JP2006265681A - 多層膜の製造方法及び多層膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】界面拡散層が薄く、かつ界面粗さの小さな膜を得る多層膜の製造方法及び多層膜を提供する。
【解決手段】多層膜の製造方法は、薄膜原料を基材とするターゲット14を有し、ターゲット14の表面近傍に磁場の作用でプラズマを集中させてスパッタリングを行うマグネトロン・スパッタ装置1を用い、構成元素、組成、結晶構造の少なくとも一つが相違する層を積層させた多層膜を形成する方法である。ターゲット14の表面に平行な磁場の強度をターゲット14の表面で0.3T(テスラ)以上に設定する磁石装置を用意する。次に、積層方向において互いに隣接するように膜を成膜すると共に、積層方向に互いに隣接する膜の界面に存在する界面拡散層の厚みが、隣接する膜のうち薄い側の層の厚みの50%以下となるように設定する成膜工程を実施する。
【選択図】 図1

Description

本発明は構成元素、組成、結晶構造のうちの少なくとも一つが異なる2種類以上の膜を積層させた多層膜の製造方法及び多層膜に関する。
産業界では、適当な光学定数の2種類以上の物質を繰り返して積層した多層膜が用いられている。例えばX線用の反射膜として多層膜が知られている。以下、X線用の反射膜として用いられる多層膜を例にとって背景技術を説明する。
X線用の反射膜として用いられる多層膜においては、その周期構造により、フラッグ反射と同様に各界面からの反射波の干渉で、X線の高い反射率が得られる。これらの多層膜では、各層をX線の波長や多層膜を構成する物質によって決まる一定の厚さで、正確な周期性を持って積層する必要がある。1層の厚さは例えば数ナノメートル程度である。この多層膜によるX線の反射率を決める最大の要因の一つが、界面の急峻性である。
ところが実際には、積層方向に隣接する膜の界面では、相互の原子が拡散した界面拡散層が存在する。また、各膜の界面を完全に平滑とした多層膜を得るのは困難であり、積層方向に隣接する膜の界面に存在する界面拡散層はある粗さをもつ。上記したように1層の厚みが薄いため、界面拡散層の厚みや界面粗さを正確に制御するのは、非常に困難である。例えば、1層の厚みが高々数ナノメートル、すなわち原子数が十個程度の厚さの膜を積層する過程で、界面拡散層や界面粗さを正確に制御するのは、非常に困難である。
このため、現時点で得られている多層膜には、積層方向に隣接する膜の界面において、反射率に影響を及ぼす厚みの界面拡散層が生じている。例えば、非特許文献1に開示されているように、次世代の半導体露光装置での適用が計画されている波長13.5ナノメートルの軟X線用の反射膜として、1周期7ナノメートルのモリブデン膜とシリコン膜とを交互に合計50層程度積層した多層膜が開発されているが、現状の技術で作製した多層膜では、シリコン膜の上にモリブデン膜を積層した界面には、無視できない厚みをもつ界面拡散層があリ、モリブデン膜の上にシリコン膜を積層した界面にも、無視できない厚みをもつ界面拡散層が生成している。モリブデンとシリコンのように、両者の間にいくつもの中間化合物をもつような材料を多層膜にする場合は、界面拡散層が非常にできやすく、しかも界面拡散層の厚みが厚くなりがちである。この界面拡散層は、反射膜における反射率低下の要因のひとつであり、産業界では界面拡散層の厚みの低減が求められている。
また、特許文献1には、カソードユニットにおける磁気回路の中心部と外縁部とにおける内外磁束密度比を2.5以上に設定し、磁束密度の垂直成分がゼロになる位置がターゲットから垂直方向に離れるにつれてターゲットの中心部から外側に拡がる磁力線形状をなす磁場をターゲット表面に形成し、基板へのプラズマの拡散を抑制することにより膜質分布の均一な薄膜を形成するマグネトロン・スパッタ装置が開示されている。
特開2004−83974号公報 多層膜研究の現状,放射光(日本放射光学会誌),Sept.2004,vol17,No.5,2004年9月30日発行,発行者:日本放射光学会
前記した非特許文献1によれば、多層膜を構成する積層方向に隣接する膜の界面に存在する界面拡散層の厚みを薄くする技術については、特に記述していない。
また、前記した特許文献1によれば、ターゲットの表面に平行な磁場の強度をターゲットの表面で0.3T(テスラ)以上という強い磁場を用いるものではない。更に特許文献1は、界面拡散層の厚みを、多層膜を構成する隣接する膜のうち薄い側の膜の厚みの50%以下となるように多層膜を成膜するというものでもない。従って特許文献1に係る技術を多層膜の製造に適用したとしても、多層膜が本来もつ性質を良好に発揮できるいうものでもないと考えられる。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、界面拡散層が薄く、かつ界面粗さの小さな多層膜を得ることができ、界面拡散層に起因する影響を低減させて、多層膜が本来もつ性質を良好に発揮するのに有利な多層膜の製造方法及び多層膜を提供することを課題とする。
