JP2006267030A - 検水供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 配管損失や気相トラップの増大、測定遅れ等の問題を生じることなく、小形・軽量で小試料水量仕様の新形水質装置を採用できる検水供給装置を提供すること。
【解決手段】 脱気槽3から、脱気された試料水を水質装置の検出器へ自然流下させる検水供給配管11aを備え、検水供給配管11aから検出器52aに供給される試料水の一部を分流し、排出側に流す配管7によるバイパス経路を設けた検水供給装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に上・下水処理場等に据付・運用される自然流下式の水質計装装置の水質検出部に、被測定対象の検水(試料水)を供給する検水供給装置に関する。
一般に、上・下水処理場等では、原水、ろ過水、浄水、雨水、汚水等について、pH、濁度などの水質の検出・測定・記録が行われている。このため、水質装置室等に集中設置された脱泡槽と水質装置間に、配管・継ぎ手・弁等から構成される検水供給装置が設けられ、それに関する提案も行なわれている(例えば、特許文献1参照)。
このような検水供給装置では、水質測定の対象となる原水・ろ過水・浄水・雨水・汚水等は、それらを収集・生成・保管する槽・池等の現場から、検水ポンプ等により、配管を介して、水質装置室等に設置された流量調整弁を介して、脱泡槽(脱気槽)へ圧送される。脱泡された試料水は、検水供給配管の始端側に設けられた供給調整弁の開操作により、検水供給配管を自然流下する。そして、検水供給配管と水質装置の入口部分との間に設けられた流量調整弁の開操作により、水質装置の検出器へ供給される。検出器にて水質検出後は、水質装置の出口側に設けられた排出弁から排水槽等へ回収される。
なお、水質装置の検出器による検出値は、測定者等が判読しやすい高さに取付られた表示部に、指針の振れ又は数値にて外部表示等される。
脱泡槽では、内部に越流堰を設けるなどして、ポンプにより圧送されてきた試料水に混入している気相(泡など)を十分に分離させ、水質装置の検出器に気相が流れ込まないようにしている。
ここで、試料水を槽・池等の現場から脱泡槽に送る検水ポンプの吐出容量及び流速等は、上記現場からの配管長に見合った損失増大と配管内径汚れの影響とを考慮して、大きめに選択されている。このため、脱泡槽内にて気相分と共に越流堰をオーバーフローする水量は多量となり、排水弁を介して排出用配管に流れる排水量も多量となる。この排水は、水質装置から排出される検出済の試料水と共に排水槽等へ回収される。
また、配管の配置、特に、横方向の配置は、自然流下のため、脱泡槽から水質装置に向けて、下げ勾配となるように考慮する。自然流下の源は、脱泡槽の水位(一般には、越流堰の上端)と水質装置側検出器の排出高さの差であり、供給調整弁と水質装置の流量調整弁の開閉量により、供給量を調整する。
このような水質検出装置では、目視などによる日常点検及び定期点検(測定休止して水質装置全体の詳細調査・検査を行う)により、測定異常の早期摘出、測定精度・信頼性の確保が行われており、既設装置が老朽化した場合、装置の代替更新が行われる。また、関連法令等の改定に伴う水質検出項目の増補、検出精度の厳格化などに対し、原理構成を新しくした、小形・高精度・省力などを特徴とする新形水質計装装置が採用される機会が増える傾向にある。
例えば、ろ過水等の水質の一つである、濁度は0.1度級の管理が必要とされるようなり、原水等の濁度50〜10度級の管理に比べて桁違いの高精度仕様となる。このため、従来の散乱光式に代えて、レーザ光等を応用した新形装置の採用が増えている。また、検査項目によっては、従来型の装置も必要となる。したがって、新形と旧型の水質装置が混在することとなる。
新形レーザ光濁度装置の性能の特徴の一つとして、サンプリング水量が少なくて済む、というより、性能上、少量の維持が必要となっていることが挙げられる。また、新形水質装置は、小形・軽量・デジタル表示等により、旧型・従来品を据付けていたスペース内に、容易に据付可能な場合が多い。しかし、脱泡槽と水質装置間の検水供給用の既設配管類は、耐久性が高く、他の水質装置用の配管類と支持材の共有、交差配置も多いため、合理的な判断のもと、配管類は新設せず、既設配管を流用することが多い。
ここで、検出用の試料水量が減少すると、旧型・従来品用の太い既設配管等を流用した場合、当該配管内の試料水の滞留時間が長くなり、水質測定の対象となる槽・池等の現場の原水・ろ過水・浄水・雨水・汚水等の水質をリアルタイムに検出・表示していないことになる。すなわち、いわゆる、測定遅れを起こすことになる。
