JP2006276654A - 光スイッチ及びその使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非線形光学薄膜を用いる全反射型の光スイッチにおいて、長時間励起する条件で使用した場合に、誤動作が生じるのを回避する。
【解決手段】 光学媒体3中に設けられた光路2より金属酸化物の微結晶を含む非線形光学薄膜1に信号光を斜入射し、該非線形光学薄膜に可視励起光を照射し、全反射現象を誘起することにより信号光の反射・透過挙動を制御して信号光をスイッチングする光スイッチにおいて、該非線形光学薄膜の屈折率の温度係数と該非線形光学薄膜に接する該光学媒体の屈折率の温度係数との差を15×10−6/℃以下にする。好ましくはゼロないしはほぼゼロにする。これにより、温度上昇による影響が相殺され、スイッチングの誤動作を回避できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光通信において光路を切り替えるための光スイッチ及びその使用方法に関するものである。
非線形光学薄膜を用い、励起光による非線形光学薄膜の屈折率変化に伴う全反射現象を利用した光スイッチが提案されている。特許文献1には、導波路を用い非線形光学薄膜に信号光を斜入射し、励起光照射により信号光の取り出し先を透過光側と反射光側に切り替えるタイプの光スイッチが示されている。
このような方式の光スイッチを用いる場合、全反射現象は以下の条件で生じる。すなわち、薄膜材料の前後の光学媒体(導波路を含む)の屈折率をn1とし、薄膜の屈折率をn2とする。また、非線形光学薄膜材料の前後の光学媒体(導波路を含む)から非線形光学薄膜材料への入射角をθ1としたとき、非線形光学薄膜内での屈折角θ2は下記の式(1)で表される。
Figure 2006276654
非励起時の反射損失を下げるためには、n1/n2の条件で光学設計されるため、非励起時にはθ1≒θ2であるが、励起時には非線形光学薄膜の屈折率n2が下がることによりθ2>θ1の関係となる。ここでn2とn1の比が下記の式(2)の条件より小さい領域では全反射現象を生じる。
Figure 2006276654
例えばθ1=60°では(n2/n1)が0.86以下、θ1=77°では(n2/n1)が0.974以下、θ1=88°では(n2/n1)が0.999以下になれば全反射する。すなわち、非線形光学薄膜への入射角を大きくすることにより、全反射のための屈折率変化がより少なくて済むようになる。
特許文献1及び2には、n2の屈折率が10ナノ秒と非常に高速で2%以上変化する非線形光学薄膜を用いた光スイッチについて記載されている。また、特許文献2には、非線形光学薄膜が粒径25nm以下の微粒子で構成されていることが記載されている。
特開2003−228088号公報 特開2004−133329号公報
前述の光スイッチの場合、励起するために可視光の一部は非線形光学薄膜に吸収され熱に変換される。励起光が間欠的に照射される場合、照射されていない時間に伝熱等により拡散し、冷却されるが、上記光スイッチを長時間励起しつづけるような使用条件で用いた場合には、非線形光学薄膜の温度が次第に上昇し、温度変化による屈折率の変化が重畳する。温度変化は非線形光学薄膜の分極率の変化を誘起し、それにより屈折率が上昇する。ガラス材料の屈折率の温度係数についてはPhysical Chemistry of Glasses vol.1(1960)119頁の論文などに下記の式(3)で示されている。
Figure 2006276654
ここでnは屈折率、Pはモル分極率、αは熱膨張係数である。すなわち、屈折率の温度依存性には分極率の変化と熱膨張による密度低下が、相反する効果を与えることを意味している。ここで前述の光スイッチに用いられるFe2O3などの非線形光学効果を示す酸化物材料では分極率の効果が勝り、dn/dTは正の値を有している。
