従って、上述した従来の配信システムでは、例えば単にネットワーク上の距離が最も近いサーバ等に接続して配信を受けようとしたとき、そのサーバ等が動作的に不安定であったり他の端末装置との関係で混み合ったりしていた場合は、接続したはいいが肝心のコンテンツを取得するまでに非常に時間が掛かったり(サーバ等が混み合っている場合)、或いは途中で配信が強制的に終了されてしまったり(サーバ等が動作停止(ダウン)した場合)する場合があるという問題点があった。
そして、一旦接続した後に上記したような理由でコンテンツを受け取るのに失敗したときには、新たに同じコンテンツを蓄積しているサーバ等をネットワーク上で検索して接続し直す等の処理を行う必要があり、結果的に所望のコンテンツの取得まで更に時間が掛かってしまうという問題点があった。
そこで、本発明は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その目的は、上述したごとく各サーバ等の間においてコンテンツの配信容易性について差がある場合でも、迅速且つ効率的に所望のコンテンツの配信を端末装置において受けることが可能となるように当該コンテンツを蓄積する蓄積装置及び当該蓄積装置からの当該コンテンツの配信等を行う情報処理装置、当該蓄積装置及び情報処理装置における蓄積方法及び情報処理方法、並びに当該蓄積装置及び情報処理装置用の各プログラムを提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、配信されるべきコンテンツ等の配信情報を識別する配信情報識別情報と、当該配信情報を配信用に蓄積するコンテンツホルダ等の蓄積装置を識別する蓄積装置識別情報と、を含む蓄積装置情報を取得する制御部等の第1取得手段と、前記蓄積装置識別情報により識別される前記蓄積装置から前記配信情報識別情報により識別される前記配信情報を配信する際の容易性を示す容易性情報と、当該容易性情報により配信の容易性が示される前記配信情報が蓄積されている前記蓄積装置を示す前記蓄積装置識別情報と、を含む配信容易性情報を取得する制御部等の第2取得手段と、取得した前記蓄積装置情報及び取得した前記配信容易性情報を、ネットワークを介して他の情報処理装置から参照可能に記録する記録部等の記録手段と、を備える。
よって、蓄積装置情報及び配信容易性情報が取得され、これらがネットワークを介して他の情報処理装置から参照可能に記録されるので、当該他の情報処理装置において配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することができ、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、更新された前記配信容易性情報が前記第2取得手段により取得されたとき、当該取得された配信容易性情報により前記記録手段に記録されている前記配信容易性情報を更新する制御部等の更新手段を更に備える。
よって、更新された配信容易性情報が取得されたとき、当該取得された配信容易性情報をもってそれまでの配信容易性情報が更新されるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置から常に最新の配信容易性情報を参照することができる。
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の情報処理装置において、前記記録されている配信容易性情報を、前記他の情報処理装置に対して送信する通信部等の送信手段を更に備える。
よって、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において配信容易性情報自体を取得して配信元となる蓄積装置の選択に用いることができる。
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記容易性情報は、前記蓄積装置が存在している前記ネットワーク上の範囲を示す範囲情報、前記配信に用いられる伝送路における最大伝送速度、前記蓄積装置が前記配信情報を配信中である場合における当該配信先の数、前記蓄積装置に対する電源電力供給の停止が発生する頻度である第一頻度、又は前記蓄積装置における前記配信情報の配信処理が停止していると看做される頻度である第二頻度、の少なくともいずれか一つに基づく情報であるように構成される。
よって、容易性情報が、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つに基づく情報であるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において、実際の配信状況に的確に対応して最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の情報処理装置において、前記容易性情報は、前記範囲情報、前記最大伝送速度、前記配信先の数、前記第一頻度、又は前記第二頻度、の少なくともいずれか一つの値を点数化した点数情報であるように構成される。
よって、容易性情報が範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つの値を点数化した点数情報であるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において、客観的な数値として各情報を判断して最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の情報処理装置において、前記取得した配信容易性情報に含まれる前記容易性情報を構成する前記範囲情報、前記最大伝送速度、前記配信先の数、前記第一頻度、又は前記第二頻度、の少なくともいずれか一つの値を点数化して点数化容易性情報を生成し、元の前記容易性情報に代えて前記記録手段に記録する制御部等の点数化手段を更に備える。
よって、容易性情報を点数化した状態で参照可能に記録しておくので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置から見て客観的に配信の容易性を判断することができる。
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、複数の前記配信容易性情報の中から、予め設定された配信容易性基準に対して前記配信情報の配信が容易であることを示す前記容易性情報を含む前記配信容易性情報を検索する検索手段を更に備え、前記記録手段は、前記検索された配信容易性情報を前記他の情報処理装置から参照可能に記録するように構成される。
よって、配信容易性基準に照らして配信情報の配信が容易と判断される容易性情報を含む配信容易性情報を参照可能に記録するので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置における判断を伴わずに配信容易な蓄積装置を簡易に当該他の情報処理装置において選択することができる。
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の情報処理装置において、前記検索手段は、前記配信情報の配信を行う前記蓄積装置の数に応じて前記配信容易性基準を変更し、当該変更した配信容易性基準を用いて前記配信容易性情報を検索するように構成される。
よって、配信情報の配信を行う蓄積装置の数に応じて配信容易性基準を変更するので、例えば一つの配信情報を複数の蓄積装置から配信する場合においても配信容易な蓄積装置を適切に判断して当該配信を受けることができる。
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、配信されるべき配信情報を配信用に蓄積するコンテンツホルダ等の蓄積装置を識別する蓄積装置識別情報と、前記蓄積装置識別情報により識別される前記蓄積装置から前記配信情報を配信する際の容易性を示す容易性情報と、を含む配信容易性情報を参照する参照手段と、前記参照した配信容易性情報に基づいて、前記配信情報の配信を受けるべき前記蓄積情報を選択する制御部等の選択手段と、前記選択された蓄積装置に対してネットワークを介して接続し、前記配信情報の配信を受ける通信部等の接続手段と、を備える。
よって、配信容易性情報を参照し、その参照した配信容易性情報に基づいて配信情報の配信を受けるべき蓄積情報を選択して配信情報の配信を受けるので、配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することで、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の情報処理装置において、前記容易性情報は、前記蓄積装置が存在している前記ネットワーク上の範囲を示す範囲情報、前記配信に用いられる伝送路における最大伝送速度、前記蓄積装置が前記配信情報を配信中である場合における当該配信先の数、前記蓄積装置に対する電源電力供給の停止が発生する頻度である第一頻度、又は前記蓄積装置における前記配信情報の配信処理が停止していると看做される頻度である第二頻度、の少なくともいずれか一つに基づく情報であるように構成される。
よって、容易性情報が、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つに基づく情報であるので、実際の配信状況に的確に対応して最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
上記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の情報処理装置において、前記容易性情報は、前記範囲情報、前記最大伝送速度、前記配信先の数、前記第一頻度、又は前記第二頻度、の少なくともいずれか一つの値を点数化した点数情報であるように構成される。
よって、容易性情報が範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つの値を点数化した点数情報であるので、客観的な数値として各情報を判断し、最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
上記の課題を解決するために、請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の情報処理装置において、前記参照した配信容易性情報に含まれる前記容易性情報を構成する前記範囲情報、前記最大伝送速度、前記配信先の数、前記第一頻度、又は前記第二頻度、の少なくともいずれか一つの値を点数化して点数化容易性情報を生成する制御部等の点数化手段を更に備え、前記選択手段は、前記点数化容易性情報に基づいて前記配信情報の配信を受けるべき前記蓄積装置を選択するように構成される。
よって、容易性情報を点数化して蓄積装置の選択に用いるので、客観的に配信の容易性を判断することができる。
上記の課題を解決するために、請求項13に記載の発明は、請求項9から12のいずれか一項に記載の情報処理装置において、複数の前記配信容易性情報の中から、予め設定された配信容易性基準に対して前記配信情報の配信が容易であることを示す前記容易性情報を含む前記配信容易性情報を検索する検索手段を更に備え、前記選択手段は、前記検索された配信容易性情報に基づき、前記配信情報の配信を受けるべき前記蓄積情報を選択するように構成される。
よって、配信容易性基準に照らして配信情報の配信が容易と判断される容易性情報を含む配信容易性情報を検索し、その検索された配信容易性情報に基づいて蓄積装置を選択するので、配信容易な蓄積装置を簡易に選択することができる。
上記の課題を解決するために、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の情報処理装置において、前記検索手段は、前記配信情報の配信を受けるべき前記蓄積装置の数に応じて前記配信容易性基準を変更し、当該変更した配信容易性基準を用いて前記配信容易性情報を検索するように構成される。
よって、配信情報の配信を受ける蓄積装置の数に応じて配信容易性基準を変更するので、例えば一つの配信情報を複数の蓄積装置から配信する場合においても配信容易な蓄積装置を適切に判断して当該配信を受けることができる。
上記の課題を解決するために、請求項15に記載の発明は、請求項9から14のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記選択手段は、前記配信情報の配信を受けている前記蓄積装置との接続状態が不安定になったとき、前記参照された配信容易性情報のうち、同一の前記配信情報について、前記接続状態が不安定になった前記蓄積装置を示す前記蓄積装置識別情報を含む前記配信容易性情報により示される配信容易性の次に配信が容易であることを示す前記容易性情報を含む前記配信容易性情報に含まれている前記蓄積装置識別情報により示される前記蓄積装置を新たに選択し、前記接続手段は、前記新たに選択された蓄積装置に対して前記ネットワークを介して接続し、前記配信情報の配信を受けるように構成される。
よって、現在接続して配信情報の配信を受けている蓄積手段との間の接続状態が不安定になったとき、次点に容易性の高い配信容易性情報により示される蓄積装置に接続し直して配信情報の配信を受けるので、ネットワークが一部不安定になっても、同一の配信情報の配信を継続して受けることができる。
上記の課題を解決するために、請求項16に記載の発明は、請求項9から15のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記選択手段は、前記配信情報の配信を受けている前記蓄積装置との接続が切断されたとき、前記参照された配信容易性情報のうち、同一の前記配信情報について、前記接続が切断された前記蓄積装置を示す前記蓄積装置識別情報を含む前記配信容易性情報により示される配信容易性の次に配信が容易であることを示す前記容易性情報を含む前記配信容易性情報に含まれている前記蓄積装置識別情報により示される前記蓄積装置を新たに選択し、前記接続手段は、前記新たに選択された蓄積装置に対して前記ネットワークを介して接続し、前記配信情報の配信を受けるように構成される。
よって、現在接続して配信情報の配信を受けている蓄積手段との間の接続が切断されたとき、次点に容易性の高い配信容易性情報により示される蓄積装置に接続し直して配信情報の配信を受けるので、それまでの蓄積装置との間の接続が切断されても、同一の配信情報の配信を継続して受けることができる。
上記の課題を解決するために、請求項17に記載の発明は、配信情報を蓄積して配信するコンテンツホルダ等の蓄積装置において、前記配信情報を識別する配信情報識別情報と、当該蓄積装置を識別する蓄積装置識別情報と、を含む蓄積装置情報を生成する制御部等の第1生成手段と、前記配信情報を配信する際の容易性を示す容易性情報と、前記蓄積装置識別情報と、を含む配信容易性情報を生成する制御部等の第2生成手段と、前記生成した蓄積装置情報及び配信容易性情報を、前記配信情報の配信を管理する機能を有する情報処理装置に送信する通信部等の送信手段と、を備える。