一方、新形水質装置にあわせ、既設配管類を撤去・新設した更新を行うと、小試料水に合せた小径配管では、配管損失が増大し、内壁汚れによる抵抗の増加が懸念される。このため、配管について小径選択が制約される。
さらに、配管の横方向の配置については、前述のように、下げ勾配が考慮されるが、配管が長くなったり、横方向での左右への曲げ・継ぎ等が多くなると、試料水に混在・浸入した気相が、配管途中でトラップされやすく、試料水の使用量が低減してしまう。すなわち、流れがおそくなる程、気相を配管端まで巻き込んで流れ去る作用が低下し、トラップ量が増大すると共に、配管勾配の変化等によっては流れの停止にもなりかねない。
特開平7−120362号公報
このように、新形の小試料水量仕様の検出器に対応させて検水供給配管を細くすると配管損失が増大し、内壁汚れによる抵抗の増加が懸念される。また、試料水の流れがおそくなり、気相のトラップ量が増大するという問題も生じた。また、太い配管を用いると、配管内における試料水の滞留時間が長くなり、いわゆる、測定遅れを起こして、現場の水質をリアルタイムに検出・表示していないことになる。
本発明の目的は、配管損失や気相トラップの増大、測定遅れ等の問題を生じることなく、小形・軽量で小試料水量仕様の新形水質装置を採用できる検水供給装置を提供することにある。
本発明の検水供給装置は、脱気槽から、脱気された試料水を水質装置の検出器へ自然流下させる検水供給配管を備えた検水供給装置であって、前記検水供給配管から前記検出器に供給される試料水の一部を分流し、排出側に流すバイパス手段を設けたことを特徴とする検水供給装置。
本発明では、バイパス手段として、前記検出器の入口側と出口側にそれぞれ三方弁を設け、前記検水供給配管と前記検出器の入口との間に入口側三方弁の第1、第2の弁口を連結すると共に、この検出器の出口側に出口側三方弁の第1、第2の弁口を連結した排出管を設け、これら入口側三方弁の第3の弁口と出口側の三方弁の第3の弁口とを相互に連結してバイパス経路を形成し、前記検水供給配管から供給される試料水の一部を前記バイパス経路により排出側の三方弁を通して排出させるとよい。
また、本発明では、水質装置の検出器は、小試料水量仕様であり、脱気槽に対する検出器の入口高さを、大使用水量仕様の入口高さより低く設置することができる。
さらに、本発明では、バイパス手段として、検出器の入口と検水供給配管との間に三方弁の第1、第2の弁口を連結し、脱気槽から、脱気された試料水以外の水を排出させるための排出用配管の途中にエジェクタを設け、前記三方弁の第3の弁口と前記エジェクタの負圧口とを相互に連結してバイパス経路を形成し、前記検水供給配管から供給される試料水の一部を前記バイパス経路により前記排出用配管に流すように構成してもよい。
また、本発明の検水供給装置は、脱気槽から脱気された試料水を、水質装置の、小試料水量仕様の検出器及び大試料水量仕様の検出器へ、個別に設けた検水供給配管で自然流下によりそれぞれ供給する検水供給装置であって、前記検水供給配管から前記小試料水量仕様の検出器に供給される試料水の一部を分流して、前記大試料水量仕様の検出器に流すバイパス手段を設けている。
本発明では、バイパス手段として、小試料水量仕様の検出器の入口と、対応する検水供給配管との間に三方弁の第1、第2の弁口を連結すると共に、大試料水量仕様の検出器の入口と、対応する検水供給配管との間に三方弁の第1、第2の弁口を連結し、これら小試料水量仕様側の三方弁の第3の弁口と大試料水量仕様側の三方弁の第3の弁口とを相互に連結してバイパス経路を形成し、前記小試料水量仕様の検出器へ、対応する検水供給配管から供給される試料水の一部を、前記バイパス経路により大試料水量仕様側の三方弁を通して大試料水量仕様の検出器へ流すとよい。
さらに、本発明の検水供給装置では、検水供給配管から小試料水量仕様の検出器に供給される試料水の一部を分流して、大試料水量仕様の検出器に流すと共に、排出側にも流すバイパス手段を設けている。
本発明では、バイパス手段として、小試料水量仕様の検出器の入口と、対応する検水供給配管との間に四方弁の第1、第2の弁口を連結すると共に、この検出器の出口側に三方弁の第1、第2の弁口を連結した排出管を設け、大試料水量仕様の検出器の入口と、対応する検水供給配管との間に入口側三方弁の第1、第2の弁口を連結し、前記四方弁の第3の弁口と前記入口側三方弁の第3の弁口とを相互に連結して第1のバイパス経路を形成すると共に、前記四方弁の第4の弁口と前記出口側の三方弁の第3の弁口とを相互に連結して第2のバイパス経路を形成し、前記小試料水量仕様の検出器へ、対応する検水供給配管から供給される試料水の一部を、前記第1のバイパス経路により前記入口側三方弁を通して大試料水量仕様の検出器へ流すと共に、前記第2のバイパス経路により出口側の三方弁を通して排出させている。