本発明者は多層膜の製造方法について鋭意開発を進めている。そして、ターゲットの表面近傍に磁場の作用でプラズマを集中させてスパッタリングを行うマグネトロン・スパッタ装置を用い、構成元素、組成、結晶構造等のうちの少なくとも一つが異なる2種類以上の膜を積層するにあたり、ターゲットの表面に平行な磁場の強度をターゲットの表面で0.3T(テスラ)以上に設定する磁石装置を用意し、積層方向において互いに隣接するように膜を成膜すると共に、多層膜のうち互いに隣接する膜の界面に存在する界面拡散層の厚みを、前記隣接する膜のうち薄い側の膜の厚みの50%以下となるように多層膜を成膜することにすれば、界面拡散層が薄く、かつ界面粗さの小さな多層膜を得ることができ、多層膜が本来もつ性質を良好に発揮することができる製造方法が得られることを知見し、本発明方法を完成させた。
多層膜が本来もつ性質を良好に発揮することができるように、界面拡散層の厚みが薄く、しかも界面拡散層の界面粗さが小さな構造をもつ多層膜を製造できる理由としては、現段階では必ずしも明確ではないものの、次のように推察される。即ち、(i)ターゲットの表面に平行な磁場の強度をターゲットの表面で0.3T(テスラ)以上の強い磁場に設定すれば、マグネトロン・スパッタ装置で用いられる通常の動作圧力(10-1Pa〜100Pa台)に比べて低い動作圧力(例えば10-2Pa台、または、10-3Pa台以下の圧力)で成膜できること、(ii)ターゲットと基板との間の距離を長くできること(例えば15センチメートル以上)と、(iii)その磁石の発生する磁場が、ターゲット上の空間において、磁場ベクトルの向きがターゲットの表面に対して水平になる位置がターゲットの表面から離れるにつれて徐々にターゲットの表面の中心軸から離れるような磁場分布をもつようにしていること等が影響しているものと推察される。
即ち、成膜にマグネトロン・スパッタ装置を用い、ターゲットの表面に平行な磁場の強度をターゲットの表面で0.3T(テスラ)以上に設定できるように、強力な磁石を磁極として用いたことにより、プラズマ中の電子が磁力線の周りに強く拘束され、チャンバ内の放電ガスが希薄になっても放電を持続でき、同装置の通常の動作圧力に比べて低い圧力(例えば1桁低い10-2Pa台以下の圧力)でもチャンバ内の放電を維持して成膜が可能になる。つまり、通常のマグネトロン・スパッタ装置に比べてチャンバ内の動作圧力がかなり低下したため、ターゲットからたたき出されて、成膜対象物(例えば基板)に向かうスパッタ粒子がチャンバ内の他の粒子に衝突する確率が低下し、成膜対象物に向かうスパッタ粒子の平均自由行程を通常の装置よりも長くすることができる(例えば1桁長くできる)。このようにターゲットと基板との間の距離を長くとることができることによって、ターゲットの表面の近傍に生成されるプラズマと基板との間の距離を大きく設定して成膜することができ、プラズマから飛び出してくる活性な粒子の影響を受けずに成膜対象物に成膜することができ、タメージが少なく平滑な界面拡散層を有する多層膜を形成することができること等が影響しているためと推察される。
更に、ターゲットの表面に平行な磁場の強度はターゲットの表面で0.3T(テスラ)以上の強い磁場に設定されているため、プラズマがターゲットの表面付近に集約されてプラズマの密度がターゲットの表面付近で高くなる。また、磁場ベクトルの向きがターゲットの表面に対して水平になる位置がターゲットの表面から垂直方向に離れるにつれて、ターゲットの表面の中心軸から離れるような磁場分布をもつようにできるため、チャンバー内でプラズマが存在する位置は、ターゲットの表面から垂直方向に離れるに連れて外側に移行する。この結果、ターゲットの表面に対向させて配置した成膜対象物(例えば基板)の表面の中心付近には、プラズマが近づきにくくなり、成膜対象物に積層された膜へのプラズマダメージは更に小さくなることも影響しているものと推察される。
なお、ターゲットの表面に垂直な磁場の強度がターゲットの表面で0.3T(テスラ)以上の強い磁場に設定されていたとしても、垂直方向の磁場は高密度なプラズマをターゲット近傍に集約するのに有効でなく、上記したような基板等の成膜対象物がプラズマに晒されにくくなるという作用効果は得られない。
