JP2006267537A - レプリカ光学素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】広い波長範囲、特に紫外域における反射率の高い、保護膜付きのレプリカ反射光学素子の製造方法を提供する。
【解決手段】オリジナル回折格子1の表面に真空蒸着装置によって、離型剤2、LiF膜7、Al膜3を順次連続的に被覆した後、Al膜3に樹脂4を介してレプリカ基板5を固着する。最後にオリジナル回折格子1を離型剤2の箇所において分離して、LiF膜7によって被覆されたレプリカ回折格子9を得る。この方法で製造されるLiF膜7を持つ反射光学素子は、蒸着時にAl膜3の反射面の酸化が防止できるため、広い波長範囲、特に紫外域で高い反射率を示す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、各種の光学機器や計測機器に使用されるレプリカ光学素子、特に表面に保護膜を施された反射光学素子のレプリカ製造方法に関する。
種々の光学機器や、分光器、分波器等の計測機器に広く使用されている各種のミラー、回折格子などの反射光学素子は、一般的に高い加工精度を必要とするものが多く、これらの光学素子を製造するには極めて精巧な製造装置と複雑な作業工程が必要である。このため、これらの光学素子の量産には、1個のオリジナルの光学素子から転写・複製によって多数のレプリカ光学素子を製作し、これを市場に供給する方法が広く採用されている。
また、これらの反射光学素子表面の金属反射膜は、使用中の汚染、酸化、腐食などによって、反射率の低下や異常散乱など、光学素子としての品質劣化を生じやすい。このため、金属反射膜を外気から遮断する保護膜をその表面に被覆することが広く行われている。一般的に採用されている、表面に保護膜を施された反射光学素子のレプリカ製造方法の1例として、平面回折格子のレプリカ製造方法を図3と図4を用いて説明する。図3は、オリジナル回折格子からレプリカ回折格子を製造する方法を、また図4は、レプリカ回折格子に保護膜を被覆する方法を示す。
まず、レプリカを複製する元となるオリジナル回折格子1を準備し、その表面に離型剤2の膜を被覆する(図3の(a))。離型剤2にはシリコングリースが一般に用いられ、真空蒸着装置を用いて、薄い油膜として塗布される。次に、金属反射膜としてアルミニウム(Al)膜3を離型剤2の上に真空蒸着装置を用いて被覆する(図3の(b))。Al膜3の厚さは一般的に数百ナノメートルのものが使用される。
Al膜3の完成後、その上に樹脂4の層を挟んでレプリカ基板5を設置する(図3の(c))。樹脂4にはエポキシ系の接着剤や、尿素系、メラニン系、フェノール系などの耐熱性熱硬化樹脂、あるいは光硬化樹脂などが使用される。また、レプリカ基板5の材料としては、温度による形状変化を抑えるために、熱膨張率の小さい光学ガラス、例えばBK7、パイレックス(登録商標)、石英ガラスなどが使用される。図3の(c)の状態で、樹脂4が十分に硬化し、Al膜3およびレプリカ基板5が樹脂4と完全に固着するまで、図3の(c)の状態が静置保持される。次に、離型剤2の層を境にしてオリジナル回折格子1を分離すると、レプリカ基板5、樹脂4およびAl膜3から成り、オリジナル回折格子1の表面形状を忠実に複製したレプリカ回折格子6が得られる。(たとえば特許文献1参照)
上記の方法で製作されたレプリカ回折格子6に、図4に示す方法で保護膜が施される。まず、レプリカ回折格子6の表面から前記離型剤2の残滓を洗浄除去する(図4の(a))。これを真空蒸着装置内に設置し、最初にアルミニウムを蒸着して、もう1層のAl膜3を被覆し(図4の(b))、次に、その上に保護膜としてフッ化リチウム(LiF)膜7を蒸着・被覆する(図4の(c))。こうして、LiF膜7を被覆されたレプリカ回折格子6が得られる。
特開平7−140310号公報
しかしながら、上記の制作方法を用いて製作されたレプリカ回折格子には、以下に示す問題点がある。図4の(b)の段階で新しいAl膜3を蒸着した後、同図(c)でLiF膜7を蒸着するまでの時間に、すでに形成されたAl膜3の表面が酸化される現象がしばしば発生する。その結果、図4の(d)に拡大して示した断面図で見られるように、Al膜3とLiF膜7の境界部に酸化Al層8が形成される。酸化Al層8は純粋なアルミニウム膜の表面に比較して反射率が低く、特に紫外域の250nm以下の波長の光に対する反射率が大幅に低下する。本来LiFは、約100nmの真空紫外域から約9000nmの赤外域までに亘って高い透過率を持つ優れた保護膜材料であるが、上記の問題のために本来の優れた特性を利用することができず、特に紫外域で反射率の高いレプリカ回折格子を得ることが困難である。
