JP2006274825A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 トルク変動を生じさせる内燃機関の制御対象をイオン電流の検出値に基づいてトルク変動が所定の許容範囲内に収まるようにフィードバック制御する。
【解決手段】 排気行程中のイオン電流値のピーク値Iexに基づいて算出された燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)と燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)とを乗算してトルク変動パラメータ(σ×ave)を求める。そして、このトルク変動パラメータ(σ×ave)をトルク変動許容判定値Eh と比較して、トルク変動パラメータ(σ×ave)がトルク変動許容判定値Eh 以上であれば、トルク変動が許容範囲を越えていると判断して、点火時期遅角制御のF/B安定化フラグをONして、点火時期を進角させる。これにより、燃焼状態を安定化させてトルク変動を許容範囲内に収める。
【選択図】 図4
【解決手段】 排気行程中のイオン電流値のピーク値Iexに基づいて算出された燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)と燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)とを乗算してトルク変動パラメータ(σ×ave)を求める。そして、このトルク変動パラメータ(σ×ave)をトルク変動許容判定値Eh と比較して、トルク変動パラメータ(σ×ave)がトルク変動許容判定値Eh 以上であれば、トルク変動が許容範囲を越えていると判断して、点火時期遅角制御のF/B安定化フラグをONして、点火時期を進角させる。これにより、燃焼状態を安定化させてトルク変動を許容範囲内に収める。
【選択図】 図4
Description
本発明は、内燃機関の燃焼室内で発生するイオンを検出して、そのイオン電流値に基づいて内燃機関を制御する内燃機関の制御装置に関する発明である。
近年、特許文献1(特開平11−324881号公報)に記載されているように、イオン電流の検出情報を用いてエンジン制御量を安定運転限界付近に制御する技術が提案されている。この制御技術は、エンジン運転状態がリーン限界、EGR限界等の安定運転限界になると、燃焼行程で、火炎伝播速度不良により燃焼室内の混合気の一部が燃焼せずに残り、その未燃混合気が排気行程で燃焼する後燃え発生サイクルが発生するという特性に着目し、点火プラグを介して検出したイオン電流の発生タイミングが排気行程中であるか否かを判定し、イオン電流が排気行程中に発生する状態を安定運転限界としてエンジン制御量を安定運転限界付近に制御するようにしている。
また、特許文献2(特開平8−144828号公報)や特許文献3(特開平8−144829号公報)には、イオン電流の発生している期間の時間を計測し、計測した時間に基づいてリーン限界を検出する技術が記載されている。
また、特許文献4(特開2004−232568号公報)には、燃焼行程前半に検出されたイオン電流の第一特性と、燃焼行程後半から排気行程に跨がる期間に検出されたイオン電流の第二特性とを用いて燃焼の緩慢度合いを検出し、この燃焼の緩慢度合いに基づいて燃焼状態の低下と判定したときに、燃料噴射量を増量する技術が記載されている。
特開平11−324881号公報(第1頁等)
特開平8−144828号公報(第1頁等)
特開平8−144829号公報(第1頁等)
特開2004−232568号公報(第1頁等)
近年の電子制御化が進んだエンジン制御では、例えば、点火時期遅角制御、空燃比リーン制御、可変バルブタイミング進角制御等においてフィードバック制御が行われている。このフィードバック制御は、実際の制御量と目標値との偏差を小さくするように制御対象の操作量を自動調節するものであるが、エンジン運転条件によっては、このフィードバック制御によって燃焼状態が悪化したり、燃焼状態のばらつきが大きくなったりして、エンジンのトルク変動が許容限界を越えて大きくなることがある。
前記特許文献1の技術では、イオン電流の発生タイミングが排気行程中であるか否かによって安定運転限界を判定するようにしているため、イオン電流が排気行程中に発生する全ての運転領域が一律に不安定領域と判定されることになるが、実際には、イオン電流が排気行程中に発生する状態であっても、エンジン運転条件によっては、トルク変動が許容範囲内である領域が存在するため、前記特許文献1のように、イオン電流が排気行程中に発生する全ての運転領域を一律に不安定領域と判定すると、安定領域の一部を不安定領域と誤判定する結果となってしまう。
また、特許文献2や特許文献3の技術では、イオン電流の発生している期間の時間を計測し、計測した時間に基づいてリーン限界を検出するようにしているが、この技術で検出するリーン限界とトルク変動との対応精度が不十分であり、トルク変動を生じさせる制御対象のフィードバック制御に適用することは困難である。