よって、蓄積装置情報及び配信容易性情報を生成し、対応する配信情報の配信を管理する機能を有する情報処理装置にそれらを送信するので、当該情報処理装置において当該蓄積装置情報及び配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることで、当該他の情報処理装置において配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することができ、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
上記の課題を解決するために、請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の蓄積装置において、前記第1生成手段及び前記第2生成手段は、前記蓄積装置に新たな前記配信情報が蓄積されたとき、前記蓄積装置情報及び前記配信容易性情報を夫々生成し、前記送信手段は、前記蓄積装置に新たな前記配信情報が蓄積されたとき、前記生成された蓄積装置情報及び前記配信容易性情報を夫々前記情報処理装置に送信するように構成される。
よって、蓄積装置に新たな配信情報が蓄積されたときに蓄積装置情報及び配信容易性情報を夫々生成し、その新たに生成された蓄積装置情報及び配信容易性情報を夫々情報処理装置に送信するので、配信情報管理用の情報処理装置において最新の配信情報に対応する蓄積装置情報及び配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることができる。
上記の課題を解決するために、請求項19に記載の発明は、請求項17又は18に記載の蓄積装置において、前記第2生成手段は、予め設定された時間毎に前記配信容易性情報を生成し、前記送信手段は、前記時間毎に前記配信容易性情報が生成されたとき、当該新たに生成された配信容易性情報を前記情報処理装置に送信するように構成される。
よって、予め設定された時間毎に配信容易性情報を生成し、その時間毎に新たに生成された配信容易性情報を配信情報管理用の情報処理装置に送信するので、配信情報管理用の情報処理装置において各配信情報について最新の配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることができる。
上記の課題を解決するために、請求項20に記載の発明は、請求項17又は18に記載の蓄積装置において、前記第2生成手段は、前記容易性情報の内容が変化したとき、対応する前記配信容易性情報を新たに生成し、前記送信手段は、前記前記配信容易性情報が新たに生成されたとき、当該生成された配信容易性情報を前記情報処理装置に送信するように構成される。
よって、容易性情報の内容が変化したとき、対応する配信容易性情報を新たに生成し、当該新たに生成された配信容易性情報を情報処理装置に送信するので、配信情報管理用の情報処理装置において各配信情報について最新の配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることができる。
上記の課題を解決するために、請求項21に記載の発明は、請求項17から20のいずれか一項に記載の蓄積装置において、前記容易性情報は、前記蓄積装置が存在している前記ネットワーク上の範囲を示す範囲情報、前記配信に用いられる伝送路における最大伝送速度、前記蓄積装置が前記配信情報を配信中である場合における当該配信先の数、前記蓄積装置に対する電源電力供給の停止が発生する頻度である第一頻度、又は前記蓄積装置における前記配信情報の配信処理が停止していると看做される頻度である第二頻度、の少なくともいずれか一つに基づく情報であるように構成される。
よって、容易性情報が、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つに基づく情報であるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置に当該容易性情報を含む配信容易性情報を参照させることで、実際の配信状況に的確に対応して最も配信を受けやすい蓄積装置を当該他の情報処理装置において選択させることができる。
上記の課題を解決するために、請求項22に記載の発明は、請求項21に記載の蓄積装置において、前記範囲情報、前記最大伝送速度、前記配信先の数、前記第一頻度、又は前記第二頻度、の少なくともいずれか一つの値を点数化して前記容易性情報とする制御部等の点数化手段を更に備える。
よって、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つの値を点数化して送信するので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において客観的に配信の容易性を判断可能に配信容易性情報を参照させることができる。
上記の課題を解決するために、請求項23に記載の発明は、配信されるべき配信情報を識別する配信情報識別情報と、当該配信情報を配信用に蓄積するコンテンツホルダ等の蓄積装置を識別する蓄積装置識別情報と、を含む蓄積装置情報を取得する第1取得工程と、前記蓄積装置識別情報により識別される前記蓄積装置から前記配信情報識別情報により識別される前記配信情報を配信する際の容易性を示す容易性情報と、当該容易性情報により配信の容易性が示される前記配信情報が蓄積されている前記蓄積装置を示す前記蓄積装置識別情報と、を含む配信容易性情報を取得する第2取得工程と、取得した前記蓄積装置情報及び取得した前記配信容易性情報を、ネットワークを介して他の情報処理装置から参照可能に記録する記録工程と、を含む。
よって、蓄積装置情報及び配信容易性情報が取得され、これらがネットワークを介して他の情報処理装置から参照可能に記録されるので、当該他の情報処理装置において配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することができ、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
上記の課題を解決するために、請求項24に記載の発明は、配信されるべき配信情報を配信用に蓄積するコンテンツホルダ等の蓄積装置を識別する蓄積装置識別情報と、前記蓄積装置識別情報により識別される前記蓄積装置から前記配信情報を配信する際の容易性を示す容易性情報と、を含む配信容易性情報を参照する参照工程と、前記参照した配信容易性情報に基づいて、前記配信情報の配信を受けるべき前記蓄積情報を選択する選択工程と、前記選択された蓄積装置に対してネットワークを介して接続し、前記配信情報の配信を受ける接続工程と、を含む。
よって、配信容易性情報を参照し、その参照した配信容易性情報に基づいて配信情報の配信を受けるべき蓄積情報を選択して配信情報の配信を受けるので、配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することで、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
上記の課題を解決するために、請求項25に記載の発明は、配信情報を蓄積して配信する蓄積方法において、前記配信情報を識別する配信情報識別情報と、当該蓄積装置を識別する蓄積装置識別情報と、を含む蓄積装置情報を生成する第1生成工程と、前記配信情報を配信する際の容易性を示す容易性情報と、前記蓄積装置識別情報と、を含む配信容易性情報を生成する第2生成工程と、前記生成した蓄積装置情報及び配信容易性情報を、前記配信情報の配信を管理する機能を有する情報処理装置に送信する送信工程と、を含む。
よって、蓄積装置情報及び配信容易性情報を生成し、対応する配信情報の配信を管理する機能を有する情報処理装置にそれらを送信するので、当該情報処理装置において当該蓄積装置情報及び配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることで、当該他の情報処理装置において配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することができ、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
上記の課題を解決するために、請求項26に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から8のいずれか一項に記載の情報処理装置として機能させる。
よって、請求項1に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、蓄積装置情報及び配信容易性情報が取得され、これらがネットワークを介して他の情報処理装置から参照可能に記録されるように当該コンピュータが機能することとなるので、当該他の情報処理装置において配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することができ、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
また、請求項2に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項1に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、更新された配信容易性情報が取得されたとき、当該取得された配信容易性情報をもってそれまでの配信容易性情報が更新されるように当該コンピュータが機能することとなるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置から常に最新の配信容易性情報を参照することができる。
更に、請求項3に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項1又は2に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において配信容易性情報自体を取得して配信元となる蓄積装置の選択に用いることができる。
更にまた、請求項4に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報が、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つに基づく情報であるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において、実際の配信状況に的確に対応して最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
また、請求項5に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項4に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報が範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つの値を点数化した点数情報であるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において、客観的な数値として各情報を判断して最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
更に、請求項6に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項4に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報を点数化した状態で参照可能に記録しておくように当該コンピュータが機能することとなるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置から見て客観的に配信の容易性を判断することができる。
更にまた、請求項7に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、配信容易性基準に照らして配信情報の配信が容易と判断される容易性情報を含む配信容易性情報を参照可能に記録するように当該コンピュータが機能することとなるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置における判断を伴わずに配信容易な蓄積装置を簡易に当該他の情報処理装置において選択することができる。
また、請求項8に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項7に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、配信情報の配信を行う蓄積装置の数に応じて配信容易性基準を変更するように当該コンピュータが機能することとなるので、例えば一つの配信情報を複数の蓄積装置から配信する場合においても配信容易な蓄積装置を適切に判断して当該配信を受けることができる。
上記の課題を解決するために、請求項27に記載の発明は、コンピュータを、請求項9から16のいずれか一項に記載の情報処理装置として機能させる。
よって、請求項9に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、配信容易性情報を参照し、その参照した配信容易性情報に基づいて配信情報の配信を受けるべき蓄積情報を選択して配信情報の配信を受けるように当該コンピュータが機能することとなるので、配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することで、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
また、請求項10に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項9に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報が、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つに基づく情報であるので、実際の配信状況に的確に対応して最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
更に、請求項11に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項10に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報が範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つの値を点数化した点数情報であるので、客観的な数値として各情報を判断し、最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
