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水試料中の微生物検出方法
この出願の発明は、水試料中の枯草菌属細菌の割合を検出する方法に関するものである。さらに詳しくは、海域や湖沼の汚染程度を判定するための指標として、その水試料中に含まれる枯草菌属細菌の割合を簡便かつ高精度に検出する方法に関するものである。
近年、沿岸海域や湖沼などの汚染による漁業等への影響が問題視されている。特に、干拓等によって海流が低下した湾内や閉ざされた湖沼等においては、河川等を介した陸域からの汚染が深刻化している。汚染した海域、湖沼では、汚染原因の除去やその予防が重要であることは言うまでもないが、そのような対策を実行性のあるものにするためには、汚染の原因や程度を正確に把握する必要がある。
従来、海洋汚染や湖沼汚染の程度は、有機物による汚染状況を検出する指標として、COD(化学的酸素要求度)の測定が広く行われている。しかしながら、このCOD測定では、汚染には直接関係のない物質(二価鉄や亜硝酸塩など)の存在によって測定値が高くなってしまうなどの問題がある。また、例えば海域や湖沼での海水産物等の収穫量に対す影響について汚染程度を判定する場合には、COD測定値は必ずしも適当でない場合がある。COD値は、海域や湖沼で実際に棲息している生物変化を類推することができないためである。
このため、生物の環境変化による推移を検討することは海域や湖沼における汚染の程度を判定する手段として極めて有用であり、特に微生物は代謝速度が早いため、個々の棲息種を分類することは、迅速な環境変化の測定を可能にするものと期待される。
微生物の分類には、その形態等の特徴に加え、生化学的な特徴の解析が主流である。しかしながらこれらの方法は経験を積んだ熟練者による解析が必要であり、結果を得るまでに長時間を要するという問題点を有している。また、形態や生化学的分析値の判定には主観的な要因が介在するため、必ずしも正確な判定は容易ではなかった。
一方、微生物の分類、検出方法として、微生物の16S rRNAをコードする遺伝子DNA(以下、「16S rDNA」と記載することがある)の解析が、その精度の高さによって広く行われている。また16S rDNA解析についても、そのヌクレオチド配列の解読(シーケンシング)ではなく、制限酵素断片のパターンを解析する方法も提案されている。例えば、特許文献1には、微生物の16S rDNAの約880bp部分をPCR増幅し、このPCR産物DNAを複数種の制限酵素(ALU I、ACC II、HHA I、TAQ I、HAP II、AFA I、HAE III)でそれぞれ切断し、そのDNA切断片の電気泳動パターンによって微生物種を分類する方法(制限酵素断片多型解析による方法)が記載されている。
特開平5-192147号公報
海域や湖沼などの水汚染の程度を判定する方法として、そこに存在する微生物を対象とすることが有効である。しかしながら、水試料中の全ての微生物を分類し、その全ての存在割合を測定することは現実的ではない。そこで、水質汚染の指標として適切な少数の、好ましくは単独の微生物を特定することができれば、例えば特許文献1に記載されているような制限酵素断片多型解析によって、特定微生物の割合を指標として水質汚染の程度を判定することができる。
ただし、検出対象となる微生物が特定されたとしても、特許文献1の方法には改良すべき点が存在する。すなわち特許文献1の方法では、使用する各制限酵素によって、16S rDNAのPCR産物は、それぞれ4断片から7断片に切断される。このような多数のDNA断片の泳動パターンを特定微生物と他の微生物とについて解析し、区別することは極めて煩雑であり、また誤判定の原因にもなる。
この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、海域や湖沼などの水質汚染を特徴づける特定の微生物の割合を、簡便な制限酵素断片多型解析によって高精度に検出することのできる方法を提供することを課題としている。
この出願の発明者らは、海域や湖沼の水質汚染を特徴付ける微生物として、枯草菌属細菌に着目し、さらにその16S rDNAの特定領域を制限酵素切断の対象とすることによって、簡便かつ高精度な制限酵素断片多型解析が可能であることを見出して、この発明を完成させた。
すなわち、この出願は、前記の課題を解決するための発明として、水試料中に含まれる枯草菌属細菌の割合を検出する方法であって、以下のステップ:
(1) 水試料中に存在する各微生物のDNAを抽出するステップ;
(2) 抽出したDNAを鋳型として、微生物の16SリボゾームRNA遺伝子可変領域をコードするDNA(約500bp)をPCR増幅するステップ;
(3) PCR産物DNAを以下の(a)および/または(b)の制限酵素:
(a) ヌクレオチド配列「5’-cac/gtg-3’」を認識して切断する制限酵素;
(b) ヌクレオチド配列「5’-att/att-3’」を認識して切断する制限酵素、
で処理するステップ;および
(4) 制限酵素処理によって2つに切断されたPCR産物DNAと、切断されないPCR産物DNAとの割合を確認するステップ、
を含むことを特徴とする方法を提供する。
この発明によれば、海域や湖沼などの水試料中に含まれる枯草菌属細菌の割合を検出することによって、簡便かつ高精度に海域や湖沼の汚染程度を判定することができる。すなわち、枯草菌属細菌は陸上の微生物であるため、海域や湖沼などの水中には通常はほとんど存在しない。しかし、河川等を介しての陸域からの環境汚染が進行している場合には、この陸上微生物である枯草菌属細菌が海域や湖沼の水中に多く存在するようになるからである。これによって、多数の微生物を対象とすることなく汚染程度の判定が可能である。
また、この発明の制限酵素断片多型解析では、特定の制限酵素処理により微生物の16S rDNAに由来する特定DNA領域が2つに断片化されるか否かを判定することによって、被験水試料中の枯草菌属細菌の割合を検出する。これは、以下のとおりの発明者らによる新規な知見に基づいている。すなわち、枯草菌属細菌の16S rDNA可変領域(500bp)は、その「5’-cacgtg-3’」配列のc/g間を切断するための制限酵素処理によってDNAは2つに断片化されるが(具体的には100bpと400bp)、他の微生物(水中微生物である腸炎ビブリオ、シュワネラ、シュウドアルテノモス等)の16S rDNA可変領域は全く切断されない。一方、前記の水中微生物16S rDNA可変領域は、その「5’-attatt-3’」配列のt/a間を切断するための制限酵素処理によって2つに断片化されるが(具体的には320-350bpと170bp)、陸上微生物である枯草菌属細菌の16S rDNA可変領域は切断されない。
従って、この発明の方法では、「5’-cac/gtg-3’」を認識配列とする制限酵素で処理した後に2断片化された小さいサイズのDNA断片の割合を測定することによって、水試料中の水中微生物に対する枯草菌属細菌の割合を検出することができる。あるいは、「5’-att/att-3’」を認識配列とする制限酵素で処理した後の非切断DNA(約500)の割合を測定することによって、水試料中の水中微生物に対する枯草菌属細菌の割合を検出することができる。判定のために検出するDNA種が実質的に単一であるため、汚染程度の判定を極めて容易に行うことができる。
以下、この発明の実施形態について詳しく説明する。なお、この発明を実施するために使用する様々な技術は、特にその出典を明示した技術を除いては、公知の文献等に基づいて当業者であれば容易かつ確実に実施可能である。例えば、遺伝子工学および分子生物学的技術はSambrook and Maniatis, in Molecular Cloning-A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, 1989; Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, N.Y, 1995などに記載の方法あるいはそこで引用された文献記載の方法またはそれらと実質的に同様な方法や改変法に基づき実施可能である。さらに、この発明における用語は基本的にはIUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによるものであり、あるいは当該分野において慣用的に使用される用語の意味に基づくものである。
この発明を構成するステップ(1)〜(4)は、例えば以下のとおりに実施可能である。
ステップ(1):水試料中に存在する各微生物DNAの抽出
被験海域や被験湖沼からサンプリングした水試料から微生物を分離し、各微生物のDNAを抽出する。微生物からのDNA抽出は、文献公知の方法(例えば、H. Saito & K. Miura, Biochim. Biophys. Acta,72:619, 1963、S. Zamenhof et al., Arch. Biochem. Biophys., 40:50, 1952、K.I.Berns & C.A.Thomas,Jr., J. MOl. Biol., 11:476, 1965)などに従って行うことができる。すなわち、リゾチーム/SDS等で溶菌後、トリスSDS緩衝液等で飽和させたフェノールで処理して除タンパクしたDNA溶液からエタノール沈澱でDNAを回収し、RNase処理して精製DNAを回収する方法等である。また、特許文献1に記載された改良方法や、さらに具体的には下記の実施例の方法で行うこともできる。
ステップ(2):抽出したDNAを鋳型とするPCR
