JP2006273497A - 鋼板切板のトラッキング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷延鋼板の端板などの鋼板切板のトラッキング精度を、低コスト、簡潔な構造で向上する。
【解決手段】上側及び下側磁石コンベヤ6,7の搬送面近傍に電磁石9を設け、この電磁石9で鋼板切板を吸着して搬送するに際し、電磁石9の電流変化を検出し、鋼板切板を吸着したときの電磁石9の電流変化に基づいて当該鋼板切板の位置をトラッキングする。トラッキングの基準にはロータリエンコーダやローラ、ロールの回転数を用い、実際に検出される鋼板切板の位置を用いてトラッキング補正を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鋼板の切板を搬送するシステムに用いて好適な鋼板切板のトラッキング装置に関するものである。
一般に、この種の鋼板切板の搬送装置は、搬送コンベヤの駆動軸にロータリエンコーダ等のパルス発生器を取付け、そのパルス発生器の出力パルスをカウントすることにより、各切板の移動量、即ち搬送位置をトラッキングしている。そして、経路切換え部でゲートを切換え、搬送される各切板の属性(良・不良品、欠陥の程度による等級など)に応じて、所定の経路、例えばサンプリングやリジェクト路などに適宜振り分けて搬送する。また、コンベヤ上を搬送されている鋼板切板を電磁石で吸着して採取するような場合には、ロータリエンコーダ等のパルス発生器で発生する出力パルスをカウントし、鋼板切板が電磁石位置に到着したであろうタイミングで当該電磁石に通電して鋼板切板を吸着するようにしていた。
しかしながら、コンベヤ上の鋼板切板は、振動による跳ね上がりや摩擦による停滞現象を起こしながら高速搬送されるため、ロータリエンコーダ等のパルス発生器で発生する出力パルスをカウントするだけでは、パルスカウンタから推定される切板の位置と実際の切板の位置とにズレが生じる場合の方が多い。また、コンベヤを駆動するローラとコンベヤベルトとの間にスリップが生じてもトラッキングに誤差が生じる。そこで、下記特許文献1に記載される鋼板切板のトラッキング装置では、コンベヤの搬送面近傍に、複数個の磁気式物体検知センサを、鋼板切板の搬送方向に沿って列設することにより、コンベヤ上を搬送される鋼板切板を直接的に検出することで、トラッキング精度を向上するようにしている。
特開平5−294534号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載される鋼板切板のトラッキング装置では、比較的高価な磁気式物体検出センサを複数個も使用しなければならないため、コスト高になるばかりでなく、そうしたセンサを配設する分、構造が複雑で大がかりになってしまうという問題がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、コストの低廉化、構造の簡略化を可能とする鋼板切板のトラッキング装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に係る鋼板切板のトラッキング装置は、コンベヤの搬送面近傍に電磁石を設け、この電磁石で鋼板切板を吸着して搬送するに際し、電磁石の電流変化を検出し、鋼板切板を吸着したときの電磁石の電流変化に基づいて当該鋼板切板の位置をトラッキングすることを特徴とするものである。
而して、本発明のうち請求項1に係る鋼板切板のトラッキング装置によれば、コンベヤの搬送面近傍に電磁石を設け、この電磁石で鋼板切板を吸着して搬送するに際し、電磁石の電流変化を検出し、鋼板切板を吸着したときの電磁石の電流変化に基づいて当該鋼板切板の位置をトラッキングする構成としたため、磁気式物体検出センサなどの新たなセンサを用いることなく鋼板切板の正確なトラッキングを可能とし、これによりコストの低廉化と構造の簡略化を可能とすることができる。
次に、本発明の鋼板切板のトラッキング装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の鋼板切板のトラッキング装置を展開した鋼板切板搬送装置の概略構成図である。この鋼板切板搬送装置は、冷間圧延ラインの出側に設けられたものであり、冷間圧延鋼板を出側シャー1で切断してできる、一般に端板と呼ばれる鋼板切板を、図の上側のサンプルバック2と、図の下側のスクラップバック3とに搬送するためのものである。製品となる冷間圧延鋼板は、出側搬送コンベヤ4から図示しないテンションリールへと搬送される。図中の符号5は、出側シャー前ピンチロールである。
