JP2006263746A - 熱交換器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】潰れ防止治具の使用によって流通路の潰れ防止と、タンク部とコア部の接合性の向上の両立を図る。
【解決手段】両端面に開口する流通路15を内部に有した金属製の板状のコア部11と、コア部の両端に配されコア部の板面に接合されることで各流通路に連通する金属製のタンク部12と、を具備する熱交換器の製造方法において、コア部の両端の板面上に、タンク部形成用部材3の接合予定部を配置すると共に、コア部の両端の流通路の開口に、低温時に開口との間に隙間を生じ且つ拡散接合のための昇温時に開口と密着する熱膨張差を持つ金属製であり外表面に接合防止剤をコーティングした第1の潰れ防止治具50のプラグ51を挿入し、その状態で、タンク部形成用部材の接合予定部をコア部の板面に圧接させつつ所定温度に昇温させることで、タンク部形成用部材をコア部の板面に拡散接合して、コア部の両端にタンク部を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】両端面に開口する流通路15を内部に有した金属製の板状のコア部11と、コア部の両端に配されコア部の板面に接合されることで各流通路に連通する金属製のタンク部12と、を具備する熱交換器の製造方法において、コア部の両端の板面上に、タンク部形成用部材3の接合予定部を配置すると共に、コア部の両端の流通路の開口に、低温時に開口との間に隙間を生じ且つ拡散接合のための昇温時に開口と密着する熱膨張差を持つ金属製であり外表面に接合防止剤をコーティングした第1の潰れ防止治具50のプラグ51を挿入し、その状態で、タンク部形成用部材の接合予定部をコア部の板面に圧接させつつ所定温度に昇温させることで、タンク部形成用部材をコア部の板面に拡散接合して、コア部の両端にタンク部を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、板状のコア部の両端に、熱交換流体の分配・合流用のタンク部を拡散接合により設けた熱交換器の製造方法に関する。
図5は従来の熱交換器の製造方法の説明図で、(a)は熱交換器の分解斜視図、(b)は完成状態の熱交換器の斜視図である。また、図6はその要部の断面を示している。
図5に示す熱交換器は、両端面に開口する複数の流通路15を内部に有した金属製の板状のコア部11と、コア部11の両端に配された金属製のタンク部12と、を具備する。タンク部12は、コア部11の表裏板面上に半筒状のタンク部形成用部材3を接合することによって形成されており、内部に各流通路15に連通する分配または合流用の空間を備える。
両端のタンク部12の一方は、熱交換流体をコア部11の各流通路15に分配する入口側のタンク部、他方は、流通路15を通ってきた熱交換流体を外部に排出するために合流させる出口側のタンク部であり、熱交換流体は、図5(b)中の矢印F1で示すように入口側のタンク部12から流入させて、コア部11の流通路15を通過させた後、矢印F2で示すように出口側のタンク部12から外部に流出させる。
従来、この種の熱交換器を作製する場合は、まず、図6(b)に示すように、ステンレス鋼等の金属板1A、1Bの表面にエッチング加工等にて通路溝15aを形成し、その通路溝15aを形成した金属板1A、1Bを、通路溝15a同士が対向するように2枚積層し、その状態で、積層した金属板1A、1B同士を接合して、平板状のコア部11を形成する。図6(b)中のSで示す部分が接合部である。この部分は、通路溝15aによって流通路15を形成する場合の柱部となる。
次に、図5(a)に示すように、コア部11の両端の表裏板面上に半筒状のタンク部形成用部材3を接合して、内部に分配・合流用の空間を備えたタンク部12を形成する。これにより、図5(b)の熱交換器ができあがる。この場合、コア部11の両端には、タンク部形成用部材3を接合する前に、タンク部12と各流通路15を連通させるための溝13を予め形成しておく。
ところで、コア部11を構成する2枚の金属板1A、1B同士の接合には、接合部分にも母材と同等の特性を持たせたいという観点から、通常は、マイクロチャンネル構造にも対応可能な拡散接合を採用している。
一方、タンク部12とコア部11の接合には、本来は特性上有利な拡散接合を採用したいが、次に述べる理由により、ロウ付け接合を採用しているのが現状である。
図7及び図8は、タンク部12をコア部11に拡散接合しようとした場合の問題点の説明図である。