また、本発明では、バイパス手段として、小試料水量仕様の検出器の入口と、対応する検水供給配管との間に四方弁の第1、第2の弁口を連結すると共に、前記大試料水量仕様の検出器の入口と、対応する検水供給配管との間に三方弁の第1、第2の弁口を連結し、脱気槽から、脱気された試料水以外の水を排出させるための排出用配管の途中にエジェクタを設け、前記四方弁の第3の弁口と前記三方弁の第3の弁口とを相互に連結して第1のバイパス経路を形成すると共に、四方弁の第4の弁口と前記エジェクタの負圧口とを相互に連結して第2のバイパス経路を形成し、前記小試料水量仕様の検出器へ、対応する検水供給配管から供給される試料水の一部を、前記第1のバイパス経路により前記三方弁を通して大試料水量仕様の検出器へ流すと共に、前記第2のバイパス経路により排出用配管に流すようにしてもよい。
本発明によれば、水質レベルの適正・厳格化等に呼応して製品化された、小形・軽量・小試料水量仕様の新形水質装置の検出器を、既設の取付けスペースに取付け、既設配管を継続使用して、脱気槽から検出器へ試料水を、経済的・合理的に供給できる。また、小試料水量仕様の水質装置検出器へ流れ込む試料水を適正な少量に制御できると共に、脱気槽の供給調整弁から排水槽等への試料水の適正な流れを維持でき、試料水が小試料水量仕様の水質装置検出器の前方に滞留することなく、又、混入している気相のトラップを低減防止し、水質装置の検出信頼性を安定・維持できる。
以下、本発明による検水供給装置の一実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、この実施の形態における検水供給装置の全体構成を示している。図1において、1は検水ポンプで、水質測定の対象となる原水・ろ過水・浄水・雨水・汚水等を、収集・生成・保管する図示しない槽・池等の現場から、配管により、水質装置室等に設置された流量調整弁2を介して、脱気槽3へ圧送する。脱気槽3は、その内部に越流堰31を設けて、ポンプ1により圧送されてきた試料水に混入している泡などの気相を十分に分離させ、後述する供給調整弁2a、2bから水質装置の検出器52a、52bに気相が流れ込まないようにしている。
11a、11bはそれぞれ検水供給配管で、脱気槽3と水質装置の検出器52a,52bとの間に配管されており、脱気槽3において気相が分離された試料水を、自然流下により対応する検出器52a,52bに供給する。これら検水供給配管11a、11bの始端近くには供給調整弁2a、2bが設けられ、また、終端近くには流量調整弁44a、42bが設けられている。
ここで、水質装置の検出器52a,52bのうち、一方の検出器52aは、レーザ光応用などによる新形の小試料水量仕様のものであり、他方の検出器52bは、これまでとおりの試料水量を要するもの(比較上、大試料水量仕様と呼ぶ)とする。また、検水供給配管11a,11bは、いずれもこれまで通りの水量(比較上、大水量と呼ぶ)を供給可能な口径のものを使用している。
ここで、この実施の形態では、検水供給配管11aからから小試料水量仕様の検出器52aに供給される試料水の一部を分流し、排出側に流すバイパス手段を設けたことを特徴としている。
大試料水量仕様の検出器52bの流量調整弁42bにはこれまで通りの二方弁を用いるが、小試料水量仕様の検出器52aの流量調整弁44aには三方弁を用いる。この三方弁44aの第1の弁口44a1及び第2の弁口44a2を、検水供給配管11aと検出器52aの入口との間に連結している。
また、これら検出器52a,52bの検出器の出口側には排出弁64a,62bを有する排出管が設けられる。これらについても、大試料水量仕様の検出器52b側の排出弁62bにはこれまで通りの二方弁を用いる。これに対し、小試料水量仕様の検出器52a側の排出弁64aには三方弁を用い、その第1の弁口64a1及び第2の弁口64a2を、この検出器52aの出口側排出管に設けている。
そして、これら入口側の三方弁44aの第3の弁口44a3と出口側の三方弁64bの第3の弁口64a3とを、配管7により、出口側三方弁64aの方向へ下げ勾配となるように連結し、図示しない排水槽に通じる前述したバイパス経路を形成する。すなわち、三方弁44a,64aの第3の弁口44a3,64a3を、配管7により、弁口64a3に向って降り勾配で連結してバイパス経路とすることにより、前述したバイパス手段が構成される。そして、検水供給配管11aから供給される試料水の一部を配管7によるバイパス経路により排出側の三方弁64aを通して排出させている。
