JP2006273265A - 軌道点検作業員監視装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軌道点検作業員の作業状況を監視する。
【解決手段】
鉄道車両が運行する軌道Rの点検作業を行う軌道点検作業員Kを監視する軌道点検作業員監視装置1であって、
上記軌道Rの検査箇所27に設置され、該検査箇所27の識別情報を出力する無線ICタグ3と、
上記検査箇所27の通信エリア25に位置する場合に、上記無線ICタグ3から出力された上記識別情報を入力する携帯監視装置5の無線ICタグ読込装置65と、
上記軌道点検作業員Kによる点検作業の打音検査の音を検出し、記憶する上記携帯監視装置5のマイク67と、バンドパスフィルタ69と、メモリーカード61と
を備えることを特徴とする軌道点検作業員監視装置1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電車や気動車、列車などの車両が運行する軌道の点検作業を行う軌道点検作業員を監視する装置に関する。
従来、鉄道車両が運行する軌道、例えば鉄道線路は、列車加重が繰り返し加えられることから、軌道の変位、摩耗、損傷等の劣化や、軌道にボルトなどで締結されている鉄道機器の緩みや脱落と言った異常状態が発生しやすく、これらを放置することは、列車の安全運行上許されることはない。
このため、軌道の点検作業が定期的に行われ、軌道の劣化の発見や鉄道機器の緩みなどの発見及び保全作業が軌道の全域に渡って行われている。
この様な点検作業では、目視による点検作業やハンマを検査対象に打ち付けて、そのときの打音の変化によって、締結部の緩みや損傷、部材のひび割れなどの有無を判断する打音検査が慣用されている。
この様な軌道点検作業では、打音検査が、慣用されているが、この打音検査は、軌道点検作業員による人力と、軌道点検作業員の経験や技能に多くを依存し、軌道点検作業員の体調や状態によって、検査精度や検査品質が大きく影響されることが考えられる。
このため、軌道点検作業員に頼ることなく打音検査の判定をコンピュータに実行させる技術(特許文献3参照。)や維持保守サービスを一元管理することで点検忘れを防止する技術(特許文献1参照)、或いは軌道点検作業員の安全を守る技術(特許文献2参照)が開示されている。
特開2002−334167号公報 特開2001−191921号公報 特開平10−300730号公報
しかしながら、打音検査によって検査される鉄道部品の締結箇所などは、オンライン接続が可能なコンピュータや電子装置ではなく、金属やコンクリートなどの部材であり、しかも検査箇所が、軌道の全域に渡って膨大な数であるため、人力に頼る検査に漏れがなく、且つ高い技能を必要とする検査が、誤りがなく実施されているかを調べる方法がなかった。
又、その点検の結果、見つかった異常な箇所を特定し、記録しておくことも手間が掛かり、作業現場で行うことは現実的ではなかった。
その上、過去に見つけた異常な箇所を、適正な状態に戻す保全作業を行ったか否かの記録を残すことも手間が掛かり、その後の経過を監視することも手間が掛かり、現実的ではなかった。
従って、従来、軌道点検作業員による点検作業が点検漏れなく、かつ点検誤りもなく、適切に実行されていることを保証する手段はなく、しかも、その点検の結果を保全作業に結びつけて、漏れがなく、且つ適切な保全作業の実行が確保されるようにすることも難しかった。
そこで、本発明は、軌道点検作業員による点検作業が点検漏れなく、かつ点検誤りもなく、適切に実行されていることを調べ、保証することを可能にする技術の提供と、その点検の結果実行される保全作業の有無や経過を監視することを可能にする技術の提供とを目的とする。
請求項1の発明の軌道点検作業員監視装置は、車両が運行する軌道の点検作業を行う軌道点検作業員を監視する軌道点検作業員監視装置であって、上記軌道の点検箇所に設置され、該点検箇所の識別情報を出力する点検箇所識別情報出力手段と、上記点検箇所に位置する場合に、上記点検箇所識別情報出力手段から出力された上記識別情報を入力する点検箇所識別情報入力手段と、上記軌道点検作業員による点検作業の作業音を検出する点検作業音検出手段と、上記点検箇所識別情報入力手段が入力した上記識別情報と、上記点検作業音検出手段が検出した上記点検作業音とを記憶する点検作業音記憶手段とを備えることを要旨とする。
これにより、請求項1の軌道点検作業員監視装置は、軌道点検作業員が点検箇所識別情報入力手段を所持して、車両が運行する軌道の点検作業を行うだけで、以下の処理を実行する。
つまり、軌道点検作業員が軌道の点検箇所に行って、例えば、打音検査などを行うが、その場合に、軌道点検作業員が点検箇所に近づくと、この点検箇所に設置された点検箇所識別情報出力手段によって出力された点検箇所の識別情報が点検箇所識別情報入力手段によって入力される。
又、点検作業音検出手段が軌道点検作業員による点検作業の作業音を検出する。
そして、点検作業音記憶手段が点検箇所識別情報入力手段によって入力された識別情報と、点検作業音検出手段によって検出された点検作業音とを記憶する。
以上の識別情報の入力と、点検作業音の検出と、それらの記憶とが、点検箇所識別情報出力手段の設置してある点検箇所毎に実行される。
従って、予め点検箇所として決めておいた点検箇所に居ることを特定する識別情報と、その点検時の点検の状態の確認が可能な点検作業音とを点検記録として記録し残すことが可能になる。
請求項2の発明の軌道点検作業員監視装置は、上記点検箇所識別情報入力手段が入力した上記識別情報と、上記点検作業音検出手段が検出した上記点検作業音とを無線送信する点検作業音無線送信手段と、上記点検作業音無線送信手段から無線送信された上記識別情報と、上記点検作業音とを受信する点検作業音無線受信手段とを加えたことを特徴とする請求項1に記載の軌道点検作業員監視装置を要旨とする。
これにより、請求項2の軌道点検作業員監視装置は、請求項1と同様の作用を有することに加え、点検作業音無線送信手段によって点検箇所識別情報入力手段が入力した識別情報と、点検作業音検出手段が検出した点検作業音とが無線送信され、その無線送信が点検作業音無線受信手段によって受信される。
