックアッセンブリを有する磁気ディスク装置 - Google Patents

ヘッドスタックアッセンブリの製造方法、並びに、かかるヘッドスタックアッセンブリを有する磁気ディスク装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006277910A
JP2006277910A JP2005100200A JP2005100200A JP2006277910A JP 2006277910 A JP2006277910 A JP 2006277910A JP 2005100200 A JP2005100200 A JP 2005100200A JP 2005100200 A JP2005100200 A JP 2005100200A JP 2006277910 A JP2006277910 A JP 2006277910A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arm
base plate
pair
caulking
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005100200A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4322223B2 (ja
Inventor
Kenichiro Aoki
健一郎 青木
Toshiyuki Nakada
敏幸 中田
Takaharu Ariga
敬治 有賀
Yoshiaki Nagasawa
芳明 長澤
Nobuyuki Hirono
信行 廣野
Yasuhiro Hamada
康広 濱田
Shin Sakairi
慎 坂入
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2005100200A priority Critical patent/JP4322223B2/ja
Priority to EP05255141A priority patent/EP1708176A3/en
Priority to US11/208,570 priority patent/US7599150B2/en
Priority to KR1020050080956A priority patent/KR100732933B1/ko
Publication of JP2006277910A publication Critical patent/JP2006277910A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4322223B2 publication Critical patent/JP4322223B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)