即ち、本発明に係る多層膜の製造方法は、薄膜原料を基材とするターゲットを有し、ターゲットの表面近傍に磁場の作用でプラズマを集中させてスパッタリングを行うマグネトロン・スパッタ装置を用い、構成元素、組成、結晶構造のうちの少なくとも一つが異なる2種類以上の膜を積層させた多層膜を形成する製造方法において、
ターゲットの表面に平行な磁場の強度をターゲットの表面で0.3T(テスラ)以上に設定する磁石装置を用意する工程と、積層方向において互いに隣接するように膜を成膜し、積層方向に互いに隣接する膜の界面に存在する界面拡散層の厚みが、隣接する膜のうち薄い側の膜の厚みの50%以下となるように設定する成膜工程とを含むことを特徴とするものである。
ここで、『ターゲットの表面に平行な磁場の強度をターゲットの表面で0.3T(テスラ)以上』であるとは、ターゲットの表面においてBz=0となる部位における磁場の強度をいう。
『Bz=0』は、前述したように、磁場ベクトルがすべて横向きであり、ターゲット14の表面に対して垂直方向に向かう縦ベクトル成分が0であることを意味する。
本発明方法によれば、プラズマダメージが既存のマグネトロン・スパッタ装置に比べて大幅に低減されるため、多層膜の界面での原子の混合が起こりにくく、界面拡散層が少なく、またそれらの界面粗さの小さな膜を得ることができる。本発明方法により製造された多層膜は、積層方向に隣接する膜の界面の界面拡散層の厚みが薄く、しかも界面粗さが小さいため、多層膜が本来有する性質が界面拡散層で損なわれることが抑制され、多層膜本来の性質を良好に実現することができる。
本発明に係る多層膜は、上記した製造方法で構成元素、組成、結晶構造のうちの少なくとも一つが積層方向に隣接する膜において異なる2種類以上の複数の膜を積層して作成され、積層方向に隣接する膜の界面の界面拡散層の厚みが、隣接する膜のうち、薄い側の膜の厚みの50%以下に設定されていることを特徴とするものである。
本発明に係る多層膜によれば、積層方向に隣接する膜の界面の界面拡散層の厚みが薄く、しかも界面粗さが小さいため、多層膜が本来有する性質が界面拡散層で損なわれることが抑制され、多層膜本来の性質を良好に実現することができる。
本発明方法によれば、界面拡散層が薄く、かつ界面粗さの小さな多層膜の製造方法及び多層膜を提供することができる。従って、界面拡散層に起因する影響を低減させ、多層膜が本来有する性質が界面拡散層で損なわれることが抑制され、多層膜が本来有する性質を良好に実現することができる。
本発明方法は、薄膜原料を基材とするターゲットを有し、ターゲットの表面近傍に磁場の作用でプラズマを集中させてスパッタリングを行うマグネトロン・スパッタ装置を用い、構成元素、組成、結晶構造等のうちの少なくとも一つが、積層方向に隣接する膜で異なる多層膜を形成する製造方法である。そして、ターゲットの表面に垂直な磁場の強度ではなく、ターゲットの表面に平行な磁場の強度を、ターゲットの表面で0.3T(テスラ)以上に設定する。好ましくは、ターゲットの表面に平行な磁場の強度をターゲットの表面で0.5T(テスラ)以上、1.0T(テスラ)以上、2.0T(テスラ)以上に設定する。好ましくは、磁場の発生手段として、磁場を捕捉させた超電導体(例えば超電導バルク磁石)を用いる形態を採用することができる。超電導バルク磁石は、配合した材料を加熱して溶融させた後にバルク状に凝固させた溶融凝固法で形成したものである。超電導バルク磁石としては、RE−Ba−Cu−O系で形成することができる。REはY,Sm,Nd,Gd,Eu,Dy,Yb,Laのうちの1種またはこれらの複数を含んでいること意味する。この超電導バルク磁石は、REBa2Cu3Oyの母相に、常電導相(RE2BaCuO5またはRE4Ba2Cu210)が微細に分散した組織を有する疑似単結晶または粗大結晶である形態を例示することができる。超電導バルク磁石は超電導臨界温度以下に冷却して着磁されると、永久的な電流が環状に流れて強い磁場を発生する。この場合、常電導相の存在によってピン止め点が導入されて磁場を捕捉でき、疑似永久磁石として振る舞う。超電導バルク磁石の形状としてはバルク体であればよく、高さが任意の円柱形状、円筒形状、角柱形状、角筒形状でも良い。
本発明方法によれば、多層膜のうち互いに隣接する膜の界面に存在する界面拡散層の厚みを、隣接する膜のうち薄い側の層の厚みの50%以下となるように成膜する。ここで、多層膜を構成する膜の元素の種類、ターゲットの表面に平行なターゲットの表面での磁場の強度等によって、界面拡散層の厚みは異なるものの、界面拡散層の厚みは、前記隣接する膜のうち薄い側の層の厚みの40%以下、30%以下、20%以下となるように設定することができ、更には15%以下、10%以下となるように設定することができる。なお、多層膜を構成する膜の元素が拡散しにくいものであれば、一般的には、界面拡散層の厚みが薄くなるものと推察される。