従って、予め点検箇所として決めておいた点検箇所に居ることを特定する識別情報と、その点検時の点検の状態の確認が可能な点検作業音とを無線通信によって伝送し、参照することが可能になる。例えば、軌道点検作業員を監視する基地などで、その識別情報と、点検作業音とをモニタし、労務管理に役立たせたり、点検作業の品質向上に役立たせたりする用途が可能になる。
尚、請求項2の構成の場合には、点検作業音記憶手段は、識別情報と、点検作業音とを無線通信によって伝送が行われるまで、一時的に記憶するだけでも良い。この様にすると、記憶容量の低減を図ることが可能になる。
請求項3の発明の軌道点検作業員監視装置は、上記点検作業音無線受信手段が受信した上記識別情報と、上記点検作業音とを記憶する点検作業音受信記憶手段を加えたことを特徴とする請求項2に記載の軌道点検作業員監視装置を要旨とする。
これにより、請求項3の軌道点検作業員監視装置は、請求項2と同様の作用を有することに加え、点検作業音受信記憶手段によって、点検作業音無線受信手段が受信した識別情報と、点検作業音とを記憶することが可能になる。
従って、予め点検箇所として決めておいた点検箇所に居ることを特定する識別情報と、その点検時の点検の状態の確認が可能な点検作業音とを無線通信によって伝送し、記録することが可能になる。例えば、軌道点検作業員を監視する基地などで、その識別情報と、点検作業音とをモニタすると共に、記録し、リアルタイムで、検査作業に助言を与えたり、記録したデータを分析して、労務管理に役立たせたり、点検作業の品質向上に役立たせたりする用途が可能になる。
請求項4の発明の軌道点検作業員監視装置は、上記点検作業音記憶手段を、上記点検箇所識別情報入力手段が入力した上記識別情報と、上記点検作業音検出手段が検出した上記点検作業音と、時刻の情報とを記憶するとしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の軌道点検作業員監視装置を要旨とする。
これにより、請求項4の軌道点検作業員監視装置は、請求項1ないし請求項3の何れかと同様の作用を有することに加え、点検作業音記憶手段によって、点検箇所識別情報入力手段が入力した識別情報と、点検作業音検出手段が検出した点検作業音と、時刻の情報とが記憶されることから、予め点検箇所として決めておいた点検箇所に居ることを特定する識別情報と、その点検時の点検の状態の確認が可能な点検作業音と、これら識別情報の入力時や点検作業音の検出時を推測することが可能な時刻とを点検記録として記録し残すことが可能になる。
請求項5の発明の軌道点検作業員監視装置は、上記点検作業音受信記憶手段を、上記点検作業音無線受信手段が受信した上記識別情報と、上記点検作業音と、時刻の情報とを記憶するとしたことを特徴とする請求項3、又は請求項4に記載の軌道点検作業員監視装置を要旨とする。
これにより、請求項5の軌道点検作業員監視装置は、請求項3、又は請求項4と同様の作用を有することに加え、点検作業音受信記憶手段によって、点検作業音無線受信手段が受信した識別情報と、点検作業音と、時刻の情報とが記憶されることから、予め点検箇所として決めておいた点検箇所に居ることを特定する識別情報と、その点検時の点検の状態の確認が可能な点検作業音と、これら識別情報の入力時や点検作業音の検出時を推測することが可能な時刻とを無線通信によって伝送し、点検記録として記録し残すことが可能になる。或いは、識別情報の入力時や点検作業音の検出時を推測することが可能な時刻を、無線通信によって受信した識別情報と、点検作業音とに付加して、記録することが可能になる。
請求項6の発明の軌道点検作業員監視装置は、上記点検作業音無線受信手段が受信した上記点検作業音から特定の周波数成分を抽出する狭帯域通過フィルタを備えることを特徴とする請求項2ないし請求項5の何れかに記載の軌道点検作業員監視装置を要旨とする。
これにより、請求項6の軌道点検作業員監視装置は、請求項2ないし請求項5の何れかと同様の作用を有することに加え、狭帯域通過フィルタによって、点検作業音無線受信手段が受信した点検作業音から特定の周波数成分を抽出することが可能になる。
例えば、ボルトが緩んでいる場合にだけ発生する低音成分を通過させる狭帯域通過フィルタを利用して、ボルトの緩みを機械的に判断すると行った使用方法が可能になる。
請求項7の発明の軌道点検作業員監視装置は、上記点検作業音検出手段が検出した上記点検作業音から該点検作業音特有の周波数帯域以外を遮断する点検作業音帯域通過フィルタを加え、上記点検作業音記憶手段を、上記点検箇所識別情報入力手段が入力した上記識別情報と、上記点検作業音検出手段が検出し、上記点検作業音帯域通過フィルタを通過した上記点検作業音とを記憶するとしたことを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかに記載の軌道点検作業員監視装置を要旨とする。
これにより、請求項7の軌道点検作業員監視装置は、請求項1ないし請求項6の何れかと同様の作用を有することに加え、点検作業音帯域通過フィルタによって、点検作業音検出手段が検出した点検作業音からこの点検作業音特有の周波数帯域以外が遮断されて、除かれ、点検作業音記憶手段によって、記憶される。
つまり、点検作業音以外のノイズ分が除かれて、記憶される。
請求項8の発明の軌道点検作業員監視装置は、上記点検箇所識別情報出力手段が電磁波によって識別情報を出力する無線ICタグであり、
上記点検箇所識別情報入力手段が上記無線ICタグの読み取り器を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れかに記載の軌道点検作業員監視装置を要旨とする。
これにより、請求項8の軌道点検作業員監視装置は、請求項1ないし請求項7の何れかと同様の作用が、点検箇所に設置された無線ICタグから電磁波によって出力された識別情報を、無線ICタグの読み取り器によって受信することで、得られる。