また、LiF膜7をより緻密に形成させ、Al膜3を外気より保護する効果を高める必要があるケースでは、LiF膜7蒸着時(図4の(c)の段階)に系を加熱することが有効であることが知られている。しかし、従来の製造方法においては、樹脂4の耐熱性が低いため損傷の恐れがあり、加熱工程を採用することが不可能である。このため、より緻密で強固なLiF膜7を必要とするケ-スに対応することが困難である。さらに従来の製造方法では、レプリカ回折格子6の製造工程(図3の工程)と、LiF膜蒸着の工程(図4の工程)の間に、真空蒸着装置の中断・再設定の工程が必要となり、労力と時間の損失の原因となっている。
本発明は、上記の問題点を解決して、広い波長範囲にわたって高い反射率を持つレプリカ回折格子の製造方法を提供するものであり、その製造方法は、オリジナル光学素子あるいはネガ・マスター光学素子の表面に離型剤と保護膜および金属反射膜を、上記の順序に従って連続して被覆する工程を有することを特徴とする。
本発明にかかる製造方法は、その工程の中に金属反射膜の反射面が酸化される過程が存在しないため、この製造方法に従って製作された保護膜付きレプリカ光学素子の反射金属膜の反射面には酸化された部分が発生しない。このため、この保護膜付きレプリカ光学素子は、広い波長範囲にわたって高い反射率を有する。また、本発明の製造方法では、保護膜蒸着工程は樹脂を固着させる工程の前に置かれているため、樹脂を損傷する恐れ無しに、系を加熱することによって緻密で強固な保護膜を形成することが可能となる。さらに、全ての蒸着工程が連続しており、中断・再設定の必要が無いため、労力・時間の損失を最小限に抑えることができる。
本発明が提供するレプリカ光学素子の製造方法は、金属反射膜の反射面が酸化される工程を排除して広い波長範囲にわたって高反射率を有し、緻密で強固な保護膜を持つレプリカ光学素子の製作を可能にし、さらに、製作に必要な労力と時間を削減できることを特徴とする。これを実現する形態として、本発明にかかる製造方法は、オリジナル光学素子を真空蒸着装置の中に設置した後、まず表面に離型剤を蒸着し.次にその上に保護膜を蒸着し、さらにその上に金属反射膜を蒸着する一連の蒸着工程と、その後、金属反射膜を樹脂を介してレプリカ基盤に固着し、最後に離型剤の層においてオリジナル光学素子を分離する工程によって構成される。
以下に実施例を図1および図2に従って詳説する。本実施例は、LiFを保護膜としたレプリカ平面回折格子の製造例である。図1は本発明にかかる製造方法の手順を段階的に示したものであり、図2は、図1の手順で製造されたレプリカ回折格子の断面とその部分拡大図である。
表面を洗浄されたオリジナル回折格子1を真空蒸着装置の中に設置し、表面に離型剤2を蒸着する(図1の(a))。離型剤2としては、飽和蒸気圧が低くて、薄い油膜状に展延できるシリコングリースやグリセリンやフタル酸ブチルなどを波長の10分の1のオーダーの厚みに蒸着したもの、あるいは親和力の弱い金や白金の蒸着膜が一般的に使用される。本実施例ではシリコングリースを使用し、薄い塗膜として被覆する。次にこの上に保護膜としてフッ化リチウム(LiF)膜7を蒸着する(図1の(b))。フッ化リチウム以外の保護膜材料としては、光学素子の使用波長域および使用環境に応じて、フッ化マグネシウム(MgF2)、シリカ(SiO2)などが使用される。さらにLiF膜7の上に金属反射膜としてAl膜3を数百ナノメートルの厚さに蒸着する(図1の(c))。本実施例では、紫外・可視領域で反射率の高いアルミニウムを金属反射膜として使用したが、アルミニウム以外には、白金、あるいは金などが使用でき、特に赤外領域では、その波長範囲で反射率の高い金が利用されるケースがしばしばある。
