JP2006267324A - 光学素子およびコヒーレント光源 - Google Patents

光学素子およびコヒーレント光源 Download PDF

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克 武田
Kiminori Mizuuchi
公典 水内
Toshifumi Yokoyama
敏史 横山
Tomoya Sugita
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Abstract

【課題】導波路からの出射ビームのビーム品質が悪く、集光スポットの周辺に集光ノイズが存在した。
【解決手段】光学研磨された第1の基板と、第1の基板に貼り合わされた第2の基板と、第1の基板の表面に形成されたリッジ導波路103とを備え、リッジ導波路の隣接した領域近傍に散乱部104を有する光学素子である。これにより、リッジ部を伝搬する光のスラブ部113への漏れ光は散乱することで、出射部まで伝搬する漏れ光は減少するので、リッジ導波路から出射される光を集光すると、サブビームがメインビームに対して十分小さくなり、ビーム品質の劣化を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明はリッジ型導波路を用いた光学素子およびこれを用いたコヒーレント光源に関する。
薄板研磨技術を用いた導波路は、導波路に不純物を含まない単結晶導波路の形成が可能である(従来の導波路は、導波路に必要な屈折率変化をイオン交換、金属拡散、イオン注入等の不純の注入により実現していた)。このため、不純物による特性の劣化、導波路損失の増大等の問題を回避でき、高性能な機能性導波路を実現できる。
単結晶導波路を実現する方法としては、直接接合を利用した方法がある。直接接合技術は接着剤等を用いずに基板を強固に接合する技術として知られ、ガラス、半導体、強誘電体、圧電セラミック等様々な材料を高精度に接合することができる。このような直接接合された基板は、例えば直接接合基板(2枚1組の基板)の一方を薄板化した後、例えばリッジ加工して導波路として利用することができる等、光学素子への応用が期待される。これまでに、誘電体基板、半導体基板、ガラス基板等の直接接合基板における光学素子の一例として導波路型素子が提案されている。特に上述した強誘電体結晶基板であるニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムを、同種基板あるいはガラス基板と直接接合し導波路を形成する方法は特許文献1や特許文献2において提案されている。
また、樹脂等により接着する構成も提案されている。特許文献3に示すように基板に光学結晶を接着し、接着した光学結晶を薄膜研磨して単結晶の導波路構造を実現している。導波路構造としてはリッジ型の導波路で、低損失な導波特性を実現している。
また、特許文献4に示されているように、直接接合を利用し、基板の接合領域の一部にギャップ構造を用いることで、導波路を形成することで、低損失な導波路を実現している。
特許第2574594号公報 特開平06−222229号公報 特開2002−250949号公報 特開2004−145261号公報
薄板研磨を利用したリッジ型導波路においては、リッジ部に隣接するスラブ層への漏れ光が発生し、導波路から出射されたビーム品質が劣化するという問題があった。特に導波路内に複数の波長の光が導波する場合や、波長変換にリッジ型導波路を適用した場合には、短波長光に対してスラブ部への漏れ光が大きく、短波長光の出射ビームの品質が劣化する問題があった。
図14を用いて従来の導波路におけるビーム品質劣化について説明する。
図14(a)、(b)は従来の光学素子の構成図である。図14(a)、(b)において、LiNbO3基板1004上にMgO:LiNbO3基板1005が接着層1002を介して接着されている。MgO:LiNbO3基板1005にはリッジ部1001が形成され、リッジ部に光が伝搬する構造となっている。
しかしながら、リッジ部1001を伝搬する光の一部はスラブ部1003へ漏れ光となって伝搬する。このため、光学素子の出射部1006から出射された光を集光すると図14(c)に示すようにメインビーム1008の横にサブビーム1009が存在して、ビーム品質を劣化させて、集光特性が悪くなる。即ち、集光ノイズとなって集光スポットのメインビーム1008の周辺にサブビーム1009が存在し、集光特性を劣化させる。このような光を集光スポットを利用して、加工、露光、描画等を行う場合に集光の劣化が問題となる。