また、特許文献4の技術では、燃焼行程前半に検出されたイオン電流の第一特性と、燃焼行程後半から排気行程に跨がる期間に検出されたイオン電流の第二特性とを用いて燃焼の緩慢度合いを検出するようにしているが、この技術で検出する燃焼の緩慢度合いとトルク変動との対応精度が不十分であり、トルク変動を生じさせる制御対象のフィードバック制御に適用することは困難である。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、トルク変動を生じさせる内燃機関の制御対象をイオン電流の検出値に基づいてトルク変動が所定の許容範囲内に収まるようにフィードバック制御することが可能となる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の燃焼室内で発生するイオンを燃焼行程と排気行程とに区別して検出するイオン電流検出手段と、このイオン電流検出手段により検出したイオン電流値に基づいて燃焼状態の悪化度を表す燃焼悪化度パラメータ[A]と燃焼状態のばらつき度を表す燃焼ばらつき度パラメータ[B]とを算出する燃焼状態パラメータ算出手段と、この燃焼状態パラメータ算出手段で算出した前記燃焼悪化度パラメータ[A]と前記燃焼ばらつき度パラメータ[B]とに基づいて内燃機関のトルク変動が所定の許容範囲を越えたか否かを判定する安定性[C=f(A,B)]の判定手段と、この安定性判定手段の判定結果に基づいて内燃機関の制御量をそのトルク変動が所定の許容範囲内に収まる方向にフィードバック制御する制御手段とを備えた内燃機関の制御装置において、前記イオン電流検出手段により検出した排気行程中のイオン電流値に基づいて前記燃焼悪化度パラメータ及び/又は前記燃焼ばらつき度パラメータを算出するようにしたものである。
一般に、燃焼状態が悪化したり燃焼状態のばらつきが大きくなると、内燃機関のトルク変動が大きくなるという関係があるため、燃焼状態の悪化度や燃焼状態のばらつき度を検出すれば、その検出値からトルク変動の大きさを評価することができる。また、トルク変動が許容限界付近となるような運転状態では、燃焼行程中に発生するイオン電流よりも排気行程中に発生するイオン電流に燃焼状態の影響が顕著に現れるという特徴がある。
これらの点を考慮して、本発明は、内燃機関の燃焼室内で発生するイオン電流を燃焼行程と排気行程とに区別して検出し、排気行程中のイオン電流値に基づいて燃焼状態の悪化度を表す燃焼悪化度パラメータ及び/又は燃焼状態のばらつき度を表す燃焼ばらつき度パラメータを算出するようにしているため、この燃焼悪化度パラメータや燃焼ばらつき度パラメータに基づいてトルク変動が所定の許容範囲を越えたか否かを精度良く判定することが可能となり、その判定結果に基づいて内燃機関のトルク変動を所定の許容範囲内に抑えながらフィードバック制御の制御領域を拡大することができる。
この場合、燃焼悪化度パラメータと燃焼ばらつき度パラメータとに基づいてトルク変動が所定の許容範囲を越えたか否かを判定する際に、予め、燃焼悪化度パラメータと燃焼ばらつき度パラメータとトルク変動との関係を二次元マップ又は関数式により設定しておき、この二次元マップ又は関数式を用いて燃焼悪化度パラメータと燃焼ばらつき度パラメータに対応するトルク変動を算出するようにしても良い。
或は、請求項2のように、排気行程中のイオン電流値に基づいて算出された燃焼悪化度パラメータと燃焼ばらつき度パラメータとを乗算してトルク変動パラメータを求め、このトルク変動パラメータに基づいて内燃機関のトルク変動が所定の許容範囲を越えたか否かを判定するようにしても良い。このようにすれば、燃焼悪化度パラメータと燃焼ばらつき度パラメータとを用いてトルク変動が所定の許容範囲を越えたか否かを判定する処理が簡単となり、演算負荷を軽減することができる。
この場合、燃焼状態が悪化するほど、排気行程中のイオン電流値の平均値が小さくなることを考慮して、請求項3のように、排気行程中のイオン電流値の平均値を燃焼悪化度パラメータとして算出するようにすれば良い。これにより、簡単な演算処理で燃焼悪化度パラメータの精度を向上させることができる。
また、燃焼状態のばらつきが大きくなるほど、排気行程中のイオン電流値の標準偏差が大きくなることを考慮して、請求項4のように、排気行程中のイオン電流値の標準偏差を燃焼ばらつき度パラメータとして算出するようにすれば良い。これにより、簡単な演算処理で燃焼ばらつき度パラメータの精度を向上させることができる。
ところで、排気行程のイオン電流から燃焼状態を検出する場合、図2に示すように、排気行程のイオン電流のピーク値Iexとイオン出力時間Texのどちらでも燃焼状態を検出することが可能であるが、排気行程のイオン電流が大きくなると、脈動が発生してイオン出力時間Texが不連続になる傾向がある。また、排気バルブが開くタイミングが変化しても、イオン出力時間Texが不連続になる傾向がある。従って、連続性の良いピーク値Iexを用いた方が燃焼状態を精度良く検出することができる。
そこで、請求項5のように、排気行程中のイオン電流値のピーク値に基づいて燃焼悪化度パラメータ及び/又は燃焼ばらつき度パラメータを算出するようにすると良い。これにより、燃焼悪化度パラメータや燃焼ばらつき度パラメータの精度を向上させることができる。しかも、イオン電流値のピーク値は、簡単な仕様で検出できるという利点もある。但し、本発明は、排気行程のイオン出力時間に基づいて燃焼悪化度パラメータ及び/又は燃焼ばらつき度パラメータを算出する構成を排除するものではない。
以上説明した請求項1〜5に係る発明は、特定の1つの制御項目のみのフィードバック制御に適用しても良いが、請求項6のように、内燃機関の運転条件毎に予め設定された複数の制御項目の制御量をフィードバック制御するシステムに適用しても良い。これにより、複数の制御項目のフィードバック制御を改善することができる。
この場合、請求項7のように、前記複数の制御項目には、点火時期遅角制御、空燃比リーン制御及び可変バルブタイミング進角制御が含まれるようにすると良い。点火時期遅角制御、空燃比リーン制御及び可変バルブタイミング進角制御は、いずれも、制御条件によっては、トルク変動を生じさせるためである。