Abstract

【課題】アームの変形を効果的に抑制するヘッドスタックアッセンブリの製造方法、並びに、当該ヘッドスタックアッセンブリを有する磁気ディスク装置を提供する。
【解決手段】一対のサスペンションを前記アーム144の両側に取り付ける一対のベースプレート150とを有するヘッドスタックアッセンブリ110を製造する方法であって、開口を有するボス31をそれぞれ有する前記一対のベースプレート150が前記アーム144の貫通孔の両側に挿入された状態で、前記開口よりも大きな加工部材を前記貫通孔内で前記ボスの前記開口を一方向に貫通することによって前記一対のベースプレート150を前記アーム144にカシメ締結するステップを有し、前記アーム144が受ける前記中立面回りのモーメントは、前記加工部材によってカシメ締結した後で前記アーム144が受ける前記中立面回りのモーメントよりも小さいことを特徴とする方法を提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、一般に、ヘッドを支持及び駆動するヘッドスタックアッセンブリとそれを有する磁気ディスク装置に係り、特に、ヘッドスタックアッセンブリにおけるサスペンションとアームとの接続方法に関する。本発明は、例えば、ハードディスク装置(Hard Disc Drive:HDD)に使用されるヘッドスタックアッセンブリの製造に好適である。
近年のインターネット等の普及に伴って画像、映像を含む大容量の情報を記録する需要が増大してきた。このため、HDDなどの磁気ディスク装置の大容量化の需要は益々高まっている。HDDは、典型的に、磁性体を付着したディスクと、ヘッドを支持してディスクの所望の位置に移動するヘッドスタックアッセンブリ(Head Stack Assembly:HSA)とを有する。HSAは、モータによって軸周りに揺動するキャリッジ(「アクチュエータ」、断面がほぼE字形状であるために「Eブロック」、若しくは、「アクチュエータ(AC)ブロック」とも呼ばれる)と、キャリッジの支持部(以下、「アーム」という。)に取り付けられたサスペンションと、サスペンションに支持された磁気ヘッド部と、サスペンションをアームに取り付けるベースプレートとを有する。磁気ヘッド部は、信号を記録及び再生する微小なヘッドコア(以下、単に「ヘッド」という。)とこれを支持するスライダとから構成される。
サスペンションは、スライダをディスクに所定の押付力で押し付ける板ばね機能も有する。ディスクが回転すると回転に伴う空気流(エア・ベアリング)がスライダとディスクとの間に形成され、スライダをディスク面から浮上させる。浮上したスライダは、浮上力と押付力との釣り合いにより、ディスクから一定距離だけ離間する。かかる状態において、アームが旋回してヘッドをディスク上の所望の位置へ移動(シーク)して情報の読み出し及び書き込みを行う。
近年の高記録密度のディスクでは高精度なヘッドの位置決め精度が必要となり、HSAを高精度に製造する必要がある。例えば、サスペンションが製造誤差により反ったり捩れたりすれば、スライダに作用する押付力、浮上量、姿勢、振動特性などが設計値から変化して位置決め精度が低下する。
HSAにおいては、サスペンションとベースプレートはレーザー溶接されるが、ベースプレートとアームとはカシメ締結される。カシメ締結とは、ベースプレートの一部をアームに対して押し潰して塑性変形させることによって両者を接合する方法である。カシメ締結されたベースプレートとアームとは、ナイフなどの鋭利な部材を両者間に挿入すれば分離可能であり、このようなカシメ締結は磁気ディスク装置の経済性を向上させる。なぜなら、サスペンションや磁気ヘッド部に欠陥があれば、ベースプレート側のみを交換すれば足り、HSA全体を交換する必要がなくなるからである。
ところが、ベースプレートを塑性変形するために加えられる力はベースプレートの反りなどの変形をもたらし、ヘッドの位置決め精度を低下させる。そこで、ベースプレートが変形力を受ける部分とサスペンションとの接合部分との間に薄肉部を形成してベースプレートの変形がサスペンションに波及するのを低減する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照のこと)。
特開平7−192420号公報
本発明者らは、ベースプレートの変形が、塑性変形力を受けたベースプレート自身による変形と、アームの変形の重畳であることを発見した。このため、前者のみを防止しようとする特許文献1の方法では、アームによる変形がベースプレートに及ぶことを十分には低減することができない。
そこで、本発明は、アームの変形を効果的に抑制するHSAの製造方法、並びに、当該HSAを有する磁気ディスク装置を提供することを例示的な目的とする。
本発明の一側面としてのHSAの製造方法は、各々ヘッドを支持する一対のサスペンションと、前記ヘッドを駆動するアームと、前記一対のサスペンションを前記アームの両側に取り付ける一対のベースプレートとを有するヘッドスタックアッセンブリを製造する方法であって、開口を有するボスをそれぞれ有する前記一対のベースプレートが前記アームの貫通孔の両側に挿入された状態で、前記開口よりも大きな加工部材を前記貫通孔内で前記ボスの前記開口を一方向に貫通することによって前記一対のベースプレートを前記アームにカシメ締結するステップを有し、前記アームの厚さを半分にする面を中立面とすると、前記カシメ締結ステップ後に前記一対のベースプレートによって前記アームが受ける前記中立面回りのモーメントは、前記一対のベースプレートの前記一方向に沿った上流側のベースプレートを下流側のベースプレートの代わりに前記中立面に関して対称に配置した構造を前記加工部材によってカシメ締結した後で前記アームが受ける前記中立面回りのモーメントよりも小さいことを特徴とする。一対のボスがアームに与えるモーメントが相殺されるためにアームの変形は小さくなる。
モーメントを小さくするには、接触力及び/又は中立面から接触力が加わる位置までの距離を制御すればよい。例えば、前記カシメ締結ステップ前に、前記一対のベースプレートのうち前記上流側のベースプレートの最小内径は前記下流側のベースプレートの最小内径よりも小さくしてもよい。また、前記カシメ締結ステップ前に、前記貫通孔の中心軸を含む断面において、前記加工部材に最初に当接する前記ベースプレートの位置を第1の位置とし、前記ベースプレートと前記アームとの接触する位置を第2の位置とすると、前記上流側のベースプレートは前記第2の位置が前記第1の位置よりも前記中立面に近く、前記下流側のベースプレートは前記第1の位置が前記第2の位置よりも前記中立面に近くてもよい。更に、前記カシメ締結ステップ前に、前記一対のベースプレートのうち前記上流側のベースプレートが前記アームと接触する位置と前記中立面との距離は、前記下流側のベースプレートが前記アームと接触する位置と前記中立面との距離よりも長くてもよい。
前記貫通孔の中心軸を含む断面において、前記貫通孔内にある前記ボスの最小厚さは、前記貫通孔の外にある前記ベースプレートの厚さの60%以下であってもよい。これにより、カシメ締結によるベースプレート自身による変形を防止することができる。
上述のいずれかの方法から製造されたHSAを有する磁気ディスク装置は、高い位置決め精度を維持することができるので本発明の一側面を構成する。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、アームの変形を効果的に抑制するHSAの製造方法、並びに、当該HSAを有する磁気ディスク装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の一実施例としてのHDD100について説明する。HDD100は、図1に示すように、筐体102内に、記録担体としての複数の磁気ディスク104と、スピンドルモータ106と、HSA110とを収納する。ここで,図1は、HDD100の内部構造の概略平面図である。
筐体102は、例えば、アルミダイカストベースやステンレスなどから構成され、直方体形状を有し、内部空間を密閉する図示しないカバーが結合される。本実施形態の磁気ディスク104は高い面記録密度、例えば、100Gb/in以上を有する。磁気ディスク104は、その中央に設けられた孔を介してスピンドルモータ106のスピンドルに装着される。
スピンドルモータ106は、例えば、15000rpmなどの高速で磁気ディスク104を回転し、例えば、図示しないブラシレスDCモータとそのロータ部分であるスピンドルを有する。例えば、2枚の磁気ディスク104を使用する場合、スピンドルには、ディスク、スペーサー、ディスク、クランプと順に積まれてスピンドルと締結したボルトによって固定される。本実施形態と異なり、磁気ディスク104は中央孔を有さずにハブ有するディスクであってもよく、その場合、スピンドルはハブを介してディスクを回転する。
HSA100は、磁気ヘッド部120と、サスペンション130と、キャリッジ140と、ベースプレート150とを有する。
磁気ヘッド部120は、図2に示すように、略直方体に形成されるAl−TiC(アルチック)製のスライダ121と、スライダ121の空気流出端に接合されて、読み出し及び書き込み用のヘッド122を内蔵するAl(アルミナ)製のヘッド素子内蔵膜123とを備える。ここで、図2は、磁気ヘッド部120の拡大斜視図である。スライダ121及びヘッド素子内蔵膜123には、磁気ディスク104に対向する媒体対向面、即ち、浮上面124が規定される。磁気ディスク104の回転に基づき生成される気流125は浮上面124に受け止められる。
浮上面124には、空気流入端から空気流出端に向かって延びる2筋のレール126が形成される。各レール126の頂上面にはいわゆるABS(空気軸受け面)127が規定される。ABS127では気流125の働きに応じて浮力が生成される。ヘッド素子内蔵膜123に埋め込まれたヘッド122はABS127で露出する。なお、磁気ヘッド部120の浮上方式はかかる形態に限られず、既知の動圧潤滑方式、静圧潤滑方式、ピエゾ制御方式、その他の浮上方式を適用することができる。また、起動方式は、停止時に磁気ヘッド部120がディスク104に接触するコンタクトスタートストップ方式であってもよいし、停止時に磁気ヘッド部120をディスク104から持ち上げてディスク104の外側にあるランプで磁気ヘッド部120をディスク104と非接触に保持し、起動時に保持部からディスク104上に落とすダイナミックローディング又はランプロード方式を採用してもよい。
ヘッド122は、図示しない導電コイルパターンで生起される磁界を利用して磁気ディスク104に2値情報を書き込む誘導書き込みヘッド素子(以下、「インダクティブヘッド素子」という。)と、磁気ディスク104から作用する磁界に応じて変化する抵抗に基づき2値情報を読み取る磁気抵抗効果(以下、「MR」という。)ヘッド素子とを有するMRインダクティブ複合ヘッドである。MRヘッド素子は、(CIP(Current in Plane)構造を利用したGMR、CPP(Current Perpendicular to Plane)構造を利用したGMRを含む)GMR(巨大磁気抵抗:Giant Magnetoresistive)、TMR(Tunneling Magnetoresistive)、AMR(anisotropic Magnetoresistive)等種類を問わない。