本発明によれば、磁場ベクトルの向きが前記ターゲットの表面に対して水平になる位置が前記ターゲットの表面から離れるにつれてターゲットの表面の中心軸から離れるような磁場分布をもつ形態を採用することができる。ターゲットに対向するように配置された基板等の成膜対象物がプラズマに晒されることを抑制するのに有利である。
前述したように本発明によれば、通常のマグネトロン・スパッタ装置に比べて成膜時のチャンバ内の動作圧力を大幅に低くできるため、ターゲットからたたき出されて成膜対象物に向かうスパッタ粒子の平均自由行程が通常の装置よりも長い状態で成膜することができる。即ち、通常の装置で成膜できる圧力では、平均自由行程はたかだか数センチメートルであるのに対して、本発明の装置では、希薄な成膜ガス中でもプラズマが保持できるため、平均自由行程が数十センチメートル以上となる低い圧力でも成膜できる。そのため、ターゲットから叩き出されたスパッタ粒子は、成膜対象物の基板等がターゲットから遠い場合でも、途中でアルゴン等の成膜ガス粒子で散乱されないため、基板などに直進して堆積する。故に、多層膜を形成する基体とターゲットとの間の距離としては、250ミリメートル以上、300ミリメートル以上、場合によっては400ミリメートル以上、450ミリメートル以上に設定する形態を採用することができる。
また本発明によれば、ターゲットの表面に平行な磁場の強度をターゲットの表面で0.3T(テスラ)以上に設定できるように、強力な磁石を磁極として用いたことにより、プラズマ中の電子が磁力線の周りに強く拘束され、チャンバ内の放電ガスが希薄になっても放電を持続できる。このため多層膜の少なくとも1層の成膜時におけるスパッタガスの圧力としては1×10-1Pa以下とする形態を採用することができる。
また多層膜は複数の膜が厚み方向に積層して形成されている。積層される膜の数としては2以上であれば、何層でも良く、合計で、10層以上、30層以上、50層以上、70層以上、100層以上でもよい。また、積層される層の種類としては、2種類以上であれば、何種類でも良い。更に、積層の順番は、例えば『ABCABC……』のように周期的に積層されていても良いし、『ABCD』のように周期性がなくても良い。
多層膜の隣接する各膜を構成する元素によっても相違するものの、多層膜を構成する各層の厚みとしては、20ナノメートル以下、あるいは、10ナノメートル以下、あるいは5ナノメートル以下である形態を採用することができる。多層膜のうち互いに隣接する膜の界面に存在する界面拡散層の厚みとしては2ナノメートル以下または1ナノメートル以下である形態を採用することができる。
多層膜の隣接する各膜を構成する元素が、一方側の膜を構成する少なくとも1種類以上の元素と、他方側の膜を構成する少なくとも1種類以上の元素との間で、化合物または固溶体を形成する化学的性質を有する形態を採用することができる。従って多層膜としては、モリブデンを基材とする膜とシリコンを基材とする膜とが交互に積層されたものである形態を採用することができる。また多層膜としては、波長100ナノメートル以下のX線を反射する反射膜である形態を採用することができる。
X線反射膜として、次世代半導体露光装置への適用が検討されているモリブデン膜とシリコン膜とを交互に積層した多層膜の他にも、モリブデン膜とベリリウム膜とを交互に積層した多層膜、あるいは、炭化珪素(SiC)とマグネシウム(Mg)とを交互に積層した多層膜、ニッケル(Ni)と炭素(C)の多層膜、あるいは、軟X線顕微鏡用の多層膜としてクロム膜とスカンジウム膜とを交互に積層した多層膜、あるいは、天文観測用の硬X線反射鏡用として白金膜とカーボン膜とを交互に積層した多層膜等が用いられている。また、本発明を適用できるその他の多層膜としては、磁性多層膜や光学多層膜がある。磁性多層膜としては、・GMR(巨大磁気抵抗)薄膜(例えば、鉄(Fe)/クロム(Cr)多層膜、コバルト(Co)/銅(Cu)多層膜、コバルト鉄(Co−Fe)/銅(Cu)/コバルト鉄(Co−Fe)/白金マンガン(Pt−Mn)積層膜等)
・TMR(トンネル磁気抵抗)薄膜(例えば、マンガンイリジウム(Mn−Ir)/コバルト鉄(Co−Fe)/酸化アルミニウム(Al−O)/コバルト鉄(Co−Fe)積層膜等)
・磁気記憶薄膜(コバルト(Co)/パラジウム(Pd)系多層膜、強磁性層/ルテニウム(Ru)/強磁性層積層膜等)
等がある。
本発明方法はこれらの膜についても、界面拡散層の厚み及び界面粗さを低減させる手段として適用できる。
以下、本発明の実施例について図1〜図4を参照しつつ具体的に説明する。先ず、本実施例で用いたマグネトロン・スパッタ装置1を図1に示す。図1に示すように、マグネトロン・スパッタ装置1は、仕切部材としてのバッキング・プレート15を下部にもつチャンバ10と、バッキング・プレート15の背面に位置するようにチャンバ10の下方に配置された磁石装置17とを備えている。
