JP2006262156A - 送信装置及び送信アンプの歪み補償方法 - Google Patents

送信装置及び送信アンプの歪み補償方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 プリディストーション処理に用いる歪み補償係数の精度を向上させること。
【解決手段】 学習用信号を生成する学習用信号生成部104と、送信信号の信号電力を検出する電力検出部102と、電力検出部102によって検出された信号電力に基づいて送信信号の信号電力の出現確率を求め、当該出現確率に応じて送信信号中に学習用信号を付加する制御部103とを設けたことにより、全電力に亘って精度の良い歪み補償係数を得ることができるようになるので、全電力亘って精度の良いプリディストーション処理を行うことができる送信装置100を実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は送信装置及び送信アンプの歪み補償方法に関し、特に、送信信号に対してプリディストーション処理を行って送信アンプの歪み特性を補償するようになされた送信装置及び送信アンプの歪み補償方法に関する。
従来、送信アンプで生じる歪みを補償するためにプリディストーション処理が広く行われている。プリディストーション処理は、送信アンプの出力信号を測定することで送信アンプの歪み特性を把握し、この歪み特性と逆の特性を予め送信信号に付与することで送信アンプから出力される信号の歪みを抑制するものである。
具体的に、図4を用いて説明する。送信アンプの特性としては、図中一点鎖線で示すように、入力電力に対して出力電力が線形となることが望ましい。しかし、実際には、送信アンプは、図中点線で示すような非線形歪み特性を有するので、図中実線で示すような送信アンプの特性とは逆特性の係数と信号を予め乗算し、この信号を送信アンプに入力させることで、送信アンプの歪み特性を補償する。なお、一般的なプリディストーション処理では、送信アンプの歪み特性と逆の特性を、歪み補償係数としてルックアップテーブルに格納しておき、この歪み補償係数を送信信号に乗じるようになっている。
このようなプリディストーション処理に関する従来技術としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1には、歪み補償テーブルのアドレスの出現頻度が均等な分布となるように、送信信号の電力値又は振幅値の各ステップ幅を調整して歪み補償テーブルのアドレスを生成することにより、歪み補償テーブルに保持される歪み補償係数の収束時間を短縮し、精度の高い歪み補償を可能とする技術が記載されている。すなわち、図5に示すように、出現頻度の高い、中程度の電力に対してはアドレスのステップ幅を狭くすると共に、出現頻度の低い、高い電力及び低い電力に対してはアドレスのステップ幅を広くする。これにより、歪み補償テーブルのメモリ領域を有効利用できるので、精度の高い歪み補償係数を得ることができるようになる。
特開2003−347944号公報
ところで、プリディストーション処理で必要となる歪み補償係数は、実際には、学習により求められる。しかし、上記特許文献1にも記載されているように、電力によって出現確率が異なるので、学習の精度も異なってくる。すなわち、例えばCDMA信号などでは図6に示ように、送信信号中における、中程度の電力は出現確率が高いのに対して、高い電力及び低い電力は出現確率が低い。
このため、送信信号中の高い電力及び低い電力については、学習のためのデータが少なくなるので、歪み補償係数の精度も劣化するおそれがある。特に、高い電力(図4及び図6の丸印で示す領域)についての歪み補償精度の劣化は、当該信号周波数帯域以外の信号への妨害波となる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、プリディストーション処理に用いる歪み補償係数の精度を向上させることができる送信装置及び送信アンプの歪み補償方法を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため本発明の送信装置の一つの態様は、送信信号に対してプリディストーション処理を行って、送信アンプの歪み特性を補償するようになされた送信装置であって、送信信号を増幅する送信アンプと、送信アンプの出力信号に基づいて送信アンプの歪み特性の逆特性を求め、この逆特性の係数を送信信号に乗算するプリディストーション手段と、学習用信号を生成する学習用信号生成手段と、送信信号の信号電力を検出する電力検出手段と、電力検出手段によって検出された信号電力に基づいて送信信号の信号電力の出現確率を求め、当該出現確率に応じて送信信号中に学習用信号を付加する制御手段とを具備する構成を採る。