サンプルバック2には、上側磁石コンベヤ6によって鋼板切板が搬送され、スクラップバック3には、下側磁石コンベヤ7によって鋼板切板が搬送される。これら上側及び下側磁石コンベヤ6,7には、夫々、複数個の永久磁石8と電磁石9とが配設されている。例えば、上側磁石コンベヤ6には、下側搬送面近傍に、入側から出側まで、計8個の磁石が配設されており、これらの磁石で鋼板切板を吸着しながら、サンプルバック2まで搬送するのであるが、このうち、最も出側の1個と入側から5個の磁石は電磁石9、その他の2個の磁石が永久磁石8である。また、下側磁石コンベヤ7には、上側搬送面近傍に、入側から出側まで、計3個の磁石が配設されており、最も入側の磁石と最も出側の磁石が永久磁石8、中央の磁石が電磁石9である。また、下側磁石コンベヤ7では、電磁石9に隣接するガイドローラも電磁石9とした。
電磁石9は鋼板切板を吸着する際に、電流値が変化する。従って、この電流値を監視すれば、鋼板切板を吸着したこと、つまり鋼板切板の位置を検出してトラッキングすることができる。トラッキングの基準は、例えば出側シャー前ピンチロール5や、下側磁石コンベヤ7の駆動ローラ、上側磁石コンベヤ6の駆動ローラの回転数を用いる。例えば、出側シャー前ピンチロール5に設けたロータリエンコーダの出力を基準にして当該出側シャー前ピンチロール5の回転数を用いて下側磁石コンベヤ7までの鋼板切板の位置をトラッキングし、下側磁石コンベヤ7に乗り移ってからは当該下側磁石コンベヤ7の駆動ローラの回転数を用いて上側コンベヤ6までの鋼板切板の位置をトラッキングし、上側磁石コンベヤ6に乗り移ってからは当該上側磁石コンベヤ6の駆動ローラの回転数を用いて鋼板切板の位置をトラッキングする。
しかしながら、実際の鋼板切板は、前述したように、振動による跳ね上がりや摩擦による停滞現象を起こしながら高速搬送されるため、ローラやロールの回転数から想定する鋼板切板の位置と実際の鋼板切板との位置にズレが生じる。そこで、本実施形態では、前記電磁石9の電流値の変化に基づいて実際の鋼板切板の位置を検出し、前記ローラやロールの回転数に基づく鋼板切板位置の補正を行ってトラッキングを行う。
図2は、図1に示した電磁石9のうちの一つについて、電流値の変化を示すグラフである。図2に示すように、鋼板切板が対象とする電磁石9の位置にない場合には、電流値は一定の値を示しているが、鋼板切板が対象とする電磁石9の位置に到達すると電流値が変化する。本実施形態では、複数の電磁石9の夫々或いは何れか1つ以上について電流値を測定しておき、電流変化が生じた時点で、当該電流変化が生じた電磁石9の位置に鋼板切板があるものとして、鋼板切板位置の補正を行う。
従って、本実施形態の鋼板切板のトラッキング装置によれば、上側及び下側磁石コンベヤ6,7の搬送面近傍に電磁石9を設け、この電磁石9で鋼板切板を吸着して搬送するに際し、電磁石9の電流変化を検出し、鋼板切板を吸着したときの電磁石9の電流変化に基づいて当該鋼板切板の位置をトラッキングする構成としたため、磁気式物体検出センサなどの新たなセンサを用いることなく鋼板切板の正確なトラッキングを可能とし、これによりコストの低廉化と構造の簡略化を可能とすることができる。
なお、本発明の鋼板切板のトラッキング装置は、鋼帯の所謂端板に限らず、あらゆる種類の鋼板切板に適用可能である。
また、本発明の鋼板切板のトラッキング装置は、冷間圧延ラインの出側に限らず、あらゆる鋼板切板搬送箇所に適用可能である。
本発明の鋼板切板のトラッキング装置を適用した鋼板切板搬送装置の概略構成図である。 電磁石が鋼板を吸着する前後での電磁石の電流変化を示すグラフである。
符号の説明
1は出側シャー
2はサンプルバック
3はスクラップバック
4は出側搬送コンベヤ
5は出側シャー前ピンチロール
6は上側磁石コンベヤ
7は下側磁石コンベヤ
8は永久磁石
9は電磁石

Claims (1)

  1. コンベヤの搬送面近傍に電磁石を設け、この電磁石で鋼板切板を吸着して搬送するに際し、電磁石の電流変化を検出し、鋼板切板を吸着したときの電磁石の電流変化に基づいて当該鋼板切板の位置をトラッキングすることを特徴とする鋼板切板のトラッキング装置。
JP2005094581A 2005-03-29 2005-03-29 鋼板切板のトラッキング装置 Pending JP2006273497A (ja)

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