JP2006266117A - エンジン特性の推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジン制御パラメータに応じて変化するエンジン特性の推定方法において、推定されたエンジン特性の信頼性を高める。
【解決手段】 エンジン制御パラメータの第一特定値(I2)に対するエンジン特性の第一定常値(T(t3))を測定する段階と、エンジン制御パラメータを第一特定値から第二特定値(I3)まで連続的に変化させ、エンジン制御パラメータの連続変化に対するエンジン特性の過渡値変化を測定する段階と、エンジン制御パラメータを第二特定値から変化させない安定化期間(A3)の経過時に第二特定値に対するエンジン特性の第二定常値(T(t5))を測定する段階と、第二定常値と安定化期間の開始時におけるエンジン特性の過渡値(T(t4)’)との差に基づき、エンジン特性の過渡値変化を定常値変化に補正する段階、とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明はエンジン制御パラメータに応じて変化するエンジン特性の推定方法に関する。
一般的なエンジンにおいて、回転数及び負荷により定まる機関運転状態毎に、点火時期及び空燃比等のエンジン制御パラメータを制御して、エンジン出力及び排気エミッション等のエンジン特性を最良とすることが好ましい。このためには、機関運転状態毎の各エンジン制御パラメータの目標値を予め設定しておかなければならない。
エンジン制御パラメータが点火時期及び空燃比の二つである場合において、これら二つの機関運転状態毎の目標値を設定するためには、例えば、試作エンジン等を使用し、各機関運転状態において、空燃比を想定範囲内の各値に固定し、固定された空燃比の各値に対して、点火時期を想定範囲内で徐々に変化させて(スイープ)エンジン出力の変化を実測することにより、機関運転状態毎に最大エンジン出力を発生させる目標空燃比と目標点火時期との組み合わせを得ることが可能となる。
例えば、機関運転状態を200通りとし、空燃比の想定範囲内での変化を10通りとすれば、2000回の点火時期スイープに対してエンジン出力の変化を測定しなければならない。また、エンジンに可変バルブタイミング機構が設けられていて、例えば、吸気弁の開弁時期及び排気弁の閉弁時期がそれぞれ10通りに変化する場合には、機関運転状態毎に最大エンジン出力を発生させる目標空燃比と目標点火時期と目標吸気弁開弁時期と目標排気弁閉弁時期との組み合わせを得るための点火時期スイープ試験の回数は200000回にもなる。
さらに、各回の点火時期スイープ試験において、点火時期を変化させた直後のエンジン出力は過渡的な値であり、現在の点火時期に対応した定常値とは大きさが異なっている。こうして、点火時期スイープ試験において、点火時期を連続的に変化させてエンジン出力の過渡値変化を測定しても、それは傾向的には定常値変化と一致するが、この過渡値変化をエンジン出力の定常値変化としてそのまま使用することはできない。
それにより、一般的には、僅かに点火時期を変化させた後に、エンジン出力が定常値に安定するまでの安定化期間は点火時期を変化させないようにして、現在の点火時期に対応する定常エンジン出力が測定される。これが想定範囲内の点火時期に対して繰り返され、エンジン出力の定常値変化が測定されることとなるために、一回の点火時期スイープ試験は長時間となり、全体の試験工数は莫大なものとなる。
点火時期以外のエンジン制御パラメータをスイープさせる場合にも、エンジン制御パラメータの変化直後において、エンジン出力及び排気エミッションのようなエンジン特性は、やはり直ぐに定常値とはならず、エンジン制御パラメータを僅かに変化させる毎にエンジン特性値を安定させるための安定化期間を設けることが必要である。
試験工数を低減するために各スイープ試験時間を短くすることを意図して、各回のスイープ試験において、点火時期等のエンジン制御パラメータを想定範囲内で大きく変化させ、数点の定常エンジン特性値しか測定せず、これら数点のエンジン特性値からモデル式を設定してエンジン制御パラメータの変化に対するエンジン特性を推定することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−206456号公報 特開2004−68729号公報
しかしながら、こうして推定されるエンジン特性は、測定された数点のエンジン特性の定常値を除いて全くの推定であり、その信頼性はそれほど高くない。