この構成によれば、全電力に亘って精度の良い歪み補償係数を得ることができるようになるので、全電力亘って精度の良いプリディストーション処理を行うことができる送信装置を実現できる。
本発明の送信装置の一つの態様は、学習用信号生成手段は、送信信号において予め出現確率が低いことが想定される送信信号中の信号電力が高い領域の信号と同じ電力を持つ信号を学習用信号として生成し、電力検出手段は、電力が高い領域の信号電力を検出し、制御手段は、電力が高い領域の信号電力の出現確率が所定値よりも小さかったときに送信信号中に学習用信号を付加する構成を採る。
この構成によれば、簡易な構成で、実際上精度劣化が想定される比較的高い電力でのプリディストーション処理の精度を向上させることができるようになる。
本発明の送信装置の一つの態様は、送信信号中に付加された学習用信号を除去する学習用信号除去手段を、さらに具備する構成を採る。
このように本発明によれば、プリディストーション処理に用いる歪み補償係数の学習精度を向上させることができ、良好なプリディストーション処理を行うことができるようになる。また送信信号に悪影響を及ぼすことなく、歪み補償係数の学習精度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示す。送信装置100は例えば無線基地局装置に設けられている。
送信装置100は、送信ベースバンド処理部101によって送信信号の符号化や多重化を行うことで送信ベースバンド信号を形成する。送信ベースバンド信号は電力検出部102に送出される。
電力検出部102は、送信ベースバンド信号の電力を検出し、検出結果を制御部103に送出する。制御部103は各電力の出現確率を求め、出現確率に応じて学習用信号生成部104を制御する。具体的には、制御部103は、出現確率の低い信号電力を補う学習用信号を生成することを学習用信号生成部104に指示する。
本実施の形態の場合には、一般的な送信ベースバンド信号の特性から、図6に示すように、電力値の比較的高い電力の信号の出現確率が低くなることが分かっているので、学習用信号生成部104では送信ベースバンド信号の中で電力値の比較的高い信号と同じ電力の信号を学習用信号として生成するようにし、制御部103でこの送信ベースバンド中で電力値の比較的高い信号の出現確率を監視し、その領域の信号の出現確率が低いときに学習用信号生成部104に通知するようになっている。すなわち、本実施の形態の場合には、送信ベースバンド信号において信号電力がある閾値よりも高い信号電力の出現確率が低く、現在の送信信号電力が閾値以下であることを検出すると、信号電力が高い信号と同じ電力の信号を学習用信号として生成するようになっている。
学習用信号は加算器105において送信ベースバンド信号に付加される。学習用信号が付加された送信ベースバンド信号は、乗算器106にてルックアップテーブル(LUT1)114に格納された歪み補償係数が乗算される。これによりプリディストーション処理が行われる。このとき、ルックアップテーブル114からは、電力算出部(|x|)115が出力する学習用信号が加算された送信ベースバンド信号の電力値をアドレスとして、当該電力値に応じた歪み補償係数が読み出される。
プリディストーション処理後の送信ベースバンド信号は、D/A変換器111でD/A変換された後、直交変調器107にて搬送波信号を用いて直交変調されることで、無線信号(RF信号)とされる。無線信号は移相器(φ)108によって位相が調整された後、送信アンプ109に送出される。なお、直交変調器107で直接RF信号を出力する必要はなく、RF信号より低い周波数の、中間周波数(IF周波数)を出力した後、局部発振器116出力と混合しRF信号を生成しても良い。また、D/A変換する前にデジタル信号処理により直交変調を行い、D/A変換器からIF信号を出力した後、ミキサにてRF信号にしてもよい。
送信アンプ109により増幅された無線信号は、方向性結合器110を介して合成器130に送出される。方向性結合器110により検出された信号、すなわち送信アンプ109から合成器130の方向に向かう信号成分は、直交復調器132でベースバンド信号に変換された後、アナログディジタル変換器(A/D)112を介して歪み補償係数算出部113に入力される。歪み補償係数算出部113には、加算器105の加算出力も入力される。なお直交復調はRF信号を直接復調するのではなく、ミキサにてRF信号よりも低い周波数のIF信号にした後直交復調してもよい。また、IF信号をA/D変換後デジタル信号処理により直交復調してもよい。