成膜用のチャンバ10は、チャンバ10に連通するメインバルブ12を介してターボ分子ポンプ(図示しない)によってベース真空度が1×10-5Pa以下まで排気される。チャンバ10内には成膜時の放電ガスとして、各種ガス(アルゴン、キセノン等のスパッタガス)がマスフロー13を介して供給できるようになっている。チャンバ10内の基板ホルダ23には成膜用の基板24(成膜対象物に相当)が取り付けられる。基板ホルダ23及び基板24は、ターゲット14の中心軸PAの上方においてターゲット14と対向するように設置されている。具体的には、ターゲット14の中心軸PAの延長線は基板24を通過する。
バッキング・プレート15は、高電圧が印加されるため、チャンバー11には絶縁材16を介して取り付けられており、ターゲット14を保持するターゲットホルダとして機能することができる。タ一ゲット14は、チャンバ10の下部に位置するバッキング・プレート15の上面に固定されている。スパッタリングの際に、ディスク状のタ一ゲット14から放出される物質は、上向きを中心に広い角度分布を持って飛び出し、本装置の動作圧力では、そのまま直線的に進んで、基板ホルダ23に保持されている基板24の表面に飛来した粒子が堆積して成膜が行われる。なお、ターゲット14と基板24との間の距離は250〜600ミリメートルとされている。
本実施例によれば、通常のマグネトロン・スパッタ装置1で磁場発生源として使用されている永久磁石に代えて、冷凍機18で極低温(例えば10〜100K)に冷却される超電導体19が磁場発生源として用いられている。超電導体19は、バッキング・プレート15の下面に接近するようにバッキング・プレート15の下方に配置されている。超電導体19は、超電導バルク磁石で構成されており、直径60ミリメートルで厚さ10ミリメートルの塊状をなす超電導体とされている。超電導バルク磁石は、溶融凝固法で形成したものであり、RE−Ba−Cu−O系であり、REBa2Cu3Oyの母相に常電導相(RE2BaCuO5またはRE4Ba2Cu210)が微細に分散した組織を有する。REはY,Sm,Nd,Gd,Eu,Dy,Yb,Laのうちの1種またはこれらの複数を含んでいることを意味する。
超電導体19は磁場発生源であり、6.5T(テスラ)の静磁場中で40Kまで冷却してから外部磁場を取り去って着磁したものである。超電導体19が発生する発生磁場は、冷凍機18を運転して極低温に冷却している限りは、実質的に維持される。
図1に示すように、前記した磁石装置17は、磁気回路を形成するために磁性材料で形成されたヨーク材20と、ヨーク材21と、超電導体19を超電導臨界温度以下に冷却させる冷却手段として機能する冷凍機18と、内部の室22aが真空とされた断熱容器22とで形成されている。これらは一体となり、磁石装置17として機能する。ヨーク材21は超電導体19の下部に配置されており、超電導体19を冷凍機18のコールドヘッド18aに保持している。ヨーク材20はリング形状をなしており、ヨーク材21及び超電導体19を外側から包囲している。ヨーク材20及びヨーク材21は、超電導体19の先端面から発せられる磁力線を超電導体19の外側に曲げて磁場ベクトルを横向きにさせる作用を奏しており、透磁率が高い透磁材料で形成されている。断熱容器22には、超電導体19及びヨーク材21が低温状態に収容されている。
図2は、超電導体19を有する磁石装置17の中心軸P1を通る鉛直断面内において、断熱容器22の外部の上側における磁場強度分布を示す。図3は、超電導体19を有する磁石装置17の磁場ベクトル分布を示す。図2及び図3において、横軸は磁石装置17の中心軸P1から離れる距離を示し、且つ、縦軸は磁石装置17の断熱容器22の上壁部22uの表面から中心軸P1に沿って基板24に向かう距離を示す。図2及び図3の横軸において、x=0ミリメートルの位置は中心軸P1を示す。図2には、磁場の強度を意味する磁場等高線WBが描かれている。磁場等高線WBに示すように、超電導体19に近い領域では4.5T(テスラ)以上の強い磁場を示すが、超電導体19から遠ざかるにつれて4T(テスラ)、3.5T(テスラ)、3T(テスラ)……1.0T(テスラ)……と、磁場は次第に低下する。ターゲット14と基板24との間の距離は250〜500ミリメートルとされているため、基板24の表面では、基板24の表面の磁場の強度は実質的に0.01T(テスラ)以下、0.05T(テスラ)以下、または、0.0005T(テスラ)以下、または、0.0001T(テスラ)以下になる。上記した磁場分布は、XYZステージで3次元ホール素子を走査して求められている。