従って、本発明の目的は、エンジン制御パラメータに応じて変化するエンジン特性の推定方法において、推定されたエンジン特性の信頼性を高めることである。
本発明による請求項1に記載のエンジン特性の推定方法は、エンジン制御パラメータに応じて変化するエンジン特性の推定方法であって、エンジン制御パラメータの第一特定値に対するエンジン特性の第一定常値を測定する段階と、前記エンジン制御パラメータを前記第一特定値から第二特定値まで連続的に変化させ、前記エンジン制御パラメータの連続変化に対する前記エンジン特性の過渡値変化を測定する段階と、前記エンジン制御パラメータを前記第二特定値から変化させない安定化期間の経過時に前記第二特定値に対する前記エンジン特性の第二定常値を測定する段階と、前記第二定常値と前記安定化期間の開始時における前記エンジン特性の過渡値との差に基づき、前記エンジン特性の前記過渡値変化を定常値変化に補正する段階、とを有することを特徴とする。
また、本発明による請求項2に記載のエンジン特性の推定方法は、エンジン制御パラメータに応じて変化するエンジン特性の推定方法であって、前記エンジン制御パラメータの連続変化に対する前記エンジン特性の過渡値変化を測定する段階と、前記エンジン制御パラメータの変化に対する前記エンジン特性の定常値変化を定常モデル式により推定する段階と、前記エンジン制御パラメータの連続変化に対する前記エンジン特性の過渡値変化を過渡モデル式により推定する段階と、推定された前記定常値変化と推定された前記過渡値変化との違いに基づき、測定された過渡値変化を定常値変化に補正する段階、とを有することを特徴とする。
また、本発明による請求項3に記載のエンジン特性の推定方法は、エンジン制御パラメータに応じて変化するエンジン特性の推定方法であって、当該エンジンにおける前記エンジン制御パラメータの連続変化に対する前記エンジン特性の過渡値変化を測定する段階と、前記当該エンジンにおける前記エンジン制御パラメータの変化に対する前記エンジン特性の定常値変化を定常モデル式により推定する段階と、前記当該エンジンにおける前記エンジン制御パラメータの連続変化に対する前記エンジン特性の過渡値変化を過渡モデル式により推定する段階と、別型式のエンジンにおける前記エンジン制御パラメータの変化に対する前記エンジン特性の定常値変化を定常モデル式により推定する段階と、前記別型式のエンジンにおける前記エンジン制御パラメータの連続変化に対する前記エンジン特性の過渡値変化を過渡モデル式により推定する段階と、前記別型式のエンジンにおいて予め測定された前記エンジン制御パラメータの変化に対する前記エンジン特性の定常値変化と過渡値変化との違いと、前記別型式のエンジンにおいて推定された前記定常値変化と推定された前記過渡値変化との違いと、前記当該エンジンにおいて推定された前記定常値変化と推定された前記過渡値変化との違いとに基づき、前記当該エンジンにおいて測定された過渡値変化を定常値変化に補正する段階、とを有することを特徴とする。
本発明による請求項1に記載のエンジン特性の推定方法によれば、安定化期間の経過時に測定されたエンジン特性の第二定常値と安定化期間の開始時におけるエンジン特性の過渡値との差は、エンジン制御パラメータを第一特定値から第二特定値へ変化させた時のエンジン制御パラメータの各値に対するエンジン特性の定常値と過渡値との差の累積と考えることができるために、例えば、エンジン制御パラメータを第一特定値から第二特定値へ変化させた時の経過時間で前述の差を比例配分すれば、エンジン特性の過渡値変化を定常値変化に補正することができる。こうして推定されたエンジン特性の定常値変化は、エンジン制御パラメータの変化に対して実際に測定され、傾向的に定常値変化に一致するエンジン制御パラメータの各値に対するエンジン特性の各過渡値を、同じ点火時期に対して測定された定常値と過渡値との差に基づき補正したものとなる。
それにより、エンジン特性の第一定常値と第二定常値とだけから第一定常値と第二定常値との間のエンジン特性の定常値変化を単に推定する場合に比較して、推定されたエンジン特性の信頼性を高めることができる。また、エンジン制御パラメータを第一特定値から第二特定値へ変化させる間においては、安定化期間が設けられておらず、エンジン制御パラメータを僅かに変化させる毎に安定化期間を設ける場合に比較して、エンジン制御パラメーラのスイープ試験の時間を十分に短縮することができる。