前記課題を解決するために、本発明の光学素子は、光学研磨された第1の基板と、第1の基板に貼り合わされた第2の基板と、第1の基板の表面に形成されたリッジ導波路とを備え、リッジ導波路の隣接した領域近傍に散乱部を有する光学素子である。
これにより、リッジ部を伝搬する光のスラブ部への漏れ光は散乱することで、出射部まで伝搬する漏れ光は減少するので、リッジ導波路から出射される光を集光すると、サブビームがメインビームに対して十分小さくなり、ビーム品質の劣化を抑制することができる。
薄板研磨を利用したリッジ導波路において、導波路を伝搬する光の出射ビームの品質向上を図る。またリッジ導波路と半導体レーザを組み合わせたコヒーレント光源において、高いビーム品質を実現する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態の一例として、周期状の分極反転構造を利用した波長変換素子の例について示す。図1における光学素子は、LiNbO3基板101上にMgO:LiNbO3基板105が直接接合されている。MgO:LiNbO3基板105にはリッジ導波路103、リッジ導波路内の周期状分極反転構造106、リッジ導波路底部にギャップ部102が、形成されている。さらに、リッジ導波路に隣接したスラブ部113には散乱部としての凹部104が形成されている。凹部104は導波路の出射部112近傍に形成されている。
次に、本発明のコヒーレント光源の動作について説明する。コヒーレント光源は、半導体レーザ107、集光光学系108と光学素子から構成される。ここでは、光学素子として第二高調波発生素子を用いているが、本発明のコヒーレント光源はこれに限るものではない。本発明の基本構成としては、半導体レーザと、光学素子であり、集光光学系の代わりに、半導体レーザと光学素子を直接接合して光学系を簡素化することも可能である。
半導体レーザ107から出射された波長λ1の基本波は、集光光学系108によってリッジ導波路103に結合する。波長λ1の光はリッジ導波路103を導波し、周期状の分極反転構造106によって波長λ2の第二高調波(λ2=λ1/2)に変換される。波長λ2の光は導波路の出射部112より外部に出射される。波長λ2の光はリッジ導波路に隣接するスラブ部113へ一部漏れ出して伝搬するが、スラブ部を伝搬した光は、凹部104によって散乱される。スラブ部への漏れ出しは伝搬している途中に発生するため、散乱部は出射部近傍に設けることが望ましい。これにより、出射部112から出射されるλ2の光は、高品質なビームとなり、集光ノイズのない優れた集光特性を有するビームが形成される。
本発明の構造の一例として、出射光110が可視光領域波長の場合、リッジ導波路103として長さは約10〜15mm、入射部111、出射部112は幅方向に約3〜7μm、厚さ方向に約2〜4μmの断面形状で、ギャップ部の深さが約10μm以上で、2つの凹部104の間隔が、リッジ導波路の幅方向に対して約1μm以上広ければ、スラブ部113に漏れ出すスラブ光を散乱させ、出射光110の集光ノイズを抑制する効果がある。
本発明の構造は、リッジ導波路の出射部近傍にスラブモードに伝搬した光を散乱させる構造を有することを特徴とする。
尚、本発明では第二高調波発生素子について説明したが、その他、和周波発生素子、差周波発生素子等の異なる波長を同一導波路に伝搬させる構造において、有効である。波長の異なる光を伝搬させる場合、短波長光がスラブ部へ漏れる場合が多く、ビームの劣化が激しいので、本発明の構成が特に有効である。
尚、本発明では、ギャップ部を有する導波路について説明したが、その他、接着剤により基板を接着する構造、屈折率の異なる基板を直接接合する構造、屈折率の小さなバッファ層を介して基板を接合する構造等、いずれの構造にも適用可能である。リッジ導波路とスラブ導波路を有する構造においては、リッジからスラブ部への漏れ光が存在するために、特に有効である。
(比較例)
従来の導波路において生じるビーム品質の低下について図2を用いて説明する。