更に、請求項8のように、前記複数の制御項目について各制御項目毎にトルク変動の許容範囲を判定する許容判定値を算出する許容判定値算出手段を備え、各制御項目毎にそれぞれ設定された判定値補正係数の中から現在の制御項目に対応する判定値補正係数を選択して、この判定値補正係数を用いて前記複数の制御項目に共通して設定されたベース許容判定値を補正して前記許容判定値を求めるようにすると良い。このようにすれば、本発明を複数の制御項目に適用する場合でも、各制御項目毎に適正な許容判定値を簡単な演算処理で算出することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した3つの実施例1〜3を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図4に基づいて説明する。まず、図1に基づいて点火制御系の回路構成を説明する。点火コイル21の一次コイル22の一端はバッテリ23に接続され、該一次コイル22の他端は、イグナイタ24に内蔵されたパワートランジスタ25のコレクタに接続されている。二次コイル26の一端は点火プラグ27に接続され、該二次コイル26の他端は、2つのツェナーダイオード28,29を介してグランドに接続されている。
2つのツェナーダイオード28,29は互いに逆向きに直列接続され、一方のツェナーダイオード28にコンデンサ30が並列に接続され、他方のツェナーダイオード29にイオン電流検出抵抗31が並列に接続されている。コンデンサ30とイオン電流検出抵抗31との間の電位Vinが抵抗32を介して反転増幅回路33の反転入力端子(−)に入力されて反転増幅され、この反転増幅回路33の出力電圧Vがイオン電流検出信号としてエンジン制御回路34に入力される。イオン電流検出回路35(イオン電流検出手段)は、ツェナーダイオード28,29、コンデンサ30、イオン電流検出抵抗31、反転増幅回路33等から構成されている。
エンジン運転中は、エンジン制御回路34からイグナイタ24に送信される点火指令信号の立ち上がり/立ち下がりでパワートランジスタ25がオン/オフする。パワートランジスタ25がオンすると、バッテリ23から一次コイル22に一次電流が流れ、その後、パワートランジスタ25がオフすると、一次コイル22の一次電流が遮断されて、二次コイル26に高電圧が電磁誘導され、この高電圧によって点火プラグ27の電極36,37間に火花放電が発生する。この火花放電電流は、点火プラグ27の接地電極37から中心電極36へ流れ、二次コイル26を経てコンデンサ30に充電されると共に、ツェナーダイオード28,29を経てグランド側に流れる。コンデンサ30の充電後は、ツェナーダイオード28のツェナー電圧によって規制されるコンデンサ30の充電電圧を電源としてイオン電流検出回路35が駆動され、後述するようにしてイオン電流が検出される。
これに対して、イオン電流は、火花放電電流とは反対方向に流れる。つまり、点火終了後は、コンデンサ30の充電電圧によって点火プラグ27の電極36,37間に電圧が印加されるため、気筒内で混合気が燃焼する際に発生するイオンによって電極36,37間にイオン電流が流れるが、このイオン電流は、中心電極36から接地電極37へ流れ、更に、グランド側からイオン電流検出抵抗31を通ってコンデンサ30に流れる。この際、イオン電流検出抵抗31に流れるイオン電流の変化に応じて反転増幅回路33の入力電位Vinが変化し、反転増幅回路33の出力端子からイオン電流に応じた電圧Vがエンジン制御回路34に出力される。この反転増幅回路33の出力電圧Vからイオン電流が検出され、このイオン電流から失火、プレイグニッション、ノッキング等が検出される。
エンジン制御回路34は、ノイズマスク、ピークホールド回路、A/D変換器、CPU、ROM、RAM等により構成され、そのROMに記憶された各種のエンジン制御ルーチンを実行することで、燃料噴射制御、点火時期制御、空燃比リーン制御(A/Fリーン制御)、可変バルブタイミング進角制御(VVT進角制御)等を実行すると共に、ファーストアイドル時(暖機運転時)の点火時期遅角制御を行う際に、後述する図4のトルク変動抑制ルーチンを実行して、点火時期遅角量をエンジンのトルク変動が所定の許容範囲内に収まる方向にフィードバック制御する。
ファーストアイドル時の点火時期遅角制御では、点火時期が遅いために、図2に示すように、排気行程でもイオン電流が発生するようになる。この排気行程のイオン電流から燃焼状態を検出する場合、排気行程のイオン電流のピーク値Iexとイオン出力時間Texのどちらでも燃焼状態を検出することが可能であるが、排気行程のイオン電流が大きくなると、脈動が発生してイオン出力時間Texが不連続になる傾向がある。また、排気バルブが開くタイミングが変化しても、イオン出力時間Texが不連続になる傾向がある。従って、連続性の良いピーク値Iexを用いた方が燃焼状態を精度良く検出することができる。
一般に、燃焼状態が悪化したり燃焼状態のばらつきが大きくなると、エンジンのトルク変動が大きくなるという関係があるため、燃焼状態の悪化度や燃焼状態のばらつき度を検出すれば、その検出値からトルク変動の大きさを評価することができる。また、トルク変動が許容限界付近となるような運転状態では、燃焼行程中に発生するイオン電流よりも排気行程中に発生するイオン電流に燃焼状態の影響が強く現れるという特徴がある。
これらの点を考慮して、本実施例1では、エンジンの燃焼室内で発生するイオン電流を燃焼行程と排気行程とに区別して検出し、排気行程中のイオン電流値のピーク値Iexに基づいて燃焼状態の悪化度を表す燃焼悪化度パラメータと燃焼状態のばらつき度を表す燃焼ばらつき度パラメータを算出するようにしている。