更にまた、請求項12に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項10に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報を点数化して蓄積装置の選択に用いるように当該コンピュータが機能することとなるので、客観的に配信の容易性を判断することができる。
また、請求項13に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項9から12のいずれか一項に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、配信容易性基準に照らして配信情報の配信が容易と判断される容易性情報を含む配信容易性情報を検索し、その検索された配信容易性情報に基づいて蓄積装置を選択するように当該コンピュータが機能することとなるので、配信容易な蓄積装置を簡易に選択することができる。
更に、請求項14に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項13に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、配信情報の配信を受ける蓄積装置の数に応じて配信容易性基準を変更するように当該コンピュータが機能することとなるので、例えば一つの配信情報を複数の蓄積装置から配信する場合においても配信容易な蓄積装置を適切に判断して当該配信を受けることができる。
更にまた、請求項15に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項9から14のいずれか一項に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、現在接続して配信情報の配信を受けている蓄積手段との間の接続状態が不安定になったとき、次点に容易性の高い配信容易性情報により示される蓄積装置に接続し直して配信情報の配信を受けるように当該コンピュータが機能することとなるので、ネットワークが一部不安定になっても、同一の配信情報の配信を継続して受けることができる。
また、請求項16に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項9から15のいずれか一項に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、現在接続して配信情報の配信を受けている蓄積手段との間の接続が切断されたとき、次点に容易性の高い配信容易性情報により示される蓄積装置に接続し直して配信情報の配信を受けるように当該コンピュータが機能することとなるので、それまでの蓄積装置との間の接続が切断されても、同一の配信情報の配信を継続して受けることができる。
上記の課題を解決するために、請求項28に記載の発明は、コンピュータを、請求項17から22のいずれか一項に記載の蓄積装置として機能させる。
よって、請求項17に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合は、蓄積装置情報及び配信容易性情報を生成し、対応する配信情報の配信を管理する機能を有する情報処理装置にそれらを送信するように当該コンピュータが機能することとなるので、当該情報処理装置において当該蓄積装置情報及び配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることで、当該他の情報処理装置において配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することができ、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
また、請求項18に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項17に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、蓄積装置に新たな配信情報が蓄積されたときに蓄積装置情報及び配信容易性情報を夫々生成し、その新たに生成された蓄積装置情報及び配信容易性情報を夫々情報処理装置に送信するように当該コンピュータが機能することとなるので、配信情報管理用の情報処理装置において最新の配信情報に対応する蓄積装置情報及び配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることができる。
更に、請求項19に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項17又は18に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、予め設定された時間毎に配信容易性情報を生成し、その時間毎に新たに生成された配信容易性情報を配信情報管理用の情報処理装置に送信するように当該コンピュータが機能することとなるので、配信情報管理用の情報処理装置において各配信情報について最新の配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることができる。
更にまた、請求項20に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項17又は18に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報の内容が変化したとき、対応する配信容易性情報を新たに生成し、当該新たに生成された配信容易性情報を情報処理装置に送信するように当該コンピュータが機能することとなるので、配信情報管理用の情報処理装置において各配信情報について最新の配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることができる。
また、請求項21に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項17から20のいずれか一項に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報が、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つに基づく情報であるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置に当該容易性情報を含む配信容易性情報を参照させることで、実際の配信状況に的確に対応して最も配信を受けやすい蓄積装置を当該他の情報処理装置において選択させることができる。
更に、請求項22に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項21に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つの値を点数化して送信するので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において客観的に配信の容易性を判断可能に配信容易性情報を参照させることができる。
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、蓄積装置情報及び配信容易性情報が取得され、これらがネットワークを介して他の情報処理装置から参照可能に記録されるので、当該他の情報処理装置において配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することができ、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
従って、各蓄積装置間において配信情報の配信容易性について差がある場合でも、配信が容易な蓄積装置を選ばせて迅速且つ効率的に配信情報の配信を行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、更新された配信容易性情報が取得されたとき、当該取得された配信容易性情報をもってそれまでの配信容易性情報が更新されるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置から常に最新の配信容易性情報を参照することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において配信容易性情報自体を取得して配信元となる蓄積装置の選択に用いることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、容易性情報が、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つに基づく情報であるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において、実際の配信状況に的確に対応して最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、容易性情報が範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つの値を点数化した点数情報であるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において、客観的な数値として各情報を判断して最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、容易性情報を点数化した状態で参照可能に記録しておくので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置から見て客観的に配信の容易性を判断することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、配信容易性基準に照らして配信情報の配信が容易と判断される容易性情報を含む配信容易性情報を参照可能に記録するので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置における判断を伴わずに配信容易な蓄積装置を簡易に当該他の情報処理装置において選択することができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明の効果に加えて、配信情報の配信を行う蓄積装置の数に応じて配信容易性基準を変更するので、例えば一つの配信情報を複数の蓄積装置から配信する場合においても配信容易な蓄積装置を適切に判断して当該配信を受けることができる。
請求項9に記載の発明によれば、配信容易性情報を参照し、その参照した配信容易性情報に基づいて配信情報の配信を受けるべき蓄積情報を選択して配信情報の配信を受けるので、配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することで、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
従って、各蓄積装置間において配信情報の配信容易性について差がある場合でも、配信が容易な蓄積装置を選んで迅速且つ効率的に配信情報の配信を受けることができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載の発明の効果に加えて、容易性情報が、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つに基づく情報であるので、実際の配信状況に的確に対応して最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
請求項11に記載の発明によれば、請求項10に記載の発明の効果に加えて、容易性情報が範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つの値を点数化した点数情報であるので、客観的な数値として各情報を判断し、最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
請求項12に記載の発明によれば、請求項10に記載の発明の効果に加えて、容易性情報を点数化して蓄積装置の選択に用いるので、客観的に配信の容易性を判断することができる。
請求項13に記載の発明によれば、請求項9から12のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、配信容易性基準に照らして配信情報の配信が容易と判断される容易性情報を含む配信容易性情報を検索し、その検索された配信容易性情報に基づいて蓄積装置を選択するので、配信容易な蓄積装置を簡易に選択することができる。
請求項14に記載の発明によれば、請求項13に記載の発明の効果に加えて、配信情報の配信を受ける蓄積装置の数に応じて配信容易性基準を変更するので、例えば一つの配信情報を複数の蓄積装置から配信する場合においても配信容易な蓄積装置を適切に判断して当該配信を受けることができる。
請求項15に記載の発明によれば、請求項9から14のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、現在接続して配信情報の配信を受けている蓄積手段との間の接続状態が不安定になったとき、次点に容易性の高い配信容易性情報により示される蓄積装置に接続し直して配信情報の配信を受けるので、ネットワークが一部不安定になっても、同一の配信情報の配信を継続して受けることができる。
請求項16に記載の発明によれば、請求項9から15のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、現在接続して配信情報の配信を受けている蓄積手段との間の接続が切断されたとき、次点に容易性の高い配信容易性情報により示される蓄積装置に接続し直して配信情報の配信を受けるので、それまでの蓄積装置との間の接続が切断されても、同一の配信情報の配信を継続して受けることができる。
請求項17に記載の発明によれば、蓄積装置情報及び配信容易性情報を生成し、対応する配信情報の配信を管理する機能を有する情報処理装置にそれらを送信するので、当該情報処理装置において当該蓄積装置情報及び配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることで、当該他の情報処理装置において配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することができ、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
従って、各蓄積装置間において配信情報の配信容易性について差がある場合でも、配信が容易な蓄積装置を選ばせて迅速且つ効率的に配信情報の配信を行うことができる。
請求項18に記載の発明によれば、請求項17に記載の発明の効果に加えて、蓄積装置に新たな配信情報が蓄積されたときに蓄積装置情報及び配信容易性情報を夫々生成し、その新たに生成された蓄積装置情報及び配信容易性情報を夫々情報処理装置に送信するので、配信情報管理用の情報処理装置において最新の配信情報に対応する蓄積装置情報及び配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることができる。