第1の基板201上に形成されたリッジ導波路203から構成され、リッジ導波路の厚みT1、リッジ導波路に隣接するスラブ部207の厚みをT2とする。第1の基板201は第2の基板202に接合または接着されている。206は接合部である。リッジ部の底面にはギャップ部204が設けられている。ギャップ部はリッジ導波路と第2の基板を空間的に隔てるために設けている。接着層を介して第1の基板と第2の基板を接着している場合は、接着層が基板同士を隔てているためギャップ部はなくても良い。リッジ導波路は、深さ方向はギャップ部204と第1の基板201の屈折率差、および第1の基板201と空気層との屈折率差を有するため、導波光に対して非常に強い閉じ込め強度を持つ。また横方向はリッジ部(厚みT1)とスラブ部(厚みT2)の実効屈折率の違いで閉じ込められる。導波路の設計は導波路を伝搬する波長λ1の光に対してシングルモード伝搬の条件を満足し、かつ低損失な導波特性を実現できる構成を考える。波長λ1の光に対してリッジ部に光が閉じこもる条件は、T1の厚みが導波条件、T2の厚みがカットオフ条件であることが望ましい。即ちT1の厚み部分のみ導波可能な厚みであれば、λ1の光はリッジ部を導波する。
一方、T2の厚みに対しては、導波条件に限りなく近い値が望まれる。即ち、前述した条件の範囲で、T1−T2の差をできるだけ小さく設計することが望ましい。T1−T2の値を大きくすると、横方向の閉じ込めが強くなる。このためシングルモード条件を満足するにはリッジ部の幅を小さくする必要がある。リッジ部の幅を小さくすると導波路を伝搬する光はリッジ部側面の影響を受けて伝搬損失が増大する。以上の結果より、低損失でシングルモード伝搬が可能な導波路を設計するには、T2の厚みを導波条件に近づけた値に設計する必要が出てくる。ところが、導波路の低損失化を狙ってT2の値を増大させると導波路を伝搬する光がスラブ部に漏れる。図2(c)は、導波路を伝搬する光の電界分布を表したものであるが、導波路を伝搬する導波モード301の横に、スラブモード302が存在する。このような導波路から出射した光を集光光学系により集光すると、集光スポットは図2(d)に示すように、集光スポット401の横にスラブ光402が投影されるため、集光ノイズとなってビーム品質が大きく低下する。
スラブ光の発生には、スラブ部への漏れ光以外に、チェレンコフ放射の影響もある。リッジ導波路を伝搬する光は、同じ方向に伝搬するスラブ光とは伝搬定数が異なるため、通常は結合しない。しかしながら、スラブ部を伝搬する放射モードと結合する可能性がある。導波光と放射光が結合する現象をチェレンコフ放射という。この場合、リッジ導波路を伝搬する同じ波長λ1の場合、λ1の波長の高調波であるλ1/2の波長の場合があり、ビーム品質を劣化させるスラブ部伝搬光は、波長λ1、波長λ1/2の2種類の光が観測される。波長λ1の光に対しては、スラブ部をカットオフ条件に設定することで除去可能であるが波長λ1/2の高調波に対しては、カットオフ条件を設定するのが難しい。チェレンコフ放射への結合効率は微弱ではあるが、ビーム品質の劣化に影響を与える。このようなチェレンコフ放射の影響も本発明の構成は取り除くことが可能である。
ピンホールと集光光学系を組み合わせた空間フィルタやファイバ等を利用するとビーム品質の改善が可能となるが、複雑な光学系を追加する必要がある。
さらに、複数の波長の光を伝搬させる場合は、条件がより難しくなる。波長変換素子に適用する場合は、第二高調波発生で、波長λ1の基本波が波長λ1/2の高調波に変換する場合、和周波に利用する場合も波長の異なる光が一つの導波を伝搬する構成を必要とする。異なる波長が伝搬する導波路の場合、最も波長の長い光に対して、シングルモード条件と低損失な導波特性を実現するように導波路を設計する。このような導波路に対しては、波長の短い光はシングルモード条件、スラブ部でのカットオフ条件がともに満足されない。このため、波長の短い光に対しては、スラブ部への漏れ光が非常に大きくなり、出射光のビーム品質が大幅に低下する場合が頻繁に発生することが見出された。
(実施の形態2)
この問題を解決するため、本発明は図3に示す導波路構造を提案する。図3においては、スラブ部207に凹部205を形成する。凹部205の厚みT3は、導波路を伝搬する光に対してカットオフ条件を満足するため、スラブ部を伝搬する光は凹部205によって散乱されるため、導波路の出射部208から出射される光にスラブ光が混じらない。このため、導波路を伝搬する光は図4(a)となり、導波モード303のみ導波し、これを集光光学系で集光すると図4(b)に示すように高いビーム品質の集光スポット403が得られる。凹部205は導波路の出射部208近傍に形成している。これは、凹部205が導波路の伝搬損失の増大に影響を与えるからである。凹部の長さは、0.05mm以上、1mm以下が望ましい。0.05mm以下であるとスラブ光が十分減衰せず、1mm以上あると伝搬損失が増大するからである。また、リッジ部やスラブ部の厚みについては、出射光110の波長が可視光領域の場合、リッジ部の厚みT1が約5μm、スラブ部の厚みT2が約3μmの時、T3はT2の約95%以下の厚さがあればスラブ部への漏れ光を抑制する効果がある。