歪み補償係数算出部113は、送信アンプ109で増幅後の信号(すなわちA/D112の出力信号)と、送信アンプ109で増幅前の信号(すなわち加算器105の出力信号)とから、送信アンプ109の歪み特性を求め、この歪み特性を打ち消すような歪み補償係数を算出し、これをルックアップテーブル(LUT1)114に書き込む。実際には、各電力毎に上述したように歪み補償係数を求めて、各電力値に対応するアドレスにこれを書き込むようになっている。これにより、ルックアップテーブル114からは、加算器105の出力信号の電力を読み出しアドレスとしてその電力に応じた歪み補償係数が出力され、乗算器106で加算器105の出力信号に歪み補償係数が乗算されることで、プリディストーション処理が行われる。
かかる構成に加えて、送信装置100は、学習用信号除去部120を有する。学習用信号除去部120は、学習用信号生成部104によって生成された学習用信号を位相反転部122を介して加算器121に入力する。位相反転部122は、学習用信号の位相を180°回転させるものである。
加算器121では、位相反転された学習用信号と送信ベースバンド信号とが加算される。学習用信号除去部120では、以降、この加算信号に対して、本線系と同様の処理を施す。すなわち、反転された学習用信号が付加された送信ベースバンド信号は、乗算器123にてルックアップテーブル(LUT2)129に格納された歪み補償係数が乗算されることにより、プリディストーション処理が行われる。このとき、ルックアップテーブル129からは、電力算出部(|x|)137が算出する反転した学習用信号が加算された送信ベースバンド信号の電力値をアドレスとして、当該電力値に応じた歪み補償係数が読み出され、反転された学習用信号が加算された送信ベースバンド信号の電力値に応じて歪み補償が行われる。
プリディストーション処理後の送信ベースバンド信号は、D/A変換器138でD/A変換された後、直交変調器124にて搬送波信号を用いて直交変調されることで、無線信号(RF信号)とされた後、送信アンプ125に入力される。
送信アンプ125により増幅された無線信号は、方向性結合器126を介して合成器130に送出される。また方向性結合器126により検出された信号、すなわち送信アンプ125から合成器130の方向に向かう信号は、直交復調器134でベースバンド信号に変換された後、アナログディジタル変換器(A/D)127を介して歪み補償係数算出部128に入力される。歪み補償係数算出部128には、加算器121の加算出力も入力される。
歪み補償係数算出部128は、送信アンプ125で増幅後の信号(すなわちA/D127の出力信号)と、送信アンプ125で増幅前の信号(すなわち加算器121の出力信号)とから、送信アンプ125の歪み特性を求め、この歪み特性を打ち消すような歪み補償係数を算出し、これをルックアップテーブル(LUT2)129に書き込む。実際には、各電力毎に上述したように歪み補償係数を求めて、各電力値に対応するアドレスにこれを書き込むようになっている。これにより、ルックアップテーブル129からは、加算器121の出力信号の電力を読み出しアドレスとしてその電力に応じた歪み補償係数が出力されることで、プリディストーション処理が行われる。
合成部130は、送信アンプ109の出力信号と送信アンプ125の出力信号とを合成する。これにより学習用信号が除去される。すなわち、送信アンプ125から出力される信号に含まれる学習用信号は、送信アンプ109から出力される信号に含まれる学習用信号に対して位相が逆転しているので、合成することでキャンセルされる。各送信アンプ109、125から出力される、学習用信号以外の本来の送信信号は同位相なので、合成により2倍の電力とされて合成部130から出力される。なお、送信装置100においては、各送信アンプ109、125から出力される学習用信号を正確に逆相とし、学習用信号以外の本来の送信信号を正確に同位相とするために、移相器108が設けられている。移相器108の位相調整は、例えば製品出荷前に行うようにすればよい。
合成部130の出力側には、所定の帯域のみを通過させるバンドパスフィルタ131が設けられている。これにより、合成部130によるアナログ処理では完全に抑圧できなかった学習用信号の信号成分を抑圧できるようになる。バンドパスフィルタ131の出力は、送信アンテナ139に供給される。
次に、本実施の形態の送信装置100の動作について説明する。
送信装置100は、歪み補償係数算出部113によって各電力毎の歪み補償係数を学習により求める。このとき、当然、サンプルとなる電力の数が多いほど、更新時間間隔が短いほど、歪み補償係数の精度も良くなる。
