JP2006275568A - フォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造の測定方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造の測定方法において、フォトニック結晶導波路のフォトニック結晶層上に、上記フォトニック結晶層と所定の間隙を設けるようにして底部を対向させてプリズムを配置し、上記プリズムを介して上記フォトニック結晶導波路の上記フォトニック結晶層へ向けて入射ビームを入射するに際し、上記入射ビームが上記プリズムに入った後に上記プリズムの上記底部に入射角度が全反射角以上を満たす角度で入射し、上記入射ビームが上記プリズムの底部で全反射されて上記プリズムから出射される出射ビームに基づいてフォトニックバンド構造を測定するようにした。
【選択図】 図2
Description
ところで、このフォトニック結晶を用いて構成される光導波路構造を備えたフォトニック結晶導波路は、例えば、光導波素子、光結合分波素子、レーザー素子、発光素子、光分散を利用した素子、スーパープリズム素子、スーパーコリメート素子、レンズ機能素子、負屈折素子、偏光性素子、波長変換素子、高調波発生素子、和周波・差周波発生素子、光パラメトリック増幅素子、誘導ラマン散乱素子、四波混合素子、小型レーザー光源、光スイッチ素子、光双安定素子、光論理演算素子、光変調素子あるいは位相共役光発生素子などの各種の光素子に用いられており、こうした各種の光素子の設計の最適化を行うためには、フォトニック結晶導波路に形成される光分散関係たるフォトニックバンド構造を正確に知ることが極めて重要であると認識されている。
従来、フォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造を外部から測定するには、外部からレーザー光または平行化された白色光ビームをフォトニック結晶導波路に入射し、その際に入射角度を走査し、フォトニック結晶導波路からの反射光に現れる外部光とフォトニック結晶導波路内のモードとの結合現象に起因する共鳴ディップ(鋭い反射率の極小)位置の角度依存性および周波数(エネルギー)依存性を調べるという手法を用いており、これによりフォトニックバンド構造を決定するようになされていた(非特許文献1、2参照)。
また、近年、2次元フォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造を外部から測定する手法として、2次元フォトニック結晶導波路内の欠陥導波路に対して面内導波の透過率を測定し、その透過スペクトルに現れるファブリペロー干渉縞から欠陥バンドの光分散関係を実験的に求める手法が提案されている(非特許文献3参照)。
Phys. Rev. B 69, 205109 1−6 (2004) 特開2004−133429号公報 Phys.Rev.Lett. 87, 253902 (2001)
ω=ck/np (npはプリズムの屈折率)
より上側の領域のモードは全て測定できるため、屈折率の大きなプリズムを利用することにより、放射モードと導波モードとを含むほぼ全てのモードにおけるフォトニックバンド構造を測定することができるようになる。
即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明は、フォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造の測定方法において、フォトニック結晶導波路のフォトニック結晶層上に、上記フォトニック結晶層と所定の間隙を設けるようにして底部を対向させてプリズムを配置し、上記プリズムを介して上記フォトニック結晶導波路の上記フォトニック結晶層へ向けて入射ビームを入射するに際し、上記入射ビームが上記プリズムに入った後に上記プリズムの上記底部に入射角度が全反射角以上を満たす角度で入射し、上記入射ビームが上記プリズムの底部で全反射されて上記プリズムから出射される出射ビームに基づいてフォトニックバンド構造を測定するようにしたものである。
まず、図1には、測定対象となる非線形光学ポリマー2次元フォトニック結晶導波路(以下、単に「2次元フォトニック結晶導波路」と適宜に称する。)の概念構成断面斜視説明図が示されている。
次に、本発明によるフォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造の測定方法およびその装置により、2次元フォトニック結晶導波路100中の光分散関係たるフォトニックバンド構造を測定する場合について詳細に説明する。
ここで、入射ビームがプリズム10の底面10aで全反射する際に、間隙gには実際はエバネッセント波が浸み出している。このとき、間隙gが十分に狭く(間隙gは、一般的には、100nmから数um程度とすることが好ましい。)、かつ、隣接した2次元フォトニック結晶導波路100内の導波モードの周波数および波数と入射ビームの導波路面内進行方向の波数および周波数が一致するような、入射角度、光周波数であれば、外部入射光とフォトニック結晶内の導波モードとが結合し、導波モードが励起され光パワーが導波路面内に移行する。
ω=ck/np npはプリズムの屈折率である。
ここで、上記した本発明によるフォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造の測定方法を実施するための装置、即ち、本発明によるフォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造の測定装置(以下、単に「本発明装置」と適宜に称する。)20について説明する。
以上の構成において、丸みを帯びたヘッド部28を基板方向微動機構30および第2XYZ微動機構32により移動させて、ヘッド部28を2次元フォトニック結晶導波路100のSi基板108に押し付ける。
本発明によるフォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造の測定方法および本発明装置20を用いて、上記した2次元フォトニック結晶導波路100に対して、測定した反射スペクトルの入射角度依存性が図4に示されている。
なお、この本発明による手法は、フォトニック結晶導波路に欠陥を導入した際に形成される欠陥バンドモードの分散関係を測定することも可能であり、この欠陥モードは現在、欠陥導波路など様々な光機能素子に応用されていることから、その意義は大きい。
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(3)に示すように変形することができるものである。
10a 底部
20 フォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造の測定装置
22 プリズム固定機構
24 試料固定機構
26 第1XYZ微動機構
28 ヘッド部
30 基板方向微動機構
32 第2XYZ微動機構
34 θ回転機構
36 第3XYZ微動機構
100 2次元フォトニック結晶導波路
102 非線形光学ポリマー層
104 2次元フォトニック結晶層
106 エッチストップ層
108 Si基板
110 金属クラッド層
Claims (4)
- フォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造の測定方法において、
フォトニック結晶導波路のフォトニック結晶層上に、前記フォトニック結晶層と所定の間隙を設けるようにして底部を対向させてプリズムを配置し、
前記プリズムを介して前記フォトニック結晶導波路の前記フォトニック結晶層へ向けて入射ビームを入射するに際し、前記入射ビームが前記プリズムに入った後に前記プリズムの前記底部に入射角度が全反射角以上を満たす角度で入射し、
前記入射ビームが前記プリズムの底部で全反射されて前記プリズムから出射される出射ビームに基づいてフォトニックバンド構造を測定する
ことを特徴とするフォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造の測定方法。 - 請求項1に記載のフォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造の測定方法において、
前記入射ビームは、前記フォトニック結晶導波路内の導波モードの波数および周波数と前記入射ビームの導波路面内進行方向の波数および周波数とが一致するような、入射角度および光周波数を備える
ことを特徴とするフォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造の測定方法。 - プリズムを固定するプリズム固定機構と、
基板の上に形成されたフォトニック結晶層を有するフォトニック結晶導波路を、前記フォトニック結晶層と前記プリズムとが対向するように配置して固定する試料固定機構と、
ヘッド部を前記フォトニック結晶導波路の前記基板へ押しつけるための基板方向微動機構と、
前記プリズムと前記フォトニック結晶導波路の前記フォトニック結晶層とをθ回転方向へ相対的に微動するθ回転機構と
を有することを特徴とするフォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造の測定装置。 - 請求項3に記載のフォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造の測定装置において、さらに、
前記ヘッド部と前記フォトニック結晶導波路との少なくともいずれか一方を、直交座標系のXYZ方向へ微動する微動機構と
を有することを特徴とするフォトニック結晶導波路のフォトニックバンド構造の測定装置。
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