図7に示すように、タンク部12をコア部11に拡散接合するには、外部から圧力Tを加える必要がある。外部から圧力Tを加えた場合、コア部11の柱部(接合部S)に対応する部分では、タンク部形成用部材3とコア部11の板面間に面圧が順当にかかり良好に接合できるが、流通路15の存在する部分は中空構造であるため、特にその幅方向の中心部に対応する部分H1では、タンク部形成用部材3とコア部11の板面間に十分な面圧がかかりにくく、接合不良を生じやすい。
また、図8に示すように、加圧力を増して拡散接合すると、接合不良は改善するが、流通路15が潰れてしまい、熱交換流体の流通性能に悪影響が出やすい。
このように、タンク部12とコア部11の接合を拡散接合で行うには、「接合性」と「耐潰れ性」の両立が課題であり、それが従来、あまり大きな加圧力を与えることなく接合が可能なロウ付けを採用する理由であった。
しかし、「接合性」と「耐潰れ性」を両立させることができれば、拡散接合の方が有利である。そこで、流通路15に、潰れ防止のための潰れ防止治具(スペーサ部材)を挿入し、その状態で拡散接合を行う方法(例えば、特許文献1参照)を採用することが考えられる。
特許文献1には、積層した伝熱プレートの通路孔部にセラミック等の非金属材料製の潰れ防止治具を配置して、伝熱プレート同士を拡散接合する方法が開示されている。このようにセラミック等の非金属材料製の潰れ防止治具を配置して拡散接合すれば、各伝熱プレートの歪や加圧力不足による接合精度の低下を防止することができると共に、拡散接合後に、拡散接合されていない潰れ防止治具を取り外すことができる。
特開平9−324996号公報
しかし、セラミック等の非金属材料製の潰れ防止治具を使用する場合、取り扱い時に割れや欠けを生じるおそれがあり、例えば小さな欠けが生じた場合、異物としてそれが熱交換器内に残るおそれがある。
本発明は、上記事情を考慮し、潰れ防止治具の使用によって、流通路の潰れ防止と、タンク部とコア部の接合性の向上の両立を図ることができると共に、潰れ防止治具の割れや欠けの問題を解消することができ、しかも、潰れ防止治具の簡単な挿入と抜き取りが可能な熱交換器の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、両端面に開口する複数の流通路を内部に有した金属製の板状のコア部と、該コア部の両端に配され、該コア部の板面に接合されることで前記各流通路に連通する分配または合流用空間を内部に形成した金属製のタンク部と、を具備する熱交換器の製造方法において、前記コア部の両端の板面上に、タンク部形成用部材の接合予定部を配置すると共に、前記コア部の両端の前記流通路の開口に、低温時に前記開口との間に隙間を生じ且つ拡散接合のための昇温時に前記開口と密着する熱膨張差を持つ金属製であり外表面に接合防止剤をコーティングした第1の潰れ防止治具を挿入し、その状態で、前記タンク部形成用部材の接合予定部をコア部の板面に圧接させつつ所定温度に昇温させることで、タンク部形成用部材をコア部の板面に拡散接合して、コア部の両端にタンク部を形成することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の熱交換器の製造方法であって、前記コア部を構成するために、少なくとも一方の合わせ面に前記流通路形成用の通路溝を有した複数枚の金属板を積層し、その積層した状態で、その最外層の金属板の両端の板面上に、前記タンク部形成用部材の接合予定部を配置すると共に、前記通路溝の端部開口に、低温時に前記開口との間に隙間を生じ且つ拡散接合のための昇温時に前記開口と密着する熱膨張差を持つ前記第1の潰れ防止治具を挿入し、その状態で、前記積層した金属板間及び前記タンク部形成用部材と金属板の板面間に圧接力を作用させつつ所定温度に昇温させることで、前記金属板間及びタンク部形成用部材と金属板とを拡散接合して、前記流通路を有するコア部と、その両端のタンク部とを同時に形成することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の熱交換器の製造方法であって、前記第1の潰れ防止治具は、前記流通路または通路溝の各開口に挿入される多数のプラグと、前記タンク部の内部空間内に位置して前記多数のプラグを連結する連結棒とで構成され、前記拡散接合後の低温に冷却した状態で、第1の潰れ防止治具を、タンク部から一体に抜き取ることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の熱交換器の製造方法であって、前記プラグが先細りのテーパ状に形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、少なくとも請求項1から請求項4の何れか一つに記載の熱交換器の製造方法であって、前記タンク部形成用部材の内部に、低温時に前記タンク部形成用部材との間に隙間を生じ且つ拡散接合のための昇温時に前記タンク部形成用部材と密着する熱膨張差を持つ金属製であり外表面に接合防止剤をコーティングした第2の潰れ防止治具を挿入し、この第2の潰れ防止治具により前記第1の潰れ防止治具を定位置に保持した状態で前記拡散接合を行い、拡散接合後の低温に冷却した状態で、まず、第2の潰れ防止治具をタンク部から抜き取り、次いで、前記各開口からプラグを抜き、その状態で第1の潰れ防止治具をタンク部から抜き取ることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、流通路の端部開口に挿入した第1の潰れ防止治具が、タンク部をコア部の両端に拡散接合する際の加圧力の受け材として機能するので、コア部の両端に対しタンク部を、流通路の変形を起こさずに、良好に拡散接合することができる。従って、流通路の潰れ防止と、タンク部とコア部の接合性の向上の両立を図ることができる。
また、潰れ防止治具とコア部との間に、拡散接合温度時点で互いに密着し低温時に隙間が生じるような熱膨張差を設けたので、加熱前と冷却後に隙間を保った状態とすることができ、緩めの状態で簡単に潰れ防止治具の取り付け取り外しができる。
また、潰れ防止治具を金属製としたので、無用な割れや欠けの発生を防止することができ、取り扱い性の向上が図れる。
請求項2の発明によれば、コア部を構成する複数枚の金属板同士の接合とコア部に対するタンク部の接合を、同時に拡散接合によって行うので、工程の簡略化と接合品質の向上が図れる。また、隣接する金属板の対向面の両方に通路溝を形成して接合する場合には、両金属板の通路溝の端部開口に対して潰れ防止治具を挿入することによって、隣接する金属板同士の柱部の位置ずれを防止することができるので、精度のよい拡散接合を行うことができる。
請求項3の発明によれば、潰れ防止治具を、流通路または通路溝の各開口に挿入される多数のプラグと、タンク部の内部空間内に位置して多数のプラグを連結する連結棒とで構成したので、連結棒の部分を持って多数のプラグを一括して取り扱うことができ、潰れ防止治具の取り付け取り外しの作業性を向上することができる。
請求項4の発明によれば、プラグを先細りのテーパ状に形成したので、取り付け取り外しが一層楽に行える。
請求項5の発明によれば、タンク部形成用部材の内部への第2の潰れ防止治具の挿入によって、第1の潰れ防止治具の位置ずれや脱落を確実に防止することができるので、拡散接合の品質の向上が図れる。
また、第2の潰れ防止治具がタンク部形成用部材を加圧する際の受け部材となるので、タンク部形成用部材が拡散接合時の加圧力で潰れるのを防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1〜図3は実施形態の製造方法の説明図である。
ここで製造の対象とする熱交換器は、図1に示すように、互いに平行で両端面に開口する複数の流通路15を内部に有した金属製の矩形板状のコア部11と、コア部11の両端に配された金属製のタンク部12と、を具備するものである。各流通路15に連通する分配または合流用の空間を内部に有するタンク部12は、コア部11の表裏板面に、半円筒状のタンク部形成用部材3を接合することで構成する。
コア部11は、図1、図2に示すように、2枚の金属板1A、1Bを接合することで形成する。即ち、ステンレス鋼等の金属板1A、1Bの表面にエッチング加工等にて通路溝15aを形成し、その通路溝15aを形成した金属板1A、1Bを、通路溝15a同士が対向するように2枚積層し、その状態で、積層した金属板1A、1B同士を接合することで、平板状のコア部11を形成する。図において、Sで示す部分は、コア部11の接合部(柱部)である。
この熱交換器を製造する場合は、まず、コア部11を構成するために、予めエッチング加工等により通路溝15aを片表面に形成した2枚の金属板1A、1Bを用意する。また、それと同じ材料でできた半円筒状のタンク部形成用部材3を必要な個数(4個)だけ用意する。また、拡散接合時の流通路15の潰れ防止用に、金属製の第1の潰れ防止治具50と第2の潰れ防止治具60を用意する。
