JP2006264708A - 浮屋根の減揺装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 浮屋根の揺動に対して大きな減揺効果を得られるようにする。
【解決手段】 浮屋根式タンク10は、液体14を貯留するタンク本体12の底部に揺動抑制板22が起伏自在に設けてある。第1索状体24は、一端を液体14の表面に浮かべた浮屋根18の揺動抑制板22に対して一側縁部に接続し、他端を揺動抑制板22の上部に接続してある。この第1索状体24は、中間部がプーリ28a、28bによってタンク本体12の揺動抑制板22に対して他側下部に案内される。第2索状体26は、一端を前記浮屋根18の揺動抑制板22に対して他側縁部に接続し、他端を揺動抑制板22の上部に接続してある。この第2索状体26は、中間部がプーリ30a、30bを介してタンク本体12の揺動抑制板22に対して一側下部に案内される。
【選択図】 図1
【解決手段】 浮屋根式タンク10は、液体14を貯留するタンク本体12の底部に揺動抑制板22が起伏自在に設けてある。第1索状体24は、一端を液体14の表面に浮かべた浮屋根18の揺動抑制板22に対して一側縁部に接続し、他端を揺動抑制板22の上部に接続してある。この第1索状体24は、中間部がプーリ28a、28bによってタンク本体12の揺動抑制板22に対して他側下部に案内される。第2索状体26は、一端を前記浮屋根18の揺動抑制板22に対して他側縁部に接続し、他端を揺動抑制板22の上部に接続してある。この第2索状体26は、中間部がプーリ30a、30bを介してタンク本体12の揺動抑制板22に対して一側下部に案内される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、石油などを屋外に備蓄する浮屋根式タンクの浮屋根の揺動を低減する浮屋根の減揺装置に関する。
原油やナフサなどを屋外に保管する大型のタンクは、浮屋根式タンクが用いられている。浮屋根式タンクは、タンク本体内に貯留した原油などの液体の液面に浮屋根と呼ばれる蓋を浮かべ、浮屋根とタンク本体との間にシール材を配置して原油などが蒸発するのを防止している。浮屋根は、タンク本体内の液体の増減に伴う液面の変動に伴って、タンク本体内を上下動するようになっている。この浮屋根式タンクは、中の液体が減少したとしても原油やナフサなどが空気に触れることがないため、火災の発生などの危険を避けることができる。
ところが、地震が発生してタンクが揺れると、タンク内の液体の揺動に伴って浮屋根も揺動する。特に、タンクに数秒から10数秒の揺れが作用すると、タンク内液体の揺動の固有周期と一致して共振状態となり、液面が大きく揺動する。このため、タンク内に多量の原油などが貯留されている場合に、液面の大きな揺動によって浮屋根が大きく傾斜し、原油などがタンクからこぼれたり、浮屋根がタンク本体に設けた付属物と衝突して破損したり、衝突した際に火花が発生して火災になったりする。このため、浮屋根の揺動を防止する装置が種々考えられており、例えばヒンジを介して上下方向に折りたためる制水板を複数配置してタンク内を仕切ってタンク内に生ずる液圧を小さくするようにしたもの(特許文献1)、浮屋根にワイヤを吊るし、ワイヤに水平方向に平らな板からなる抵抗体を取り付けて液体の揺動を抑制するもの(特許文献2)などがある。
特開昭57−142892号公報
特開平9−142575号公報
特許文献1に記載のタンクの液面動揺防止装置は、タンク内を仕切って揺動しうる液体の量を少なくしているために、液面の揺動が従来より小さくなることが期待される。しかし、特許文献1に記載のものは、浮屋根の縁部(端部)が拘束されていないために、浮屋根の揺動を充分に抑制することができない。また、特許文献2に記載のタンクは、抵抗体が水平方向に平らな板状体からなっており、ワイヤの下端が固定されていないため、抵抗体により液体の揺動を阻止することができずに液面が大きく揺動し、浮屋根も大きく揺動するおそれがある。