熱による屈折率変化をスイッチングに利用する熱変調型光スイッチも提案されている。例えば特開平9−105891号公報には、加熱により屈折率が低下するポリシロキサンを用いる屈折率変調素子が開示されている。ここで開示されている屈折率の温度係数は-1000×10-6〜-50×10-6/℃と負に大きい。しかし、加熱・冷却による屈折率変化は光励起により生じる屈折率変化に比べ、応答速度はミリ秒オーダと遅く、この材料の屈折率変化によるミリ秒以下の応答速度のスイッチングは厳しい。
本発明の目的は、全反射型の光スイッチにおいて、長時間励起条件下での誤動作を回避することにある。
上記課題を解決するために、第1の手段として、式(2)で示される(n2/n1)の閾値の温度係数が小さくなる光スイッチ構造と材料設計を提案する。具体的には屈折率の温度係数の等しい非線形光学薄膜とそれに接する光学媒体の組み合わせを提案する。そのために、さらに第2の手段として、式(2)で示される(n2/n1)の閾値の温度変化が小さい条件下で使用可能な光スイッチ構造と動作方法を提案する。さらに、第3の手段として、温度変化を小さくし、式(2)で示される(n2/n1)の変化を小さくする光スイッチ構造を提案する。
本発明により、非線形光学薄膜を可視励起光により励起し、屈折率を変化させることにより光路を切り替える光スイッチの長時間励起条件下での誤動作を回避することが可能となった。これにより、光スイッチの信頼性が高まると共に、より長時間励起の条件での使用が可能になった。
第1の手段は、光学媒体中に設けられた光路より非線形光学薄膜に信号光を斜入射し、該非線形光学薄膜に可視励起光を照射し、全反射現象を誘起することにより信号光の反射・透過挙動を制御して信号光をスイッチングする光スイッチにおいて、前記非線形光学薄膜の屈折率の温度係数と前記非線形光学薄膜に接する前記光学媒体の屈折率の温度係数との差を小さくすることにより実現される。該屈折率の温度係数の差としては15×10−6/℃以下にすることが望ましく、特にゼロないしはほぼゼロにすることが望ましい。
さらに具体的な手段として、非線形光学薄膜に正の熱膨張係数を有する材料を用い、該非線形光学薄膜に接する光学媒体に熱膨張係数が負の値を有する材料を用いることにより実現される。光スイッチの動作原理上、光路を含む光学媒体には励起光を吸収しない光学材料を用い、非線形光学薄膜には励起光を吸収する光学材料を用いることが、エネルギー損失的にも、スイッチ素子全体の温度上昇を抑える面でも望ましい。このとき、分極率の変化による屈折率変化の影響については、励起光波長に吸収とそれにより付随的に形成される屈折率の異常分散の影響をより強く受ける非線形薄膜の方が、励起光波長に吸収を有さない光路を含む光学媒体より大きくなる。このため、前述の式(3)から、光路を含む光学媒体と非線形光学薄膜の屈折率の温度係数を合わせるためには熱膨張係数の項で調整する必要があり、それには後者に熱膨張係数が正の材料、前者に熱膨張係数が負の材料を用いることにより実現される。熱膨張係数が負の材料としては、例えばZrW2O8がある。
もう一つの手段としては、屈折率の温度係数が正に大きい非線形光学薄膜と屈折率が負に大きい光学材料をナノメートルオーダで複合化し、屈折率ならびに屈折率の温度係数を調整することで達成される。複合化の手段としては、信号光として用いる光の波長よりも小さい膜厚で交互に積層する方法や、非線形光学特性を示す薄膜を構成する金属酸化物の微粒子を負の屈折率の温度係数を有する光学材料中に分散する方法が挙げられる。例えば前述の特開平9−105891号公報に開示されているポリシロキサンでは、原料樹脂のスラリを80℃で硬化反応し、屈折率1.4319(587.6nmのとき)、屈折率の温度係数-320×10-6/℃を得ているが、こうした材料を用いることにより上記の非線形光学薄膜を作製することができる。こうして複合化された非線形光学薄膜は、元の材料である非線形光学薄膜材料(例えばFe2O3)と前記屈折率の温度依存性が負に大きい光学材料(例えばポリシロキサン)の中間の屈折率と屈折率の温度係数を有し、その値は混合比により調整可能である。方針としては屈折率と屈折率の温度係数を、光路を形成する光学媒体に合わせる。以上が冒頭で述べた第1の手段の具体的方法である。