なお、脱気相3における越流堰31からのオーバーフロー分(気相を含む脱気されない分)は、排水弁2eを介して、水質装置の排出弁64a、62b等からの排出先として共有された、図示しない排水槽等へ回収される。また、各検出器52a、52bの検出値は、測定者等に判読しやすい高さに取付けられた水質装置の表示部53a、53bに、指針の振れ又は数値にて外部表示される。
また、水質装置の検出器として2つの検出器52a,52bの2台を例示したが、実際には水質項目の数だけ台数が必要になる。
上記構成において、脱気相3で脱泡された試料水は、供給調整弁2a,2bの開操作により、検水供給配管11a,11b内を自然流下し、対応する流量調整弁44a,42bの開操作により、水質装置の検出器52a,52bへ供給され、水質装置の排出弁64a,62bから図示しない排水槽へ回収される。自然流下の源は、脱気槽3の水位(一般には、越流堰31の上端)と水質装置検出器52a,52bの排出高さとの差Hであり、供給調整弁2a,2bと流量調整弁44a,42bの開閉量により、供給量を調整する。
ここで、一方の検出器52aは、設備老朽化に伴う更新又は増設のため、前述のように、新規に設置された小試料水量仕様の水質装置検出器であり、多くの試料水量を流すことができない。そこで、入口側流量調整弁44aにより検出器52aに流れ込む試料水量を適切な小試料水量に調整する。また、入口側流量調整弁(三方弁)44aの第3の弁口44a3と出口側排出弁(三方弁)64aの第3の弁口64a3とを配管7にて連通してバイパス経路を構成しているため、入口側流量調整弁44a又は出口側排出弁64aの開度等を調整することにより、検出器52aへ流れ込む試料水以外はこのバイパス経路経由で出口側排出弁64aから排水される。
すなわち、小試料水量仕様の検出器52aに対し、試料水量を適正な少量に制御すると共に、検水供給配管11aから供給される試料水の多くを、入口側流量調整弁44aから配管7を介してバイパスさせ、出口側排出弁64aから排水する。
このように、検出器52aへの適正な少量の試料水量の流れ込みを確保できると共に、検水供給配管11aにより供給された多くの試料水を出口側排出弁64aへバイパスして排水できるので、検出器52aが小試料水量仕様であっても、試料水が検出器52aの前方に滞留することはない。すなわち、検水供給配管11aには、これまでと同等の関係であるため、検出器52aに流れる試料水量が小水量であると、この検出器52aの前方に大量の試料水が滞留することが考えられるが、バイパス分を含め、これまでと同等以上の試料水が流れるため、滞留が生じることはなく、滞留に基く試料水の検出遅れを防止できる。また、充分な流量・流速を確保できるので、試料水に混入している気相のトラップを低減防止できる。
水質装置の検出器52aは、小試料水量仕様であるため形状も小形であり、脱気槽3に対する検出器52aの入口高さを、大使用水量仕様の入口高さより低く設置できる。図2は、この位置関係を表している。例えば、設備老朽化に伴う更新のため、新たな水質装置の検出器52aを設置する場合、従来型と同じ位置関係に設置すれば、前述のように高低差Hの高さとなる。しかし、小試料水量仕様の新形の水質装置の検出器52aは小形であり、入口側流量調整弁44a及び出口側排出弁64aを、既設設備の取付け廻りのスペースに許容される最下限の高さまで下げることにより、脱気槽3に対する検出器52aの入口高さを、図2で示すようにでは、高さh分だけ下げて取付けることが可能となる。
なお、水質装置の表示部53aの取付け高さは変えずに、測定者等に判読しやすい高さのままとする。検出器52aとの変位長さは両者間を接続している電気ケーブル(図中の破線部分)等の余長内で吸収する。
このように、水質装置の検出器52a及び弁類を、取付け廻りのスペースに許容される最下限の高さ(H+h)まで下げると、脱気槽3の上面水位との水頭差が大きくなり、試料水の自然流下作用が強まる。試料水の自然流下作用が強まると、試料水が検出器52aの前方に滞留し難くなると共に、出口側排出弁64aへのバイパス量を高めて、排水されやすくできる。これらの結果、試料水の検出遅れ及び混入している気相のトラップを一層、低減・防止できる。