図5に本発明の他の構造を示す。スラブ部207を伝搬する光を凹部505で散乱するのは同様であるが、凹部を基板表面側に設けた点が異なる。図3と同様の効果が得られる。
図6に本発明の他の構造を示す。リッジ導波路203に隣接する部分に凸部605を有する。凸部605は第2の基板202と直接接合している。この場合、スラブ部207を伝搬する光は、凸部605を通って第2の基板202に散乱される。前述した構造はスラブ部にカットオフ構造を設けてスラブ部を伝搬する光を散乱させる構造である。凸部を直接接合すると屈折率差がなくなるため、スラブ部に光が閉じこもらなくなり、第2の基板に光が散乱される。
図7に本発明の他の構造を示す。図7におけるギャップ部701は、出射部208近傍の幅が、入射部209近傍の幅に比べて小さい構造となっている。ギャップ部701の出射部近傍の幅Wgのみをリッジ導波路の幅W1に近づけることでスラブ部への光の伝搬を、第2の基板に放射させる。W1が約3〜5μmの場合、Wg−W1の値は約0.2μmより大きく、W1以下に設定する必要がある。Wg−W1が約0.2μm以下になるとリッジ導波路を伝搬するビーム自体影響を与える。W1以上になるとスラブ光の影響が大きくなる。
図8、図9は本発明の他の構造である。ともに有する凹部801、901が周期形状となっている。周期構造とすることでスラブ部を伝搬する光を散乱する効率が高まるといった効果がある。
なお、これまで説明した本発明の構成では、リッジ部は基板の表面に形成したが図9(c)に示したように、リッジ導波路902をギャップ部の内部に形成することも可能である。この場合基板表面への凹凸がなくなるため、外力による損傷に強くなるという別の効果も得られる。
図10、図11は本発明の他の構造である。図10を用いてその特徴について説明する。凸部911と第2の基板202は直接接合しており、スラブ部を伝搬する光は、凸部911によって第2の基板202に散乱される。図10の特徴はギャップ部が凸部近傍で広がっている点である。さらにギャップ部は樹脂により充填されている。ギャップ部204に樹脂を注入することでリッジ導波路の強度が増し、外部からの応力に対する抵抗力、耐性が高くなる。しかしながら、微小な隙間のギャップ部に樹脂を十分充填するにはギャップ部の断面積を増大する必要がある。図7のようにギャップ部を小さくすると樹脂充填が不十分になり、充填速度が遅くなり充填に数10時間必要となり生産性が悪くなるという問題があった。図10に示すようにギャップ部の断面積を凸部の部分で広げることで、10mm以上の長い導波路を形成する場合にもギャップ部への充填が容易になった。図11はさらに凸部912を周期状の構造にしたものである。これにより散乱効果が高くなり、周期構造をとらない場合の約半分の短い距離でスラブ光の強度を十分に低減できた。このように、ギャップ部に樹脂を充填する場合は、樹脂に求められる特性として、第1の基板の材料より低い屈折率を有すること、また導波路を伝搬する光に対して吸収特性を持たないことが望まれる。樹脂の屈折率が高いと導波路が光を伝搬できなくなるという問題が生じる。また導波光に対する吸収があると、伝搬損失が増大するという問題が生じる。これを避ける他の手段としては、凹部の底面にバッファ層を設けて、樹脂とリッジ導波路の底面が直接接触しないようにする必要がある。バッファ層としては、高温の熱処理時に発生する熱膨張による剥がれ等の問題を回避する必要があるので、SiO2、ZrO2、Ta25等が望まれる。
(実施の形態3)
ここでは、本発明の導波路を第二高周波発生素子に適用する場合の構造について説明する。本発明の導波路構造は、バルク結晶を導波路に適用できるため、導波路内に屈折率変化に必要な不純物を必要としない。このため、高い非線形定数を有し、かつ高い光のパワー密度に対する耐性を有するため、高効率、高出力の素子化が可能である。しかしながら、波長λの基本波と波長λ/2の高調波がともに低損失で伝搬する導波路構造が必要となる。