次に、第2の手段について記載する。連続的な励起による非線形光学薄膜付近の温度上昇に伴い、周囲との温度差は大きくなり、これに比例して熱流も増加し、これと投入エネルギー量がほぼ等しくなったところで温度上昇は止まる。そこで、冷却フィンとヒータをスイッチ素子に設け、素子の温度を使用条件下で最大の投入エネルギーで到達する温度に一定に保つように、ヒータの強度をフィードバック制御する。すなわち、励起光が高頻度で照射されるときにはヒータへの電流量は小さく、励起光の照射が低頻度のときにはヒータの電流量を増やすことで、素子の温度を一定に保つ。これにより温度変化による特性変化を抑え、本発明の目的を達成する。
最後に第3の手段であるが、これは応答速度が遅いが損失の小さい機械的に光路を切り替える光スイッチと、高速動作する前記の非線形光学薄膜を用いた光スイッチを組み合わせることにより実現される。すなわち、機械的スイッチで複数の非線形光学薄膜を用いる光スイッチに交互に信号光及び励起光を切り替える。これにより非線形光学薄膜を用いた個々の光スイッチは間欠的に励起されるようになり、冷却時間を確保することが可能になり、温度変化の最大値を小さくし、式(2)で示される(n2/n1)の変化を小さくする光スイッチ構造が提供される。
なお、本発明において、非線形光学薄膜は粒径が25nm以下の微粒子で構成されていることが望ましい。
本発明者は、図2に示したように、Fe2O3を含む屈折率2.4の非線形光学薄膜1に、TiO2からなる屈折率2.4の導波路2を入射角77°で接続した全反射型光スイッチを用いて、入射光4として光カプラで波長1550nmの信号光と波長780nmの励起光を合波して照射し、透過側出力光5と反射側出力光6で、励起光を遮断するフィルタ通過後の信号光強度を計測し、その応答性を調べた。励起時間を連続で1ミリ秒としたときの反射側出力光と透過側出力光の応答特性を図3の(a),(b)に示す。励起光照射前は非線形光学薄膜表面での反射がなく、ほぼ100%透過側から出力光が取り出される。さらに励起光照射開始により非線形光学薄膜の屈折率n2が低下し、式(2)で示される(n2/n1)以下になることにより全反射現象を生じ、ほぼ100%反射側から出力光が取り出された。しかし、0.9ミリ秒経過した頃から反射側出力光が低下し始め、透過側出力光が増大を始めた。図4はこのときの非線形光学薄膜の屈折率7と導波路の屈折率8の時間変化である。励起光照射と共に屈折率は迅速に低下する。その後、照射時間が長くなるにつれ、励起エネルギーが熱に変換されて蓄熱され、非線形学薄膜及びそれに面する導波路の温度が徐々に上昇する。このとき、屈折率の温度依存性は80×10-6/℃であり、導波路の-0.6×10-6/℃に比べて大きいことから、実質的に(n2/n1)の値が大きくなり、式(2)に定める全反射に必要な数値よりも大きくなり、全反射条件が崩れたものと考えられる。また、蓄熱された熱の影響により励起光を止めた後も屈折率がオーバーシュートし、熱拡散により放熱するまでは励起前より高い状態がしばらく残る。
ここで励起中に全反射条件が崩れないよう、全反射が起きる閾値(n2/n1)を大きくするため、導波路から非線形光学薄膜への入射角θ1を大きした結果を示す。図5の(a),(b)は入射角88°で同様の検討を行った場合の反射側出力光と透過側出力光の応答特性である。励起中に全反射条件が崩れることはなくなったが、蓄熱による屈折率のオーバーシュートの影響で、励起終了直後に反射側、透過側で戻りきらない現象を生じる。なお、上記では導波路を信号光ならびに励起光の光路として用いた例を示したが、一体の光学媒体中に集光光学系により光路を設けた場合においても状況は同様である。
上記のように、全反射型の光スイッチにおいて、長時間励起を行う使用条件で温度上昇した場合、屈折率の温度依存性が原因でスイッチングの動作が影響を受け、誤動作する恐れが生じることからその対策が必要である。以下、スイッチの誤動作を回避する手段について説明する。