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、浮屋根の揺動に対して大きな減揺効果を得られるようにすることを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明に係る浮屋根の減揺装置は、液体を貯留するタンク本体の底部に起伏自在に設けた揺動抑制板と、一端を前記液体の表面に浮かべた浮屋根の前記揺動抑制板に対して一側縁部に接続し、他端を前記揺動抑制板の上部に接続した第1索状体と、この第1索状体の中間部を前記揺動抑制板の一方の面に対向した前記タンク本体の下部に案内する第1ガイド部材と、一端を前記浮屋根の前記揺動抑制板に対して他側縁部に接続し、他端を前記揺動抑制板の上部に接続した第2索状体と、この第2索状体の中間部を前記揺動抑制板の他方の面に対向した前記タンク本体の下部に案内する第2ガイド部材と、を有することを特徴としている。
前記第1索状体の前記一端は、前記揺動抑制板の前記他方の面側の浮屋根縁部に接続し、前記第2索状体の前記一端は、前記揺動抑制板の前記一方の面側の浮屋根縁部に接続するとよい。前記揺動抑制板は、上端部が引起し部材を介して前記浮屋根に接続するとよい。また、前記揺動抑制板は、前記タンク本体の中心に対する各象限のそれぞれに配設し、隣接する前記揺動抑制板の長手方向を相互に直交させるとよい。
また、本発明に係る浮屋根の減揺装置は、タンク本体に貯留した液体の表面に浮かべた浮屋根の縁部の複数箇所のそれぞれに一端を接続した複数の索状体と、この索状体の他端に取り付けられ、連結具を介して前記タンク本体に接続した衝撃吸収部材と、を有することを特徴としている。
上記のようになっている本発明は、地震の加速度がタンク本体に作用すると、タンク本体内の液体が地震の加速度方向と逆側に移動したと同様の効果を生じ、タンク本体の一側の表面が盛り上がる。このため、浮屋根は、一側が上昇して他側が下降しようとする。このとき、浮屋根の一側に接続した索状体が、浮屋根の上昇に伴って他端に接続した揺動抑制板を一方に倒すように牽引して液体の揺動を阻止、または地震の振動方向と異なる方向に揺動させる。このため、タンク本体の一側に作用する液体の圧力が小さくなるとともに、浮屋根の一側の上昇が液体の移動を阻止する揺動抑制板によって引き戻される力を受ける。このため、浮屋根の揺動が抑制され、液体の揺動を低減することができ、大きな減揺効果を得ることができる。
特に、第1索状体の一端を揺動抑制板の他方の面側の浮屋根縁部に接続し、第2索状体の一端を揺動抑制板の一方の面側の浮屋根縁部に接続すると、揺動抑制板の面と直交する方向に地震加速度が作用した場合、浮屋根の第1索状体の一端が接続され他側の上昇すると、揺動抑制板が第1索状体によって一方の面側に引かれて液体の揺動を阻止し、液体から受ける圧力によって浮屋根に上昇を阻止する力を作用させる。このため、浮屋根の大きな揺動抑制力を与えることができ、大きな減揺効果を得ることができる。
揺動抑制板の上端部を引起し部材を介して前記浮屋根に接続すると、タンク本体内の液体が払い出されて揺動抑制板が倒れた状態となった場合であっても、タンク本体内に液体を注入して浮屋根を浮上させることにより、揺動抑制板を引き起こして起立させることができる。また、タンク本体の中心に対する各象限のそれぞれに揺動抑制板を配設し、隣接する揺動抑制板の長手方向が相互に直交させると、各揺動抑制板がタンク本体内の液体の移動を阻止するため、液面の揺動を小さくすることができ、浮屋根の減揺を図ることができる。
さらに、本発明に係る浮屋根の減揺装置は、浮屋根の内部の複数を衝撃吸収部材、例えばばねなどの機械的減衰機構やシリンダ機構などを介して拘束(係留)したことにより、急激な液面変動が生じた場合であっても、薄い板材からなる浮屋根に作用する衝撃を緩和し、浮屋根の破損を防止できるとともに、浮屋根の揺動を低減することができる。