製品であるコア部11及びタンク部12を、例えば、フェライト系ステンレスで構成する場合、潰れ防止治具50、60は、製品よりも熱膨張係数の大きい材料であるオーステナイト系ステンレスで作る。そして、拡散接合時に製品と接合されないように、潰れ防止治具50、60の外表面には、アルミナ等の接合防止剤をコーティングしておく。熱膨張の大きな材料として、アルミ添加ステンレス材で潰れ防止治具50、60を構成してもよい。
第1の潰れ防止治具50は、拡散接合時における流通路15の潰れを防止するためのもので、通路溝15a(流通路15)の各開口に挿入される多数のプラグ51と、タンク部12の内部空間内に位置して多数のプラグ51を連結する円柱状の連結棒52とを一体に有する。
また、第2の潰れ防止治具60は、拡散接合時におけるタンク部12の潰れを防止しつつ、第1の潰れ防止治具50を定位置に保持するためのもので、タンク部形成用部材3の内部に挿入できる棒状に形成されている。この場合、棒状の本体61の側面に、第1の潰れ防止治具50の連結棒52を収容する凹溝62が形成してある。ただし、この凹溝62の一端は、拡散接合後に第1の潰れ防止治具50から第2の潰れ防止治具60を抜くことができるように開放している。
ここで重要なことは、第1の潰れ防止治具50の特にプラグ51の部分を、低温時に通路溝15aの端部開口との間に隙間を生じ、拡散接合のための昇温時に熱膨張差によって通路溝15aの開口と密着するような寸法に設定してあることである。また、第2の潰れ防止治具60を、低温時にタンク部形成用部材3との間に隙間を生じ、拡散接合のための昇温時に熱膨張差によってタンク部形成用部材3と密着するような寸法に設定してあることである。
このように熱膨張差に応じた寸法条件に設定しておくことで、常温時に、製品(コア部11及びタンク部12)と潰れ防止治具50、60との間に確実に隙間を確保することができ、潰れ防止治具50、60をゆるみ状態にしておくことができる。
熱交換器の製造に当たっては、図3に示すような拡散接合用の製造治具100を準備する。
この拡散接合用の製造治具100は、タンク部形成用部材3の収容部を対向面に有した上下のベース治具101、102を、ボルト105とナット106で締め付けて、上下方向に被接合部材(コア部11、タンク部12)を加圧することができるものである。この場合、炉の中に入れて拡散接合する関係から、ベース治具101、102やボルト105、ナット106は、CCMやグラファイト等のカーボン材で構成してある。また、ベース治具101、102には、製品を構成するステンレス材との反応防止のために、アルミナ等のコーティングを施してある。
次に製造手順について説明する。
まず、両端のタンク部12を形成する4つのタンク部形成用部材3のうち、下側のタンク部形成用部材3を、拡散接合用の製造治具100の下側のベース治具102上にセットする。
次に、コア部11を形成する2枚の金属板1A、1Bを、通路溝15a同士が対向するように重ね合わせて、下側のベース治具102の上にセットする
次に、第1の潰れ防止治具50の各プラグ51を、重ね合わせた金属板1A、1Bの間の通路溝15a(流通路15)の両端開口に挿入する。同時に第2の潰れ防止治具60を、下側のタンク部形成用部材3の上にセットし、その上に上側のタンク部形成用部材3をセットする。こうすることで、接合前のコア部11の両端の板面上に、半円筒状のタンク部形成用部材3の両端(接合予定部)を配置することができる。
次に、第1の潰れ防止治具50の各プラグ51を、重ね合わせた金属板1A、1Bの間の通路溝15a(流通路15)の両端開口に挿入する。同時に第2の潰れ防止治具60を、下側のタンク部形成用部材3の上にセットし、その上に上側のタンク部形成用部材3をセットする。こうすることで、接合前のコア部11の両端の板面上に、半円筒状のタンク部形成用部材3の両端(接合予定部)を配置することができる。
次いで、上側ベース治具101を、上側のタンク部形成用部材3及び重ね合わせた金属板1A、1Bの上にセットし、ボルト105とナット106を締め付けて、金属板1A、1Bの接合予定部及びタンク部形成用部材3の接合予定部を金属板1A、1Bの板面に圧接させる。この状態で所定温度に昇温させることで、金属板1A、1B間及びタンク部形成用部材3と金属板1A、1Bとを拡散接合して、流通路15を有するコア部11と、その両端のタンク部12とを同時に一体に形成する。