本実施例1では、燃焼状態が悪化するほど、排気行程中のイオン電流値のピーク値Iexの平均値が小さくなることを考慮して、排気行程中のイオン電流値のピーク値Iexの平均値aveを算出してこの平均値aveを燃焼悪化度パラメータとして用いるようにしている。更に、燃焼状態のばらつきが大きくなるほど、排気行程中のイオン電流値のピーク値Iexの標準偏差σが大きくなることを考慮して、排気行程中のイオン電流値のピーク値Iexの標準偏差σを算出してこの標準偏差σを燃焼ばらつき度パラメータとして用いるようにしている。
次に、運転条件の相違(燃焼悪化パターンの相違)による燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)と燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)とトルク変動パラメータ(σ×ave)の挙動について図3に基づいて説明する。ここで、トルク変動パラメータ(σ×ave)は、燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)と燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)とを乗算した値である。
図3(a)は、可変バルブタイミング(以下「VVT」と表記する)をベース値である25°からトルク変動が顕著に大きくなる45°に進角させて、その進角前後の平均値aveと標準偏差σとトルク変動パラメータ(σ×ave)のそれぞれの変化比を算出したものである。
平均値aveの変化比=VVT45°(ave)/VVT25°(ave)
標準偏差σの変化比=VVT45°(σ)/VVT25°(σ)
σ×aveの変化比=VVT45°(σ×ave)/VVT25°(σ×ave)
平均値aveの変化比=VVT45°(ave)/VVT25°(ave)
標準偏差σの変化比=VVT45°(σ)/VVT25°(σ)
σ×aveの変化比=VVT45°(σ×ave)/VVT25°(σ×ave)
VVT進角時には、燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)の変化が大きいため、トルク変動パラメータ(σ×ave)の変化が大きくなるが、燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)の変化は小さいため、この燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)からトルク変動悪化を検出すると、誤検出する可能性がある。
図3(b)は、点火時期をベース値であるBTDC20°からトルク変動が顕著に大きくなるATDC5°に遅角させて、その遅角前後の平均値aveと標準偏差σとトルク変動パラメータ(σ×ave)のそれぞれの変化比を算出したものである。
平均値aveの変化比=ATDC5°(ave)/BTDC20°(ave)
標準偏差σの変化比=ATDC5°(σ)/BTDC20°(σ)
σ×aveの変化比=ATDC5°(σ×ave)/BTDC20°(σ×ave)
平均値aveの変化比=ATDC5°(ave)/BTDC20°(ave)
標準偏差σの変化比=ATDC5°(σ)/BTDC20°(σ)
σ×aveの変化比=ATDC5°(σ×ave)/BTDC20°(σ×ave)
点火時期遅角時には、燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)と燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)がほぼ同様に変化するが、どちらの変化も小さいため、どちらか一方のパラメータのみでトルク変動悪化を検出すると、誤検出する可能性がある。他の条件と比較すると、燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)の変化は小さいが、燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)が大きいため、トルク変動パラメータ(σ×ave)の変化は大きくなる。
図3(c)は、空燃比(A/F)をベース値である14.5(AF14.5)からトルク変動が顕著に大きくなる21(AF21)にリーン化して、そのリーン化前後の平均値aveと標準偏差σとトルク変動パラメータ(σ×ave)のそれぞれの変化比を算出したものである。
平均値aveの変化比=AF21(ave)/AF14.5(ave)
標準偏差σの変化比=AF21(σ)/AF14.5(σ)
σ×aveの変化比=AF21(σ×ave)/AF14.5(σ×ave)
平均値aveの変化比=AF21(ave)/AF14.5(ave)
標準偏差σの変化比=AF21(σ)/AF14.5(σ)
σ×aveの変化比=AF21(σ×ave)/AF14.5(σ×ave)
空燃比リーン時には、VVT進角時とほぼ同様の傾向を示し、燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)の変化が大きいため、トルク変動パラメータ(σ×ave)の変化が大きくなるが、燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)の変化は小さいため、この燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)からトルク変動悪化を検出すると、誤検出する可能性がある。
