JP2006272437A - 鋼板内での材質制御冷却方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋼板の全長に渡って均一な材質が得られる鋼板の冷却方法を提供する。
【解決手段】鋼板の製造における熱間制御圧延後の鋼板を冷却装置内を通過させながら制御冷却を行う工程において、圧延仕上温度、冷却開始温度の鋼板長手方向温度分布を採取するステップ1と、該ステップ1から、冷却停止温度計算モデルを使って冷却停止温度の鋼板長手方向分布を算出するステップ2と、該ステップ2から材質予測モデルを使って鋼板長手方向の材質分布を算出するステップ3と、該ステップ3の結果から目標材質に近づけるために必要な鋼板長手方向冷却停止温度制御量を計算するステップ4と、制御冷却設備の流量及び通板速度を制御し、鋼板長さ方向に冷却停止温度分布をもたせるステップ5とからなることを特徴とする鋼板内の材質制御冷却方法。
【選択図】図4
【解決手段】鋼板の製造における熱間制御圧延後の鋼板を冷却装置内を通過させながら制御冷却を行う工程において、圧延仕上温度、冷却開始温度の鋼板長手方向温度分布を採取するステップ1と、該ステップ1から、冷却停止温度計算モデルを使って冷却停止温度の鋼板長手方向分布を算出するステップ2と、該ステップ2から材質予測モデルを使って鋼板長手方向の材質分布を算出するステップ3と、該ステップ3の結果から目標材質に近づけるために必要な鋼板長手方向冷却停止温度制御量を計算するステップ4と、制御冷却設備の流量及び通板速度を制御し、鋼板長さ方向に冷却停止温度分布をもたせるステップ5とからなることを特徴とする鋼板内の材質制御冷却方法。
【選択図】図4
Description
本発明は、熱間圧延後の厚鋼板を冷却装置内を通過させながら鋼板に冷却水を吹き付けて冷却する厚鋼板の冷却において鋼板長手方向に均一冷却する方法に関する。
熱間圧延直後の高温状態の厚板等の鋼板を圧延機の下流に設けた冷却装置内を通過させ、鋼板の上下面に冷却水等の冷媒を吹き付けて冷却することにより、鋼板の強度、靭性等の機械的性質を改善する方法が行われている。
このような、制御冷却方法においては、適切な冷却速度で、且つ、鋼板の全長に渡って均一な冷却を行うことが、鋼板の品質を向上させる上で非常に大切である。
一般に鋼板を冷却する場合、鋼板長手方向の冷却開始時期から大別すると、「一斉冷却方法」と「通過型冷却方法」の2種類がある。
「一斉冷却方法」とは、冷却装置内に鋼板全長を装入後、冷却水等の冷媒を一斉に噴出させることにより、鋼板全面を同時に冷却開始し、所定時間冷却後又は一斉に冷却を停止し、鋼板全面の冷却を停止する方法をいう。
「通過型冷却」とは、冷却水等の冷媒の噴出している冷却装置内に鋼板を先端から進入させ、鋼板が所定時間冷却されるような、搬送速度で鋼板を、冷却装置内を通過させる方法である。
「一斉冷却方法」は、鋼板の長さ全長に渡り同一タイミングで冷却を行うことで、鋼板の全長について冷却開始温度、冷却停止温度、冷却時間を等しくすることができ、材質の均一化に有利である。
しかし、本方法では、鋼板長さよりも長い冷却装置が必要であり、設備を新設する場合の建設費増加はもとより、既設の圧延設備に冷却装置を増設するときにスペースの確保がむずかしいという問題がある、
一方、「通過型冷却」は、鋼板長さよりも短い冷却装置で、長尺圧延材の冷却が可能であるから、現実的であるが、冷却開始時刻が圧延材の先端と尾端で異なるため、空冷時間の相違により尾端側の鋼板温度が先端側よりも低くなり、冷却装置内を一定速度で通過させた場合、材質に最も影響の大きい冷却停止温度は、鋼板の尾端側に対して鋼板先端側が高いままとなってしまう。
一方、「通過型冷却」は、鋼板長さよりも短い冷却装置で、長尺圧延材の冷却が可能であるから、現実的であるが、冷却開始時刻が圧延材の先端と尾端で異なるため、空冷時間の相違により尾端側の鋼板温度が先端側よりも低くなり、冷却装置内を一定速度で通過させた場合、材質に最も影響の大きい冷却停止温度は、鋼板の尾端側に対して鋼板先端側が高いままとなってしまう。
特許文献1によれば、冷却装置の入側に温度計を設置して、鋼板の長手方向の温度を実測し、この温度パターンに基づいて、冷却装置への進入速度および進行距離ごとの進入速度変更量を求め、鋼板の進入速度を変更することが開示されている。また、
特許文献2によれば通過冷却中に鋼板尾端の過剰冷却を補償するように通板速度を加速して、冷却能力を弱めていくことにより、鋼板尾端側の冷却停止温度を上昇させ、先端の冷却停止温度と一致させることが開示されている。
特開昭61−213327号公報
特開昭62−199723号公報