請求項1の軌道点検作業員監視装置は、予め点検箇所として決めておいた点検箇所に居ることを特定する識別情報と、その点検時の点検の状態の確認が可能な点検作業音とを点検記録として記録し残すことが可能になることから、軌道点検作業員による点検作業が点検漏れなく、かつ点検誤りもなく、適切に実行されていることを調べ、保証することが可能になって軌道点検作業品質を向上することが出来るという極めて優れた効果を奏する。
しかも、その点検の結果を、保全作業の有無や経過を監視するための、基本データとして活用することが可能になって、保全作業の品質向上を図ることが可能になると言う極めて優れた効果を奏する。
請求項2の軌道点検作業員監視装置は、請求項1と同様の効果が得られることに加え、予め点検箇所として決めておいた点検箇所に居ることを特定する識別情報と、その点検時の点検の状態の確認が可能な点検作業音とを無線通信によって伝送し、参照することが可能になることから、例えば、軌道点検作業員を監視する基地などで、その識別情報と、点検作業音とをリアルタイムで、モニタし、点検作業に助言を与えたり、労務管理に役立たせたり、点検作業の品質向上に役立たせたりする用途が可能になるという極めて優れた効果を奏する。
請求項3の軌道点検作業員監視装置は、請求項2と同様の効果が得られることに加え、予め点検箇所として決めておいた点検箇所に居ることを特定する識別情報と、その点検時の点検の状態の確認が可能な点検作業音とを無線通信によって伝送し、記録することが可能になることから、例えば、軌道点検作業員を監視する基地などで、その識別情報と、点検作業音とをモニタすると共に、記録し、リアルタイムで、検査作業に助言を与えたり、記録したデータを分析して、労務管理に役立たせたり、点検作業の品質向上に役立たせたりする用途が可能になるという極めて優れ効果を奏する。
請求項4の軌道点検作業員監視装置は、請求項1ないし請求項3の何れかと同様の効果が得られることに加え、予め点検箇所として決めておいた点検箇所に居ることを特定する識別情報と、その点検時の点検の状態の確認が可能な点検作業音と、これら識別情報の入力時や点検作業音の検出時を推測することが可能な時刻とを点検記録として記録し残すことが可能になることから、例えば、作業能率の判断に利用して、労務管理により役立たせることが可能になるという効果を奏する。
請求項5の軌道点検作業員監視装置は、請求項3、又は請求項4と同様の効果を有することに加え、予め点検箇所として決めておいた点検箇所に居ることを特定する識別情報と、その点検時の点検の状態の確認が可能な点検作業音と、これら識別情報の入力時や点検作業音の検出時を推測することが可能な時刻とを無線通信によって伝送し、点検記録として記録し残すこと、或いは、識別情報の入力時や点検作業音の検出時を推測することが可能な時刻を、無線通信によって受信した識別情報と、点検作業音とに付加して、記録することが可能になることから、例えば、リアルタイムで、作業の迅速化を指示したり、後日、作業能率の判断に利用して、労務管理により役立たせることが可能になるという効果を奏する。
請求項6の軌道点検作業員監視装置は、請求項2ないし請求項5の何れかと同様の効果が得られることに加え、例えば、ボルトが緩んでいる場合にだけ発生する周波数成分だけを通過させる狭帯域通過フィルタを利用して、ボルトの緩みを機械的に判断すると行った使用方法が可能になり、軌道点検作業員の点検を補うことが可能になって、点検の品質が向上されるという効果を奏する。
請求項7の軌道点検作業員監視装置は、請求項1ないし請求項6の何れかと同様の作用を有することに加え、点検作業音以外のノイズ分が除かれて、記憶されることから、記憶容量を有効に活用して、多くの点検箇所の点検作業音の記憶が可能になるという効果を奏する。
請求項8の軌道点検作業員監視装置は、請求項1ないし請求項7の何れかと同様の効果が、点検箇所に設置された無線ICタグから電磁波によって出力された識別情報を、無線ICタグの読み取り器によって受信することで、得られることから、例えば、点検箇所に、安価で、小型で、耐候性が高く、内蔵電池も必要なく、しかも数メートル程度の範囲まで利用可能な、パッシブ型のUHF帯の無線ICタグを利用することが可能になり、膨大な数で、かつ厳しい自然環境の点検箇所の全てから、点検箇所を示す識別信号を出力させることが可能になるという効果を奏する。
次に発明の実施の形態を説明する。
図1は、軌道点検作業員監視装置1の使用状態の説明図、図2は、軌道点検作業員監視装置1の無線ICタグ3の設置状態の説明図、図3は、携帯監視装置5のブロック図、図4は、基地監視装置7のブロック図である。
軌道点検作業員監視装置1は、図1に示すような、軌道Rの点検箇所、例えば、レール9や枕木11等で構成される線路13と、鉄道機器、例えば線路13の分岐機17や転轍機19がボルト15で締結されている箇所の点検が適切に実行されているかを監視する装置である。
この様な軌道Rの点検箇所では、軌道点検作業員Kがハンマ21で、鉄道機器の部材などを叩き、そのときに生じる打音検査の音が適切な場合の音響であるか、或いは適切な場合の音響とは違っているかなどの音響の変化状態に基づき、経験やトレーニングに基づく技能によって、点検作業を行っている。尚、軌道Rの点検箇所は、この様な箇所に限定されるものではなく、軌道Rの適正な維持を図るために、軌道点検作業員Kが定期的に、点検に訪れ、打音検査を行う場所であれば、全ての箇所が該当する。例えば、鉄道機器を固定する箇所や軌道Rを支持するコンクリート構造物、或いはトンネルなどの剥離の虞のある箇所なども該当する。これらは、軌道点検作業によって、適宜設定される事項である。
軌道点検作業員監視装置1は、図1に示すように、UHF帯のパッシブ型の無線ICタグ3を軌道Rの点検箇所に設置する。