以上説明した図3(a)〜(c)の計測結果から明らかなように、燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)と燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)のどちらか一方のみでトルク変動悪化を検出すると、誤検出する可能性があるが、トルク変動パラメータ(σ×ave)は、運転条件の相違(燃焼悪化パターンの相違)によらず、トルク変動悪化度合いに対応した値となるため、トルク変動パラメータ(σ×ave)を用いれば、トルク変動悪化度合いを精度良く検出することができる。
そこで、本実施例1では、エンジン制御回路34によって図4のトルク変動抑制ルーチンを実行することで、排気行程中のイオン電流値のピーク値Iexに基づいて算出された燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)と燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)とを乗算してトルク変動パラメータ(σ×ave)を求め、このトルク変動パラメータ(σ×ave)に基づいてトルク変動が所定の許容範囲を越えたか否かを判定して、その判定結果に基づいて点火時期遅角量をトルク変動が所定の許容範囲内に収まる方向にフィードバック制御するようにしている。以下、図4のトルク変動抑制ルーチンの処理内容を説明する。
図4のトルク変動抑制ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ101で、燃焼行程のイオン電流のピーク値Ib と排気行程のイオン電流のピーク値Iexをそれぞれ検出する。この後、ステップ102に進み、燃焼行程のイオン電流のピーク値Ib を失火判定値Io と比較し、燃焼行程のイオン電流のピーク値Ib が失火判定値Io 未満であれば、ステップ103に進み、失火発生と判定し、次のステップ104で、点火時期遅角制御のフィードバック制御(F/B)を禁止する。
これに対して、上記ステップ102で、燃焼行程のイオン電流のピーク値Ib が失火判定値Io 以上と判定されれば、失火が発生していないと判断して、ステップ105に進み、所定のサンプリング回数分の排気行程のイオン電流のピーク値Iexの検出データから燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)と燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)とを算出し、この燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)と燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)とを乗算してトルク変動パラメータ(σ×ave)を求める。このステップ105の処理が特許請求の範囲でいう燃焼状態パラメータ算出手段としての役割を果たす。
この後、ステップ106に進み、トルク変動パラメータ(σ×ave)がトルク変動許容判定値Eh 以上であるか否かを判定する(このステップ106の処理が特許請求の範囲でいう安定性判定手段としての役割を果たす)。このトルク変動許容判定値Eh は、エンジン運転条件に応じてマップ等により算出するようにしても良いし、演算処理の簡略化のために、予め設定した固定値としても良い。
このステップ106で、トルク変動パラメータ(σ×ave)がトルク変動許容判定値Eh 以上であると判定されれば、トルク変動が許容範囲を越えていると判断して、ステップ107に進み、F/B安定化フラグをONして、点火時期を進角させることで、燃焼状態を安定化させてトルク変動を許容範囲内に収める。
これに対して、上記ステップ106で、トルク変動パラメータ(σ×ave)がトルク変動許容判定値Eh よりも小さいと判定されれば、トルク変動が許容範囲内であると判断して、ステップ108に進み、トルク変動パラメータ(σ×ave)がF/B拡大可能判定値Es 以下であるか否かを判定する。このF/B拡大可能判定値Es は、エンジン運転条件に応じてマップ等により算出するようにしても良いし、演算処理の簡略化のために、予め設定した固定値としても良い(但しEs <Eh )。
このステップ108で、トルク変動パラメータ(σ×ave)がF/B拡大可能判定値Es 以下と判定されれば、点火時期を遅角してもトルク変動が許容範囲を越えないと判断して、ステップ109に進み、F/B拡大フラグをONして、点火時期を遅角する。これにより、排気温度を上昇させて触媒の暖機を促進する。
一方、上記ステップ108で、トルク変動パラメータ(σ×ave)がF/B拡大可能判定値Es よりも大きいと判定されれば、点火時期遅角制御のフィードバック制御が安定していると判断して、ステップ110に進み、F/B安定中フラグをONして、成り行きフィードバック制御により点火時期遅角制御を実行する。上記ステップ106〜110のの処理が特許請求の範囲でいう制御手段としての役割を果たす。
以上説明した本実施例1によれば、排気行程中のイオン電流値のピーク値Iexに基づいて算出された燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)と燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)とを乗算してトルク変動パラメータ(σ×ave)を求め、このトルク変動パラメータ(σ×ave)に基づいてトルク変動が所定の許容範囲を越えたか否かを判定して、その判定結果に基づいて点火時期遅角量をトルク変動が所定の許容範囲内に収まる方向にフィードバック制御するようにしたので、トルク変動を所定の許容範囲内に抑えながら点火時期遅角制御のフィードバック制御の制御領域を拡大することができる。