次に、図3で示す実施の形態を説明する。この実施の形態も、脱気槽3から試料水が供給される水質装置の検出器は、小試料水量仕様の検出器52a及び大試料水量仕様の検出器52bであり、個別に設けた検水供給配管11a,11bにより自然流下で試料水が供給される。
この実施の形態も、小試料水量仕様の検出器52aに検水供給配管11aから供給される試料水の一部を分流し、排出側に流すバイパス手段を設けているが、バイパス手段として、後述する排出用配管73に設けられたエジェクタ8の負圧を利用したことを特徴としている。
ここで、大試料水量仕様の検出器52bに対しては入口側の流量調整弁及び出口側の排出弁として、これまでと同様に二方弁42b、62bを用いている。これに対し、小試料水量仕様の検出器52aに対しては、入口側の流量調整弁に三方弁44aを、出口側の排出弁に二方弁62aを用いている。また、脱気槽3において気相(泡など)と共に越流堰をオーバーフローした試料水を図示しない排水槽に排出するために、脱気槽排水弁2eを介して上述した排出用配管73が設けられるが、この排出用配管73の途中に、エジェクタ8を取付ける。
小試料水量仕様の水質装置検出器52aの入口側に設けた三方弁44aの第1の弁口44a1、第2の弁口44a2は、検水供給配管11aと検出器52aの入口との間に連結する。また、この三方弁44aの第3の弁口44a3は、前記エジェクタ8の負圧口に配管75により連結してバイパス経路を形成している。すなわち、三方弁44aの第3の弁口44a3を、配管75により、エジェクタ8の負圧口に連結してバイパス経路とすることにより、前述したバイパス手段が構成される。そして、検水供給配管11aから供給される試料水の一部を配管75によるバイパス経路により排出用配管73に流している。
上記構成において、脱気相3に検査対象水を供給する検水ポンプ1の吐出容量及び流速等は、配管長に見合った損失増大と配管内径汚れの影響を考慮して、大きめに選択されている。このため、脱気槽3内にて越流堰31をオーバーフローして排出用配管13に流れる試料水も多くなる。この多量に排水される試料水に対応して、排水用配管73の途中にエジェクタ8を取付け、満水にて流速を高めることにより、その負圧口には比較的高い負圧が得られる。このため、そのエジェクタ8の負圧口へ、流量調整用の三方弁44aの第3の弁口44a3を配管75で連通させることにより、負圧によるバイパス経路が形成される。
このように、エジェクタ8の負圧口へ、入口側流量調整用三方弁44aの第3の弁口44a3を配管75で連通させてバイパス経路を形成したので、水質装置検出器52aへの試料水を小試料水量としても、この小試料水量仕様の水質装置検出器52aの前方に試料水が滞留することはない。すなわち、配管75によるバイパス経路で、試料水を強制的に図示しない排水槽等へバイパスし、排水できる。このため、試料水の検出遅れ及び混入している気相のトラップを低減・防止できる。
次に、図4で示す実施の形態を説明する。この実施の形態も、脱気槽3から試料水が供給される水質装置の検出器は、小試料水量仕様の検出器52a及び大試料水量仕様の検出器52bであり、個別に設けた検水供給配管11a,11bにより自然流下で試料水が供給される。
この実施の形態では、検水供給配管11aから小試料水量仕様の検出器52aに供給される試料水の一部を分流して、大試料水量仕様の検出器52bに流すバイパス手段を設けたことを特徴としている。
そのために、これら両検出器52a,52bに対する入口側流量調整弁には、それぞれ三方弁44a,44bを用いる。また、これら検出器52a,52bの出口側排出弁には、それぞれ二方弁62a,62bを用いる。
前記三方弁44aの第1の弁口44a1、第2の弁口44a2は、小試料水量仕様の検出器52aの入口と対応する検水供給配管11aとの間に連結する。また、三方弁44bの第1の弁口44b1、第2の弁口44b2は大試料水量仕様の検出器52bの入口と対応する検水供給配管11bとの間に連結する。さらに、これら三方弁44a,44bの第3の弁口44a3,44b3を配管71により相互に連結し、かつ、三方弁44bへ向かって下げ勾配となるように連結し、三方弁44bから大試料水量仕様の検出器52bに通じるバイパス経路を形成する。すなわち、三方弁44a,44bの第3の弁口44a3,44b3を、配管71により、弁口44b3に向って降り勾配で連結してバイパス経路とすることにより、前述したバイパス手段が構成される。そして、この配管71によるバイパス経路により、小試料水量仕様の検出器52aへ供給される試料水の一部を、大試料水量仕様の検出器52bへ流している。