特許文献2によれば通過冷却中に鋼板尾端の過剰冷却を補償するように通板速度を加速して、冷却能力を弱めていくことにより、鋼板尾端側の冷却停止温度を上昇させ、先端の冷却停止温度と一致させることが開示されている。
しかし、このように、通過型冷却における鋼板の先尾端の冷却開始時刻差を補償するため冷却中に通板速度を変化させて、鋼板の先尾端の冷却停止温度差を制御する方法でも、先尾端の冷却開始温度は不均一のままであるから、均一な材質が得られないという問題がある。そこで、本願発明は、このような問題点を解消し、鋼板の全長にわたって均一な材質が得られる鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本願発明は、鋼板の製造における熱間制御圧延後の鋼板を冷却装置内を通過させながら制御冷却を行う工程において、
圧延仕上温度、冷却開始温度の鋼板長手方向温度分布を採取するステップ1と、該ステップ1から、冷却停止温度計算モデルを使って冷却停止温度の鋼板長手方向分布を算出するステップ2と、該ステップ2から材質予測モデルを使って鋼板長手方向の強度分布を算出するステップ3と、該ステップ3の結果から目標材質に近づけるために必要な鋼板長手方向冷却停止温度制御量を計算するステップ4と、制御冷却設備の流量及び通板速度を制御し、鋼板長手方向に冷却停止温度分布をもたせるステップ5とからなることを特徴とする鋼板内での材質制御冷却方法である。
圧延仕上温度、冷却開始温度の鋼板長手方向温度分布を採取するステップ1と、該ステップ1から、冷却停止温度計算モデルを使って冷却停止温度の鋼板長手方向分布を算出するステップ2と、該ステップ2から材質予測モデルを使って鋼板長手方向の強度分布を算出するステップ3と、該ステップ3の結果から目標材質に近づけるために必要な鋼板長手方向冷却停止温度制御量を計算するステップ4と、制御冷却設備の流量及び通板速度を制御し、鋼板長手方向に冷却停止温度分布をもたせるステップ5とからなることを特徴とする鋼板内での材質制御冷却方法である。
本願発明により圧延鋼板内の材質バラツキを低減できるようになり、より厳格な仕様への対応が可能となった。また、圧延先端部、後端部の材質ばらつきが減少したので先、後端部の切捨量が削減でき歩留まりの向上に寄与する。
本願発明を図を使って具体的に説明する。
本発明は制御圧延による鋼板長手方向温度分布(冷却開始温度分布)や、制御冷却後の鋼板長手方向温度分布(冷却停止温度分布)に起因する鋼板長手方向材質ばらつきを低減するために以下に示す冷却停止温度制御を行う冷却方法である。
(1)御圧延完了後にミル後面にて鋼板長手方向温度分布を採取する。その温度分布が図1に示す仕上温度である。鋼板の先端部と尾端部は3方向から冷却されるのでミドル部に比較して温度低下が大きい。通常、仕上温度は空冷および温度調節時のエッジ過冷却や、デスケーリングによる先端、尾端過冷却によって鋼板長手方向にばらつきが生じる。鋼板は、圧延終了後、水冷設備に搬送され、冷却が開始される。図1に示す冷却開始温度は仕上温度分布に影響されるだけでなく、冷却中に鋼板の冷却尾端側が、冷却設備に入るまでに、時間がかかるため更に、温度ばらつきが助長される。
本発明は制御圧延による鋼板長手方向温度分布(冷却開始温度分布)や、制御冷却後の鋼板長手方向温度分布(冷却停止温度分布)に起因する鋼板長手方向材質ばらつきを低減するために以下に示す冷却停止温度制御を行う冷却方法である。
(1)御圧延完了後にミル後面にて鋼板長手方向温度分布を採取する。その温度分布が図1に示す仕上温度である。鋼板の先端部と尾端部は3方向から冷却されるのでミドル部に比較して温度低下が大きい。通常、仕上温度は空冷および温度調節時のエッジ過冷却や、デスケーリングによる先端、尾端過冷却によって鋼板長手方向にばらつきが生じる。鋼板は、圧延終了後、水冷設備に搬送され、冷却が開始される。図1に示す冷却開始温度は仕上温度分布に影響されるだけでなく、冷却中に鋼板の冷却尾端側が、冷却設備に入るまでに、時間がかかるため更に、温度ばらつきが助長される。
(2)図2に示す冷却停止温度は、冷却開始温度に影響を受け、更に成分や冷却条件などによってもばらつきが生じる
(3)この結果、鋼板の長手方向には図3に示すような強度のばらつきが発生する。
(3)この結果、鋼板の長手方向には図3に示すような強度のばらつきが発生する。
(4)そこで、このような仕上温度や冷却開始温度分布を取り込み、冷却停止温度計算モデルから冷却停止温度長手方向ばらつきを計算し、更に長手方向温度分布から長手方向材質ばらつきを予測することで鋼板長手方向の材質が目標値一定となるような冷却停止温度を制御(水量や通板速度の制御)することにより図4に示すように、鋼板長手方向に材質が一定な鋼板を得ることができる。