本発明に係る浮屋根の減揺装置の好ましい実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る浮屋根の減揺装置の説明図である。図1において、浮屋根式タンク10は、タンク本体12の内部に原油などの液体14を貯留するようになっている。液体14の液面16には、浮屋根18を浮かべるようになっている。浮屋根式タンク10は、タンク本体12と浮屋根18との間に図示しないシール部材が配設してあって、タンク本体12に貯留した液体14が蒸発するのを防止するようになっている。また、タンク本体12の内部には、浮屋根18の揺動を低減させるための減揺装置20が設けてある。
図1は、本発明の第1実施形態に係る浮屋根の減揺装置の説明図である。図1において、浮屋根式タンク10は、タンク本体12の内部に原油などの液体14を貯留するようになっている。液体14の液面16には、浮屋根18を浮かべるようになっている。浮屋根式タンク10は、タンク本体12と浮屋根18との間に図示しないシール部材が配設してあって、タンク本体12に貯留した液体14が蒸発するのを防止するようになっている。また、タンク本体12の内部には、浮屋根18の揺動を低減させるための減揺装置20が設けてある。
減揺装置20は、揺動抑制板22、第1索状体24、第2索状体26、プーリ28(28a、28b)、30(30a、30b)を有している。揺動抑制板22は、ヒンジ32を介してタンク本体12の底板に取り付けてあって、矢印34に示したように、左右のどちら方向にも起伏自在となっている。なお、いずれか一方だけに起伏自在であってもよい。また、揺動抑制板22は、下方を索状体24、26を通すことができるように、底板からやや浮かせた状態で取り付けてある。そして、揺動抑制板22は、上端がワイヤロープなどの引起し部材36を介して浮屋根18の下面に接続してある。引起し部材36は、タンク本体12内の液体14が引き抜かれ、浮屋根18が下降して揺動抑制板22が倒れた場合に、タンク本体12の内部に液体14を注入して浮屋根18を上昇させることにより、揺動抑制板22を引き起こすためのものである。
第1索状体24、第2索状体26は、屈曲可能なワイヤロープ、索などから形成してある。第1索状体24は、一端が浮屋根18の揺動抑制板22に対して一側(揺動抑制板22の他方の面側)の縁部となる浮体部38の下部に接続具(図示せず)を介して接続してある。プーリ28a、28bは、第1ガイド部材を構成していて、第1索状体24を掛け渡すようになっている。プーリ28aは、タンク本体12の下部であって、第1索状体24を接続した接続具のほぼ真下に取り付けてある。また、プーリ28bは、揺動抑制板22の反対側、すなわち揺動抑制板22の一方の面と対向したタンク本体12の下部の、プーリ28aと対応する位置に取り付けてある。そして、第1索状体24は、中間部をプーリ28aに掛けられ、揺動抑制板22の下を通されてプーリ28bに掛けられる。第1索状体24の他端は、揺動抑制板22の上部に接続してある。
第2索状体26は、一端が浮屋根18の揺動抑制板22に対して他側(揺動抑制板22の一方の面側)の縁部である浮体部38の下部に接続具(図示せず)を介して接続してある。そして、第2索状体26は、中間部が第2ガイド部材を構成しているプーリ30a、30bを介して揺動抑制板22に対して一側に案内され、先端が揺動抑制板22の上部に接続してある。すなわち、第2索状体26は、中間部が一端を接続した接続具の下方に設けたプーリ30aに掛け渡され、揺動抑制板22の下を通されて反対側に設けたプーリ30bに掛け渡してある。