請求項19に記載の発明によれば、請求項17又は18に記載の発明の効果に加えて、予め設定された時間毎に配信容易性情報を生成し、その時間毎に新たに生成された配信容易性情報を配信情報管理用の情報処理装置に送信するので、配信情報管理用の情報処理装置において各配信情報について最新の配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることができる。
請求項20に記載の発明によれば、請求項17又は18に記載の発明の効果に加えて、容易性情報の内容が変化したとき、対応する配信容易性情報を新たに生成し、当該新たに生成された配信容易性情報を情報処理装置に送信するので、配信情報管理用の情報処理装置において各配信情報について最新の配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることができる。
請求項21に記載の発明によれば、請求項17から20のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、容易性情報が、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つに基づく情報であるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置に当該容易性情報を含む配信容易性情報を参照させることで、実際の配信状況に的確に対応して最も配信を受けやすい蓄積装置を当該他の情報処理装置において選択させることができる。
請求項22に記載の発明によれば、請求項21に記載の発明の効果に加えて、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つの値を点数化して送信するので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において客観的に配信の容易性を判断可能に配信容易性情報を参照させることができる。
請求項23に記載の発明によれば、蓄積装置情報及び配信容易性情報が取得され、これらがネットワークを介して他の情報処理装置から参照可能に記録されるので、当該他の情報処理装置において配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することができ、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
従って、各蓄積装置間において配信情報の配信容易性について差がある場合でも、配信が容易な蓄積装置を選ばせて迅速且つ効率的に配信情報の配信を行うことができる。
請求項24に記載の発明によれば、配信容易性情報を参照し、その参照した配信容易性情報に基づいて配信情報の配信を受けるべき蓄積情報を選択して配信情報の配信を受けるので、配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することで、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
従って、各蓄積装置間において配信情報の配信容易性について差がある場合でも、配信が容易な蓄積装置を選んで迅速且つ効率的に配信情報の配信を受けることができる。
請求項25に記載の発明によれば、蓄積装置情報及び配信容易性情報を生成し、対応する配信情報の配信を管理する機能を有する情報処理装置にそれらを送信するので、当該情報処理装置において当該蓄積装置情報及び配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることで、当該他の情報処理装置において配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することができ、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
従って、各蓄積装置間において配信情報の配信容易性について差がある場合でも、配信が容易な蓄積装置を選ばせて迅速且つ効率的に配信情報の配信を行うことができる。
請求項26に記載の発明によれば、請求項1に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、蓄積装置情報及び配信容易性情報が取得され、これらがネットワークを介して他の情報処理装置から参照可能に記録されるように当該コンピュータが機能することとなるので、当該他の情報処理装置において配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することができ、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
従って、各蓄積装置間において配信情報の配信容易性について差がある場合でも、配信が容易な蓄積装置を選ばせて迅速且つ効率的に配信情報の配信を行うことができる。
また、請求項2に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項1に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、更新された配信容易性情報が取得されたとき、当該取得された配信容易性情報をもってそれまでの配信容易性情報が更新されるように当該コンピュータが機能することとなるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置から常に最新の配信容易性情報を参照することができる。
更に、請求項3に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項1又は2に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において配信容易性情報自体を取得して配信元となる蓄積装置の選択に用いることができる。
更にまた、請求項4に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報が、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つに基づく情報であるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において、実際の配信状況に的確に対応して最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
また、請求項5に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項4に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報が範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つの値を点数化した点数情報であるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において、客観的な数値として各情報を判断して最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
更に、請求項6に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項4に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報を点数化した状態で参照可能に記録しておくように当該コンピュータが機能することとなるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置から見て客観的に配信の容易性を判断することができる。
更にまた、請求項7に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、配信容易性基準に照らして配信情報の配信が容易と判断される容易性情報を含む配信容易性情報を参照可能に記録するように当該コンピュータが機能することとなるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置における判断を伴わずに配信容易な蓄積装置を簡易に当該他の情報処理装置において選択することができる。
また、請求項8に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項7に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、配信情報の配信を行う蓄積装置の数に応じて配信容易性基準を変更するように当該コンピュータが機能することとなるので、例えば一つの配信情報を複数の蓄積装置から配信する場合においても配信容易な蓄積装置を適切に判断して当該配信を受けることができる。
請求項27に記載の発明によれば、請求項9に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、配信容易性情報を参照し、その参照した配信容易性情報に基づいて配信情報の配信を受けるべき蓄積情報を選択して配信情報の配信を受けるように当該コンピュータが機能することとなるので、配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することで、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
従って、各蓄積装置間において配信情報の配信容易性について差がある場合でも、配信が容易な蓄積装置を選んで迅速且つ効率的に配信情報の配信を受けることができる。
また、請求項10に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項9に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報が、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つに基づく情報であるので、実際の配信状況に的確に対応して最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
更に、請求項11に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項10に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報が範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つの値を点数化した点数情報であるので、客観的な数値として各情報を判断し、最も配信を受けやすい蓄積装置を選択することができる。
更にまた、請求項12に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項10に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報を点数化して蓄積装置の選択に用いるように当該コンピュータが機能することとなるので、客観的に配信の容易性を判断することができる。
また、請求項13に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項9から12のいずれか一項に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、配信容易性基準に照らして配信情報の配信が容易と判断される容易性情報を含む配信容易性情報を検索し、その検索された配信容易性情報に基づいて蓄積装置を選択するように当該コンピュータが機能することとなるので、配信容易な蓄積装置を簡易に選択することができる。
更に、請求項14に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項13に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、配信情報の配信を受ける蓄積装置の数に応じて配信容易性基準を変更するように当該コンピュータが機能することとなるので、例えば一つの配信情報を複数の蓄積装置から配信する場合においても配信容易な蓄積装置を適切に判断して当該配信を受けることができる。
更にまた、請求項15に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項9から14のいずれか一項に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、現在接続して配信情報の配信を受けている蓄積手段との間の接続状態が不安定になったとき、次点に容易性の高い配信容易性情報により示される蓄積装置に接続し直して配信情報の配信を受けるように当該コンピュータが機能することとなるので、ネットワークが一部不安定になっても、同一の配信情報の配信を継続して受けることができる。
また、請求項16に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項9から15のいずれか一項に記載の情報処理装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、現在接続して配信情報の配信を受けている蓄積手段との間の接続が切断されたとき、次点に容易性の高い配信容易性情報により示される蓄積装置に接続し直して配信情報の配信を受けるように当該コンピュータが機能することとなるので、それまでの蓄積装置との間の接続が切断されても、同一の配信情報の配信を継続して受けることができる。
請求項28に記載の発明によれば、請求項17に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合は、蓄積装置情報及び配信容易性情報を生成し、対応する配信情報の配信を管理する機能を有する情報処理装置にそれらを送信するように当該コンピュータが機能することとなるので、当該情報処理装置において当該蓄積装置情報及び配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることで、当該他の情報処理装置において配信容易性情報に基づき配信情報の配信元となる蓄積装置を選択することができ、効率的且つ迅速に配信情報の配信を受けることができる。
従って、各蓄積装置間において配信情報の配信容易性について差がある場合でも、配信が容易な蓄積装置を選ばせて迅速且つ効率的に配信情報の配信を行うことができる。