サスペンション130は、磁気ヘッド部120を支持すると共に磁気ヘッド部120に対して磁気ディスク104に抗して弾性力を加える機能を有し、例えばステンレス製のワトラス形サスペンションである。かかるサスペンションは磁気ヘッド部120を片持ち支持するフレキシャー(ジンバルばねその他の名称で呼ばれる場合もある)とベースプレートに接続されるロードビーム(ロードアームその他の名称で呼ばれる場合もある)とを有する。ロードビームはZ方向に十分な押付力を印加するようにバネ部を中央に有している。従って、ロードビームは基端部が剛体部、中央がバネ部、末端部が剛体部に構成されている。また、ABS124はディスクの反りやうねりに追従して常にディスク面と平行になるように、ディンプル(ピボットその他の名称で呼ばれる場合もある)という突起を介してロードビームとフレキシャーは接触している。磁気ヘッド部120はディンプルを中心に柔らかくピッチングとローリングができるように設計されている。また、サスペンション130は磁気ヘッド部120にリード線などを介して接続される配線部138も支持する。配線部138は後述する図4(a)に示されている。かかるリード線を介して、ヘッド122と配線部138との間でセンス電流、書き込み情報及び読み出し情報が供給及び出力される。配線部138は図3(b)に示すアーム144の下を通る中継フレキシブル回路基板(中継FPC)143に接続される。
本実施形態では、後述するように、ベースプレート150の反り量が低減しているので、サスペンション130及び磁気ヘッド部120の平坦度が改善されている。このため、過度の弾性力や捩れ力によるクラッシュや位置決め精度の低下を防止することができる。
キャリッジ140は、磁気ヘッド部120を図1に示す矢印方向に回動する機能を有し、図1及び図3(a)乃至図3(b)に示すように、ボイスコイルモータ141と、支軸142と、FPC143と、アーム144とを有する。ここで、図3(a)は、HSA110の左側面図、図3(b) はHSA110の平面図、図3(c) はHSA110の右側面図である。ここでは、3枚のディスク104の両面を記録再生する6個の磁気ヘッド部120を駆動するキャリッジ140を示しているが、ディスクの枚数が3枚に限定されないことはいうまでもない。
ボイスコイルモータ141は、2本のヨーク141aに挟まれてフラットコイル141bを有する。フラットコイル141bは図示しないHDD100の筐体102側に設けられた磁気回路に対向して設けられており、フラットコイル141bに流される電流の値に応じてキャリッジ140が支軸142回りに揺動する。磁気回路は、例えば、筐体102内に固定された鉄板に固定された永久磁石と、キャリッジ140に固定された可動磁石を有する。支軸142は、キャリッジ140に設けられた円筒中空孔に嵌合し、筐体102内に図1の紙面に垂直に延びるように配置される。FPC143は、配線部138に制御信号及びディスク104に記録されるべき信号並びに電力を供給すると共にディスク104から再生された信号を受信する。
アーム144は、支軸142の周りに回転又は揺動可能に設けられるアルミニウム製の剛体であり、その先端には後述する貫通孔145が設けられる。かかるアーム144の貫通孔145とベースプレート150を介してサスペンション130がアーム144に取り付けられる。アーム144は、図3(a)及び図3(c)に示すように、側面から見ると櫛状に形成されている。
ベースプレート150は、サスペンション130をアーム144に取り付ける機能を有し、図4(a)乃至図5(b)に示すように、平板部151と、被溶接部152と、窪み(ダボ)154とを有する。被溶接部152は、サスペンション130にレーザー溶接される平板部151の先端である。窪み154は、アーム144にカシメ締結される部位である。ここで、図4(a)はベースプレート150が接合されたサスペンション130の概略平面図であり、図4(b)はその概略断面図である。図5(a)はベースプレート150の概略平面図であり、図5(b)はベースプレート150の概略断面図である。
以下、図6を参照して、図3(a)に示す上から2番目のアーム144とベースプレート150との接続について説明する。図3(a)に示す上から2番目のアーム144は、その両側にベースプレート150が取り付けられるダブルヘッド構造を有する。ここで、図6は、かかるアーム144とベースプレート150との接続を説明するためのフローチャートである。
まず、図5(a)及び(b)に示すように、一対のベースプレート150を作成する(ステップ1002)。ステップ1002では、ベースプレート150の平板部151に窪み154をプレス加工で形成する。窪み154は、図7に示すように、その先端に、張り出し部156と開口157とを有する。張り出し部156及びその近傍は、塑性変形するL字形状のボス155を構成する。ここで、図7は、ベースプレート150の概略拡大平面図及び断面図である。
次に、図4(a)及び(b)に示すように、ベースプレート150の被溶接部152とサスペンション130とをレーザー溶接する(ステップ1004)。なお、磁気ヘッド部120は、ステップ1004の前又は後でサスペンション130に取り付けられる。
次に、図8に示すように、ベースプレート150の窪み152がアーム144の貫通孔に挿入されるようにアームの両側にベースプレートを配置する(ステップ1006)。ここで、図8は、一対のベースプレート150がアーム144の両側に配置された状態を示す図である。次に、カシメ締結を行う(ステップ1008)。カシメ締結では、図8に示すように、開口157の径よりも若干大きな径を有するボール50を矢印で示す一方向に沿って貫通孔145を通過させる。この結果、ベースプレート150のボス155を、図8に示す水平方向の矢印に示すように、潰して塑性変形させ、これによってベースプレート150とアーム144とを接合する。なお、図8に一点鎖線で示すように、アーム144の厚さを半分にし、貫通孔145の中心軸に垂直な面を中立面ISと呼ぶ。
本発明者らは、従来の上下のベースプレートが、図8であれば、上方向に反ってしまう理由を検討したところ、ベースプレートの変形は、ボール50によって塑性変形力を受けたベースプレート自身による変形のみならず、アーム144の変形も影響していることを発見した。
まず、従来のベースプレートの形状を誇張して書けば図9(a)に示すようになる。ここで、図9(a)は、カシメ締結前の従来のベースプレート30A及び30Bとアーム144との配置を示す部分拡大断面図である。ボール50が上側のベースプレート30Aと最初に接触する位置(力点)Pはベースプレート30Aがアーム144と接触する位置(支点)Pよりも上側(即ち、支点Pが力点Pよりも中立面IS側)にある。これは、力点Pが支点Pよりも中立面IS側にあればボール50が通過すると上側の張り出し部32Aはアーム144方向に変形するよりも反時計回りの矢印方向に変形しやすくなる。ボール50が加える変形力が張り出し部32Aの下方向への変形に多く費やされて水平方向の変形が少なくなれば、ボス31Aがアーム144に及ぼす締結力又は接触力が弱くなり、ベースプレート30Aとアーム144とが分離し易くなり好ましくない。同様の理由により、ボール50が下側のベースプレート30Bと最初に接触する位置(力点)Pはベースプレート30Aがアーム144と接触する位置(支点)Pよりも下側(即ち、支点Pが力点Pよりも中立面IS側)にある。
次に、上側のベースプレート30Aは断面L字形状のボス31Aを有するのに対し、下側のベースプレート30Bは断面逆L字形状のボス31Bを有する。図9(b)に簡略的に示すように、L字形状のボス31Aと逆L字形状のボス31Bが共にボール50によって垂直下向きに力を受けるとボス31A及び31Bは水平方向に変形するのみならず共に下方向に変形する。ここで、図9(b)は、カシメ締結によって従来のベースプレートに働く力とベースプレートからアームへの接触力の大きさを示す部分拡大断面図である。
この場合、L字形状を開こうとする力FはL字形状を閉じようとする力Fよりも小さくなる。このため、ボール50は下方向に移動する際に、ボス31Aでは小さい力Fで足りるが、ボス31Bでは大きな力Fを必要とする。かかる関係はそのまま水平方向の力である接触力にも当てはまる。即ち、ボス31Aからアーム144に働く接触力Fはボス31Bからアーム144に働く接触力Fよりも小さくなる。
中立面IS回りの接触力Fと接触力Fとの関係からアーム144は図9(b)では反時計回りのモーメントを受けるため、図9(c)に示すように上側に変形する。ここで、図9(c)は、カシメ締結後のベースプレートとアームの変形を示す部分拡大断面図である。そして、アーム144に追従してベースプレート30Aと30Bは上側に変形する。この際、ベースプレート30Bの変形は上側にアーム144によって規制されるが、ベースプレート30Aには上側の変形を規制する部材がないのでベースプレート30Aの方がより大きく上側に変形する。また、カシメ締結後は、ベースプレート30Aの方がベースプレート30Bよりも張り出し部が中立面ISに近くなる。これはベースプレート30A及び30Bがアーム144の変形によってもたらされる変形であり、ベースプレート30A及び30Bは、力F及びFによる張り出し部32A及び32Bの変形に起因してそれ自身も変形する。この結果、ベースプレート30A及び30Bの変形は、それら自身の変形とアーム144による変形の重畳となる。
アーム144の変形によるベースプレート30A及び30Bの変形を小さくするために、本発明者らは、アーム144が中立面IS周りに受けるモーメントが上下のベースプレート150A及び150Bでできるだけ相殺されるように構成することを検討した。即ち、図8において、ベースプレート150Aのボスがアーム144に及ぼす接触力をF11、接触力F11が作用する点P11と中立面ISとの距離をL11、ベースプレート150Bのボスがアーム144に及ぼす接触力をF22、接触力F22が作用する点P22と中立面ISとの距離をL22とすると、本実施例は、ベースプレート150Aのボスが中立面IS回りにアーム144に及ぼすモーメントM=F11×L11と、ベースプレート150Bのボスが中立面IS回りにアーム144に及ぼすモーメントM=F22×L22とが略等しくなるように、上下のベースプレート150A及び150Bの形状や配置をカシメ締結前に異ならせている。MをMと略等しくするために、ベースプレート150Aを固定すれば、ベースプレート150BのF22及び/又はL22を調整することになる。