揺動抑制板22は、図2に示したように、タンク本体12を中心として第1象限から第4象限のそれぞれに1つずつ配設してある。そして、各象限に配設した揺動抑制板22(22A〜22D)のそれぞれは、隣接する揺動抑制板22の長手方向が相互に直交するように配設してある。そして、各揺動抑制板22は、図3、図4に示したように、下端42がタンク本体12の底板44との間に間隙46を有するように取り付けてあり、この間隙46に索状体24、26を通すことができるようになっている。そして、各揺動抑制板22の上端には、索状体24、26を接続するための連結具48が設けてある。なお、図3はタンク本体12の内部を図2の右側から見た揺動抑制板22の配置状態を模式的に示したものであり、図4はタンク本体12の内部を図2の下側から見た揺動抑制板22の配置状態を模式的に示したものである。
このようになっている実施形態の減揺装置20の作用は、次のとおりである。いま、図5に示したように、地震加速度50が図の左方向に作用した場合、タンク本体12は、左方向に移動する力を受け、タンク本体12内の液体14が実質的に右へ移動したと同様の効果を生じ、タンク本体12の右側内面に押し付けられる。このため、タンク本体12内の右側部分の圧力が高くなって液面16が上昇し、左側部分の圧力が低くなって液面16が低下する。したがって、浮屋根18は、矢印に示したように回転モーメント54が作用し、液面16の変化に伴って右側が上昇し、左側が下降する。
浮屋根18の右側が上昇すると、この部分に接続した第2索状体26を引き、第2索状体26に大きな張力52を与える。一方、浮屋根18の左側は、液面16の下降に伴って下降し、この部分に接続した第1索状体24の張力が小さくなる。そして、第2索状体26に生じた大きな張力52は、第2索状体26の他端側に伝達され、揺動抑制板22の上端を図5の左方向に引き、揺動抑制板22を反時計方向に回動させ、揺動抑制板22の左側に存在する液体14が右方向に移動するのを阻止する。このため、浮屋根18を反時計方向に回転させようとする回転モーメント54が小さくなり、浮屋根18の揺動を抑制することができる。
図6に示したように、浮屋根18が矢印56のように回転し、揺動抑制板22が反時計方向に回動すると、揺動抑制板22の左側の液体14は、揺動抑制板22の左側の面に大きな圧力を与え、一部が揺動抑制板22を超えて揺動抑制板22の右側に移動する。このため、タンク本体12の内部は、揺動抑制板22の左側の圧力が高くなり、右側の圧力が低下する。したがって、揺動抑制板22は、矢印58に示したように、右方向に押される力を受け、第2索状体26に大きな張力を与える。このため、第2索状体26に作用する大きな張力は、第2索状体26を接続した浮屋根18の右側部分を下方に引き、浮屋根18に矢印に示した大きな反力モーメント60を与える。したがって、浮屋根18の揺動が抑制され、大きな減揺効果を得ることができる。地震加速度が逆方向に作用した場合も同様である。
浮屋根18の運動方程式および周波数領域における運動(傾斜)応答振幅は、次式で表せる。
ただし、Iは慣性モーメント、Aは付加慣性モーメント、Bは減衰モーメント係数、Cは復原モーメント係数、Mは強制モーメント、ωは円周波数である。
計算を簡単にするため、液面高さの全体およびタンク本体12の直径全体に仕切り板があると考え、仕切り板と浮屋根18との間等のすき間の影響を無視し、仕切り板が液体14の動きを完全に止めると仮定すると、浮屋根18に作用する回転モーメントMFLUIDは、次式で表せる。
このように、タンク本体12の内部に仕切り板を設けることによって浮屋根18に作用する回転モーメントMFLUID、ひいては浮屋根18の揺動(傾斜)を大幅に低減することが可能となる。さらに、仕切り板をロープ(索状体)に接続し、その一端を浮屋根18の端部(縁部)に接続することによって、浮屋根18が液体14から受ける回転モーメントを相殺する方向のモーメントをロープによって加えることが可能となる。計算を簡単にするため、仕切り板が両側各1本のロープで浮屋根18の縁部に接続されていると仮定すると、ロープを通じて浮屋根18に伝えられる回転モーメントMROPEは、次式で与えられる。
ただし、hは液面16の高さである。
10万kLのタンク(R=40m、h=20m)を考え、仕切り板がない場合の回転モーメントに対する比で各モーメントの大きさを推定してみると、