また、請求項18に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項17に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、蓄積装置に新たな配信情報が蓄積されたときに蓄積装置情報及び配信容易性情報を夫々生成し、その新たに生成された蓄積装置情報及び配信容易性情報を夫々情報処理装置に送信するように当該コンピュータが機能することとなるので、配信情報管理用の情報処理装置において最新の配信情報に対応する蓄積装置情報及び配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることができる。
更に、請求項19に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項17又は18に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、予め設定された時間毎に配信容易性情報を生成し、その時間毎に新たに生成された配信容易性情報を配信情報管理用の情報処理装置に送信するように当該コンピュータが機能することとなるので、配信情報管理用の情報処理装置において各配信情報について最新の配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることができる。
更にまた、請求項20に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項17又は18に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報の内容が変化したとき、対応する配信容易性情報を新たに生成し、当該新たに生成された配信容易性情報を情報処理装置に送信するように当該コンピュータが機能することとなるので、配信情報管理用の情報処理装置において各配信情報について最新の配信容易性情報を他の情報処理装置に参照させることができる。
また、請求項21に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項17から20のいずれか一項に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、容易性情報が、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つに基づく情報であるので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置に当該容易性情報を含む配信容易性情報を参照させることで、実際の配信状況に的確に対応して最も配信を受けやすい蓄積装置を当該他の情報処理装置において選択させることができる。
更に、請求項22に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合は、請求項21に記載の蓄積装置として当該コンピュータが機能する場合に加えて、範囲情報、最大伝送速度、配信先の数、第一頻度又は第二頻度の少なくともいずれか一つの値を点数化して送信するので、配信情報の配信を受ける他の情報処理装置において客観的に配信の容易性を判断可能に配信容易性情報を参照させることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、インターネット等のネットワークを用いて上記コンテンツの配信を行う配信システムであって、当該ネットワークに属する端末装置間で、当該コンテンツが相互に直接授受される(換言すれば、コンテンツを複数の端末装置間で共有する)配信システム、すなわちいわゆるP2P(Pear to Pear)型の配信システムに対して本発明を適用した場合の実施の形態である。なお、以下の説明においては、上記端末装置を一般的に「ノード」と称することとする。
(I)本発明の原理
初めに、本発明の実施形態について具体的に説明する前に、本発明の原理につき、実施形態に係るP2P型配信システム(以下、単に配信システムと称する)の概要と共に説明する。
(A)配信システムの概要
先ず、実施形態に係る配信システムの概要につき、図1及び図2を用いて説明する。なお、図1及び図2は当該配信システムの概要を示す模式図である。
一般に、上記ネットワークに接続されている特定のノードが、他のノードが記憶しているコンテンツを当該他のノードから取得する際には、どのノードがどのコンテンツを記憶しているかという情報を知る必要がある。例えば当該ネットワークがインターネットである場合には、コンテンツを特定できる索引情報(例えば映画のタイトル名)とそれを記憶しているノードのIP(Internet Protocol)アドレスの組を認識し、そのIPアドレスを手がかりとして所望するコンテンツの授受を行う必要がある。よって、実施形態に係る配信システムの如き不特定多数のノードがコンテンツを共有し合うような配信システムにおいては、全てのコンテンツの索引情報とそれを記憶しているノードのIPアドレスを各ノードが認識しておくことが必要となる。
しかしながら、ネットワークに接続されているノードの数が多くなった場合、各ノードにおける物理的な記録可能量の制限等が理由となって、全てのコンテンツの索引情報とそのコンテンツを記憶しているノードのIPアドレスを各ノードが夫々に記録しておくことは現実的ではない(例えば、ネットワークに百万台のノードが接続されている場合、その百万台分のIPアドレスを各ノードが互いに全て記録しておくことは全く現実的ではない)。
また、各ノードが全てのコンテンツの索引とそれを記憶するノードのIPアドレスを記録しておく場合、ネットワーク内の各ノードにおける電源スイッチのオン/オフが頻繁な場合(例えば当該ノードをパーソナルコンピュータにより実現する場合は頻繁に電源スイッチが操作され得ることになる)にも、各ノードに記録されたIPアドレス等の更新が頻繁になり、現実的にはネットワーク全体としての運用が困難となる。
そこで、上述したような問題点に対処すべく、必要最低限のノードのIPアドレスをのみを記録し、そのIPアドレスを認識していない他のノードに対しては、そのノードに配信すべきコンテンツを他のノードを介して転送して届けるという仕組みの配信システムが研究されており、その一つに、いわゆるDHT(Distributed Hash Table;離散ハッシュテーブル)を用いた配信システムがある。
次に、当該DHTを用いた配信システムについて、概要を説明する。
上記DHTを用いた配信システムでは、各ノードを相互に識別するためのノードID(Identification)を当該各ノードに付与する。このとき、当該ノードIDは、ノード毎にユニークな、すなわち他のノードとは異なる番号を付与する。この番号は、そのネットワークにおけるノードの最大運用台数を収容できるだけのビット数(ビット長)を有するものとなる。より具体的には、例えば128ビットのノードIDを用いれば、最大で、2128=340×1036台のノードを一つのネットワーク内に接続することができる。そして、当該ノードIDとして一般的には、ノード自体に付与されているIPアドレスやいわゆるMAC(Media Access Control)アドレス、或いはノード自体の製造番号等の、当該ノード毎に固有の値に対してハッシュ関数を適用して得られる値を用いる。
次に、上記DHTを用いた配信システムでは、その配信システムによって配信されるコンテンツ自体にも、他のコンテンツとは異なるユニークなコンテンツIDを付与する。このコンテンツIDのビット長も上記ノードIDのビット長と同一とされる。そして、当該コンテンツIDとして一般的には、そのコンテンツのタイトルを示すタイトルデータ、コンテンツを構成するデータの属性を示す属性データ、コンテンツを構成するデータのうち先頭から数バイト分のデータ等に対してハッシュ関数を適用して得られる値を用いる。
ここで、対応するノードID及びコンテンツIDが相互に同じビット長で表現されていることも関連して、上記ノード及びコンテンツは、同一のリング状の仮想的なID空間上に点在するものとして考えることができる。すなわち、一のノードを●で表示し且つ一のコンテンツを○で表示する図1(a)に示すように、コンテンツが属するリングRcとノードが属するリングRnとを仮想的に同心円状に想定し、更に各リングRc及びRnにおいて反時計回りに各IDの値が増加すると規定すると、各ノード又は各コンテンツは、各リングRc及びRn上に重なることなく存在すると仮定できるのである。なお、各IDを上記の例のように128ビット長で表現すると桁数が多くなりすぎるので、図1(a)においては、説明の簡略化のために、各IDのビット長を32ビットとして表現している(以下、同様)。そして、上述したように各IDの値を決めるに当たってハッシュ関数を用いたことに起因して、各ノード及び各コンテンツは、上記各リングRc及びRn上に偏ることなく概ね分散して存在することとなる。
一方、上記DHTを用いた配信システムでは、「あるコンテンツIDが付与されているコンテンツを管理するノードは、そのコンテンツIDの値に一番近い値を有するノードIDが付与されているノード」とされている。
ここで、「近い」とは、その配信システムに関する各種規定等において一貫してさえいればどのような定義付けでも良いのであるが、具体的には例えば、「そのコンテンツIDの値を超えない値であって且つIDとしての値同士の差が最も小さいもの」というように定義付けられる。
より具体的には、例えば図1(a)に例示するように、ノードIDの値が「A0334055」であるノードとノードIDの値が「A03340FF」であるノードとがリングRn上で隣り合って存在しているとすると、コンテンツIDの値が「A0334080」であるコンテンツは、ノードIDの値が「A0334055」であるノードが管理することになる。なお、図1(a)では、○のコンテンツを管理する端末情報を、当該各○から伸びた矢印で示している。このようにすると、多数のノードで分散して様々なコンテンツを管理することができる。
このとき、「管理」とは、そのコンテンツIDが付与されているコンテンツをその中に記録しているという意味ではなく、そのコンテンツが記録されているノードの所在(例えばIPアドレス等)を認識しているとの意味である。実際にコンテンツが記録されているノードと管理するノードとが異なっても良いし、或いは管理するノード内にその管理対象であるコンテンツが記録されていても良い。
そして、上述したコンテンツ管理用のノードを「ルートノード」と称する。ルートノードは、それが管理することとされているコンテンツを示すコンテンツIDと、当該コンテンツIDにより示されるコンテンツが記録されているノードのIPアドレスと、の対からなるインデックス情報を記録し、これを配信システム内の他のノードから参照可能に記録する。このインデックス情報内に、そのコンテンツのタイトルやその属性(ジャンル)等が含まれる場合もある。
また、異なるコンテンツを夫々示すコンテンツIDが偶然に近い値となり、その値に近い値のノードIDを有するノードが他に存在しない場合には、一つのルートノードが複数のコンテンツに対応する複数のインデックス情報を記録することとなる。更に、同一のコンテンツが異なる複数のノード内に記録されている場合であって、その同一のコンテンツを記録しているノードが偶然に一つのルートノードに近い場合、当該ルートノードには、同一のコンテンツが夫々に記録されている複数のノードのインデックス情報が記録されることとなる。上述してきたルートノード内のインデックス情報EXの一例を図1(b)に示す。
更に、実際に各コンテンツ自体を記録しているノードを「コンテンツホルダ」と称する。このとき、当該コンテンツホルダ自体はノードであるから、そのノードIDは、図1(a)におけるリングRn上に存在していることになる。
次に、上記DHTを用いた配信システムにおいて、上述したように全てのノードのIPアドレスを各ノード夫々が記録する必要性を排除するための工夫の一つであるDHT(ルーティングテーブル)自体について説明する。
実施形態に係るDHTには、図1に例示したID空間を段階的なレベル毎にレベル数を上げつつ細分化(例えば、レベル1の場合は当該ID空間を四分割)していき、そのレベル毎(段階的に細分化した領域毎)に、任意のノードのノードIDとそのIPアドレスとを対としたルーティング情報が記述されている。そして、例えばコンテンツの配信元情報を要求するための配信元問い合わせ情報をそのインデックス情報が記録されているルートノードに転送する場合、このルーティング情報を参照しつつ当該問い合わせ情報を目的のルートノードまで転送する。すなわち、DHTにおけるレベルが上がる度に、ルーティング先のノードIDが到達しようとするルートノードのノードIDに一桁ずつ合致していき、最終的に当該到達しようとするルートノードに上記要求情報が到達することになる。
なお、DHTを用いた配信システムにおいては、上述した如き問い合わせ情報(クエリ)や、そのコンテンツの配信自体を要求する配信要求情報、及び後述する登録メッセージ、などを「メッセージ」と称している。そして、上述した仕組みのDHTを使うと、上記メッセージを図1に例示する如き上記ID空間内で効率よく目的のノードまで転送することができる。なお、以下の説明においては、コンテンツホルダにおいて新たにコンテンツが記録された場合に、それを他のノードから発見可能にする(公開する)ために、当該コンテンツホルダにおいて生成されるメッセージを登録メッセージと称し、後述するリクエスタからルートノード又は後述するキャッシュノードに対して送信するメッセージを配信元問い合わせメッセージと称する。
ここで、上述したようにルートノードのノードIDの値は、そのルートノードがコンテンツを管理しているコンテンツホルダのノードIDの値に最も近いのであるから、上記配信元問い合わせメッセージは、当該配信要求メッセージにより要求されているコンテンツホルダに到達する直前に、配信要求対象のコンテンツを管理するルートノードに到達することになる。そして、当該配信元問い合わせメッセージを受け取ったルートノードは、その配信元問い合わせメッセージにより要求されているコンテンツを蓄積しているコンテンツホルダのIPアドレス等を、当該配信元問い合わせメッセージの発信元まで返信する。すなわち、ルートノード内に記録されているインデックス情報(図1(b)参照)の中から、当該配信元問い合わせメッセージにより要求されているコンテンツを示すタイトル、属性情報及びそのコンテンツホルダとしてのノードのIPアドレス等が配信元問い合わせメッセージの発信元であるノードまで返信される。このようなDHTの活用により、効率的に所望のコンテンツの所在が例えば配信要求元において認識できるのである。なお、上述したコンテンツの配信要求元であるノードを、以下「リクエスタ」と称する。
次に、あるノードに新たなコンテンツが蓄積された場合における当該コンテンツの登録処理について説明する。
新しいコンテンツがノード、すなわちそのコンテンツのコンテンツホルダに蓄積されると、そのコンテンツホルダは、配信システム内の他のノードに対してそのコンテンツが蓄積されたことを公開することになる。
すなわち、あるノードに新たなコンテンツが蓄積されたとき、当該蓄積されたコンテンツに対するコンテンツホルダとなるそのノードは、蓄積されたコンテンツのタイトル等に基づき、当該コンテンツに対応するコンテンツIDを算出する。