上記実施例1では、点火時期遅角制御を行う際に、トルク変動パラメータ(σ×ave)に基づいてトルク変動が所定の許容範囲を越えないように点火時期遅角量をフィードバック制御するようにしたが、図5に示す本発明の実施例2では、エンジン運転条件毎に予め設定された複数の制御項目、例えば、点火時期遅角制御、空燃比リーン制御(A/Fリーン制御)、可変バルブタイミング進角制御(VVT進角制御)の3つの制御項目について、それぞれトルク変動パラメータ(σ×ave)に基づいてトルク変動が所定の許容範囲を越えないように制御量をフィードバック制御するようにしている。
以下、本実施例2で実行する図5のトルク変動抑制ルーチンの処理内容を説明する。図5のトルク変動抑制ルーチンは、図4のトルク変動抑制ルーチンのステップ102とステップ105との間に3つのステップ111〜113を追加し、ステップ107、109、110では、トルク変動パラメータ(σ×ave)と許容判定値Eh ,Es との比較結果に基づいて現在の制御項目に対応するフィードバック制御を行うようにしたものであり、その他のステップの処理は、図4と同じである。
図5のトルク変動抑制ルーチンが起動されると、まずステップ101で、燃焼行程のイオン電流のピーク値Ib と排気行程のイオン電流のピーク値Iexをそれぞれ検出した後、ステップ102に進み、燃焼行程のイオン電流のピーク値Ib が失火判定値Io 以上であるか否かを判定し、燃焼行程のイオン電流のピーク値Ib が失火判定値Io 以上であれば、失火が発生していないと判断して、ステップ111に進み、制御項目フラグの記憶値を読み取り、制御項目フラグが「S」、「F」、「V」のいずれであるかを判定することで、現在の制御項目が点火時期遅角制御、A/Fリーン制御、VVT進角制御のいずれであるかを判定する。
この後、ステップ112に進み、各制御項目毎にそれぞれ設定された判定値補正係数の中から現在の制御項目に対応する判定値補正係数Kh(i),Ks(i)を選択した後、ステップ113に進み、上記判定値補正係数Kh(i),Ks(i)を、3つの制御項目に共通して設定されたベース許容判定値Ebaseに乗算してトルク変動許容判定値Eh とF/B拡大可能判定値Es を求める。
[現在の制御項目が点火時期遅角制御の場合]
Eh =Ebase×Kh(S)
Es =Ebase×Ks(S)
ここで、Kh(S)とKs(S)は、点火時期遅角制御に対応する判定値補正係数である。
[現在の制御項目がA/Fリーン制御の場合]
Eh =Ebase×Kh(F)
Es =Ebase×Ks(F)
ここで、Kh(F)とKs(F)は、A/Fリーン制御に対応する判定値補正係数である。
[現在の制御項目がVVT進角制御の場合]
Eh =Ebase×Kh(V)
Es =Ebase×Ks(V)
Eh =Ebase×Kh(S)
Es =Ebase×Ks(S)
ここで、Kh(S)とKs(S)は、点火時期遅角制御に対応する判定値補正係数である。
[現在の制御項目がA/Fリーン制御の場合]
Eh =Ebase×Kh(F)
Es =Ebase×Ks(F)
ここで、Kh(F)とKs(F)は、A/Fリーン制御に対応する判定値補正係数である。
[現在の制御項目がVVT進角制御の場合]
Eh =Ebase×Kh(V)
Es =Ebase×Ks(V)
ここで、Kh(V)とKs(V)は、VVT進角制御に対応する判定値補正係数である。
尚、ベース許容判定値Ebaseは、エンジン運転条件に応じてマップ等により算出するようにしても良いし、演算処理の簡略化のために、予め設定した固定値としても良い。
尚、ベース許容判定値Ebaseは、エンジン運転条件に応じてマップ等により算出するようにしても良いし、演算処理の簡略化のために、予め設定した固定値としても良い。
この後、ステップ105に進み、前記実施例1と同様の方法で、トルク変動パラメータ(σ×ave)を算出した後、ステップ106に進み、トルク変動パラメータ(σ×ave)が上記ステップ113で算出したトルク変動許容判定値Eh 以上であるか否かを判定する。その結果、トルク変動パラメータ(σ×ave)がトルク変動許容判定値Eh 以上であると判定されれば、トルク変動が許容範囲を越えていると判断して、ステップ107に進み、F/B安定化フラグをONして、現在の制御項目のフィードバック制御を、燃焼状態を安定化させてトルク変動を許容範囲内に収める方向に制御する。
これに対して、上記ステップ106で、トルク変動パラメータ(σ×ave)がトルク変動許容判定値Eh よりも小さいと判定されれば、トルク変動が許容範囲内であると判断して、ステップ108に進み、トルク変動パラメータ(σ×ave)が上記ステップ113で算出したF/B拡大可能判定値Es 以下であるか否かを判定する。その結果、トルク変動パラメータ(σ×ave)がF/B拡大可能判定値Es 以下と判定されれば、現在の制御項目のフィードバック制御の制御領域を拡大しても、トルク変動が許容範囲を越えないと判断して、ステップ109に進み、F/B拡大フラグをONして、現在の制御項目のフィードバック制御の制御領域を拡大する。
一方、上記ステップ108で、トルク変動パラメータ(σ×ave)がF/B拡大可能判定値Es よりも大きいと判定されれば、現在の制御項目のフィードバック制御が安定していると判断して、ステップ110に進み、F/B安定中フラグをONして、現在の制御項目のフィードバック制御を成り行きフィードバック制御により実行する。