となる。ロープによる相殺モーメントは、複数本のロープに分担するため、上記の結果より小さくなると考えられるが、流体圧による回転モーメントと同程度となるようにロープを配置することで、浮屋根に作用する回転モーメントの合計を限りなく小さくし、浮屋根18の揺動を極小化することが可能となる。
図7は、実施形態の減揺装置20を設けた浮屋根式タンク10と、減揺装置を有していない従来の浮屋根式タンクとの浮屋根の揺動状態の実験の比較結果である。いずれもタンク本体12の直径が80m、高さが20mであり、内部に水を満たして加振実験を行ない、加振周期と浮屋根端部の上下変位との関係を求めた。タンク本体に作用させた加振変位は0.1mである。そして、図7は、横軸が加振周期を秒で示し、縦軸が浮屋根端部の上下変位をmで示したものである。
図7に示した△は従来の浮屋根式タンクに対する実験結果であり、■は第1実施形態に係る減揺装置20を備えた浮屋根式タンクに対する実験結果である。図7に示されているように、従来の浮屋根式タンクの場合、加振周期が11秒のときに、浮屋根は端部の上下変位が4mを超える揺動を示したが、減揺装置20を備えた浮屋根はほとんど揺動することがなかった。
前記実施形態においては、揺動抑制板22をタンク本体12の中心に対して各象限のそれぞれに1つずつ配設した場合について説明したが、数や大きさ、向き、索状体の連結方向などはこれに限定されない。また、揺動抑制板22に適宜の開口を設けて揺動の減衰効果を高めるようにしてもよい。また、浮屋根18に過度の荷重が作用するのを防止するため索状体24、26にせん断ピン等の破断機構を設けてもよい。
図8は、第2実施形態の説明図である。図8において、浮屋根式タンク10は、タンク本体12と、液体14の液面16に浮かべた浮屋根18とを有している。浮屋根18は、周縁部の中心に対して周方向に等間隔の複数箇所に減揺装置70が取り付けてある。減揺装置70は、索状体72と衝撃吸収部材74と連結部材76とから構成してある。索状体72は、ワイヤロープやチェーンなどからなっていて、上端が接続具78を介して浮屋根18の縁部に接続してあり、下端が衝撃吸収部材74の上端に接続してある。衝撃吸収部材74は、下端が連結部材76を介してタンク本体12の下部の適宜に位置に接続してある。
衝撃吸収部材74は、実施形態の場合、図9に模式的に示したように、シリンダ構造となっている。すなわち、衝撃吸収部材74は、シリンダ80の内部にロッド82を接続したピストン84が同軸に設けてある。ピストン84は、シリンダ80内を摺動自在となっている。ロッド82は、先端側がシリンダ80から突出していて、その先端に連結部材76が接続してある。また、シリンダ80の内部には、ピストン84とロッドカバーとの間に、ロッド82を貫通させた戻しばね86が介装してあり、ピストン84をヘッド側(図9の上側)に付勢している。そして、シリンダ80は、ヘッドが索状体72の下端に接続してある。
このようになっている、第2実施形態においては、液面16が揺動して浮屋根18の縁部が上昇すると、浮屋根18に一端を接続した索状体72が衝撃吸収部材74のシリンダ80を戻しばね86の付勢力に抗して引き上げる。このため、浮屋根18の揺動を低減することができるとともに、液面16が急激に変動した場合、浮屋根18に作用する衝撃を衝撃吸収部材74が吸収するため、浮屋根18の損傷を避けることができる。なお、前記実施形態においては、衝撃吸収部材をシリンダ構造にした場合に説明したが、ばねなどであってもよい。
図10、図11は、浮屋根18と揺動抑制板22とを連結する索状体の引き回し方法に係る他の実施形態を示す模式図である。この実施形態に係る浮屋根式タンクの減揺装置90は、揺動抑制板22と索状体92、索状体92を案内するガイド部材94(94a、94b)とから構成してある。揺動抑制板22は、第1実施形態と同様に、ヒンジ32によって起伏自在となっている。索状体92は、一端が浮屋根18の揺動抑制板22の一側側方となる縁部に、本図に図示しない接続具を介して接続してあり、他端が揺動抑制板22の上部に接続してある。