次に、当該コンテンツホルダは、算出されたコンテンツIDと同じ値を有するノードIDを有するノードを到達先として(そのノードIDを有するノードが実在するかどうかに拘わらず)、登録メッセージを送信する。この登録メッセージは、そのコンテンツを示すタイトル、属性情報及びそのコンテンツホルダとしてのノードのIPアドレス等を含むものであり、上記DHTの記述に従って各ルーティング先を介して各レベルの到達先としてのノードに順次転送される。
そして、最も近い値のノードIDを有するノードに到達すると、そのノードはその後にその登録メッセージを転送すべきノードがID空間内に存在しないことが認識して(DHTで桁合わせをすると、次に転送すべきノードが自分自身であることを認識する)、この時点で当該登録メッセージが到達しているノードが新たなコンテンツを管理するルートノードとなることになる。そして、当該ルートノードとなったノードは、登録メッセージ含まれているコンテンツID及びコンテンツホルダを示すIPアドレス並びに属性情報等を図1(b)に例示するインデックス情報EXとして記録する。
次に、実施形態に係る配信システムにおける「キャッシュノード」なる概念について、図2を用いて説明する。なお、図2及び後述の図3においては、ルートノードを二重丸で示し、コンテンツホルダを内部に×が記された○で示し、リクエスタを内部に|が記された○で示し、後述するキャッシュノードを内部に+が記された○で示し、他の一般のノードは●で示す。
上述したDHTを用いたルーティングによりリクエスタRQ1乃至RQ3からの配信元問い合わせメッセージQrをルートノードRN(又はコンテンツホルダCH)に転送する場合、その転送経路(図2(a)及び図2(b)において破線で示す)は、図2(a)に示すように上述した登録メッセージQpが辿った経路(図2(a)及び図2(b)において実線で示す)と似た経路となるので、この経路上にある各ノード(図2(a)において符号CNで示す)においても図1(b)に例示するインデックス情報EXを記録しておけば、当該経路を経る配信元問い合わせメッセージQrに対応して、その到達先であるルートノードRN又はコンテンツホルダCHに当該配信元問い合わせメッセージQrが到達する前に、早い段階で当該配信元問い合わせメッセージQrに対応する回答をリクエスタRQ1乃至RQ3まで返信することができる。
すなわち、配信システム内に公開されたコンテンツの配信を要求するリクエスタRQ1乃至RQ3が、そのコンテンツが記録されているノード(すなわちコンテンツホルダCH)のIPアドレスを要求する旨の配信元問い合わせメッセージQrを送信すると、当該配信元問い合わせメッセージQrは各ノード内のDHTに記述されているルーティング先を転送されルートノードRNに近づいていく。そして、最終的には、その経路がコンテンツホルダCHからの登録メッセージQpの経路と合流して、ルートノードRNに到達する。
ここで、図2(a)に示したリングRc上の経路を木構造に置き換えると図2(b)に示した如きものとなるが、これを実施形態においては「スパニングツリー」と称する。
図2(a)に示したように、各リクエスタRQから送信された配信元問い合わせメッセージQrの経路とコンテンツホルダCHから送信された登録メッセージQpの経路とは、それら経路上のいずれかのノードにおいていずれ交わる。そこで、公開用の登録メッセージQpをルートノードRNまで到達させる経路上にあるノード夫々に当該登録メッセージQpに含まれているインデックス情報EXを、一時的に記録可能な一時記録領域に記録させつつ(すなわち、一時的にキャッシュさせつつ)当該登録メッセージQpの転送を行う。そうすれば、リクエスタRQからの配信元問い合わせメッセージQrに対する返信を、ルートノードRNに至る経路上の配信元問い合わせメッセージQrが到達したノードから、配信元問い合わせメッセージQrがルートノードRNに到達する前に行うことができるのである。このようにルートノードRN以外のノードであってインデックス情報EXを一時的に記録しているノードを、以下「キャッシュノード」CNと称する。
(B)本発明の原理
次に、概要を上述した配信システムを前提とする本発明に原理について、図3を用いて説明する。
上述した配信システムにおけるインデックス情報EXとしては、図1(b)に例示した如きものであり、これには、当該インデックス情報EXの夫々が対応するコンテンツ自体を示す情報(例えば図1(b)に例示するタイトルやジャンル、或いは監督名等)の他は、対応するコンテンツID及びそのコンテンツが記録されている蓄積装置としてのコンテンツホルダCHのIPアドレス等のみであって、対応するコンテンツホルダCH自体におけるコンテンツ配信の容易性に関する情報は含まれていなかった。
そこで、図3に示すように、本発明では、このインデックス情報EXの夫々に対して、当該インデックス情報EXが対応するコンテンツが記録されているコンテンツホルダCHからのコンテンツの配信の容易性に関する容易性情報HPを夫々追加する。そして、他の情報処理装置としてのリクエスタRQがそのインデックス情報EXを容易性情報HPと共に参照したときに、当該容易性情報HPを参照して配信を受け易いコンテンツホルダCHから優先して接続し、当該配信を受けることとする。なお、以下の実施形態では、容易性情報HPが付加された本発明に係るインデックス情報を、インデックス情報EXXと称することとする。また、図3では、一つの情報処理装置としてのルートノードRNに複数のコンテンツに対応するインデックス情報EXXが記録されており、更に一つのコンテンツにつき、同一のコンテンツを記録する複数のコンテンツホルダCHを示すインデックス情報EXXが記録されている状態を例示している。
また、当該容易性情報HPの内容として含まれるパラメータとして具体的には、リクエスタRQから配信が要求されたコンテンツが記録されているコンテンツホルダCHが存在しているネットワーク上の範囲を示す範囲情報100と、各コンテンツホルダCHにおける混雑度(すなわち、現在そのコンテンツホルダCHに接続している他のノードの数)を示す混雑度情報101、当該コンテンツホルダCHからのコンテンツの配信に用いられる伝送路の種類(換言すれば、その最大伝送速度)を示す回線種類情報102と、各コンテンツホルダCHに対する電源電力供給の停止が発生する頻度を示す頻度情報103と、各コンテンツホルダCHにおけるコンテンツ配信のための処理が停止している(すなわち、当該コンテンツホルダCHにおいていわゆるタイムアウトが生じている)と看做される頻度である頻度情報104と、上述した範囲情報100、混雑度情報101、回線種類情報102、頻度情報103及び頻度情報104夫々の値を後述する方法により点数化して得られる値の合計点を示す点数情報105と、が含まれている。
更に、当該インデックス情報EXXは、図3に示すルートノードRNだけでなく、上述した情報処理装置としてのキャッシュノードCNにも同様のものが記録されており、これを参照することで、リクエスタRQからの要求情報としての配信元問い合わせメッセージQrをルートノードRNまで到達させずとも、当該配信元問い合わせメッセージQrに対応する返信情報RTを当該リクエスタRQまで返信することができる。
なお、同一のコンテンツが複数のコンテンツホルダCH内に記録されている本発明に係る配信システムの場合、上記配信元問い合わせメッセージQrには、配信を所望するコンテンツを示すコンテンツIDと共に、そのコンテンツを記録しているコンテンツホルダCHに対応するインデックス情報EXXであってリクエスタRQから参照を所望するインデックス情報EXXの数を示す情報が含まれている。そして、その配信元問い合わせメッセージQrを送信したリクエスタRQにおいては、当該参照した複数のインデックス情報EXXのうち、当該コンテンツの配信が最も容易であることが対応するインデックス情報EXXにより示されているコンテンツホルダCHを選択して接続し、当該コンテンツの配信を受ける。
このように、本発明による容易性情報HPを含むインデックス情報EXXをルートノードRN及びキャッシュノードCNが夫々記録しておくことで、配信を受けることが容易なコンテンツホルダCHから迅速且つ用意に所望のコンテンツの配信を受けることができるのである。
(II)実施形態
次に、上述した原理に則った本発明に係る実施形態について、具体的に図4乃至図10を用いて説明する。
初めに、実施形態に係るノードの概要構成について図4を用いて説明する。なお、図4は実施形態に係るノードの概要構成を示すブロック図である。また、本実施形態においては、上記コンテンツホルダCH、リクエスタRQ、ルートノードRN、キャッシュノードCN及びその他のノードは、基本的に全て同一のハードウエア構成を有するものであるので、それらを代表して一般のノードNの構成について、図4を用いてその概要を説明する。
図4に示すように、実施形態に係る配信システムに含まれているノードNは、演算機能を有するCPU、作業用RAM(Random Access Memory)、各種データ及びプログラムを記録するROM(Read Only Memory)等から構成された制御部11と、上記コンテンツ自体としてのコンテンツデータ、上記インデックス情報EXX、上記DHT及びその他の必要なプログラム等を記録保存(格納)するためのHDD等から構成された記録部12(上記コンテンツデータは、その配信前はコンテンツホルダCHとしてのノードN内の記録部12内にのみ記録されている)と、受信されたコンテンツデータを一時蓄積するバッファメモリ13と、コンテンツデータに含まれるエンコード(符号化)されたビデオデータ(映像情報)及びオーディオデータ(音声情報)等をデコード(データ伸張や復号化等)するデコーダ部14と、当該デコードされたビデオデータ等に対して所定の描画処理を施しビデオ信号として出力する映像処理部15と、当該映像処理部15から出力されたビデオ信号に基づき映像表示するCRT(Cathode Ray Tube)又は液晶ディスプレイ等よりなる表示部16と、上記デコードされたオーディオデータをアナログオーディオ信号にD/A(Digital/Analog)変換した後これを増幅器等により増幅して出力する音声処理部17と、当該音声処理部17から出力されたオーディオ信号を音波として出力するスピーカ18と、ネットワーク8を通じて他のノード装置1との間の情報の通信制御を行なうための通信部20と、夫々の使用者からの指示を受け付け当該指示に応じた指示信号を制御部11に出力する入力部(例えば、キーボード、マウス或いは、操作パネル等)21と、を備えて構成され、制御部11、記録部12、バッファメモリ13、デコーダ部14、及び通信部20はバス22を介して相互にデータの授受が可能に接続されている。
そして、制御部11におけるCPUが記録部12等に記録された各種プログラムを実行することにより、制御部11が、リクエスタRQ、キャッシュノードCN、ルートノードRN、コンテンツホルダCH又はそれら以外の一般のノードNとしての全体動作を統括制御する。
なお、上記ノードNが本発明に係る蓄積装置としてのコンテンツホルダCHである場合は、制御部11が本発明に係る第1生成手段、第2生成手段及び点数化手段として機能し、通信部20が本発明に係る送信手段として機能する。また、上記ノードNが本発明に係る情報処理装置としてのルートノードRN又はキャッシュノードCNである場合は、制御部11が本発明に係る第1取得手段、第2取得手段、更新手段、点数化手段及び検索手段として機能し、記録部12が本発明に係る記録手段として機能し、通信部20が送信手段として機能する。更に、上記ノードNが本発明に係る他の情報処理装置としてのリクエスタRQである場合は、制御部11が本発明に係る参照手段、選択手段、検索手段及び点数化手段として機能し、通信部20が本発明に係る接続手段として機能する。
次に、コンテンツホルダCH、ルートノードRN及びキャッシュノードCN並びにリクエスタRQに分けて、実施形態に係る各ノードNの動作について説明する。
(A)コンテンツホルダにおける動作
先ず、実施形態に係るコンテンツホルダCHにおける動作について、図5及び図6を用いて説明する。なお、図5は実施形態に係るコンテンツホルダCHにおける動作を示すフローチャートであり、図6は実施形態に係る容易性情報HPを構成する各パラメータの具体例を示す図である。
図5に示すように、実施形態に係るコンテンツホルダCHにおいては、先ず、当該コンテンツホルダCH内の記録部12に配信用の新しいコンテンツ(又はその複製(レプリカ))が記録されると(ステップS1)、当該コンテンツが記録部12に記録された時点における上記容易性情報HPが生成され(ステップS2)、当該容易性情報HPを含むインデックス情報EXXを含む登録メッセージQp(図3参照)がルートノードRNとなるべきノードNに向けて送信される(ステップS3)。
ここで、実施形態に係る容易性情報HPを構成する各パラメータ(範囲情報100、混雑度情報101、回線種類情報102並びに頻度情報103及び104。図3参照)について、具体的に図6を用いて説明する。
先ず、範囲情報100とは、具体的にはそのコンテンツホルダCHが属しているISP(Internet Service Provider)、換言すれば、そのコンテンツホルダCHが存在しているネットワーク上の範囲(図1に例示したID空間上の領域又は地理的な領域ではなく、実際の物理的なネットワーク上における範囲)を示すAS(Autonomous System)番号である。
次に、回線種類情報102とは、図6(a)に示すように、具体的にはそのコンテンツホルダCHを配信システム内のネットワークに接続するときに用いられている回線の種類を示す情報であり、その内容としては、その回線種類が光回線であるか、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)であるか、或いはCATV(Cable Television)回線であるか、のいずれかとされる。そして、回線種類情報102としての点数は、その回線により同時接続が可能な配信数がそのまま点数とすることができる。例えば、回線種類が光回線である場合の回線種類情報102としての点数は「15点」とされ、回線種類がADSLである場合の回線種類情報102としての点数は「6点」とされ、回線種類がCATV回線である場合の回線種類情報102としての点数は「9点」とされる。
次に、混雑度情報101については、上記回線種類情報102によりその種類が示されている回線における最大同時配信可能数により現在その配信が同時並行的に実際に行われているコンテンツの数を除した値に「100」を乗じた数が混雑度であり、その混雑度の範囲に応じてそれを点数化したものが混雑度情報101となる。より具体的には、例えばその回線が光回線(最大同時配信可能数は「15」)である場合において、現在五つのコンテンツの配信が同時並行的に実際に行われているとすると、この時の混雑度は、
5(現在の配信数)/15(最大同時配信可能数)×100=33(%)
となる。
そして、この混雑度を、その範囲に応じて例えば図6(b)に示すように点数化して混雑度情報101が得られる。図6(b)に示す場合は、混雑度が小さいほどコンテンツの配信は容易であるとしてその点数は高く設定されている。