ここでは、第1の基板としてZ板のMgO:LiNbO3を用いた場合の構造について説明する。図12に示すように、導波路の基本構造としては、リッジ導波路の幅W1、厚みT1、スラブ部の厚みT2、凹部の厚みT3がある。また凹部の幅W3、凹部と凹部の間隔W2、凹部の長さL1等が設計のパラメータとなる。波長変換素子の場合、波長λ1の基本波が、シングルモードで低損失する条件を図13に示す。導波する基本波の波長λ1に対して、T1の値はシングルモード領域にT2の値はカットオフ領域に設定する必要がある。T2を波長λ1に対してカットオフ領域に設定することでスラブ部への漏れ光を低減し、ビーム品質が向上する。さらに導波路の伝搬損失の低減には、T1−T2の値をできるだけ小さくとる必要がある。この値が大きくなると、導波路が幅方向にマルチモードになりやすくなるため、導波路幅W1の低減が必要となり、その結果、導波損失が大幅に増大した。T2の値としては、λ1/2の波長の光がシングルモード領域で、かつλ1の光がカットオフ領域である厚みを選択することで、導波損失が低減できることが分かった。
しかしながら、この条件では、波長λ1の光はスラブ部への漏れを低減できるが、高調波であるλ1/2の光はスラブ部への漏れが大きくなる。これを抑圧するため、凹部が存在し、凹部の厚みT3は、波長λ1/2の高調波に対してカットオフ条件に設定するのが好ましい。カットオフ条件に設定することで、高調波の散乱を大きくし、ビーム品質向上が可能となる。
また実験的に出射光の波長に依存するが、リッジ導波路厚みT1が約4〜6μmで、スラブ部厚みT2が約2〜5μm、凹部厚みT3が約1〜4μmの場合、導波路幅W1は約3μm以上、約7μm以下が望ましい。約3μm以下になると導波損失が増大し、光の伝搬が1/2以下に低下する。また約7μm以上になると導波路がマルチモード化した。
また、凹部の幅W3は約1μm以上が好ましい。約1μm以下になると散乱の効率が低下した。
また凹部の間隔W2はW1+1μm以上、2W1以下が好ましい。W1+1μm以下になると導波損失が増大する。2W1以上になるとビーム品質の劣化が激しくなった。
尚、本発明では波長λ1の光を波長λ1/2の第二高調波に変換する場合について説明したが、波長λ1と波長λ2の光より、波長λ3=λ1λ2/(λ1+λ2)の和周波に変換する素子においても同様の構成が要求される。この場合は、T1はλ1、λ2に対して、導波条件を満足し、T2はλ1、λ2の光に対してカットオフ条件、λ3に対しては導波条件を満足、T3は波長λ3の光に対してカットオフ条件を満足する構成が望ましい。
以上述べたように、本発明の光学素子は、単結晶またはバルク材料を用いた導波路化できる光学素子において、ビーム品質の低下による集光特性の劣化を抑圧できるためその実用効果は大きく、波長変換素子、光スイッチ、光偏向器、電界センサ、電流センサ、磁気センサ、重力センサ、赤外センサ等の導波路を利用した素子およびセンサ等に広く応用できるものである。
さらに、本発明の光学素子と半導体レーザとを組み合わせたコヒーレント光源は、優れたビーム品質の光を直接出射できるため、集光ノイズの少ない良好な集光特性が得られるため、その実用効果は大きい。
本発明の実施形態に係るコヒーレント光源の構成図の一例を示す図 従来の光学素子の構成図 本発明の実施形態に係る光学素子の構成図 本発明の実施形態に係る光学素子における導波光の強度分布の一例を示す図 本発明の実施形態に係る他の光学素子の構成図 本発明の実施形態に係る他の光学素子の構成図 本発明の実施形態に係る他の光学素子の構成図 本発明の実施形態に係る他の光学素子の構成図 本発明の実施形態に係る他の光学素子の構成図 本発明の実施形態に係る他の光学素子の構成図 本発明の実施形態に係る他の光学素子の構成図 本発明の実施形態に係る光学素子の構成図 本発明の実施形態に係る光学素子の特性要因図 従来の光学素子の構成図
符号の説明
101 LiNbO3基板
102 ギャップ部
103 リッジ導波路
104 凹部(散乱部)
105 MgO:LiNbO3基板
106 周期状分極反転構造
107 半導体レーザ
108 集光光学系
109 入射光
110 出射光
111 入射部
112 出射部
113 スラブ部
201 第1の基板
202 第2の基板
203 リッジ導波路
204 ギャップ部
205 凹部
206 接合部
207 スラブ部
208 出射部
209 入射部
301 導波モード
302 スラブモード
303 導波モード