11=L22であればF11とF22との差を小さくすればよい。これにより、アーム144に働くモーメントが小さくなり、変形が小さくなるからである。例えば、図9(b)において接触力F及びFの差を小さくすることを考える。図9(b)における接触力F及びFの差は、上側ベースプレート30Aの張り出し部32Aが外側に(即ち、L字形状を開く方向に)変形するのに対して下側ベースプレート30Bの張り出し部32Bは内側に(即ち、L字形状を閉じる方向に)変形すること、即ち、上下の張り出し部32A及び32Bの変形方向が異なることに起因する。
このため、本実施例では、原理的に、図9(a)における位置Pと位置P、並びに、位置Pと位置Pの関係を、図10(a)に示すように、逆転させている。ここで、図10(a)は、支点P’及びP’よりも力点P’及びP’を中立面IS側に配置した図8に示す本実施例のベースプレート150A及び150Bの模式図である。なお、本発明では、カシメ締結ステップ前に、中立面ISと力点P’(又はP’)との距離が、中立面ISと支点P’(又はP’)との距離以下に設定されていれば足りる。図10(a)に示す構造を作成するには、例えば、ステップ1002において使用するプレス装置の金型のうちベースプレート150の張り出し部の底面を形成する下型を傾斜面とするなどである。
このような配置にすれば、力点P’及びP’がボール50によって水平方向の力を受けた場合、上側ベースプレート150Aの張り出し部156Aと下側ベースプレート150Bの張り出し部156Bは共に同一方向に(即ち、L字形状を開く方向に)変形することになり、ボール50に対する抵抗力がほぼ同じになる。この結果、図8に示す上側ベースプレート150Aのボス155Aがアーム144に及ぼす接触力F11と下側ベースプレート150Bのボス155Bがアーム144に及ぼす接触力F22との差は小さくなる。この結果、アーム144の変形は小さくなり、ベースプレート150A及び150B並びにそれらに接続されたサスペンション130の反りは小さくなる。
上述したように、支点P’及びP’よりも力点P’及びP’を中立面IS側に配置するとボス155A及び155Bがアーム144に及ぼす接触力は低下するが、多少接触力を犠牲にしてもサスペンション130の平坦度を維持する方がヘッド122の位置決め精度を維持する上で好ましい。もっとも、接触力が低すぎるとサスペンション130がアーム144から分離し易くなると共に振動特性が悪化するため、本実施例は、後述するように、所定の下限を設けている。
また、図10(b)に示すように、図10(a)の構造に加えて、ベースプレート150C及び150Dの貫通孔145より外側の本来の厚さTよりも貫通孔145内の最小厚さTを小さくすることによって、ボール50によるベースプレート自身の変形の影響がサスペンション130に波及することを抑制することができる。ここで、図10(b)は図10(a)の変形例の概略拡大断面図である。
図8において、L11とL22が異なれば、MをMに等しくするためにL22及び/又はF22を調節すればよい。例えば、L22を小さくしてP22を中立面に近づけたり、ボス155Bの最小半径を大きくしてF22を小さくしたりするなどである。以下の実施例でかかる例を説明する。
カシメ締結前の形状が図11(a)に示すようなベースプレート150A及び150Bをカシメ締結して図11(b)に示すような形状を、有限要素法(FEM)を利用したシミュレーションによって得た。図11(a)乃至図11(b)では、P’とP’は中立面ISから略等しい距離にある。
(比較例)
カシメ締結前の形状が図12(a)に示すような従来のベースプレート30A及び30Bをカシメ締結して図12(b)に示すような形状を、FEMを利用したシミュレーションによって得た。
図11(b)と図12(b)について接触力を求めたところ、図11(c)に示すように、本実施例では、上側接触力が210Nで下側接触力が240Nであるのに対して、比較例では、上側接触力が220Nで下側接触力が266Nであり、本実施例では上下の接触力のバランスが取られ、約40%の反り量低減の効果が得られた。
実施例1において、図11(b)及び図11(c)に示すカシメ締結後は、ベースプレート150A及び150Bと中立面ISとの垂直方向の距離(図11(c)の上下方向)は略等しく、ベースプレート150A及び150Bとアーム144とのそれぞれの接触位置と、ベースプレート150A及び150Bの中立面に最も近い点との距離のうち、大きい距離は小さい距離の130%以下(後述する実施例3の−17°≦θ≦0に対応)、より好ましくは115%以下(後述する実施例3の−12°≦θ≦0に対応)である。2つのベースプレート150と中立面との距離が略等しくなることによってアーム144に働くモーメントを低減することができる。これに対して、図12(b)及び図12(c)に示す比較例では、各ベースプレート30から中立面ISまでの距離のうち大きい距離は小さい距離の3倍以上である。
別の実施例では、上側ベースプレートは比較例のようにして下側ベースプレートを本実施例のようにしてもよい。この結果、上側接触力が220Nで下側接触力が240Nとなり、接触力差は更に小さくなる。
実施例1の構造において、図10(b)に示すように、厚さTを厚さTの半分にしてベースプレートの反り量とアームの変位について調べた。実施例1、比較例、実施例2の結果を表1に示す。なお、表1においては、上方向の変位をプラスにしており、「位置」のUPは上側のベースプレート150A(又は150C)を意味し、DNは下側のベースプレート150B(又は150D)を意味する。
図13に示すように、上側ベースプレート150Aについて、支点P’から中立面ISと平行な直線を引き、かかる直線と支点P’及び力点P’を結んだ直線のなす角度θとする。ここで、図13は貫通孔145の中心軸を含むカシメ締結前の状態を示す断面である。力点P’及びP’はベースプレート150A及び150Bの最小内径を有する位置のうち中立面ISから最も離れた位置である。また、支点P’及び支点P’は、ベースプレート150A及び150Bとアーム144とが接触する位置のうち中立面ISに最も近い位置である。
同様にして、下側ベースプレート150Bについて、支点P’から中立面ISと平行な直線を引き、かかる直線と支点P’及び力点P’を結んだ直線のなす角度θとする。図13においては、力点P’及びP’はボール50に対して突出して、それぞれ点とみなすことができる。上側ベースプレート150Aについてθは時計回りが正であり、下側ベースプレート150Bについてθは反時計回りが正である。θを変化させながらベースプレート150A及び150B並びにアーム144の反り量と上下の接触力並びにその差を調べると図14(a)及び図14(b)に示すようになった。
図14(a)から、アーム144の反り量は−17°≦θ≦5°の範囲では約一定であることが理解されるが、θは0以下であることが好ましいことから−17°≦θ≦0が好ましい。但し、θ≦−12°の範囲では上下のベースプレートの反り量と上下の接触力の差が急激に変化するため、−12°≦θ≦0°が好ましい。
また、ベースプレート150とアーム144との安定した接触力を200Nに設定すると、θ≦−12°の範囲では上側接触力が200N以下となるので−12°≦θが好ましい。
本実施例は実施例3と同様であるが、図15に示すように、最内径が面であり、かつ、面積が広い点で図13と異なる。本実施例では、ベースプレート150A及び150Bの最小内径を有する位置(力点P’及びP’が存在する位置)が複数存在する。本実施例でも、θ’を変化させながらベースプレート150A及び150B並びにアーム144の反り量と上下の接触力並びにその差を調べると図16(a)及び図16(b)に示すようになった。θ’の角度の正負はθと同様である。
図16(a)から、アーム144の反り量は−10°≦θ≦10°の範囲では約一定であることが理解されるが、θは0以下であることが好ましいことから−10°≦θ≦0が好ましい。但し、θ≦−5°の範囲では上下のベースプレートの反り量と上下の接触力の差が急激に変化するため、−5°≦θ≦5°が好ましいが、θは0以下であることが好ましいことから−5°≦θ≦0が好ましい。