以上説明した本実施例2によれば、エンジン運転条件毎に予め設定された3つの制御項目(点火時期遅角制御、A/Fリーン制御、VVT進角制御)について、それぞれトルク変動パラメータ(σ×ave)に基づいてトルク変動が所定の許容範囲を越えないように制御量をフィードバック制御するようにしたので、点火時期遅角制御の他に、A/Fリーン制御やVVT進角制御においても、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
しかも、本実施例2では、各制御項目毎にそれぞれ設定された判定値補正係数の中から現在の制御項目に対応する判定値補正係数Kh(i),Ks(i)を選択して、この判定値補正係数Kh(i),Ks(i)を用いて前記3つの制御項目に共通して設定されたベース許容判定値Ebaseを補正して許容判定値Eh ,Es を求めるようにしたので、各制御項目毎に適正な許容判定値Eh ,Es を簡単な演算処理で算出することができる利点がある。しかしながら、本発明は、許容判定値Eh ,Es をマップ等により算出するようにしても良い。
また、3つの制御項目に限らず、2つの制御項目又は4つ以上の制御項目に本発明を適用しても良い。
上記実施例1,2では、燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)と燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)とを乗算して求めたトルク変動パラメータ(σ×ave)をトルク変動許容判定値Eh と比較してトルク変動が所定の許容範囲を越えたか否かを判定するようにしたが、本発明の実施例3では、図6に示すトルク変動判定マップを参照して、現在の燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)と燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)とが図6のトルク変動判定マップの許容領域と不安定領域のどちらに属するかを判定することで、トルク変動が許容範囲内であるか否かを判定するようにしている。このように、図6のトルク変動判定マップを用いれば、トルク変動が許容範囲内であるか否かをより精度良く判定できる利点がある。
以下、本実施例3で実行する図7のトルク変動抑制ルーチンの処理内容を説明する。図7のトルク変動抑制ルーチンのステップ101〜104の処理は、前記実施例1(図4)と同じである。
図7のトルク変動抑制ルーチンでは、まずステップ101で、燃焼行程のイオン電流のピーク値Ib と排気行程のイオン電流のピーク値Iexをそれぞれ検出した後、ステップ102に進み、燃焼行程のイオン電流のピーク値Ib が失火判定値Io 以上であるか否かを判定し、燃焼行程のイオン電流のピーク値Ib が失火判定値Io 以上であれば、失火が発生していないと判断して、ステップ121に進み、所定のサンプリング回数分の排気行程のイオン電流のピーク値Iexの検出データから燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)と燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)とを算出する。
この後、ステップ122に進み、上記ステップ121で算出した燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)と燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)とが図6のトルク変動判定マップの不安定領域内に属するか否かを判定することで、トルク変動が許容範囲を越えているか否かを判定する。その結果、トルク変動が許容範囲を越えていると判定されれば、ステップ123に進み、F/B安定化フラグをONして、現在の制御項目のフィードバック制御を、燃焼状態を安定化させてトルク変動を許容範囲内に収める方向に制御する。
これに対して、上記ステップ122で、トルク変動が許容範囲内であると判定されれば、ステップ124に進み、F/B拡大フラグをONして、現在の制御項目のフィードバック制御の制御領域を拡大する。
以上説明した本実施例3は、点火時期遅角制御、A/Fリーン制御、VVT進角制御、その他の制御項目のいずれにも適用可能である。
また、ステップ122で、トルク変動が許容範囲内であると判定された場合に、現在の燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)と燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)とが図6と同様のF/B拡大判定マップのF/B拡大領域と成り行きF/B領域のどちらに属するかを判定して、その判定結果に応じて前記実施例1,2(図4、図7のステップ109、110)と同様に、F/B拡大制御と成り行きF/B制御とを切り換えるようにしても良い。
また、ステップ122で、トルク変動が許容範囲内であると判定された場合に、現在の燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)と燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)とが図6と同様のF/B拡大判定マップのF/B拡大領域と成り行きF/B領域のどちらに属するかを判定して、その判定結果に応じて前記実施例1,2(図4、図7のステップ109、110)と同様に、F/B拡大制御と成り行きF/B制御とを切り換えるようにしても良い。