次に、各ステップでの制御方法を説明する。
ステップ1では、圧延完了後に、圧延仕上温度及び冷却開始温度の鋼板長手方向温度分布を採取する
ステップ2では、ステップ1から得られた温度分布から一定のピッチで冷却停止温度計算を行うことで、鋼板長手方向冷却停止温度分布を計算する。
ステップ3では上述した、鋼板長手方向の仕上温度分布、冷却開始温度分布及び鋼板長手方向冷却停止温度分布とスラブの成分実績及びスラブ加熱温度実績から冷却直前に材質予測(TS,YS,El、vTrs、シャルピー吸収エネルギ、DWTT,NRL等)をおこない、鋼板長手方向材質分布を計算する。
ステップ4では、ステップ3で得られた鋼板長手方向材質分布と材質に及ぼす冷却停止温度の係数から目標材質に近づける為に必要な長手方向冷却停止温度制御量を計算する。
ステップ5では、制御冷却設備の流量及び通板速度を制御して鋼板長手方向に冷却停止温度分布をもたせる。
ステップ1では、圧延完了後に、圧延仕上温度及び冷却開始温度の鋼板長手方向温度分布を採取する
ステップ2では、ステップ1から得られた温度分布から一定のピッチで冷却停止温度計算を行うことで、鋼板長手方向冷却停止温度分布を計算する。
ステップ3では上述した、鋼板長手方向の仕上温度分布、冷却開始温度分布及び鋼板長手方向冷却停止温度分布とスラブの成分実績及びスラブ加熱温度実績から冷却直前に材質予測(TS,YS,El、vTrs、シャルピー吸収エネルギ、DWTT,NRL等)をおこない、鋼板長手方向材質分布を計算する。
ステップ4では、ステップ3で得られた鋼板長手方向材質分布と材質に及ぼす冷却停止温度の係数から目標材質に近づける為に必要な長手方向冷却停止温度制御量を計算する。
ステップ5では、制御冷却設備の流量及び通板速度を制御して鋼板長手方向に冷却停止温度分布をもたせる。
図5は本願発明を適用した鋼板の長手方向の引張り試験結果を示すもので、長手方向材質ばらつきが低減していることがわかる。
本願発明の冷却方法は、厚鋼板以外の熱延鋼板等の熱間圧延鋼材にも適用できる。
Claims (1)
- 鋼板の製造における熱間制御圧延後の鋼板を冷却装置内を通過させながら制御冷却を行う工程において、
圧延仕上温度、冷却開始温度の鋼板長手方向温度分布を採取するステップ1と、該ステップ1から、冷却停止温度計算モデルを使って冷却停止温度の鋼板長手方向分布を算出するステップ2と、該ステップ2から材質予測モデルを使って鋼板長手方向の材質分布を算出するステップ3と、該ステップ3の結果から目標材質に近づけるために必要な鋼板長手方向冷却停止温度制御量を計算するステップ4と、制御冷却設備の流量及び通板速度を制御し、鋼板長さ方向に冷却停止温度分布をもたせるステップ5とからなることを特徴とする鋼板内での材質制御冷却方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005098466A JP2006272437A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | 鋼板内での材質制御冷却方法 |
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JP2005098466A JP2006272437A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | 鋼板内での材質制御冷却方法 |
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JP2005098466A Pending JP2006272437A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | 鋼板内での材質制御冷却方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008248383A (ja) * | 2007-03-05 | 2008-10-16 | Jfe Steel Kk | 直接焼入れ型薄肉厚鋼板およびその製造方法 |
JP2010110784A (ja) * | 2008-11-06 | 2010-05-20 | Jfe Steel Corp | 厚鋼板のオンライン材質保証システム |
-
2005
- 2005-03-30 JP JP2005098466A patent/JP2006272437A/ja active Pending
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