図1は本発明の光スイッチの説明図である。光学媒体3の中に設けられた光路(導波路)2により、金属酸化物の微結晶を含む非線形光学薄膜1に入射光4を斜入射し、該非線形光学薄膜上の同じスポットに可視励起光を照射し、全反射現象を誘起することにより信号光の反射・透過挙動を制御して信号光をスイッチングする。本実施例では励起光はファイバカプラを用いて信号光と合波して照射した。なお、励起光を側面から、すなわち図1において紙面に対し垂直な方向から非線形光学薄膜上の信号光のスポットに照射してもよい。導波路として熱膨張係数が-10×10-6/℃のZrW2O8を用いた。その屈折率の温度係数は30×10-6/℃と見積もられた。一方、非線形光学薄膜としてFe2O3にSiO2を添加したスパッタ膜を導波路中に設けた溝に形成した。SiO2の比率はZrW2O8の屈折率に合わせて調整した。その屈折率の温度係数は45×10-6/℃と見積もられた。非線形光学薄膜の屈折率の温度係数と光学媒体の屈折率の温度係数との差は15×10−6/℃である。この組み合わせで図2、図3のときと同じ条件で、励起時の反射側及び透過側の出力光の応答を検討したところ、図6の(a),(b)に示す結果が得られた。また図7に屈折率変化を示した。非線形光学薄膜と光学媒体が連動して変化することにより、式(2)の(n2/n1)の閾値の変化が小さく抑えられるため、図6では図3で見られた全反射条件からの乖離は見られず、長時間の励起に対しても誤動作し難くなっていることが確認された。
図2と同一の導波路を使用し、非線形光学薄膜として、Fe2O3薄膜と、屈折率1.4319(587.6nmのとき)、屈折率の温度係数-320×10-6/℃のポリシラザンの薄膜を各80nm、20nmの厚みで交互に積層することにより、透過屈折率2.4が得られる。また屈折率の温度係数はほとんど零となる。このときの屈折率変化を図8に示す。ここで図3と同様の応答特性の評価から、図6と同様に、全反射条件からの乖離は見られず、長時間の励起に対しても誤動作し難くなっていることが確認された。なお、本実施例において、非線形光学薄膜の屈折率の温度係数と光学媒体の屈折率の温度係数との差は0.6×10−6/℃である。
図2と同一の導波路を使用し、非線形光学薄膜としてFe2O3の十数ナノメータのナノ微粒子と屈折率1.4319(587.6nmのとき)、屈折率の温度係数-320×10-6/℃のポリシラザンの樹脂原料を、硬化後にFe2O3の体積分率が80%になるように分散混合し、80℃で加熱硬化して透過屈折率2.4を得た。この場合も屈折率の温度係数はほとんど零となる。このときの屈折率変化を図9に示す。反射光と透過光の応答特性の評価から、図6と同様に、全反射条件からの乖離は見られず、長時間の励起に対しても誤動作し難くなっていることが確認された。なお、本実施例において、非線形光学薄膜の屈折率の温度係数と光学媒体の屈折率の温度係数との差は0.6×10−6/℃である。
図10に示すように非線形光学薄膜1の下にヒータ9を設け、反対側にフィン10を配置した。側面図を図11に示した。励起光の単位時間あたりの照射時間Xに連動してA×(M−X)(ここでA、Mは定数)の電流をヒータに流す。なお、Mは使用条件下で最大の照射時間であり、Aはそのときに素子に吸収されるエネルギー量と同じエネルギーをヒータに発生させるための電流量である。こうすることにより、非線形光学薄膜周囲に単位時間あたりに投入されるエネルギーは一定となり、一定時間経過すれば熱平衡状態となり、これにより屈折率の温度依存による光スイッチング特性の変動はほとんどなくなる。なお、単位時間あたりの最大の照射時間Mを適宜見直すことにより、省エネルギー化が図れる。また、熱平衡に達したか否かの判断は、素子内にセンサを設置して確認しても良いし、ヒータの詳細な抵抗値、あるいは閾値となる励起光を試験的に入力したときの光スイッチの動作から判断しても良い。
図12に示すように、信号光と励起光を合波した入射光4の進行先をミラー11で周期的に切り替え、非線形光学薄膜を有する2つの高速光スイッチに交互に入力されるように配置した。2つのスイッチを交互に使用するため、時間あたりの投入エネルギーは、切り替えのためのデッドタイムを含めて半分以下となり、温度上昇を低く抑えることが可能になる。本実施例では2つの高速光スイッチを接続しているが、より多くの高速光スイッチを接続・切り替えることにより、温度上昇の影響は低減できる。