上記の3層の蒸着が施されたオリジナル回折格子1を真空蒸着装置から取り出し、図1の(d)に示すように樹脂4を挟んでレプリカ基板5を接着する。本実施例では樹脂4の材料にエポキシ樹脂を用い、55°Cに加熱しながら樹脂4が十分硬化し、レプリカ基板5が樹脂4を介してAl膜3と完全に固着するまで系を静置する。固着が完了した後、図1の(e)に示すように、離型剤2の層においてオリジナル回折格子1を分離すると、表面に保護膜としてLiF膜7を持つレプリカ回折格子9が得られる。
図1の(c)の段階でAl膜3が蒸着される時に、Al膜3はLiF膜7の表面に積層して順次成長する。Al膜3の成長が継続している間は積層したアルミニウムと酸素の接触時間が短いために酸化は進行しない。しかし、積層が完了した後はAl膜3の空気と接触する面は酸化されて、内部のある深さまで酸化が進行する。その後、そのAl膜3の表面に樹脂4が固着される。最後に得られたレプリカ回折格子9の断面の部分拡大図を図2に示している。この図で見られるように、Al膜3の内部に生じる酸化Al層8は、樹脂4との境界に接して現れるが、反射面となるLiF膜7との境界面の近傍には酸化Al層8は生じない。これによって、従来の製造方法で見られたレプリカ回折格子の反射率の低下は、本実施例のレプリカ回折格子9には現れず、紫外域においても高い反射率が保証される。実際に、従来法によって製造したレプリカ回折格子と、本発明の方法によって製造したレプリカ回折格子9の紫外域における反射率を比較したデータを図5に示す。このデータに見られるように、本発明の製造方法によるレプリカ回折格子9は、従来法によるレプリカ回折格子に比較して、紫外域で非常に高い反射率を持つ。
また、図1の(b)に示すように、保護膜のLiF膜7を蒸着する段階では、まだ樹脂4は設置されていない。よって、より強固な保護膜を必要とする場合には、加熱による樹脂4の損傷する危険を冒すことなく、この段階で系を加熱して、LiF膜7を緻密で強固なものとして積層させることが可能となる。
さらに図1に示すように、オリジナル回折格子1に施される離型剤2、LiF膜7、そしてAl膜3の蒸着は、同図の(a)から(c)までの連続した一連の工程で完了し、その間に真空蒸着装置を中断・再設定する必要が無い。これによって、労力と時間の損失を最小限に抑えて、スムーズで効率的な製造が可能となる。
本発明における特徴は、上述したとおりであるが、上記ならびに図示例に限定されるものではなく、種々の変形例を含む。本実施例のレプリカ平面回折格子以外に、例えば保護膜付きのミラー類、特に保護膜付きの非球面鏡に適用される。また、本実施例では、オリジナル回折格子1から直接にレプリカ回折格子9を複製しているが、オリジナル光学素子の形状を反転した、いわゆるネガ・マスター光学素子を一旦作製し、ネガ・マスター光学素子から、本発明の製造方法によってレプリカ光学素子を製造することも可能である。
本発明は、レプリカ光学素子、特に表面に保護膜が施されたレプリカ反射光学素子の製造方法に関する。
本発明にかかるレプリカ回折格子の製造方法を段階的に示したものである。 本発明の製造方法によって製造されたレプリカ回折格子の断面とその部分拡大図である。 従来のレプリカ回折格子の製造方法を段階的に示したものである。 従来のレプリカ回折格子にLiF膜を被覆する方法を段階的に示したものである。 従来法によるレプリカ回折格子と、本発明によるレプリカ回折格子の紫外域における反射率を比較したデータである。
符号の説明
1 オリジナル回折格子
2 離型剤
3 Al膜
4 樹脂
5 レプリカ基板
6 レプリカ回折格子
7 LiF膜
8 酸化Al層
9 レプリカ回折格子

Claims (1)

  1. オリジナルの光学素子の形状を直接あるいはネガ・マスター光学素子を経由する刻印操作を介して別個の基板上に転写複製することによってレプリカ光学素子を製造する方法において、オリジナル光学素子あるいはネガ・マスター光学素子の表面に離型剤と保護膜および金属反射膜を、上記の順序に従って連続して被覆する工程を有することを特徴とするレプリカ光学素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2015052748A1 (ja) * 2013-10-07 2017-03-09 株式会社島津製作所 ブレーズド回折格子およびブレーズド回折格子の製造方法
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