そして、拡散接合が終了したら、温度が低下するのを待つことで、潰れ防止治具50、60と製品(コア部11、タンク部12)との間にゆるみができるので、その状態で潰れ防止治具50、60を取り外す。その際、まず、第2の潰れ防止治具60をタンク部12から抜き取り、次に、第1の潰れ防止治具50をタンク部12内でコア部11から離れる外側方向にスライドさせ、コア部11の端部開口から全プラグ51が抜けたら、連結棒52を持ってタンク部12から第1の潰れ防止治具50を抜く。ここで、当然のことながら、タンク部12の内径は、第1の潰れ防止治具50をスライドさせて抜き取れる程度のサイズに設定してあるものとする。
以上の工程において、通路溝15aの端部開口に挿入した第1の潰れ防止治具50が、タンク部形成用部材3をコア部11(金属板1A、1B)の両端に拡散接合する際の加圧力の受け材として機能するので、コア部11の両端に対しタンク部12を、流通路15の変形を起こさずに、良好に拡散接合することができる。従って、流通路15の潰れ防止と、タンク部12とコア部11の接合性の向上の両立を図ることができる。
また、コア部11を構成する2枚の金属板1A、1B同士の接合とコア部11に対するタンク部12の接合を同時に拡散接合によって行うので、工程の簡略化と接合品質の向上が図れる。また、両金属板1A、1Bの通路溝15aの端部開口に対して第1の潰れ防止治具50のプラグ51を挿入することによって、金属板1A、1B同士の柱部(接合部S)の位置ずれを防止することができるから、精度のよい拡散接合を行うことができる。
また、第1の潰れ防止治具50とコア部11との間、及び、第2の潰れ防止治具60とタンク部形成用部材3との間に、拡散接合温度時点で互いに密着し低温時に隙間が生じるような熱膨張差を設けているので、加熱前と冷却後に隙間を保った状態とすることができ、緩めの状態で簡単に潰れ防止治具50、60の取り付け取り外しを行うことができる。
また、潰れ防止治具50、60は金属で構成しているので、無用な割れや欠けの発生を防止することができ、取り扱い性の向上が図れる。
また、第1の潰れ防止治具50は、通路溝15aの各開口に挿入される多数のプラグ51と、タンク部12の内部空間内に位置して多数のプラグ51を連結する連結棒52とで構成しているので、連結棒52の部分を持って多数のプラグ51を一括して取り扱うことができ、第1の潰れ防止治具50の取り付け取り外しの作業性が向上する。
また、第1の潰れ防止治具50に組み合わせて第2の潰れ防止治具60を使用することにより、第1の潰れ防止治具50の位置ずれや脱落を確実に防止することができると共にタンク部形成用部材3の変形を防止することができるので、拡散接合の品質の向上が図れる。
なお、図4に示す第1の潰れ防止治具50Bのように、プラグ51Bを先細りのテーパ状に形成した場合は、取り付け取り外しが一層楽に行えるようになる。
また、上記実施形態では、コア部11を構成する金属板1A、1B同士の接合を、コア部11に対するタンク部12の接合と同時に拡散接合で行う場合を示したが、コア部11を先に何らかの手法で作っておき、後からタンク部12だけを拡散接合で付ける場合にも、第1、第2の潰れ防止治具50、60を使用することができ、前記と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、重ね合わせる金属板1A、1Bの両方の対向面に通路溝15aがある場合を説明したが、どちらか一方に通路溝15aが形成してあり、その通路溝15aによって流通路15を形成する場合にも本発明は適用できる。
また、上記実施形態では、2枚の金属板1A、1Bを重ね合わせることでコア部11を形成する場合を説明したが、3枚以上の金属板を積層してコア部を構成する場合にも本発明は適用できる。その場合は、通路溝15aに挿入するプラグ51を多段に設けた第1の潰れ防止治具50を使用すればよい。また、タンク部形成用部材3は、最外層に位置する金属板の板面に接合すればよい。
1A,1B…金属板
3…タンク部形成用部材
11…コア部
12…タンク部
15…流通路
15a…通路溝
50,50B…第1の潰れ防止治具
51,50B…プラグ
52…連結棒
60…第2の潰れ防止治具
3…タンク部形成用部材
11…コア部
12…タンク部
15…流通路
15a…通路溝
50,50B…第1の潰れ防止治具
51,50B…プラグ
52…連結棒
60…第2の潰れ防止治具
Claims (5)