このパッシブ型の無線ICタグ3は、860MHz〜960MHzのUHF帯の電磁波を利用するパッシブ型、つまり外部から電波を受信して、その電波をエネルギにして、識別番号などの情報を送信する型式の無線ICタグ3である。このパッシブ型の無線ICタグ3は、数メートの範囲を通信エリアとすることが可能であり、しかも電池を内蔵しないことから、メンテナンスフリーの特徴を有する。つまり、広い範囲を通信エリアにすることが可能であることから、設置個数を少なくすることが出来、かつ安価に入手することが可能であることから、多くの箇所に設置することが可能になる。
尚、本発明は、パッシブ型に限定されるものではなく、アクティブ型でも使用可能である。又、UHF帯に限定されるものではなく、他の周波数帯域を利用するものも使用可能である。これらは、利用環境や法規制などに応じて、適宜決定する設計事項である。
この様に軌道Rの点検箇所に設置されるパッシブ型の無線ICタグ3は、図3に示す携帯監視装置5と組み合わされることで、図2に示すように、線路13の分岐機17やその他の検査対象機器23の検査箇所27(検査の例として示す)を通信エリア25内に位置させる機能を有する。従って、携帯監視装置5をこの通信エリア25内に位置させると、このパッシブ型の無線ICタグ3は、携帯監視装置5から送信された電磁波によって活動を開始し、予め設定されている固有の識別番号を含む識別信号を無線送信し、携帯監視装置5によってその無線送信された識別信号が受信される。
この様に識別信号を受信する携帯監視装置5は、図3に示すように、CPU31やROM33、RAM35、入力インタフェース37、出力インタフェース41、47、入出力インタフェース39、43、45や時計49を有する携帯制御装置51と、出力インタフェース41に接続されたディスプレイ53と、入出力インタフェース43に接続された無線通信ユニット55と、入出力インタフェース45に接続された外部記憶装置57と、メモリカードソケット59と、メモリーカード61と、出力インタフェース47に接続されたスピーカ63と、入出力インタフェース39に接続された無線ICタグ読込装置65と、入力インタフェース37に接続されたマイク67と、バンドパスフィルタ69と、異音ボタン71と、保全作業完了ボタン73とを備えている。マイク67と、入力インタフェース37との間に入っているバンドパスフィルタ69は、低音と、高音とを遮断して、打音検査の音を通過させるフィルタ回路である。このバンドパスフィルタ69は、打音検査の音を主に通過させ、そのほかの会話音や雑音を排除する目的で使われる。これにより、ノイズ分の少ない打音検査の音が記録される。これにより、記録した打音検査の音に基づいて、異常の判断を行う場合に、ノイズによる検査精度の低下を低減することが可能になる。又、ノイズ分が少なくなり、ノイズを記憶することで消費される記憶容量の消耗を低減することが出来て、打音検査の音をより長時間に渡って記憶することが可能になる。
又、無線ICタグ読込装置65は、UHF帯用のアンテナ75を備え、パッシブ型の無線ICタグ3に向けて、UHF帯の電磁波の送信の実行と、受信の実行とを行う。
この様な構成の携帯監視装置5は、アンテナ75と、無線ICタグ読込装置65を介して、パッシブ型の無線ICタグ3から送信された識別信号を受信する構成を備えている。
この携帯監視装置5の無線通信ユニット55は、図4に示す基地監視装置7との間で無線音声通信、無線データ通信などを行うもので、例えば、図示しない公衆無線通信回線経由で、基地監視装置7の無線通信ユニット81との間で、通信回線を構成する。
図4に示す基地監視装置7は、周知のコンピュータシステム83で構成され、図示しないインタフェースを介して、無線通信ユニット81と、異常判定ボタン85と、外部記憶装置87と、スピーカ89とに接続されており、後述する異常判定ソフトウエア91を備えている。
図5は、携帯監視装置5のCPU31によって繰り返し実行される打音処理ルーチンのフローチャート、図6は、打音処理の動作状態の説明図である。
次ぎに、この打音処理を説明する。
先ず、パッシブ型の無線ICタグ3から送信された識別信号の入力を行って(S100)、その識別信号の入力があるかを判断し(S110)、識別信号の入力が有るまで、本打音処理ルーチンをそのまま一旦終了する。
ここで、識別信号の入力が有れば(S110)、次ぎにその識別信号から、識別信号に含まれる識別番号を抽出し(S120)、次いで、マイク67と、バンドパスフィルタ69とを介して、打音検査の音を入力する処理(打音の入力処理)を行う(S130)。この打音の入力処理は、継続的に実行され、入力した打音が符号化されて、外部記憶装置57やRAM35にデータとして、一時保管される。
次いで、その一時保管された打音検査の音を符号化したデータは、S120で抽出した識別番号のデータと共に、無線通信ユニット55を利用して、基地監視装置7に送信される(基地監視装置7による処理は、後述する)(S140)と共に、この送信したデータに、更に、時計49から読み込んだ時刻のデータを加えた打音検査の音のデータと、識別番号のデータとが、メモリーカード61に記録される(S150)。このS150の処理後、本打音処理は、一旦終了する。尚、S140の処理で、時計49から読み込んだ時刻のデータを加えた打音検査の音のデータと、識別番号のデータとを、基地監視装置7に送信するようにしても良い。
以上に説明した打音処理により、軌道点検作業員Kに所持された携帯監視装置5がパッシブ型の無線ICタグ3の通信エリア25内に入っている間、軌道点検作業員Kの行う打音検査の音がマイク67によって捉えられ、バンドパスフィルタ69によるフィルタリングを経て、ノイズ分が除かれてから、現在の通信エリア25のパッシブ型の無線ICタグ3の固有の識別番号と共に、基地監視装置7に送信され、かつメモリーカード61に記憶される。このメモリーカード61に記憶された識別番号と、打音とは、図示しないコンピュータシステムによって読み出すことが可能であり、この読み出したデータに基づいて、打音検査の状況を振り返ったり、打音判別ソフトウエアで、打音検査が適切に行われているかを再検査したり、検査箇所への立ち寄り漏れがないかを確認したりする用途に、利用する。
これらは、例えば、図6に示すように、具体的に動作する。