送信装置100は、送信ベースバンド信号の信号電力の出現確率を求め、このうち出現確率が低い信号電力を補うように、学習用信号生成部104にて出現確率の低い信号電力と同じ電力の学習用信号を生成して送信ベースバンド信号に付加する。これにより、全電力に亘って信号電力の出現確率を一様にすることができるので、全電力に亘って精度の良い歪み補償係数を学習により求めることができるようになる。すなわち、ルックアップテーブル(LUT1)114に各電力毎に精度の良い歪み補償係数が格納されるので、精度の良いプリディストーション処理を行うことができるようになる。
因みに、送信ベースバンド信号の特性上、出現確率の低い信号電力は比較的高いレベルであることが想定されるので、本実施の形態の場合には、電力検出部102で所定値以上の電力が検出された確率を求め、この出現確率が所定値以下の場合にのみ、学習用信号生成部104によって送信ベースバンド信号中の比較的電力の高い領域をカバーする電力の学習用信号を生成するようになっている。このようにすることで、全ての信号電力の出現確率を求め、出現確率の低い信号電力に応じた電力の学習用信号を適応的に生成するのと比較して、電力検出部102及び制御部103で出現確率を監視する電力領域が狭くて済むと共に学習用信号生成部104で生成する学習用信号の種類も少なくて済むので、簡易な構成で、実際上精度劣化が想定される比較的高い電力でのプリディストーション処理の精度を向上させることができるようになる。
また送信ベースバンド信号中に付加された学習用信号は、合成部130にて逆相の学習用信号と加算されることで除去される。これにより、送信信号中に、学習用信号が重畳されたまま送信されることを回避できる。
図2に、その様子を示す。図中、S1は本来の送信信号を示し、S0、S2及び周波数f1、f4に現れるスペクトルは学習用信号と送信信号との相互変調歪を示す。この相互変調歪は、プリディストーション処理より抑圧される。周波数f2、f3に現れるスペクトルは学習用信号を示す。この学習用信号は上述したように学習用信号除去部120の合成部130にて除去される。なお、本実施の形態では、学習用信号を合成部130で逆相の信号を用いてアナログ的に打ち消すのに加えて、バンドパスフィルタ131でさらに減衰させる。これにより、学習用信号の信号成分が送信信号に重畳されることを一段と確実に防止できるようになっている。
かくして本実施の形態によれば、学習用信号を生成する学習用信号生成部104と、送信信号の信号電力を検出する電力検出部102と、電力検出部102によって検出された信号電力に基づいて送信信号の信号電力の出現確率を求め、当該出現確率に応じて送信信号中に学習用信号を付加する制御部103とを設けたことにより、全電力に亘って精度の良い歪み補償係数を得ることができるようになるので、全電力亘って精度の良いプリディストーション処理を行うことができる送信装置100を実現できる。
また本実施の形態によれば、学習用信号生成部104によって、送信信号において予め出現確率が低いことが想定される送信信号中の信号電力が高い領域の信号と同じ電力の信号を学習用信号として生成し、電力検出部102によって、前記電力が高い領域の信号電力を検出し、制御部103によって、電力が高い領域の信号電力の出現確率が所定値よりも小さかったときに送信信号中に学習用信号を付加するようにしたことにより、簡易な構成で、実際上精度劣化が想定される比較的高い電力でのプリディストーション処理の精度を向上させることができるようになる。
また本実施の形態によれば、学習用信号生成部104によって生成された学習用信号の位相を反転する位相反転部122と、位相反転された学習用信号が付加された送信信号を増幅する送信アンプ125と、送信アンプ125の出力信号に基づいて送信アンプ125の歪み特性の逆特性を求め、この逆特性を位相反転された学習用信号が付加された送信信号に付与するプリディストーション部123、128、129と、送信アンプ109の出力信号と送信アンプ125の出力信号とを合成する合成部130と、からなる学習用信号除去部120を設けたことにより、送信信号中から学習用信号を良好に除去できるようになる。
(実施の形態2)
図3に、実施の形態2の送信装置の構成を示す。送信装置200は、送信ベースバンド処理部201によって送信信号の符号化や多重化を行うことで送信ベースバンド信号を形成し、これを乗算器202に送出する。乗算器202では、送信ベースバンド信号にルックアップテーブル(LUT)212に格納された歪み補償係数が乗算されることでプリディストーション処理が行われ、プリディストーション処理後の送信ベースバンド信号がD/A変換器228でD/A変換された後、直交変調器203にて無線信号(RF信号)とされた後に90°分配合成回路204に送出される。なお、直交変調器203で直接RF信号を出力する必要はなく、RF信号より低い周波数の、中間周波数(IF周波数)を出力した後、局部発振器出力と混合しRF信号を生成してもよい。また、D/A変換する前にデジタル信号処理により直交変調を行い、D/A変換器からIF信号を出力した後、ミキサにてRF信号にしてもよい。