このように構成すると、小試料水量仕様の水質装置検出器52aの入口側流量調整弁44a又は大試料水量仕様の水質装置検出器52bの入口側流量調整弁44bの開度等を調整することにより、小試料水量仕様の水質装置検出器44aへ流れ込む試料水の一部を分流して適正な少量に制御できる。また、分流された試料水は、配管71及び三方弁44bを介して大試料水量仕様の水質装置検出器52bに流れ、その流量を高めることができる。
これらの結果、試料水が小試料水量仕様の水質装置検出器52aの試料水量を少量としても、試料水がその前方に滞留することはない。また、小試料水量仕様の水質装置検出器52aの入口側流量調整弁44aから配管71を介してバイパスされた試料水は、大試料水量仕様の水質装置検出器52bに供給使用されるため、検水供給配管11aではこれまでと同等の流量を維持できる。したがって、試料水の滞留による検出遅れが生じたりすることはなく、混入している気相のトラップを低減・防止できる。
次に、図5で示す実施の形態を説明する。この実施の形態でも、脱気槽3から試料水が供給される水質装置の検出器は、前記実施の形態と同じく、小試料水量仕様の検出器52a及び大試料水量仕様の検出器52bであり、個別に設けた検水供給配管11a,11bにより自然流下で試料水が供給される。
この実施の形態では、検水供給配管11aから小試料水量仕様の検出器52aに供給される試料水の一部を分流して、大試料水量仕様の検出器52bに流すと共に、排出側にも流すバイパス手段を設けたことを特徴とする。
ここで、小試料水量仕様の水質装置検出器52aに対する入口側流量調整弁には四方弁46aを用い、大試料水量仕様の水質装置検出器52bに対する入口側流量調整弁には三方弁44bを用いる。また、検出器52aの出口側排出弁には三方弁64aを用い、検出器52bの出口側排出弁には二方弁62bを用いる。
前記四方弁46aの第1の弁口46a1、第2の弁口46a2は、小試料水量仕様の検出器52aの入口と、検水供給配管11aとの間に連結する。また、この検出器52aの出口側の排出用配管12aには、三方弁64aの第1の弁口64a1、第2の弁口64a2を連結する。
前記大試料水量仕様の検出器52aの入口側には、対応する検水供給配管11bとの間に三方弁44bの第1の弁口44b1、第2の弁口44b2を連結する。また、その第3の弁口44b3は、前記四方弁46bの第3の弁口46b3と配管72で連結して第1のバイパス経路を形成する。さらに、この四方弁46bの第4の弁口46b4は、配管7により排出側の三方弁64aの前記第3の弁口64a3に向って下げ勾配で連結して第2のバイパス経路を形成する。すなわち、四方弁46bの第3の弁口46b3を、大試料水量仕様側の三方弁44bの第3の弁口44b3に配管72で連結して第1のバイパス経路とし、かつ、この四方弁46bの第4の弁口46b4を、配管7により排出側の三方弁64aの前記第3の弁口64a3に向って下げ勾配で連結して第2のバイパス経路としたことにより、上述のバイパス手段が構成される。
そして、小試料水量仕様の検出器52aへ供給される試料水の一部を、配管72による第1のバイパス経路により大試料水量仕様側の三方弁44bを通して大試料水量仕様の検出器52bへ流すと共に、配管7による第2のバイパス経路により排出側の三方弁64bを通して排出側にも流している。
上記構成において、小試料水量仕様の水質装置検出器52aの入口側に設けられた四方弁46aの2つの弁口46a3,46a4は、大試料水量仕様の水質装置検出器52bの入口側に設けられた三方弁42bの第3の弁口42b3と、小試料水量仕様の水質装置検出器52aの出口側に設けられた三方弁64aの第3の弁口64a3とに、それぞれ配管72,7で連通しているため、小試料水量仕様の水質装置検出器52aの前方に到達する試料水は、まず、配管72による第1のバイパス経路を通って大試料水量仕様の水質装置検出器52bにバイパスされ、更に、配管7による第2のバイパス経路及び小試料水量仕様の水質装置検出器52aの出口側の三方弁64aを通って排出側にもバイパスされる。
このように、大試料水量仕様の水質装置検出器52bでバイパスされ、更に、小試料水量仕様の水質装置検出器52aの出口側排出弁64aでバイパスされるため、脱気槽3から小試料水量仕様の水質装置検出器52aに到るまでの配管等が長くても、試料水の滞留を確実に防ぐことができ、検出遅れ及び混入している気相のトラップを低減・防止できる。
次に、図6で示す実施の形態を説明する。この実施の形態も、脱気槽3から試料水が供給される水質装置の検出器は、小試料水量仕様の検出器52a及び大試料水量仕様の検出器52bであり、個別に設けた検水供給配管11a,11bにより自然流下で試料水が供給される。