更に、頻度情報103につき、上記DHTを用いた配信システムでは、コンテンツが各ノードNに分散保存されており、ほぼ全てのノードNの記録部12内に一又は二以上のコンテンツが記録されることとなる。これにより、あるリクエスタRQから他のノードNとしてのコンテンツホルダCH内のコンテンツにアクセスする場合が多々あることになるが、このアクセスのためには当該コンテンツホルダCHに対する電源電力の供給が行われている必要があり、換言すれば、常に電源電力が供給されているコンテンツホルダCHが多いほどコンテンツを早く安定してリクエスタRQから発見できることになる。しかしながら、当該コンテンツホルダCHは他の使用者の所有物でありその電源電力の供給状態をリクエスタRQ(又はそれを所有する使用者)が管理することはできない。そこで、例えば過去一ヶ月内にそのコンテンツホルダCHに対する電源電力の供給が停止した回数を点数化したものを、当該コンテンツホルダCHに対応する頻度情報103として容易性情報HPに追加するのである。より具体的には、過去一ヶ月内の当該電源電力の供給が停止した回数に応じて例えば図6(c)に示すように点数化して頻度情報103が得られる。図6(c)に示す場合は、電源電力の供給が停止した回数が小さいほどコンテンツの配信は容易であるとしてその点数は高く設定されている。
また、頻度情報104につき、一般に上記タイムアウトとは、何らかの理由(コンテンツホルダCH側にその理由がある場合とリクエスタRQ側にその理由がある場合とがある)によりコンテンツホルダCHからの配信処理に必要以上の時間を要した場合、予め設定されている一定時間が経過してもなおその配信処理が終了しないときは当該タイムアウトとして強制的にその配信処理をコンテンツホルダCHにおいて終了させるものである。この場合のタイムアウトは、リクエスタRQにおいて当該一定時間が経過してもコンテンツのデータがダウンロードできないときにタイムアウトとなる場合もあり、これに対してコンテンツホルダCHからリクエスタRQへ配信すべきコンテンツのデータを送信してはいるが、その送信に対するリクエスタRQからの返信が当該一定時間以上経過してもないときにタイムアウトとなる場合もある。そして、このタイムアウトの回数も当該コンテンツホルダCHからの配信の容易性を示すパラメータとなり得るので、例えば過去一ヶ月内に(コンテンツホルダCH又はリクエスタRQの少なくとも一方が原因で)発生したその回数を点数化したものを、頻度情報104として容易性情報HP内に含ませるのである。より具体的には、過去一ヶ月内の対応するコンテンツホルダCHにおいてタイムアウトが発生した回数に応じて例えば図6(d)に示すように点数化して頻度情報104が得られる。図6(d)に示す場合は、タイムアウトの回数が小さいほどコンテンツの配信は容易であるとしてその点数は高く設定されている。
そして最後に、点数情報105は、上述してきた範囲情報100、混雑度情報101、回線種類情報102並びに頻度情報103及び104夫々の点数を合計して得られる。なお、点数情報105としては、上記範囲情報100等の点数を単純に合計した点数を点数情報105としての値としても良いし、範囲情報100等の各パラメータについて夫々予め設定されている重み付けをした上で加算し、点数情報105としての最大点数が例えば100点となるように正規化した点数を点数情報105としての値としても良い。なお、このときの重み付けの例としては、例えば、範囲情報100の重み付けを20/100、混雑度情報101の重み付けを50/100、回線種類情報102、頻度情報103及び104の重み付けを夫々10/100とするのが好適である。
以上のようにして図6に例示する如きパラメータを含む容易性情報HPが付加されたインデックス情報EXXを含む登録メッセージQpが、ルートノードRNとなるべきノードNに向けて送信されると(ステップS3)、次にその登録メッセージQpを送信したコンテンツホルダCHの制御部11内の図示しないタイマにおける計時をスタートさせる(ステップS4)。
次に、当該タイマにおける計時を継続しつつ、当該コンテンツホルダCHにおける上記容易性情報HPを構成するいずれかのパラメータ(例えば、最も変化する可能性が高いと予想される混雑度情報101)の内容が予め設定された閾値(図5に示す場合は±20%)以上変化したかを確認し(ステップS5)、変化しているときは(ステップS5;Y)、ルートノードRNにおける当該コンテンツホルダCHに対応する容易性情報HPを更新すべきとして、当該更新のためのメッセージを当該ルートノートRNに向けて送信し(ステップS8)、次に当該コンテンツホルダCH内に記録されているコンテンツ(又はその複製)が記録部12から消去されたか否かを確認する(ステップS9)。そして、消去されているときは(ステップS9;Y)、コンテンツホルダCHにおける実施形態としての処理を完了し、一方、未だ消去されていないときは(ステップS9;N)、容易性情報HP更新後(ステップS8)の新たなタイマにおける計時を開始すべく上記ステップS4に戻る。
他方、上記ステップS5の判定において、容易性情報HPを構成するいずれのパラメータの内容もそれが対応する閾値以上変化していないときは(ステップS5;N)、更に一分待機し(ステップS6)、次に、直前の上記ステップS4の処理における計時開始から15分経過したか否かを確認する(ステップS7)。
そして、15分経過しているときは(ステップS7;Y)、容易性情報HPに含まれるいずれかのパラメータの内容が、実際に変化しているか否かに拘わらず、ルートノードが電源断されて他のノードに交代されている可能性に対応するために、上記更新用の登録メッセージQpをルートノードRNに送信し(ステップS8)、その後上記ステップS9の判定に移行する。また、ステップS7の判定において、計時開始から15分以内であるときは(ステップS7;N)、再度容易性情報HPに含まれるいずれかのパラメータの内容の変化の有無を確認すべく上記ステップS5に戻る。
以上説明したコンテンツホルダCHとしての動作により、コンテンツの初期登録に伴う容易性情報HPの新規生成並びにその更新が実行され、それを含むインデックス情報EXXがルートノードRN(及びキャッシュノードCN)内に記録される。
(B)ルートノード及びキャッシュノードにおける動作
次に、実施形態に係るルートノードRN及びキャッシュノードCNにおける動作について、図7乃至図9を用いて説明する。なお、図7は実施形態に係るルートノードRN及びキャッシュノードCNにおける全体動作を示すフローチャートであり、図8及び図9は当該ルートノードRN及びキャッシュノードCNにおける細部動作を夫々示すフローチャートである。
図7に示すように、実施形態に係るルートノードRN及びキャッシュノードCNにおいては、先ず、配信システム内のいずれかのノードNから何らかのメッセージ(登録メッセージQp又は配信元問い合わせメッセージQrのいずれか)を受け取ると(ステップS10)、そのメッセージがコンテンツホルダCHからの登録メッセージQpであるか或いはリクエスタRQからの配信元問い合わせメッセージQrであるかを、その送信元のノードID等に基づいて判断する(ステップS11)。
そして、当該受け取ったメッセージがリクエスタRQからの配信元問い合わせメッセージQrであるときは(ステップS11;リクエスタから)、次に、その配信元問い合わせメッセージQrを受け取ったノードN自体(すなわち、図7のフローチャートにより示される動作が実行されているノードN)がルートノードRNであるか或いはキャッシュノードCNであるかが確認される(ステップS12)。
これにより、当該ノードNがルートノードRNであるときは(ステップS12;ルートノード)、当該ルートノードRNとして上記配信元問い合わせメッセージQrに対する返信処理を行い(ステップS13)、当該ルートノードRNとしての動作を終了する。なお、当該ステップS13の動作の細部については、後ほど詳述する。
一方、ステップS12の判定において、当該ノードNがキャッシュノードCNであるときは(ステップS12;キャッシュノード)、当該キャッシュノードCNとして上記配信元問い合わせメッセージQrに対する返信処理を行い(ステップS14)、当該キャッシュノードCNとしての動作を終了する。なお、当該ステップS14の動作の細部についても、後ほど詳述する。
他方、上記ステップS11の判定において、当該受け取ったメッセージがコンテンツホルダCHからの登録メッセージQpであるときは(ステップS11;コンテンツホルダから)、次に、上記ステップS12の判定と同様にその登録メッセージQpを受け取ったノードN自体がルートノードRNであるか或いはキャッシュノードCNであるかが確認される(ステップS15)。
これにより、当該ノードNがルートノードRNであるときは(ステップS15;ルートノード)、更に受け取った登録メッセージQpがコンテンツの新規登録時にコンテンツホルダCHから送信された登録メッセージQpであるか、或いは登録済みのコンテンツに対応するインデックス情報EXXを更新するための登録メッセージQpであるかを、その内容等に基づいて確認する(ステップS16)。そして、受け取った登録メッセージQpが新規登録用の登録メッセージQpであるときは(ステップS16;登録)、当該ルートノードRNとして当該登録メッセージQpを用いた登録処理を行い(ステップS17)、当該ルートノードRNとしての動作を終了する。なお、当該ステップS17の動作の細部についても、後ほど詳述する。
一方、ステップS16の判定において、受け取った登録メッセージQpが更新用の登録メッセージQpであるときは(ステップS16;更新)、当該ルートノードRNとして当該登録メッセージQpを用いた更新処理を行い(ステップS18)、当該ルートノードRNとしての動作を終了する。なお、当該ステップS18の動作の細部についても、後ほど詳述する。
他方、ステップS15の判定において、当該ノードNがキャッシュノードCNであるときは(ステップS15;キャッシュノード)、更に上記ステップS16と同様にその受け取った登録メッセージQpが新規登録用の登録メッセージQpであるか、或いはインデックス情報EXX更新用の登録メッセージQpであるかを、その内容等に基づいて確認する(ステップS19)。そして、受け取った登録メッセージQpが新規登録用の登録メッセージQpであるときは(ステップS19;登録)、当該キャッシュノードCNとして当該登録メッセージQpを用いた登録処理を行い(ステップS20)、当該キャッシュノードCNとしての動作を終了する。なお、当該ステップS20の動作の細部についても、後ほど詳述する。
一方、ステップS19の判定において、受け取った登録メッセージQpが更新用の登録メッセージQpであるときは(ステップS19;更新)、当該キャッシュノードCNとして当該登録メッセージQpを用いた更新処理を行い(ステップS21)、当該キャッシュノードCNとしての動作を終了する。なお、当該ステップS21の動作の細部については、後ほど詳述する。
次に、上記ステップS14としてのキャッシュノードCNにおける配信元問い合わせメッセージQrに対する返信処理の詳細について、図8(a)を用いて説明する。
ルートノードRNと同様のインデックス情報EXXを記録するキャッシュノードCN(図3参照)において配信元問い合わせメッセージQrを受信した場合、図8(a)に示すように、先ず、当該配信元問い合わせメッセージQrから、それを送信したリクエスタRQにおいて所望されているコンテンツを示すインデックス情報EXXを示す情報と当該インデックス情報EXXの数を抽出し(ステップS30)、その配信元問い合わせメッセージQrから抽出したインデックス情報EXXを識別する識別情報と同一の識別情報を有するインデックス情報EXXが実際にそのキャッシュノードCN内に記録されているか否かを確認する(ステップS31)。そして、当該所望されているコンテンツに対応するインデックス情報EXXがそのキャッシュノードCN内にない場合は(ステップS31;N)、他のルートノードRN又はキャッシュノードCN内において必要なインデックス情報EXXを検索すべく、当該の他のルートノードRN又はキャッシュノードCNに上記配信元問い合わせメッセージQrを転送して(ステップS36)、実施形態に係るキャッシュノードCNとしての処理を終了する。
一方、ステップS31の判定において、その配信元問い合わせメッセージQrにおいて所望されているコンテンツに対応するインデックス情報EXXがそのキャッシュノードCN内に発見された場合は(ステップS31;Y)、次に、その配信元問い合わせメッセージQrを送信したリクエスタRQが存在するネットワーク上の範囲を示す範囲情報と、発見されたインデックス情報EXXに含まれている範囲情報100とを比較し(ステップS32)、その比較結果に基づいてリクエスタRQとコンテンツホルダCHとが同一のISPに存在しているか否かにより範囲情報100としての点数を決め、更に当該決定された範囲情報100の点数を含む点数情報105としての点数を決定する(ステップS33)。
そして、各インデックス情報EXXについて決定された夫々の点数情報105の値と、配信元問い合わせメッセージQrによりリクエスタRQにおいて所望されているインデックス情報EXXが備えるべき点数情報105の点数である閾値(当該配信元問い合わせメッセージQrに含まれている)と、を比較し、その閾値以上の点数を有する点数情報105を含むインデックス情報EXXが、当該配信元問い合わせメッセージQrにより示されている所望数だけあるか否かが確認される(ステップS34)。
これにより、当該閾値以上の点数を有する点数情報105を含むインデックス情報EXXが所望数だけキャッシュノードCN内に存在しないときは(ステップS34;N)、他のルートノードRN又はキャッシュノードCN内において必要なインデックス情報EXXを検索すべく、当該の他のルートノードRN又はキャッシュノードCNに上記配信元問い合わせメッセージQrを転送して(ステップS36)、実施形態に係るキャッシュノードCNとしての処理を終了する。
一方、ステップS34の判定において、当該閾値以上の点数を有する点数情報105を含むインデックス情報EXXが所望数だけキャッシュノードCN内に存在しているときは(ステップS34;Y)、当該所望数分のインデックス情報EXXを、配信元問い合わせメッセージQrを送信してきたリクエスタRQに対して返信し(ステップS35)、実施形態に係るキャッシュノードCNとしての処理を終了する。
次に、上記ステップS13としてのルートノードRNにおける配信元問い合わせメッセージQrに対する返信処理の詳細について、図8(b)を用いて説明する。
キャッシュノードCNと同様のインデックス情報EXXを記録するルートノードRN(図3参照)において配信元問い合わせメッセージQrを受信した場合、図8(b)に示すように、先ず、ルートノードRN内に記録されている各インデックス情報EXXを対象として図8(a)に示すステップS30乃至S33と同様の処理を行い、最終的に各インデックス情報EXXにおける範囲情報100としての点数を決め、更に当該決定された範囲情報100の点数を含む得点情報105としての点数を各インデックス情報EXXについて決定する(ステップS33)。