また、ベースプレート150とアーム144との安定した接触力を200Nに設定すると、θ≦−5°の範囲では上側接触力が200N以下となるので−5°≦θが好ましい。
図10(b)に示す構成で厚さTや厚さTと厚さTとの比を変化させて、ベースプレート150C及び150D並びにアーム144の反り量を調べると図17(a)及び図17(b)に示すようになった。上側ベースプレート150Cの反り量と下側ベースプレート150Dの反り量はベースプレート自身の反り量とアームの反り量の和となっている。厚さTを大きくするほどベースプレート150自身の反り量が下がるために反り量は低減する。しかし、厚さTの増加に伴い、アーム144の反り量は増加するため,ベースプレート150のトータルの反り量はある点で極値を持つ結果となる。図17(a)を参照するに、厚さTが0.1mm(厚さTに対して50%の厚さ)でトータルの反り量は最も小さくなる。図17(a)及び図17(b)から、0.12mm≦T≦0.07mmが好ましく、製造バラツキを考えれば0.08mm≦T≦0.12mmがより好ましい。また、35%≦T/T≦60%が好ましく、製造バラツキを考えれば40%≦T/T≦60%がより好ましい。
本実施例では、特許文献1と異なり、薄肉部をアーム144の上ではなく貫通孔145内に配置している。特許文献1のように、薄肉部をアーム144上に配置すると薄肉部の剛性が低下し、カシメ締結時に、特に、下側ベースプレート150Bが下方向に過剰に変形することになる。そこで、本実施例では、厚さTを有する薄肉部を貫通孔145の内部に配置して下側ベースプレート150Bの平坦度を維持しつつカシメ締結時のベースプレートの変形がサスペンション130方向に波及することを防止している。
比較例は、カシメ締結前の形状が図12(a)及び図12(b)に示すものを使用した。本実施例は、比較例に対して上側ベースプレートの窪みを浅くして、下側ベースプレートの窪みは深くした窪み形状の異なる一対のベースプレートを使用した。本実施例は、図8において、L11を大きくしてL22を小さくした場合に相当する。実施例1と同様に、上下のベースプレートをカシメ締結して図19に示すような形状を、有限要素法(FEM)を利用したシミュレーションによって得た。
図19に示すように、本実施例では、上側接触力が244Nで下側接触力が284Nであるのに対して、比較例では、上側接触力が220Nで下側接触力が266Nであった。このように、本実施例と比較例とでは接触力の差はあまり変わらないが、本実施例では、上側ベースプレートのカシメ位置(図8のP11に相当)を中立面ISから離し、下側ベースプレートのカシメ位置(図8のP22に相当)を中立面ISに近づけている。このため、以下の表2に示すように、アームのそり量は70%低減される。もちろん中立面ISからの距離と共に又は距離に代えて接触力を変化させてもよい。接触力は、上述のように、例えば、下側ベースプレートの貫通孔145内の最小半径を上側ベースプレートのそれよりも小さくしたり、実施例1のP’とP’と中立面との位置関係を有するボス形状を形成したりすることによって調整可能である。
ベースプレート150とアーム144が面接触する場合についてより詳細に検討する。図20にカシメ後のベースプレート突起部とアーム144の状態を示す。カシメ時に発生する接触力をFと置き,ボール50の進行方向に対し、入側をF11、出側をF22とする。ベースプレート150はαからβに亘ってアーム50と面接触するため、カシメ位置をアームとボスの接触面の中間値(即ち、カシメ位置L=(α+β)/2)とし、入側をL11、出側をL22とする。図中カシメ位置はL11=L22である。接触力はF11<F22となる。この場合,L×Fで与えられるモーメントMはM11<M22となり、このモーメントのアンバランスにより、アームに傾きが発生し、ベースプレートの反り量が増加する。理論的に厳密にこの現象を考慮した場合,接触面に発生する接触圧力は不均一であるため、アームに加わるモーメントを接触面積で積分して算出する必要があるが、簡易的に接触圧力を一定して上記手法でモーメントの差分を評価することが可能である。このモーメントのアンバランスを改善することにより、アーム、ベースプレートの反り量を低減することができる。
図21に、Lの位置を入側と出側で変化させ、反り量を改善した効果を示す。図21ではモーメントの差分、M−Mを横軸にとり、L11、L22を変化させてモーメントの差分に対するアームとベースプレートの反り量を評価した。図中 モーメント差分が10N・mmの位置ではL11=L22となっている.前述したように接触力はF11<F22であるため、出側のモーメントが大きくなり、アームに反り量が発生する。これに対して、L11<L22とした場合、更にモーメントの差が広がり,アームの反り量が増加、入り側出側の反り量が増加する。
11>L22では、モーメントの差が小さくなり、アームの反り量が低減し、入り側ベースプレートの反り量が低減する。M11=M22で最適解を得るのは明らかである。M11=M22のときのL22/L11はF22/F11の逆数となる。また、最適となるLの組み合わせをL11opt、L22optとすると、L11>L22としたカシメ構造においては、0<L11<Lmax、0<L22<Lmaxとなる。
好ましくは、F11/F22×0.8≦L22/L11≦F11/F22×1.2となるL11、L22の組み合わせ、又は、L11opt−0.02mm≦L11≦L11opt+0.02mm、L22opt−0.02mm≦L22≦L22opt+0.02mm、若しくは、L11opt×0.8≦L11≦L11opt×1.2、L22opt×0.8≦L22≦L22opt×1.2である。
また、図22を参照するに、モーメントのバランスを改善するためには接触力を増加させてもよい。ベースプレート突起部の最内径をそれぞれφ1,φ2とし、ボールの直径をφbとすると、カシメしろは、δ1=φ1−φb、δ2=φ2−φb
で表される。カシメしろが大きければその分接触力が増加する。また、カシメボール50の直径φbよりも,内側に存在するベースプレート150の体積をそれぞれV1、V2と定義する。この体積を増やすことによってもカシメ力は増加する。
図23はモーメントの差分、M22−M11を横軸にとり、δ1及びδを変化させてモーメントの差分に対するアーム150とベースプレート144の反り量を評価したグラフである。同図中、モーメント差分が10N・mmの位置ではδ=δ2である。カシメしろを一定としても、入り側と出側のかしまり方の違いにより、接触力はF11<F22となる。そのため、出側のモーメントが大きくなり、アーム144に反り量が発生する。これに対して,δ<δとした場合、更にモーメントの差が広がり、アーム144の反り量が増加,入り側出側の反り量が増加する。δ>δとした場合では、モーメントの差が小さくなり、アームの反り量が低減、入り側ベースプレートの反り量が低減される.両者のモーメントが釣り合うとアームの変位が最小となる。F11=F22と最適となるδの組み合わせをδ1opt、δ2optとする。接触力を変化せさる方法としてV>Vと変化させた場合でも同様の効果が得られる。また、これにL11>L22を組み合わせても同様の効果が得られる。
以上から、
δ>δ2が好ましい。より好ましくは、δ1opt−0.02mm<δ<δ1opt+0.02mm、δ2opt−0.02mm<δ<δ2opt+0.02mmである。又は、δ1opt×0.8<δ<δ1opt×1.2、δ2opt×0.8<δ<δ2opt×1.2である。
若しくは、V>V2が好ましい。より好ましくは、
V1opt×0.2<V<V1opt×1.2、V2opt×0.8<V<V2opt×1.2である。
δ>δとL>Lの組み合わせ、V>VとL>Lの組み合わせ、δ>δとV>Vの組み合わせ、δ>δ2、>L2、>Vの組み合わせも好ましい。