このステップでは、微生物の16S rRNA遺伝子可変領域をコードするDNA(約500bp)をPCR増幅する。16S rDNAの配列は、数百種の微生物において公知であり、ほとんどが約1,500bpである。例えば、枯草菌(Bacillus firmus)の16S rRNA遺伝子の塩基配列は公知であり(GenBank/AJ717384)、その約1番目-約500番目までの配列が可変領域である。そしてこの発明では、このような16S rDNAの可変領域(約500bp)をPCR増幅する。この可変領域のヌクレオチド配列はほとんど全ての微生物種(少なくとも海域や湖沼に棲息する水中微生物や、海域や湖沼に流入する可能性のある枯草菌属細菌)においては高い相同性(97〜100%)を有しており、そのような可変領域ヌクレオチド配列に基づいて設計したオリゴヌクレオチドプライマーセットを用いたPCR法(例えば、Li,H. et al., Nature 335:414-417,1989)によって増幅し、取得することができる。このプライマーセットにおいて最も重要なことは、枯草菌属細菌の16S rDNAからのPCR産物DNAには1箇所の「5’-cacgtg-3’」配列が含まれ、かつ「5’-attatt-3’」配列は含まれない領域であって、しかも枯草菌属細菌以外の微生物(特に水中微生物)由来のPCR産物DNAには、1箇所の「5’-attatt-3’」配列が含まれ、かつ「5’-cacgtg-3’」配列が含まれない領域を選択することである。例えば、公知のB.firmus 16S rDNA可変領域には、第100-105番に「5’-cacgtg-3’」配列が1箇所存在するが、「5’-attatt-3’」配列は存在しない。
オリゴヌクレオチドプライマーは、文献(例えばCarruthers, Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 47:411-418, 1982; Adams, J. Am. Chem. Soc. 105:661, 1983; Belousov, Nucleic Acid Res. 25:3440-3444, 1997; Frenkel, Free Radic. Biol. Med. 19:373-380, 1995; Blommers, Biochemistry 33:7886-7896, 1994; Narang, Meth. Enzymol. 68:90, 1979; Brown, Meth. Enzymol. 68:109, 1979; Beaucage, Tetra. Lett. 22:1859, 1981; 米国特許第4,458,066号)に記載されているような周知の化学合成技術により、in vitroにおいて合成することができる。
ステップ(3): PCR産物DNAの制限酵素処理
制限酵素(a)および/または制限酵素(b)で、PCR産物DNAを処理する。
すなわち制限酵素(a)は、「5’-cac/gtg-3’」を認識配列とする制限酵素であり、PmaCI、AcvI、BbrPI、PmlI、BcoAI、Eco72I等を使用することができる。これらの酵素は、いずれも「5’-cacgtg-3’」配列のc/g間を切断する。「5’-cacgtg-3’」配列は枯草菌属細菌の16S rDNA可変領域(約500bp)に1箇所存在するが、他の微生物(少なくとも水中微生物である腸炎ビブリオ、シュワネラ、シュウドアルテノモス等)の16S rDNA可変領域(約500bp)には存在しない。従って、制限酵素(a)の処理によって2断片化されたPCR産物DNAは枯草菌属細菌に由来すると判定することができる。
一方、制限酵素(b)は、「5’-att/att-3’」を認識配列とする制限酵素であり、SspIが知られている。この酵素SspIは、「5’-attatt-3’」配列のt/a間を平滑切断する。「5’-attatt-3’」配列は枯草菌属細菌の16S rDNA可変領域(約500bp)には存在しないが、他の微生物(少なくとも水中微生物である腸炎ビブリオ、シュワネラ、シュウドアルテノモス等)の16S rDNA可変領域(約500bp)には1箇所存在する。従って、制限酵素(b)の処理によっても切断されず1断片のままのPCR産物DNAが枯草菌属細菌に由来するDNAであると判定することができる。
以上の制限酵素はそれぞれ市販品を使用することができ、DNA処理も製品に添付されたプロトコールに従って行うことができる。
ステップ(4):制限酵素処理による2断片化DNAの検出
制限酵素(a)および/または制限酵素(b)の処理によって2つに切断されたPCR産物DNAと、切断されないPCR産物DNAとの割合を測定する。前記のとおり、制限酵素(a)処理によって2断片化されたDNA、あるいは制限酵素(b)処理によっても1断片(約500bp)のままのDNAは枯草菌属細菌に由来するDNAであるから、これらの量を測定することによって、陸域からの水質汚染の程度を判定することが可能となる。