図2において、特性線WAは『Bz=0』の位置を示す。『Bz=0』は、前述したように、磁場ベクトルがすべて横向きであり、ターゲット14の表面に対して垂直方向に向かう縦ベクトル成分が0であることを意味する。従って、Bz=0を示す特性線WAの付近では、電場と磁場とが直交するため、プラズマ中の電子がサイクロトロン運動によって保持され、更なるイオン化を促すため、プラズマ密度が高くなる。ここで、図2に示すように、Bz=0を示す特性線WAは、磁石装置17(ターゲット14の表面)から基板24の表面に向かうにつれて、基板24の中心軸(ターゲット14の表面の中心軸PA)から外側に向けて遠ざかるように設定されている。故に、基板24の表面と特性線WAとは交差しないように設定されている。このため基板24の表面がプラズマに晒されることは抑えられている。即ち、ターゲット14の表面に平行となる磁場の位置が、ターゲット14の表面から垂直方向に離れるに従い、ターゲット14の中心から広がる磁場分布が得られている。本装置1では、図3から理解できるように、磁場ベクトルがタ一ゲット14の表面に平行になる位置は、磁石装置17からの距離が離れるにしたがって外側に広がっていくことがわかる。
この磁石装置17を図1に示すように成膜用のチャンバ11の下部に取り付けると、ターゲット14の厚みが標準的な3ミリメートルである場合には、図2及び図3の縦軸において、z=8ミリメートルの位置が成膜前のターゲット14の表面に相当することになる。従って、本実施例によれば、成膜時におけるプラズマを保持するのに有効な磁場ベクトルの磁場強度は、ターゲット14の表面に水平になる位置において、0.3T(テスラ)を越えるように設定されており、具体的には、図2によれば1.0T(テスラ)に設定されている。従って、通常の永久磁石を使った従来のマグネトロン・スパッタ装置に比較して、ターゲット14の表面に水平になる位置における磁場の強さが約20倍に設定されている。
さて高電圧電源(図示しない)からバッキング・プレート15およびターゲット14に電圧が印加されてチャンバ10内で放電が開始されると、チャンバ10内においてプラズマ中でイオン化した放電ガスのイオンがターゲット14の表面を衝撃する。これによりターゲット14の表面の原子がたたき出されてチャンバ14内に放出される。このようにたたき出されたターゲット14の物質の粒子がチャンバ10内を基板24まで飛翔して、基板24の表面に付着することにより基板24の表面に膜が形成される。
この装置では、前述したように、成膜時におけるプラズマを保持するのに有効な磁場ベクトルの磁場強度は、ターゲット14の表面に水平になる位置において、1.0T(テスラ)であり、通常のマグネトロン・スパッタ装置に比べて磁場が大幅に強い。このためプラズマ中の電子が磁力線の周りに強く拘束され、放電ガスが希薄になってもチャンバ10内の放電を持続できる。この結果、チャンバ10内において成膜時の運転圧力について、通常のマグネトロン・スパッタ装置では1×10-1Pa〜1Pa程度であったのに対し、本実施例に係るマグネトロン・スパッタ装置1では、より一層低い圧力(10-3Pa台)であっても成膜が可能である。
試験例として、図4に示すように、成膜対象物としての基板24(Si substrate)に既に成膜されているシリコン膜100を用い、基板24のシリコン膜100の上に本装置1を使用してスパッタリングによりモリブデン膜150を成膜した。成膜条件を表1に示す。この場合、図4に模式的に示すように、シリコン膜100とモリブデン膜150との界面には、モリブデンとシリコンが共存する界面拡散層120(MoSi)が形成されている。この試験例では、界面拡散層120の生成について基本的な評価を行うため、単一の界面拡散層120のみを種々の条件で比較することとした。
換言すると、この試験例では、基板24は、シリコンの単結晶で形成されている基板(格子面:100)上にイオンビーム・スパッタ装置を用いて多結晶シリコンのシリコン膜100を予め10ナノメートル形成したものを、成膜直前にフッ酸処理して表面の酸化層を取り除いて使用した。本実施例で用いた装置で、表1に示す成膜条件で、これらの基板24のシリコン膜100に成膜した。いずれも、膜厚計でモニタしながら、モリブデン膜150(目標膜厚:10ナノメートル)を成膜した。形成された界面拡散層120について低角X線の反射率を測定し、その測定データとシミュレーションとの対比から、シリコン膜100とモリブデン膜150との界面に存在する界面拡散層120の厚さと界面粗さとをフィッティングにより評価した。このX線反射法による評価方法は、電子顕微鏡における撮像で確認されている層の厚みと相応することが確認されている。