軌道点検作業員Kが例えば識別番号1の通信エリア25に入った時点t1で、識別番号1の抽出が行われる。その状態で、軌道点検作業員Kがハンマ21で打音検査を行うと、マイク67から時点t2や時点t3に示すような打音1が収集される。
軌道点検作業員Kが時点t4に示すときに、識別番号1の通信エリア25から離れると、識別番号1の識別信号の入力がなくなって、識別番号1が抽出されなくなる。この状態では、仮に打音検査が行われても、打音検査の音の入力から、送信、記録までは、実行されない。尚、識別番号1の通信エリア25から離れても、しばらく(数秒)の間、打音検査の音の入力から、送信、記録までを継続するようにしても良い。
軌道点検作業員Kが移動して、時点t5で識別番号2の通信エリア25に入ると、識別番号2の識別信号が入力され、打音検査の音の入力から、送信、記録までが行われる。
この様な打音検査では、ボルト15の緩みなどがあると、打音検査の音が例えば、時点t2の打音2に示すように、打音1に示したものと波形が相違する。従って、この打音検査の音のデータを記録し、正常時には出力されない周波数成分などの比率を計測して、異常の有無をコンピュータソフトウエアによって判断することが可能になる。
従って、打音検査の音をメモリーカード61に記録しておき、正常時の周波数成分の状態を抽出したり、異常時の周波数成分の状態を抽出したり出来るようにすることや、後刻記録した打音検査の音を再生して、異常の再判断を行うことが可能になることは、有用である。
図7は、携帯監視装置5のCPU31によって繰り返し実行される異音記録処理ルーチンのフローチャート、図8は、外部記憶装置57に構成される異音検出データベース93の説明図、図9は、外部記憶装置57に構成される保全作業完了データベース95の説明図である。
図7の異音記録処理は、軌道点検作業員Kが打音検査を行った場合に、打音検査の音が異常であると判断した場合に、それを記録に残す処理であって、先ず、携帯監視装置5の表面に設けられている異音ボタン71の入力を行って(S200)、異音ボタン71の操作が行われたかを判断し(S210)、異音ボタン71の操作が行われていなければ、異音ボタン71の操作時に行うS220ないしS240の処理を行うことなく、次の処理に移行するルーチンである。
一方、異音ボタン71の操作が行われていると判断した場合は(S210)、次ぎに図5のS120で抽出した識別番号を入力する識別番号入力処理(S220)、異音の検出を知らせる異音検出信号と、S220で入力した識別番号とを基地監視装置7に送信する処理(基地監視装置7による処理は後述する)(S230)、S220で入力した識別番号を図8に示すような異音検出データベース93に記録する識別番号格納処理(S240)を行って、次の保全作業完了ボタン73入力処理に移行する(S250)。尚、図8に示す異音検出データベース93では、識別番号10が記憶されている例が示されている。
このS200ないしS240の処理により、軌道点検作業員Kは、異音ボタン71を操作するだけで、異音を検出した位置の識別番号を記録することが可能になる。従って、この記録によって、異音を検出した箇所の報告書データをコンピュータで作成することが可能になると共に、その報告書データで労働評価を行うことが可能になり、また、図5のS150でメモリーカード61に記録され打音検査の音を再検討したり、コンピュータソフトウエアによる判断処理の精度の向上に役立たせたりすることが可能になる。
この様なS210ないしS240の異音ボタン71の操作に関わる処理の終了後、次ぎに保全作業完了ボタン73の操作に関わるS250ないしS280の処理を説明する。
この保全作業完了ボタン73の操作に関わる処理は、打音検査の結果、異常があると判断した場合に、ボルト15を増し締めするなどの保全作業を行って、異常が解消されたことを記録に残す処理であって、先ず、携帯監視装置5の表面に設けられている保全作業完了ボタン73の入力を行って(S250)、保全作業完了ボタン73の操作が行われたかを判断し(S260)、保全作業完了ボタン73の操作が行われていなければ、そのまま本ルーチンを一旦終了する。
一方、保全作業完了ボタン73の操作が行われていると判断した場合は(S260)、次ぎに保全作業の完了を知らせる保全作業完了信号と、S220で入力した識別番号とを基地監視装置7に送信する処理(基地監視装置7による処理は後述する)(S270)、S220で入力した識別番号を図9に示すような保全作業完了データベース95に記録する識別番号格納処理(S280)を行って、本ルーチンを一旦終了する。
尚、図9に示す保全作業完了データベース95では、識別番号10が記憶されている例が示されている。
このS250ないしS280の処理により、軌道点検作業員Kは、保全作業完了ボタン73を操作するだけで、異音を検出し、その箇所を適切な状態に戻す保全作業が完了した位置の識別番号を記録することが可能になる。従って、この記録によって、保全作業を行った箇所の報告書データをコンピュータで作成したり、コンピュータで労働評価を行うことが可能になる。
図10は、携帯監視装置5のCPU31によって繰り返し実行される保全指令受信処理ルーチンのフローチャートである。
この保全指令受信処理では、先ず、詳細を後述する基地監視装置7から無線通信ユニット55を経由して保全指令信号を受信して、入力する処理を行い(S300)、次いで、その保全指令信号の入力が有りかの判断を行う処理を行って(S310)、なければ、本ルーチンをそのまま一旦終了する。
一方、保全指令信号を入力したと判断した場合には(S310)、次ぎに、保全指令受信の報知をディスプレイ53による画像表示や、スピーカ63による警報音出力で行って(S320)、保全指令信号に含まれる識別番号、つまり保全指令を受けた識別番号をディスプレイ53に表示して(S330)、本ルーチンを一旦終了する。
この保全指令受信処理により、図5の打音処理のS140に基づいて、基地監視装置7が打音検査の音に異常があると判断した場合に、その旨を、携帯監視装置5にリアルタイムで、送信して、知らせることが可能になる。