また、この実施の形態も、検水供給配管11aから小試料水量仕様の検出器52aに供給される試料水の一部を分流して、大試料水量仕様の検出器52bに流すと共に、排出側にも流すバイパス手段を設けているが、バイパス手段として、排出用配管73に設けられたエジェクタ8の負圧を利用したことを特徴としている。
すなわち、図3と同様に、脱気槽3において気相(泡など)と共に越流堰をオーバーフローした試料水を図示しない排水槽に排出させる排出用配管73の途中に、エジェクタ8を取付けている。
また、図5と同様に、大試料水量仕様の検出器52bの入口側の流量調整弁に三方弁44bを用い、小試料水量仕様の検出器52aの入口側の流量調整弁に四方弁46aを用い、この四方弁の第3の弁口46a3と前記三方弁44bの第3の弁口44b3とを配管72で相互に連結して第1のバイパス経路を形成する。図5と異なるのは、この四方弁46aの第4の弁口46a4を、前記エジェクタ8の負圧口に配管75で連結して第2のバイパス経路を形成したことである。すなわち、すなわち、四方弁46bの第3の弁口46b3を、大試料水量仕様側の三方弁44bの第3の弁口44b3に配管72で連結して第1のバイパス経路とし、かつ、この四方弁46bの第4の弁口46b4を、配管75によりエジェクタ8の負圧口に連結して第2のバイパス経路としたことにより、上述のバイパス手段が構成される。
そして、検水供給配管から11aから小試料水量仕様の検出器52aに供給される試料水の一部を、配管72による第1のバイパス経路により三方弁44bを通して大試料水量仕様の検出器52bへ流すと共に、配管75による第2のバイパス経路により排出用配管73に流している。
このように構成したので、小試料水量仕様の水質装置検出器52aの前方に到達する試料水は、まず、大試料水量仕様の水質装置検出器52bでバイパスされ、更に、小試料水量仕様の水質装置検出器52aの入口側流量調整弁46aからエジェクタ8の負圧で強制吸引され、排出用配管73へバイパスされる。
このため、脱気槽3から小試料水量仕様の水質装置検出器52aに到るまでの配管等が長くても、試料水の滞留による検出遅れを防ぎ、また、混入している気相のトラップを低減・防止できる。
このように、上記各実施の形態によれば、水質レベルの適正・厳格化等に呼応して製品化された、小形・軽量で小試料水量使用の新形水質装置の検出器・表示器を、既設品の取付けスペースに取付け、既設配管を継続使用して、脱気槽から検出器へ試料水を、経済的・合理的に供給できる。また、小試料水量仕様の水質装置検出器へ流れ込む試料水を適正な少量に制御できると共に、脱気槽からの試料水の適正な流れを維持でき、試料水が小試料水量仕様の水質装置検出器の前方に滞留することなく、又、混入している気相のトラップを低減・防止し、水質装置の検出信頼性を安定・維持できる。
本発明による検水供給装置の一実施の形態を示す構成図である。 同上一実施の形態の一部を改良した構成を示す部分図である。 本発明のバイパス手段として、試料水の一部を排出用配管の負圧を用いて排出側に流す実施の形態を示す図である。 本発明のバイパス手段として、試料水の一部を大試料水量仕様の検出器に流す実施の形態を示す図である。 本発明のバイパス手段として、試料水の一部を大試料水量仕様の検出器に流すと共に排出側にも流す実施の形態を示す図である。 本発明のバイパス手段として、試料水の一部を大試料水量仕様の検出器に流すと共に排出側にも流す他の実施の形態を示す図である。
符号の説明
11a,11b 検水供給配管
3 脱気槽
44a 入口側の三方弁
44a1 第1の弁口
44a2 第2の弁口
44a3 第3の弁口
52a 小試料水仕様の水質装置の検出器
52b 大試料水仕様の水質装置の検出器
64b 出口側の三方弁
64b1 第1の弁口
64b2 第2の弁口
64b3 第3の弁口
7 バイパス経路を形成する配管

Claims (9)

  1. 脱気槽から、脱気された試料水を水質装置の検出器へ自然流下させる検水供給配管を備えた検水供給装置であって、
    前記検水供給配管から前記検出器に供給される試料水の一部を分流し、排出側に流すバイパス手段を設けた
    ことを特徴とする検水供給装置。
  2. バイパス手段として、
    前記検出器の入口側と出口側にそれぞれ三方弁を設け、前記検水供給配管と前記検出器の入口との間に入口側三方弁の第1、第2の弁口を連結すると共に、この検出器の出口側に出口側三方弁の第1、第2の弁口を連結した排出管を設け、