図18に、HDD100の制御系160の制御ブロック図を示す。かかる制御系160は、ヘッド122がインダクティブヘッドとMRヘッドとを有する場合の制御例である。HDD100の制御系160は、制御部161、インターフェース162、ハードディスクコントローラ(以下、「HDC」という。)163、ライト変調部164、リード復調部165、センス電流制御部166、ヘッドIC167とを有し、コントロールボードなどとしてHDD100内に具現化される。もちろん、ヘッドIC167のみがキャリッジ140に装着されるなど、一体的に構成されなくてもよい。
制御部161は、CPU、MPUなど名称の如何を問わずいかなる処理部を含み、制御系160の各部を制御する。インターフェース162は、例えば、HDD100を上位装置であるパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)などの外部装置に接続する。HDC163は、リード復調部165によって復調されたデータを制御部161に送信したり、ライト変調部164にデータを送信したり、センス電流制御部166に制御部161によって設定された電流値を送信したりする。また、図17では、制御部161がスピンドルモータ106とキャリッジ140(のモータ)をサーボ制御するが、HDC163がかかるサーボ制御機能を有してもよい。
ライト変調部164は、例えば、インターフェース162を介して上位装置から供給され、インダクティブヘッドによってディスク104に書き込まれるデータを変調してヘッドIC162に供給する。リード復調部165はMRヘッドがディスク104読み取ったデータをサンプリングして元の信号に復調する。ライト変調部164とリード復調部165が一体の信号処理部として把握されてもよい。ヘッドIC167はプリアンプとして機能する。なお、各部には当業界で既知のいかなる構成をも適用することができるので、その詳細な構造はここでは省略する。
HDD100の動作において、制御部161は、スピンドルモータ106を駆動してディスク104を回転させる。ディスク104の回転に伴う空気流をスライダ121とディスク104との間に巻き込み微小な空気膜を形成し、スライダ121にはディスク面から浮上する浮力が作用する。一方、サスペンション130はスライダ121の浮力と対向する方向に弾性押付力をスライダ121に加えている。かかる浮力と弾性力との釣り合いにより、磁気ヘッド部120とディスク104との間が一定に離間する。上述したように、ベースフレーム150の反り量が抑制されているので、サスペンション130が印加する弾性押付力や、スライダ121の姿勢、浮上量、姿勢、振動特性などは設計値に近いので、クラッシュの発生を防止して高精度なヘッド122の位置決めを行うことができる。
次に、制御部161は、キャリッジ140を制御してキャリッジ140を支軸142回りに回動させ、ヘッド122をディスク104の目的のトラック上にシークさせる。本実施形態は、このようにスライダ121の軌跡が支軸142の周りに円弧を描くスイングアーム式であるが、本発明は、スライダ121の軌跡が直線状であるリニア式の適用を妨げるものではない。
書き込み時には、制御部161は、インターフェース162を介して図示しないPCなどの上位装置から得たデータを受信し、インダクティブヘッドを選択し、HDC163を介してライト変調部164に送信する。これに応答して、ライト変調部164はデータを変調した後に当該変調されたデータをヘッドIC167に送信する。ヘッドIC167は、かかる変調されたデータを増幅した後でインダクティブヘッドに書き込み電流として供給する。これにより、インダクティブヘッドは目的のトラックにデータを書き込む。
読み出し時には、制御部161はMRヘッドを選択し、所定のセンス電流を、HDC163を介してセンス電流制御部166に送信する。これに応答して、センス電流制御部166はセンス電流を、ヘッドIC167を介してMRヘッドに供給する。これにより、MRヘッドは、ディスク104の所望のトラックから所望の情報を読み出す。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内で様々な変形及び変更が可能である。また、本実施形態はHDDについて説明したが、本発明はその他の種類の磁気ディスク装置(光磁気ディスク装置など)にも適用可能である。
本発明の一実施例としてのハードディスクドライブの内部構造を示す平面図である。 図1に示すハードディスクドライブの磁気ヘッド部の拡大斜視図である。 図3(a)乃至図3(c)は、図1に示すヘッドスタックアッセンブリの詳細な構造を示す左右側面図及び平面図である。 図4(a)及び図4(b)は、ベースプレートが固定されたサスペンションの概略平面図及び概略断面図である。 図5(a)及び図5(b)は、図4(a)及び図4(b)に示すベースプレートの概略平面図及び概略断面図である。 図5(a)及び図5(b)に示すベースプレートの製造方法を説明するためのフローチャートである。 図5(a)及び図5(b)に示すベースプレートの窪みの概略平面図及び概略断面図である。 図5(a)及び図5(b)に示すベースプレートとアームとのカシメ締結を説明するための概略断面図である。 図9(a)乃至図9(c)は、従来のベースプレートの構造を示す概略断面図である。 図10(a)及び図10(b)は、図8に示すベースプレートの形状の概略断面図である。 図11(a)乃至図11(c)は、本発明の実施例1のベースプレートの概略断面図である。 図12(a)乃至図12(c)は、 比較例のベースプレートの概略断面図である。 本発明の実施例3のベースプレートの概略断面図である。 図14(a)及び図14(b)は、実施例3の結果を表すグラフである。 本発明の実施例4のベースプレートの概略断面図である。 図16(a)及び図16(b)は、実施例4の結果を表すグラフである。 本発明の実施例5の結果を表すグラフである。 図1に示すハードディスクドライブの制御系のブロック図である。 本発明の実施例6のベースプレートのカシメ締結後の概略断面図である。 本発明の実施例7のカシメ後のベースプレート突起部とアームの状態を示す断面図である。 モーメント差分と反り量との関係を表すグラフである。 モーメントのバランス改善を説明するための断面図である。 モーメント差分と反り量との関係を表すグラフである。
符号の説明
100 磁気ディスク装置(ハードディスクドライブ)
110 ヘッドスタックアッセンブリ
120 磁気ヘッド部
130 サスペンション
140 キャリッジ
144 アーム
150 ベースプレート