従って、軌道点検作業員Kと、基地監視装置7との連携作業によって、打音検査の音の異常を判断し、打音検査時に、速やかに、保全作業を行うことが可能になる。
図11は、携帯監視装置5のCPU31によって繰り返し実行される打音検査対象指示処理ルーチンのフローチャート、図12は、外部記憶装置57に予め記憶されている打音検査順データベース101の説明図である。
この打音検査対象指示処理は、軌道点検作業員Kが次ぎに検査する識別番号をディスプレイ53に表示することで、点検漏れを未然に防止したり、効率的な順番で点検を行うことが出来るようにする。
先ず、打音検査順データベース101から打音検査順を入力する(S400)。例えば、これから検査を行う対象の順路を指示するリスト、例えば、図12に示す打音検査順データベース101のリスト103から打音検査順を入力する。ここでは、リスト103には、識別番号1、2、3・・・・・・・と言う例が示されている。尚、リスト105は、別の検査箇所の順路である。これは、図示しない選択処理で、軌道点検作業員Kによって、選択される。
S400の処理が行われると、最初は、リスト103の先頭の識別番号がディスプレイ53に表示される。ここでは、識別番号1が表示される。
このS400の処理の後、次ぎにS120で抽出した識別番号を入力する処理を行って(S410)、その入力した識別番号に該当する識別番号(S400によって入力した打音検査順のリストの識別番号)に済み印付け処理を行う(S420)。
ここで、仮に、S120によって抽出した識別番号が識別番号1であれば、リスト103の先頭の識別番号1に済み印が付与される。
次いで、打音検査順データの未処理を検索(近い順、上流優先)して(S430)、検索結果の識別番号をディスプレイ53に表示する次の打音検査識別番号表示処理を実行して(S440)、本打音検査対象指示処理を一旦終了する。
例えば、S120によって抽出した識別番号が識別番号1で、リスト103の先頭の識別番号1に済み印が付与され場合は、識別番号2をディスプレイ53に表示する。
又、S120によって抽出した識別番号が識別番号3で、リスト103の先頭の識別番号1のみに済み印が付与されている場合は、識別番号2をディスプレイ53に表示する。
これにより、打音検査に漏れがなくなり、予め設定されている順路で検査を行うことが可能になる。又、仮に、予め設定されている順番を間違えてしまったとしても、自動的に、漏れている箇所の指示が行われ、検査漏れの解消が速やかに実現される。
図13は、基地監視装置7のコンピュータシステム83によって、繰り返し実行される打音外部判定処理ルーチンのフローチャート、図14は、外部記憶装置87に構成される端末別データベース111の説明図である。この端末別データベース111には、端末T1のデータベース113と、端末T2のデータベース115とが例示されている。端末T1やT2は、携帯監視装置5の固有の識別番号を示す。従って、利用されている携帯監視装置5のそれぞれに対して、それぞれ作られる。
図13の打音外部判定処理は、図5のS140の処理によって、送信されてきた打音検査の音(打音とのみ記載する場合もある。)+識別番号のデータを基地監視装置7によって、記録し、監視すると共に、監視人による打音検査の音の聴取検査や異常判定ソフトウエア91によるコンピュータ異常判断を検査地の軌道点検作業員Kと同時に行う。
先ず、打音+識別番号の受信(接続回線保持)処理を行う(S500)。この処理では、識別番号の受信と、打音検査の音を連続的に受信する処理が行われる。又、打音検査の音の受信を連続的に行うために、携帯監視装置5との間のデータの送受がリアルタイムで可能な状態が維持されている。この状態は、携帯監視装置5が接続を切断してきた場合、或いは、基地監視装置7によって、接続を切断する処理が行われた場合に、終了する。
尚、何れの側からも接続の切断は、識別番号の送信受信がなくなる期間に基づいて行われる。例えば、1つの通信エリア25から出て、新たな通信エリア25に入らない状態が例えば、10秒経った時点で、接続が切断されるといった制御が行われる。
S500の処理の後、次ぎに、接続回線切断かの判断を行って(S510)、接続回線が切れていなければ、次ぎに、打音検査の音を異常判定(異常判定ソフトウエア91による自動判定(詳細は図示しないが、周波数成分によって判断する)、又は経験の豊富な異常判定人による処理)する処理を行う(S520)。この異常判定処理は、接続回線が保持されている間、継続的に実行される。尚、この異常判定処理を省略しても良い。
次いで、異常判定ボタン85が操作された場合に出力される異常判定信号、或いは異常判定ソフトウエア91が異常であることを判断した場合に出力される異常判定信号の入力を行って(S530)、異常判定信号が入力されなければ(S540)、そのまま一旦終了し、異常判定信号が入力されたら(S540)、無線通信ユニット81を経由して、携帯監視装置5に保全指令信号と、この保全指令信号の対象の識別番号とを送信する処理を実行後(S550)、本ルーチンを一旦終了する。このS550の処理により送信された保全指令信号+識別番号は、図10のS300の保線指令信号の入力処理によって、受信され、軌道点検作業員Kに保全作業を行うことを要請する指令として、伝達される。
この様なS500ないしS550の処理が行われている状態で、接続回線が切断されると(S510)、S500の処理によって受信し、外部記憶装置87に一時的に格納されていた打音検査の音のデータと、識別番号のデータとを、携帯監視装置5の固有の識別番号毎に打音検査の音と識別番号のデータを記録する、図14に示す端末別データベース111に格納する処理を行って(S560)、本ルーチンを一旦終了する。このS560の処理により、例えば、端末T1と識別される携帯監視装置5から識別番号1の打音検査の音データが送られてきた場合には、端末T1のデータベース113に識別番号1として送信されてきた打音検査の音のデータが格納される。これにより、携帯監視装置5毎の作業状態の評価が可能になる。又、打音検査の音データが、携帯監視装置5毎で、かつ識別番号毎に分類可能な状態で記録されており、軌道点検作業員Kの業務評価の参考データを得る目的での利用が可能になる。又、軌道点検作業員Kの打音検査による異常の評価と、記録されている打音検査の音の再評価とを比較し、軌道作業員の技能の向上に役立てたり、異常判定ソフトウエア91の機能の向上や、判定精度の向上に役立てたりすることが可能になる。