また、本発明による請求項2に記載のエンジン特性の推定方法によれば、定常モデル式により推定されたエンジン特性の定常値変化と過渡モデル式により推定されたエンジン特性の過渡値変化との違いに基づき、測定されたエンジン特性の過渡値変化を定常値変化に補正するようになっており、こうして推定されたエンジン特性の定常値変化は、エンジン制御パラメータの変化に対して実際に測定されたエンジン制御パラメータの各値に対するエンジン特性の各過渡値に基づくものであり、この過渡値変化は傾向的に定常値変化に一致している。
それにより、測定されたエンジン特性の二つの定常値だけから二つの定常値の間のエンジン特性の定常値変化を推定する場合に比較して、推定されたエンジン特性の信頼性を高めることができる。また、エンジン制御パラメータを変化させる間において安定化期間が設ける必要はなく、エンジン制御パラメータを僅かに変化させる毎に安定化期間を設ける場合に比較して、エンジン制御パラメーラのスイープ試験の時間を十分に短縮することができる。
また、本発明による請求項3に記載のエンジン特性の推定方法によれば、別型式のエンジンにおいて予め測定されたエンジン制御パラメータの変化に対するエンジン特性の定常値変化と過渡値変化との違いと、この別型式のエンジンにおいて定常モデル式により推定された定常値変化と過渡モデル式により推定された過渡値変化との違いと、当該エンジンにおいて定常モデル式により推定された定常値変化と過渡モデル式により推定された過渡値変化との違いとに基づき、当該エンジンにおいて測定された過渡値変化を定常値変化に補正するようになっている。こうして推定されたエンジン特性の定常値変化は、エンジン制御パラメータの変化に対して実際に測定されたエンジン制御パラメータの各値に対するエンジン特性の各過渡値に基づくものであり、この過渡値変化は傾向的に定常値変化に一致している。
さらに、定常モデルにより推定されたエンジン特性の定常値変化と過渡モデルにより推定されたエンジン特性の過渡値変化との違いを別型式のエンジン及び当該エンジンとで比較することにより、この違いに関する別型式のエンジンと当該エンジンとの間の機差を把握することができ、別型式のエンジンにおいて実際に測定されたエンジン特性の定常値変化と過渡値変化との違いを、把握された機差を考慮して、当該エンジンの測定された過渡値変化の補正に利用することにより、当該エンジンの比較的正確な定常値変化を得ることができる。それにより、エンジン特性の二つの定常値だけから二つの定常値の間のエンジン特性の定常値変化を推定する場合に比較して、推定されたエンジン特性の信頼性を高めることができる。また、エンジン制御パラメータを変化させる間において安定化期間が設ける必要はなく、エンジン制御パラメータを僅かに変化させる毎に安定化期間を設ける場合に比較して、エンジン制御パラメーラのスイープ試験の時間を十分に短縮することができる。
ガソリンエンジンにおいて、例えば、点火時期及び空燃比等のエンジン制御パラメータがあり、可変バルブタイミング機構を有する場合には、さらに、吸気弁開弁時期及び排気弁閉弁時期等のエンジン制御パラメータが追加され、筒内噴射エンジンの場合には、さらに、燃料噴射開始時期及び燃料噴射圧力等のエンジン制御パラメータが追加される。このような多数のエンジン制御パラメータを制御して、失火及びノッキングを発生させることなく、排気エミッションの良好な高いエンジン出力が得られる運転を各機関運転状態で実現することが好ましい。そのためには、回転数及び負荷により定まる機関運転状態毎に最適な運転が実現されるように機関運転状態毎の各エンジン制御パラメータの目標値を予め設定するための適合試験が必要とされる。
適合試験は、試作エンジン等を使用し、各エンジン制御パラメータの想定範囲内の各値の全ての組み合わせに対して、実際の運転がどのようになるかを検証し、最適な運転が実現される全エンジン制御パラメータの値の組み合わせを見つけ出すためのものである。具体的には、各機関運転状態において、一つのエンジン制御パラメータを除く他のエンジン制御パラメータをそれぞれの想定範囲内の値に固定し、一つのエンジン制御パラメータを想定範囲内でスイープさせて、エンジン特性として、例えば、エンジン出力の変化等を測定する。各機関運転状態において、この一つのエンジン制御パラメータのスイープ試験を他のエンジン制御パラメータのそれぞれの想定範囲内の値の全ての組み合わせに対して実施することとなる。もちろん、経験的に、明らかに最適な運転が実現されない他のエンジン制御パラメータの値の組み合わせに対しては、スイープ試験を省略することは可能であるが、それでも、適合試験には莫大な試験工数が必要となる。