その他、本発明は、燃焼悪化度パラメータ(平均値ave)と燃焼ばらつき度パラメータ(標準偏差σ)のいずれか一方を燃焼行程のイオン電流値に基づいて算出するようにしても良い。
21…点火コイル、22…一次コイル、23…バッテリ、24…イグナイタ、25…パワートランジスタ、26…二次コイル、27…点火プラグ、31…イオン電流検出抵抗、33…反転増幅回路、34…エンジン制御回路(燃焼状態パラメータ算出手段,安定性判定手段,制御手段)、35…イオン電流検出回路(イオン電流検出手段)、36…中心電極、37…接地電極
Claims (8)
- 内燃機関の燃焼室内で発生するイオンを燃焼行程と排気行程とに区別して検出するイオン電流検出手段と、
前記イオン電流検出手段により検出したイオン電流値に基づいて燃焼状態の悪化度を表す燃焼悪化度パラメータ[A]と燃焼状態のばらつき度を表す燃焼ばらつき度パラメータ[B]とを算出する燃焼状態パラメータ算出手段と、
前記燃焼状態パラメータ算出手段で算出した前記燃焼悪化度パラメータ[A]と前記燃焼ばらつき度パラメータ[B]とに基づいて算出した内燃機関のトルク変動が所定の許容範囲を越えたか否かを判定する安定性[C=f(A,B)]の判定手段と、
前記安定性判定手段の判定結果に基づいて内燃機関の制御量をそのトルク変動が所定の許容範囲内に収まる方向にフィードバック制御する制御手段と
を備えた内燃機関の制御装置において、
前記燃焼状態パラメータ算出手段は、前記イオン電流検出手段により検出した排気行程中のイオン電流値に基づいて前記燃焼悪化度パラメータ及び/又は前記燃焼ばらつき度パラメータを算出することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記安定性判定手段は、前記燃焼状態パラメータ算出手段により排気行程中のイオン電流値に基づいて算出された前記燃焼悪化度パラメータと前記燃焼ばらつき度パラメータとを乗算してトルク変動パラメータを求め、このトルク変動パラメータに基づいて内燃機関のトルク変動が所定の許容範囲を越えたか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記燃焼状態パラメータ算出手段は、前記排気行程中のイオン電流値の平均値を前記燃焼悪化度パラメータとして算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記燃焼状態パラメータ算出手段は、前記排気行程中のイオン電流値の標準偏差を前記燃焼ばらつき度パラメータとして算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
- 前記燃焼状態パラメータ算出手段は、前記排気行程中のイオン電流値のピーク値に基づいて前記燃焼悪化度パラメータ及び/又は前記燃焼ばらつき度パラメータを算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
- 前記制御手段は、内燃機関の運転条件毎に予め設定された複数の制御項目の制御量をフィードバック制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
- 前記複数の制御項目には、点火時期遅角制御、空燃比リーン制御及び可変バルブタイミング進角制御が含まれることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記複数の制御項目について各制御項目毎に前記トルク変動の許容範囲を判定する許容判定値を算出する許容判定値算出手段を備え、
前記許容判定値算出手段は、各制御項目毎にそれぞれ設定された判定値補正係数の中から現在の制御項目に対応する判定値補正係数を選択して、この判定値補正係数を用いて前記複数の制御項目に共通して設定されたベース許容判定値を補正して前記許容判定値を求めることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005091197A JP2006274825A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | 内燃機関の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005091197A JP2006274825A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | 内燃機関の制御装置 |
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JP2006274825A true JP2006274825A (ja) | 2006-10-12 |
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Family Applications (1)
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JP2005091197A Pending JP2006274825A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | 内燃機関の制御装置 |
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-
2005
- 2005-03-28 JP JP2005091197A patent/JP2006274825A/ja active Pending
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