401 集光スポット
402 スラブ光
403 集光スポット
505 凹部
605 凸部
701 ギャップ部
801 凹部
802 ギャップ部
803 リッジ部
901 凹部
902 リッジ導波路
912 凸部
1001 リッジ部
1002 接合層
1003 スラブ部
1004 LiNbO3基板
1005 MgO:LiNbO3基板
1006 出射部
1007 入射部
1008 メインビーム
1009 サブビーム

Claims (14)

  1. 光学研磨された第1の基板と、前記第1の基板に貼り合わされた第2の基板と、前記第1の基板の表面に形成されたリッジ導波路とを備え、前記リッジ導波路に隣接した領域近傍に散乱部を有することを特徴とする光学素子。
  2. 第1の基板は、リッジ導波路を前記第1の基板裏面に投影した領域を含む前記第1の基板裏面にストライプ状のギャップ部を備えていることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  3. 散乱部は、リッジ導波路に隣接した領域近傍の第1の基板表面または裏面の少なくとも一方に形成された凹部から成ることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  4. 散乱部は、リッジ導波路に隣接した領域近傍の第1の基板表面または裏面の少なくとも一方に形成された凹部から成り、前記凹部の少なくとも一部が周期構造を有することを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  5. 散乱部は、リッジ導波路に隣接した領域近傍の第1の基板裏面に形成された凸部から成り、前記凸部は第2の基板と貼り合わされていることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  6. 散乱部は、リッジ導波路に隣接した領域近傍の第1の基板裏面に形成された凸部から成り、前記凸部の少なくとも一部が周期構造を有し、かつ前記凸部は前記第2の基板と貼り合わされていることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  7. 散乱部はリッジ導波路の出射部近傍に形成されていることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  8. リッジ導波路内には周期状の分極反転構造を備え、前記リッジ導波路内で基本波が高調波に変換されていることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
  9. リッジ導波路内で、波長λ1の基本波が波長λ2の高調波に変換される光学素子において、前記リッジ導波路の厚みをT1、前記リッジ導波路側部の基板厚みをT2、前記凹部の基板厚みをT3とした場合に、T1>T2>T3の条件を満足し、かつ前記リッジ導波路の厚みT1は、波長λ1、波長λ2ともに導波条件を満足し、前記リッジ導波路側部の基板厚みT2は、波長λ2に対してのみ導波条件を満足し、前記凹部の基板厚みT3は波長λ1、波長λ2ともに導波条件を満足しないことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  10. 第1の基板と第2の基板の屈折率がほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  11. 第1の基板のストライプ状のギャップ部に光学薄膜を備えていることを特徴とする請求項2に記載の光学素子。
  12. 第1の基板の屈折率よりも小さい屈折率を有する材料が、ストライプ状のギャップ部に充填されていることを特徴とする請求項2記載の光学素子。
  13. ギャップ部に充填されている材料が、紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項12に記載の光学素子。
  14. 光学研磨された第1の基板と、前記第1の基板に貼り合わされた第2の基板と、前記第1の基板の表面に形成されたリッジ導波路と、前記リッジ導波路の隣接した領域近傍に散乱部を有する光学素子と、半導体レーザとを備え、前記半導体レーザからの光は前記光学素子のリッジ導波路を伝搬していることを特徴とするコヒーレント光源。
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