本実施形態は、スイープ試験結果であるエンジン特性を比較的正確に推定することにより、スイープ試験自身の時間を短縮して適合試験の工数を低減するものである。以下、点火時期をスイープさせる場合を説明するが、もちろん、点火時期以外のエンジン制御パラメータをスイープさせる場合にも同じ考え方が適用可能である。
図1は本実施形態の点火時期スイープ試験における点火時期及び発生トルクの変化を示すタイムチャートである。本点火時期スイープ試験では、点火時期を実線Qに示すように変化させることにより、実線Rに示すように変化する発生トルクが測定される。先ず、時刻t0において点火時期を想定範囲の最遅角値I1として試験を開始する。時刻t0の発生トルクは過渡的なものであり、点火時期を最遅角値I1とした運転が各気筒で繰り返されると、この点火時期の燃焼に対して各気筒の筒内温度等が徐々に安定するために発生トルクは徐々に上昇し、時刻t1において、発生トルクは、この点火時期I1の燃焼に対しての定常発生トルクT(t1)となる。時刻t0からt1までの間の期間A1は、点火時期を変化させない発生トルクの安定化期間である。安定化期間A1は発生トルクの時間変化率が設定値以下となる(発生トルクが殆ど変化しなくなる)までの期間とされる。
こうして、点火時期を最遅角値I1とした時の定常発生トルクT(t1)が測定される。次いで、時刻t2まで徐々に進角されて点火時期はI1からI2とされ、この進角中の点火時期の変化に対して過渡発生トルクT(t)’の変化(各時刻での過渡発生トルク)が測定される。時刻t2から時刻t3までは点火時期をI2としたまま変化させない安定化期間A2であり、この安定化期間A2の間において、発生トルクは前述したように安定し、時刻t3の発生トルクは点火時期I2に対応する定常発生トルクT(t3)となる。この安定化期間A2は、点火時期がI2とされてからこの点火時期I2に対応する定常のトルクが発生するまでの期間であり、前述の安定化期間とは必ずしも同じとはならない。
次いで、再び、時刻t4まで徐々に進角されて点火時期はI2からI3とされ、この進角中の点火時期の変化に対して過渡発生トルクT(t)’の変化が測定される。時刻t4から時刻t5までは点火時期をI3としたまま変化させない安定化期間A3であり、この安定化期間A3の間において、発生トルクは前述したように安定し、時刻t5の発生トルクは点火時期I3に対応する定常発生トルクT(t5)となる。この安定化期間A3も前述の安定化期間A1,A2と必ずしも同じとはならず、また、点火時期を変化させる時間t4−t3は、前回の点火時期を変化させた時間t2−t1と必ずしも同じにする必要はない。このような点火時期の変化は、点火時期が想定範囲の最進角値となるまで繰り返される。
点火時期スイープ試験においては、点火時期を各値とした時のそれぞれの定常発生トルク値が必要である。そのために、一般的には、点火時期は最遅角値から僅かずつ進角させ、進角させる毎に安定化期間を設けて各点火時期に対応する定常発生トルクを測定しており、一回のスイープ試験自身が長時間となっていた。しかしながら、本実施形態の点火時期スイープ試験では、僅か数回の安定化期間しか設けられず、スイープ試験時間をかなり短くすることができる。
本実施形態において、各安定化期間A1,A2,A3の経過時に測定された発生トルクT(t1),T(t3),T(t5)は、各安定化期間の点火時期I1,I2,I3に対応する定常発生トルクT(t)であるが、二つの安定化期間の間で測定された発生トルクは、過渡発生トルクT(t)’であり、定常発生トルクとしてそのまま使用することはできない。本実施形態では、今回の安定化期間(例えば、A3)の経過時(時刻t5)に測定された定常発生トルク(T(t5))と今回の安定化期間の開始時(時刻t4)に測定された過渡発生トルク(T(t4)’)との差が、点火時期を前回の安定化期間(A2)の点火時期(I2)から今回の安定化期間の点火時期(I3)まで変化させた時の各発生トルクの定常値と過渡値との差の累積と考えられるために、例えば、点火時期を前回の安定化期間の点火時期(I2)から今回の安定化期間の点火時期(I3)へ変化させた時の経過時間(t4−t3)で前述の差を比例配分し、実線Rに示す過渡発生トルク変化を点線Sに示すような定常発生トルク変化に補正している。
具体的には、安定化期間A2と安定化期間A3との間の各時刻tの定常発生トルクT(t)は次式(1)により推定される。
T(t)=T(t)’+(t−t3)/(t4−t3)*ΔT (1)