制限酵素処理によるDNAの2断片化の有無は、公知のアガロースゲル電気泳動法、高速液体クロマトグラフィー法、キャピラリー電気泳動法などで確認することができる。
また、電気泳動等によって分離されたDNAの濃度は、公知のイメージ装置等によって定量化することができる。さらに、後記の実施例に示したような検量線(複数の既知濃度のPCR産物DNAを制限酵素(a)または(b)で切断した場合の切断DNA量の濃度依存グラフ)を事前に作成しておけば、被験水試料からの切断DNAまたは非切断DNA濃度を測定することによって、水試料中の全微生物に占める枯草菌属細菌の割合を迅速に把握することができる。
以下、実施例を示してこの発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、この発明は以下の例によって限定されるものではない。
(A) 微生物からのDNA抽出
ビブリオ属2種(Vibrio sp.Sk1, Vibrio sp.3dclone3d4)、シュワネラ2種(Shewanella schlegeliana, Shewanella sirae)、シュードアルテノモス1種(Pseudoalteromonas carrageenovora)、枯草菌属2種(Bacillus sp.Roo40B, Bacillus marisflavi strain TF-11)をそれぞれ267μlのTE緩衝液(10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA, pH8.0)に懸濁し、撹拌後、30μlの10% SDS溶液および3μlの10mg/ml Proteinase K溶液を加え、50℃で時間保温した。次いで、300μlのPCI溶液(Phenol-Chloroform Iso-Amyl Alcohol, 25:24:1)を加え、撹拌し、室温で高速遠心(15000 rpm、5分間)を行い、上清を回収することを繰り返しの後、上清に等体積のCIA溶液を加え撹拌した。次いで、4℃で高速遠心(15000 rpm、5分間)し、上清を回収し、1/10体積の3M NaOAcおよび2倍体積の100%EtOHを加え、撹拌し、-80oCに30分以上静置した。さらに、4℃で高速遠心(15000 rpm、15分間)して沈澱を回収し、500μlの70%EtOHで沈澱を洗浄した。次いで、4℃で高速遠心(15000 rpm、15分間)して沈澱を回収し、室温乾燥後、100μlのT.E.緩衝液溶解し、-20℃で保存した。
(B) 微生物の16S rDNA可変領域(約500bp)のPCR増幅
PCRチューブに以下の試薬を加えた:10 x Reaction Buffer(10μl)、dNTPs Mixture (2.5 mM each、4μl)、Taq DNA ポリメラーゼ (5 U/μl、1μl)、フォワードプライマー(50 pmol/μl、1μl)、リバースプライマー(50 pmol/μl、1μl)、前記(A)で得た微生物からの抽出DNA(100 ng)、滅菌水(最終全量100μlに調節)。
PCR反応条件は以下のとおりである。
95℃/2分間→[95℃/1分間→50℃/1分間→72℃/1分30秒間]×30→72℃/2分間
以上の操作によって、各微生物の16S rDNA可変領域(500bp)に対応するPCR産物DNAを調製した。
(C) 制限酵素処理
0.6 mlチューブに以下の試薬(TaKaRa社製)を添加した:前記(B)で得たPCR産物DNA(400 ng)、PmaCI(10U/μl、0.4μl)、10倍L Buffer(2.0μl)、滅菌水(最終全量20μlに調節)。また、制限酵素SspIを使用する場合は、Bufferとして10倍SspI Bufferを使用した。
このチューブを37℃、4時間保温してPCR産物DNAを制限酵素処理した。
(D) アガロース電気泳動
前記(C)で得た制限酵素反応産物の解析は、TBE緩衝液を使用した2%アガロースゲル電気泳動にて100bp DNA ladder(ToYoBo)をサイズ標準として行った。バンド強度の解析はScion Image(Scion Corporation)使用した。
図1は、電気泳動パターンから得られた制限酵素切断の要約である。すなわち、SspI切断によりビブリオ(Vibrio)、シュワネラ(Shewanella)、シュードアルテロモナス(Pseudoalteromonas)ではPCR産物DNAは320-350bp断片と170bp断片に分断されるが、枯草菌(Bacillus)由来のDNAは分断されない。一方、PmaCI切断では枯草菌(Bacillus)由来のDNAは100bpと400bp断片に切断されるが、他の微生物(ビブリオ、シュワネラ、シュードアルテロモナス)由来のDNAはPmaCI処理によっては分断されない。