- 両端面に開口する複数の流通路(15)を内部に有した金属製の板状のコア部(11)と、該コア部(11)の両端に配され、該コア部(11)の板面に接合されることで前記各流通路(15)に連通する分配または合流用空間を内部に形成した金属製のタンク部(12)と、を具備する熱交換器の製造方法において、
前記コア部(11)の両端の板面上に、タンク部形成用部材(3)の接合予定部を配置すると共に、前記コア部(11)の両端の前記流通路(15)の開口に、低温時に前記開口との間に隙間を生じ且つ拡散接合のための昇温時に前記開口と密着する熱膨張差を持つ金属製であり外表面に接合防止剤をコーティングした第1の潰れ防止治具(50、50B)を挿入し、その状態で、前記タンク部形成用部材(3)の接合予定部をコア部(11)の板面に圧接させつつ所定温度に昇温させることで、タンク部形成用部材(3)をコア部(11)の板面に拡散接合して、コア部(11)の両端にタンク部(12)を形成する
ことを特徴とする熱交換器の製造方法。 - 請求項1に記載の熱交換器の製造方法であって、
前記コア部(11)を構成するために、少なくとも一方の合わせ面に前記流通路(15)形成用の通路溝(15a)を有した複数枚の金属板(1A、1B)を積層し、その積層した状態で、その最外層の金属板(1A、1B)の両端の板面上に、前記タンク部形成用部材(3)の接合予定部を配置すると共に、前記通路溝(15a)の端部開口に、低温時に前記開口との間に隙間を生じ且つ拡散接合のための昇温時に前記開口と密着する熱膨張差を持つ前記第1の潰れ防止治具(50、50B)を挿入し、
その状態で、前記積層した金属板(1A、1B)間及び前記タンク部形成用部材(3)と金属板(1A、1B)の板面間に圧接力を作用させつつ所定温度に昇温させることで、前記金属板(1A、1B)間及びタンク部形成用部材(3)と金属板(1A、1B)とを拡散接合して、前記流通路(15)を有するコア部(11)と、その両端のタンク部(12)とを同時に形成する
ことを特徴とする熱交換器の製造方法。 - 請求項1または2に記載の熱交換器の製造方法であって、
前記第1の潰れ防止治具(50、50B)は、前記流通路(15)または通路溝(15a)の各開口に挿入される多数のプラグ(51、51B)と、前記タンク部(12)の内部空間内に位置して前記多数のプラグ(51、51B)を連結する連結棒(52)とで構成され、前記拡散接合後の低温に冷却した状態で、第1の潰れ防止治具(50、50B)を、タンク部(12)から一体に抜き取る
ことを特徴とする熱交換器の製造方法。 - 請求項3に記載の熱交換器の製造方法であって、
前記プラグ(51B)が先細りのテーパ状に形成されている
ことを特徴とする熱交換器の製造方法。 - 少なくとも請求項1から請求項4の何れか一つに記載の熱交換器の製造方法であって、
前記タンク部形成用部材(3)の内部に、低温時に前記タンク部形成用部材(3)との間に隙間を生じ且つ拡散接合のための昇温時に前記タンク部形成用部材(3)と密着する熱膨張差を持つ金属製であり外表面に接合防止剤をコーティングした第2の潰れ防止治具(60)を挿入し、この第2の潰れ防止治具(60)により前記第1の潰れ防止治具(50、50B)を定位置に保持した状態で前記拡散接合を行い、拡散接合後の低温に冷却した状態で、まず、第2の潰れ防止治具(60)をタンク部(12)から抜き取り、次いで、前記各開口からプラグ(51、50B)を抜き、その状態で第1の潰れ防止治具(50、50B)をタンク部(12)から抜き取る
ことを特徴とする熱交換器の製造方法。
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JP2005082342A JP2006263746A (ja) | 2005-03-22 | 2005-03-22 | 熱交換器の製造方法 |
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JP2005082342A JP2006263746A (ja) | 2005-03-22 | 2005-03-22 | 熱交換器の製造方法 |
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2005
- 2005-03-22 JP JP2005082342A patent/JP2006263746A/ja active Pending
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