ここで、T(t)’は、測定された各時刻tの点火時期に対応する各時刻tの過渡発生トルクであり、ΔTは前述の差(T(t5)−T(t4)’)である。もちろん、他の二つの安定化期間(例えば、A1及びA2)の間の各時刻の点火時期に対応する各時刻の定常発生トルクも同様に推定することができる(ここでのΔTはT(t3)−T(t2)’となる)。
こうして推定される点火時期の変化に対する定常発生トルクの変化は、点火時期の変化に対して実際に測定され、傾向的に定常トルク変化に一致する過渡発生トルク変化を、実際に測定された同じ点火時期での定常発生トルクと過渡発生トルクとの差に基づき補正するものであるために、比較的信頼性が高いものとなる。
図2は、もう一つの実施形態の点火時期スイープ試験における点火時期及び発生トルクの変化を示すタイムチャートである。本点火時期スイープ試験では、点火時期を想定範囲の最遅角値から最進角値へ実線Vに示すように変化させることにより、実線Wに示すように変化する発生トルクが測定される。こうして測定された点火時期Iに対する発生トルクT(I)’は、過渡発生トルクであり、定常発生トルクT(I)に補正しなければならない。ここで、Iはスイープ試験で徐々に変化させた多数の点火時期のそれぞれの値を表す変数である。
本実施形態では、次式(2)により過渡発生トルクT(I)’を定常発生トルクT(I)に補正している。
T(I)=T(I)’+Te(I)−Te(I)’ (2)
ここで、Te(I)は、点火時期以外のエンジン制御パラメータの条件及び機関運転状態を今回の点火時期スイープ試験と同じにした時の点火時期と定常発生トルクとの関係を示す定常モデル式により算出された各点火時期Iに対する各定常発生トルクである。また、Te(I)’は、点火時期以外のエンジン制御パラメータの条件及び機関運転状態を今回の点火時期スイープ試験と同じにした時の点火時期と過渡発生トルクとの関係を示す過渡モデル式により算出された各点火時期Iに対する各過渡発生トルクである。
本実施形態の点火時期スイープ試験では、安定化期間は全く設けられず、スイープ試験時間をかなり短くすることができる。また、本実施形態において、推定された各点火時期に対する各定常発生トルクT(I)は、各点火時期に対して測定された各過渡発生トルクに基づいており、過渡発生トルク変化は傾向的には定常発生トルク変化と一致するものであるために、定常モデル式及び過渡モデル式により算出された定常発生トルク及び過渡発生トルクがそれほど正確でなくても、推定された定常発生トルクを比較的信頼性の高いものとすることができる。
また、次式(3)により過渡発生トルクT(I)’を定常発生トルクT(I)に補正することもできる。
T(I)=T(I)’*K1(I)*k2(I)/k1(I) (3)
この場合においては、別型式のエンジンにおいて、既に、今回の点火時期スイープ試験と同じ速度で点火時期を徐々に変化させた時の各点火時期に対する各過渡発生トルクと、各点火時期に対する各定常発生トルクとが、点火時期以外のエンジン制御パラメータの各値の全ての組み合わせにおいて、機関運転状態毎に測定されていなければならない。
式(3)において、K1(I)は、点火時期以外のエンジン制御パラメータの条件及び機関運転状態を今回の点火時期スイープ試験と同じにした時の別型式のエンジンにおいて既に測定されている点火時期Iに対する定常発生トルクと過渡発生トルクとの比である。また、k2(I)は、点火時期以外のエンジン制御パラメータの条件及び機関運転状態を今回の点火時期スイープ試験と同じにした時の本エンジンにおける点火時期と定常発生トルクとの関係を示す定常モデル式により算出された各点火時期Iに対する各定常発生トルクと、点火時期以外のエンジン制御パラメータの条件及び機関運転状態を今回の点火時期スイープ試験と同じにした時の本エンジンにおける点火時期と過渡発生トルクとの関係を示す過渡モデル式により算出された各点火時期Iに対する各過渡発生トルクとの比である。また、k1(I)は、点火時期以外のエンジン制御パラメータの条件及び機関運転状態を今回の点火時期スイープ試験と同じにした時の別型式のエンジンにおける点火時期と定常発生トルクとの関係を示す定常モデル式により算出された各点火時期Iに対する各定常発生トルクと、点火時期以外のエンジン制御パラメータの条件及び機関運転状態を今回の点火時期スイープ試験と同じにした時の別型式のエンジンにおける点火時期と過渡発生トルクとの関係を示す過渡モデル式により算出された各点火時期Iに対する各過渡発生トルクとの比である。