各ガイド部材94は、プーリなどから構成してある。ガイド部材94aは、タンク本体12の下部であって、浮屋根18に取り付けられて索状体92が接続された接続具の下方に配設してある。また、ガイド部材94bは、揺動抑制板22の一方の面に対向したタンク本体12の下部に取り付けてある。そして、索状体92は、中間部がこれらのガイド部材94に掛け渡してある。なお、図示しないが、反対側にも浮屋根18と揺動抑制板22を連結した第2の索状体と、索状体を案内するガイド部材が配置してある。
このようになっているこの実施形態においては、地震加速度96が図10の上下方向に作用すると、図11の矢印98に示すように、浮屋根18が図11の上方向に揺動する。このため、浮屋根18に接続した索状体92に大きな張力が作用して、揺動抑制板22を矢印100のように揺動させる。揺動抑制板22は、揺動することにより、地震加速度96と直交した方向に液体を揺動させ、液体が図10の上下方向に揺動するのを低減する。
10………浮屋根式タンク、12………タンク本体、18………浮屋根、20………減揺装置、22………揺動抑制板、24………第1索状体、26………第2索状体、28a、28b………第1ガイド部材(プーリ)、30a、30b………第2ガイド部材(プーリ)、36………引起し部材、70………減揺装置、72………索状体、74………衝撃吸収部材、76………連結部材、80………シリンダ、82………ロッド、84………ピストン、86………戻しばね、90………減揺装置、92………索状体、94a、94b………ガイド部材。
Claims (5)
- 液体を貯留するタンク本体の底部に起伏自在に設けた揺動抑制板と、
一端を前記液体の表面に浮かべた浮屋根の前記揺動抑制板に対して一側縁部に接続し、他端を前記揺動抑制板の上部に接続した第1索状体と、
この第1索状体の中間部を前記揺動抑制板の一方の面に対向した前記タンク本体の下部に案内する第1ガイド部材と、
一端を前記浮屋根の前記揺動抑制板に対して他側縁部に接続し、他端を前記揺動抑制板の上部に接続した第2索状体と、
この第2索状体の中間部を前記揺動抑制板の他方の面に対向した前記タンク本体の下部に案内する第2ガイド部材と、
を有することを特徴とする浮屋根の減揺装置。 - 請求項1に記載の浮屋根の減揺装置において、
前記第1索状体の前記一端は、前記揺動抑制板の前記他方の面側の浮屋根縁部に接続し、
前記第2索状体の前記一端は、前記揺動抑制板の前記一方の面側の浮屋根縁部に接続した、
ことを特徴とする浮屋根の減揺装置。 - 請求項1または2に記載の浮屋根の減揺装置において、
前記揺動抑制板は、上端部が引起し部材を介して前記浮屋根に接続してあることを特徴とする浮屋根の減揺装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1に記載の浮屋根の減揺装置において、
前記揺動抑制板は、前記タンク本体の中心に対する各象限のそれぞれに配設され、隣接する前記揺動抑制板の長手方向が相互に直交していることを特徴とする浮屋根の減揺装置。 - タンク本体に貯留した液体の表面に浮かべた浮屋根の縁部の複数箇所のそれぞれに一端を接続した複数の索状体と、
この索状体の他端に取り付けられ、連結具を介して前記タンク本体に接続した衝撃吸収部材と、
を有することを特徴とする浮屋根の減揺装置。
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WO2011129770A1 (en) * | 2010-04-13 | 2011-10-20 | National University Of Singapore | Liquid stabilizing device |
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