図4は試料1の膜構造の模式図を示している。シリコンで形成された基板24に初めから存在するシリコン膜100の上に、モリブデン膜150が略10ナノメートル積層されている。シリコン膜100とモリブデン膜150との界面には、界面拡散層120(MoSix)が生成されている。また成膜後に大気に触れたため、モリブデン膜150の最表面には酸化膜170(MoOx)が形成されている。図4に示す各層の中に、フィッティングにより得られた各層の密度と厚さを示す。図4における左側の矢印は試料1の各界面の界面粗さを示す。
同様の操作を他の試料2〜試料4についても行い、試料2〜試料4の界面拡散層120の厚みと界面粗さとを比較した結果を表2にまとめた。後述の比較例1,2で述べるように、既存の成膜方法によれば、界面拡散層120の厚みは1.2〜1.4ナノメートル程度であった。これに対して本実施例によれば、表2に示すように、真空度が低い(1.33×10-1Pa)で成膜した試料4を除き、いずれも1.4ナノメートル以下であり、かなり薄くなっていることがわかる。即ち、界面拡散層120については、試料1は0.7ナノメートルであり、試料2は1.1ナノメートルであり、試料3は0.6ナノメートルであり、試料4は1.6ナノメートルであった。
このように界面拡散層120の厚みは、0.6〜1.1ナノメートルである。この厚みは、互いに隣接するシリコン膜100及びモリブデン膜150のうち薄い側の層の厚み(10ナノメートル)の約6〜11%に相当する。なお、界面拡散層の厚みは、膜厚にはよらないので、厚い膜に対しては相対的に拡散層の比率はもっと低くなる。
シリコン膜100と界面拡散層120との界面(Si/MoSix)の粗さについては、表2に示すように、試料1は0.4ナノメートルであり、試料2は0.5ナノメートルであり、試料3は0.3ナノメートルであり、試料4は0.4ナノメートルであり、小さなものであった。
またモリブデン膜150と界面拡散層120との界面(MoSix/Mo)の粗さについては、表2に示すように、試料1は0.2ナノメートルであり、試料2は0.3ナノメートルであり、試料3は0.3ナノメートルであり、試料4は0.7ナノメートルであり、小さなものであった。
なお、ターゲット14と基板24との間の距離を500ミリメートルと最も長く設定した試料3については、界面拡散層120の厚みが0.6ナノメートルと薄く、かつ界面粗さも小さかった。
Figure 2006265681
Figure 2006265681
(比較例)
以下、比較例1として、前記した実施例で用いたのと同じ基板を用い、永久磁石を用いた通常のマグネトロン・スパッタ装置によりモリブデン膜を同様に成膜した。この場合には、ターゲットの表面に平行な磁場の強度は、ターゲットの表面で0.05T(テスラ)とされている。
また比較例2として、前記した実施例1で用いたのと同じ基板を用い、イオンビーム・スパッタ装置によりモリブデン膜を同様に成膜した。比較例1,2に係る成膜条件、界面拡散層の厚み、界面拡散層の界面粗さについての結果を表3に示す。界面拡散層の厚みは比較例1では1.4ナノメートルであり、比較例2では1.2ナノメートルであった。上記した実施例と比較例1,2との比較から理解できるように、比較例1,2よりも、実施例に係る界面拡散層120の厚みは薄く、界面拡散層120の界面粗さも小さかった。
特に、成膜中の圧力はほとんど同じであり、ターゲット14と基板24との間の距離についても大きな差が無いにも拘わらず、界面拡散層120の厚さに大きな差が生じている。これは、実施例では強い磁場によりプラズマがターゲット14の表面の近傍に強く束縛されていること、ターゲット14の表面と平行になる位置から離れるに従って、磁場ベクトルがターゲット14の中心軸から離れていくという磁場分布によって、基板24から離れるにしたがってプラズマのできる位置がターゲット14の中心軸から離れていく等の理由により、ターゲット14の中心軸上に設置した基板24の付近ではプラズマによるダメージが少ないためと推察される。
Figure 2006265681
(適用例)
図5はX線用の反射膜として機能できる多層膜ミラーに適用した適用例を示す。図5に示すように、成膜対象物として機能する基板24の表面に、厚みが2.45ナノメートルのモリブデン膜150と、厚みが4.55ナノメートルのシリコン膜100とが交互に多層(50層)に積層されている。そしてモリブデン膜150とシリコン膜100との界面に存在する界面拡散層の厚みは1ナノトール以下と薄くされていると共に、界面粗さは0.5ナノトール以下と小さくされている。このものでは、界面拡散層の厚みは薄く、界面粗さも小さいため、多層膜ミラーを構成する多層膜としての本来の性質を向上させることができ、X線の反射率を高めることができる。