こうして推定された各点火時期に対する各定常発生トルクT(I)は、各点火時期に対して測定された各過渡発生トルクに基づいており、過渡発生トルク変化は傾向的には定常発生トルク変化と一致するものである。さらに、定常モデルにより推定された定常発生トルク変化と過渡モデルにより推定された過渡発生トルク変化との違いを別型式のエンジン及び本エンジンとで比較することにより、この違いに関する別型式のエンジンと本エンジンとの間の機差を把握することができ、別型式のエンジンにおいて実際に測定された発生トルクの定常値変化と過渡値変化との違いを、把握された機差を考慮して、本エンジンの測定された過渡値変化の補正に利用することにより、本エンジンの比較的正確な定常発生トルクを得ることができる。
前述したスイープ試験において、エンジン制御パラメータを徐々に変化させる際には、全気筒同時に変化させても良いが、各気筒又は数気筒ずつ変化させても良い。前述した全ての実施形態において、エンジン制御パラメータの変化に対するエンジン特性の過渡値変化を測定し、この過渡値変化からエンジン特性の定常値変化を推定するようにしている。それにより、例えば、エンジン特性として排気ガス温度を測定するスイープ試験において、定常排気ガス温度が触媒装置等を溶損させる温度となる時にも、過渡排気ガス温度であれば、触媒装置等が実際に溶損するようなことはなく、スイープ試験の実施が可能となる。
点火時期スイープ試験における点火時期及び発生トルクの変化を示すタイムチャートである。 もう一つの点火時期スイープ試験における点火時期及び発生トルクの変化を示すタイムチャートである。

Claims (3)

  1. エンジン制御パラメータに応じて変化するエンジン特性の推定方法であって、エンジン制御パラメータの第一特定値に対するエンジン特性の第一定常値を測定する段階と、前記エンジン制御パラメータを前記第一特定値から第二特定値まで連続的に変化させ、前記エンジン制御パラメータの連続変化に対する前記エンジン特性の過渡値変化を測定する段階と、前記エンジン制御パラメータを前記第二特定値から変化させない安定化期間の経過時に前記第二特定値に対する前記エンジン特性の第二定常値を測定する段階と、前記第二定常値と前記安定化期間の開始時における前記エンジン特性の過渡値との差に基づき、前記エンジン特性の前記過渡値変化を定常値変化に補正する段階、とを有することを特徴とするエンジン特性の推定方法。
  2. エンジン制御パラメータに応じて変化するエンジン特性の推定方法であって、前記エンジン制御パラメータの連続変化に対する前記エンジン特性の過渡値変化を測定する段階と、前記エンジン制御パラメータの変化に対する前記エンジン特性の定常値変化を定常モデル式により推定する段階と、前記エンジン制御パラメータの連続変化に対する前記エンジン特性の過渡値変化を過渡モデル式により推定する段階と、推定された前記定常値変化と推定された前記過渡値変化との違いに基づき、測定された過渡値変化を定常値変化に補正する段階、とを有することを特徴とするエンジン特性の推定方法。
  3. エンジン制御パラメータに応じて変化するエンジン特性の推定方法であって、当該エンジンにおける前記エンジン制御パラメータの連続変化に対する前記エンジン特性の過渡値変化を測定する段階と、前記当該エンジンにおける前記エンジン制御パラメータの変化に対する前記エンジン特性の定常値変化を定常モデル式により推定する段階と、前記当該エンジンにおける前記エンジン制御パラメータの連続変化に対する前記エンジン特性の過渡値変化を過渡モデル式により推定する段階と、別型式のエンジンにおける前記エンジン制御パラメータの変化に対する前記エンジン特性の定常値変化を定常モデル式により推定する段階と、前記別型式のエンジンにおける前記エンジン制御パラメータの連続変化に対する前記エンジン特性の過渡値変化を過渡モデル式により推定する段階と、前記別型式のエンジンにおいて予め測定された前記エンジン制御パラメータの変化に対する前記エンジン特性の定常値変化と過渡値変化との違いと、前記別型式のエンジンにおいて推定された前記定常値変化と推定された前記過渡値変化との違いと、前記当該エンジンにおいて推定された前記定常値変化と推定された前記過渡値変化との違いとに基づき、前記当該エンジンにおいて測定された過渡値変化を定常値変化に補正する段階、とを有することを特徴とするエンジン特性の推定方法。
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