Claims (6)

  1. 各々ヘッドを支持する一対のサスペンションと、前記ヘッドを駆動するアームと、前記一対のサスペンションを前記アームの両側に取り付ける一対のベースプレートとを有するヘッドスタックアッセンブリを製造する方法であって、
    開口を有するボスをそれぞれ有する前記一対のベースプレートが前記アームの貫通孔の両側に挿入された状態で、前記開口よりも大きな加工部材を前記貫通孔内で前記ボスの前記開口を一方向に貫通することによって前記一対のベースプレートを前記アームにカシメ締結するステップを有し、
    前記アームの厚さを半分にする面を中立面とすると、前記カシメ締結ステップ後に前記一対のベースプレートによって前記アームが受ける前記中立面回りのモーメントは、前記一対のベースプレートの前記一方向に沿った上流側のベースプレートを下流側のベースプレートの代わりに前記中立面に関して対称に配置した構造を前記加工部材によってカシメ締結した後で前記アームが受ける前記中立面回りのモーメントよりも小さいことを特徴とする方法。
  2. 前記カシメ締結ステップ前に、前記一対のベースプレートのうち前記上流側のベースプレートの最小内径は前記下流側のベースプレートの最小内径よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記カシメ締結ステップ前に、前記貫通孔の中心軸を含む断面において、前記加工部材に最初に当接する前記ベースプレートの位置を第1の位置とし、前記ベースプレートと前記アームとの接触する位置を第2の位置とすると、前記上流側のベースプレートは前記第2の位置が前記第1の位置よりも前記中立面に近く、前記下流側のベースプレートは前記第1の位置が前記第2の位置よりも前記中立面に近いことを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記カシメ締結ステップ前に、前記一対のベースプレートのうち前記上流側のベースプレートが前記アームと接触する位置と前記中立面との距離は、前記下流側のベースプレートが前記アームと接触する位置と前記中立面との距離よりも長いことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の方法。
  5. 前記カシメ締結ステップ前において、前記貫通孔の中心軸を含む断面において、前記貫通孔内にある前記ボスの最小厚さは、前記貫通孔の外にある前記ベースプレートの厚さの60%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の方法。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の方法から製造されたヘッドスタックアッセンブリを有することを特徴とする磁気ディスク装置。
JP2005100200A 2005-03-30 2005-03-30 ヘッドスタックアッセンブリの製造方法 Expired - Fee Related JP4322223B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005100200A JP4322223B2 (ja) 2005-03-30 2005-03-30 ヘッドスタックアッセンブリの製造方法
EP05255141A EP1708176A3 (en) 2005-03-30 2005-08-19 Head stack assembly, manufacturing method thereof, and magnetic disc drive having the same
US11/208,570 US7599150B2 (en) 2005-03-30 2005-08-23 Head stack assembly, its manufacturing method, and magnetic disc drive having the same
KR1020050080956A KR100732933B1 (ko) 2005-03-30 2005-08-31 헤드 스택 어셈블리와 그 제조 방법 및 이러한 헤드 스택어셈블리를 갖는 자기 디스크 장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005100200A JP4322223B2 (ja) 2005-03-30 2005-03-30 ヘッドスタックアッセンブリの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006277910A true JP2006277910A (ja) 2006-10-12
JP4322223B2 JP4322223B2 (ja) 2009-08-26