また送信装置200は、電力検出部205にて送信ベースバンド信号の電力を検出し、検出結果を制御部206に送出する。制御部206は各電力の出現確率を求め、出現確率に応じて学習用信号生成部207を制御することにより、出現確率の低い信号電力を補う学習用信号を生成させる。
本実施の形態の場合には実施の形態1と同様に、一般的な送信ベースバンド信号の特性から、図6に示すように、電力値の比較的高い電力の信号の出現確率が低くなることが分かっているので、学習用信号生成部207ではベースバンド信号中で電力値の比較的高い信号と同じ電力の信号を学習用信号として生成するようにし、制御部206でこのベースバンド中で電力値の比較的高い信号の出現確率を監視し、その領域の信号の出現確率が低いときに学習用信号生成部207に通知するようになっている。すなわち、送信ベースバンド信号において信号電力がある閾値よりも高い信号電力の出現確率が低いときにのみ、信号電力が高い信号を学習用信号として生成するようになっている。
学習用信号は、乗算器208によって、ルックアップテーブル(LUT)212に格納された歪み補償係数が乗算されることでプリディストーション処理が施され、プリディストーションが施された学習用信号はD/A変換器229でD/A変換された後、直交変調器209にてRF信号とされた後に90°分配合成回路204に送出される。
このように90°分配合成回路204には、プリディストーション処理された送信ベースバンド信号とプリディストーション処理された学習用信号が入力される。90°分配合成回路204は、90°ハイブリッド回路とも呼ばれるものである。90°分配合成回路204は、第1の入力端(図中上側の入力端)に入力される送信変調信号をxとし、第2の入力端(図中下側の入力端)に入力される学習用変調信号をxとすると、第1の出力端(図中上側の出力端)から電力が1/2になったxと、電力が1/2で位相が−90度回転したxを出力し、第2の出力端(図中下側の出力端)から電力が1/2になったxと、電力が1/2で位相が−90度回転したxを出力するものである。
90°分配合成回路204の第1の出力端から出力された合成信号は、送信アンプ213により増幅された後、方向性結合器215を介して90°分配合成回路217の第1の入力端に供給される。また90°分配合成回路204の第2の出力端から出力された合成信号は、送信アンプ214により増幅された後、方向性結合器216を介して90°分配合成回路217の第2の入力端に供給される。
90°分配合成回路217も90°分配合成回路204と同様の分配合成処理を行う。これにより、90°分配合成回路217の第2の出力端(図中下側の出力端)には、増幅された送信変調信号成分xのみが現れ、学習用信号を直交変調した信号成分xは現れない。90°分配合成回路217の第2の出力端にはバンドパスフィルタ221を介して送信アンテナ223が接続されている。これにより、送信アンテナ223からは90°分配合成回路217で除去しきれなかった学習用変調信号xの除去された本来の送信変調信号xのみが送信される。因みに、90°分配合成回路217の第1の出力端には、学習用変調信号xのみが現れるが、当該第1の出力端は終端抵抗222を介して接地されており、学習用信号xの電力は終端抵抗222で消費される。
送信アンプ213から90°分配合成回路217の方向に向かう信号は方向性結合器215によって分配され、分配された信号が直交復調器224で直交復調された後、アナログディジタル変換器(A/D)218を介して歪み補償係数算出部220に送出される。同様に送信アンプ214から90°分配合成回路217の方向に向かう信号は方向性結合器216によって分配され、分配された信号が直交復調器225で直交復調された後、アナログディジタル変換器(A/D)219を介して歪み補償係数算出部220に送出される。加えて、歪み補償係数算出部220には、加算器210にて加算された送信ベースバンド信号と学習用信号が入力される。なお、直交復調は方向性結合器により分配した信号をミキサにてRF信号よりも低い周波数のIF信号に変換後、A/D変換しデジタル信号処理により行ってもよい。また直交復調器、A/D変換器を2系統持つ代わりに、一つの直交復調器、A/D変換器をRFスイッチにより切り替えて使ってもよい。