尚、S560の処理で、携帯監視装置5から時刻データが送信されてきた場合には、その時刻のデータを端末別データベース111に記録する。又、携帯監視装置5から時刻データが送信されて来なかった場合でも、識別番号のデータを受信した時刻を図示しない時計から読み込んで、その時刻のデータを端末別データベース111に記録するようにしても良い。
尚、本発明は、上記の軌道点検作業監視装置1の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で様々な態様の実行が可能である。
以上に説明した軌道点検作業員監視装置1は、予め点検箇所として決めておいた検査箇所27に居ることを特定する識別情報と、その点検時の点検の状態の確認が可能な打音検査の音とを点検記録としてメモリーカード61に記録し残すことが可能になることから、このメモリーカード61の記録内容を後刻、読み出して、精査することで、軌道点検作業員Kによる点検作業が点検漏れなく、かつ点検誤りもなく、適切に実行されていることを調べ、保証することが可能になって、軌道点検作業品質を向上することが出来るという極めて優れた効果を奏する。
しかも、その点検の結果の異音検出データベース93や保全作業完了データベース95を、ボルトの締め付け不良や緩みなどを増し締めする保全作業の有無や経過を監視するための、基本データとして活用することが可能になって、保全作業の品質向上を図ることが可能になると言う極めて優れた効果を奏する。
又、予め検査箇所27として決めておいた検査箇所27に居ることを特定する識別情報と、その点検時の点検の状態の確認が可能な打音検査の音とを無線通信によって基地監視装置7に無線送信し、参照することが可能になることから、その識別情報と、打音検査の音とをリアルタイムで、モニタし、点検作業に助言を与えたり、軌道点検作業員Kの労務管理に役立たせたり、点検作業の品質向上に役立たせたりする用途が可能になるという極めて優れた効果を奏する。
しかも、予め検査箇所27として決めておいた検査箇所27に居ることを特定する識別情報と、その点検時の点検の状態の確認が可能な打音検査の音とを基地監視装置7に無線送信し、外部記憶装置87の端末別データベース111に、検索可能な状態で、記録することが可能になることから、その識別情報と、打音検査の音とをモニタ検査して、リアルタイムで、検査作業に助言を与えたり、記録したデータを分析して、労務管理に役立たせたり、点検作業の品質向上に役立たせたりする用途が可能になるという極めて優れ効果を奏する。
予め検査箇所27として決めておいた検査箇所27に居ることを特定する識別情報と、その点検時の点検の状態の確認が可能な打音検査の音と、これら識別情報の入力時や打音検査の音の検出時を推測することが可能な時刻とを点検記録としてメモリーカード61に記録し残すことが可能になることから、例えば、作業能率の判断に利用して、労務管理により役立たせることが可能になるという効果を奏する。
予め検査箇所27として決めておいた検査箇所27に居ることを特定する識別情報と、その点検時の点検の状態の確認が可能な打音検査の音と、これら識別情報の入力時や打音検査の音の検出時を推測することが可能な時刻とを無線通信によって基地監視装置7に伝送し、点検記録として外部記録装置87に記録し残すこと、或いは、識別情報の入力時や打音検査の音の検出時を推測することが可能な時刻を、無線通信によって受信した識別情報と、打音検査の音とに付加して、外部記録装置87に記録することが可能になることから、例えば、リアルタイムで、作業の迅速化を指示したり、後日、作業能率の判断に利用して、労務管理により役立たせることが可能になるという効果を奏する。
基地監視装置7が、例えば、ボルトが緩んでいる場合にだけ発生する周波数成分だけを通過させる狭帯域通過ディジタルフィルタを有する異常判定ソフトウエア91利用して、ボルトの緩みを自動的に、判断することが可能になり、その異常判定結果を携帯監視装置5に送信して、軌道点検作業員Kに知らせ、再度の点検や保全作業を行わせることが可能になって、点検の品質が向上されるという効果を奏する。
軌道点検作業員監視装置1は、バンドパスフィルタ69によって、打音検査の音以外のノイズ分を除いて記憶することから、メモリーカード61の記憶容量を有効に活用して、多くの検査箇所27の打音検査の音の記憶が可能になるという効果を奏する。
軌道点検作業員監視装置1は、検査箇所27に安価で、小型で、耐候性が高く、内蔵電池も必要なく、しかも数メートル程度の範囲まで利用可能な、パッシブ型のUHF帯の無線ICタグ3を利用することから、膨大な数で、かつ厳しい自然環境の検査箇所27の全てから、検査箇所27を示す識別信号を出力させることが可能になるという効果を奏する。
次に特許請求の範囲の構成と、発明の実施の形態との対応を説明する。
請求項1の車両が運行する軌道は、軌道R、軌道点検作業員は、軌道点検作業員K、軌道点検作業員監視装置は、軌道点検作業員監視装置1、点検箇所は、検査箇所27、点検箇所識別情報出力手段は、無線ICタグ3、点検箇所識別情報入力手段は、アンテナ75と、無線ICタグ読込装置65と、図5のS100の処理、点検作業音検出手段は、マイク67と、バンドパスフィルタ69と、S130の処理、点検作業音記憶手段は、S150の処理と、メモリーカード61とにそれぞれ対応する。
以下、同一内容の記載は省略する。
請求項2の点検作業音無線送信手段は、S140の処理と、無線通信ユニット55、点検作業音無線受信手段は、無線通信ユニット81と、S500の処理とがそれぞれ対応する。
請求項3の点検作業音受信記憶手段は、S560の処理と、外部記憶装置87とが対応する。