なお、実施例1〜5では1×2の基本構成を有する光スイッチについて説明したが、m×mのスイッチに展開することも勿論可能である。
本発明による光スイッチの構成を示す概略図。 全反射を利用する光スイッチの例を示す概略図。 (a)は励起時の反射側、(b)は透過側の出力光強度変化(入射角77°の場合)を示す特性図。 励起時の屈折率変化を示す特性図。 (a)は励起時の反射側、(b)は透過側の出力光強度変化(入射角88°の場合)を示す特性図。 (a)は実施例1の励起時の反射側、(b)は透過側の出力光強度変化(入射角77°の場合)を示す特性図。 実施例1の励起時の屈折率変化を示す特性図。 実施例2の励起時の屈折率変化を示す特性図。 実施例3の励起時の屈折率変化を示す特性図。 実施例4の光スイッチ素子構造を示す概略図。 実施例4の光スイッチ素子の側面図。 実施例5の光スイッチの構成を示す概略図。
符号の説明
1…非線形光学薄膜、2…導波路(光路)、3…光学媒体、4…入射光、5…透過側出力光、6…反射側出力光、7…非線形光学薄膜の屈折率、8…導波路の屈折率、9…ヒータ、10…フィン、11…ミラー。

Claims (7)

  1. 光学媒体中に設けられた光路より金属酸化物の微結晶を含む非線形光学薄膜に信号光を斜入射し、該非線形光学薄膜に可視励起光を照射し、全反射現象を誘起することにより信号光の反射・透過挙動を制御して信号光をスイッチングする光スイッチにおいて、前記非線形光学薄膜の屈折率の温度係数と前記非線形光学薄膜に接する前記光学媒体の屈折率の温度係数との差を15×10−6/℃以下にしたことを特徴とする光スイッチ。
  2. 光学媒体中に設けられた光路より金属酸化物の微結晶を含む非線形光学薄膜に信号光を斜入射し、該非線形光学薄膜に可視励起光を照射し、全反射現象を誘起することにより信号光の反射・透過挙動を制御して信号光をスイッチングする光スイッチにおいて、前記非線形光学薄膜を熱膨張係数が正の値を有する材料で構成し、前記非線形光学薄膜に接する前記光学媒体を熱膨張係数が負の値を有する材料で構成することを特徴とする光スイッチ。
  3. 光学媒体中に設けられた光路より非線形光学薄膜に信号光を斜入射し、該非線形光学薄膜に可視励起光を照射して全反射現象を誘起することにより信号光の反射・透過挙動を制御してスイッチングする光スイッチにおいて、前記非線形光学薄膜が正の屈折率の温度係数を有する膜と負の屈折率の温度係数を有する膜との積層膜からなることを特徴とする光スイッチ。
  4. 光学媒体中に設けられた光路より非線形光学薄膜に信号光を斜入射し、該非線形光学薄膜に可視励起光を照射して全反射現象を誘起することにより信号光の反射・透過挙動を制御してスイッチングする光スイッチにおいて、前記非線形光学薄膜が金属酸化物の粒子と負の屈折率の温度係数を有する有機材料の複合体からなることを特徴とする光スイッチ。
  5. 光学媒体中に設けられた光路より非線形光学薄膜に信号光を斜入射し、該非線形光学薄膜に可視励起光を照射して全反射現象を誘起することにより信号光の反射・透過挙動を制御して信号光をスイッチングする光スイッチにおいて、前記非線形光学薄膜の温度を最大頻度の励起光照射条件時の温度で保持することを特徴とする光スイッチ。
  6. 請求項5において、前記非線形光学薄膜の近傍に設置された加熱手段を用い、前記非線形光学薄膜の温度を最大頻度の励起光照射条件時の温度で保持できるよう、励起頻度が小さいときは加熱量を大きく、励起頻度が大きいときは加熱量を小さくする制御を行うことを特徴とする光スイッチ。
  7. 光学媒体中に設けられた光路より非線形光学薄膜に信号光を斜入射し、該非線形光学薄膜に可視励起光を照射して全反射現象を誘起することにより信号光の反射・透過挙動を制御して信号光をスイッチングする光スイッチを複数組設け、これらの光スイッチより低速の光スイッチにより前記複数組の光スイッチを交互に間欠使用することを特徴とする光スイッチの使用方法。
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