歪み補償係数算出部220は、各送信アンプ213、214で増幅後の信号(すなわちA/D218、219の出力信号)と、増幅前の信号(すなわち加算器210の出力信号)とから、送信アンプ213、214の歪み特性を求め、この歪み特性を打ち消すような歪み補償係数を算出し、これをルックアップテーブル(LUT)212に書き込む。実際には、電力算出部(|x|)211で算出される各電力毎に歪み補償係数を求めて、各電力値に対応するアドレスにこれを書き込むようになっている。これにより、ルックアップテーブル212からは、電力算出部(|x|)211の出力信号の電力を読み出しアドレスとしてその電力に応じた歪み補償係数が出力され、乗算器202で送信ベースバンド信号に歪み補償係数が乗算されると共に乗算器208で学習用信号に歪み補償係数が乗算されることで、プリディストーション処理が行われる。
因みに、本実施の形態では、各送信アンプ213、214の利得がほぼ等しいことが前提となるので、歪み補償係数算出部220においてLMS(Least Mean Square)の誤差を監視し、この誤差に基づいていずれかの送信アンプ213、214に異常が無いかを確認し、異常があると判断した場合には、送信を停止したり警告を行うようにすることも好適である。
送信装置200においては、90°分配合成回路204の後段に設けられた各送信アンプ213、214には、学習用信号が付加された送信信号が入力されるようになるので、歪み補償係数算出部220では、全電力に亘って精度の良い歪み補償係数を求めることができるようになる。すなわち、ルックアップテーブル212に各電力毎に精度の良い歪み補償係数が格納されるので、精度の良いプリディストーション処理を行うことができるようになる。
また送信装置200においては、2つの90°分配合成回路204、217を用いるようにしたので、学習用信号を簡易な構成で除去できるようになる。また実施の形態1と比較して、歪み補償係数算出部及びルックアップテーブルが1つで済むので、構成を一段と簡単化できる。
かくして本実施の形態によれば、送信信号と学習用信号とを入力する第1の90°分配合成回路204と、第1の90°分配合成回路204の各出力信号を増幅する第1及び第2の送信アンプ213、214と、第1の送信アンプ213の出力信号と第2の送信アンプ214の出力信号とを入力し、一方の出力端が送信アンテナ223に接続された第2の90°分配合成回路217と、第1及び第2の送信アンプ213、214の出力信号と、送信信号と学習用信号とを加算した信号とに基づいて第1及び第2の送信アンプ213、214の歪み特性の逆特性を求め、この逆特性を送信信号と学習用信号とに付与するプリディストーション部202、208、212、220とを設けたことにより、実施の形態1と同様の効果を、一段と簡易な構成により実現できるようになる。
本発明の送信装置及び送信アンプの歪み補償方法は、送信信号に対してプリディストーション処理を行って送信アンプの歪み特性を補償するようになされた送信装置に広く適用でき、例えば無線基地局や通信端末等の無線通信機器に適用して好適である。
本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示すブロック図 実施の形態の動作の説明に供する図 実施の形態2の送信装置の構成を示すブロック図 プリディストーション処理の説明に供する特性図 電力値のステップ幅を可変とした従来技術の説明に供する図 電力値の出現確率を示す図
符号の説明
100、200 送信装置
101、201 送信ベースバンド処理部
102、205 電力検出部
103、206 制御部
104、207 学習用信号生成部
105、121、210 加算器
106、123、202、208 乗算器
107、124、203、209 直交変調器
108 移相器
109、125、213、214 送信アンプ
110、126、215、216 方向性結合器
111、138、228、229 D/A変換器
112、127、218、219 A/D変換器
113、128、220 歪み補償係数算出部
114、129、212 ルックアップテーブル
115、137、211 電力算出部
116、133、135、136、226、227、230、231 局部発振器
120 学習用信号除去部
122 位相反転部
130 合成器
131、221 バンドパスフィルタ
204、217 90°分配合成回路
132、134、224、225 直交復調器
222 終端抵抗
139、223 送信アンテナ

Claims (8)

  1. 送信信号に対してプリディストーション処理を行って、送信アンプの歪み特性を補償するようになされた送信装置であって、
    前記送信信号を増幅する送信アンプと、
    前記送信アンプの出力信号に基づいて前記送信アンプの歪み特性の逆特性を求め、この逆特性の係数を前記送信信号に乗算するプリディストーション手段と、