Family

ID=37212496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005100200A Expired - Fee Related JP4322223B2 (ja) 2005-03-30 2005-03-30 ヘッドスタックアッセンブリの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4322223B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113314157A (zh) * 2020-02-10 2021-08-27 日本发条株式会社 一种磁盘装置用悬架的制造方法及该制造方法使用的悬架组件

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060105115A1 (en) 2004-11-16 2006-05-18 Keiji Kashima Retardation film and method for producing the same, optical functional film, polarizing film, and display device

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113314157A (zh) * 2020-02-10 2021-08-27 日本发条株式会社 一种磁盘装置用悬架的制造方法及该制造方法使用的悬架组件

Also Published As

Publication number Publication date
JP4322223B2 (ja) 2009-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7564650B2 (en) Head apparatus having a slider with first and second positive pressure parts and a negative pressure part and disc drive having the same
JP4459114B2 (ja) ランプロード装置及びそれを有するドライブ
JP2009301639A (ja) ヘッド、ヘッドサスペンションアッセンブリ、およびこれを備えたディスク装置
JP2007066362A (ja) 部材の形状を最適化する最適化方法
JP4476970B2 (ja) ヘッド、ヘッドサスペンションアッセンブリ、およびこれを備えたディスク装置
JP4197296B2 (ja) ランプロード装置及びそれを有するディスク装置
JP2009070425A (ja) 記憶装置
JP2007179708A (ja) ディスククランプ装置及びそれを有するディスク装置
JP4117723B2 (ja) ディスクに記録再生を施すヘッドを微小移動させる機構及びそれを有するディスク装置
JP4455408B2 (ja) ヘッド支持装置及びそれを有するドライブ
JP2004171674A (ja) 記録媒体駆動装置およびランプ部材
JP4322223B2 (ja) ヘッドスタックアッセンブリの製造方法
US8929033B2 (en) Flexure for implementation on a suspension in a hard disk drive for resisting windage effects
JP2006277908A (ja) ヘッドスタックアッセンブリ及びその製造方法、並びに、かかるヘッドスタックアッセンブリを有する磁気ディスク装置
JP2008021403A (ja) ヘッドスタックアセンブリおよびハードディスクドライブ
US7551403B2 (en) HSA with air turbulence preventing structure for HGA, disk drive unit with the same, and manufacturing method thereof
US7599150B2 (en) Head stack assembly, its manufacturing method, and magnetic disc drive having the same
JP2006277909A (ja) ヘッドスタックアッセンブリ及びその製造方法、並びに、かかるヘッドスタックアッセンブリを有する磁気ディスク装置
JP2006277911A (ja) ヘッドスタックアッセンブリ及びその製造方法、並びに、かかるヘッドスタックアッセンブリを有する磁気ディスク装置
JP2009158002A (ja) ディスクドライブ装置
JP2007074839A (ja) 動圧軸受を有するモータ及びそれを有するディスク装置
US20080019052A1 (en) Information storage
JP2006120198A (ja) ヘッド、ヘッドサスペンションアッセンブリ、およびこれを備えたディスク装置
JP5188941B2 (ja) 磁気ディスク装置
US20070195466A1 (en) Shock resistance disc drive

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20071219

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20090226

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090303

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090501

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20090602

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20090602

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees