JP2006273665A - 半導体インゴットの製造方法および製造装置 - Google Patents

半導体インゴットの製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】鋳型の高さを有効に利用したシリコンインゴットの鋳造が可能であり、鋳型内で溶解したシリコン融液に原料を追加供給する際、鋳型の離型材が剥離損傷し、鋳塊のひび割れ及び離型材の混入により歩留りを低下させると言う問題点を解消した鋳造方法及び鋳造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】鋳型内で、半導体原料を鋳型加熱手段により加熱溶融した上で、新たな半導体原料を供給し、溶融して得られた半導体融液を凝固させてなる半導体インゴットの製造方法において、
新たな半導体原料は、予熱された状態で前記鋳型内に供給されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は半導体インゴットの製造方法および製造装置に関し、特に鋳型内に半導体原料を供給して加熱溶融させた後に、凝固させて太陽電池用インゴットを製造するための半導体インゴットの製造方法および製造装置に関する。
太陽電池はクリーンな石油代替エネルギー源として小規模な家庭用から大規模な発電システムまでの広い分野でその実用化が期待されている。これらは使用原料の種類によって結晶系、アモルファス系、化合物系などに分類され、なかでも現在市場に流通しているものの多くは結晶系シリコン太陽電池である。この結晶系シリコン太陽電池はさらに単結晶型と多結晶型に分類されている。単結晶シリコン太陽電池は基板の品質が良いために変換効率の高効率化が容易であるという長所を有する反面、基板の製造コストが高いという短所を有する。
これに対して多結晶シリコン太陽電池は従来から市場に流通してきたが、近年、環境問題への関心が高まる中でその需要は増加しており、より低コストで高い変換効率が求められている。こうした要求に対処するためには多結晶シリコン基板の低コスト化、高品質化が必要であり、高純度のシリコンインゴットを歩留り良く製造することが求められている。
多結晶シリコン太陽電池に用いる多結晶シリコン基板は一般にキャスティング法と呼ばれる方法で製造される。このキャスティング法は、離型材を塗布した鋳型内に高温で加熱溶融させたシリコン融液を鋳型内に注いで、鋳型底部より凝固させたり、シリコン原料を鋳型内に入れて一旦溶融した後、再び底部より凝固させたりして、シリコンインゴットを形成する方法である。このシリコンインゴットの端部を除去し、所望の大きさに切断してブロック状に切り出し、切り出したシリコンブロックを所望の厚みにスライスして太陽電池を形成するための多結晶シリコン基板を得る。
このような多結晶シリコンインゴットを作製するために、溶融炉を設けてシリコン原料を溶融し、溶融させたシリコン融液を鋳型内に注いで凝固する方法では、半導体インゴットの製造装置において溶融部と凝固部を別々に用意する必要があり、装置が大型化することとなる。しかしながら、鋳型内でシリコン原料を溶融して、そのまま鋳型内で凝固する鋳型内溶融による方法では、溶融炉を設ける必要がないため装置が大型化することなく、高純度石英坩堝などの高価な部材が必要なくなり、多結晶シリコンインゴットのコストを抑えることができるため、後述の方法を用いて多結晶シリコンインゴットを作製したほうが優位である。
ここで、従来の鋳型内溶融における半導体インゴットの製造装置を図3に示す。図3において21はグラファイトやシリカなどから成る鋳型、22は冷却手段、23はグラファイトなどから成る断熱壁、24は鋳型加熱手段、25はシリコン原料(シリコン融液)、28は離型材である。この半導体インゴットの製造装置では、鋳型21の内壁面に窒化珪素や炭化珪素や二酸化珪素などを主成分とする離型材28を形成させて、この鋳型21内にシリコン原料25を供給し、このシリコン原料25を鋳型加熱手段24で1500℃程度に加熱して溶融し、鋳型を徐々に下降させてシリコン融液を鋳型加熱手段24から徐々に離して冷却したり、或いは鋳型の位置はそのままで冷却手段22により温度を下げて冷却し、この鋳型21内でシリコン融液を凝固させてシリコンインゴットを形成するものである(例えば特許文献1、非特許文献1参照)。このシリコンインゴットは鋳型21を破壊することにより、鋳型21から取り出したり、もしくは鋳型21を分解して取り出す。なお、これらはすべて真空容器(不図示)内に配置される。
このようなシリコンインゴットの製造方法に用いられるシリコン原料25の嵩比重は通常1.0〜1.5でシリコンの比重2.33に比べて半分程度である。そのため、図3に示すような従来の半導体インゴットの製造装置では、シリコン融液が凝固して形成されたシリコンインゴットの高さは鋳型の半分程度しかない。鋳型21およびこの鋳型の内壁面に塗布される離型材28は高価な消耗品であり、ランニングコストに占める割合が大きい。したがって従来技術では、シリコンインゴットの大きさに対して必要な鋳型21が大きく、シリコンインゴットの重量辺りの鋳型21および離型材28が高価になるという問題があった。図4は従来の半導体原料供給型の製造装置を示す。この問題に対して図4に示されるように鋳型31上の断熱壁33aの上部に可動式扉33bを設け、この可動式扉33b上に原料供給手段36を設け、この原料供給手段36から鋳型31内にシリコン原料35を供給できるようにしている(例えば、特許文献2参照)。このように鋳型31内に充填したシリコン原料35が溶融することで、シリコン原料35の嵩が減少した後に鋳型31内に新たなシリコン原料を追加供給することでシリコンインゴットの重量辺りの鋳型31および離型材38のコストを減少させることができる。
米国特許第3898051号公報 特開平10−139586号公報 5th International PVSEC p303〜305
ところが、従来の新たなシリコン原料供給方法では、あらかじめ鋳型内に装入したシリコン原料は1500℃程度に加熱され溶融される。この状態で溶融した鋳型内のシリコン融液に原料供給手段36から新たなシリコン原料を追加供給すると、急激にシリコン融液が冷却されるため、離型材が鋳型内面側から剥離し、シリコン融液に混入する現象がおこったり、離型材が剥離することで鋳型材とシリコン融液が接触し、シリコンインゴットにひび割れが生じ製品歩留を減少させると言う問題があった。また、新たなシリコン原料を投入した場合にシリコン融液の温度が急激に低下することによって、結晶品質を低下させると言う問題もあった。
発明者は、新たなシリコン原料を投入した場合に炉内の温度が急激に低下することや、投入した際のシリコン融液の飛散により鋳型内面にシリコン融液が付着し冷えて凝固することなどにより、鋳型材と鋳型材に被覆した離型材は急激な熱履歴によって、この鋳型材と離型材の熱膨張係数の違いから離型材が剥離損傷し、鋳型内のシリコン融液中に入り込むことで製品歩留りを大きく低下させている要因であることがわかった。
本発明は、このような従来装置の問題点に鑑みて発明されたものであり、鋳型の高さを有効に利用してシリコンインゴットの製造が可能であり、鋳型内で溶融した半導体融液に新たな半導体原料を追加供給する際、鋳型の離型材が剥離損傷し、インゴットのクラックおよび離型材の混入により歩留りを低下させるという問題点を解消した半導体インゴットの製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る半導体インゴットの製造方法では、鋳型内で、半導体原料を鋳型加熱手段により加熱溶融した上で、新たな半導体原料を供給し、溶融して得られた半導体融液を凝固させてなる半導体インゴットの製造方法において、新たな半導体原料は、予熱された状態で前記鋳型内に供給されることを特徴とする。
また、前記新たな半導体原料は、前記鋳型加熱手段によって予熱されることを特徴としている。
さらに、別途、新たな半導体原料を加熱する原料加熱手段により、新たな半導体原料は予熱されることを特徴としている。
そして、前記新たな半導体原料は、半導体融液の温度低下が規定値に達した時点で供給を止められることを特徴とする
また、前記規定値が70℃以下、好ましくは50℃以下であるほうが好ましい。
本発明に係る半導体インゴットの製造方法では、半導体原料が供給される鋳型と、該鋳型の周囲に設けられた鋳型加熱手段と、前記鋳型内に新たな半導体原料を供給する原料供給手段と、前記新たな半導体原料を加熱する原料加熱手段と、を備えている。
以上のように、本発明に係る半導体インゴットの製造方法およびシリコン製造装置によれば、鋳型内で、半導体原料を鋳型加熱手段により加熱溶融した上で、新たな半導体原料を供給し、溶融して得られた半導体融液を凝固させてなる半導体インゴットの製造方法において、新たな半導体原料は予熱された状態で、鋳型内に供給される。このように鋳型内に装入した半導体原料を溶融した後、新たな半導体原料を供給することにより、鋳型の高さを有効に利用した半導体インゴットの製造が可能になる。また、半導体原料を供給する際に、急激に温度低下することが無いために、半導体原料供給時の離型材の剥離損傷を防止でき、剥離損傷した離型材がシリコン融液内に取り込まれたり、半導体インゴットにひび割れが生じたりする、また、新たなシリコン原料を投入した場合に半導体融液の温度が急激に低下することによって、結晶品質が低下するという問題を無くすことが可能であり、さらに、半導体原料の供給量を多くすることができるため、半導体インゴットの製造時間を短縮することができ、生産性を向上させることができる。
また、新たな半導体原料をシリコン融液内に供給し、そのときのシリコン融液の温度低下が規定値になった時点で半導体原料の供給を停止することによって、離型材の剥離損傷を防止しつつ、より効率よく半導体原料をシリコン融液内に供給することができる。
以下、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明に係る半導体インゴットの製造装置の一実施形態を示す断面図であり、1は鋳型、2は冷却手段、3aは断熱壁、3bは可動式扉、4aは鋳型上部加熱手段、4bは鋳型側部加熱手段、5は半導体原料または半導体原料が融解して形成された半導体融液、6は原料供給手段、6aは導入部材、6bは開閉口、6cは原料供給タンク、7は新たな半導体原料、8は離型材、9は温度測定手段、10は表示器、11は演算器、12は原料供給制御手段である。また、半導体原料としては太陽電池基板に多く用いられるシリコンが一般的に用いられる。
鋳型1は、黒鉛、二酸化珪素などからなり、一体構造の鋳型で構成される。このような、一体構造の鋳型は半導体インゴットを取り出す際、鋳型1を破壊して取り出すため使い捨てであり、そして鋳型の高さを有効に利用するため鋳型内の半導体原料を溶融した後、新たな半導体原料を供給するほうが望ましい。
図1に示す鋳型1の内面側には離型材8が塗布されており、このような離型材8によって、鋳型1の内部の半導体融液5を凝固した後、半導体インゴットを取り出すことができる。この際、離型材8がなければ半導体インゴットと鋳型1とが融着し、取り出すときにひび割れや、クラックを生ずるため重要な位置を占めている。
このような離型材8としては、窒化珪素、炭化珪素、酸化珪素などの各粉体、または混合粉を適当な有機バインダーと溶剤とから構成される溶液中に混合・攪拌してスラリーとし、へらや刷毛、スプレーなどを用いて鋳型1の内面に塗布・乾燥して被覆する。バインダーには、PVA(ポリビニルアルコール)、PVB(ポリビニルブチラール)、PEG(ポリエチレングリコール)、MC(メチルセルロース)、CMC(カルボキシメチルセルロース)、EC(エチルセルロース)、HPC(ヒドロキシフ゜ロピルセルロース)、ワックスなどが一般的に使用される。また、有機バインダー溶液を混合してスラリー状にした離型材8を被覆するような場合、その後の加熱で有機バインダー溶液の熱分解性生成物がシリコン融液5中に混入することを防止するため、脱脂処理が行われる。また、乾燥方法としては、自然乾燥または、ホットプレート、オーブンなどの従来周知の方法を用いて乾燥させて脱脂処理を行なうことで、鋳型1に離型材の接着が可能となっている。また、鋳型1の内表面への離型材の塗布は、スラリーを塗布するだけではなく、プラズマ溶射機等を用いて直接、離型材を設けても良い。
そして鋳型1は、グラファイトなどからなる断熱壁3aの内部に配置される。また、この鋳型内にシリコン原料5を装入し、加熱手段4によって加熱されてシリコン融液5とする。次に、鋳型1の上部に設けられた原料供給手段6により、鋳型1内に追加のシリコン原料7が供給される。なお、この鋳型1、断熱壁3a、鋳型加熱手段4、原料供給手段6は真空容器内(不図示)に設置される。
原料供給手段6の構成は、例えばステンレス鋼やグラファイトなどからなる新たな半導体原料7を保持するための原料供給タンク6cを設け、その下には、新たな半導体原料7を鋳型1に導くための導入部材6aを設ける。また、導入部材6aには貫通孔を有しており、貫通孔と原料供給タンク6cとの間には開閉口6bが設けられている。
新たな半導体原料7を鋳型1内に供給する場合には、原料供給タンク6cから開閉口6bを開くことで、導入部材6aを通して新たな半導体原料原料7を供給することができる。
そして、鋳型加熱手段4には抵抗加熱式のヒータや誘導加熱式のコイルなどが用いられる。
このように、鋳型1内の半導体原料を鋳型加熱手段4によって加熱し、融液の状態にしてから新たな半導体原料7を供給するため、ランニングコストの費用が高い離型材8が塗布された鋳型1の高さを有効に利用した鋳型内溶融を可能にしている。
このとき、シリコン融液(液体)の密度が2.55g/cmであるのに対してシリコン鋳塊(固体)の密度は2.33g/cmであるため、液体から固体に移行するときに生じる約9%の体積膨張を考慮して、シリコン融液が鋳型1の高さの約9割となるように新たな半導体原料7を投入することが望ましい。
こうしてできた半導体融液5を半導体インゴットとするため、鋳型1を下部から抜熱する。鋳型1の下部から抜熱することで、半導体インゴットの一方向凝固を実現している。しかしながら、半導体融液5がシリコン融液の場合には、鋳型加熱手段4bにより加熱を停止すると、鋳型内のシリコン融液は液面からの抜熱が大きいため、シリコン融液の液面が先に凝固してしまい、シリコン融液が内部に取り残されると、後で取り残されたシリコン融液が凝固して膨張し、シリコンインゴットの表面があたかも噴火したような状態となりシリコンインゴットに割れが生じる。この問題を防ぐため、シリコン融液の上部に位置する鋳型上部加熱部4aによって、シリコン融液の液面を加熱し鋳型内シリコン融液の液面を凝固させないようにすることが望ましい。
このようにして、鋳型1の下部に備えられた冷却手段2に接触もしくは近づけることによって、鋳型1の下部から抜熱を行なえば、半導体融液5を一方向凝固させることができる。このとき、冷却手段2としては、例えばステンレス(SUS)などの金属板を用いることができ、内部に水などの冷媒を循環させるなどして、鋳型1の内部の半導体融液5から効果的に抜熱できるように構成することが望ましい。なお、冷却・凝固して得られた半導体インゴットは、所望の大きさに切断・洗浄して、太陽電池用多結晶シリコン基板材料などに用いられる。
本発明に係る半導体インゴットの製造方法は、新たな半導体原料は予熱された状態で、鋳型内に供給されることを特徴とする。
従来においては、鋳型内に供給される新たな半導体原料7の温度が低いために、鋳型内に供給されると鋳型1内は急激に温度低下を起こし、鋳型1の内面に被覆した離型材には非常に大きな負荷がかかる。例えば、半導体原料5を溶融するために、鋳型上部加熱手段4aの出力を必要以上に上げているような場合には、鋳型1の内面は鋳型上部加熱手段4aの輻射により必要以上に加熱された状態になっている。その状態で新たな半導体原料7を供給すると、鋳型加熱手段4により加熱されることで熱膨張していた鋳型材と離型材は新たない半導体原料7を供給することで起きた温度低下により、急激に収縮を起こし離型材が剥離損傷する結果となる。
しかしながら、新たな半導体原料が予熱された状態で半導体融液5内に供給することにより、新たな半導体原料を供給した際における半導体融液の温度低下を抑えることによって、熱膨張していた鋳型材と離型材が急激に収縮を起こすことがないため、離型材の剥離損傷を防ぎ、剥離損傷した離型材がシリコン融液内に取り込まれたり、シリコンインゴットにひび割れが生じたりする、また、新たなシリコン原料を投入した場合にシリコン融液の温度が急激に低下することによって、結晶品質が低下するという問題を抑制することができる。さらに、新たな半導体原料7を多く供給すると半導体融液5の急激な温度低下が起こるが、予熱することによって一回の半導体原料の供給量を多くしても急激な温度低下が起こらないため、シリコンインゴットの製造時間を短縮することができる。また、再度、新たな半導体原料7を供給した場合も同様である。
予熱方法としては、鋳型内の半導体原料を加熱する鋳型加熱手段4によって加熱されるのが好ましい。図1に示すように鋳型加熱手段4と原料供給手段6との間には断熱壁を設けていないため、鋳型内の半導体原料を加熱する鋳型加熱手段4の熱量が新たな半導体原料7にも与えられるため、新たな半導体原料が予熱されることとなる。よって、半導体原料5を溶融するために、鋳型上部加熱手段4aの出力を必要以上に上げているような場合においても、新たな半導体原料も同時に加熱されることとなり、半導体融液5の急激な温度低下が抑制され、離型材の剥離損傷を防ぎ、また半導体原料の溶融時間の短縮を行なうことが可能となる。また、鋳型加熱手段4からの熱が必要以上大きいと原料供給手段6の寿命が短くなり好ましくないため、鋳型加熱手段4と原料供給手段6との間に薄い断熱壁を部分的に設けたりすることにより、原料供給手段6への熱を軽減しても構わない。
また、図2に示すように、新たな半導体原料7を加熱するための原料加熱手段13を設けても構わない。このように、直接新たな半導体原料7を加熱することにより、より高温に半導体原料を予熱することが可能となり、一回の半導体原料の供給量を多くすることができる。
また、新たな半導体原料7の予熱温度を原料温度測定手段14により測定し、ある一定の温度まで例えば、500℃以上に加熱した後、シリコン融液内に供給したほうが望ましい。新たな半導体原料を加熱する原料加熱手段13をつけることに対する費用対効果を考慮すると、1回における半導体原料の供給量は原料加熱手段13をつけない場合に比べて、2倍以上の半導体原料を供給することが望ましいと考えられるため500℃以上に加熱することが望ましい。また、半導体原料供給時の温度低下を抑えるためには、半導体原料の温度が半導体原料の融点近くまで加熱した方が良いが、あまり高温にすると安全面、原料供給タンクの耐熱性などを考慮する必要が生じてくる。シリコンの融点は1412℃と非常に高く、融点近くまで加熱できる構造にするためには、大掛かりなタンクの冷却が必要になったり、大容量のヒータ電源が必要になるなど装置が大掛かりにならざるを得ないためである。そのため、予熱温度は800℃以下にすることが望ましい。
また、通常、鋳造装置内は真空もしくは不活性雰囲気で保たれており、原料供給タンク6cの中も真空もしくは不活性雰囲気中に保たれる構造となっており、このような雰囲気で使用することができるヒータは限られるため、タンクの外側から加熱できることが好ましい。原料加熱手段13を設ける場合、タンク形状にあわせたヒータ形状が望まれるが、カーボンなどのヒータには形状の自由度に乏しい。そのため、比較的自由度があり最高温度が1200℃であるカンタル線などを使用することが好ましい。また、温度によってはニクロム線などを使用することも可能である。
さらに、
新たな半導体原料は供給した際の半導体融液の温度低下が規定値に達した時点で供給を停止することを特徴とする。図1に示されるように温度測定手段9を設け、新たな半導体原料7を供給する前の半導体融液5の測定温度T1を表示器10を通して演算器11に取り込んだ後、原料供給制御手段12により原料供給手段6の開閉口6bを開け、新たな半導体原料7を供給する。この半導体原料7を供給しているときの半導体融液5の測定温度T2を演算器11に取り込み、演算器11で温度差T1−T2を計算する。そして、温度差T1−T2がある規定の値に達した場合、原料供給制御手段12は原料供給手段6に開閉信号を送り、開閉口6bが閉じるようにする。このように、放射率を1.0とした放射温度計等の温度測定手段9で半導体融液5の表面温度を測定し、新たな半導体原料を供給した際における半導体融液の温度低下が規定値に達した時点で供給を停止することによって、熱膨張していた鋳型材と離型材が急激に収縮を起こすことがないため、離型材の剥離損傷を防ぎ、剥離損傷した離型材が半導体融液内に取り込まれたり、半導体インゴットにひび割れが生じたりするという問題を抑制することができる。例えば、スラリーを塗布・乾燥させて被覆した離型材の場合には、新たな半導体原料7を供給した際における半導体融液の温度低下を70℃以下、好ましくは50℃以下の時点で供給を停止したほうが好ましい。温度低下が70℃より大きくなると、熱膨張していた鋳型材と離型材が急激に収縮を起こすため、離型材が剥離損傷し、剥離損傷した離型材が半導体融液内に取り込まれたり、半導体インゴットにひび割れが生じたりする可能性がある。例えば、新たな半導体原料の予熱を行なっていない場合、一回の供給量が供給前のシリコン融液の重量に対して8.3%以下とすれば、半導体融液の温度低下を70℃以下とすることができる。また、温度測定手段9としては温度をモニタするために、鋳型に熱電対などを接触させ、鋳型の温度を測定することで、間接的にシリコン融液の温度低下を推測することも可能であるが、鋳型の断熱性の違いにより温度の絶対値に違いが生じるため非常に困難であるため、放射温度計を用いてシリコン融液の温度低下を直接的に測定したほうが望ましい。
シリコン融液の温度の低下は新たな半導体原料7の熱容量により決まるため、シリコン原料の大きさについては特に規定されないが、新たな半導体原料7の大きさが必要以上に小さいときは半導体原料7が舞ってしまうために、鋳型1の中に入らなかったり、離型材に付着するなどの問題が生じる。また必要以上に大きいときは、半導体原料7が離型材に衝突したときの衝撃で離型材が損傷したり、半導体原料7を供給する際に半導体融液5が飛散し離型材に付着して製品歩留りを低下させたり、鋳型加熱手段4や断熱壁3に付着することで損傷を早めるなどの問題が生じるために好ましくない。
本発明における半導体インゴットの製造方法により、全ての半導体原料が溶融したら、鋳型加熱手段の出力を下げて冷却手段により冷却することで半導体インゴットを得る。例えば、シリコンインゴットの場合、追加供給を繰り返し、全てのシリコン原料が溶融したときの融液の量が鋳型の有効深さの9割になるようにすれば、シリコンインゴットはシリコン融液に比べ約1割嵩が大きいので出来上がったシリコンインゴットの高さが鋳型1の有効深さと同じになり理想的である。
なお、本発明の実施形態は上述の例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはもちろんである。
例えば、新たな半導体原料7が供給される位置は鋳型1の中央に位置する必要はなく、鋳型1と半導体原料7が衝突しない、また鋳型から半導体原料がこぼれない範囲であればどこでもよい。
また、製造装置に用いられる鋳型は分割構造の鋳型を用いてもよく、このような分割構造の鋳型を用いた場合においても、鋳型上部の内壁面に塗布された離型材を有効に利用するために鋳型内のシリコン原料を溶解した後、半導体原料を供給するほうが望ましく、本発明のシリコン鋳造方法を用いることで本発明の効果を得ることができる。
図5のように、内寸が、350mm四方、深さ250mmの鋳型を用意し、その内面に、窒化珪素からなる離型材層を形成し、シリコン鋳造用鋳型を作製した。得られた鋳型にシリコン原料を36kg装入した後、原料供給手段を備えた鋳造炉内に鋳型を供給し加熱溶融を行った。鋳型に装入したシリコン原料が完全に溶解した後、原料供給手段から新た案シリコン原料を供給した。このとき、表1のようにシリコン原料の供給量と供給前のシリコン原料の温度を変化させ、シリコン原料の供給によるシリコン融液の温度低下と鋳型内面の離型材層の損傷を観察した。
Figure 2006273665
半導体原料を加熱せずに供給した場合、表1のNo.1〜4より半導体原料の供給量が増加するほどシリコン融液の温度低下が大きくなっており、供給量が3kg以下のときは離型材の損傷が見られないが、4kg以上のときには離型材の損傷がみられることが分かる。また、半導体原料の供給量が3kgのときは供給前のシリコン融液の重量36kgに対して8.3%となる。
また、表1のNo.5〜8、No.9〜12、No.13〜16およびNo.17〜21の比較から、同じシリコン原料の供給量のときに供給前のシリコン原料の温度を上げた方がシリコン融液の温度低下が小さくなっており、離型材の剥離損傷が無いため、供給できる半導体原料を多くすることができる。
さらに、離型材の損傷時の温度低下を見ると、No.3では89℃、No.4では115℃、No.8では87℃、No.12では77℃、No.16では84℃、No.21では90℃であり、離型材の損傷が無く一番温度低下が大きかったNo.20の68℃と比較すると、離型材の損傷が70℃を境に起きていることが分かる。
供給前の半導体原料の温度が400℃のとき(No.9〜12)と500℃のとき(No.13〜16)を比較すると、加熱温度が400℃のときの供給限界量は5kg、500℃のときの供給限界量は6kgとなっている。追加供給量が多いほど追加供給の回数を少なくできることから、生産性などを考慮に入れると、供給限界量が半導体原料の加熱を行なわないときの供給限界量3kgの2倍となる500℃以上が好ましいといえる。
本発明に係る鋳造装置の一実施形態を示す図である。 本発明に係る鋳造装置の他の実施形態を示す図である。 従来の鋳造装置を示す図である。 従来の鋳造装置を示す図である。 本発明に係る実施例で用いた鋳造装置を示す図である。
符号の説明
1:鋳型
2:冷却手段
3、3a:断熱壁
3b:可動式扉
4:鋳型加熱手段
4a:鋳型上部加熱手段
4b:鋳型側部加熱手段
5:シリコン原料(シリコン融液)
6:原料供給手段
6a:漏斗
6b:開閉口
6c:原料供給タンク
7:新たな半導体原料
8:離型材
9:温度測定手段
10:表示器
11:演算器
12:原料供給制御手段
13:原料加熱手段
14:原料温度測定手段

Claims (5)

  1. 鋳型内で、半導体原料を鋳型加熱手段により加熱溶融した上で、新たな半導体原料を供給し、溶融して得られた半導体融液を凝固させてなる半導体インゴットの製造方法において、
    新たな半導体原料は、予熱された状態で前記鋳型内に供給されることを特徴とする半導体インゴットの製造方法。
  2. 前記新たな半導体原料は、前記鋳型加熱手段によって予熱されることを特徴とする請求項1に記載の半導体インゴットの製造方法。
  3. 前記新たな半導体原料は、半導体融液の温度低下が規定値に達した時点で供給を止められることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体インゴットの製造方法。
  4. 前記規定値が70℃以下である請求項3に記載の半導体インゴットの製造方法。
  5. 半導体原料が供給される鋳型と、該鋳型の周囲に設けられた鋳型加熱手段と、前記鋳型内に新たな半導体原料を供給する原料供給手段と、前記新たな半導体原料を加熱する原料加熱手段と、を備えた半導体インゴットの製造装置。
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