    これら入口側三方弁の第3の弁口と出口側の三方弁の第3の弁口とを相互に連結してバイパス経路を形成し、
    前記検水供給配管から供給される試料水の一部を前記バイパス経路により排出側の三方弁を通して排出させることを特徴とする請求項1に記載の検水供給装置。
  3. 水質装置の検出器は、小試料水量仕様であり、脱気槽に対する検出器の入口高さを、大使用水量仕様の入口高さより低く設置したことを特徴とする請求項2に記載の検水供給装置。
  4. バイパス手段として、
    検出器の入口と検水供給配管との間に三方弁の第1、第2の弁口を連結し、
    脱気槽から、脱気された試料水以外の水を排出させるための排出用配管の途中にエジェクタを設け、
    前記三方弁の第3の弁口と前記エジェクタの負圧口とを相互に連結してバイパス経路を形成し、
    前記検水供給配管から供給される試料水の一部を前記バイパス経路により前記排出用配管に流すことを特徴とする請求項1に記載の検水供給装置。
  5. 脱気槽から脱気された試料水を、水質装置の、小試料水量仕様の検出器及び大試料水量仕様の検出器へ、個別に設けた検水供給配管で自然流下によりそれぞれ供給する検水供給装置であって、
    前記検水供給配管から前記小試料水量仕様の検出器に供給される試料水の一部を分流して、前記大試料水量仕様の検出器に流すバイパス手段を設けた
    ことを特徴とする検水供給装置。
  6. バイパス手段として
    小試料水量仕様の検出器の入口と、対応する検水供給配管との間に三方弁の第1、第2の弁口を連結すると共に、大試料水量仕様の検出器の入口と、対応する検水供給配管との間に三方弁の第1、第2の弁口を連結し、
    これら小試料水量仕様側の三方弁の第3の弁口と大試料水量仕様側の三方弁の第3の弁口とを相互に連結してバイパス経路を形成し、
    前記小試料水量仕様の検出器へ、対応する検水供給配管から供給される試料水の一部を、前記バイパス経路により大試料水量仕様側の三方弁を通して大試料水量仕様の検出器へ流すことを特徴とする請求項5に記載の検水供給装置。
  7. 脱気槽から脱気された試料水を、水質装置の、小試料水量仕様の検出器及び大試料水量仕様の検出器へ、個別に設けた検水供給配管で自然流下によりそれぞれ供給する検水供給装置であって、
    前記検水供給配管から前記小試料水量仕様の検出器に供給される試料水の一部を分流して、前記大試料水量仕様の検出器に流すと共に、排出側にも流すバイパス手段を設けた
    ことを特徴とする検水供給装置。
  8. バイパス手段として
    小試料水量仕様の検出器の入口と、対応する検水供給配管との間に四方弁の第1、第2の弁口を連結すると共に、この検出器の出口側に三方弁の第1、第2の弁口を連結した排出管を設け、
    大試料水量仕様の検出器の入口と、対応する検水供給配管との間に入口側三方弁の第1、第2の弁口を連結し、
    前記四方弁の第3の弁口と前記入口側三方弁の第3の弁口とを相互に連結して第1のバイパス経路を形成すると共に、前記四方弁の第4の弁口と前記出口側の三方弁の第3の弁口とを相互に連結して第2のバイパス経路を形成し、
    前記小試料水量仕様の検出器へ、対応する検水供給配管から供給される試料水の一部を、前記第1のバイパス経路により前記入口側三方弁を通して大試料水量仕様の検出器へ流すと共に、前記第2のバイパス経路により出口側の三方弁を通して排出させることを特徴とする請求項7に記載の検水供給装置。
  9. バイパス手段として、
    小試料水量仕様の検出器の入口と、対応する検水供給配管との間に四方弁の第1、第2の弁口を連結すると共に、前記大試料水量仕様の検出器の入口と、対応する検水供給配管との間に三方弁の第1、第2の弁口を連結し、
    脱気槽から、脱気された試料水以外の水を排出させるための排出用配管の途中にエジェクタを設け、
    前記四方弁の第3の弁口と前記三方弁の第3の弁口とを相互に連結して第1のバイパス経路を形成すると共に、四方弁の第4の弁口と前記エジェクタの負圧口とを相互に連結して第2のバイパス経路を形成し、
    前記小試料水量仕様の検出器へ、対応する検水供給配管から供給される試料水の一部を、前記第1のバイパス経路により前記三方弁を通して大試料水量仕様の検出器へ流すと共に、前記第2のバイパス経路により排出用配管に流すことを特徴とする請求項7に記載の検水供給装置。
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