    学習用信号を生成する学習用信号生成手段と、
    前記送信信号の信号電力を検出する電力検出手段と、
    前記電力検出手段によって検出された信号電力に基づいて前記送信信号の信号電力の出現確率を求め、当該出現確率に応じて前記送信信号中に前記学習用信号を付加する制御手段と
    を具備することを特徴とする送信装置。
  2. 前記学習用信号生成手段は、前記送信信号において予め出現確率が低いことが想定される前記送信信号中の信号電力が高い領域の信号と同じ電力を持つ信号を前記学習用信号として生成し、
    前記電力検出手段は、前記電力が高い領域の信号電力を検出し、
    前記制御手段は、前記電力が高い領域の信号電力の出現確率が所定値よりも小さかったときに前記送信信号中に前記学習用信号を付加する
    ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記送信信号中に付加された前記学習用信号を除去する学習用信号除去手段を、さらに具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
  4. 前記学習用信号除去手段は、
    前記学習用信号生成手段によって生成された学習用信号の位相を反転する位相反転部と、
    位相反転された学習用信号が付加された送信信号を増幅する第2の送信アンプと、
    前記第2の送信アンプの出力信号に基づいて前記第2の送信アンプの歪み特性の逆特性を求め、この逆特性を前記位相反転された学習用信号が付加された送信信号に付与する第2のプリディストーション手段と、
    前記送信アンプの出力信号と前記第2の送信アンプの出力信号とを合成する合成手段と
    を具備することを特徴とする請求項3に記載の送信装置。
  5. 前記合成手段の後段側に設けられたバンドパスフィルタを、さらに具備する
    ことを特徴とする請求項4に記載の送信装置。
  6. 前記送信信号と前記学習用信号とを入力する第1の90°分配合成回路と、
    前記第1の90°分配合成回路の各出力信号を増幅する第1及び第2の送信アンプと、
    前記第1の送信アンプの出力信号と前記第2の送信アンプの出力信号とを入力し、一方の出力端が送信アンテナに接続された第2の90°分配合成回路と、
    前記第1及び第2の送信アンプの出力信号と、前記送信信号と前記学習用信号とを加算した信号とに基づいて前記第1及び第2の送信アンプの歪み特性の逆特性を求め、この逆特性を前記送信信号と前記学習用信号とに付与するプリディストーション手段と
    を具備することを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
  7. 前記第2の90°分配合成回路の前記一方の出力端と前記送信アンテナとの間に設けられたバンドパスフィルタを、さらに具備する
    ことを特徴とする請求項6に記載の送信装置。
  8. 送信信号の信号電力の中で出現確率が所定値よりも小さい信号電力を検出し、
    この信号電力に相当する信号電力を有する学習用信号を前記送信信号に付加し、
    前記学習用信号が付加された送信信号を用いてプリディストーション処理を行う
    ことを特徴とする送信アンプの歪み補償方法。
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JP2008193323A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Toshiba Corp 歪み補償装置
JP2009272762A (ja) * 2008-05-01 2009-11-19 Hitachi Kokusai Electric Inc 歪み補償機能を備えた増幅装置
US8553522B2 (en) 2008-11-18 2013-10-08 Nec Corporation OFDMA-based radio communication apparatus and learning signal generation method for compensation of non-linear distortion in the radio communication apparatus
US8588711B2 (en) 2010-09-21 2013-11-19 Fujitsu Limited Transmission apparatus and distortion compensation method

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