請求項4の点検作業音記憶手段は、S150の処理と、メモリーカード61とが対応する。
請求項5の点検作業音受信記憶手段は、S560の処理、及び関連する説明の箇所と、外部記憶装置87とが対応する。
請求項6の狭帯域通過フィルタは、異常判定ソフトウエア91の説明の記載が対応する。
請求項7の点検作業音帯域通過フィルタは、バンドパスフィルタ69、点検作業音記憶手段は、図5の打音処理の記載内容が対応する。
請求項8の無線ICタグは、無線ICタグ3、無線ICタグの読み取り器は、無線ICタグ読込装置65が対応する。
軌道点検作業員監視装置1の使用状態の説明図である。 軌道点検作業員監視装置1の無線ICタグ3の設置状態の説明図である。 携帯監視装置5のブロック図である。 基地監視装置7のブロック図である。 帯監視装置5のCPU31によって繰り返し実行される打音処理ルーチンのフローチャートである。 打音処理の動作状態の説明図である。 携帯監視装置5のCPU31によって繰り返し実行される異音記録処理ルーチンのフローチャートである。 外部記憶装置57に構成される異音検出データベース93の説明図である。 外部記憶装置57に構成される保全作業完了データベース95の説明図であるである。 携帯監視装置5のCPU31によって繰り返し実行される保全指令受信処理ルーチンのフローチャートである。 携帯監視装置5のCPU31によって繰り返し実行される打音検査対象指示処理ルーチンのフローチャートである。 外部記憶装置57に予め記憶されている打音検査順データベース101の説明図である。 基地監視装置7のコンピュータシステム83によって、繰り返し実行される打音外部判定処理ルーチンのフローチャートである。 外部記憶装置87に構成される端末別データベース111の説明図である。
符号の説明
1…軌道点検作業員監視装置、3…無線ICタグ、5…携帯監視装置、
7…基地監視装置、9…レール、13…線路、
15…ボルト、17…分岐機、19…転轍機、
21…ハンマ、23…検査対象機器、25…通信エリア、
27…検査箇所、37…入力インタフェース、39、43、45…入出力インタフェース、
41、41…出力インタフェース、49…時計、51…携帯制御装置、
53…ディスプレイ、55…無線通信ユニット、57…外部記憶装置、
59…メモリカードソケット、61…メモリーカード、63…スピーカ、
65…無線ICタグ読込装置、67…マイク、69…バンドパスフィルタ、
71…異音ボタン、73…保全作業完了ボタン、75…アンテナ、
81…無線通信ユニット、83…コンピュータシステム、85…異常判定ボタン、
87…外部記憶装置、89…スピーカ、91…異常判定ソフトウエア、
93…異音検出データベース、95…保全作業完了データベース、
101…打音検査順データベース、103、105…リスト、
111…端末別データベース、113、115…データベース、
K…軌道点検作業員、R…軌道

Claims (8)

  1. 車両が運行する軌道の点検作業を行う軌道点検作業員を監視する軌道点検作業員監視装置であって、
    上記軌道の点検箇所に設置され、該点検箇所の識別情報を出力する点検箇所識別情報出力手段と、
    上記点検箇所に位置する場合に、上記点検箇所識別情報出力手段から出力された上記識別情報を入力する点検箇所識別情報入力手段と、
    上記軌道点検作業員による点検作業の作業音を検出する点検作業音検出手段と、
    上記点検箇所識別情報入力手段が入力した上記識別情報と、上記点検作業音検出手段が検出した上記点検作業音とを記憶する点検作業音記憶手段と
    を備えることを特徴とする軌道点検作業員監視装置。
  2. 上記点検箇所識別情報入力手段が入力した上記識別情報と、上記点検作業音検出手段が検出した上記点検作業音とを無線送信する点検作業音無線送信手段と、
    上記点検作業音無線送信手段から無線送信された上記識別情報と、上記点検作業音とを受信する点検作業音無線受信手段とを加えたことを特徴とする請求項1に記載の軌道点検作業員監視装置。
  3. 上記点検作業音無線受信手段が受信した上記識別情報と、上記点検作業音とを記憶する点検作業音受信記憶手段を加えたことを特徴とする請求項2に記載の軌道点検作業員監視装置。
  4. 上記点検作業音記憶手段を、上記点検箇所識別情報入力手段が入力した上記識別情報と、上記点検作業音検出手段が検出した上記点検作業音と、時刻の情報とを記憶するとしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の軌道点検作業員監視装置。
  5. 上記点検作業音受信記憶手段を、上記点検作業音無線受信手段が受信した上記識別情報と、上記点検作業音と、時刻の情報とを記憶するとしたことを特徴とする請求項3、又は請求項4に記載の軌道点検作業員監視装置。
  6. 上記点検作業音無線受信手段が受信した上記点検作業音から特定の周波数成分を抽出する狭帯域通過フィルタを備えることを特徴とする請求項2ないし請求項5の何れかに記載の軌道点検作業員監視装置。
  7. 上記点検作業音検出手段が検出した上記点検作業音から該点検作業音特有の周波数帯域以外を遮断する点検作業音帯域通過フィルタを加え、
    上記点検作業音記憶手段を、上記点検箇所識別情報入力手段が入力した上記識別情報と、上記点検作業音検出手段が検出し、上記点検作業音帯域通過フィルタを通過した上記点検作業音とを記憶するとしたことを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかに記載の軌道点検作業員監視装置。
  8. 上記点検箇所識別情報出力手段が電磁波によって識別情報を出力する無線ICタグであり、
    上記点検箇所識別情報入力手段が上記無線ICタグの読み取り器を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れかに記載の軌道点検作業員監視装置。
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