そして、同様にルートノードRNに記録されているインデックス情報EXXを対象として図8(a)に示すステップS34と同様の確認処理を行い、配信元問い合わせメッセージQrに含まれていた閾値以上の点数を有する得点情報105を含むインデックス情報EXXが当該配信元問い合わせメッセージQrにより示される所望数だけルートノードRN内に存在しないときは(ステップS34;N)、当該配信元問い合わせメッセージQr要求された閾値以上の値の得点情報105を含むインデックス情報EXXが当該所望数だけ発見できないのでしばらく待機すべき旨、その配信元問い合わせメッセージQrを送信してきたリクエスタRQに返信して(ステップS37)、実施形態に係るルートノードRNとしての処理を終了する。
一方、ステップS34の判定において、当該閾値以上の点数を有する得点情報105を含むインデックス情報EXXが所望数だけルートノードRN内に存在しているときは(ステップS34;Y)、当該所望数分のインデックス情報EXXを、配信元問い合わせメッセージQrを送信してきたリクエスタRQに対して返信し(ステップS38)、実施形態に係るルートノードRNとしての処理を終了する。
次に、上記ステップS17としてのルートノードRNにおける登録メッセージQpに対応する処理の詳細について、図9(a)を用いて説明する。
図9(a)に示すように、ルートノードRNにおいて新規登録用の登録メッセージQpを受信すると(ステップS50)、そのインデックス情報EXXをそれに含まれる容易性情報HPと共にその記録部12に記録させて(ステップS51、S52)、実施形態に係るルートノードRNとしての処理を終了する。
次に、上記ステップS18としてのルートノードRNにおける登録メッセージQpに対応する処理の詳細について、図9(b)を用いて説明する。
図9(b)に示すように、ルートノードRNにおいて容易性情報HPの更新用登録メッセージQpを受信すると(ステップS55)、そのインデックス情報EXXと同じコンテンツを示す既存のインデックス情報EXXをそのルートノードRN内において検索し(ステップS56)、その検索したインデックス情報EXXの内容を新しいインデックス情報EXXの内容に書き換えて(ステップS57)、実施形態に係るルートノードRNとしての処理を終了する。
次に、上記ステップS20としてのキャッシュノードCNにおける登録メッセージQpに対応する処理の詳細について、図9(c)を用いて説明する。
図9(c)に示すように、キャッシュノードCNにおいて新規登録用の登録メッセージQpを受信すると(ステップS60)、そのインデックス情報EXXをそれに含まれる容易性情報HPと共にその記録部12に記録させ(ステップS61、S62)、更にその新規登録用の登録メッセージQpを次のキャッシュノードCNに転送して(ステップS63)、実施形態に係るキャッシュノードCNとしての処理を終了する。
最後に、上記ステップS21としてのキャッシュノードCNにおける登録メッセージQpに対応する処理の詳細について、図9(d)を用いて説明する。
図9(d)に示すように、キャッシュノードCNにおいて容易性情報HPの更新用登録メッセージQpを受信すると(ステップS65)、そのインデックス情報EXXと同じコンテンツを示す既存のインデックス情報EXXをそのキャッシュノードCN内において検索し(ステップS66)、その検索したインデックス情報EXXの内容を新しいインデックス情報EXXの内容に書き換え(ステップS67)、更にその更新用の登録メッセージQpを次のキャッシュノードCNに転送して(ステップS68)、実施形態に係るキャッシュノードCNとしての処理を終了する。
(C)リクエスタにおける動作
最後に、実施形態に係るリクエスタRQにおける動作について、図10を用いて説明する。なお、図10は実施形態に係るリクエスタRQにおける動作を示すフローチャートである。
図10に示すように、実施形態に係るリクエスタRQにおいては、先ず、使用者による所望のコンテンツの配信を要求する旨の操作が当該リクエスタRQ内の入力部21において実行されると(ステップS70)、当該リクエスタRQにおける制御部11において当該配信要求されたコンテンツを示すコンテンツIDを算出し(ステップS71)、更に、参照を要求するインデックス情報EXXの数(=そのコンテンツの配信元となるべきコンテンツホルダCHの数)により配信元問い合わせメッセージQrに含ませる上記閾値の値を具体的に決定する(ステップS72)。
ここで、当該インデックス情報EXXの参照要求数と閾値との関係について具体的には、例えば、当該参照要求数が一個のみであるときは、冗長性を向上させるべくより配信がより容易なコンテンツホルダCHを選択する必要があるため閾値を「90点」とし、当該参照要求数が二個又は三個であるときは、一つのコンテンツホルダCHについては多少配信容易性が低くても良いため閾値を「80点」とし、当該参照要求数が四個又は五個であるときは、一つのコンテンツホルダCHについての配信容易性は更に低くても良いため閾値を「70点」とし、当該参照要求数が六個乃至九個であるときは、一つのコンテンツホルダCHについての配信容易性はより低くても良いため閾値を「60点」とし、同様に当該参照要求数が十個以上であるときは閾値を「40点」とすることができる(ステップS72)。
配信元問い合わせメッセージQrとしての閾値が決定されると、次に、実施形態に係る配信システム内のネットワークにおけるスパニングツリー上でルートノードRNに向けて当該配信元問い合わせメッセージQrを送信し(ステップS73)、その送信結果として所望するインデックス情報EXXが取得できたか(図8(a)ステップS35又は図8(b)ステップS38参照)、又はしばらく待機すべき旨のメッセージが送られてきたか(図8(b)ステップS37参照)を確認する(ステップS74)。
そして、配信元問い合わせメッセージQrに含まれている閾値より高い得点情報105の値を有するインデックス情報EXXが所望数だけ得られた場合は(ステップS74;リスト)、その得られたインデックス情報EXXの中から得点情報105の値が最も高いインデックス情報EXXを検索し(ステップS77)、その検索したインデックス情報EXXにより示されるコンテンツホルダCHに接続して(ステップS78)所望するコンテンツの配信を受ける(ステップS79)。
そして、当該配信中においては、配信されるべきコンテンツのデータが全て揃ったか否かを常に監視しており(ステップS80)、当該データが全て揃った時点で(ステップS80;Y)実施形態に係るリクエスタRQとしての処理を完了する。
一方、ステップS80の判定において、所望するコンテンツの配信実行中においては(ステップS80;N)、次に、当該コンテンツのデータを構成する単位データ(その単位データ毎の送信間隔は一定とされている)が送信されてくる間隔が、予めそのコンテンツについて定められている間隔から10%以上ずれて来たか否かを常に監視しており(ステップS81)、その間隔のずれが10%未満に維持されている間は(ステップS81;N)、ステップS77に戻って配信を継続する。
他方、ステップS81の判定において、単位データの配信間隔のずれが基準から10%以上ずれてきた場合は(ステップS81;Y)、その配信元であるコンテンツホルダCH自体の動作が不安定になって来ていると判定し、現在接続されているコンテンツホルダCHとの接続をリクエスタRQ側から切断し(ステップS82)、次に、取得済み(ステップS73、S74参照)のインデックス情報EXXの中から、次点に得点情報105により示される点数が高いインデックス情報EXXを検索し(ステップS83)、その新たに検索されたインデックス情報EXXにより示されるコンテンツホルダCHに接続して(ステップS84)所望するコンテンツの配信を受ける(ステップS79)。
一方、上記ステップS74の判定において、配信元問い合わせメッセージQrに対して、しばらく待機すべき旨のメッセージが送られてきた場合は(ステップS74;お待ちください)、ある程度の時間が経過することで新たなインデックス情報EXXが得られる可能性があることにより、再度上記配信元問い合わせメッセージQrを送信するか否かを確認する(ステップS75)。そして、再度配信元問い合わせメッセージQrを送信するとしたときは(ステップS75;Y)、予め設定された待機時間(例えば15分)が経過するのを待って(ステップS76)上記ステップS73に移行して前回と同じ内容の配信元問い合わせメッセージQrを実施形態に係るスパニングツリー上のルートノードRNに向けて送信する(ステップS73)。一方、ステップS75の判定において、配信元問い合わせメッセージQrの再送信を自動では行わない(すなわち、リクエスタRQを使用する使用者の操作により再送信する)こととしたときは(ステップS75;N)、そのまま実施形態に係るリクエスタRQとしての処理を完了する。
以上夫々説明したように、実施形態に係るノードNとしてのコンテンツホルダCH、ルートノードRN、キャッシュノードCN及びリクエスタRQの動作によれば、容易性情報HPを含むインデックス情報EXXが配信システム内のネットワークを介してリクエスタRQから参照可能にルートノードRN及びキャッシュノードCN内に記録されるので、当該リクエスタRQにおいて容易性情報HPに基づきコンテンツの配信元となるコンテンツホルダCHを選択することができ、効率的且つ迅速にコンテンツの配信を受けることができる。
従って、各コンテンツホルダCH間においてコンテンツの配信容易性について差がある場合でも、配信が容易なコンテンツホルダCHをリクエスタRQにおいて選択できることで迅速且つ効率的にコンテンツの配信を行うことができる。
また、コンテンツホルダCHにおける容易性情報HPが更新されたとき、当該更新された容易性情報HPを含むインデックス情報EXXをもってルートノードRN及びキャッシュノードCNに格納されているインデックス情報EXXが更新されるので、コンテンツの配信を受けるリクエスタRQから常に最新の容易性情報HPを参照することができる。
更に、コンテンツの配信を受けるリクエスタRQにおいて容易性情報HPを含むインデックス情報EXX自体を取得して配信元となるコンテンツホルダCHの選択に用いることができる。
更にまた、容易性情報HPが、範囲情報100、混雑度情報101、回線種類情報102並びに頻度情報103及び104をパラメータとして含んでいるので、コンテンツの配信を受けるリクエスタRQにおいて、実際の配信状況に的確に対応して最も配信を受けやすいコンテンツホルダCHを選択することができる。
また、容易性情報HPが範囲情報100、混雑度情報101、回線種類情報102並びに頻度情報103及び104の夫々を点数化した得点情報105を含んでいるので、これを参照することによりリクエスタRQにおいて、客観的な数値として配信の容易性を判断して最も配信を受けやすいコンテンツホルダCHを選択することができる。
更に、予め設定されている閾値を基準としてインデックス情報EXXをリクエスタRQにおいて取捨選択するので、コンテンツの配信を受けるリクエスタRQにおける複雑な判断処理を伴わずに配信容易なコンテンツホルダCHを簡易に選択することができる。
更にまた、コンテンツの配信を行うことが所望されるコンテンツホルダCHの数に応じて上記閾値を変更するので、例えば一つのコンテンツを複数のコンテンツホルダCHから配信する場合においても配信容易なコンテンツホルダCHを適切に複数判断して当該配信を受けることができる。
更に、コンテンツホルダCHにおいて予め設定された時間(実施形態の場合は15分)毎に容易性情報HPを更新し、その時間毎に新たに生成された容易性情報HPをルートノードRN(及びキャッシュノードCN)に送信するので、各コンテンツについて最新の容易性情報HPをリクエスタRQに参照させることができる。
なお、実施形態では上述した如く予め設定された時間、例えば15分後とに容易性情報HPを更新したが、これ以外に、予め設定された時刻毎に容易性情報HPを更新するようにしても良い。
また、リクエスタRQにおいて、現在接続してコンテンツの配信を受けているコンテンツホルダCHとの間の接続状態が不安定になったとき、次点に容易性の高い容易性情報HPを含むインデックス情報EXXにより示されるコンテンツホルダCHに接続し直してコンテンツの配信を受けるので、ネットワークが一部不安定になっても、同一のコンテンツの配信を継続して受けることができる。
なお、上述した実施形態においては、容易性情報HPを構成するパラメータとして範囲情報100、混雑度情報101、回線種類情報102並びに頻度情報103及び104を挙げたが、当該容易性情報HPとして上記各パラメータのいずれか一つが入っていれば本発明としての作用効果は奏し得る。ここで、当該パラメータとしての重要度は、例えば、
範囲情報100>混雑度情報101>回線種類情報102=頻度情報103及び104
とすれば好適である。
また、上述した実施形態においては、コンテンツのデータを構成する単位データの受信間隔にある程度のずれが生じたとき、その時に接続しているコンテンツホルダCHとの間の接続が不安定となったと判断して配信を受けるべきコンテンツホルダCHを切り換えることとしたが、これ以外に、当該接続が完全に切断されたときに同様にしてコンテンツホルダCHを切り換えても良い。
この場合でも、それまでのコンテンツホルダCHとの間の接続が切断されても、同一のコンテンツの配信を継続して受けることができることになる。
更に、上述した実施形態では、容易性情報HPを構成するパラメータの内、混雑度情報101、回線種類情報102、頻度情報103及び104の点数化をコンテンツホルダCHが行っていたが、リクエスタRQ、ルートノードRN又はキャッシュノードCNのいずれにおいても容易性情報HPの点数化が可能である。また、容易性情報HPを構成するパラメータの内、範囲情報100の点数化をルートノードRN又はキャッシュノードCNが行っていたが、リクエスタRQが点数化しても良い。
このとき、容易性情報HP全体をリクエスタRQに送信すると当該リクエスタRQにおけるデータの授受量が多くなるので、当該リクエスタRQには、点数化後の得点情報105のみを送信するように構成することもできる。
また、上述した実施形態においては、容易性情報HPにおける点数化につき、点数が高いほど配信の容易性が高いとの定義により当該点数化を行ったが、これとは反対に、点数が低いほど配信の容易性が高いとの定義により当該点数化を行ってもよく、当該点数化は、配信システム内で統一的にて意義付けられていればどのような点数化の手法を用いても良い。
更に、上述した図5及び図7乃至図10に示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又はインターネット等を介して取得して記録しておき、これらを汎用のコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを実施形態に係る制御部11として機能させることも可能である。