(その他)
上記した実施例ではヨーク材20及びヨーク材21が超電導体19の先端面から発せられる磁力線を超電導体19の外側に曲げるために用いられているが、ヨーク材20及びヨーク材21の一方または双方を永久磁石に代えても良い。この場合、永久磁石の磁極は、超電導体19の先端面から発せられる磁力線を超電導体19の外側に曲げるために用いられる。本発明は前記し且つ図面に示した実施例、適用例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
本発明は多層膜の製造に利用することができる。
マグネトロン・スパッタ装置を模式的に示す断面図である。 超電導体を有する磁石装置の中心軸を通る鉛直断面内において、断熱容器の外部の上側における磁場強度分布を示すグラフである。 超電導体を有する磁石装置の磁場ベクトル分布を示すグラフである。 試料1の膜構造を示す模式図である。 適用例を示し、多層膜ミラーの断面図である。
符号の説明
図中、1はマグネトロン・スパッタ装置、10はチャンバ、14はターゲット、17は磁石装置、18は冷凍機、19は超電導体、24は基板(成膜対象物)、100はシリコン膜、120は界面拡散層、150はモリブデン膜を示す。

Claims (12)

  1. 薄膜原料を基材とするターゲットを有し、前記ターゲットの表面近傍に磁場の作用でプラズマを集中させてスパッタリングを行うマグネトロン・スパッタ装置を用い、構成元素、組成、結晶構造のうちの少なくとも一つが異なる2種類以上の膜を積層させて多層膜を形成する多層膜の製造方法において、
    前記ターゲットの表面に平行な磁場の強度を前記ターゲットの表面で0.3T(テスラ)以上に設定する磁石装置を用意する工程と、
    積層方向において互いに隣接するように膜を成膜し、前記積層方向に互いに隣接する膜の界面に存在する界面拡散層の厚みが、前記隣接する膜のうち薄い側の膜の厚みの50%以下となるように設定する成膜工程とを含むことを特徴とする多層膜の製造方法。
  2. 請求項1において、磁場ベクトルの向きが前記ターゲットの表面に対して水平になる位置が前記ターゲットの表面から離れるにつれて前記ターゲットの表面の中心軸から離れるような磁場分布をもつことを特徴とする多層膜の製造方法。
  3. 請求項1または2において、前記多層膜を形成する成膜対象物と前記ターゲットとの距離が250ミリメートル以上に設定されていることを特徴とする多層膜の製造方法。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか一項において、前記多層膜の少なくとも1層の成膜時におけるスパッタガスの圧力が1×10-1Pa以下であることを特徴とする多層膜の製造方法。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか一項において、前記磁場の発生手段として、磁場を捕捉させた超電導体を用いることを特徴とする多層膜の製造方法。
  6. 請求項1〜5のうちのいずれか一項において、前記多層膜を構成する各層の厚みが20ナノメートル以下であることを特徴とする多層膜の製造方法。
  7. 請求項1〜6のうちのいずれか一項において、前記界面拡散層の厚みが2ナノメートル以下であることを特徴とする多層膜の製造方法。
  8. 請求項1〜7のうちのいずれか一項において、前記多層膜のうち積層方向において隣接する各膜を構成する元素が、一方側の膜を構成する少なくとも1種類以上の元素と、他方側の膜を構成する少なくとも1種類以上の元素との間で、化合物または固溶体を形成する化学的性質を有することを特徴とする多層膜の製造方法。
  9. 請求項1〜8のうちのいずれか一項において、前記多層膜は、波長100ナノメートル以下のX線を反射する反射膜であることを特徴とする多層膜の製造方法。
  10. 請求項1〜9のうちのいずれか一項において、前記多層膜は、モリブデンを基材とする膜とシリコンを基材とする膜とが交互に積層されたものであることを特徴とする多層膜の製造方法。
  11. 請求項1〜10のうちのいずれかの製造方法で、構成元素、組成、結晶構造のうちの少なくとも一つが積層方向に隣接する膜において異なる複数の膜を積層して作成され、積層方向に隣接する膜の界面の界面拡散層の厚みが、前記隣接する膜のうち、薄い側の膜の厚みの50%以下に設定されていることを特徴とする多層膜。
  12. 請求項11において、波長100ナノメートル以下のX線を反射する反射膜に用いられることを特徴とする多層膜。
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