(E) 制限酵素SspI処理による定量比較
ビブリオ(Vibrio)および枯草菌(Bacillus)から前記(A)と同様にしてDNAを抽出し、前記(B)と同様にして500bp 16SrDNA断片をPCR増幅した。PCR産物DNAを、ビブリオ:枯草菌=10:0、9:1、8:2、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7、2:8、1:9、0:10の割合で混合後、前記(C)と同様に制限酵素SspIで処理し、前記(D)と同様に2%アガロース電気泳動により解析した。泳動後ゲルをエチジウムブロマイド染色し、写真撮影した。分子量マーカーとして100bp DNAマーカー(M)を利用した。
結果は、図2に示したとおりである。また図2で得られたそれぞれのDNAバンドの濃度をScion Image(Scion Corporation)で読み込みグラフ化した(図3)。図3の縦軸は相対濃度で500bp断片に対する350bp断片および170bp断片の濃度比を示す。ビブリオ量の減少(枯草菌量の増加)に依存して、SspI切断片の量が連続して減少することが確認された。
またこのような量依存グラフ(図3)は、実際の水試料における微生物検出のための検量線として使用可能である。
(F) 制限酵素PmaCI処理による定量比較
ビブリオ(Vibrio)および枯草菌(Bacillus)から前記(A)と同様にしてDNAを抽出し、前記(B)と同様にして500bp 16SrDNA断片をPCR増幅した。PCR産物DNAを、ビブリオ:枯草菌=10:0、9:1、8:2、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7、2:8、1:9、0:10の割合で混合後、前記(C)と同様に制限酵素PmaCIで処理し、前記(D)と同様に2%アガロース電気泳動により解析した。泳動後ゲルをエチジウムブロマイド染色し、写真撮影した。分子量マーカーとして100bp DNAマーカー(M)を利用した。
結果は、図4に示したとおりである。また図4で得られたそれぞれのDNAバンドの濃度をScion Image(Scion Corporation)で読み込みグラフ化した(図5)。図5の縦軸は相対濃度で500bp断片に対する400bp断片および100bp断片の濃度比を示す。枯草菌量の増加(ビブリオの減少)に依存して、PmaCI切断片の量が連続して増加することが確認された。
またこのような量依存グラフ(図5)もまた、実際の水試料における微生物検出のための検量線として使用可能である。
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明は、陸地からの近海海域や湖沼等における水質汚染の程度を迅速、簡便かつ高精度に判定するために極めて有用である。
ビブリオ、シュワネラ、シュードアルテロモナスおよび枯草菌のそれぞれの16S rDNA由来の500bp PCR産物DNAをSspI処理およびPmaCI処理した場合のDNA断片の電気泳動パターンから得られた制限酵素切断の要約である。 ビブリオ、枯草菌の16S rDNA由来の500bp PCR産物DNAを異なる割合で含む混合物をSspI処理した場合の電気泳動パターンである。 図2の結果から得られたDNA断片量の変化を示したグラフである。 ビブリオ、枯草菌の16S rDNA由来の500bp PCR産物DNAを異なる割合で含む混合物をPmaCI処理した場合の電気泳動パターンである。 図4の結果から得られたDNA断片量の変化を示したグラフである。

Claims (1)

  1. 水試料中に含まれる枯草菌属細菌の割合を検出する方法であって、以下のステップ:
    (1) 水試料中に存在する各微生物のDNAを抽出するステップ;
    (2) 抽出したDNAを鋳型として、微生物の16SリボゾームRNA遺伝子可変領域をコードするDNA(約500bp)をPCR増幅するステップ;
    (3) PCR産物DNAを以下の(a)および/または(b)の制限酵素:
    (a) ヌクレオチド配列「5’-cac/gtg-3’」を認識して切断する制限酵素;
    (b) ヌクレオチド配列「5’-att/att-3’」を認識して切断する制限酵素、
    で処理するステップ;および
    (4) 制限酵素処理によって2つに切断されたPCR産物DNAと、切断されないPCR産物DNAとの割合を確認するステップ、
    を含むことを特徴とする方法。
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